(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】配送管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2021156828
(22)【出願日】2021-09-27
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 清人
(72)【発明者】
【氏名】河原田 誠
(72)【発明者】
【氏名】中村 慧
(72)【発明者】
【氏名】奥村 健一
(72)【発明者】
【氏名】角谷 直哉
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0401994(US,A1)
【文献】特開2015-069594(JP,A)
【文献】特開2018-073003(JP,A)
【文献】特開2021-117668(JP,A)
【文献】国際公開第2020/208945(WO,A1)
【文献】特開2020-170332(JP,A)
【文献】特開2020-052538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人物のそれぞれに対応する複数の端末装置のそれぞれとデータ通信可能な配送管理サーバを含む配送管理システムであって、前記配送管理サーバは、
着荷主として予め設定された又は設定され得る前記人物を登録者として、前記登録者に関する情報を前記端末装置を介して登録データに登録する登録部と、
前記登録者のうち、第1人物に対して、少なくとも一人の第2人物を知人として関連付けて記憶する関連付け部と、
前記登録者を前記着荷主とする配送スケジュールが設定された配送荷物データを参照して、前記第1人物を前記着荷主として配送される予定の配送荷物、及び前記関連付けられた前記第2人物を前記着荷主として配送される予定の配送荷物があるか否かの判定を行う判定部と、
前記配送荷物があると判定された前記第1人物及び前記第2人物に係る配送場所及び配送日時を相互に一致させるように調整し、調整された前記配送場所及び前記配送日時を含む調整配送情報を前記第1人物及び前記第2人物に前記端末装置を介して通知する配送情報管理部と、を備え
、
前記配送管理サーバは、前記第1人物及び前記第2人物のそれぞれの健康状態をセンシングする若しくは該健康状態に係るデータが登録されている他のシステムにアクセス可能であり、
前記配送情報管理部は、前記健康状態を勘案して前記配送場所及び前記配送日時の少なくとも一方を調整する、
配送管理システム。
【請求項2】
前記配送情報管理部は、前記調整配送情報とともに、同じ前記調整配送情報が通知される前記第1人物及び前記第2人物が相互に認識可能なように人物情報を、前記端末装置を介して通知する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項3】
前記関連付け部は、前記第1人物及び前記少なくとも一人の第2人物をメンバーとして含むグループに関するグループ情報を、特定の配送場所に対応付けて記憶し、
前記配送情報管理部は、
前記グループ内の一人のメンバーを前記着荷主として前記特定の配送場所に配送予約がされると、前記グループ内の他のメンバーに向けて、前記配送予約がされた旨を通知する予約通知部を更に備える、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項4】
前記登録者に関する情報には、前記登録者の住所が含まれ、
前記配送情報管理部は、前記第1人物及び前記第2人物のぞれぞれの前記健康状態を勘案して、前記配送場所を、前記第1人物及び前記第2人物のうち、一方の住所からよりも他方の住所から離れた位置に決定する、請求項1に記載の配送管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送主から着荷主への荷物の配送を管理する配送管理システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして例えば、配送主から着荷主に荷物を配送する際に、着荷主は通知された荷物情報に応じて配送先及び配送日時を配送業者に指示し、係る指示に応じて配送主は荷物の配送を実施するように配送スケジュールを管理するものがある(特許文献1参照)。このシステムによれば、着荷主側の立場からは、荷物の保管、転送及び配送を、着荷主の都合に合わせて行うことが出来て便利であり、配送主側の立場からは、配送の効率を図れるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1によれば、配送の利便性や効率は向上しているものの、配送サービスを高齢者の体力低下或いは認知能力低下を抑制するための手段の一つとして利用するようには構成されていない。