(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびゲーム制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/493 20140101AFI20240604BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20240604BHJP
【FI】
A63F13/493
A63F13/80 H
(21)【出願番号】P 2020097278
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】598098526
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサルエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】汲田 敦司
(72)【発明者】
【氏名】大家 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】松平 剛也
(72)【発明者】
【氏名】陣内 俊和
(72)【発明者】
【氏名】白石 宗希
(72)【発明者】
【氏名】馬場 智子
(72)【発明者】
【氏名】三上 渉吾
(72)【発明者】
【氏名】瓦井 信行
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-024899(JP,A)
【文献】特開平11-300024(JP,A)
【文献】特開2005-342065(JP,A)
【文献】特開2014-193243(JP,A)
【文献】特開2012-205711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と、
第1のゲームと、
第1のゲームの結果に基づいてトリガーされ、
第1のゲーム
から移行される第2のゲームと、
第2のゲームの後に実行され、複数の段階を有する付加ゲームと、を実行するコントローラと、
を有し、
前記記憶装置には、前記付加ゲームの前記複数の段階が予め決められた複数のシナリオが記憶されており、
前記コントローラは、
第1ゲームにおいて、プレイヤーが所持するゲーム価値を所定量消費してプレイすることが可能なゲームを実行することと、
第2ゲームにおいて、前記プレイヤーが所定回数までゲーム価値を消費することなくプレイすることが可能なゲームを実行することと、
第2ゲームが所定回数行われたと判断した場合には、付加ゲームに移行させることと、
第2ゲームが所定回数行われていないと判断した場合には、再度第2ゲームを実行することと、
前記付加ゲームにおいて、
最初の付加ゲームの際に、前記複数のシナリオのうち抽選で決定された一つのシナリオに基づいて2回目以降の付加ゲームを段階的に進行させ、
前記段階を進めて最終の段階に到達する場合には、追加の報酬を付与し、
前記最終の段階に到達しない場合には、前記段階の状態を前記記憶装置に記憶し、次の付加ゲームにおいて記憶した前記段階の状態から継続することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
外部からの入力を受け付けるユーザインターフェースを有し、
前記コントローラは、
所定回数の第2のゲームのうち、前記プレイヤーがプレイすることが可能な第2のゲームの残りの回数を示す値を前記ユーザインターフェース上に表示させ、
前記ユーザインターフェースが所定時間入力を受け付けない場合、前記段階の状態を最初の段階にリセットするリセット処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記コントローラは、
第1のゲーム、
第2のゲーム、および、付加ゲーム、を含むアプリケーションを実行し、前記ユーザインターフェースが前記アプリケーションの終了要求を受け付けた場合、前記リセット処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記付加ゲームの各段階に予め設定された重み付けに基づき、最初の段階から最終の段階へ至るまでの全ての段階の重みを総和した値に、第1のゲームにおいて消費したゲーム価値を乗算した値のゲーム価値を追加の報酬として付与することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記付加ゲームは、ビンゴゲームであり、成立したライン上の全ての付加ゲーム用シンボルに付された整数値の合計値に基づいて報酬が決定されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
第1のゲームと、
第1のゲームの結果に基づいてトリガーされ、
第1のゲーム
から移行される第2のゲームと、
第2のゲームの後に実行され、複数の段階を有する付加ゲームと、を実行することと、
第1ゲームにおいて、プレイヤーが所持するゲーム価値を所定量消費してプレイすることが可能な第1ゲームを実行することと、
第2ゲームにおいて、前記プレイヤーが所定回数までゲーム価値を消費することなくプレイすることが可能な第2ゲームを実行することと、
第2ゲームが所定回数行われたと判断された場合には、付加ゲームに移行させることと、
第2ゲームが所定回数行われていないと判断された場合には、再度第2ゲームを実行することと、
前記付加ゲームにおいて、記憶装置に記憶された前記付加ゲームの前記複数の段階が予め決められた複数のシナリオのうち、最初の付加ゲームの際に抽選で決定された一つのシナリオに基づいて2回目以降の付加ゲームを段階的に進行させることと、
前記付加ゲームにおいて、前記段階を進めて最終の段階に到達する場合には、追加の報酬を付与することと、
前記付加ゲームにおいて、前記最終の段階に到達しない場合には、前記段階の状態を記憶することと、
前記最終の段階に到達しなかった付加ゲームの次の付加ゲームにおいて、記憶した前記段階の状態から継続することと、
を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびゲームの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、据え置きのゲーミングマシンやスマートフォンなどで行われるゲームには、通常ゲームをプレイし、通常ゲームをプレイした結果、所定の条件を満たした場合、特別ゲーム状態へ移行する構成をとるものがある。
【0003】
通常、特別ゲームは通常ゲームよりも多くの配当を得られる確率が高いため、プレイヤーに、少しでも長い時間特別ゲーム状態が続くことを期待させる方法が開示されている。
【0004】
例えば、特許文献1のスロットゲームにおいては、特別ゲーム状態が終了する条件として、第1表示結果が導出される毎に加算される第1計数値と、第2表示結果が導出される毎に加算される第2計数値の少なくとも一方が2以上となることとし、一方の計数値が加算された場合、もう一方の計数値が初期化されることで、特別ゲーム状態が終了するタイミングを変化させることによって、ゲームの興趣を高める方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特別ゲーム状態が長い時間続いたとしても、特別ゲーム状態が終了し、通常ゲーム状態に戻ると、プレイヤーのゲームを継続するモチベーションが低下することが懸念される。
【0007】
そこで、本発明は、特別ゲーム状態の終了後も、プレイヤーにゲームを継続することを喚起することが可能な情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理システムは、
記憶装置と、 第1のゲームと、第1のゲームの結果に基づいてトリガーされ、第1のゲームから移行される第2のゲームと、第2のゲームの後に実行され、複数の段階を有する付加ゲームと、を実行するコントローラと、
を有し、
前記コントローラは、
前記付加ゲームにおいて、
前記段階を進めて最終の段階に到達する場合には、追加の報酬を付与し、
前記最終の段階に到達しない場合には、前記段階の状態を前記記憶装置に記憶し、次の付加ゲームにおいて記憶した前記段階の状態から継続することを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、第2のゲームの後に実行される付加ゲームにおいて、最終の段階に到達しない場合、段階の状態が記憶され、次の付加ゲームにおいて、記憶された段階の状態から継続して実行される。これにより、付加ゲームにおいて最終の段階に到達しなかった場合でも、プレイヤーは第1のゲームをプレイし続けて第2のゲームをトリガーすることで、付加ゲームを前回の段階の状態から継続してプレイすることが可能となる。その結果、プレイヤーに対して、付加ゲームが最終の段階に到達し、追加の報酬を得るまでプレイを継続することを喚起する可能性を向上させることが可能となる。
【0010】
また、本発明は、上記の情報処理システムであって、
外部からの入力を受け付けるユーザインターフェースを有し、
前記コントローラは、
前記ユーザインターフェースが所定時間入力を受け付けない場合、前記段階の状態を最初の段階にリセットするリセット処理を実行してもよい。
【0011】
