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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】水上/潜水用舟艇
(51)【国際特許分類】
   B63B 1/12 20060101AFI20240604BHJP
   B63G 8/08 20060101ALI20240604BHJP
   B63G 8/22 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B63B1/12 Z
B63G8/08 Z
B63G8/22
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2021546245
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 IB2020050986
(87)【国際公開番号】W WO2020161677
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】1901786.2
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】321008675
【氏名又は名称】サブシー クラフト リミテッド
【住所又は居所原語表記】The Camber, East Street, Portsmouth,Hampshire PO1 2JJ United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100182084
【弁理士】
【氏名又は名称】中道 佳博
(74)【代理人】
【識別番号】100207136
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 有希
(72)【発明者】
【氏名】アレン,グラハム
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2014/192038(JP,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0023060(KR,A)
【文献】特開2001-071993(JP,A)
【文献】特開昭61-200090(JP,A)
【文献】特開昭47-020882(JP,A)
【文献】米国特許第05237952(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 1/04 - 1/12
B63G 8/08
B63G 8/22
B63C 11/00 - 11/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む水上/潜水用舟艇:
・船体、
・該船体内または該船体上に提供される水中推進手段、
・該船体内または該船体上に提供される水上推進手段、
・該船体に提供された潜水時可浸の乗組員収容部およびエンジンルーム、
・該船体について提供された低レベルのシーコックおよび高レベルの空気口であって、潜水時に、該乗組員収容部およびエンジンルームを、該空気口から上向きに空気を逃がしつつ下から該シーコックを介して水で満たすことができ、そして浮上時に、該乗組員収容部およびエンジンルームを、該空気口から空気が入ると下から該シーコックを介して水を排出することができる、低レベルのシーコックおよび高レベルの空気口、および
・舟艇を通過する水流から乗組員を保護するための、該潜水時可浸の乗組員収容部を閉鎖するために配置されたキャノピーであって、目的地で潜水しながらも該舟艇からの乗組員出口のために開放可能である、キャノピー。
【請求項2】
前記船体の内部全体が、乾いた状態に保たれなければならない機器の収納スペースのみを残して、バラストタンクおよびトリムタンクが潜水時可浸である、請求項1に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項3】
前記バラストタンクおよびトリムタンクが、前記船体内から潜水時可浸であり、かつ該船体内を空にすることができる、請求項に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項4】
前記水上推進手段のエンジンが、潜水時可浸のエンジンルームに設けられている、請求項1、請求項2、または請求項3に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項5】
前記エンジンが内燃エンジンであり、閉鎖可能な空気口および閉鎖可能な出口を備えており、これにより、潜水時に浸漬するために閉鎖し、該エンジンルームの浮上と排水時に再開され得る、請求項1から4のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項6】
