(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】画像処理システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240604BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240604BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
G06F3/12 322
G06F3/12 338
G06F3/12 374
H04N1/00 838
G03G21/00 390
(21)【出願番号】P 2022537940
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2021026221
(87)【国際公開番号】W WO2022019175
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】P 2020124825
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 喜章
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-136780(JP,A)
【文献】特開2005-271406(JP,A)
【文献】特開2008-259014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモート端末と、ユーザー端末と、画像処理装置とを備え、前記画像処理装置は、前記リモート端末が前記画像処理装置のメンテナンス作業を行なうときに前記リモート端末とリモート接続される画像処理システムであって、
前記ユーザー端末は、プライベート印刷の実行要求を送信するユーザー端末送信部を含み、
前記画像処理装置は、
前記実行要求を受信する装置受信部と、
前記実行要求に応じて、前記画像処理装置が前記リモート端末とリモート接続されているか否かを判別し、判別結果を示す接続情報を出力する状態判定部と、
前記接続情報を送信する装置送信部と、を含み、
前記ユーザー端末は、
前記接続情報を受信するユーザー端末受信部と、
前記接続情報に基づいて、前記プライベート印刷の実行を処理する処理部と、をさらに含む、画像処理システム。
【請求項2】
前記ユーザー端末において、前記ユーザー端末送信部は、前記画像処理装置と前記リモート端末とがリモート接続されていないことを示す前記接続情報を前記ユーザー端末受信部が受信した場合に、パスワードと、画像データとを送信し、
前記画像処理装置は、
前記パスワード及び前記画像データを前記装置受信部が受信した場合に、パスワード入力画面を表示する装置表示部と、
前記装置受信部が受信した前記パスワード
と、前記パスワード入力画面においてユーザーによって入力されたパスワードとを照合して、照合結果を示す照合情報を出力する照合部と、
前記照合情報が、前記パスワードが認証されたことを示す場合に、前記画像データに基づく画像を、シートに形成する画像形成部と、をさらに含む、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記処理部は、前記画像処理装置と前記リモート端末とがリモート接続されていることを示す前記接続情報を前記ユーザー端末受信部が受信した場合に、前記プライベート印刷の実行を保留する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記状態判定部はさらに、前記画像処理装置にエラーが発生しているか否かを判別し、前記エラーが発生している場合にエラー情報を出力し、
前記装置送信部はさらに、前記エラー情報を送信し、
前記処理部は、前記画像処理装置と前記リモート端末とがリモート接続されていることを示す前記接続情報及び前記エラー情報を前記ユーザー端末受信部が受信した場合に、前記プライベート印刷の実行要求を消去する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記状態判定部はさらに、前記エラーが解消した場合にエラー解消情報を出力し、
前記装置送信部はさらに、前記エラー解消情報を送信し、
前記処理部は、前記エラー解消情報を前記ユーザー端末受信部が受信した場合に
、前記画像処理装置と前記リモート端末とのリモート接続が切断された旨を示す情報を前記ユーザー端末受信部が受信するまで、消去された前記プライベート印刷の実行を保留する、請求項4に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電話番号を使用して、SIP(Session Initiation Protocol)でコンピューターと電子機器とを接続することにより、コンピューターから電子機器を操作する遠隔接続システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、遠隔接続システムでは、コンピューターから電子機器を遠隔操作している間、ユーザーは、ユーザーのコンピューターからプライベート印刷を実行できない。特許文献1は、コンピューターから電子機器を遠隔操作している間の処理について開示していない。