上記構成によれば、ユーザインターフェースが所定時間入力を受け付けない場合、コントローラは、付加ゲームの段階の状態を最初の段階にリセットする。これにより、プレイヤーがユーザインターフェースに対して長時間入力を行わない場合、付加ゲームの段階の状態がリセットされ、次の付加ゲームは、リセット後の状態である最初の段階から実行される。その結果、プレイヤーに対して、付加ゲームが最終の段階に到達し、追加の報酬を得るまで、プレイの継続を喚起する可能性を向上させることが可能となる。
【0012】
また、本発明は、上記の情報処理システムであって、
前記コントローラは、
第1のゲーム、第2のゲーム、および、付加ゲーム、を含むアプリケーションを実行し、前記ユーザインターフェースが前記アプリケーションの終了要求を受け付けた場合、前記リセット処理を実行してもよい。
【0013】
上記構成によれば、アプリケーションの実行中に、ユーザインターフェースがアプリケーションの終了要求を受け付けた場合、コントローラは、付加ゲームの段階の状態を最初の段階にリセットする。これにより、プレイヤーがアプリケーションを終了することによって、付加ゲームの段階の状態がリセットされ、次回、プレイヤーがアプリケーションを開始した後に初めて実行される付加ゲームは、リセット後の状態である最初の段階から実行される。その結果、プレイヤーに対して、付加ゲームが最終の段階に到達し、追加の報酬を得るまで、アプリケーションを終了することを抑止する可能性を向上させることが可能となる。
【0014】
本発明のゲーム制御方法は、
第1のゲームと、第1のゲームの結果に基づいてトリガーされ、第1のゲームから移行される第2のゲームと、第2のゲームの後に実行され、複数の段階を有する付加ゲームと、を実行することと、
前記付加ゲームにおいて、前記段階を進めて最終の段階に到達する場合には、追加の報酬を付与することと、
前記付加ゲームにおいて、前記最終の段階に到達しない場合には、前記段階の状態を記憶することと、
前記最終の段階に到達しなかった付加ゲームの次の付加ゲームにおいて、記憶した前記段階の状態から継続することと、を含むことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、第2のゲームの後に実行される付加ゲームにおいて、最終の段階に到達しない場合、段階の状態が記憶され、次の付加ゲームにおいて、記憶された段階の状態から継続して実行される。これにより、付加ゲームにおいて最終の段階に到達しなかった場合でも、プレイヤーは第1のゲームをプレイし続けて第2のゲームをトリガーすることで、付加ゲームを前回の段階の状態から継続してプレイすることが可能となる。その結果、プレイヤーに対して、付加ゲームが最終の段階に到達し、追加の報酬を得るまでプレイを継続することを喚起する可能性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】情報処理システムの概略構成を示す説明図である。
【
図2】情報処理システムの電気構成を示すブロック図である。
【
図3】通常ゲームの表示画面の一例を示す図である。
【
図4】付加ゲームの表示画面の一例を示す図である。
【
図5】付加ゲームの最終の段階の表示画面の一例を示す図である。
【
図9】通常ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【
図10】特別ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【
図11】付加ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【
図12】サーバ処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の情報処理システムを図面に基づいて説明する。
【0018】
情報処理システムは、第2のゲーム終了後に付加ゲームを行い、付加ゲームの結果、1ライン以上揃った場合、揃ったラインの数字の合計に基づいて報酬を付与する。情報処理システムは、付加ゲームの結果、ラインがそろわなかった場合、付加ゲームの途中経過を累 積的に記憶して維持し、次の付加ゲームへ持ち越す。
【0019】
具体的に、
図1に示すように、情報処理システム100は、情報処理装置1、サーバ10、および、データ通信回線101を有している。情報処理装置1は、データ通信回線101を介して、サーバ10にデータ通信可能に接続されている。なお、情報処理システム100の構成は、これに限定されず、情報処理装置1のみで構成されていてもよい。
【0020】
本実施形態では、情報処理装置1は、ディスプレイ2を有するスマートフォンを例示するが、携帯型および据置型のいずれであってもよい。ディスプレイ2には、ユーザインターフェースとして、入力装置であるタッチパネル5が設けられる。携帯型の情報処理装置1としては、ポータブルコンピュータやラップトップコンピュータ、タブレット型パソコン、ハンドヘルド型パソコン、PDA(Personal Data Assistant)、スマートウォッチ等の携帯情報機器が例示される。
【0021】
また、データ通信回線101は、インターネット回線を例示するが、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等であってもよい。
【0022】
情報処理装置1には、各情報処理装置1のOS(Operating System)に応じたアプリケーションストアサーバ等を介して共通のアプリケーションがインストールされている。本実施形態では、プレイヤーは、このアプリケーション上でゲームをプレイすることが可能となる。なお、ゲームは、アプリケーションのアドインでもよい。即ち、ゲームは、アプリケーションの追加機能として、アプリケーションとは別にアプリケーションストアサーバやサーバ10等で提供されるものであってもよい。また、アプリケーションにおいて、演出態様や、ルールの異なる複数種類のゲームがプレイ可能にされていてもよい。なお、アプリケーションはウェブブラウザであってもよい。
【0023】
情報処理システム100は、ゲームとして、第1のゲームと、第2のゲームと、付加ゲームと、を実行する。即ち、本実施形態では、第1のゲームと、第2のゲームと、付加ゲームと、を含むアプリケーションを実行する。第2のゲームは、第1のゲームの結果に基づいてトリガーされ、第1のゲームよりも有利なゲームに構成されている。
【0024】
本実施形態における第1のゲームは、プレイヤーが所持するコイン(ゲーム価値)を所定量消費し、そのコインの消費の対価としてスロットゲームを始めることができる。なお、所定の条件が成立した場合には、第2のゲームとして、所定回数まではコインを消費することなくスロットゲームを行うことができる。
【0025】
プレイヤーが所持するコインは電子的な情報であり、プレイヤーが情報処理装置1からサーバ10にアクセスし、スロットゲームの運営組織が指定する決済方法に従い、キャッシュからコインに交換することができる。プレイヤーが所持するコインは、スロットゲームに影響を与える効果を得るための対価(アイテムの購入)として消費されたり、プレイヤーを象徴するキャラクタの見た目を変える対価として消費されたり、多種多様に使用される。
【0026】
なお、ゲーム価値は、特に限定されるものではなく、電子マネーや、有価情報を含まないゲームポイント等であってもよい。
【0027】
付加ゲームは、第2のゲームの後に実行され、複数の段階を有している。情報処理システム100は、付加ゲームにおいて、段階を進めて最終の段階に到達する場合には、追加の報酬を付与する。情報処理システム100は、付加ゲームにおいて、最終の段階に到達しない場合には、段階の状態を記憶し、次の付加ゲームにおいて記憶した段階の状態から継続する。
【0028】
ここで、『段階』とは、付加ゲームにおける表示態様を示す。即ち、情報処理システム100は、1回の付加ゲームにおいて、開始時に表示される段階に対し、当該段階を進める処理を実行し、異なる表示態様の段階を出力する。
【0029】
本実施形態において、段階は、表示領域における、共通の特徴を有するシンボルの数および配置で示される。即ち、『段階の状態』とは、シンボルの数および配置の態様を示す。情報処理システム100は、付加ゲームにおいて、複数の配置部を有する表示領域に、それぞれシンボルを1つずつ累積的に配置する。即ち、『段階を進める』とは、シンボルが配置されない表示領域のいずれかに、シンボルを追加して配置することを示す。シンボルが配置されて、所定の配置態様となった場合に最終の段階となる。以下、当該シンボルを『付加ゲーム用シンボル』と称して説明を行う。
【0030】
また、『段階の状態を記憶する』とは、付加ゲームで出力した段階の状態を記憶することを示す。したがって、付加ゲームが前回の段階の状態から継続される場合、入力される段階の状態は、前回の付加ゲームで出力された段階の状態となる。本実施形態では、段階の状態は、情報処理システム100が有する記憶装置300に記憶される。前回の付加ゲームにおいて最終の段階に到達した場合には、最初の段階の状態が入力される。なお、付加ゲームが有する複数の段階には、1つの最初の段階と少なくとも1つの最終の段階とが含まれる。
【0031】
本実施形態では、第2のゲームの後に、1回の付加ゲームが実行され、必ず段階が1つ進行されて、付加ゲーム用シンボルが累積的に追加される。このように、付加ゲームは、累積的に進行されるゲームであり、段階の状態として付加ゲーム用シンボルの累積状態が記憶され、次回の付加ゲームでは当該累積状態から継続される。
【0032】
