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特許7497844タイヤリフタ及びタイヤリフタ用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】タイヤリフタ及びタイヤリフタ用プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60B 29/00 20060101AFI20240604BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20240604BHJP
   B60B 30/02 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B60B29/00 D
B60C19/00 K
B60B30/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019176418
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021054115
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000161909
【氏名又は名称】京都機械工具株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】朝比奈 謙介
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-368263(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10119279(DE,A1)
【文献】特開2016-193646(JP,A)
【文献】特開昭63-068478(JP,A)
【文献】特開平05-246203(JP,A)
【文献】国際公開第2019/003712(WO,A1)
【文献】特開2017-071228(JP,A)
【文献】特開2013-001248(JP,A)
【文献】特開2004-238191(JP,A)
【文献】特開2001-341809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 29/00
B60C 19/00
B60B 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを保持しながら昇降移動するリフトと、
前記リフトを昇降移動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御器と、
前記リフトの目標高さを設定する設定手段とを備え、
前記制御器が、
前記設定手段で設定された前記目標高さに関する情報である目標高さ情報を記憶する目標高さ記憶部と、
前記目標高さ情報に基づき前記アクチュエータを制御して、前記リフトを前記目標高さまで上昇させるアクチュエータ制御部とを有し、
前記リフトが所望の高さに位置している状態で、作業者が前記設定手段を操作することにより、その状態の前記リフトの高さが前記目標高さに設定されるように構成されており、
取り外されたタイヤを受け取った際の前記リフトの高さが、前記目標高さとして設定されていることを特徴とするタイヤリフタ。
【請求項2】
前記目標高さ記憶部が、タイヤが取り付けられる複数の取付位置それぞれに対応した複数の前記目標高さ情報を前記取付位置に結び付けて記憶しており、
前記複数の取付位置にそれぞれ対応する複数の前記設定手段が設けられている、請求項1記載のタイヤリフタ。
【請求項3】
前記目標高さ記憶部が、少なくともフロントタイヤの取付位置に結び付けられた前記目標高さ情報と、リアタイヤの取付位置に結び付けられた前記目標高さ情報とを記憶している、請求項2記載のタイヤリフタ。
【請求項4】
前記リフトが、梁部材と、前記梁部材の一端部及び他端部それぞれから垂下する一対の柱部材と、前記各柱部材から延びてタイヤが載置される一対の保持部材とを有し、
前記梁部材の長手方向中心部から長手方向端部側にオフセット位置を支持する支持部材をさらに備えている、請求項1乃至のうち何れか一項に記載のタイヤリフタ。
【請求項5】
タイヤを保持しながら昇降移動するリフトと、前記リフトを昇降移動させるアクチュエータと、前記リフトの目標高さを設定する設定手段とを備えるタイヤリフタに用いられるタイヤリフタ用プログラムであって、