【0005】
本発明は、リモート端末と画像処理装置とがリモート接続されているか否かに応じて、ユーザー端末によるプライベート印刷が好適に処理される画像処理システムを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の一局面に係る画像処理システムは、リモート端末と、ユーザー端末と、画像処理装置とを備える。画像処理システムにおいて、画像処理装置は、リモート端末が画像処理装置のメンテナンス作業を行なうときにリモート端末とリモート接続される。ユーザー端末は、ユーザー端末送信部を含む。ユーザー端末送信部は、プライベート印刷の実行要求を送信する。画像処理装置は、装置受信部と、状態判定部と、装置送信部とを含む。装置受信部は、実行要求を受信する。状態判定部は、実行要求に応じて、画像処理装置がリモート端末とリモート接続されているか否かを判別し、判別結果を示す接続情報を出力する。装置送信部は、接続情報を送信する。ユーザー端末は、ユーザー端末受信部と、処理部とをさらに含む。ユーザー端末受信部は、接続情報を受信する。処理部は、接続情報に基づいて、プライベート印刷の実行を処理する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像処理システムによれば、リモート端末と画像処理装置とがリモート接続されているか否かに応じて、ユーザー端末によるプライベート印刷が好適に処理される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像処理システムを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る画像処理システムによる情報処理を示すシーケンスチャートである。
【
図4】第1実施形態に係る画像処理システムによる情報処理を示すシーケンスチャートである。
【
図5】第2実施形態に係る画像処理システムによる情報処理を示すシーケンスチャートである。
【
図6】第3実施形態に係る画像処理システムによる情報処理を示すシーケンスチャートである。
【
図7】第1実施形態~第3実施形態に係る画像処理システムによる情報処理を示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態~第3実施形態に係る画像処理システムによる情報処理を示すフローチャートである。
【
図9】第1実施形態~第3実施形態に係る画像処理システムによる情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については、同一の参照符号を付して、説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る画像処理システム1について説明する。
図1は、第1実施形態に係る画像処理システム1を示す図である。なお、
図1で説明される第1実施形態は、本発明のすべての実施形態に適用され得る。
【0011】
図1に示すように、画像処理システム1は、リモート端末100と、サーバー200と、画像処理装置300と、クラウド400と、ユーザー端末500とを備える。
【0012】
リモート端末100は、画像処理装置300のメンテナンスを行なうサービス会社に属する。リモート端末100は、サービス会社のサービスマンにより操作される。リモート端末100は、画像処理装置300とリモート接続されることにより、画像処理装置300をメンテナンスする。リモート端末100の一例としては、デスクトップパソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレットがある。
【0013】
サーバー200は、リモート端末100からリモート接続要求を受信し、リモート端末100と画像処理装置300とをリモート接続する。サーバー200の一例としては、デスクトップパソコンがある。
【0014】
画像処理装置300は、原稿をスキャンし、又は、シートに画像を形成し、さらに、外部端末との間で、画像信号を送受信する。画像処理装置300の一例としては、画像形成装置、MFP(Multi Function Printer)、ファクシミリ、又は、スキャナーがある。
【0015】
クラウド400は、インターネットを介して、ユーザーにコンピューター資源を提供するサービスである。クラウド400の一例としては、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、又は、IaaS(Infrastructure as a Service)がある。
【0016】
以降の説明においては、サーバー200は、クラウド400であってもよい。また、クラウド400は、サーバー200を含んでもよい。以降、特段の説明を要さない限り、サーバー200の説明は、クラウド400にも適用され得るものとして説明する。