図1に示すように、本実施形態では、付加ゲームとして、ビンゴを模したゲームを例示する。付加ゲームでは、情報処理装置1のディスプレイ2に、3行×3列のマトリクス状に形成された9個のセル201を有する付加ゲーム用表示領域200が示される。セル201には1つの付加ゲーム用シンボル202が配置可能となっている。付加ゲームでは、付加ゲーム用シンボル202が、付加ゲーム用表示領域200に配置されて、段階の状態が進行される。なお、付加ゲーム用表示領域200はこれに限定されず、例えば、4行×4列および5行×5列等のマトリクスであってもよいし、その他の形状であってもよい。また、付加ゲームは、ビンゴゲームに限定されず、ボードゲームやカードゲーム等であってもよい。
【0033】
本実施形態において、最初の段階は、付加ゲーム用表示領域200のいずれのセル201にも付加ゲーム用シンボル202が配置されていない段階の状態であるがこれに限定されない。例えば、付加ゲーム用表示領域200のいずれか1以上のセル201に付加ゲーム用シンボル202が配置された段階の状態を、最初の段階としてもよい。また、最終の段階は、付加ゲーム用表示領域200において、縦、横、または、斜めのうち少なくともいずれか1つのラインが通過する3つのセル201の全てに付加ゲーム用シンボル202が配置された状態である。付加ゲームにおいて最終の段階に到達することによって報酬が付与される。なお、3行×3列の付加ゲーム用表示領域200に付加ゲーム用シンボル202を配置するパターンは最大で512通り(2の9乗)存在する。付加ゲームは、この全てを段階として有していてもよいし、そのうちの一部を有していてもよい。このように、段階の状態は、付加ゲーム用表示領域200に配置されている付加ゲーム用シンボル202および配置の態様で示される。以下、段階の状態を「付加ゲーム用シンボル配置状態」と称す場合がある。
【0034】
上述のように、情報処理システム100は、第2のゲームの後に1回の付加ゲームを実行する。付加ゲームにおいて、情報処理システム100は、1回の付加ゲーム毎に段階を進める。具体的に、第2のゲームの後に付加ゲームが開始されると、情報処理装置1のディスプレイ2に付加ゲーム用表示領域200が表示される。ここで表示される付加ゲーム用表示領域200の段階の状態は、前回の付加ゲームで出力された段階の状態、または、最初の段階の状態となる。そして、付加ゲーム用表示領域200における9個のセル201の内、付加ゲーム用シンボル202が配置されていないセル201のいずれか1つに付加ゲーム用シンボル202が配置される。配置された付加ゲーム用シンボル202は、記憶装置300に累積的に記憶され、次の付加ゲームまで維持される。
【0035】
付加ゲームにおいて段階を進めて最終の段階に到達する場合には、追加の報酬が付与される。追加の報酬は特に限定されないが、第1のゲームにおいて消費したゲーム価値に関連していることが好ましい。例えば、各段階に重み付けをしておき、最初の段階から最終の段階へ至るまでの全ての段階の重みを総和した値に、第1のゲームにおいて消費したゲーム価値を乗算した値のゲーム価値が追加の報酬として付与されるものであってもよい。
【0036】
情報処理システム100は、第1のゲーム(以下、通常ゲーム)を実行する(A1)と、その後、通常ゲームの結果に基づき、第2のゲーム(以下、特別ゲーム)へ移行するか否かを判定する処理を実行する(A2)。特別ゲームへ移行しないと判定した場合(A2:NO)、情報処理システム100はステップA1へ処理を移行する。特別ゲームへ移行すると判定した場合(A2:YES)、情報処理システム100は特別ゲームを実行する(A3)。
【0037】
特別ゲームの実行後、情報処理システム100は付加ゲームを実行する(A4)。情報処理システム100は、付加ゲームを開始すると、まず、付加ゲームの段階の状態がリセットされた後か否かを判定する処理を実行する(A5)。ここで、『段階の状態のリセット』とは、次に開始する付加ゲームにおいて最初の段階から開始すること、を示す。次が最初の段階から開始する付加ゲームであるか否かは、例えば、記憶装置300に記憶される段階の状態が、最初の段階であるか否かで判定されてもよい。また、例えば、リセット時にオンに設定されるフラグで判定されてもよい。なお、図示しないが、アプリケーションが実行されてから1回目の付加ゲームが実行されるまでに、段階の状態のリセット処理が実行される。
【0038】
段階の状態がリセットされた後ではないと判定した場合(A5:NO)、情報処理システム100は、段階の状態を記憶装置300から読み込む処理(A6)を実行し、段階の状態を前回に付加ゲームを実行した直後の段階の状態に反映した後、付加ゲームの段階を1段階進める処理(A7)を実行する。
【0039】
一方、段階の状態がリセットされた後であると判定した場合(A5:YES)、情報処理システム100は、段階の状態を記憶装置300から読み込む処理(A6)は実行せずに、付加ゲームの段階を1段階進める処理(A7)を実行する。なお、本実施形態では、付加ゲームの段階は、付加ゲームが実行される毎に1段階進められるが、複数段階進められてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、付加ゲームにおける段階の進行先は予め決定されている。即ち、所定のタイミングにおいて、最初の段階から最終の段階に至るまでの各段階における付加ゲーム用シンボル202が配置されるセル201が決定される。したがって、付加ゲーム用表示領域200において付加ゲーム用シンボル202が追加される位置とその順序が予め決定されることになる。決定されるタイミングは、最初の段階の状態が情報処理装置1のディスプレイ2に表示される以前であれば特に限定されないが、例えば段階の状態のリセット処理のタイミングで行われてもよい。なお、これに限定されず、ステップA7の実行毎に、乱数値等により付加ゲームの段階の進行先が決定されてもよい。
【0041】
ステップA7の実行後、情報処理システム100は、付加ゲームが最終の段階に到達したか否かを判定する処理(A8)を実行する。最終の段階に到達したと判定した場合(A8:YES)、情報処理システム100は、追加の報酬を付与する処理(A9)を実行し、その後、段階の状態をリセットする処理(A10)を実行する。即ち、情報処理システム100は、次に開始する付加ゲームにおいて最初の段階から開始すること示すための処理を実行する。例えば、処理システム100は、記憶装置300に記憶される段階の状態を最初の段階の状態に変更してもよいし、最初の段階から開始すること示すフラグをオンに設定してもよい。
【0042】
一方、最終の段階に到達していないと判定した場合(A8:NO)、情報処理システム100は、段階の状態を記憶装置300に保存する処理(A11)を実行する。これにより、情報処理システムは、付加ゲームの段階の状態を累積的に記憶し、次の付加ゲームまでそれを維持することができる。なお、段階の状態は、本実施形態に例示するように、リレーショナルデータベースのテーブル310として管理されてもよいし、XML(eXtensible Markup Language)およびJSON(JavaScript Object Notation)等のテキスト形式として管理されてもよい。また、本実施形態では、段階の状態を保存する記憶装置300は、サーバ10に存在する例を示すが、情報処理装置1に存在してもよい。
【0043】
また、上記のプログラムを備えた情報処理システム100が(A1)~(A11)の処理を実行することによって、(A1)~(A11)の処理が情報処理システム100(コンピュータ)により実行されるゲーム制御方法が実現されている。換言すれば、情報処理システム100は、(A1)~(A11)の処理をそれぞれ実行する複数の処理部を備える。なお、以後の説明においては、情報処理装置1およびサーバ10を有した情報処理システム100を用いて説明するが、情報処理装置1の処理や動作をプログラムやゲーム制御方法の発明として置き換えることができる。また、情報処理システム100が実行する処理は、情報処理装置1のみにおいて実行されてもよいし、サーバ10にデータベースとしての機能のみを持たせてもよい。即ち、情報処理システム100の処理や動作を、情報処理装置1の発明として置き換えることができる。
【0044】
このように、情報処理システム100は、通常ゲームと、通常ゲームの結果に基づいてトリガーされ、通常ゲームよりも有利な特別ゲームと、特別ゲームの後に実行され、複数の段階を有する付加ゲームと、を実行する。情報処理システム100は、付加ゲームにおいて、段階を進めて最終の段階に到達する場合には、追加の報酬を付与し、最終の段階に到達しない場合には、段階の状態を記憶装置300に記憶し、次の付加ゲームにおいて記憶した段階の状態から継続する。
【0045】
上記構成によれば、特別ゲームの後に実行される付加ゲームにおいて、最終の段階に到達しない場合、段階の状態が記憶され、次の付加ゲームにおいて、記憶された段階の状態から継続して実行される。これにより、付加ゲームにおいて最終の段階に到達しなかった場合でも、プレイヤーは通常ゲームをプレイし続けて特別ゲームをトリガーすることで、付加ゲームを前回の段階の状態から継続してプレイすることが可能となる。その結果、プレイヤーに対して、付加ゲームが最終の段階に到達し、追加の報酬を得るまでプレイを継続することを喚起する可能性を向上させることが可能となる。
【0046】
