(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】打栓式閉止装置
(51)【国際特許分類】
B65D 41/34 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B65D41/34 100
(21)【出願番号】P 2020172723
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000145219
【氏名又は名称】株式会社CSIジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】坂井 良嗣
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-174479(JP,U)
【文献】特開2014-166864(JP,A)
【文献】特開平09-207959(JP,A)
【文献】特開2015-160643(JP,A)
【文献】特表2010-530834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口元部を有する容器と、前記口元部に装着されるキャップとを備え、
前記口元部は、主筒部と、前記主筒部の外側に形成された外側部材とを有し、
前記外側部材は、係合部を有し、破断可能なブリッジによって前記主筒部に連結され、
前記キャップは、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、
前記筒部の内周面に、前記係合部に係合することによって前記外側部材からの前記キャップの脱離を規制する被係合部が形成されている、打栓式閉止装置。
【請求項2】
前記外側部材の外周面に、第1回動規制部が形成され、
前記筒部の内周面に、前記第1回動規制部に係止して前記外側部材に対する前記筒部の回動を規制する第2回動規制部が形成されている、請求項1記載の打栓式閉止装置。
【請求項3】
前記ブリッジは、前記外側部材の下端に設けられている、請求項1または2に記載の打栓式閉止装置。
【請求項4】
前記ブリッジは、前記主筒部に近づくほど厚さおよび幅が小さくなる先細り形状である、請求項1~3のうちいずれか1項に記載の打栓式閉止装置。
【請求項5】
前記主筒部と、前記外側部材とは、可撓性を有する線状の連結体によって連結され、
前記連結体の第1端部は、前記主筒部に接続され、
前記連結体の前記第1端部とは反対の端部である第2端部は、前記第1端部とは軸周り方向に位置を違えて前記外側部材に接続されている、請求項1~4のうちいずれか1項に記載の打栓式閉止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打栓式閉止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ式のキャップは、開栓の際に大きく回転させる必要がある。そのため、より開栓しやすいキャップとして、打栓式のキャップが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
打栓式のキャップは、押圧により容器の口部に対してはめ込むことで閉栓できる。開栓時には、例えば、タブの把持部を引っ張ることで、スカート壁の易破断部を破断させる。さらに把持部を持ち上げると、締め付けが解除されてキャップは容器の口部から外れる。このキャップは、ねじ式のキャップと異なり、開栓の際にキャップを大きく回転させる必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記キャップでは、開栓時に、把持部に指をかけて上方へ持ち上げることでスカート壁の易破断部を破断させるため、把持部を引っ張る方向に大きな力が必要となる。そのため、開栓操作の容易性という点で、改善が求められていた。
【0006】
本発明の一態様は、キャップの開栓操作が容易である打栓式閉止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、口元部を有する容器と、前記口元部に装着されるキャップとを備え、前記口元部は、主筒部と、前記主筒部の外側に形成された外側部材とを有し、前記外側部材は、係合部を有し、破断可能なブリッジによって前記主筒部に連結され、前記キャップは、天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、前記筒部の内周面に、前記係合部に係合することによって前記外側部材からの前記キャップの脱離を規制する被係合部が形成されている、打栓式閉止装置を提供する。
【0008】