即ち、上記特許文献1の配送管理システムでは、その技術的な水準故に、高齢者の体力低下或いは認知能力低下の抑制に繋げることは出来ない、言い換えれば、高齢者のADL(日常生活動作)等を維持するのに寄与し得ないという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、例えば上述した技術的問題に鑑みなされたものであり、高齢者の体力低下或いは認知能力低下の抑制に寄与し得る配送管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る配送管理システム一の態様は上記課題を解決するために、複数の人物のそれぞれに対応する複数の端末装置のそれぞれとデータ通信可能な配送管理サーバを含む配送管理システムであって、前記配送管理サーバは、着荷主として予め設定された又は設定され得る前記人物を登録者として、前記登録者に関する情報を前記端末装置を介して登録データに登録する登録部と、前記登録者のうち、第1人物に対して、少なくとも一人の第2人物を知人として関連付けて記憶する関連付け部と、前記登録者を前記着荷主とする配送スケジュールが設定された配送荷物データを参照して、前記第1人物を前記着荷主として配送される予定の配送荷物、及び前記関連付けられた前記第2人物を前記着荷主として配送される予定の配送荷物があるか否かの判定を行う判定部と、前記配送荷物があると判定された前記第1人物及び前記第2人物に係る配送場所及び配送日時を相互に一致させるように調整し、調整された前記配送場所及び前記配送日時を含む調整配送情報を前記第1人物及び前記第2人物に前記端末装置を介して通知する配送情報管理部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る配送管理システムの一態様によれば、判定部は、着荷主に係る情報及び着荷主の知人情報に基づいて、第1人物を着荷主とする配送荷物及び第2人物を着荷主とする配送荷物の両方があるか否かを判定する。配送情報管理部は、配送荷物があると判定された第1人物及び第2人物に対応する配送場所及び配送日時を相互に一致させるように調整して、当該調整された配送場所及び配送日時を、配送荷物があると判定された各人物に通知する。これらの結果、例えば高齢者である第1及び第2人物は、通知された配送場所(例えば、コミュニティ施設、コンビニエンスストア、集荷所等)に通知された配送日時に徒歩で出向けば、配送場所で対面することになる。従って、運動としての徒歩に加え、知人との会話、情報交換、健康維持の確認等を配送場所で行える。よって、高齢者の体力低下或いは認知能力低下の抑制に繋がる。
【0008】
本発明によるこのような作用効果は、以下に説明する発明の実施形態により、より明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る配送管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2A】実施形態に係る配送管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2B】実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る配送管理システムがアクセス可能なデータ群の一例を示すデータ構成図である。
【
図4】実施形態に係る配送管理システムにおける配送スケジュールの管理に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る配送通知画面の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る予約通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.配送管理システムの全体構成
まず、
図1を参照して、実施形態に係る配送管理システム1の全体御構成について説明する。配送管理システム1では、着荷主としての知人同士が、荷受けのために同じ配送場所で会えるように配送スケジュールが調整されるように構成されている。
【0011】
図1に示すように、本形態に係る配送管理システム1は、配送管理サーバ10と、配送管理サーバ10がアクセス可能なデータベース13と、複数の端末装置20とを備えて構成されてよい。配送管理サーバ10と各端末装置20とは、相互にデータ通信可能であり、配送管理システム1は、例えばインターネット100上に構築されてよい。端末装置20は、高齢者を含む複数の人物のそれぞれに対応し、各人物の入力操作を受け付けるスマートホン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等を含む概念である。他方、配送管理サーバ10は、例えば、配送業者の管理下で、配送業者の営業所内やクラウド上に置かれてよい。