図2に示すように、情報処理装置1は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F113、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、センサーコントローラ118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを、筐体11内に備えている。また、筐体11の前面には、タッチパネル5が設けられたディスプレイ2が組み込まれている。
【0047】
また、サーバ10は、CPU1101、ROM1102、RAM1103、ハードディスクドライブ等の記憶装置1104、バスライン1110、ネットワークI/F1111を備える所謂コンピュータである。
【0048】
ディスプレイ2は、画像を表示可能に構成されている。ディスプレイ2の表示方式としては、液晶方式、有機エレクトロルミネッセンス方式、CRT(Cathode Ray Tube)方式、プラズマ方式等の各種の表示方式が例示される。
【0049】
CPU(Central Processing Unit)101は、情報処理装置1全体の動作を制御する(コントローラに相当)。CPU1101は、サーバ10におけるコントローラの主たる構成として機能し、サーバ10全体の動作を制御する。即ち、CPU101・CPU1101は、情報処理システム100全体の動作を制御するコントローラとして機能する。ROM(Read Only Memory)102・ROM1102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101・CPU1101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。
【0050】
RAM(Random Access Memory)103・RAM1103は、CPU101・CPU1101のワークエリアとして使用される。操作ボタン108は、情報処理装置1を初期設定する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、情報処理装置1の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
【0051】
メモリとしてのフラッシュメモリ104は、ゲームプログラム、通信用プログラム、画像データ、および、音データ等の各種データを記憶するコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体である。記憶装置1104は、データベースとして機能し、複数の情報処理装置1毎のゲームデータを記憶するコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体である。サーバ10は、情報処理装置1のゲームプログラムからの要求に対して、適宜記憶装置1104のデータベースを参照して応答を返す。
【0052】
例えば、フラッシュメモリ104は、コントローラとしてのCPU101が実行するゲームプログラムを含む各種プログラムや各種プログラムが用いる各種のデータを格納する。換言すれば、当該プログラムは、CPU101とフラッシュメモリ104とを備えるコンピュータである情報処理装置1に、各種プログラムが有する処理を実行させる。情報処理装置1を情報処理システム100として考える場合には、フラッシュメモリ104・記憶装置1104が、コントローラとしてのCPU101・CPU1101が実行するゲームプログラムを含む各種プログラムや各種プログラムが用いる各種のデータを格納する。換言すれば、当該プログラムは、CPU101・CPU1101とフラッシュメモリ104・記憶装置1104とを備える情報処理システム100である情報処理装置1に、各種プログラムが有する処理を実行させる。このように、情報処理装置1の処理や動作を、プログラム、プログラムが記憶されたコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体、および、ゲーム制御方法等として置き換えることができる。
【0053】
なお、フラッシュメモリ104および記憶装置1104に格納されるデータやプログラムは、工場出荷段階において予め格納されていてもよいし、或いは、図示しないサーバ等から通信手段によりダウンロードされて格納されていてもよい。通信手段は、インターネットやケーブルテレビ等の双方向に通信可能な伝送路であってもよいし、一方向にだけ情報を送信する放送であってもよい。また、フラッシュメモリ104および記憶装置1104に格納されるデータやプログラムは、フロッピーディスクやCD-ROM、DVD-ROM、MO(光磁気ディスク)、フラッシュメモリ等の記録媒体に格納され、必要に応じて記録媒体から読み出されてインストールされてもよい。
【0054】
ネットワークI/F(Interface)111・ネットワークI/F1111は、インターネット等の通信ネットワークを利用して、サーバ10等とデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114およびスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従ってディスプレイ2に画像データを送信する回路である。センサーコントローラ118は、ディスプレイ2に設けられたタッチパネル5からの入力を受け付ける回路である。近距離通信回路119は、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。バスライン110・バスライン1110は、CPU101・CPU1101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0055】
図3を参照して、本実施形態における情報処理装置1のディスプレイ2に表示されるスロットゲーム画面について説明する。
【0056】
図3に示すように、通常ゲームおよび特別ゲームでは、情報処理装置1のディスプレイ2に、スロットゲーム画面が表示される。スロットゲーム画面には、シンボル表示領域21と、ゲーム情報表示領域22と、演出表示領域23と、操作表示領域24と、左セグメント表示領域25と、右セグメント表示領域26と、付加ゲーム用シンボル配置状態表示領域27と、が表示される。ゲーム情報表示領域22は、スロットゲームの実行に伴って増減する情報(現在の所持コイン数等)等を表示する領域である。演出表示領域23は、スロットゲームの展開に合わせてゲーム関係の動画や静止画やメッセージ等を表示する領域である。
【0057】
シンボル表示領域21は、5つのビデオリールがそれぞれスクロール表示および停止表示される表示領域(列211、列212、列213、列214、列215)を有している。ビデオリールにはそれぞれ複数のシンボルが配列されている。ビデオリールが停止表示された際、列211、列212、列213、列214、列215にはそれぞれ3つのシンボルが表示される。このように、複数のシンボルがシンボル表示領域21内に停止表示された状態を、『再配置』と称す。本実施形態では、シンボル表示領域21に15個のシンボルが5列×3段のマトリクス状に再配置されるがこれに限定されない。
【0058】
操作表示領域24は、プレイヤーがスロットゲームの進行のために操作する入力領域である。図示しないが、操作表示領域24には、スロットゲームを開始させる等の入力操作を行うためのスピンボタン、および、通常ゲームにベットするコイン数をタッチ操作により決定するためのベットボタン等が表示される。
【0059】
左セグメント表示領域25には、左セグメント値が表示される。左セグメント値は、特別ゲームにおける配当を決定するための値、および、特別ゲームにおける残りのスロットゲーム数として用いられる。右セグメント表示領域26には、右セグメント値が表示される。右セグメント値は、特別ゲームへ移行するか否かの判定値、および、特別ゲームにおけるスロットゲームの配当を決定するための値として用いられる。
【0060】
付加ゲーム用シンボル配置状態表示領域27には、記憶されている段階の状態が示される。即ち、前回の付加ゲームの結果、付加ゲーム用表示領域200のいずれのセル201に付加ゲーム用シンボル202が配置されている状態であるかが示される。これにより、プレイヤーは、付加ゲームが実行されていない状態であっても、付加ゲームの段階の状態を知ることができる。付加ゲームの画面については後に詳述する。
【0061】
操作表示領域24への入力に応じて通常ゲームまたは特別ゲームが開始され、複数のシンボルがシンボル表示領域21内で変動され(リールのスクロール映像)、その後に停止表示され、シンボル表示領域21内に再配置されたシンボルが所定の組み合わせであれば入賞となり報酬(配当やプレイヤーに有利なアイテムなど)が付与される。これら一連の動作を『単位ゲーム』と称す。
【0062】
次に、シンボル表示領域21の各列に表示される、5つのビデオリールが有するシンボル列の構成について説明する。なお、ビデオリールは、RAM103またはRAM1103に記憶されている。
【0063】
5つのビデオリールには、複数のシンボルが配列されている。各ビデオリールに配列されるシンボルの種類には、「12」、「CHERRY」、「RP」、「A」、「K」、「Q」、「J」、「10」、「9」等の通常シンボル、特別ゲームが付与されるトリガーとなる、「BONUS」シンボル28および「BINGO」シンボル29等がある。「WILD」シンボルは、特別ゲーム時のみ配置され、他のシンボルの代わりになる万能なシンボルである。また、「BINGO」シンボル29は、連続配置が不要なスキャッタシンボルであり、シンボル表示領域21内に再配置された「BINGO」シンボル29の数により「BINGO」の入賞が成立するか否かが判断される。