【0017】
ユーザー端末500は、例えば、画像処理装置300と同じユーザーに属する社内コンピューターである。ユーザー端末500は、画像処理装置300にプライベート印刷を指示できる。プライベート印刷とは、ユーザー端末500から送信された画像データに付随するパスワードと、画像処理装置300でユーザーにより入力されたパスワードとが照合された場合に、画像データが示す画像がシートに形成される機能である。
【0018】
リモート端末100と、サーバー200と、画像処理装置300と、クラウド400とは、回線Lで互いに接続されている。回線Lは、例えば、LAN(Local Area Network)、又は、WAN(Wide Area Network)である。回線Lは、無線回線又は有線回線に限定されない。ユーザー端末500と画像処理装置300とを接続する回線Lの一例としては、社内LAN(Local Area Network)がある。
【0019】
次に、
図2を参照して、第1実施形態に係る画像処理システム1の具体的な態様を説明する。
図2は、第1実施形態に係る画像処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、画像処理システム1は、リモート端末100と、サーバー200と、画像処理装置300と、ユーザー端末500とを備える。
【0021】
リモート端末100は、端末送信部10と、端末表示部12と、端末受信部14と、端末設定部16として機能する制御ユニット18と、を含む。
【0022】
端末送信部10は、リモート接続要求を送信する。リモート接続要求は、画像処理装置300のメンテナンス作業をリモート端末100が行なうために、リモート端末100と画像処理装置300とを回線接続することを要求する信号をサーバー200に送信することをいう。端末送信部10の一例は、コーデック(CODEC:CODER/DECODER)である。
【0023】
端末表示部12は、リモート画面を表示する。リモート画面は、リモート端末100が画像処理装置300のメンテナンス作業を行なう際に、端末表示部12に表示される画面である。端末表示部12の一例は、ディスプレイである。ディスプレイは、タッチセンサーを有してもよい。
【0024】
端末受信部14は、リモート画面情報を受信する。端末受信部14の一例は、コーデックである。
【0025】
制御ユニット18は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。制御ユニット18は、例えばROMに記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、端末設定部16として機能する。端末設定部16は、リモート画面を設定する。
【0026】
サーバー200は、インストール部30、登録部32、サーバー設定部38、及び中継部40として機能する制御ユニット31と、サーバー受信部34と、接続部36と、を含む。
【0027】
制御ユニット31は、プロセッサー、RAM、及びROM等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU、MPU、又はASIC等である。制御ユニット31は、例えばROMに記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、インストール部30、登録部32、サーバー設定部38、及び中継部40として機能する。インストール部30は、リモート端末100が画像処理装置300のメンテナンス作業を行なうためのソフトウェアをダウンロードし、インストールする。インストール部30は、登録部32にダウンロードされたソフトウェアを、実行ファイルでインストールする。
【0028】
登録部32は、メンテナンス作業を行なうためのソフトウェアを登録する。登録部32は、ソフトウェアを記憶部に記憶する。登録部32は、さらに、リモート端末100のアドレスと、画像処理装置300のアドレスとを登録する。
【0029】
サーバー受信部34は、リモート端末100の端末送信部10から送信されたリモート接続要求を受信する。サーバー受信部34の一例は、コーデックである。
【0030】
接続部36は、リモート端末100と画像処理装置300とを回線接続する。接続部36の一例は、モデム(MODEM:MODULATOR/DEMODULATOR)である。
【0031】
サーバー設定部38は、リモート端末100のリモート接続要求に基づいて、リモート端末100及び画像処理装置300に、それぞれ、リモート画面情報を送信する。すなわち、メンテナンス作業において、リモート端末100及び画像処理装置300は、同じリモート画面を共有する。
【0032】
サーバー設定部38はさらに、リモート端末100の端末表示部12が表示するリモート画面と、後述する画像処理装置300の装置表示部50が表示するリモート画面とを同期又は連動させる。
【0033】
