(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】容量センサ及び容量センサの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01R 1/06 20060101AFI20240604BHJP
G01R 27/26 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G01R1/06 F
G01R27/26 C
(21)【出願番号】P 2020117659
(22)【出願日】2020-07-08
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】594157142
【氏名又は名称】オー・エイチ・ティー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(72)【発明者】
【氏名】安田 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】上林 和利
(72)【発明者】
【氏名】須川 成利
(72)【発明者】
【氏名】黒田 理人
(72)【発明者】
【氏名】後藤 哲也
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-242432(JP,A)
【文献】特開2010-237058(JP,A)
【文献】特開2019-114937(JP,A)
【文献】特開2000-022172(JP,A)
【文献】特開平03-263384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06
G01R 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象物との間の静電容量に応じた信号を出力するセンサ電極と、
前記センサ電極と接続される第1の電極パッドと、
前記センサ電極及び第1の電極パッドが実装される基板表面部と、前記基板表面部に対して低い位置に形成された段差部と有する基板と、
前記段差部に実装され、外部配線と接続される第2の電極パッドと、
前記基板表面部に形成されるパッシベーション膜と、
を具備
し、
前記第2の電極パッドには、前記外部配線が形成された回路基板がフリップチップ実装され、
前記段差部の深さは、前記回路基板の厚さと、前記第2の電極パッドと前記回路基板とを接続するバンプの厚さと、前記第2の電極パッドの厚さとの合計が前記基板表面部の高さを超えないように決定され、
前記パッシベーション膜の厚さが5μmであるときの前記段差部の深さは、100μmである、
容量センサ。
【請求項2】
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッドとを接続する配線は、前記段差部に沿うように形成されている請求項1に記載の容量センサ。
【請求項3】
検出対象物との間の静電容量に応じた信号を出力するセンサ電極と、前記センサ電極と接続される第1の電極パッドとが実装された基板表面部を有する基板の端部領域をエッチングして段差部を形成することと、
前記第1の電極パッドから前記段差部にかけて配線を形成することと、
前記配線及び外部配線と接続される第2の電極パッドを前記段差部に形成することと、
前記第2の電極パッドに、前記外部配線が形成された回路基板をフリップチップ実装することと、
前記基板表面部にパッシベーション膜を形成することと、
を具備
し、
前記段差部を形成することにおいて、前記段差部の深さは、前記回路基板の厚さと、前記第2の電極パッドと前記回路基板とを接続するバンプの厚さと、前記第2の電極パッドの厚さとの合計が前記基板表面部の高さを超えないように決定され、
前記パッシベーション膜の厚さが5μmであるときの前記段差部の深さは、100μmである、
容量センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量センサ及び容量センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容量センサは、検出対象物にセンサ電極を近接させたときの検出対象物とセンサ電極との間の静電容量に応じた信号から、検出対象物の種々の状態を検出するセンサである。この種の容量センサは、例えば回路基板に形成された導電パターンの良否判定に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原理上、容量センサの感度は、検出対象物との距離が近いほどに大きくなる。したがって、容量センサは、検出対象物になるべく近づけることができるように、また、仮に検出対象物に接触しても破損しないように構成されていることが望ましい。
【0005】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、より検出対象物に近づけることができ、また、破損の可能性が低減された容量センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の容量センサは、センサ電極と、第1の電極パッドと、基板と、第2の電極パッドと、パッシベーション膜とを備える。第2の電極パッドには、外部配線が形成された回路基板がフリップチップ実装される。段差部の深さは、回路基板の厚さと、第2の電極パッドと回路基板とを接続するバンプの厚さと、第2の電極パッドの厚さとの合計が基板表面部の高さを超えないように決定される。パッシベーション膜の厚さが5μmであるときの段差部の深さは、100μmである。
【0007】
