(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】排水フィルタおよび洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/10 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
D06F39/10 D
(21)【出願番号】P 2019237024
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】季 恒
(72)【発明者】
【氏名】福井 秋陸
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-080928(JP,A)
【文献】特開2018-153374(JP,A)
【文献】実開昭48-042359(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00-39/10
D06F 58/02-58/08
D06F 58/20-58/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機に装着され、洗濯機の排水に含まれる異物を捕獲する排水フィルタであって、
排水の通り道をなし、排水に含まれる異物が溜められる排水空間と、
前記排水空間に排水を取り込む入口が横穴として形成された第1縦壁と、
前記第1縦壁との間で横方向から前記排水空間を挟む第2縦壁であって、前記入口から前記排水空間に取り込まれる排水を受ける受け面部が前記入口に対向して設けられた第2縦壁と、
前記第1縦壁の下端部と前記第2縦壁の下端部との間に架設され、前記排水空間に下側から臨む底壁と、
前記第1縦壁、前記第2縦壁および前記底壁の少なくともいずれかに形成され、前記排水空間から排水を排出する出口と
、を含
み、
前記底壁は、前記入口と前記受け面部との対向方向に直交する方向に長手であり、
前記底壁は、前記底壁の長手方向において前記入口および前記受け面部からずれた位置に配置されて前記排水空間での排水の流れ方向において前記入口よりも下流側の下流部分を有し、
前記第1縦壁および前記第2縦壁のそれぞれには、前記底壁の短手方向における前記下流部分の両端部のそれぞれから突出して前記長手方向に並ぶ複数の櫛歯が設けられ、
前記出口は、それぞれの前記櫛歯の周囲の隙間によって構成され、
前記底壁の前記下流部分は、前記長手方向における途中領域と、前記途中領域よりも前記入口に近く前記短手方向において前記途中領域よりも広い上流領域と、前記途中領域よりも前記入口から遠く前記短手方向において前記途中領域よりも広い下流領域とを有する、排水フィルタ。
【請求項2】
請求項
1に記載の排水フィルタと、
筐体と、
前記筐体内に配置され、洗濯物を収容し、水が溜められる洗濯槽と、
前記洗濯槽内の水を排水として前記筐体外に排出する排水路であって、前記排水フィルタが着脱可能に装着される排水路を含む、洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排水フィルタ、およびこの排水フィルタを含む洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の洗濯乾燥機は、排水に含まれる異物を捕獲するフィルタユニットを含む。フィルタユニットは、多数の濾過孔が形成されたバスケットを有する。洗濯乾燥機内の排水は、バスケット内に流れ落ちて濾過孔を通過し、その際に、排水に含まれる異物が濾過孔で捕獲されてバスケット内に溜まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のフィルタユニットでは、排水が、流れ落ちながらバスケット内に流入し、排水が流れ落ちる先には、バスケットの濾過孔が位置する。そのため、排水は、その自重による落下によって勢いが強められた状態で濾過孔を通過するので、排水に含まれる異物は、濾過孔に強固に絡みつきやすい。従って、メンテナンス時には、濾過孔に絡みついた異物を取り除くのに手間がかかる。
【0005】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、メンテナンス性の向上を図れる排水フィルタ、およびこの排水フィルタを含む洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、洗濯機に装着され、洗濯機の排水に含まれる異物を捕獲する排水フィルタであって、排水の通り道をなし、排水に含まれる異物が溜められる排水空間と、前記排水空間に排水を取り込む入口が横穴として形成された第1縦壁と、前記第1縦壁との間で横方向から前記排水空間を挟む第2縦壁であって、前記入口から前記排水空間に取り込まれる排水を受ける受け面部が前記入口に対向して設けられた第2縦壁と、前記第1縦壁の下端部と前記第2縦壁の下端部との間に架設され、前記排水空間に下側から臨む底壁と、前記第1縦壁、前記第2縦壁および前記底壁の少なくともいずれかに形成され、前記排水空間から排水を排出する出口とを含む、排水フィルタである。