前記設定手段で設定された前記リフトの前記目標高さに関する情報である目標高さ情報を記憶する目標高さ記憶部と、
前記目標高さ情報に基づき前記アクチュエータを制御して、前記リフトを前記目標高さまで上昇させるアクチュエータ制御部としての機能をコンピュータに発揮させ、
前記リフトが所望の高さに位置している状態で、作業者が前記設定手段を操作することにより、その状態の前記リフトの高さが前記目標高さに設定されるように構成されており、
取り外されたタイヤを受け取った際の前記リフトの高さが、前記目標高さとして設定されている、タイヤリフタ用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤを自動で昇降させるタイヤリフタ及びタイヤリフタ用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤステーション等におけるタイヤ交換の作業現場では、作業性を上げるべく、タイヤが例えば自分の胸元辺りにくるように、車体を持ち上げた状態で作業が行われる。
【0003】
そして、かかる作業現場では、例えばSUVタイヤ等の重たいタイヤを取り扱うことがあったり、作業者が高齢であったりもすることから、特許文献1に示すように、タイヤを自動で昇降させるタイヤリフタが用いられる。
【0004】
しかしながら、従来のタイヤリフタは、例えばタイヤをホイルに取り付ける場合、ホイルのそばまではタイヤをスムーズに上昇させることができるが、そこからホイルの高さにぴったり合わせるためには、微調整が必要であったり、作業者が自力で持ち上げる必要があったりして、作業性に更なる改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5825872号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本願発明は、上記問題点を解決するべくなされたものであり、これまでよりも作業性の向上を図れるタイヤリフタを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本願発明に係るタイヤリフタは、タイヤを保持しながら昇降移動するリフトと、前記リフトを昇降移動させるアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御器とを備え、前記制御器が、前記リフトの目標高さに関する情報である目標高さ情報を記憶する目標高さ記憶部と、前記目標高さ情報に基づき前記アクチュエータを制御して、前記リフトを前記目標高さまで上昇させるアクチュエータ制御部とを有することを特徴とするものである。
【0008】
このように構成されたタイヤリフタであれば、アクチュエータ制御部が、目標高さ記憶部に記憶されている目標高さ情報に基づきアクチュエータを制御して、リフトを目標高さまで上昇させるので、タイヤを自動的に且つ正確に所望の高さまで上昇させることができ、作業性をこれまで以上に向上させることができる。
【0009】
前記目標高さ記憶部が、タイヤが取り付けられる複数の取付位置それぞれに対応した複数の前記目標高さ情報を前記取付位置に結び付けて記憶していることが好ましい。
このような構成であれば、取付位置によってタイヤの目標高さが異なる場合であっても、それぞれの取付位置に応じた所望の目標高さまでタイヤを自動的に且つ正確に上昇させることができる。
【0010】
より具体的な実施態様としては、例えば四輪車ではサスペンションの違いによりフロントタイヤとリアタイヤとの高さが違うことから、前記目標高さ記憶部が、少なくともフロントタイヤの取付位置に結び付けられた前記目標高さ情報と、リアタイヤの取付位置に結び付けられた前記目標高さ情報とを記憶していることが好ましい。
【0011】
取り外されたタイヤを受け取った際の前記リフトの高さが、前記目標高さとして設定されていることが好ましい。
このような構成であれば、例えば車種や作業者が違っても、取り外したタイヤの高さまで新しいタイヤを上昇させることができるので、より使い勝手の良いものとなる。
【0012】
前記リフトが、梁部材と、前記梁部材の一端部及び他端部それぞれから垂下する一対の柱部材と、前記各柱部材から延びてタイヤが載置される一対の保持部材とを有し、前記梁部材の長手方向中心部から長手方向端部側にオフセット位置を支持する支持部材をさらに備えていることが好ましい。
このような構成であれば、タイヤのホイールナットを取り外す際や取り付ける際における支持部材との干渉を避けることができ、作業性のさらなる向上を図れる。
【0013】