本発明の第2の態様の容量センサの製造方法は、検出対象物との間の静電容量に応じた信号を出力するセンサ電極と、センサ電極と接続される第1の電極パッドとが実装された基板表面部を有する基板の端部領域をエッチングして段差部を形成することと、第1の電極パッドから段差部にかけて配線を形成することと、配線及び外部配線と接続される第2の電極パッドを段差部に形成することと、第2の電極パッドに、外部配線が形成された回路基板をフリップチップ実装することと、基板表面部にパッシベーション膜を形成することとを備える。段差部を形成することにおいて、段差部の深さは、回路基板の厚さと、第2の電極パッドと回路基板とを接続するバンプの厚さと、第2の電極パッドの厚さとの合計が基板表面部の高さを超えないように決定され、パッシベーション膜の厚さが5μmであるときの前記段差部の深さは、100μmである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より検出対象物に近づけることができ、また、破損の可能性が低減された容量センサ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る容量センサについて示す図である。
【
図2A】
図2Aは、容量センサの一例の構成を示す正面図である。
【
図2B】
図2Bは、容量センサの一例の構成を示す断面図である。
【
図3A】
図3Aは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3B】
図3Bは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3C】
図3Cは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3D】
図3Dは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3E】
図3Eは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3F】
図3Fは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3G】
図3Gは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3H】
図3Hは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3I】
図3Iは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3J】
図3Jは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3K】
図3Kは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3L】
図3Lは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3M】
図3Mは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図3N】
図3Nは、容量センサの製造方法を説明する工程図である。
【
図4】
図4は、変形例の容量センサの一例の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、一実施形態に係る容量センサについて示す図である。容量センサ1は、検出対象物3と近接され、検出対象物3との間の静電容量に応じた信号を出力するように構成されたセンサである。容量センサ1は、制御回路2に接続される。制御回路2は、容量センサ1の駆動のための信号を入力するとともに、容量センサ1からの信号を受け取って必要な処理を行う。例えば、検出対象物3が回路基板であるとき、制御回路2は、容量センサは、静電容量の信号から回路基板における不良個所を検出する。
【0011】
図2Aは、容量センサ1の一例の構成を示す正面図である。
図2Bは、容量センサ1の一例の構成を示す断面図である。
【0012】
図2Aに示すように、容量センサ1は、基板11と、センサ電極12と、第1の電極パッド13a、13bと、配線14a、14bと、第2の電極パッド15a、15bとを有している。
【0013】
基板11は、容量センサ1の各回路等が実装される基板である。基板11は、例えばシリコン基板であってよい。実施形態では、基板11は、基板表面部11aと、段差部11bとを有している。基板表面部11aは、基板11において検出対象物3と最も近接する面である。基板表面部11aには、センサ電極12と、第1の電極パッド13a、13bとが実装される。段差部11bは、基板11に対して形成される段差の部分である。段差部11bには、第2の電極パッド15a、15bが形成される。つまり、段差部11bがあることにより、第2の電極パッド15a、15bは、センサ電極12及び第1の電極パッド13a、13bよりも低い位置に形成されることになる。
【0014】
センサ電極12は、静電容量の検出のための電極である。センサ電極12は、検出対象物3との間の静電容量に応じた信号を出力するように構成されている。例えば、検出対象物3が回路基板であるとき、この回路基板には検査用の信号が印加される。この状態でセンサ電極12が検出対象物3である回路基板に近づけられると、センサ電極12と検出対象物3との間でキャパシタが形成され、センサ電極12は、検出対象物3との静電容量に応じた信号を出力する。
【0015】
ここで、センサ電極12は、1つのセンサ電極によって構成されていてもよいし、ライン状又はエリア状の複数のセンサ電極によって構成されていてよい。例えば、
図2Aは、センサ電極12は、破線を境にして左右方向に分割された2つのセンサ電極12a、12bから構成されている。それぞれのセンサ電極12a、12bは、互いにある程度の間隔をもって配置され、対向している検出対象物3との間の静電容量に応じた信号を出力する。