前記水上推進手段のモーターが、該モーターを取り囲む密閉された収納スペースに設けられた電気モーターである、請求項1、請求項2または請求項3に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項7】
エンジンルームが、低レベルのシーコックおよび高レベルの空気口と共に提供されており、潜水時に、その空気口から上向きに空気を逃がしつつ下からそのシーコックを介して、該エンジンルームを水で満たすことができ、そして浮上時に、該エンジンルームを、その空気口から空気が入ると下からそのシーコックを介して水を排出することができる、請求項1からのいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項8】
前記シーコックは、潜水および/または浮上時に前記乗組員収容部および前記エンジンルームから水を引き込む際に、該乗組員収容部および該エンジンルームに水を引き込むための方向付け手段を備えている、請求項に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項9】
前記方向付け手段が、使用されていないときに前記船体を通過する水流から引き出し可能である、請求項に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項10】
一組の方向付け手段が提供され、水を引き込むおよび引き抜くために調整可能である、請求項または請求項に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項11】
二組の方向付け手段が提供され、1つは水を引き込むためのものであり、もう1つは水を引き抜くためのものである、請求項または請求項に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項12】
前記方向付け手段が以下を含む、請求項10に記載の水上/潜水用舟艇:
・前記船体の開口部を通常どおりに密閉するための少なくとも1つのフラップ:
・該フラップの後方部を該開口部の前方の該船体にピボット接続する少なくとも1つのリンク;
・該フラップの前方部を該開口部の後方の該船体にピボット接続する少なくとも1つのリンク;
・該フラップの該後方部を下に動かして、該船体から水を引き出すために該フラップの該後方部の該開口部を開くための手段;
・該フラップの該前方部を下に動かして、該船体に水を引き込むために該フラップの該前方部の該開口部を開くための手段。
【請求項13】
前記方向付け手段が以下を含む、請求項10に記載の水上/潜水用舟艇:
・前記船体内から船体開口部まで伸びており、その周囲が密閉されている、少なくとも1つのスリーブ;
・該スリーブ内に移動可能に配置されたそれぞれのダクトであって、
・閉じた下端、
・該閉じた下端の上のポート、および
・開いた上端
を有するダクト;
・該ダクトを前進させて船体底部の下に延ばし、該閉じた下端の該ダクトを引き抜いて該船体開口部を密閉するための手段;
・以下のための該スリーブと該ダクト内の補完的なトラックとフォロワーの手段
・前方に移動するときに、該船体から水を吸引するために、該ダクトの最初の前進時に該ポートを後方に露出するように該ダクトをガイドすること、および
・前方に移動するときに、該船体に水を引き込むために、該ダクトをさらに前進させて該ポートを前方に回転させるように該ダクトを回転させること。
【請求項14】
前記水中推進手段が電気的であり、浮上時に通常の喫水線より上にプロペラを備える、請求項1から13のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項15】
前記水上推進手段がジェットドライブを含む、請求項1から14のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項16】
前記船体が、潜水時よりも水上時にかなりのより高い速度となるように形成されている、請求項1から15のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項17】
前記船体が水上移動用の水中翼を備え、該水中翼が水中移動用に引き込み可能である、請求項1から16のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項18】
前記船体が、該船体の滑走船体形態と相補的な後方にサイドデッキを含、請求項1から17のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項19】
前記サイドデッキおよび前記船体底部が、横方向に延びるピンテール形態に向かって後方に先細になっている、請求項18に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項20】
前記サイドデッキの開口部に取り付けられた垂直方向のスラスターを含み、該開口部が水上通過のために閉鎖可能である、請求項18または請求項19に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項21】