また、本発明に係るタイヤリフタ用プログラムは、タイヤを保持しながら昇降移動するリフトと、前記リフトを昇降移動させるアクチュエータとを備えるタイヤリフタに用いられるタイヤリフタ用プログラムであって、前記リフトの目標高さに関する情報である目標高さ情報を記憶する目標高さ記憶部と、前記目標高さ情報に基づき前記アクチュエータを制御して、前記リフトを前記目標高さまで上昇させるアクチュエータ制御部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とするものである。
このように構成されたタイヤリフタ用プログラムによれば、上述したタイヤリフタと同様の作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本発明によれば、タイヤ交換の作業性をこれまで以上に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態におけるタイヤリフタの構成を示す模式図。
図2】同実施形態のリフトの下降位置及び上昇位置を示す模式図。
図3】同実施形態の制御器の機能を示す機能ブロック図。
図4】同実施形態のタイヤリフタを用いたタイヤ交換作業のフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明に係るタイヤリフタの一実施形態について説明する。
【0017】
<タイヤリフタ100の構成>
本実施形態のタイヤリフタ100は、例えばタイヤステーションのような頻繁にタイヤ交換が行われる作業現場で用いられるものであり、タイヤを自動で昇降させるものである。
【0018】
具体的にこのタイヤリフタ100は、図1に示すように、タイヤを保持しながら昇降移動するリフト10と、リフトを支持する支持部材20と、リフト10を昇降移動させるアクチュエータ30と、アクチュエータ30を制御する制御器40とを備えている。
【0019】
リフト10は、図2に示すように、新しいタイヤが載置される、或いは、車体から取り外されたタイヤを作業者に受け渡す下降位置Aと、新しいタイヤを車体に取り付ける、或いは、車体から取り外されたタイヤが載置される上昇位置Bとの間を昇降移動するものである。
【0020】
ここでのリフト10は、梁部材11と、梁部材11の一端部及び他端部それぞれから垂下する一対の柱部材12と、各柱部材12の例えば下端部から例えば水平方向に延びて載置されたタイヤを保持する一対の保持部材13を有している。一対の保持部材13はそれぞれ、軸周りに回転可能な棒状のものであり、載置されたタイヤを回転可能に保持する。
【0021】
支持部材20は、台座部21と、一端が台座部21に接続されるとともに他端がリフト10に接続された支柱部22とを備えている。この実施形態では、支柱部22の他端は、リフト10の梁部材11における長手方向中心部から長手方向端部側にオフセットした位置に取り付けられている。このように支柱部22をオフセットさせることで、タイヤのホイールナットを取り外す際や取り付ける際における支柱部22との干渉を避けることができ、作業性の向上を図れる。
【0022】
アクチュエータ30は、リフト10を昇降移動させる動力源を有し、その動力をリフト10に作用させてリフト10を昇降移動させるものである。具体的にアクチュエータ30としては、例えば電動モータ31を動力源として用いたものを挙げることができ、電動モータ31及びボールねじを用いたものや、電動モータ31及びラックアンドピニオン機構を用いたものを考えることができる。なお、動力源としてエアシリンダや油圧シリンダを用いても構わない。
【0023】
本実施形態のアクチュエータ30は、上述した台座部21と一体的に設けられており、後述する制御器40に制御される。
【0024】
制御器40は、CPUやメモリ等を備えたコンピュータであり、例えば上述した台座部21の内部に収容されている。そして、この制御器40は、前記メモリに格納されたタイヤリフタ用プログラムに従ってCPU等が動作することで、図3に示すように、少なくとも目標高さ記憶部41及びアクチュエータ制御部42としての機能を少なくとも発揮するものである。
以下、各機能について説明する。
【0025】
目標高さ記憶部41は、前記メモリの所定領域に設定されており、上述したリフト10の目標高さに関する情報である目標高さ情報を記憶するものである。
【0026】