サービス会社のサービスマンは、リモート端末100により、画像処理装置300のメンテナンス作業を行なう。リモート端末100の端末表示部12に表示されるリモート画面と、画像処理装置300の装置表示部50に表示されるリモート画面とが同期又は連動することにより、ユーザーは、画像処理装置300の装置表示部50に表示されるリモート画面で、メンテナンス作業の様子を目視できる。
【0034】
中継部40は、リモート端末100のメンテナンス作業において、リモート端末100の端末送信部10から送信された、設定事項の変更情報を、画像処理装置300に中継する。
【0035】
画像処理装置300は、装置表示部50と、装置受信部52と、装置設定部54、状態判定部56、及び照合部60として機能する制御ユニット53と、装置送信部58と、画像形成部62とを含む。
【0036】
装置表示部50は、リモート画面を表示する。装置表示部50の一例は、ディスプレイである。ディスプレイは、タッチセンサーを有してもよい。
【0037】
装置受信部52は、リモート端末100の端末送信部10から送信されたプライベート印刷の実行要求を、サーバー200を介して受信する。装置受信部52は、リモート画面情報を受信する。装置受信部52は、サーバー200の中継部40により中継された設定事項の変更情報を受信する。装置受信部52の一例は、コーデックである。
【0038】
制御ユニット53は、プロセッサー、RAM、及びROM等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU、MPU、又はASIC等である。制御ユニット53は、例えばROMに記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、装置設定部54、状態判定部56、及び照合部60として機能する。装置設定部54は、リモート画面情報に基づいて、リモート画面を設定する。装置設定部54は、装置受信部52が受信した設定事項の変更情報に基づいて、画像処理装置300の設定を変更する。
【0039】
状態判定部56は、プライベート印刷の実行要求に応じて、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続されているか否かを判別し、判別結果を示す接続情報を出力する。リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続されている場合、接続情報は、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続されていることを示す。リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続されていない場合、接続情報は、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続されていないことを示す。
【0040】
装置送信部58は、接続情報を送信する。装置送信部58の一例は、コーデックである。
【0041】
照合部60及び画像形成部62については、後述する。
【0042】
ユーザー端末500は、ユーザー端末送信部70と、ユーザー端末受信部72と、処理部74として機能する制御ユニット75と、ユーザー端末表示部76とを含む。
【0043】
ユーザー端末500は、画像処理装置300にプライベート印刷を指示する。
【0044】
ユーザー端末送信部70は、プライベート印刷の実行要求を送信する。ユーザーは、キーボードなどのインターフェースを用いて、プライベート印刷の実行を指示する。ユーザー端末送信部70の一例は、コーデックである。
【0045】
ユーザー端末受信部72は、接続情報を受信する。ユーザー端末受信部72の一例は、コーデックである。
【0046】
制御ユニット75は、プロセッサー、RAM、及びROM等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU、MPU、又はASIC等である。制御ユニット75は、例えばROMに記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、処理部74として機能する。処理部74は、接続情報に基づいて、プライベート印刷の実行を処理する。
【0047】
ユーザー端末表示部76は、プライベート印刷の実行を保留していることを示すメッセージを表示する。ユーザー端末表示部76の一例は、ディスプレイである。ディスプレイは、タッチセンサーを有してもよい。
【0048】
次に、
図1、
図2に加え、さらに、
図3及び
図4を参照して、第1実施形態に係る画像処理システム1による情報処理の一例を具体的に説明する。
【0049】
第1実施形態において、画像処理システム1は、リモート端末100と、サーバー200と、画像処理装置300と、ユーザー端末500とを備える。
【0050】
画像処理システム1において、画像処理装置300は、リモート端末100が画像処理装置300のメンテナンス作業を行なうときにリモート端末100とリモート接続される。
【0051】