立したピンテール形状に向かって後方に先細になる上面を含む、請求項1から20のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項22】
表面水線の上に取り付けられた前方の水上舵を含む、請求項1から21のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項23】
前記水上舵がそれらに取付けられた垂直スラスターを含む、請求項22に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項24】
前記水上舵が細長く、前記船体の横方向に配置されたハウジング内に望遠鏡状に伸縮可能である、請求項22に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項25】
前記キャノピーが前記乗組員収容部を閉じ、かつ上向きの出口を提供する2つの部分でなるクラムシェルである、請求項1から24のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項26】
前記キャノピーが、側面出口用の2つの部分のガルウイング形態である、請求項1から25のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項27】
前記キャノピーが2つの部分の形態であり、該部分が円筒形であり、前記乗組員収容部の上から少なくとも部分的にその下への円周方向の動きで開くように配置されている、請求項1から26のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項28】
前記キャノピーが、前部対の乗組員座席の上に後部ヒンジ部分を含む、請求項25、請求項26、または請求項27に記載の水上/潜水用舟艇。
【請求項29】
ダイバーリブリーザーまたはエアボトルパックを収容するために形成された背もたれを備えた乗組員座席を含む、請求項1から28のいずれかに記載の水上/潜水用舟艇。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上/潜水用舟艇に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、用語「水上/潜水用舟艇」とは、水中および水面の両方を自律的に航行する能力を有する舟艇を意味するために用いられる。潜水艦はこの能力を備えているが、本発明は特定のタイプの水上/潜水用舟艇に関する。本発明では、潜水艦という用語は使用されない。本発明の舟艇は、潜水速度よりも水面速度が高いなど、水上用舟艇に類似したいくつかの機能を備えているためである。
【0003】
PCT出願番号PCT/GB2018/052319(「我々の潜水型多胴艇出願」)(その概要を以下に示す)において、我々は、カタマラン水上/潜水用舟艇を記載している。我々の以前の国際出願は、本出願の優先日時点で非公開であった。その要約(現在、WO2019/034875で公開されている)は、次のとおりである:
「潜水可能な多胴艇は、同一の左舷と右舷の船体があり、各々、水密区画と船体中央部に開いたコックピットを有する。船体は、4本の管状ビームによって固定して相互に連結されている。船体間のビームの上にデッキが伸びている。区画とコックピットには、圧縮空気リザーバを備えた、可浸かつ吹き込み可能な浮力タンクが装備されている。各船体は、水密エンクロージャー内に操縦可能なスラストディーゼルエンジン推進力を有する。船体は各々、プロペラ付きのカウルを備えた2つの前方スラスターを有する。スラスターは、水面通過用に収納でき、潜水時には船体中の窪みから振り出すことができる。それらは、回転して推進力をアップダウンすることができる。各船体は後部には2つのさらなる後方スラスターを有する。それらの後方には、スケグの間にトリムサーフェスが備えられている。」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、改良された水上/潜水用舟艇を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、以下を備える水上/潜水用舟艇が提供される:
・船体、
・船体内または船体上で提供される水中推進手段、
・船体内または船体上で提供される水上推進手段、
・船体に提供された、潜水時可浸の乗組員収容部、
・船を通過する水流から乗組員を保護するための、可浸の乗組員収容部を閉じるキャノピーであって、目的地で船から乗組員が出るために開くことができるキャノピー。
【0006】
船体が他の永久に乾燥した、または実際に永久に濡れた他のスペースを有し得ることも想定できるが、好ましくは、船体の内部全体が、乾燥した状態に保たれなければならない機器の収納スペースだけを残して、バラストタンクおよびトリムタンクが潜水時可浸であることが望ましい。
【0007】