図1では4つの端末装置20が示されているが、配送管理システム1における端末装置20の数はこれに限らない。データベース13は、インターネット100を介して配送管理サーバ10にアクセス可能に構成されてよい。インターネット100上には、
図1に示すように、配送管理サーバ10がアクセス可能な他の更なるシステム、例えば、健康管理システム2も構築されていてよい。健康管理システム2は、1つの或いは複数の健康管理サーバにより構成されてよい。
【0012】
なお、
図1に示す配送管理サーバ10及びデータベース13は概念的構成であり、物理的に1つの装置として実現されてもよいし、物理的に複数の装置によって実現されてもよい。例えば、複数の端末装置20のいずれかが、配送管理サーバ10のハードウェア構成及び処理の一部或いは全部を担うことにより、配送管理サーバ10が実現されてもよい。或いは、配送管理サーバ10のハードウェア構成及び処理の全てを複数の端末装置20に分散させて配送管理サーバ10を実現してもよい。
【0013】
2.配送管理サーバのハードウェア構成
配送管理サーバ10のハードウェア構成の一例について
図2Aを用いて説明する。配送管理サーバ10は上述したように概念的存在であるため、
図2Aに示すハードウェア構成及びその動作は、例えば、複数のサーバ装置によって実現されてよい。或いは、当該ハードウェア構成及びその動作の一部或いは全部は、複数の端末装置20の少なくとも一部に分散させて実現されてもよい。
【0014】
配送管理サーバ10は、例えば、サーバ制御部11及びサーバ送受信部12を備えていてよい。サーバ制御部11とサーバ送受信部12とは、相互にデータ通信可能であり、例えば、データバス14を介して接続されていてよい。更に、配送管理サーバ10は、例えば、配送管理者の各種操作を受け付け、各種データを配送管理者に対して出力する不図示のデータ入出力部を備えていてよい。
【0015】
サーバ送受信部12は、例えば、配送管理サーバ10の外部構成(例えば、データベース13及び各端末装置20)とインターネット100を介して各種データの送受信を行う。サーバ制御部11は、配送管理サーバ10によって実行される各処理を制御するように構成されている。サーバ制御部11は、例えば、CPU(Central Proecssing Unit)と、その動作に必要な記憶域であるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)とで構成されるコンピュータユニットとして構成されてよい。
【0016】
サーバ制御部11は、例えば、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、実行してよい。また、サーバ制御部11は、例えば、コンピュータで読み取り可能な不揮発性記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、不図示の記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。サーバ制御部11は、インターネット100を介して、配送管理サーバ10の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを読み込んでもよい。サーバ制御部11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、サーバ制御部11内には、配送管理サーバ10が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、サーバ制御部11は、配送管理サーバ10が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
図2Aには、サーバ制御部11内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。
図2Aに示すように、サーバ制御部11内には、例えば、登録部111と、関連付け部112と、判定部113と、配送情報管理部114とが実現されてよい。各部111~114の動作については後述する。
【0017】
3.データベースが保持するデータ
データベース13は、配送管理サーバ10によって行われる各種処理に必要な各種データを保持する。データベース13には、
図3に示すように、例えば、登録データ131、配送荷物データ132、及び配送場所リスト133が記憶されてよい。登録データ131は、配送管理システム1で着荷主として予め設定された又は設定され得る人物に関する情報を含む。登録データ131は、例えば、
図3に示すように、各人物を識別する登録者IDに、登録者に関する情報が対応付けられて構成されてよい。登録者に関する情報には、例えば、氏名131a、住所131b、連絡先131c、希望情報131d、知人情報131e、健康関連情報131f等が含まれてよい。住所131bは、例えば、登録者の自宅住所又は居所でよい。連絡先131cは、例えば、登録者の電話番号、メールアドレス等でよい。希望情報131dは、登録者の荷物の受け取りに関して希望する情報である。希望情報131dには、例えば、荷物の受け取りのために都合の良い時間帯、或いは都合の悪い時間帯等が含まれてよい。