【0007】
また、本発明は、前記底壁が、前記入口と前記受け面部との対向方向に直交する方向に長手であり、前記底壁が、前記底壁の長手方向において前記入口および前記受け面部からずれた位置に配置されて前記排水空間での排水の流れ方向において前記入口よりも下流側の下流部分を有し、前記第1縦壁および前記第2縦壁のそれぞれには、前記底壁の短手方向における前記下流部分の両端部のそれぞれから突出して前記長手方向に並ぶ複数の櫛歯が設けられ、前記出口が、それぞれの前記櫛歯の周囲の隙間によって構成されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記下流部分が、前記長手方向における途中領域と、前記途中領域よりも前記入口に近く前記短手方向において前記途中領域よりも広い上流領域と、前記途中領域よりも前記入口から遠く前記短手方向において前記途中領域よりも広い下流領域とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記排水フィルタと、筐体と、前記筐体内に配置され、洗濯物を収容し、水が溜められる洗濯槽と、前記洗濯槽内の水を排水として前記筐体外に排出する排水路であって、前記排水フィルタが着脱可能に装着される排水路を含む、洗濯機である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、排水フィルタは、排水を入口から排水空間に取り込んで出口から排出するまでの間に、排水に含まれる異物を捕獲して排水空間に溜める。入口は、第1縦壁に形成された横穴であるので、排水は、落下せずに横向きに入口を流れることより、勢いが強められることなく排水空間に取り込まれる。さらに、第1縦壁との間で横方向から排水空間を挟む第2縦壁において入口に対向する受け面部が、入口から排水空間に取り込まれる排水を受けることによって、排水の勢いを弱める。これにより、排水空間における排水は、勢いが弱められた状態で底壁の上を流れて出口から排出される。そのため、排水に含まれる異物は、排水フィルタの内面部に強固に絡みつくことなく排水空間に溜められる。従って、使用者は、メンテナンス時に排水空間から簡単に異物を取り出すことができるので、排水フィルタのメンテナンス性の向上を図れる。
【0011】
また、本発明によれば、横向きに入口を流れて排水空間に取り込まれて受け面部によって勢いが弱められた排水は、底壁において入口よりも下流側の下流部分の上を流れて、第1縦壁および第2縦壁のそれぞれにおける各櫛歯の周囲の出口から排出される。勢いが弱められた排水に含まれる異物は、櫛歯に強固に絡みつくことなく排水空間に溜められる。従って、使用者は、メンテナンス時に排水空間から簡単に異物を取り出すことができるので、排水フィルタのメンテナンス性の向上を図れる。
【0012】
また、本発明によれば、底壁の下流部分は、入口に近い順に、上流領域と途中領域と下流領域とを有し、上流領域および下流領域は、底壁の短手方向において途中領域よりも広い。これにより、入口から排水空間に取り込まれて下流部分の上を流れる排水を、直ちに上流領域で出口から排出するだけでなく、途中領域や下流領域まで行き渡らせて出口から排出することができる。そのため、排水空間に溜められた異物が、底壁の下流部分における上流領域に偏って溜まることによって上流領域付近の櫛歯に絡みつくことを防止できる。従って、使用者は、メンテナンス時に排水空間から簡単に異物を取り出すことができるので、排水フィルタのメンテナンス性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の一実施形態に係る洗濯機の模式的な縦断面右側面図である。
【
図2】洗濯機内に配置されたフィルタユニットの斜視図である。
【
図3】フィルタユニットを構成する排水フィルタの斜視図である。
【
図9】メンテナンス時の排水フィルタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る洗濯機1の模式的な縦断面右側面図である。
図1の紙面に直交する方向を洗濯機1の左右方向Xといい、
図1における左右方向を洗濯機1の前後方向Yといい、
図1における上下方向を洗濯機1の上下方向Zという。左右方向Xは、この実施形態における横方向の一例である。左右方向Xのうち、
図1の紙面における奥側を左側X1といい、