【0016】
第1の電極パッド13aは、センサ電極12と同一の層、例えばセンサ電極12の右側に設けられている。第1の電極パッド13aは、右側のセンサ電極12aに接続されるとともに、配線14aを介して第2の電極パッド15aに接続される。また、第1の電極パッド13bは、センサ電極12と同一の層、例えばセンサ電極12の左側に設けられている。第1の電極パッド13bは、左側のセンサ電極12bに接続されるとともに、配線14bを介して第2の電極パッド15bに接続される。
【0017】
ここで、第1の電極パッドは、センサ電極と同じ数だけ設けられる。例えば、センサ電極12が2つのセンサ電極から構成されているとき、第1の電極パッドは、第1の電極パッド13a、13bの2つの第1の電極パッドから構成される。センサ電極の数は、1つであってもよく、この場合、第1の電極パッドも1つである。
【0018】
配線14aは、第1の電極パッド13aと第2の電極パッド15aとを接続する配線である。配線14bは、第1の電極パッド13bと第2の電極パッド15bとを接続する配線である。配線14aは、
図2Bに示すように、段差部11bの右側の壁面に沿って形成されている。同様に、配線14bは、
図2Bに示すように、段差部11bの左側の壁面に沿って形成されている。
【0019】
第2の電極パッド15aは、右側の段差部11aに設けられ、配線14aを介して第1の電極パッド13aに接続される。また、
図2Bに示すように、第2の電極パッド15aには、バンプ16aを介して、外部配線17aが設けられたフレキシブルプリント基板(FPC)18aがフリップチップ実装される。第2の電極パッド15bは、左側の段差部11bに設けられ、配線14bを介して第1の電極パッド13bに接続される。また、
図2Bに示すように、第2の電極パッド15bには、バンプ16bを介して、外部配線17bが形成されたフレキシブルプリント基板(FPC)18bがフリップチップ実装される。外部配線17a及び17bは、制御回路2に接続される。
【0020】
また、
図2Bに示すように、基板11の基板表面部11a及び段差部11bには、保護膜としての例えばポリイミド(PI)によるパッシベーション膜19が成膜されてもよい。パッシベーション膜19は、複数の膜によって構成されてもよい。パッシベーション膜19は、仮に容量センサ1が検出対象物3に接触してしまった場合であっても、基板表面部11aが検出対象物3に直接的に接触しないように保護するとともに、基板表面部11aに汚れ等が付着しないように保護する保護膜である。パッシベーション膜19により、基板表面部11aに設けられたセンサ電極12及び第1の電極パッド13a、13bが保護される。さらに、基板11は、接着剤21によって例えば容量センサ1の制御回路等が実装されるプリント回路基板(PCB)20に接着されてもよい。パッシベーション膜19は、可能な限り薄く形成されることが望ましい。パッシベーション膜19の膜厚d2は、例えば5μmであってよい。
【0021】
ここで、容量センサ1は検査対象物に近接されて使用されるので、段差部11a、11bに実装される各種の部品の合計の高さがパッシベーション膜19の高さを超えない必要がある。一方で、段差部11a、11bの深さを深くするのに伴って実装の難度も高くなってコストも必要になる。逆に、段差部11a、11bの深さを浅くする場合の実装の難度も高くなる。したがって、段差部11a、11bの深さは、実装難度を考慮して適当な値に設定されることが望ましい。
【0022】
特に、FPCがフリップチップ実装される構造の場合、FPC18a、18bの厚さ、バンプ16a、16bの厚さ、第2の電極パッド15a、15bの厚さも考慮されて段差部11a、11bの深さが設定される。例えば、パッシベーション膜19の厚さd1が5μmであるとき、段差部11a、11bの深さd2は、実装難度、各部品の厚さ等が考慮されて例えば100μmに設定される。
【0023】
次に、実施形態の容量センサ1の製造方法を説明する。
図3Aから
図3Nは、容量センサ1の製造方法を説明する工程図である。
【0024】
以下で説明する製造方法は、
図3Aで示すように、基板11であるシリコン基板101に、センサ電極102と、第1の電極パッド103とが形成されている状態から開始される。シリコン基板101の第1の電極パッド103を除く部分にはパッシベーション膜104が形成されている。ここで、センサ電極102と第1の電極パッド103は、シリコン基板101の端部に段差部11bを形成するための段差形成領域101aを設けることができるように形成される。
【0025】
また、
図3Aから
図3Nでは、
図2で示した基板11の右側の部分の製造方法だけが示されている。
図2で示した基板11の左側の部分も、以下で説明する右側の部分と同様の製造方法によって製造され得る。
【0026】
シリコン基板101へのセンサ電極102と第1の電極パッド103との形成は、任意の手法で行われ得る。またパッシベーション膜104は、例えば各種の酸化膜、窒化膜であり、例えばCVDによって形成される。
【0027】
まず、
図3Bに示すように、パッシベーション膜104のエッチングが行われる。このために、シリコン基板101に、段差形成領域101aだけが露出するようにフォトレジスト105が塗布される。その後、
図3Cに示すように、シリコン基板101における段差形成領域101aの部分のパッシベーション膜104がエッチングされる。その後、
図3Dに示すように、フォトレジスト105が除去される。このようにして段差部11bとなる段差部106がシリコン基板101に形成される。次に、