【0018】
知人情報131eは、例えば、登録者が知人として特定した少なくとも一人の人物の登録者IDが設定されてよい。知人情報131eは、例えば、サーバ制御部11の関連付け部112によって設定される。健康関連情報131fは、例えば、配送管理サーバ10からアクセス可能な健康管理システム2から、各登録者の健康状態を示す情報のうち配送管理に役立つものが抽出され、各登録者に対して記憶されているものである。健康関連情報131fの抽出は、例えば、配送管理サーバ10により、健康管理システム2において健康関連情報131fが更新される都度行われてよい。或いは、当該抽出は、後述する調整配送情報を作成する都度行われてもよいし、所定の間隔で定期的に行われてもよい。健康関連情報131fには、例えば、登録者の血圧や体温等のバイタル情報、及び歩数等の運動量に関する客観的情報の他、登録者の健康に関する留意事項も含まれてよい。当該留意事項には、例えば、登録者が運動不足であり長時間の徒歩が推奨されている旨の情報、関節炎、内臓疾患等で長時間の徒歩が禁止されている旨の情報等が含まれてよい。なお、留意事項には、健康管理システム2から取得した客観的情報に基づいてサーバ制御部11が判断して設定可能な情報も含まれててもよい。
【0019】
配送荷物データ132は、登録データ131の登録者を着荷主として配送される予定の配送荷物に関する配送スケジュールを含む。例えば、
図3に示すように、各配送荷物を識別する荷物IDと配送予定情報132a等が登録者IDに対応付けられてよい。配送予定情報132aは、配送スケジュールに関する情報であり、例えば、配送場所、配送日時、配送車を識別する配送車ID等が含まれてよい。配送荷物データ132は、配送に先立って生成される。配送荷物データ132は、例えば、いずれかの登録者の配送荷物が発生するたびに生成されてよい。配送荷物データ132は、例えば、荷物の集荷時又は集荷依頼時に生成されてよい。或いは、配送管理者又は登録者による入力操作に基づいて生成されてよい。配送荷物データ132の生成時は、配送予定情報132aは空欄でもよい。
【0020】
配送場所リスト133は、配送場所として決定され得る場所として予め設定された配送場所候補133aのリストである。配送場所リスト133には、例えば、
図3に示すように、配送場所候補133aとその所在地133b等の配送場所候補に関する情報が対応付けられていてよい。配送場所候補133aとしては、例えば、高齢者同士がゆっくり談合できるコミュニティ施設、コンビニエンスストア、集荷所、公園、等が望ましい。
【0021】
4.サーバ制御部の動作
図2Aに戻り、サーバ制御部11が実現する各部111~114の動作について説明する。登録部111は、例えば、着荷主として予め設定された人物に関する登録データ131情報を、配送荷物の発生後に登録したり、着荷主として設定され得る人物に関する情報を、配送荷物の発生前に登録するように構成されてよい。関連付け部112は、例えば、登録データ131に登録された複数の登録者の中で、例えば高齢者である第1人物に付き合いのある例えば高齢者或いは非高齢者である少なくとも一人の第2人物を、知人として第1人物に関連付けて記憶するように構成されてよい。本形態では、関連付け部112は、知人として第1人物に関連付けるべき少なくとも一人の第2人物を、第1人物に関する登録データ131の知人情報131eに記憶する。関連付け部112は、第1人物に知人として第2人物を関連付ける際に、例えば、第2人物に第1人物を知人として関連付けて記憶してもよい。
【0022】
判定部113は、例えば、上述の如き登録部111による登録状態及び関連付け部112による関連付けがされた状態で、第1人物を着荷主として配送される予定の荷物、及び知人として対応付けられた少なくとも一人の第2人物のいずれかを着荷主として配送される予定の荷物があるか否かを判定するように構成されてよい。判定部113は、配送荷物データ132を参照することにより、当該判定を行ってよい。
【0023】
配送情報管理部114は、例えば、判定部113による判定の結果、第1人物及び少なくとも一人の第2人物のいずれかに荷物があると判定された場合に、荷物があると判定された第1人物及び少なくとも一人の第2人物に係る配送場所及び配送日時を相互に一致させるように調整するように構成されてよい。配送場所の決定方法については後述する。また、配送情報管理部114は、調整された配送場所及び配送日時を含む調整配送情報を対応する各人物に対して端末装置20を介して通知するように構成されてよい。
【0024】
5.端末装置のハードウェア構成
端末装置20の基本的なハードウェア構成の一例について