ユーザー端末500は、ユーザー端末送信部70を含む。ユーザー端末送信部70は、プライベート印刷の実行要求を送信する。
【0052】
画像処理装置300は、装置受信部52と、状態判定部56と、装置送信部58とを含む。装置受信部52は、プライベート印刷の実行要求を受信する。状態判定部56は、画像処理装置300がリモート端末100とリモート接続されているか否かを判別し、判別結果を示す接続情報を出力する。装置送信部58は、接続情報を送信する。
【0053】
ユーザー端末500は、ユーザー端末受信部72と、処理部74とをさらに含む。ユーザー端末受信部72は、接続情報を受信する。処理部74は、接続情報に基づいて、プライベート印刷の実行を処理する。
【0054】
また、第1実施形態では、ユーザー端末500の処理部74は、画像処理装置300とリモート端末100とがリモート接続されていることを示す接続情報をユーザー端末受信部72が受信した場合に、プライベート印刷の実行を保留する。
【0055】
図3及び
図4は、第1実施形態に係る画像処理システム1による情報処理を示すシーケンスチャートである。
【0056】
図3は、リモート端末100、画像処理装置300、及び、サーバー200のそれぞれにおける情報処理を、時系列に示す図である。
【0057】
図3に示すように、(1)端末送信部10は、画像処理装置300とのリモート接続要求を、サーバー200に送信する。具体的には、ユーザーが画像処理装置300の不具合などを発見することにより、サービス会社にメンテナンスを依頼すると、サービス会社がリモート端末100の端末送信部10からリモート接続要求を送信する。
【0058】
(2)サーバー200のサーバー受信部34は、リモート接続要求を受信する。
【0059】
(3)サーバー200の接続部36は、画像処理装置300からの返信に基づいて、リモート端末100と、画像処理装置300とをリモート接続する。
【0060】
(4)サーバー200のサーバー設定部38は、リモート接続要求に基づいて、画像処理装置300の装置表示部50にリモート画面情報を送信する。
【0061】
(5)サーバー200のサーバー設定部38は、リモート接続要求に基づいて、リモート端末100の端末表示部12にリモート画面情報を送信する。
【0062】
(6)画像処理装置300の装置受信部52は、リモート画面情報を受信する。
【0063】
(7)画像処理装置300の装置設定部54は、リモート画面を設定する。
【0064】
(8)画像処理装置300の装置表示部50は、リモート画面を表示する。リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続され、装置表示部50にリモート画面が表示されている間、装置設定部54は、装置表示部50に対するユーザーによる指示入力を禁止してもよい。リモート端末100による画像処理装置300のメンテナンス作業に不具合を生じさせないためである。
【0065】
(9)リモート端末100の端末受信部14は、リモート画面情報を受信する。
【0066】
(10)リモート端末100の端末設定部16は、リモート画面を設定する。
【0067】
(11)リモート端末100の端末表示部12は、リモート画面を表示する。以上で、リモート端末100と、画像処理装置300とは、リモート接続され、リモート端末100の端末表示部12と、画像処理装置300の装置表示部50とに、それぞれ、リモート画面が表示される。
【0068】
次に、
図3で説明したように、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続された後、
図3に示す(I)に引き続いて、
図4に示す情報処理が行なわれる。
図4は、第1実施形態において、ユーザー端末500が、画像処理装置300に対して、プライベート印刷の実行要求を行なう際の情報処理を時系列で示す。
【0069】
図4に示すように、(12)ユーザー端末500のユーザー端末送信部70は、プライベート印刷の実行要求を行なう。
【0070】
(13)画像処理装置300の装置受信部52は、プライベート印刷の実行要求を受信する。
【0071】
(14)画像処理装置300の状態判定部56は、画像処理装置300が、リモート端末100との間でリモート接続中であるか否かを判定する。
【0072】
(15)画像処理装置300の装置送信部58は、リモート接続中であるか否かを示す接続情報を、ユーザー端末500に送信する。
【0073】
(16)ユーザー端末500のユーザー端末受信部72は、接続情報を受信する。すなわち、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続中である場合、ユーザー端末受信部72は、リモート接続中であることを示す接続情報を受信する。リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続中でない場合、ユーザー端末受信部72は、リモート接続中でないことを示す接続情報を受信する。
【0074】