繰り返しになるが、バラストタンクとトリムタンクとが周囲の水から浸水される可能性があり得ることが想定され得る。船体の完全性のために、バラストタンクおよびトリムタンクは船体内部から潜水時可浸であり、船体に吹き込み可能である。
【0008】
通常、船体は、水面下よりも水面上での速度が大幅に速くなるように形成される。これは、波浪貫通型船体または滑走船体形状によって実現できる。あるいは、船体は、水上移動用に水中翼が提供され、この水中翼は潜水移動では引き込み可能である。
【0009】
水上推進手段のエンジンは、可浸のエンジンルームに設けることができ、エンジンは好ましくは内燃エンジンである。あるいは、水上推進手段のモーターは、モーターを囲む密閉された収納スペースに設置された電気モーターである。
【0010】
可浸の乗組員収容部および可浸のエンジンルームが設けられている場合は、船体全体に低水位のシーコックと高水位の空気口とを設置することが好ましい。それにより、潜水時には、収容部およびエンジンルームは、空気口から上向きに空気を逃がしつつ下からシーコックを介して水で満たすことができ、そして浮上時には、収容部およびエンジンルームは、空気口からの空気の侵入と共に、下からシーコックを介して水を排出することができる。
【0011】
船体の各区画にはそれ自体のシーコックを設けることができるが、好ましくは、区画には隔壁を貫通する排水管を設け、それにより必要なシーコックの数が節約される。好ましい実施形態では、船首および船尾、左舷および右舷のシーコックが乗組員収容部に提供される。
【0012】
シーコックには、潜水時に乗組員収容部およびエンジンルームに水を引き込む、および/または浮上時に乗組員収容部およびエンジンルームから水を引き出すための方向手段を設けることができる。水を引き込み、水を引き出すために、一組の方向手段を提供し、調整可能にすることができる。あるいは、一方は水を引き込むためのもの、もう一方は水を引き出すための、二組の方向手段を設けることができる。さらに、方向手段は、使用しないときに船体を通過する水流から引き抜くことができる。また、シーコックは使用しないときに閉鎖可能であり得る。
【0013】
通常は:
・水中推進手段は電気式であり、水面上では通常の水線より上にプロペラが配置され;
・船体は、下部滑走船体形状と、水中推進力の下でバランスのとれた上昇推力と下降推力のための流体力学的に補完的な上部部分を有し;
・水上推進手段は、電気式または燃料燃焼式であることができ、好ましくはジェットドライブを含む。
【0014】
好ましい実施形態では、水上推進手段の内燃エンジンが、可浸のエンジンルームに設けられる。エンジンは、閉鎖可能な空気入口および閉鎖可能な排気口を有するエンクロージャー内のエンジンルーム内に、または少なくともエンクロージャーから出て閉鎖可能なバルブを有する排気管内に封入することができる。好ましい実施形態では、エンジンは、閉鎖可能な空気入口および閉鎖可能な排気口を有するエンジンルームのある可浸空間内にある。
【0015】
さらに、好ましい実施形態では:
・船体にはサイドデッキが含まれており、船尾にトランサムのないピンテール形状で滑走船体の後方の実質的に平らな滑走部(run)と合流している;
・後方の平らな滑走部は、サイドデッキの最も後方の部分と同様に、上向きおよび外向きに角度が付けられている;、
・後方の平らな滑走部は、少なくとも硬材の船体中央部で、サイドデッキが上にある船体側面と合流している;
・サイドデッキはフォアデッキに調和している;
・トリムフィンが、サイドデッキの船尾後方と後方の平らな滑走部に提供される;
・垂直向きのスラスターが、サイドデッキと後方の平らな滑走部の開口部に取り付けられており、開口部は水上通過のために閉じることができる;
・上部側面は後方に向かって先細りになっており直立したピンテール形状であり、好ましくは舵を備える;
・前方水平舵は表面水線上に設置され、好ましくは前方水平舵には垂直スラスターが搭載されている。
【0016】
水中推進手段は、通常、船体にバッテリーが備え付けられている電気モーターによるものである。水上推進手段は、通常、電気ドライブ装置を介して直接的または間接的に駆動する、往復運動またはタービンを含む内燃(「IC」)エンジンを含む。水中推進および水上推進のために、単一のプロペラまたはジェットドライブなどの推進のために水に反応する他の装置を提供することができ、特に、水面推進が間接電気ドライブによるものである場合、電気モーターを使用することができる。あるいは、内燃エンジンは、機械的ドライブを介して別個のプロペラなどを駆動することができる。電気モーターと内燃エンジンは、電気モーターと内燃エンジン用のクラッチを備えている機械ドライブにより駆動することができる。
【0017】