【0064】
本実施形態での入賞判定は、各列の、上段、中段、および、下段の3つの領域のいずれか1つを選択し、それぞれを結んで形成されるペイライン上に再配置されたシンボルの組み合わせにより入賞を判定するペイラインタイプを採用している。例えば、各列の中段を結んで形成されるペインラインや、列211の上段と列212の中段と列213の下段と列214の中段と列215の上段とを結んで形成されるペイライン等が挙げられる。このようなペイライン上に、列211から列215にかけて3個以上の同種のシンボルが連続して再配置された場合に入賞となり、報酬として配当が付与される。ペイラインの数については、本実施形態では30本設定しているが、例えば50本等任意に採用することができる。また、本実施形態では、1回の単位ゲームによって30本全てのペイラインが有効化される。
【0065】
なお、入賞判定は、「LEFT TO RIGHT」タイプを採用してもよい。これは、シンボル表示領域21に再配置された15個のシンボルにおいて、シンボル表示領域21の列211から列215にかけて、同種のシンボルが所定数以上(本実施形態では、3~5個)連続して繋がっていれば入賞となり、報酬として配当が付与される。
【0066】
RAM103またはRAM1103には、スロットゲームのペイテーブルが記憶されている。このスロットゲームのペイテーブルは、入賞(WIN)に係るシンボルの図柄の組合せ(シンボルの配置パターン)に対するコインの払出数(配当)を規定している。スロットゲームでは、5つのビデオリールのスクロールが停止され、シンボル表示領域21のペイライン上に、列211から列215にかけて連続して3個以上の同種のシンボルが再配置された場合に入賞となり、入賞の種類に応じて、報酬として配当が付与される。なお、通常ゲームにおいて、「BONUS」成立で、特別ゲームがトリガーされる。通常ゲームにおいて、「BINGO」成立で、右セグメント表示領域26に抽選で決定された右セグメント値が表示される。右セグメント値の各桁が同一の値であれば、特別ゲームがトリガーされる。
【0067】
図4および
図5を参照して、付加ゲームの画面表示について説明する。
図4に示すように、特別ゲームの終了後に開始される付加ゲームでは、ディスプレイ2に、付加ゲーム画面が表示される。付加ゲーム画面には、付加ゲーム用表示領域250が表示される。付加ゲーム用表示領域250は、3行×3列のマトリクス状に形成された9個のセル221を有している。
【0068】
図4に示すように、付加ゲームが開始されると、最初の段階では、付加ゲーム用表示領域250のいずれのセル221にも付加ゲーム用シンボル231が配置されていない状態260で表示される。即ち、リセット後の付加ゲームでは、このような全てのセル221が空白の状態で開始される。そして、付加ゲーム用表示領域250の空白のセル221のいずれか1つに、中央に2桁の整数値が付された付加ゲーム用シンボル231が配置されて、付加ゲームが終了する。したがって、付加ゲームが最初の段階で開始された場合には、9つのセル221は全て空白であるので、付加ゲーム用表示領域のセル221いずれか1つに付加ゲーム用シンボル231が配置されて、付加ゲームが終了することになる。なお、次の付加ゲームでは、前回の終了時の状態261から継続される。このように、付加ゲーム終了時の段階の状態は累積的に記憶され、次の付加ゲームまで維持される。また、終了時における付加ゲーム用表示領域250の付加ゲーム用シンボル231の配置態様が、次の付加ゲームまでの間の通常ゲームおよび特別ゲームにおいて、付加ゲーム用シンボル配置状態表示領域27に示される。
【0069】
次に、
図5を参照して、付加ゲームが継続される場合について説明する。
図5に示すように、付加ゲームが継続される場合、付加ゲームが開始されると、付加ゲーム用表示領域250のセル221、222、および、223に付加ゲーム用シンボル231が配置された状態262で表示される。この状態は、前回の付加ゲームにおける終了時の状態である。
【0070】
図5の例では、付加ゲーム開始時の付加ゲーム用表示領域250において、付加ゲーム用シンボル231が、上段中央のセル221、上段右のセル222、および、中段右のセル223に配置されている(付加ゲーム開始時状態262)。そして、付加ゲームにおいて、付加ゲーム用表示領域250の下段右のセル224に付加ゲーム用シンボル231が配置される。この結果、付加ゲーム用表示領域250の右列に、3個の付加ゲーム用シンボルが3個連続して配置されてラインが成立した状態263となっている。このように、付加ゲーム用表示領域250において、縦、横、または、斜めの内、少なくともいずれか1以上のラインの3つのセル231の全てに、付加ゲーム用シンボルが配置された状態が、最終の段階となる。付加ゲームにおいて、最終の段階となった場合、報酬が付与され、段階の状態はリセットされる。即ち、次の付加ゲームでは、最初の段階から開始される(
図4参照)
【0071】
付加ゲーム用シンボル231は、円形の外形状を有し、当該円形内に上述したような整数値が付されるという共通の特徴を有する。本実施形態では、付加ゲーム用シンボルに付される整数値は、11、22、33、44、55、66、77、88、および、99のうちのいずれか1から選択される。また、報酬は、成立したライン上の全ての付加ゲーム用シンボルに付された整数値の合計値に基づいて決定される。具体的に、成立したライン上の全ての付加ゲーム用シンボルに付された整数値の合計値に、平均ベット数が乗算された値のゲーム価値が、報酬として付与される。ここで、『平均ベット数』とは、段階の状態がリセットされた後から最終の段階に到達するまでの全ての通常ゲームでのベット数の平均値を示す。
【0072】
次に、
図6を参照して、シナリオテーブルについて説明する。シナリオテーブルは、サーバ10の記憶装置1104に記憶され、シナリオを保存する。シナリオとは、付加ゲームが最初の段階から最終の段階に至るまでに配置される付加ゲーム用シンボルの配置順、配置場所、および、付加ゲーム用シンボルに付される整数値のことである。シナリオテーブルは、『シナリオID』と、『段階No.』と、『配置場所』と、『倍率』と、『最終の段階フラグ』と、を有する。『シナリオID』は、シナリオを識別する値を示す。『段階No.』は、付加ゲーム用表示領域に配置される付加ゲーム用シンボルの配置順を示す。『配置場所』は、付加ゲーム用シンボルが、付加ゲームシンボル配置領域の9個のセルの内、いずれのセルに配置されるかを示す。『倍率』は、付加ゲーム用表示領域に配置される付加ゲーム用シンボルに付される整数値を示す。『最終の段階フラグ』は、当該行に該当する付加ゲーム用シンボルが配置されることで、最終の段階に到達するか否かを示す。シナリオテーブルは、付加ゲーム用シンボル配置状態を読み込む処理、付加ゲーム用シンボル231を付加ゲーム表示領域250に配置する処理、および、付加ゲームの状態が最終の段階であるか否かを判定する処理において参照される。
【0073】
次に、
図7を参照して、シナリオ抽選テーブルについて説明する。シナリオ抽選テーブルは、サーバ10の記憶装置1104に記憶され、付加ゲームにおいて各シナリオが選ばれる確率を保存する。シナリオ抽選テーブルは、『シナリオID』と、『確率』と、を有する。『シナリオID』は、シナリオを識別する値を示す。『確率』は、付加ゲームにおいて各シナリオが選ばれる確率を示し、サーバ10がシナリオ抽選テーブルから抽選でシナリオIDを選択する際に用いられる。シナリオ抽選テーブルは、付加ゲームのシナリオを決定する処理において参照される。
【0074】
次に、
図8を参照して、段階状態管理テーブルについて説明する。段階状態管理テーブルは、サーバ10の記憶装置1104に記憶され、各情報処理装置1で実行される付加ゲームの段階の状態を保存する。段階の状態管理テーブルにより、付加ゲームの状態を累積的に記憶することが可能となる。段階状態管理テーブルは、『プレイヤーID』と、『シナリオID』と、『段階No.』と、を有する。『プレイヤーID』は、アプリケーションにログインするプレイヤーを識別する値を示す。『シナリオID』は、付加ゲームのシナリオを識別する値を示す。『段階No.』は、付加ゲーム用表示領域に配置済みの付加ゲーム用シンボルの個数を示す。プレイヤーIDに対して、シナリオIDと段階No.とが対応付けられることで、プレイヤーの段階の状態が示される。段階状態管理テーブルは、付加ゲーム用シンボル配置状態が最初の段階か否かを判定する処理、付加ゲーム用シンボル配置状態を読み込む処理において参照される。また、段階状態管理テーブルは、付加ゲーム用シンボル配置状態のリセット処理、および、付加ゲーム用シンボル配置状態の保存処理において更新される。なお、『付加ゲーム用シンボル配置状態のリセット』とは、付加ゲーム用シンボル配置状態を最初の段階の状態に変更することを示す。
【0075】
本実施形態では、付加ゲームが最初の段階から最終の段階に至るまでに配置される付加ゲーム用シンボル231の配置順、配置場所、および、付加ゲーム用シンボル231に付される倍率が予め決定されるが、これに限らず、段階を進める処理毎に、付加ゲーム用シンボル231の配置場所、および、付加ゲーム用シンボル231に付される整数値が抽選により決定されてもよい。
【0076】
次に、