前記打栓式閉止装置は、前記外側部材の外周面に、第1回動規制部が形成され、前記筒部の内周面に、前記第1回動規制部に係止して前記外側部材に対する前記筒部の回動を規制する第2回動規制部が形成されていることが好ましい。
【0009】
前記ブリッジは、前記外側部材の下端に設けられていることが好ましい。
【0010】
前記ブリッジは、前記主筒部に近づくほど厚さおよび幅が小さくなる先細り形状であることが好ましい。
【0011】
前記打栓式閉止装置は、前記主筒部と、前記外側部材とは、可撓性を有する線状の連結体によって連結され、前記連結体の第1端部は、前記主筒部に接続され、前記連結体の前記第1端部とは反対の端部である第2端部は、前記第1端部とは軸周り方向に位置を違えて前記外側部材に接続されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、キャップの開栓操作が容易である打栓式閉止装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態の打栓式閉止装置の一部断面図である。
【
図2】第1実施形態の打栓式閉止装置の一部を示す断面図である。
【
図3】第1実施形態の打栓式閉止装置の一部断面状態の斜視図である。
【
図4】第1実施形態の打栓式閉止装置の拡大斜視図である。
【
図5】第1実施形態の打栓式閉止装置の一部断面図である。
【
図6】第1実施形態の打栓式閉止装置の一部断面図である。
【
図7】第1実施形態の打栓式閉止装置の一部断面図である。
【
図8】第2実施形態の打栓式閉止装置の容器の一部断面状態の斜視図である。
【
図9】第2実施形態の打栓式閉止装置の容器の平面図である。
【
図10】第2実施形態の打栓式閉止装置の容器の動作を示す説明図である。
【
図11】第2実施形態の打栓式閉止装置の容器の動作を示す説明図である。
【
図12】第2実施形態の打栓式閉止装置の開栓状態の斜視図である。
【
図13】外側部材の第1変形例を備えた容器の斜視図である。
【
図14】主筒部の変形例と、外側部材の第2変形例とを備えた容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[打栓式閉止装置](第1実施形態)
図1は、第1実施形態の打栓式閉止装置100の一部断面図である。
図2は、打栓式閉止装置100の一部を示す断面図である。
図3は、打栓式閉止装置100の一部断面状態の斜視図である。
図4は、打栓式閉止装置100の拡大斜視図である。
【0015】
以下の説明では、
図1に即して打栓式閉止装置100の上下の位置関係を仮に規定する。例えば、キャップ1の筒部3は、天板部2の周縁から下方に延出する。上下方向は、キャップ1および口元部21の中心軸C1に沿う方向である。中心軸C1に沿う方向を「軸方向」という。中心軸C1周りの方向を「軸周り方向」という。ここで定めた位置関係は、打栓式閉止装置100の使用時の姿勢を限定しない。
【0016】
図1に示すように、打栓式閉止装置100は、容器20と、キャップ1とを備える。
容器20は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂で形成される。容器20は、飲料が充てんされる容器本体22と、容器本体22の上部に形成された口元部21とを有する。
【0017】
口元部21は、主筒部23と、外側リング24とを備える。
主筒部23は、円筒状に形成されている。主筒部23は、容器本体22から上方に延出して形成されている。
【0018】
外側リング24は、円筒状(または円環状)に形成されている。すなわち、外側リング24は、中心軸C1と平行な方向から見て円形状とされている。外側リング24の内径は、主筒部23の外径より大きい。外側リング24は、主筒部23を囲んで配置されている。外側リング24の内周面24dは、主筒部23の外周面23cに対面する(
図2参照)。
【0019】
外側リング(外側部材)24は、主筒部23と同心となるよう配置されている。すなわち、外側リング24は、主筒部23と共通の中心軸C1を有する。そのため、主筒部23から一定の間隔をおいて配置されている。外側リング24の高さ(軸方向の寸法)H2は主筒部23の高さH1より小である。外側リング24は、主筒部23の外側に、軸周り方向に沿って形成されている。
【0020】
図2に示すように、外側リング24の上端24aは、主筒部23の上端(開口端)23aとほぼ同じ高さ位置にある。外側リング24の外周面24cの下部には、係合凹部25(係合部)が形成されている。係合凹部25は、軸周り方向に沿って形成された環状溝である。係合凹部25の長さ方向に直交する断面の形状は、例えば、半円状である。