キャノピーは、乗組員収容部を覆うクラムシェルのように2つの部分でなり、上向きの出口を提供し得る。あるいは、2つの部分でなる形で、特に舟艇が2人の乗組員が並ぶのに十分な幅がある場合、側面からの脱出用のガルウイングとして配置され得る。さらに、キャノピーは2つの部分でなり、一部が円筒形であり、乗組員収容部の上から少なくとも部分的にその下まで、円周方向の動きで開くように配置された部分を備える。キャノピーはまた、後方にスライドするか、片側または一端で回転して開く単一部品の形式にすることもできる。キャノピーの開口方向への水の大量移動を回避するには、円周方向またはスライド方向の動きが好ましい。キャノピーがスライド可能な場合は、中央で分割でき、それにより半分が前方に、半分が後方にスライドでき、キャノピーがスライドするのに必要な長さを節約する。
【0018】
本発明の理解を助けるために、特定の実施形態およびその変形例を、例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】現在WO2019/034875との番号で公開されているPCT出願番号PCT/GB2018/052319(「先の国際出願」)の図1である。
図2】水上で静止している本発明の水上/潜水用舟艇の側面図である。
図3図2の舟艇の平面図である。
図4】水上での滑走速度での図2の舟艇の側面図である。
図5】水中を移動する図2の舟艇の同様の側面図である。
図6】キャノピーを閉じた状態の乗組員収容部を通る、図2のVI-VI線の断面正面図である。
図7図2の舟艇の水上推進内燃エンジンの概略スクラップ側面図である。
図8】本発明の別の舟艇の同様の概略側面図である。
図9】第1の変形例の同様の図面である。
図10】第2の変形例の同様の図面である。
図11】本発明の第3の舟艇の斜視図である。
図12図12の舟艇の側面図である。
図13図12の舟艇の平面図である。
図14図12の舟艇の船首の図である。
図15図12の舟艇の船尾の図である。
図16図12の舟艇の乗組員収容部のスクラップ図である。
図17図12の舟艇の座席の側面図である。
図18図12の舟艇の中央断面側面図である。
図19図12の舟艇のバラストおよびトリムタンクの平面図である。
図20】バラストタンクを示す乗組員収容部における図12の舟艇の横断面図である。
図21】バラストタンクの浸水を示す図20と同様の図である。
図22】バラストタンクの吹き込みを示す図20と同様の図である。
図23】溝およびフォロワーのスケッチを伴う、図12の舟艇の船体浸水および排水スクープのスクラップ図である。
図24】排水位置にあるスクープの同様のスクラップ図である。
図25】浸水位置にあるスクープのさらに類似したスクラップ図である。
図26】溝およびフォロワーのスケッチを伴う、図12の舟艇の代替の船体浸水および排水スクープの図23と同様の図である。
図27】代替スクープの図24と同様の図である。
図28】代替スクープの図25と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照すると、図1は、その要約を引用した我々の水中多胴船艇の出願の船を示している。より詳細には、図1は次のことを示している。
【0021】
潜水多胴艇1は、実質的に同一の左舷船体および右舷船体2,1,3を有する。各々が、水密前部区画4、水密後部区画5、および船中央部の開放コックピット6を有する。船体は、4本の管状ビーム11,12,13,14によって固定的に相互接続されている。デッキ19は、ビーム12,13,14の上を船体の間に延びる。一体型圧縮空気リザーバーを備えた可浸かつ吹き込み可能な浮力タンク21,22,23は、前部区画4に前部タンク21として、コックピット6に船中央部タンク22として、そして後部区画に3つの後部タンク23として提供され、これらは、以下に言及するエンジンの質量を考慮して提供されている。コックピットにはクルーエアボトル24が提供されている。コックピットは、水上移動のためにポンプ輸送可能であり、水中移動のために可浸である。
【0022】
各船体は、後部区画に、ウォータージェット推力ユニットを備えた操舵可能な推力ディーゼルエンジン推進システム25と、エンジンが乾燥したままの後部区画を浸水させるための水密エンクロージャ26とを有する。前部では、船体は各々2つの前部スラスター31を有し、これは、カウル34を有し、その中に電動プロペラ35がジャーナルに入れられている。スラスターは、水上移動のために収納でき、潜水時に船体の窪みから振り出すことができ、そして前進または後進のために動力を与えられて前進または後進させることができる。それらを回転させて上下に推力を与え、浮上または潜水を支援するためのベクトル推力を提供することができる。後部では、各船体には、2つのさらなる後部スラスター41が装備されている。それらの後方には、スケグ27の間にトリム面26が設けられている。潜水時、スラスターは前方または後方に駆動することができる。
【0023】
我々の先願の舟艇は、改善を求めてきた特定の限定がある。
【0024】