(17)ユーザー端末500の処理部74は、接続情報に基づいて、プライベート印刷の実行を保留処理する。すなわち、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続中であることを示す接続情報を、ユーザー端末受信部72が受信した場合、処理部74は、プライベート印刷の実行を保留処理する。
【0075】
プライベート印刷の実行が保留処理されることにより、リモート端末100によるメンテナンス作業が、プライベート印刷に阻害されることなく、好適に実行される。
【0076】
(18)ユーザー端末500のユーザー端末表示部76は、プライベート印刷の実行を保留していることを示すメッセージを表示する。
【0077】
なお、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続中でないことを示す接続情報を、ユーザー端末受信部72が受信した場合、第2実施形態で説明するように、処理部74は、プライベート印刷が好適に実行されるよう処理する。
【0078】
第1実施形態によれば、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続されているか否かに応じて、ユーザー端末500によるプライベート印刷が好適に処理される。
【0079】
また、第1実施形態によれば、画像処理装置300とリモート端末100とがリモート接続されている間、プライベート印刷の実行が保留されるので、ユーザーは、リモート接続が切断されるまで、プライベート印刷の実行を待機できる。
【0080】
(第2実施形態)
次に、
図1~
図3に加え、
図5を参照して、第2実施形態に係る画像処理システム1について説明する。
図5は、第2実施形態に係る画像処理システム1による情報処理を示すシーケンスチャートである。
【0081】
第2実施形態では、画像処理装置300の装置送信部58は、画像処理装置300とリモート端末100とがリモート接続されていないことを示す接続情報を送信する。
【0082】
ユーザー端末500において、ユーザー端末送信部70は、画像処理装置300とリモート端末100とがリモート接続されていないことを示す接続情報をユーザー端末受信部72が受信した場合に、パスワードと、画像データとを送信する。
【0083】
画像処理装置300は、装置表示部50と、照合部60と、画像形成部62と含む。装置表示部50は、装置受信部52が、パスワード及び画像データを受信した場合に、パスワード入力画面を表示する。照合部60は、パスワードを照合して、照合結果を示す照合情報を出力する。画像形成部62は、照合情報が、パスワードが認証されたことを示す場合に、画像データに基づく画像を、シートに形成する。
【0084】
第2実施形態では、
図3で説明したように、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続された後、
図3に示す(II)に引き続いて、
図5に示す情報処理が行なわれる。
図5は、第2実施形態において、ユーザー端末500が、画像処理装置300に対して、プライベート印刷の実行要求を行なう際の情報処理を時系列で示す。
【0085】
図5に示すように、(19)ユーザー端末500のユーザー端末送信部70は、プライベート印刷の実行要求を行なう。
【0086】
(20)画像処理装置300の装置受信部52は、プライベート印刷の実行要求を受信する。
【0087】
(21)画像処理装置300の状態判定部56は、画像処理装置300が、リモート端末100との間でリモート接続中であるか否かを判定する。
【0088】
(22)画像処理装置300の装置送信部58は、リモート接続中であるか否かを示す接続情報を、ユーザー端末500に送信する。
【0089】
(23)ユーザー端末500のユーザー端末受信部72は、接続情報を受信する。すなわち、第2実施形態では、リモート端末100と画像処理装置300とはリモート接続中でないので、ユーザー端末受信部72は、リモート接続中でないことを示す接続情報を受信する。
【0090】
(24)ユーザー端末500の処理部74は、接続情報に基づいて、プライベート印刷の実行を処理する。
【0091】
(25)ユーザー端末500のユーザー端末送信部70は、パスワード情報と、画像情報とを送信する。パスワード情報及び画像情報は、ユーザー端末500のアドレスに紐付けられている。
【0092】
(26)画像処理装置300の装置受信部52は、パスワード情報と、画像情報とを受信する。
【0093】
(27)画像処理装置300の装置表示部50は、パスワード入力画面を表示する。ユーザー端末500からプライベート印刷を指示したユーザーは、画像処理装置300にプライベート印刷を実行させるため、画像処理装置300の装置表示部50に表示されたパスワード入力画面からパスワードを入力する。
【0094】
(28)画像処理装置300の照合部60は、パスワードを照合する。すなわち、照合部60は、装置受信部52が受信したパスワードと、パスワード入力画面で入力されたパスワードとを照合し、認証されたことを示す認証情報、又は、認証されなかったことを示す非認証情報を出力する。