図1の紙面における手前側を右側X2という。前後方向Yのうち、
図1における左側を前側Y1といい、
図1における右側を後側Y2という。上下方向Zのうち、上側を上側Z1といい、下側を下側Z2という。
【0015】
この実施形態の洗濯機1は、いわゆるドラム式の洗濯乾燥機である。洗濯機1は、筐体2と、筐体2内に配置された外槽3と、外槽3に接続された給水路4および排水路5と、排水路5を通って外槽3から排出される排水から異物を捕獲する排水フィルタ6と、外槽3内に配置されて洗濯物Lを収容する内槽7と、内槽7を回転させるモータ8と、内槽7内の洗濯物Lを乾燥させる乾燥部9とを含む。
【0016】
筐体2は、ボックス状に形成される。筐体2の前面2Aは、例えば垂直面である。前面2Aには、筐体2の内外を連通させる開口2Bが形成される。前面2Aには、開口2Bを開閉する扉10が設けられる。
【0017】
外槽3は、ダンパ(図示せず)を介して、筐体2によって弾性支持される。外槽3は、水平方向Hに沿って前後方向Yに延びる軸線Jを中心とした円筒状の円周壁3Aと、円周壁3Aの中空部分を後側Y2から塞いだ円盤状の背面壁3Bと、円周壁3Aの前端縁につながったリング状の正面壁3Cとを有する。背面壁3Bの中心には、軸線Jに沿って背面壁3Bを前後方向Yに貫通した貫通孔3Dが形成される。正面壁3Cは、円周壁3Aの前端縁から軸線J側へ張り出した円環状の第1部3Eと、第1部3Eの内周縁から前側Y1へ突出した円筒状の第2部3Fと、第2部3Fの前端縁から軸線J側へ張り出した円環状の第3部3Gとを有する。第3部3Gの内側には、円周壁3Aの中空部分に前側Y1から連通した出入口3Hが形成される。出入口3Hは、筐体2の開口2Bに対して後側Y2から対向して連通する。
【0018】
給水路4は、蛇口(図示せず)に接続された一端(図示せず)と、外槽3の背面壁3Bに接続された他端4Aとを有する。給水時には、蛇口からの水が給水路4から外槽3内に供給される。外槽3内には、水道水や、水道水に洗剤が溶けた洗剤水などの水が溜められる。給水路4の途中には、給水を開始したり停止したりするために開閉される給水弁11が設けられる。
【0019】
排水路5は、外槽3の下端部、例えば正面壁3Cの第1部3Eの下端部に接続され、外槽3から下側Z2へ延びる。外槽3内の水は、排水として、排水路5から機外つまり筐体2の外に排出される。排水路5の途中には、排水を開始したり停止したりするために開閉される排水弁12が設けられる。
【0020】
排水フィルタ6は、排水路5において排水弁12よりも外槽3に近い上流部に設けられる。排水フィルタ6の前端は、筐体2の前面2Aに露出されるので、使用者は、排水フィルタ6の前端を掴んで排水フィルタ6を洗濯機1、具体的には排水路6に対して着脱させることができる。排水フィルタ6については、追って詳説する。
【0021】
内槽7は、外槽3よりも一回り小さい。外槽3および内槽7は、洗濯槽13を構成する。内槽7は、外槽3の円周壁3Aと同軸上に配置された円筒状の円周壁7Aと、円周壁7Aの中空部分を後側Y2から塞いだ円盤状の背面壁7Bと、円周壁7Aの前端縁から軸線J側へ張り出した円環状の環状壁7Cとを有する。内槽7において少なくとも円周壁7Aには、複数の貫通孔7Dが形成され、外槽3内の水は、貫通孔7Dを介して、外槽3と内槽7との間で行き来する。そのため、外槽3内の水位と内槽7内の水位とは一致する。内槽7の背面壁7Bの中心には、軸線Jに沿って後側Y2へ延びる支持軸14が設けられる。支持軸14の後端部は、外槽3の背面壁3Bの貫通孔3Dを通って背面壁3Bよりも後側Y2に配置される。
【0022】
環状壁7Cの内側には、円周壁7Aの中空部分に前側Y1から連通した出入口7Eが形成される。出入口7Eは、外槽3の出入口3Hおよび筐体2の開口2Bに対して後側Y2から対向して連通する。出入口3Hおよび出入口7Eは、開口2Bとともに、扉10によって一括開閉される。洗濯機1の使用者は、開放された開口2B、出入口3Hおよび出入口7Eを介して、内槽7内に洗濯物Lを出し入れする。
【0023】
モータ8は、筐体2内において、外槽3の背面壁3Bの後側Y2に配置される。モータ8は、内槽7に設けられた支持軸14に連結される。モータ8が発生した駆動力は、支持軸14に伝達され、内槽7が、支持軸14を伴って軸線Jまわりに回転する。なお、モータ8と支持軸14と間には、モータ8の駆動力を支持軸14に伝達したり遮断したりするクラッチ機構(図示せず)が設けられてもよい。
【0024】
乾燥部9は、循環路20と、送風部21と、加熱部22とを含む。循環路20は、筐体2内において例えば外槽3の上側Z1に配置された流路である。循環路20の一端には取出口20Aが形成され、循環路20の一端には戻し口20Bが形成される。取出口20Aは、外槽3の背面壁3Bにおいて外槽3内の上限水位よりも高い部分に接続され、外槽3内に後側Y2から連通する。戻し口20Bは、外槽3の正面壁3Cの第2部3Fの上端部に接続され、外槽3内に上側Z1から連通する。