【0021】
外側リング24は、複数のブリッジ26(橋絡部)によって、主筒部23の外周面23cに連結されている。
ブリッジ26は、外側リング24の下端24bを含む部分の内周面24dから主筒部23の外周面23cにかけて形成されている。
【0022】
ブリッジ26の数は特に限定されない。ブリッジ26の数は、例えば、2~10である。
複数のブリッジ26は、軸周り方向に間隔をおいて形成されていることが望ましい。複数のブリッジ26は、中心軸C1に対して、n回対称(nは2以上の整数)の回転対称位置にあることが好ましい。
【0023】
ブリッジ26の上面26aは、主筒部23に近づくほど下降する傾斜面である。ブリッジ26の下面26bは、軸方向に対して垂直な面である。下面26bは、外側リング24の下端24bの端面と面一に形成されている。ブリッジ26は、主筒部23に近づくほど厚さ(軸方向の寸法)が薄くなっている。
図4に示すように、ブリッジ26は、主筒部23に近づくほど幅(軸周り方向の寸法)が小さくなる。
ブリッジ26は、主筒部23に近づくほど厚さおよび幅が小さくなる先細り形状であるといえる。
【0024】
図3に示すように、外側リング24の外周面24cには、第1回動規制部27が形成されている。第1回動規制部27は、軸周り方向に間隔をおいて形成された、1または複数の規制凸部群27Aを有する。規制凸部群27Aは、軸周り方向に間隔をおいて形成された複数の規制凸部27aで構成される。規制凸部27aは、上下方向に延在する。1つの規制凸部群27Aを構成する規制凸部27aの数は、例えば、3~6とすることができる。
【0025】
図1に示すように、キャップ1は、円板状の天板部2と、天板部2の周縁から垂下した筒部3とを備えている。
【0026】
図2に示すように、筒部3は、円筒状とされる。筒部3の内周面3dの下部には、1または複数の被係合凸部5(被係合部)が形成されている。
被係合凸部5は、軸周り方向に沿って延在する突起である。被係合凸部5の長さ方向に直交する断面の形状は、例えば、半円状である。被係合凸部5の数は特に限定されない。被係合凸部5の数は、例えば、2~10である。
【0027】
図3に示すように、複数の被係合凸部5は、軸周り方向に間隔をおいて形成されていることが望ましい。複数の被係合凸部5は、中心軸C1に対して、m回対称(mは2以上の整数)の回転対称位置にあることが好ましい。
【0028】
図2に示すように、被係合凸部5は、外側リング24の係合凹部25に凹凸係合可能である。被係合凸部5は、係合凹部25に係合することによって、外側リング24からのキャップ1の脱離を規制することができる。
【0029】
図3に示すように、筒部3の内周面3dの上部には、第2回動規制部6が形成されている。第2回動規制部6は、軸周り方向に間隔をおいて形成された、複数の規制凸部6aで構成される。規制凸部6aは、上下方向に延在する。複数の規制凸部6aは、軸周り方向に一定の間隔をおいて筒部3の全周にわたって形成されている。
【0030】
規制凸部6aの突出端の内径寸法は、外側リング24の規制凸部27aの外形寸法より小さい。そのため、第2回動規制部6は、外側リング24の第1回動規制部27に係止することによって、外側リング24に対するキャップ1の軸周り方向の回動を規制することができる。
【0031】
図2に示すように、天板部2の内面(下面)には、内側シール突起4が形成されている。
内側シール突起4は、天板部2の内面(下面)から下方に延出して形成された円筒状の突起である。内側シール突起4は、キャップ1を容器20の口元部21に装着した際に口元部21に嵌入される。内側シール突起4は、口元部21内に嵌入した際に、口元部21の内周面に当接し、容器20を密封(シール)できる。
【0032】
キャップ1は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂によって形成される。
【0033】
容器20と、口元部21に装着されるキャップ1とは、閉止装置を構成する。
この閉止装置は、炭酸飲料、果汁飲料、茶飲料、コーヒー飲料等の飲料を容器に充填することによって、飲料入り閉止装置とすることができる。
【0034】
[打栓式閉止装置の使用方法]
次に、キャップ1を閉栓および開栓する操作について説明する。
図5および
図6に示すように、キャップ1を閉栓するには、容器20の口元部21にキャップ1を被せて下方に押圧する。内側シール突起4は口元部21の内部に嵌入し、口元部21は密封される。
図2に示すように、キャップ1の被係合凸部5は、外側リング24の係合凹部25に係合する。そのため、外側リング24からのキャップ1の脱離は規制される。このようにして、キャップ1は口元部21に装着される。