図2Bを用いて説明する。端末装置20は、例えば、端末送受信部21、データ入力部22、データ出力部23、及び端末制御部24を備えていてよい。端末送受信部21と、データ入力部22と、データ出力部23と、端末制御部24とは、例えばデータバス25を介してデータ通信可能に接続されてよい。端末送受信部21は、例えば、配送管理サーバ10等の端末装置20の外部構成と各種データの送受信をインターネット100を介して行うように構成されてよい。データ入力部22は、例えば、端末装置20の操作者からの各種データのデータ入力を受け付けるように構成されてよい。データ入力には、例えば、キーボードやマウス等の各種入力機器を介した入力、タッチパネルやボタン等への接触入力や非接触入力、及び音声入力等が含まれる。データ出力部23は、例えば、端末装置20の操作者に対して、各種データを出力するように構成されてよい。データ出力には、画面出力、及び音声出力等が含まれる。
【0025】
端末制御部24は、他の各部21、22、23の動作を制御することにより、端末装置20における各処理を制御するように構成されている。端末制御部24は、例えば、CPU(Central Proecssing Unit)と、その動作に必要な記憶域であるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)とで構成されるコンピュータユニットとして構成されてよい。端末制御部24は、例えば、配送管理サーバ10のユーザインターフェースとして機能してよい。端末制御部24は、例えば、配送管理サーバ10からの指示に従って、操作者にデータを入力させ、入力されたデータを配送管理サーバ10に送信してよい。また、端末制御部24は、例えば、配送管理サーバ10からの指示に従って、配送管理サーバ10からのデータを取得し、取得したデータを操作者に対して出力してよい。なお、端末制御部24は、サーバ制御部11の上述した各部111~114の少なくとも一部を実現するように構成されてもよい。
【0026】
6.配送管理システムで行われる処理
配送管理システム1において行われる配送スケジュールに関する処理について、サーバ制御部11が行う処理を中心にして、
図4のフローチャートを用いて説明する。まず、登録部111が登録処理を行う(ステップS101)。登録部111は、登録処理として、例えば、端末装置20を介して、着荷主として予め設定された又は設定され得る人物の操作により、当該人物に登録者IDを付与し、当該人物に関する情報を登録者に関する情報として、データベース13の登録データ131(
図3参照)に登録してよい。
【0027】
次に、関連付け部112が関連付け処理を行う(ステップS102)。関連付け処理では、例えば、登録データ131の登録者のうちの一人である第1人物に対して、少なくとも一人の第2人物が知人として関連付けられてよい。関連付け部112は、例えば、第1人物に、登録データの登録者一覧を提示し、知人としての登録を希望する少なくとも一人の第2人物を選択させ、選択された各第2人物の登録者IDを第1人物の登録データ131の知人情報131eに設定してよい。
【0028】
関連付け部112は、例えば、第1人物が知人として知人情報131eに既に設定されている第2人物を、知人として選択可能に第1人物に提示してもよい。或いは、関連付け部112は、例えば、第1人物が利用する不図示のSNS(Social Networking System)の友人情報(仲間情報及び関係者情報等を含む)にアクセスして、友人情報にも登録されている登録者を、第1人物の知人として選択可能に第1人物に提示してもよい。関連付け部112は、例えば、第1人物に知人として選択された第2人物の登録データ131の知人情報131eに、第1人物が設定されていない場合、第2人物の知人情報131eに第1人物を設定してもよい。
【0029】
続いて、判定部113が判定処理を行う(ステップS103)。判定処理では、例えば、第1人物を着荷主として配送される予定の配送荷物と、第1人物の少なくとも一人の知人のいずれかを着荷主として配送される予定の配送荷物との両方があるか否かが判定されてよい。判定部113は、当該判定を、例えば、配送荷物データ132を参照することによって行ってよい。判定部113は、配送荷物データ132に少なくとも登録者ID及び荷物IDが登録されている場合に、対応する登録者を着荷主として配送が予定されている配送荷物があると判定してよい。
【0030】
ステップS103において、否定判定された場合、即ち両方の配送荷物があると判定されない場合(ステップS103:No)、サーバ制御部11は、例えば、当該処理ルーチンを終了してよい。一方、ステップS103において、肯定判定された場合、即ち両方の配送荷物があると判定された場合(ステップS103:Yes)、配送情報管理部114は、調整配送情報処理を行ってよい(ステップS104)。配送情報管理部114は、調整配送情報処理として、例えば、配送予定の配送荷物があると判定された第1人物及び第2人物に係る配送場所及び配送日時を相互に一致させるように調整し、調整された配送場所及び配送日時を含む調整配送情報を作成してよい。