【0025】
送風部21は、いわゆるブロアであり、循環路20内に配置された回転羽根23と、回転羽根23を回転させるモータ(図示せず)とを含む。回転羽根23が回転すると、洗濯槽13内の空気、つまり外槽3内および内槽7内の空気が、太い破線矢印で示すように、取出口20Aから循環路20内に取り出された後に、戻し口20Bから洗濯槽13内に戻される。これにより、洗濯槽13内の空気は、洗濯槽13と循環路20とを順に流れるように循環する。
【0026】
加熱部22は、ヒートポンプにおける熱交換器または一般的なヒータなどであり、少なくとも一部が、循環路20内に設けられる。加熱部22において循環路20内に設けられた部分は、例えばフィン状の放熱部22Aを複数有する。加熱部22が作動すると放熱部22Aが高温になるので、循環路20内を流れる空気が放熱部22Aの周囲を通過する際に加熱されて熱風になる。
【0027】
洗濯機1は、マイコンとして構成された制御部24を含む。制御部24は、モータ8、給水弁11、排水弁12、送風部21および加熱部22の動作を制御することによって洗濯運転を実行する。洗濯運転は、洗い工程と、すすぎ工程と、脱水工程と、乾燥工程とを含む。
【0028】
洗い工程の開始に先立って、内槽7内に洗剤が投入される。制御部24は、洗い工程では、排水弁12を閉じた状態で、給水弁11を所定時間開いて外槽3および内槽7に給水してから、モータ8によって内槽7を回転させる。これにより、内槽7内の洗濯物Lが、たたき洗いされる。たたき洗いでは、洗濯物Lがある程度持ち上げられてから水面に自然落下するというタンブリングが繰り返される。タンブリングによる衝撃や、内槽7に溜まった水に含まれる洗剤成分によって、洗濯物Lから汚れが取り除かれる。タンブリングの開始から所定時間が経過した後に、制御部24が排水弁12を開いて排水すると、洗い工程が終了する。
【0029】
制御部24は、すすぎ工程では、排水弁12を閉じた状態で、給水弁11を所定時間開いて外槽3および内槽7に給水してから、モータ8によって内槽7を回転させる。すると、前述したタンブリングが繰り返されるので、洗濯物Lが内槽7内の水道水によってすすがれる。タンブリングの開始から所定時間が経過した後に、制御部24が排水すると、すすぎ工程が終了する。すすぎ工程は、複数回繰り返されてもよい。制御部24は、脱水工程では、排水弁12を開いた状態で、内槽7を脱水回転させる。内槽7の脱水回転により生じた遠心力によって、内槽7内の洗濯物Lが脱水される。脱水により洗濯物Lから染み出た水は、排水路5から機外に排出される。脱水工程は、すすぎ工程後だけでなく、洗い工程後にも実施されてもよい。
【0030】
制御部24は、乾燥工程では、送風部21および加熱部22によって熱風を発生させて内槽7と循環路20との間で循環させ、内槽7内の洗濯物Lに供給する。これにより、洗濯物Lが乾燥する。なお、洗濯機1は、乾燥部9が省かれた洗濯機であってもよく、その場合の洗濯運転では、乾燥工程が省略される。
【0031】
次に排水フィルタ6について詳説する。洗濯機1は、排水フィルタ6を有するフィルタユニット30を含む。
図2は、フィルタユニット30の斜視図である。フィルタユニット30は、排水フィルタ6の他に、排水フィルタ6を受け入れる受け部31も有する。受け部31は、排水路5の一部を構成して、排水フィルタ6が着脱可能に装着される部材である。以下の説明では、前述した左右方向X、前後方向Yおよび上下方向Zを用いて排水フィルタ6および受け部31のそれぞれの向きを特定する。なお、フィルタユニット30を構成する各部品は、以下で特に説明がない限り、樹脂製である。
【0032】
図3は、排水フィルタ6の斜視図である。
図4は、排水フィルタ6の平面図である。
図5は、排水フィルタ6の左側面図である。
図6は、排水フィルタ6の背面図である。主に
図3を参照して、排水フィルタ6は、捕獲した異物を収容するための収容部32と、収容部32の前端部に連結された操作部33とを含む。収容部32は、前後方向Yに長手のボックス状である。収容部32は、底壁41と、第1縦壁の一例として底壁41の左端部から立ち上がった左壁42と、第2縦壁の一例として底壁41の右端部から立ち上がった右壁43とを含む。収容部32は、底壁41の後端部から立ち上がって左壁42および右壁43の後端部間に配置された後壁44と、底壁41、左壁42および右壁43のそれぞれの前端部に接続された前壁45とをさらに含む。
【0033】