図9を参照して、通常ゲーム制御処理について説明する。
【0077】
はじめに、スロットゲームを開始するために、CPU101は、1ゲーム終了時初期化処理を実行する(S11)。例えば、前の単位ゲームで有効となったペイラインやBET数記憶領域のベット数カウンタの値や抽選によりシンボル表示領域21に表示することに決定されたシンボル等、RAM103の作業領域において1回の単位ゲーム毎に不要となるデータがクリアされる。
【0078】
次に、CPU101は、ベット・スタートチェック処理を実行する(S12)。この処理では、30本全てのペイラインが有効化される。そして、操作表示領域24のベットボタンのタッチ操作等の入力チェックにより、各ペイラインにベットされるコイン数が決定される。
【0079】
また、ステップS12では、CPU101は、操作表示領域24のスピンボタンのタッチ操作が行われたか否かを判定し、当該スピンボタンのタッチ操作が行われた場合には、ステップS13に移行して、スロットゲームを進行する。
【0080】
次に、CPU101は、通常シンボル抽選処理を実行する(S13)。ここでは、ビデオリールを使用して、各ビデオリールに配列された複数のシンボルの中から停止予定シンボルを抽選により決定する。この停止予定シンボルは、各ビデオリールを構成する複数個のシンボルのうち、シンボル表示領域21の各列211~215の中段に表示する5個のシンボルのデータである。これにより、シンボル表示領域21に表示される15個のシンボルが決定される。
【0081】
そして、CPU101は、決定した5つの停止予定シンボルをRAM103に設けられたシンボル格納領域に格納する。
【0082】
次に、CPU101は、シンボル表示処理を実行する(S14)。この処理では、ステップS13により決定された5つの停止予定シンボルが、シンボル表示領域21の列211~列215の各中段に再配置される。
【0083】
次に、CPU101は、払出数決定処理を実行する(S15)。この処理では、RAM103に格納されたペイテーブルに基づいて、ペイライン上に、列211から列215にかけて3個以上の同種のシンボルが連続して再配置されて入賞が成立したか否かを判断する。そして、入賞が成立した場合には、入賞の種類に応じて配当が付与される。付与された配当は、RAM103に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0084】
次に、CPU101は払出処理を実行する(S16)。この処理では、CPU101は、RAM103に設けられたコイン数カウンタに格納された値に、払出数記憶領域に格納された値を加算する。
【0085】
次に、CPU101は、「BONUS」の入賞が成立しているか否かを判定する処理を実行する(S17)。そして、「BONUS」の入賞が成立していると判定した場合(S17:YES)、特別ゲーム処理に移行する(S21)。なお、詳細は後述するが、この特別ゲーム処理では、プレイヤーは、コインを消費することなくスロットゲームを7回プレイすることができる。
【0086】
一方、「BONUS」の入賞が成立していないと判定した場合(S17:NO)、CPU101は、「BINGO」の入賞が成立しているか否かを判定する処理を実行する(S18)。そして、「BINGO」の入賞が成立していると判定した場合(S18:YES)、CPU101は、右セグメント値抽選処理を実行する(S19)。この処理では、CPU101は、3桁の乱数値である右セグメント値を生成し、RAM103に設けられた右セグメント値記憶領域に格納する。ここで、右セグメント値は、特別ゲームへ移行するか否かの判定値として用いられる。
【0087】
次に、CPU101は、右セグメント値表示処理を実行する(S20)。この処理では、CPU101は、右セグメント値を右セグメント表示領域26に表示する。
【0088】
次に、CPU101は、右セグメント値の各桁が同じ値であるか否かを判定する処理を実行する(S21)。
【0089】
右セグメント値の各桁が同じ値であると判定した場合(S21:YES)、CPU101は、特別ゲーム処理に移行する(S22)。例えば、右セグメント値が「333」である場合、CPU101は、ステップS22を実行する。ステップS22の実行後、CPU101は、付加ゲーム処理に移行する(S23)。付加ゲーム処理については、
図10を参照して後述する。
【0090】
右セグメント値の各桁が同じ値でないと判定した場合(S21:YES)、「BINGO」の入賞が成立していないと判定した場合(S18:NO)、または、ステップS23の実行後、CPU101は、ゲーム結果送信処理を実行する(S24)。この処理では、ステップS12で決定したベット数(即ち、ベット数カウンタに格納された値)、ステップS13で決定した停止予定シンボル(即ち、シンボル表示領域21に表示された15個のシンボル)、ステップS15で成立した入賞の種類(ハズレも含む)、ステップS16で更新されたコイン数カウンタに格納された値(即ち、所持コイン数)等の、1回の単位ゲームの結果を、ゲーム結果情報として、サーバ10に送信する。なお、ステップS24は、情報処理装置1とサーバ10との間で、スロットゲームの進行・結果等を共有することにより、不正・不公平を防止したり、情報処理装置1でのスロットゲームの進行をバックアップしたりするために行われる。したがって、ステップS24は、所定の処理後に行ってもよいし、所定時間間隔で行ってもよいし、プレイヤーやサーバ10の管理者が設定する任意のタイミングで行ってもよい。
【0091】
そして、ステップS24の実行後、ステップS11に戻る。
【0092】
次に、
図10を参照して、特別ゲーム処理について説明する。この特別ゲーム処理は、CPU101が、ステップS17において、「BONUS」の入賞が成立していると判定した場合に実行される。或いは、ステップS18おいて、「BINGO」の入賞が成立し、かつ、ステップ21おいて、右セグメント値の各桁の値が同一であると判定した場合に実行される。なお、特別ゲーム処理では、特別ゲームをトリガーした通常ゲームでのベット数が引き継がれる。
【0093】
はじめに、CPU101は、左セグメント値抽選処理を実行する(S25)。この処理では、CPU101は、2桁、3桁、または、4桁の乱数値である左セグメント値を生成し、RAM103に設けられた左セグメント値記憶領域に格納する。ここで、左セグメント値は、特別ゲームにおける配当を決定するための値として用いられる。
【0094】
次に、CPU101は、左セグメント値表示処理を実行する(S26)。この処理では、CPU101は、左セグメント値を、左セグメント表示領域25に表示する。左セグメント表示領域25の表示桁数は3桁である。左セグメント値が4桁の場合、左セグメント表示領域には、下3桁が表示される。左セグメント値が4桁の場合、左セグメント表示領域に表示される値は、左セグメント値とは異なる値となるが、演出により、プレイヤーには左セグメント値が、実際には4桁であることが判別可能となっている。具体的に、左セグメント表示領域25には、数値が「0」から増加して行き、左セグメント値で停止する演出が実行される。左セグメント値が4桁の場合、「999」の次に「0」が表示され、再度「0」が増加して行き、左セグメント値の下3桁で停止する演出が実行される。これにより、プレイヤーは、左セグメント値が4桁であることを判別することができる。
【0095】
次に、CPU101は、払出数決定処理を実行する(S27)。この処理では、ベット数と、左セグメント値と、を乗算した値が、配当として付与される。付与された配当は、払出数記憶領域に格納される。
【0096】
次に、CPU101は、払出処理を実行する(S28)。CPU101は、払出数記憶領域に格納された値を、コイン数カウンタに格納された値に加算する。
【0097】
次に、CPU101は、特別ゲーム数カウンタに格納された値に「7」をセットする処理を実行する(S29)。なお、特別ゲームの間、左セグメント表示領域25には、特別ゲーム数カウンタに格納された値が表示される。
【0098】
次に、特別ゲームにおけるスロットゲームを開始するために、CPU101は、通常ゲームにおけるステップS11と同様に、1ゲーム終了時初期化処理を行う(S30)。また、CPU101は、操作表示領域24のスピンボタンのタッチ操作が行われたか否かを判定し、スピンボタン241のタッチ操作が行われた場合には、ステップS31に移行して、スロットゲームを進行する。
【0099】
次に、CPU101は、右セグメント値抽選処理を実行する(S31)。この処理では、CPU101は、1桁または2桁の乱数値である右セグメント値を生成し、右セグメント値記憶領域に格納する。ここで、右セグメント値は、特別ゲームにおけるスロットゲームの配当を決定するための値として用いられる。
【0100】
次に、CPU101は、右セグメント値表示処理を実行する(S32)。この処理では、CPU101は、右セグメント値を右セグメント表示領域26に表示する。
【0101】
次に、CPU101は、特別ゲームシンボル抽選処理(S33)を実行する。この処理では、ステップS13と同様に、ビデオリールを使用して、各ビデオリールに配列された複数のシンボルの中から停止予定シンボルを、抽選により決定する。
【0102】