図3Eに示すように、エッチングされた部分にパッシベーション膜107が例えばCVDによって形成される。
【0028】
次に、
図3Fに示すように、センサ電極102の上にパッシベーション膜としてのPI膜108が成膜される。次に、
図3Gに示すように、第1の電極パッド103の上のパッシベーション膜107がエッチングされる。
【0029】
次に、
図3Hに示すように、絶縁性のパッシベーション膜107の上に金属の配線14aを形成するための金属のメッキシード層110が例えばスパッタによって形成される。次に、
図3Iに示すように、第1の電極パッド103の周辺部分のメッキシード層110において配線14aを形成するためにフォトレジスト111が塗布される。そして、第1の電極パッド103の周辺部分のメッキシード層110に対するフォトリソグラフィによって金属メッキシード層110が配線14aの形状に加工される。次に、
図3Jに示すように、配線14aを形成するための金属メッキが行われる。
図3Jに示す配線112が配線14aである。
【0030】
次に、
図3Kに示すように、フォトレジスト111及びメッキシード層110が除去される。次に、
図3Lに示すように、段差部106を除く部分にパッシベーション膜としてのPI膜113が積層される。
【0031】
次に、
図3Mに示すように、シリコン基板101の裏面にバックメタル114が形成される。次に、
図3Nに示すように、段差部106の部分に、第2の電極パッド115が例えばフラッシュメッキ(短時間で行われる膜厚の薄いメッキ)によって形成される。
【0032】
以上説明したように本実施形態の容量センサでは、センサ電極と、センサ電極に接続される第1の電極パッドとが基板表面部に形成され、第1の電極パッドと外部配線とに接続される第2の電極パッドが基板表面部よりも低い段差部に形成される。これにより、第2の電極パッドと外部配線との間の配線は、基板表面部よりも低い位置に設けることができる。このため、容量センサの基板表面部、すなわちセンサ電極を検出対象物に十分に近づけることができる。したがって、容量センサの感度は向上する。また、仮に容量センサの基板表面部が検出対象物に接触してしまっても、FPC等が検出対象物には接触しない。このため、FPC等が検出対象物からの応力を受けて破損することもない。
【0033】
また、第1の電極パッドと第2の電極パッドとの間の配線は、段差部の壁面に沿うように形成される。このため、第1の電極パッドと第2の電極パッドとの間の配線の強度は高められる。したがって、容量センサの信頼性は向上する。
【0034】
また、実施形態ではシリコン基板に段差部が形成されればよい。このため、TSV(Through Silicon Via)のような加工は不要である。TSVの場合には、シリコン基板の内部に貫通電極を形成する必要があるため、シリコン基板は薄いことが好ましい。これに対し、本実施形態では、薄いシリコン基板が用いられる必要はない。厚いシリコン基板が用いられることにより、容量センサの強度を確保することができる。このため、検出対象物への接触時の信頼性が向上する。また、TSVは比較的にコストを要するのに対し、本実施形態ではエッチング等で段差部を形成するだけでよいので比較的に低コストで容量センサが製造され得る。
【0035】
[変形例]
次に、実施形態の変形例を説明する。実施形態では、第2の電極パッドには、バンプを介して外部配線が設けられたFPCがフリップチップ実装される。外部配線の実装の仕方は、フリップチップ実装に限らない。例えば
図4に示すように、第2の電極パッド15a、15bは、ワイヤ22a、22bを用いたワイヤボンディングによって外部電極23a、23bに接続されてもよい。この場合において、外部電極23a、23bは、スルーホール24a、24bを介してPCB20の裏面に形成された外部配線25a、25bに接続されてもよい。
【0036】
図4の場合、ワイヤ22a、22bは、ある程度の撓みを有することになる。ワイヤ22a、22bの強度を確保するため、ワイヤ22a、22bは、樹脂26等でモールドされてもよい。
【0037】
ここで、変形例のようなワイヤボンディングによって電極が実装される構造の場合、前述した段差部11a、11bの実装難度とともに、ワイヤ22a、22bのループ高さ、モールドの厚さも考慮されて段差部11a、11bの深さが設定される。現状の実装技術では、ワイヤ22a、22bのループ高さを50μmよりも低くすることが困難である。したがって、段差部11a、11bの深さd2は、前述と同様の例えば100μmであれば、ループ高さが仮に50μmであっても、段差部11a、11bに実装される各種の部品の合計の高さがパッシベーション膜19の高さを超えることはない。
【0038】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0039】
1 容量センサ、2 制御回路、3 検出対象物、11 基板、11a 基板表面部、11b 段差部、12,12a,12b センサ電極、13a,13b 第1の電極パッド、14a,14b 配線、15a,15b 第2の電極パッド、16a,16b バンプ、17a,17b 外部配線、18a,18b フレキシブルプリント基板(FPC)、19 パッシベーション膜、20 プリント回路基板(PCB)、21 接着剤、22a,22b ワイヤ、23a,23b 外部電極、24a,24b スルーホール、25a,25b 外部配線、26 樹脂、101 シリコン基板、101a 段差形成領域、102 センサ電極、103 第1の電極パッド、104 パッシベーション膜、105 フォトレジスト、106 段差部、107 パッシベーション膜、108 ポリイミド膜、110 メッキシード層、111 フォトレジスト、112 配線、113 ポリイミド膜、114 バックメタル、115 第2の電極パッド。