まず、リフト10の目標高さについて説明すると、この実施形態では、タイヤの交換作業において、車体から取り外されたタイヤを受け取った際のリフト10の高さを目標高さとして設定できるようにしてある。具体的には、車体から取り外したタイヤを上昇位置Bにあるリフト10に載置する際或いは載置した後、例えば設定ボタン等の入力手段を介して、その上昇位置Bにあるリフト10の高さを目標高さとして設定することができる。なお、入力手段としてマウスやキーボードやタッチパネル等を用いても構わない。
【0027】
そして、目標高さが設定されると、目標高さ記憶部41は、設定された目標高さに関する情報として、例えば予め設定された下降位置Aから上昇位置Bまでの高さ、移動距離、移動時間、電動モータ31への電圧の印加時間、電動モータ31の回転数、電動モータ31の回転角度、又は電動モータ31により回転する回転部材の回転角度などを目標高さ情報として記憶する。なお、リフト10の下降位置Aは、制御の簡素化やタイヤ交換の作業性の観点から、リフト10を最も低く下降させた位置に設定しておくことが好ましいが、作業に応じて種々の高さに設定しても良い。
【0028】
本実施形態の目標高さ記憶部41は、タイヤが取り付けられる複数の取付位置それぞれに対応した複数の目標高さ情報を取付位置に結び付けて記憶している。具体的には、例えばユーザが、目標高さを受け付ける際に、マウスやキーボードやタッチパネル等の入力手段を介してタイヤの取付位置を入力することができる。これにより、目標高さ記憶部41は、入力された取付位置と目標高さ情報とを結び付けて記憶する。
【0029】
より詳細には、例えば四輪車や二輪車はサスペンションの違いからフロントタイヤとリアタイヤの取付位置の高さが異なる場合があり、ここでの目標高さ記憶部41は、少なくともフロントタイヤの取付位置に結び付けられた目標高さ情報と、リアタイヤの取付位置に結び付けられた目標高さ情報とを記憶している。
【0030】
アクチュエータ制御部42は、アクチュエータ30を制御してリフト10を昇降移動させるものである。
【0031】
このアクチュエータ制御部42は、リフト10を上昇させる際に、目標高さ記憶部41に記憶されている目標高さ情報に基づきアクチュエータ30を制御して、リフト10を目標高さまで上昇させる。
【0032】
本実施形態では、新しいタイヤの取付位置を予め記憶させた複数の取付位置の中から選択できるように構成されており、具体的には制御器40に、選択された取付位置を受け付ける取付位置受付部43としての機能を備えさせている。
【0033】
これにより、アクチュエータ制御部42は、取付位置受付部43が受け付けた取付位置に結び付けられている目標高さ情報を取得し、その目標高さ情報の示す目標高さまでリフト10を上昇させるように電動モータ31への供給電力を制御する。
【0034】
<タイヤリフタ100を用いたタイヤの交換作業>
次に、本実施形態のタイヤリフタ100を用いたタイヤの交換作業について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0035】
まず、タイヤ交換を行う車体を例えばジャッキや車体用リフタなどを用いて床面から所望の高さまで持ち上げる(S1)。なお、作業性に鑑みれば、タイヤが作業者の胸元辺りに位置する程度に車体を持ち上げることが望ましい。
【0036】
次に、タイヤリフタ100を車体の近傍に移動させ、下降位置Aにあるリフト10を取り外すタイヤの近傍まで上昇させる(S2)。
【0037】
そして、車体からタイヤを取り外し、そのタイヤをリフト10の保持部材23の上に載置する(S3)。このとき、タイヤをリフト10に載せやすくするべく、リフト10をS2の高さから上下に微調整しても構わない。
【0038】
そして、S3において取り外したタイヤを載置した際のリフト10の高さを目標高さとして設定する(S4)。具体的には、タイヤをリフト10に載置した後に、例えば目標高さ設定ボタンを押すことで、そのリフト10の高さが目標高さとして設定することができる。なお、目標高さ設定ボタンは、実ボタンであっても良いし、ディスプレイ等に表示されたものであっても良い。
【0039】
そして、設定された目標高さに関する目標高さ情報が目標高さ記憶部41に記憶される(S5)。具体的には、例えば下降位置Aからその目標高さまでの移動距離が目標高さ情報として記憶される。
【0040】
このとき、本実施形態では、取り外したタイヤが取り付けられていた位置である取付位置を入力手段を介して入力することができる。具体的には、複数の取付位置にそれぞれ対応させた複数の取付位置ボタンを入力手段として設けておき、これらの取付位置ボタンの中から所望の取付位置を選択することができ、目標高さ記憶部41は、その選択された取付位置に目標高さを結び付けて記憶する。なお、入力手段としては、複数の取付位置それぞれに対応させて例えばディスプレイ等に表示された選択可能な選択リストであっても良い。