【0031】
配送場所の調整に関して、配送情報管理部114は、例えば、第1及び第2人物の住所に基づいて配送場所を決定してよい。また、配送情報管理部114は、配送日時の調整に関しては、例えば、登録データ131の希望情報131dに登録された希望時間帯に沿うように決定してよい。更に、配送情報管理部114は、登録データ131の健康関連情報131fを勘案して配送場所及び配送日時を決定してよい。配送情報管理部114は、例えば、長時間の徒歩が推奨されている人物や運動量が所定レベルよりも少ない人物に対しては、同時に荷受けする他方の人物よりも、自宅から離れた配送場所を決定してよい。逆に、長時間の徒歩が禁止されている人物や運動量が所定レベルよりも多い人物に対しては、同時に荷受けする他方の人物よりも、自宅から近い場所を配送場所として決定してもよい。或いは、配送情報管理部114は、同時に荷受けする複数の人物の住所の中心地点付近の場所を配送場所として決定してもよい。また、配送情報管理部114は、例えば、鳥目傾向のある人物がいる場合は、昼間の時間帯を配送日時として決定してよい。このように、配送情報管理部114は、配送場所及び配送日時の調整のために、登録データ131の各項目及び/又は配送場所リスト133を参照して、当該調整のためのアルゴリズムに組み入れてよい。
【0032】
配送情報管理部114は、調整配送情報を作成後、通知処理を行う(ステップS105)。配送情報管理部114は、通知処理において、例えば、調整配送情報をステップS103で肯定判定された各人物に通知する。配送情報管理部114は、例えば、当該肯定判定された各人物に対応する端末装置20に配送通知を送信し、
図5に示す配送通知画面500を提示させてよい。配送通知には、例えば、調整配送情報の他、同じ調整配送情報が送信される他の人物(即ち、知人)を示す人物情報が含まれてよい。配送通知に基づいて表示される配送通知画面500には、
図5に示すように、調整配送情報が示す配送場所500b及び配送日時500cの他、同じ調整配送情報が通知される知人名、即ち、同じ配送場所及び同じ日時に荷物を受け取りに来る知人名500aが表示されてよい。なお、
図5に示す例では、一人の知人名500aが表示されているが、同じ調整配送情報が通知された他の人物が複数ある場合は、その全ての知人名が表示されてよい。
【0033】
配送情報管理部114は、調整配送情報の通知に前後して、調整配送情報を対応する各人物の配送荷物データ132の配送予定情報132aに設定してよい。或いは、配送通知画面500が提示された人物のうち承認を得た人物に関しての配送荷物データ132の配送予定情報132aに、調整配送情報を設定してよい。なお、配送情報管理部114は、配送予定情報132aが既に設定されている場合は、調整配送情報に変更してもよい。これにより、調整された配送場所及び配送日時が、調整配送情報に対応する各人物の配送スケジュールとして設定される。
【0034】
ステップS103の判定処理は、ステップS102の関連付け処理後、定期若しくは不定期に配送に先行して高頻度で行うように構成してよい。或いは、ステップS103の判定処理は、配送荷物データ132に少なくとも登録者ID及び荷物IDが登録される度に行われてもよい。
【0035】
配送管理システム1は、更に、下記のように構成されてよい。例えば、データベース13には、登録データ131の登録者のうち、知人同士の複数の人物をメンバーとして構成されたグループのグループ情報を特定の配送場所に対応付けて記憶されてよい。グループの設定及び記憶は、例えば、登録者の入力操作によって行われてよい。また、サーバ制御部11の配送情報管理部114は、登録者を着荷主とする配送荷物の配送予約を受け付け、グループ内の一人のメンバーに対して特定の配送場所が指定された配送予約がされると、当該グループ内の他のメンバーに向けて、当該特定の配送場所に配送予約がされた旨を通知する予約通知部を備えていてもよい。予約通知部は、例えば、配送予約がされたメンバーの他、特定の配送場所及び配送日時が含まれる配送予約通知を他のメンバーに向けて発信してよい。端末装置20は、
図6に示すように、受信した配送予約通知に含まれる情報に基づいて、配送予約がされたメンバー(即ち、AAさん)600a、配送場所(即ち、特定の配送場所)600b、及び配送日時600cを示す予約通知画面600を表示してよい。配送情報管理部114は、例えば、配送荷物データ132の配送予定情報132aに特定の配送場所が設定されると、特定の配送場所に配送予約がされたと判断してよい。なお、グループ情報は、例えば、特定の配送場所としての配送場所候補133aに対応付けられて配送場所リスト133に保持されてよい。或いは、グループ情報は、配送場所候補133aとは異なる場所を特定の場所として対応付けられて記憶されてよい。