【0095】
(29)画像形成部62は、パスワードが認証されたことを示す認証情報が出力された場合、装置受信部52が受信した画像情報に基づき、シートに画像を形成する。
【0096】
画像形成部62は、露光部、現像部、転写部を含み、さらに、定着部、排出部を含んでもよい。
【0097】
第2実施形態によれば、画像処理装置300とリモート端末100とがリモート接続されていない間、プライベート印刷が実行される。
【0098】
(第3実施形態)
次に、
図1~
図3に加え、
図6を参照して、第3実施形態に係る画像処理システム1について説明する。
図6は、第3実施形態に係る画像処理システム1による情報処理を示すシーケンスチャートである。
【0099】
第3実施形態では、画像処理装置300の状態判定部56は、画像処理装置300にエラーが発生しているか否かを判別し、エラーが発生している場合にエラー情報を出力する。装置送信部58は、エラー情報を送信する。ユーザー端末500の処理部74は、接続情報及びエラー情報をユーザー端末受信部が受信した場合に、プライベート印刷の実行要求を消去する。
【0100】
第3実施形態では、
図3で説明したように、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続された後、
図3に示す(III)に引き続いて、
図6に示す情報処理が行なわれる。
図6は、第3実施形態において、画像処理装置300がリモート端末100とリモート接続中であり、さらに、画像処理装置300にエラーが発生している場合の情報処理を時系列で示す。
【0101】
図6に示すように、(25)ユーザー端末500のユーザー端末送信部70は、プライベート印刷の実行要求を行なう。
【0102】
(26)画像処理装置300の装置受信部52は、プライベート印刷の実行要求を受信する。
【0103】
(27)画像処理装置300の状態判定部56は、画像処理装置300が、リモート端末100との間でリモート接続中であるか否かを判定する。状態判定部56はさらに、画像処理装置300にエラーが発生しているか否かを判定する。
【0104】
(28)画像処理装置300の装置送信部58は、リモート接続中であるか否かを示す接続情報と、画像処理装置300にエラーが発生しているか否かをエラー情報とを、ユーザー端末500に送信する。
【0105】
(29)ユーザー端末500のユーザー端末受信部72は、接続情報及びエラー情報を受信する。すなわち、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続中である場合、ユーザー端末受信部72は、リモート接続中であることを示す接続情報を受信する。さらに、画像処理装置300にエラーが発生している場合、ユーザー端末受信部72は、画像処理装置300にエラーが発生していることを示すエラー情報を受信する。
【0106】
(30)ユーザー端末500の処理部74は、接続情報及びエラー情報に基づいて、プライベート印刷の実行要求を消去する。すなわち、プライベート印刷の実行要求が消去処理されることにより、リモート端末100によるメンテナンス作業だけでなく、画像処理装置300にエラーが発生していることにより、プライベート印刷を不能状態にする。
【0107】
画像処理装置300のエラーの一例としては、画像処理装置300のシートがエンプティ状態にあることを示す。
【0108】
(31)ユーザー端末500のユーザー端末表示部76は、プライベート印刷の実行要求が消去されたことを表示してもよい。
【0109】
なお、画像処理装置300にシートが補充されるなどにより、エラーが解消した場合、状態判定部56は、エラー解消情報を出力する。装置送信部58はさらに、エラー解消情報を送信する。ユーザー端末500の処理部74は、エラー解消情報をユーザー端末受信部72が受信した場合に、第1実施形態で説明したように、消去されたプライベート印刷の実行を保留処理してもよい。
【0110】
さらに、リモート端末100と画像処理装置300とのリモート接続が切断された場合、第2実施形態で説明したように、ユーザー端末500の処理部74は、プライベート印刷を実行させてもよい。
【0111】
第3実施形態によれば、ユーザーは、画像処理装置300にエラーが発生していることを知ることができる。さらに、エラー解消後も、画像処理装置300とリモート端末100とがリモート接続されているため、プライベート印刷の実行が保留されており、リモート接続が切断されるまで、プライベート印刷ができないことを知ることができる。
【0112】
次に、
図7~
図9を参照して、第1実施形態~第3実施形態に係る画像処理システム1による情報処理を説明する。
図7~
図9は、第1実施形態~第3実施形態に係る画像処理システム1による情報処理を示すフローチャートである。
【0113】
図7~
図9に示すように、フローチャートは、ステップS10からステップS60までを含む。具体的には次の通りである。
【0114】