【0035】
図7に示すように、キャップ1を開栓するには、キャップ1を把持し、軸周り方向に回す。前述のように、外側リング24に対するキャップ1の軸周り方向の回動は規制されているため、外側リング24も軸周り方向に回動する。そのため、キャップ1の回転力はブリッジ26に伝達され、ブリッジ26は先端部で破断する。
なお、キャップ1に回転力ではなく上方への力を加えることでブリッジ26を破断させてもよい。
【0036】
ブリッジ26の破断によって、外側リング24は、主筒部23から脱離可能となる。キャップ1を上方に移動させると、キャップ1は、外側リング24とともに主筒部23から外れる。内側シール突起4は口元部21から引き抜かれ、密封は解除される。
【0037】
ブリッジ26は、外側リング24の下端24bに設けられているため、ブリッジ26が破断されているか否かを目視で確認しやすい。そのため、キャップ1の開封明示性の点で好適である。
ブリッジ26は、主筒部23に近づくほど厚さおよび幅が小さくなる先細り形状であるため、先端部で破断する。そのため、主筒部23にブリッジ26の一部が残りにくい。よって、開栓後の主筒部23の美観の点で好ましい。
【0038】
[第1実施形態の打栓式閉止装置が奏する効果]
打栓式閉止装置100では、外側リング24は、破断可能なブリッジ26によって主筒部23に連結されている。キャップ1は、被係合凸部5と係合凹部25によって外側リング24に係合するため、キャップ1に力を加え、ブリッジ26を破断させれば、キャップ1を、外側リング24とともに主筒部23から外すことができる。
よって、キャップ1の開栓操作は容易となる。
【0039】
打栓式閉止装置100は、キャップ1の第2回動規制部6が外側リング24の第1回動規制部27に係止することによって、外側リング24に対するキャップ1の軸周り方向の回動を規制することができる。そのため、キャップ1の回転力をブリッジ26に効率よく伝達し、ブリッジ26を破断させることができる。よって、キャップ1の開栓操作を容易とすることができる。
【0040】
外側リング24は、円筒状(または円環状)であると、軸周り方向の全体にわたってキャップ1と係止できる。そのため、外側リング24はキャップ1から外れにくくなる。
【0041】
[打栓式閉止装置](第2実施形態)
図8は、第2実施形態の打栓式閉止装置200(
図12参照)の容器120の口元部121の一部断面状態の斜視図である。
図9は、容器120の口元部121の平面図である。
図10および
図11は、容器120の動作を示す説明図である。
図12は、打栓式閉止装置200の開栓状態の斜視図である。
【0042】
図8および
図9に示すように、口元部121は、主筒部23と、外側リング24と、連結部28とを備える。
打栓式閉止装置200(
図12参照)は、口元部121が連結部28を備える点で、第1実施形態の打栓式閉止装置100(
図1~
図4参照)と異なる。
【0043】
図9に示すように、連結部28は、主筒部23と、外側リング24とを連結する。
連結部28は、第1基部29と、第2基部30と、連結体31とを備える。
第1基部29は、主筒部23の外周面23cに、径方向外方に突出して形成されている。第1基部29は、主筒部23と一体に形成されていてもよい。
第2基部30は、外側リング24の内周面24dに、径方向内方に突出して形成されている。第2基部30は、外側リング24と一体に形成されていてもよい。
第1基部29と第2基部30とは、軸周り方向に間隔をおいて形成されている。詳しくは、第2基部30は、第1基部29に対して、
図9における軸周り方向の右回り側に、第1基部29とは位置を違えて形成されている。
【0044】
連結体31は、線状(詳しくは、帯状またはベルト状)に形成されている。連結体31は、可撓性を有する。連結体31は、第1基部29の突出端と、第2基部30の突出端とを連結する。連結体31の第1端部31aは、第1基部29を介して主筒部23と接続されている。連結体31の第2端部31bは、第2基部30を介して外側リング24と接続されている。第2端部31bは、連結体31の、第1端部31aとは反対の端部である。
図9および
図10に示す未使用状態では、連結体31は、軸周り方向に沿って延在する。連結体31は、第1基部29および第2基部30と一体に形成されていてもよい。
【0045】
[打栓式閉止装置の使用方法]
次に、キャップ1を閉栓および開栓する操作について説明する。
キャップ1を口元部121に装着する(
図5および
図6参照)。
【0046】
図10および
図11に示すように、キャップ1(
図1~
図4参照)を把持し、軸周り方向(