次に、CPU101は、特別ゲームシンボル表示処理を実行する(S34)。この処理では、ステップS13と同様に、ビデオリールの各シンボル列のスクロールが開始され、所定時間経過後、S33の特別ゲームシンボル抽選処理において決定された5つの停止予定シンボルが、シンボル表示領域21の列211~列215の各中段に順次再配置される。また、シンボル表示領域21の列211~列215の各上段および下段には、シンボル列において停止予定シンボルの前後に配列されたシンボルが再配置される。
【0103】
次に、CPU101は、払出数決定処理を実行する(S35)。この処理では、ペイテーブルに基づいて、ペイライン上に、列211から列215にかけて3個以上の同種のシンボル(「WILD」シンボルを含む)が連続して再配置されて入賞が成立したか否かを判断する。そして、入賞が成立した場合には、入賞の種類に応じた配当と、ペイライン1本あたりのベット数(ベット数/ペイライン数)、右セグメント値記憶領域に格納された値と、を乗算した値が計算される。この値は、入賞が成立したペイライン毎に計算され、その合計値が配当として付与される。付与された配当は、払出数記憶領域に格納される。
【0104】
次に、CPU101は払出処理を実行する(S36)。この処理では、CPU101は、コイン数カウンタに格納された値に、払出数記憶領域に格納された値を加算する。
【0105】
次に、CPU101は、特別ゲーム数カウンタに格納された値から「1」を減算する処理を実行する(S37)。
【0106】
次に、CPU101は、特別ゲーム数カウンタに格納された値が「0」か否かを判定する処理を実行する(S38)。特別ゲーム数カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S38:NO)、CPU101は、ステップS30に戻る。
【0107】
一方、特別ゲーム数カウンタの値が「0」であると判定した場合(S38:YES)、CPU101は、付加ゲーム処理に移行する(S39)。ステップS39の実行後、通常ゲームの処理に戻る。
【0108】
次に、
図11を参照して、付加ゲームの処理について説明する。なお、ここで説明する付加ゲームの処理は、
図1を参照して説明した付加ゲームの処理(A4)を、本実施形態に合わせてより具体的に説明したものである。
【0109】
はじめに、CPU101は、付加ゲームを開始すると、ディスプレイ2の表示内容を変更する処理を実行する(S40)。
【0110】
次に、CPU101は、付加ゲーム用シンボル配置状態が最初の段階か否かを判定する処理を実行する(S41)。ステップS41の処理において、CPU101は、サーバ10から前回終了時の付加ゲーム用シンボル表示領域250に配置された付加ゲーム用シンボル231の個数である、配置済付加ゲーム用シンボル数を含む信号を取得する処理を実行する。CPU101は、配置済付加ゲーム用シンボル数信号に含まれる配置済付加ゲーム用シンボル数に基づき、付加ゲーム用シンボル配置状態が最初の段階であるか否かを判定する。ステップS41の処理、および、これに関連するサーバ10の処理(後述するステップS59の要求応答処理)は、ステップA5(
図1参照)の段階の状態がリセットされた後か否かを判定する処理に相当する。
【0111】
付加ゲーム用シンボル配置状態が最初の段階であると判定した場合(S41:YES)、CPU101は、シナリオ決定要求処理を実行する(S42)。CPU101は、付加ゲームのシナリオを決定する要求を、サーバ10へ送信する。シナリオは、サーバ10において、シナリオ抽選テーブル(
図7参照)に基づき決定される。この処理により、付加ゲームが最初の段階から最終の段階に至るまでに配置される付加ゲーム用シンボル231の配置順、配置場所、および、付加ゲーム用シンボル231に付される倍率が予め決定される。
【0112】
付加ゲーム用シンボル配置状態が最初の段階ではないと判定した場合(S41:NO)、CPU101は、付加ゲーム用シンボル配置状態を読み込む処理を実行する(S43)。ステップS43の処理において、CPU101は、サーバ10から前回終了時の段階の状態を示す段階状態情報を含む信号を取得し、当該段階状態情報を付加ゲーム用シンボル表示領域250(
図5参照)に反映して表示する処理を実行する。ここで、サーバ10から応答される段階状態情報信号には、付加ゲーム用シンボル表示領域250における付加ゲーム用シンボル231(
図5参照)の配置場所と、当該付加ゲーム用シンボル231に付される倍率とが、含まれる。即ち、CPU101は、段階状態情報に基づき、付加ゲーム用シンボル231の配置位置を決定するとともに、当該付加ゲーム用シンボル231の種類(倍率)を決定する。ステップS43の処理、および、これに関連するサーバ10の処理(後述するステップS59の要求応答処理)は、ステップA6(
図1参照)の前回終了時の段階の状態を読み込む処理に相当する。
【0113】
ステップS42またはステップS43の実行後、CPU101は、付加ゲーム用シンボルの配置処理を実行する(S44)。ステップS44の処理において、CPU101は、サーバ10から、付加ゲーム用シンボル231が追加で配置された後の段階の状態を示す次回段階状態情報を含む信号を取得し、当該次回段階状態情報を付加ゲーム用シンボル表示領域250(
図5参照)に反映して表示する処理を実行する。ここで、サーバ10から応答される次回段階状態情報信号には、付加ゲーム用シンボル表示領域250における追加で配置される付加ゲーム用シンボル231(
図5参照)の配置場所と、当該ゲーム用シンボル231に付される倍率とが、含まれる。即ち、CPU101は、次回段階状態情報に基づき、追加で配置する付加ゲーム用シンボル231の配置位置を決定するとともに、当該付加ゲーム用シンボル231の種類(倍率)を決定する。ステップS44の処理、および、これに関連するサーバ10の処理(後述するステップS59の要求応答処理)は、ステップA7(
図1参照)の付加ゲームを1段階進行させる処理に相当する。
【0114】
次に、CPU101は、付加ゲーム用シンボルが3個連続配置されているか否かを判定する処理を実行する(S45)。ステップS45の処理において、CPU101は、サーバ10から、付加ゲームが最終の段階に到達したか否かを示す最終段階判定情報を含む信号を取得する。CPU101は、最終段階判定情報信号に含まれる最終段階判定情報に基づき、付加ゲーム用シンボル231が付加ゲーム用表示領域250に3個連続して配置されているか否かを判定する。ステップS45の処理、および、これに関連するサーバ10の処理(後述するステップS59の要求応答処理)は、ステップA8(
図1参照)の最終の段階に到達したか否かを判定する処理に相当する。
【0115】
付加ゲーム用シンボルが3個連続して配置されていると判定した場合(S45:YES)、CPU101は、払出数決定処理(S46)を実行する。この処理では、3個連続して配置された付加ゲーム用シンボルに付された整数値の合計値と、平均ベット数と、を乗算した値が、配当として付与される。付与された配当は、払出数記憶領域に格納される。
【0116】
次に、CPU101は払出処理を行う(S47)。CPU101は、コイン数カウンタに格納された値に、払出数記憶領域に格納された値を加算する。S40およびS41の処理は、ステップA9(
図1参照)の追加の報酬を付与する処理に相当する。
【0117】
次に、CPU101は、付加ゲーム用シンボル配置状態のリセット処理を実行する(S48)。ステップS48の処理において、CPU101は、段階の状態をリセットする要求を、サーバ10へ送信する。後述するが、サーバ10は、この要求に応じて、管理する段階の状態をリセットする。これにより、次に実行される付加ゲームは、付加ゲーム表示領域250に付加ゲーム用シンボル231が配置されていない最初の段階から開始される。また、ステップS48の処理において、CPU101は、平均ベット数をリセットする。ステップS48の処理、および、これに関連するサーバ10の処理(後述するステップS60の段階の状態リセット処理)は、ステップA10(
図1参照)の段階の状態のリセット処理に相当する。
【0118】
一方、付加ゲーム用シンボルが3個連続配置されていない場合と判定した場合、(S45:NO)、CPU101は、付加ゲーム用シンボル配置状態を保存する処理(S49)を実行する。CPU101は、ステップS44の実行後の付加ゲーム用シンボル配置状態を保存する要求を、サーバ10へ送信する。これにより、付加ゲームの段階の状態が記憶装置1104で累積的に記憶され、次の付加ゲームまでそれを保持することが可能となる。ステップS49の処理、および、これに関連するサーバ10の処理(後述するステップS57の段階の状態インクリメント処理)は、ステップA11(
図1参照)の段階の状態を保存する処理に相当する。
【0119】
ステップS48またはステップS49の実行後は、CPU101は、付加ゲームを終了し、ステップS24を実行する。なお、付加ゲーム用シンボル配置状態記憶領域に格納された付加ゲーム用シンボル配置状態は、次の付加ゲームまでの通常ゲームおよび特別ゲームにおいて、ディスプレイ2の付加ゲーム用シンボル配置状態表示領域27に表示される。
【0120】
図12を参照して、サーバ10のCPU1101がする処理について説明する。
【0121】
CPU1101は、情報処理装置1から処理の要求を受信したか否かを判定する(S50)。情報処理装置1からの処理の要求を受信していないと判定する場合(S50:NO)、CPU1101はステップS50を継続する。
【0122】