収容部32には、底壁41、左壁42、右壁43、後壁44および前壁45によって囲まれて上側Z1へ開放された前後方向Yに長い直方体状の排水空間46が形成される。排水空間46は、排水路5の一部として排水の通り道をなし、排水は、後述するように排水空間46において後側Y2へ流れる。
【0034】
底壁41は、前後方向Yに長い板状である。そのため、底壁41の長手方向は、前後方向Yであり、底壁41の短手方向は、左右方向Xである。排水空間46での排水の流れ方向において上流側の上流部分47と、上流部分47よりも下流の下流部分48とを有する。上流部分47および下流部分48のそれぞれの上面部は、面一の状態で前後左右に延びる平坦面であり、排水空間46に下側Z2から臨む。
【0035】
上流部分47は、底壁41の前部分であり、下流部分48は、底壁41の後部分である。上流部分47は、平面視で収容部32の左右方向Xにおける中心K(
図4参照)を基準として左右非対称の略矩形をなす板状であり、その左端部には、略U字状の切欠き47Aが形成される。
【0036】
下流部分48は、中心Kを基準として左右対称であって前後方向Yに長い長方形状である。下流部分48は、前側Y1からこの順で並ぶ上流領域48A、途中領域48Bおよび下流領域48Cを有する(
図4参照)。上流領域48Aは、上流部分47の後端部に接続されて後側Y2へ向かうにつれて左右方向Xに徐々に狭くなる等脚台形状である。途中領域48Bの後端部から後側Y2へ延びる長方形状である。下流領域48Cは、途中領域48Bの後端部に接続されて後側Y2へ向かうにつれて左右方向Xに徐々に広くなる等脚台形状である。上流領域48Aおよび下流領域48Cのそれぞれは、途中領域48Bよりも左右方向Xにおいて広い。このような上流領域48Aおよび下流領域48Cにより、底壁41が補強される。下流部分48には、上側Z1へ突出して上流領域48A、途中領域48Bおよび下流領域48Cにわたって中心K上を前後方向Yに延びる補強用のリブ48Dが設けられる(
図4参照)。
【0037】
左壁42は、前後方向Yに長手の略長方形状であり、その下端部は、右側X2へ折れ曲がって底壁41の左端部に接続される。左壁42の前部分には、前後方向Yに長い矩形状の入口51が形成される。入口51は、左壁42の前部分を左右方向Xに貫通する横穴である。入口51の下端部は、底壁41の上流部分47における切欠き47Aである。左壁42の前部分は、上流部分47の左端部から上側Z1へ突出して入口51の後端を縁取る棒状の後枠部分42Aと、上流部分47の左端部から上側Z1へ突出して入口51の前端を縁取る棒状の前枠部分42Bと、前後方向Yに延びて後枠部分42Aおよび前枠部分42Bの上端間に架設されて入口51の上端を縁取る棒状の上枠部分42Cとを有する。前述した底壁41の下流部分48では、上流領域48Aが、途中領域48Bよりも入口51に近く、下流領域48Cが、途中領域48Bよりも入口51から遠い(
図4参照)。
【0038】
左壁42には、その後部分を構成する複数の櫛歯42Dが前後方向Yに並んで設けられる。この実施形態では、細長い棒状の17本の櫛歯42Dが、底壁41の下流部分48の左端部から左側X1へ延びてから折れ曲がって上側Z1へ突出して設けられる。それぞれの櫛歯42Dにおいて下流部分48の左端部から左側X1へ延びる部分は、下流部分48の途中領域48Bに接続された櫛歯42Dにおいて左右方向Xに最も長く、下流部分48の上流領域48Aおよび下流領域48Cでは、途中領域48Bに近い櫛歯42Dほど左右方向Xに長い(
図4参照)。それぞれの櫛歯42Dの上端部は、左壁42の前部分の後枠部分42Aの上端部と、上下方向Zにおいて同じ高さ位置にある。
【0039】
右壁43は、前後方向Yに長手の略長方形状であり、その下端部は、左側X1へ折れ曲がって底壁41の右端部に接続される。前述したように左壁42の下端部が底壁41の左端部に接続されるので、底壁41は、左壁42の下端部と右壁43の下端部との間に架設される。右壁43は、右側X2から左壁42に対向した状態で、左壁42との間で左右方向Xから排水空間46を挟む。右壁43の前部分には、前後方向Yに長い平板部43Aが設けられる。平板部43Aは、左右方向Xに一致する板厚方向を有する長方形の板状である。平板部43Aの左面部は、前後上下に平坦な受け面部43Bである。受け面部43Bは、排水空間46の前部分に右側X2から臨んだ状態で、排水空間46を挟んで左壁42の入口51に右側X2から対向する。入口51と受け面部43Bとの対向方向は、前後方向Yに直交する左右方向Xである。底壁41の下流部分48は、前後方向Yにおいて入口51および受け面部43Bからずれた位置、具体的には受け面部43Bおよび入口51から後側Y2へずれた位置に配置される。
【0040】