図10に矢印で示す左回り方向)に回すと、外側リング24も軸周り方向に回動し、ブリッジ26(
図9参照)は破断する。
この際、第2基部30は第1基部29に近づく方向に移動するため、連結体31に引張力はかからない。連結体31は可撓性を有するため、第2基部30が第1基部29に近づくに伴って曲げ変形する。そのため、連結体31は破断しない。
【0047】
図12に示すように、キャップ1および外側リング24は主筒部23から外すことができるが、主筒部23と外側リング24とは連結体31を介して連結状態を維持する。
【0048】
[第2実施形態の打栓式閉止装置が奏する効果]
打栓式閉止装置200では、主筒部23と外側リング24とを連結する連結体31を備えるため、開栓後もキャップ1および外側リング24は連結体31を介して主筒部23に連結される。よって、キャップ1の紛失を回避できる。
【0049】
打栓式閉止装置200は、第1実施形態の打栓式閉止装置100(
図1~
図4参照)と同様に、キャップ1に力を加え、ブリッジ26を破断させれば、キャップ1を主筒部23から外すことができる。よって、キャップ1の開栓操作は容易となる。
【0050】
打栓式閉止装置の具体的構成については、本発明の主旨を逸脱しない限り、上述の実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することができる。
例えば、
図2に示す打栓式閉止装置100では、キャップ1に被係合凸部5(被係合部)が形成され、外側リング24に、被係合凸部5に係合可能な係合凹部25(係合部)が形成されているが、打栓式閉止装置の構造はこれに限定されない。例えば、キャップに被係合凹部(被係合部)が形成され、外側リングに、前記被係合凹部に係合可能な係合凸部(係合部)が形成されていてもよい。
【0051】
打栓式閉止装置100は、外側リング24に対するキャップ1の軸周り方向の回動を規制する構造として、第1回動規制部27および第2回動規制部6を備えるが、実施形態の打栓式閉止装置はこれに限定されない。例えば、筒部3の内周面3dと外側リング24の外周面24cとの接触面における摩擦などによって外側リング24に対するキャップ1の軸周り方向の回動を規制することができれば、第1回動規制部27および第2回動規制部6はなくてもよい。
【0052】
図2に示す打栓式閉止装置100では、被係合凸部5および係合凹部25の断面形状は半円状とされているが、被係合凸部および係合凹部の形状は特に限定されない。被係合凸部および係合凹部の断面形状は、例えば、矩形状、円弧状、V字状などであってもよい。
【0053】
図4に示すブリッジ26は、主筒部23に近づくほど厚さおよび幅が小さくなるが、ブリッジの厚さおよび幅は、長さ方向に一定であってもよい。ブリッジは、厚さと幅のうち一方のみが主筒部に近づくほど小さくなる形状であってもよい。
【0054】
図2に示す打栓式閉止装置100では、外側リング(外側部材)24は、主筒部23を囲む筒状(または環状)に係止されているが、外側部材の形状はこれに限定されない。外側部材は、主筒部の全周ではなく軸周り方向の一部を囲む形状であってもよい。
【0055】
図13は、外側部材の第1変形例である外側部材224を備えた容器220の口元部221の斜視図である。
図13に示すように、外側部材224は、主筒部23の全周ではなく軸周り方向の一部を囲む円弧形状とされている。
【0056】
図2に示す打栓式閉止装置100では、主筒部23は円筒状とされ、外側リング24は円筒状(または円環状)とされているが、主筒部は円筒状以外の筒状であってもよい。例えば、主筒部は多角筒状であってもよい。外側リングは、円筒状(または円環状)以外の筒状(または環状)であってもよい。例えば、外側リングは多角筒状(または多角形の環状)であってもよい。
【0057】
図14は、主筒部23の変形例である主筒部323と、外側部材の第2変形例である外側部材324とを備えた容器320の口元部321の斜視図である。
図14に示すように、主筒部323は、五角筒状とされている。外側部材324は、五角筒状(または五角形の環状)とされている。主筒部および外側部材の形状は、五角形に限らず、三角形、四角形、六角形などであってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 キャップ
2 天板部
3 筒部
3d 内周面
5 被係合凸部(被係合部)
6 第2回動規制部
20 容器
21 口元部
23 主筒部
24 外側リング(外側部材)
24b 下端
24c 外周面
25 係合凹部(係合部)
26 ブリッジ
27 第1回動規制部
31 連結体
31a 第1端部
31b 第2端部
100 打栓式閉止装置