【0036】
ここで、より簡易で負担の少ない処理及び構成を採用するならば、
図1に示した如き健康管理システム2は不要であり、その場合、
図3に示した登録データ131の健康関連情報131fも不要となり、該健康関連情報131fを勘案して配送場所等を調整することも不要となる。また、高齢者等が集まりやすい1つの場所(例えば、公民館)が、調整された配送場所として予め決定されていてもよい。この場合、配送場所リスト133は不要であり、調整配送情報の作成の際には、配送場所を一致させるための調整も不要であり、配送日時を一致させる調整のみがされる。更に、調整される配送場所は建物や施設でなく、配送地点(或いは配送位置)であってもよい。この場合、例えば、Maas(モビリティ・アズ・ア・サービス)用自動運転車等の移動式社交場を、調整された配送位置に停車させて配送場所として利用するように構成してもよい。この場合も配送場所リスト133は不要である。Maas用自動運転車は、集荷所として利用されてもよい。以上のような形態であっても、荷受けのために高齢者を外出させ、配送場所で知人同士を対面させることができる。従って、高齢者の体力低下或いは認知能力低下の抑制という作用効果は存分に発揮される。
【0037】
なお、このような配送管理システム1の構成によれば、配送荷物が要冷蔵或いは要冷凍の場合にも本システムを適用可能にする観点からは、配送車としては冷蔵庫付にするのが望ましい。他方で、通常の配送に比べて複数の配送場所を1つにまとめることで、配送に費やされる費用が低減されることが想定される。従って、通常配送では複数の配送場所を1つにまとめられることが出来る場合、配送料を安く設定することで、エコ促進を図ることも可能である。
【0038】
以上詳細に説明したように実施形態によれば、配送管理システム1により通知された調整配送情報に誘導される形で、例えば高齢者である第1人物と、該第1人物と付き合いのある例えば高齢者である第2人物とは、例えば近隣のコンビニエンスストア、公民館等の地域のコミュニケーション施設、建造物内の固定式或いはMaas用自動運転車から構成される移動式配送場所に、配送日時に出向けば、例えば友人ら或いは知人らである、付き合いのある第1及び第2人物は配送場所で対面することになる。よって、人物が配送場所まで徒歩で行くことによる健康増進作用に加えて、これら両者間で、仮に何らの技術的対策も施さねば不可能に近いであろう、会話、情報交換、健康維持の確認等を実際には配送場所で行えることになる。よって、高齢者の体力低下或いは認知能力低下の抑制に繋がり、高齢者のADL等を維持するのに多大に寄与し得る。
【0039】
付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0040】
[付記1]
本発明に係る付記1に記載の配送管理システムは、複数の人物のそれぞれに対応する複数の端末装置のそれぞれとデータ通信可能な配送管理サーバを含む配送管理システムであって、前記配送管理サーバは、着荷主として予め設定された又は設定され得る前記人物を登録者として、前記登録者に関する情報を前記端末装置を介して登録データに登録する登録部と、前記登録者のうち、第1人物に対して、少なくとも一人の第2人物を知人として関連付けて記憶する関連付け部と、前記登録者を前記着荷主とする配送スケジュールが設定された配送荷物データを参照して、前記第1人物を前記着荷主として配送される予定の配送荷物、及び前記関連付けられた前記第2人物を前記着荷主として配送される予定の配送荷物があるか否かの判定を行う判定部と、前記配送荷物があると判定された前記第1人物及び前記第2人物に係る配送場所及び配送日時を相互に一致させるように調整し、調整された前記配送場所及び前記配送日時を含む調整配送情報を前記第1人物及び前記第2人物に前記端末装置を介して通知する配送情報管理部と、を備える。
【0041】
付記1に記載の配送管理システムによれば、登録部には、着荷主として予め設定された人物が、配送荷物の発生後に登録されたり、着荷主として設定され得る人物が、配送荷物の発生前に登録されたりする。ここで例えば配送管理システム内には、このように登録された複数の人物の中で、第1人物に付き合いのある第2人物が、第1人物の知人として第1人物に関連付けて記憶される。このような登録状態及び記憶状態で、判定部は、登録者を着荷主とする配送スケジュールが設定された配送荷物データを参照して、第1人物を着荷主とする配送予定の配送荷物及び第2人物を着荷主とする配送予定の配送荷物の両方があるか否かを判定する。このような判定を実行するタイミングとしては、例えば、第1人物を着荷主とする配送荷物の集荷や集荷依頼が来た段階で行ってもよいし、定期若しくは不定期に配送に先行して高頻度で行うように構成すればよい。