情報処理装置1からの処理の要求を受信したと判定する場合(S50:YES)、CPU1101は、前回の要求の受信から所定時間経過しているか否かを判定する(S51)。具体的に、CPU1101は、プレイヤーIDに対応付けられる最終更新時刻(不図示)から、所定時間経過しているか否かを判定する。
【0123】
前回の要求から所定時間経過していないと判定する場合(S51:NO)、CPU1101は、情報処理装置1からの要求が、アプリケーションの終了要求であるか否かを判定する(S52)。
【0124】
情報処理装置1からの要求が、アプリケーションの終了要求でないと判定する場合(S52:NO)、CPU1101は、情報処理装置1からの要求が、シナリオ決定要求であるか否かを判定する(S53)。情報処理装置1が、シナリオ決定要求をCPU1101に送信する処理は、付加ゲーム処理(
図11参照)におけるステップS42において実行される。
【0125】
情報処理装置1からの要求が、シナリオ決定要求でないと判定する場合(S53:NO)、CPU1101は、情報処理装置1からの要求が、段階の状態のリセット要求であるか否かを判定する(S54)。情報処理装置1が、段階の状態のリセット要求をCPU1101に送信する処理は、付加ゲーム処理(
図11参照)におけるステップS48において実行される。
【0126】
情報処理装置1からの要求が、シナリオ決定要求であると判定する場合(S53:YES)、CPU1101は、シナリオ決定処理を実行する(S55)。ステップS55において、CPU1101は、シナリオ抽選テーブル(
図7参照)を参照し、各シナリオIDに対応付けられた確率に基づく抽選によりシナリオIDを決定する。さらに、ステップS55において、CPU1101は、段階状態管理テーブル(
図8参照)を参照し、シナリオ決定要求に含まれるプレイヤーIDが『プレイヤーID』欄に存在する場合には、当該プレイヤーIDに対応する『シナリオID』欄の記憶領域を、決定したシナリオIDで更新し、存在しない場合には新たにデータを生成する。
【0127】
情報処理装置1からの要求が、段階の状態のリセット要求であると判定する場合(S54:YES)、前回の要求から所定時間経過していると判定する場合(S51:YES)、または、情報処理装置1からの要求が、アプリケーション終了要求であると判定する場合(S52:YES)、CPU1101は、段階の状態のリセット処理を実行する(S60)。CPU1101は、段階の状態管理テーブル(
図8参照)を参照し、アプリケーション終了要求に含まれるプレイヤーIDが『プレイヤーID』欄に存在する場合には、当該プレイヤーIDに対応する『段階No.』欄の記憶領域を「0」で更新する。ステップS60の実行後、CPU1101は、ステップS50の処理へ戻る。
【0128】
ステップS51がYESと判定される場合として、情報処理装置1が有するタッチパネルによってスロットゲームを進行させる等の入力を所定時間受け付けない場合が挙げられる。
【0129】
上記構成によれば、ユーザインターフェースが所定時間入力を受け付けない場合、CPU101は、付加ゲームの段階の状態を最初の段階にリセットする。これにより、プレイヤーがユーザインターフェースに対して長時間入力を行わない場合、付加ゲームの段階の状態がリセットされ、次の付加ゲームは、リセット後の状態である最初の段階から実行される。その結果、プレイヤーに対して、付加ゲームが最終の段階に到達し、追加の報酬を得るまで、プレイの継続を喚起する可能性を向上させることが可能となる。
【0130】
さらに、上記構成によれば、アプリケーションの実行中に、CPU1101がアプリケーションの終了要求を受け付けた場合、付加ゲームの段階の状態が最初の段階にリセットされる。これにより、プレイヤーがアプリケーションを終了することによって、付加ゲームの段階の状態がリセットされ、次回、プレイヤーがアプリケーションを開始した後に初めて実行される付加ゲームは、リセット後の状態である最初の段階から実行される。その結果、プレイヤーに対して、付加ゲームが最終の段階に到達し、追加の報酬を得るまで、アプリケーションを終了することを抑止する可能性を向上させることが可能となる。
【0131】
情報処理装置1からの要求が、段階の状態のリセット要求ではない場合(S54:NO)、CPU1101は、情報処理装置1からの要求が、段階の状態の保存要求であるか否かを判定する(S56)。情報処理装置1が、段階の状態の保存要求をCPU1101に送信する処理は、付加ゲーム処理(
図11参照)におけるステップS49において実行される。
【0132】
情報処理装置1からの要求が、段階の状態の保存要求である場合(S56:YES)、CPU1101は、段階の状態のインクリメント処理を実行する(S57)。CPU1101は、段階の状態管理テーブル(
図8参照)を参照する。段階の状態の保存要求に含まれるプレイヤーIDおよびシナリオIDが、『プレイヤーID』欄および『シナリオID』欄にそれぞれ存在する場合には、当該プレイヤーIDおよびシナリオIDに対応する『段階No.』欄の記憶領域を、「1」インクリメントする。これにより、付加ゲームの段階の状態が累積的に記憶され、次の付加ゲームまでそれを維持することが可能となる。ステップS57の実行後、CPU1101は、ステップS50の処理へ戻る。
【0133】
情報処理装置1からの要求が、段階の状態保存要求ではない場合(S56:NO)、サーバは、要求が参照要求であるか否かを判定する(S58)。要求が参照要求ではない場合(S58:NO)、ステップS50の処理へ戻る。
【0134】
要求が参照要求である場合(S58:YES)、CPU1101は、参照要求の内容に応じた信号を情報処理装置1へ送信する。
【0135】
ステップS41における参照要求の場合、CPU1101は、状態管理テーブル(
図8参照)を参照する。参照要求に含まれるプレイヤーIDが『プレイヤーID』欄に存在する場合には、CPU1101は、当該プレイヤーIDに対応する『段階No.』欄の記憶領域に記憶された値に基づいて、配置済付加ゲーム用シンボル数情報を構成する。そして、CPU1101は、配置済付加ゲーム用シンボル数情報を含む配置済付加ゲーム用シンボル数信号を、情報処理装置1に送信する。
【0136】
ステップS43における参照要求の場合、CPU1101は、状態管理テーブル(
図8参照)を参照する。参照要求に含まれるプレイヤーIDが『プレイヤーID』欄に存在する場合には、CPU101は、当該プレイヤーIDに対応する『シナリオID』欄の記憶領域に保存された値を取得する。次に、CPU1101は、シナリオテーブル(
図6参照)を参照する。CPU1101は、取得したシナリオIDに対応する『配置場所』欄および『倍率』欄の記憶領域に記憶された値に基づいて、段階状態情報を構成する。この際、段階No.が「1」からステップS41で取得した段階No.までの『配置場所』欄および『倍率』欄の記憶領域が参照される。CPU1101は、段階状態情報を含む段階情報信号を、情報処理装置1に送信する。
【0137】
ステップS44における参照要求の場合、CPU1101は、シナリオテーブル(
図6参照)を参照する。参照要求に含まれるシナリオIDおよび段階No.が、『シナリオID』欄および『段階No.』欄にそれぞれ存在する場合には、当該シナリオIDおよび段階No.に対応する『配置場所』欄および『倍率』欄の記憶領域に保存された値に基づいて、次回段階情報を構成する。そして、CPU1101、次回段階状態情報を含む次回段階情報信号を、情報処理装置1に送信する。
【0138】
ステップS45における参照要求の場合、CPU1101は、シナリオテーブル(
図6参照)を参照する。参照要求に含まれるシナリオIDおよび段階No.が、『シナリオID』欄および『段階No.』欄にそれぞれ存在する場合には、当該シナリオIDおよび段階No.に対応付する『最終の段階フラグ』の記憶領域に保存された値に基づいて、最終段階判定情報を構成する。そして、CPU1101は、最終段階判定情報を含む最終段階判定信号を、その結果を情報処理装置1に送信する。
【0139】
なお、ステップS50で判定する処理の要求には、ステップ24においてサーバ10へ送信される、ステップS12で決定したベット数、ステップS13で決定した停止予定シンボル、ステップS15で成立した入賞の種類、ステップS16で更新されたコイン数カウンタに格納された値等の、ゲーム結果情報を保存する要求も含まれる。図示しないが、CPU1101は、情報処理装置1からの要求があった場合、プレイヤーIDに対応付けられた最終更新時刻を更新する。
【0140】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0141】
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語および語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁および一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容およびその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的および本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
【0142】
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明および表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。