右壁43には、その後部分を構成する複数の櫛歯43Cが前後方向Yに並んで設けられる。この実施形態では、細長い棒状の17本の櫛歯43Cが、底壁41の下流部分48の右端部から右側X2へ延びてから折れ曲がって上側Z1へ突出して設けられる。それぞれの櫛歯43Cにおいて下流部分48の右端部から右側X2へ延びる部分は、下流部分48の途中領域48Bに接続された櫛歯43Cにおいて左右方向Xに最も長く、下流部分48の上流領域48Aおよび下流領域48Cでは、途中領域48Bに近い櫛歯43Cほど左右方向Xに長い(
図4参照)。それぞれの櫛歯43Cの上端部は、平板部43Aの上端部と、上下方向Zにおいて同じ高さ位置にある。右壁43の櫛歯43Cと、左壁42の櫛歯42Dとは、収容部32の中心Kを基準として左右対称に構成される(
図4参照)。
【0041】
後壁44は、底壁41の下流部分48の後端部の左端部から上側Z1へ突出した棒状の左枠部分44Aと、下流部分48の後端部の右端部から上側Z1へ突出した棒状の右枠部分44Bと、左枠部分44Aと右枠部分44Bとの間において左右方向Xに並んで設けられた複数の櫛歯44Cとを含む。左枠部分44Aは、左壁42の後端部でもある。右枠部分44Bは、右壁43の後端部でもある。左枠部分44A、右枠部分44Bおよび櫛歯43Cのそれぞれの上端部は、左壁42および右壁43のそれぞれの上端部と、上下方向Zにおいて同じ高さ位置にある。
【0042】
前壁45は、前後方向Yから見て、円盤状であり、その前壁45の輪郭の内側に収容部32の底壁41、左壁42、右壁43および後壁44が配置される(
図6参照)。前壁45の外周面には、その周方向に沿って延びる環状の溝45Aが設けられる(後述する
図8参照)。溝45Aには、例えばゴム製で環状に形成されたパッキン52が嵌められる。パッキン52の外周部は、溝45Aからはみ出して配置される。
【0043】
収容部32における底壁41、左壁42、右壁43および後壁44の少なくともいずれかにおいて入口51および受け面部43Bとは異なる領域には、出口53が形成される。この実施形態では、出口53は、左壁42、右壁43および後壁44の全てに形成される。左壁42に形成された出口53は、左壁42におけるそれぞれの櫛歯42Dの周囲の隙間、具体的には各櫛歯42Dの前側Y1および後側Y2にそれぞれ設けられて上下方向Zに延びるスリットによって構成される。右壁43に形成された出口53は、右壁43におけるそれぞれの櫛歯43Cの周囲の隙間、具体的には各櫛歯43Cの前側Y1および後側Y2にそれぞれ設けられて上下方向Zに延びるスリットによって構成される。後壁44に形成された出口53は、後壁44におけるそれぞれの櫛歯44Cの周囲の隙間、具体的には後壁44の各櫛歯44Cの左側X1および右側X2にそれぞれ設けられて上下方向Zに延びるスリットによって構成される。
【0044】
操作部33は、前壁45と同軸上に配置された円盤部33Aと、円盤部33Aの前面から前側Y1へ突出した取っ手33Bとを有する。円盤部33Aの外周面には、その周方向に延びるロック溝33Cが形成される。ロック溝33Cは、複数存在してもよく、その場合には、円盤部33Aの周方向に並んで設けられる。操作部33は、円盤部33Aの中心を通って前後方向Yに延びる回転軸(図示せず)まわりに収容部32に対して相対回転可能である。
【0045】
図7は、フィルタユニット30の左側面図である。
図8は、
図7のA-A矢視断面図である。フィルタユニット30の受け部31は、前後方向Yに延びる円筒状に形成される。受け部31は、後側Y2へ向かうにつれて下降するように水平方向Hに対して傾斜して配置される。受け部31には、ボルトなどによって筐体2におけるフレーム(図示せず)に固定されるステー31Aと、受け部31の前端部の外周面において左側X1へ突出した円管状の流入部31Bとが設けられる。
【0046】
流入部31Bの内部空間は、受け部31の内部空間31Cに左側X1から連通し、受け部31の内部空間31Cの一部を構成する。そのため、受け部31の内部空間31Cは、平面視においてL字状に折れ曲がって形成される。受け部31は、排水路5の途中に配置される。受け部31の内部空間31Cは、排水路5の途中部を構成する。流入部31Bには、排水路5において受け部31よりも上流側つまり外槽3側の上流排水路5Aが接続される。排水路5において受け部31よりも下流側の下流排水路5Bは、受け部31の後端部に接続される。
【0047】
受け部31の内部空間31Cの前端部は、円形状の出入口31Dとして、筐体2の前面2Aから露出される。なお、前面2Aには、開閉可能な扉(図示せず)が設けられて、通常の出入口31Dは、閉位置の扉によって前側Y1から覆われてもよい。受け部31において出入口31Dを区画する内周面の途中には、円環状の第1段部31Eおよび第2段部31Fが前後方向Yに並んで設けられる。第1段部31Eは、第2段部31Fよりも小径であり、第2段部31Fの後側Y2に配置される。受け部31の内周面では、第2段部31Fよりも前側Y1の前領域が、第2段部31Fよりも大径である。当該前領域には、その周方向に延びるロック爪31Gが設けられる。ロック爪31Gは、複数設けられてもよく、その場合には、受け部31の内周面の周方向に並んで配置される。