そして、配送情報管理部は、第1人物及び第2人物の両方に配送荷物がある場合、各人物の各配送荷物に係る配送場所及び配送日時を相互に一致させるように調整配送情報を作成して、当該各人物に調整配送情報を通知する。これらの結果、配送管理システムにより通知された調整配送情報に誘導される形で、例えば高齢者である第1人物と、該第1人物と付き合いのある例えば高齢者である第2人物とは、通知された配送場所に通知された配送日時に徒歩で出向けば、例えば友人ら或いは知人らである、付き合いのある第1及び第2人物は配送場所で対面することになる。よって、これらの者間で、仮に何らの技術的対策も施さねば不可能に近いであろう、運動としての徒歩に加えて知人間の会話、情報交換、健康維持の確認等を実際には配送場所で行えることになる。よって、高齢者の体力低下或いは認知能力低下の抑制に繋がり、高齢者のADL等を維持するのに多大に寄与し得る。なお、配送場所は、例えば高齢者が集まりやすい施設(例えば、公民館、集荷所、公園等)の1つであってもよいし、或いは、例えば、Maas用自動運転車等から構成される移動式配送場所が停車する位置であってもよい。
【0042】
[付記2]
本発明に係る付記2に記載の配送管理システムは、前記配送情報管理部は、前記調整配送情報とともに、同じ前記調整配送情報が通知される前記第1人物及び前記第2人物が相互に認識可能なように人物情報を、前記端末装置を介して通知する、ことを特徴とする付記1記載の配送管理システムである。
【0043】
付記2に記載された配送管理システムによれば、調整配送情報とともに、同じ調整配送情報が通知される第1人物及び第2人物が相互に認識可能なように人物情報も通知される。これにより、同じ調整配送情報に対応する各人物に対して、配送場所で会える知人を知らせることが可能となり、各人物の外出意欲を高めることが可能となる。
【0044】
[付記3]
本発明に係る付記3に記載の配送管理システムは、前記配送管理サーバは、前記第1人物及び前記第2人物のそれぞれの健康状態をセンシングする若しくは該健康状態に係るデータが登録されている他のシステムにアクセス可能であり、前記配送情報管理部は、前記健康状態を勘案して前記配送場所及び前記配送日時の少なくとも一方を調整する、ことを特徴とする付記1記載の配送管理システムである。
【0045】
付記3に記載された配送管理システムによれば、例えば、徒歩による運動量確保や逆に無理な運動はさせないなど各個人の健康状態を考慮して配送場所を決定することが可能となる。従って、配送の利用者或いは着荷者である各登録者の健康状態に大なり小なり相応しい調整配送情報が作成され得る。従って、高齢者の体力低下或いは認知能力低下の抑制により直接寄与し得る。
【0046】
[付記4]
本発明に係る付記4に記載の配送管理システムは、前記配送情報管理部は、一致させる前記配送場所として、前記第1人物及び前記第2人物の自宅から中心付近を決定する、ことを特徴とする付記1記載の配送管理システムである。
【0047】
付記4に記載された配送管理システムによれば、第1人物及び第2人物の双方から遠くない或いは近い配送場所を利用することが可能となり、同者間のバランスが保たれる。
【0048】
[付記5]
本発明に係る付記5に記載の配送管理システムは、前記関連付け部は、前記第1人物及び前記少なくとも一人の第2人物をメンバーとして含むグループに関するグループ情報を、特定の配送場所に対応付けて記憶し、前記配送情報管理部は、前記グループ内の一人のメンバーを前記着荷主として前記特定の配送場所に配送予約がされると、前記グループ内の他のメンバーに向けて、前記配送予約がされた旨を通知する予約通知部を更に備える、ことを特徴とする付記1記載の配送管理システムである。
【0049】
付記5に記載された配送管理システムによれば、特定の配送場所に対応付けられたグループにおいて、そのグループを構成する複数のメンバーのうちの一人に、その特定の配送場所に配送予約がされると、グループ内の他のメンバー向けて、当該配送予約がされた旨が通知される。即ち、他のメンバーに、特定の配送場所にて配送予約がされたことを知らせることができる。当該通知を、例えば、予約された配送日時及び特定の配送場所等を示す配送予約通知とすれば、当該配送予約通知を受けたメンバーは、配送予約したメンバーに会える場所と日時を知ることができる。また、例えば、配送予約通知を受けたメンバーは、自己の配送予約を配送予約通知が示す配送場所及び配送日時に一致させるように設定することができる。
【0050】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う配送管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1 配送管理システム
10 配送管理サーバ
20 端末装置
111 登録部
112 関連付け部
113 判定部
114 配送情報管理部