図7に示すステップS10において、端末送信部10は、リモート接続要求を送信する。処理は、ステップS12に進む。
【0115】
ステップS12において、サーバー受信部34は、リモート接続要求を受信する。処理は、ステップS14に進む。
【0116】
ステップS14において、接続部36は、リモート端末100と、画像処理装置300とをリモート接続する。処理は、ステップS16に進む。
【0117】
ステップS16において、サーバー設定部38は、リモート端末100及び画像処理装置300に、リモート画面情報を送信する。処理は、ステップS18に進む。
【0118】
ステップS18において、端末受信部14及び装置受信部52は、リモート画面情報を受信する。処理は、ステップS20に進む。
【0119】
ステップS20において、端末設定部16及び装置設定部54は、リモート画面を設定する。処理は、ステップS22に進む。
【0120】
ステップS22において、端末表示部12及び装置表示部50は、リモート画面を表示する。処理は、ステップS24に進む。
【0121】
ステップS24において、ユーザー端末送信部70は、プライベート印刷の実行要求を行なう。処理は、ステップS26に進む。
【0122】
ステップS26において、装置受信部52は、プライベート印刷の実行要求を受信する。処理は、
図8に示すステップS28に進む。
【0123】
図8に示すステップS28において、状態判定部56は、画像処理装置300がリモート接続中であるか否かを判定する。リモート接続中である場合(ステップS28においてYes)、処理は、ステップS30に進む。リモート接続中でない場合(ステップS28においてNo)、処理は、
図9に示すステップS46に進む。
【0124】
ステップS28においてYesの場合、ステップS30において、装置送信部58は、リモート接続中であることを示す接続情報を送信する。処理は、ステップS32に進む。
【0125】
ステップS32において、状態判定部56は、画像処理装置300にエラーが発生しているか否かを判定する。エラーが発生している場合(ステップS32においてYes)、処理は、ステップS34に進む。エラーが発生していない場合(ステップS32においてNo)、処理は、ステップS42に進む。
【0126】
ステップS32においてYesの場合、ステップS34において、装置送信部58は、画像処理装置300にエラーが発生していることを示すエラー情報を送信する。処理は、ステップS36に進む。
【0127】
ステップS36において、ユーザー端末受信部25は、接続情報及びエラー情報を受信する。処理は、ステップS38に進む。
【0128】
ステップS38において、処理部74は、プライベート印刷の実行要求を消去する。処理は、ステップS40に進む。
【0129】
ステップS40において、ユーザー端末表示部76は、プライベート印刷の実行要求が消去されたことを示すメッセージを表示する。そして、処理は終了する。
【0130】
次に、ステップS32においてNoの場合、ステップS42において、処理部74は、接続情報に基づいて、プライベート印刷の実行を保留処理する。処理は、ステップS44に進む。
【0131】
ステップS44において、ユーザー端末表示部76は、プライベート印刷の実行を保留していることを示すメッセージを表示する。そして、処理は、ステップS28に進み、引き続き、状態判定部56は、画像処理装置300がリモート接続中であるか否かを判定する。
【0132】
次に、ステップS28においてNoの場合、
図9に示すステップS46において、装置送信部58は、リモート接続中でないことを示す接続情報を送信する。処理は、ステップS48に進む。
【0133】
ステップS48において、ユーザー端末受信部72は、接続情報を受信する。処理は、ステップS50に進む。
【0134】
ステップS50において、処理部74は、接続情報に基づいて、プライベート印刷の実行を処理する。処理は、ステップS52に進む。
【0135】
ステップS52において、ユーザー端末送信部70は、パスワード情報と、画像情報とを送信する。処理は、ステップS54に進む。
【0136】
ステップS54において、装置受信部52は、パスワード情報及び画像情報を受信する。処理は、ステップS56に進む。
【0137】
ステップS56において、装置表示部50は、パスワード入力画面を表示する。処理は、ステップS58に進む。
【0138】
ステップS58において、照合部60は、パスワードを照合する。処理は、ステップS60に進む。
【0139】
ステップS60において、画像形成部62は、シートに画像を形成する。そして、処理は終了する。
【0140】
以上の通り、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、又は個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、又は寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、画像処理システムの分野に利用可能である。