【0048】
次に、受け部31に対する排水フィルタ6の着脱について説明する。排水フィルタ6を装着する場合、まず、使用者は、排水フィルタ6の収容部32の操作部33における取っ手33Bを掴んで、収容部32を受け部31の出入口31Dの前側Y1まで移動させる。装着時の排水フィルタ6の姿勢を示すマークM1が収容部32などに設けられるので(
図4参照)、使用者は、収容部32の排水空間46が上側Z1へ開放されるように、必要に応じて排水フィルタ6の姿勢を直す。そして、使用者は、収容部32を、後側Y2へ移動させて、収容部32側から出入口31Dに挿入する。すると、収容部32が出入口31Dを通って受け部31の内部空間31Cに収容されていく。
【0049】
そして、収容部32の前壁45のパッキン52が、
図8に示すように収容部32の出入口31Dにおける第1段部31Eに前側Y1から接触すると、収容部32の全体が受け部31の内部空間31Cに収容されることによって、受け部31つまり洗濯機1への排水フィルタ6の装着が完了する。この状態では、受け部31の内部空間31Cが前壁45によって前側Y1から塞がれ、収容部32の第1段部31Eおよび第2段部31Fのそれぞれと前壁45との隙間がパッキン52によって塞がれる。次に、使用者は、操作部33における取っ手33Bを掴んで捩ることによって操作部33を回動させる。これにより出入口31D内のロック爪31Gが操作部33の円盤部33Aのロック溝33Cに入り込むと、操作部33が前後方向Yに動けなくなるので、排水フィルタ6が受け部31に装着された状態でロックされる。なお、操作部33の回動方向を示すマークM2が操作部33などに設けられるので(
図2参照)、使用者は、このマークM2を参考にして操作部33を回動させる。
【0050】
受け部31に装着された排水フィルタ6では、収容部32が受け部31の内部空間31Cつまり排水路5内に配置される。なお、収容部32の後端部は、内部空間31Cから後側Y2へはみ出して排水路5の下流排水路5B内に受け入れられてもよい。排水路5内の収容部32は、受け部31の傾きに応じて、後側Y2へ向かうにつれて下降するように水平方向Hに対して傾いて配置される。また、収容部32の左壁42の入口51が、受け部31の流入部31Bの内部空間に右側X2から対向する。
【0051】
排水フィルタ6が受け部31に装着された状態において、洗濯機1において洗濯運転が実行され、その際に排水弁12が開くと、洗濯槽13から排水路5に流れる排水が、受け部31の流入部31Bおよび収容部32の左壁42の入口51を右側X2へ横向きに流れて、入口51から排水フィルタ6の収容部32の排水空間46に取り込まれ、直ちに収容部32の右壁43の受け面部43Bに衝突する(
図8の太い破線矢印W1を参照)。つまり、受け面部43Bは、入口51から排水空間46に取り込まれた直後の排水を受ける。これにより、排水空間46に流れ込んだ排水は、流れる向きを変えて排水空間46において底壁41の上流部分47および下流部分48の上を後側Y2へこの順に流れる(
図8の太い破線矢印W2を参照)。このように、排水空間46は、排水の流れ道をなす。また、底壁41では、少なくとも下流部分48は、排水空間46での排水の流れ方向において入口51よりも下流側つまり後側Y2に位置する。
【0052】
排水空間46を後側Y2へ流れる排水は、いずれかの出口53を通ることによって排水空間46から排出された後に(
図4の太い破線矢印W3、W4およびW5を参照)、受け部31の内部空間31Cを後側Y2へ流れて排水路5の下流排水路5Bに流れ込み、最終的に機外に排出される。排水フィルタ6において排水空間46を流れる排水は、出口53を通って排水空間46から排出されるが、排水に含まれる糸くずや髪の毛などの長尺の異物Fは、櫛歯42D、櫛歯43Cおよび櫛歯44Cによって阻止されることにより、出口53を通過できずに排水空間46に溜められ、排水空間46の後部において柔らかい塊状にまとめられる(
図4参照)。このように、排水フィルタ6は、排水に含まれる異物Fを捕獲する。
【0053】