【0041】
続いて、リフト10を上昇位置Bから下降位置Aまで移動させ、取り外したタイヤをリフト10から受け取り、新しいタイヤをリフト10に載置する(S6)。
【0042】
ここで、本実施形態では新しいタイヤを取り付ける取付位置(フロント又はリア)を選択できるようにしてある。具体的には、例えば入力された複数の取付位置それぞれを示す取付位置選択ボタンをディスプレイ等に選択可能に表示させておき、取付位置受付部43が、選択された取付位置を受け付ける。
【0043】
そして、アクチュエータ制御部42は、取付位置受付部43が受け付けた取付位置に結び付けられて記憶されている目標高さ情報を取得し、その目標高さ情報が示す目標高さまでリフト10を上昇させる(S7)。
【0044】
これにより、新しいタイヤを取り外したタイヤと同じ高さまで上昇させることができ、その新しいタイヤを選択した取付位置に取り付ける(S8)。
【0045】
その後、交換作業が終了するまでS2~S8の動作を繰り返し、交換対象となるタイヤを全て交換してタイヤの交換作業が完了する。
【0046】
<本実施形態のタイヤリフタ100による効果>
このように構成されたタイヤリフタ100によれば、アクチュエータ制御部42が、目標高さ記憶部41に記憶されている目標高さ情報に基づきアクチュエータ30を制御して、リフト10を目標高さまで上昇させるので、タイヤを自動的に且つ正確に所望の高さまで上昇させることができ、作業性をこれまで以上に向上させることができる。
【0047】
また、目標高さ記憶部41が、タイヤが取り付けられる複数の取付位置それぞれに対応した複数の目標高さ情報を前記取付位置に結び付けて記憶しているので、取付位置によってタイヤの取付高さが異なる場合であっても、それぞれの取付位置に応じた所望の高さまでタイヤを自動的に且つ正確に上昇させることができる。
【0048】
さらに、取り外されたタイヤを受け取った際のリフト10の高さが、目標高さとして設定されているので、例えば車種や作業者が違っても、取り外したタイヤの高さまで新しいタイヤを上昇させることができ、使い勝手が良い。
【0049】
<その他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0050】
例えば、前記実施形態では、取り外されたタイヤを受け取った際のリフト10の高さを目標高さとして設定していたが、車体からタイヤを取り外す前に、作業者が予め目標高さを設定しておいても良い。具体的には、例えば新しいタイヤを取り付ける取付位置の高さが予め分かっていれば、その高さを目標高さとして設定しても良い。その場合も、例えばリフト10の下降位置Aからその設定された目標高さまでの高さ、移動距離、移動時間などを目標高さ情報として目標高さ記憶部41に記憶させておくことができる。
【0051】
また、車体を持ち上げた後、車体に取り付けられているタイヤの高さを測定するとともに、その測定高さに基づいて、目標高さを設定したり、目標高さ情報を目標高さ記憶部41に記憶させても良い。
【0052】
また、前記実施形態ではフロントタイヤとリアタイヤの取付位置、すなわち2箇所の取付位置それぞれに目標高さ情報を結び付けて記憶させていたが、例えば車両が6つ以上の車輪を有する多輪車であれば、目標高さ記憶部41は、3箇所以上の取付位置それぞれに対応した複数の目標高さ情報を各取付位置に結び付けて記憶していても良い。
【0053】
さらに、前記実施形態では、タイヤの交換作業の一例として、タイヤを取り外すたびに新しいタイヤを取り付ける方法を述べたが、全て又は複数のタイヤを取り外した後に、全て又は複数の新しいタイヤを取り付けても良い。
【0054】
そのうえ、前記実施形態では、支持部材20が梁部材11の長手方向中心部からオフセットさせた位置に接続されていたが、支持部材20が梁部材11の長手方向中心部に接続されていても良い。
【0055】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0056】
100・・・タイヤリフタ
10 ・・・リフト
11 ・・・保持部材
20 ・・・アクチュエータ
21 ・・・電動モータ
30 ・・・制御器
31 ・・・目標高さ記憶部
32 ・・・アクチュエータ制御部
33 ・・・取付位置受付部
図1
図2
図3
図4