受け部31に装着された排水フィルタ6では、取っ手33Bが、筐体2の前面2Aから露出される。メンテナンスなどのために排水フィルタ6を離脱させる場合、まず、使用者は、取っ手33Bを掴んで操作部33を装着時とは逆向きに回動させる。これにより、出入口31D内のロック爪31Gが操作部33の円盤部33Aのロック溝33Cから外れるので、排水フィルタ6のロックが解除され、操作部33が前後方向Yに動けるようになる。次に、使用者は、取っ手33Bを掴んで前側Y1へ引くことにより、収容部32を前側Y1へ移動させる。そして、収容部32の収容部32の全体が受け部31の出入口31Dよりも前側Y1へ引き出されると、受け部31からの排水フィルタ6の離脱が完了する。
【0054】
以上のように、排水フィルタ6は、排水を入口51から排水空間46に取り込んで出口53から排出するまでの間に、排水に含まれる異物Fを捕獲して排水空間46に溜める。入口51は、左壁42に形成された横穴であるので、排水は、落下せずに横向きに入口51を流れることより、勢いが強められることなく排水空間46に取り込まれる。さらに、左壁42と間で横方向から排水空間46を挟む右壁43において入口51に対向する受け面部43Bが、入口51から排水空間46に取り込まれる排水(
図8の太い破線矢印W1を参照)を受けることによって、排水の勢いを弱める。これにより、排水空間46における排水は、勢いが弱められた状態で底壁41の下流部分48の上を流れて出口53から排出される(
図8の太い破線矢印W2を参照)。
【0055】
そのため、排水に含まれる異物Fは、排水フィルタ6の内面部、具体的には櫛歯42Dや櫛歯43Cや櫛歯44Dに強固に絡みつくことなく、前述した柔らかい塊状になって排水空間46に溜められる(
図4参照)。従って、使用者は、メンテナンス時には、離脱した排水フィルタ6の操作部33の取っ手33Bを掴んで、
図9に示すように排水空間46が下側Z2へ開放されるように排水フィルタ6を振り下ろせば、その勢いによって排水空間46内の異物Fの塊がきれいに落下する。落下せずに排水空間46に残った異物Fが存在しても、収容部32を流水にさらすことによって、この異物Fは、スムーズに排水空間46から取り除かれる。これにより、排水空間46から簡単に異物Fを取り出すことができるので、排水フィルタ6のメンテナンス性の向上を図れる。また、使用者が櫛歯42Dや櫛歯43Cや櫛歯44Dに触れなくても異物Fを排水空間46から取り出せるので、メンテナンス時に使用者が無理な力を加えてこれらの櫛歯を折ってしまうような不具合を防止できる。
【0056】
また、底壁41の下流部分は、入口51に近い順に、上流領域48Aと途中領域48Bと下流領域48Cとを有し、上流領域48Aおよび下流領域48Cは、底壁41の短手方向である左右方向Xにおいて途中領域48Bよりも広い(
図4参照)。これにより、入口51から排水空間46に取り込まれて下流部分48の上を流れる排水を、直ちに上流領域48Aで出口53から排出するだけでなく、途中領域48Bや下流領域48Cまで行き渡らせて出口53から排出することができる(
図4の太い破線矢印W3を参照)。そのため、排水空間46に溜められた異物Fが、底壁41の下流部分48における上流領域48Aに偏って溜まることによって上流領域48A付近の櫛歯42Dや櫛歯43Cに絡みつくことを防止できる。従って、使用者は、メンテナンス時に排水空間46からスムーズに異物Fを取り出すことができるので、排水フィルタ6のメンテナンス性の向上を図れる。
【0057】
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0058】
例えば、排水フィルタ6の収容部32について、前述した実施形態では左壁42が第1縦壁の一例であって右壁43が第2縦壁の一例であったが、これとは逆に、右壁43が第1縦壁の一例であって左壁42が第2縦壁の一例であってもよい。また、左壁42および右壁43は、洗濯機1内における排水フィルタ6の姿勢によって、前壁または後壁になることもあり得る。その場合には、前後方向Yが、横方向の一例である。
【0059】
収容部32の各出口53において、櫛歯42D、櫛歯43Cおよび櫛歯44Dのそれぞれの根元部分つまり下端部を底壁41の一部とみなしてもよく、この場合には、各出口53において櫛歯42D、櫛歯43Cおよび櫛歯44Dのそれぞれの下端部の周囲の位置する部分を、底壁41に形成された出口53とみなしてもよい(
図4参照)。
【0060】
また、前述した実施形態におけるドラム式の洗濯機1では、軸線Jが水平方向Hに傾斜するように内槽7が配置されてもよい。また、洗濯機1は、軸線Jが縦に延びる縦型の洗濯機であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 洗濯機
2 筐体
5 排水路
6 排水フィルタ
13 洗濯槽
41 底壁
42 左壁
42D 櫛歯
43 右壁
43B 受け面部
43C 櫛歯
46 排水空間
48 下流部分
48A 上流領域
48B 途中領域
48C 下流領域
51 入口
53 出口
F 異物
X 左右方向
Y 前後方向