図2から図5を参照すると、本発明の水上/潜水用舟艇101を、濡れた表面の大部分を海面または他の水域面より上に持ち上げるためにかなりの流体力学的揚力を生成する滑走形態を有する船体102と共に示し、潜水していないときは高速で移動している。船体は、前部にV状の103(その断面形状はハードチャイン104に溶け込んでいる)、後部により平坦な底部105(この形状は滑走面を提供する)を有する。滑走船体形状は、我々の先の波浪貫通型カタマラン波形よりもコンパクトである可能性があり、エアポータビリティ(airportability)に利点がある。滑走形状の船体は周知であるので、船体の形状の詳細については説明しない。
【0025】
船体は、ほぼU字形の断面である乗組員収容部106を有し、収容部の上に閉鎖可能なキャノピー107を備えている。キャノピーは水上航行のために開くことができるが、水上航行のためだけでなく、水中航行のためにも便利に閉じられる。キャノピーは、高速の水中速度(高速の水上速度よりも実質的に遅い。典型的にはそれぞれ8ノットと30ノットである)での乗組員のバフェッティングからの保護を提供する可能性がある。
【0026】
乗組員収容部の後方に、内燃エンジン108が水密エンジン区画109に取り付けられている。ICエンジンは水上移動用であり、シャフト111を介してメインジェットドライブ110を駆動する。ジェットドライブは、船体のより平らな底部105中に舟艇の船尾に向かう位置に吸引口112を有する。これは、舟艇が水上を滑走しているときでさえ常に濡れている。操舵可能なジェットノズル114が船尾115に設けられており、これは、水中での抗力低減のためにテーパ状または細められている。
【0027】
この実施形態では、水中推進力は、我々の先の国際出願の方法で船尾に取り付けられた一対の電気ドライブプロペラ116,117によって提供される。その出願の波浪貫通船体は、前後のコンパクトさのためにこの舟艇では採用されていないことに注意する必要がある。
【0028】
図8の実施形態では、水中推進のために、同じくエンジン区画内に電気モーター121が提供される。それは、クラッチドライブ機構122を介して機械的にジェットドライブを駆動する。これは、ICエンジンのクラッチを外し、代わりに、電気モーターをドライブ110に接続する。
【0029】
図9の変形例では、電気モーターは、入口112から引き出され、一次表面ジェットノズル114の上に取り付けられた二次水中ジェットノズル132を通って引き出される補助ジェットドライブ131を駆動する。
【0030】
図10の第2の変形例では、ICエンジン108は、発電機141を駆動し、メインジェットドライブ110は、それ自体が発電機によって電力を供給される電気モーター142によって電力を供給される。水中運行の場合、後者はバッテリー143によって電力を供給され得る。ICエンジン自体は、ジェットドライブを駆動するための電力に関して余裕があり、それにより、潜水後の水面通過中に発電機を介してバッテリー143を再充電することができる。
【0031】
乗務員収容部に戻ると、4対の座席151が提供される。便利なことに、最後の一対の座席のそれぞれには、コニングコントロール152および計器153が設けられている。キャノピーは、2つの左舷および右舷の弧状の部分円筒形セクション154,155が、舟艇のガンネル157の上下の一対のローラー156の間に取り付けられている。キャノピーセクションとローラーとは前後に配置され、セクションの弧状の中心158が中央に配置される。ローラー159のさらなる対は、中心158を中心とするセクションの軌跡上の船体の外板160の内側に提供される。配置は、座席の上方の中央部で船体の収容部を閉じるように、ローラーに動力を与えることによって、キャノピーセクションが持ち上げられ得るようなものである。キャノピーを閉じた状態に保つために、キャノピーの縁に沿って多数のラッチ161が設けられている。ラッチが解放されると、キャノピーセクションは、乗組員収容部の下、デッキ162および収容部の側面163の下にロールダウンすることができる。この配置は、開いた位置で安全性に欠く。船首には、閉鎖位置にあるキャノピーを補完する形状の閉鎖セミコーン164が設けられている。乗組員収容部の後方では、キャノピーとエンジン区画109上のデッキ165が合理化のためにフェアリングされている。キャノピーセクションとクロージャーセミコーンはどちらも透明なアクリル材料でできているので、乗組員は舟艇が潜水しているときと、キャノピーを閉じた状態で水上を移動しているときの両方を見ることができる。
【0032】
乗組員はダイビングギアを着用することが想定されており、キャノピーの液密性は不要である。
【0033】
浮力タンク、エアリザーバタンク、クルーエアボトル、トリム表面、スケグ後部燃料タンクは、我々の先の国際出願と同様に提供され得る。潜水時にスラスターの1つを遅くするか、または1つを全く逆にすることで、舟艇を操だできる。
【0034】
ここで図11から28を参照すると、本発明の別の舟艇201が示され、それは前方にV断面形状203(それはハードチャイン204に溶け込んでいる)、後方により平坦な底部205(この形状は滑走面を提供する)を有する。乗組員収容部206の前方で、船体は、海をはじく前方デッキ2021を有する(乗組員収容部と並んで両側がサイドデッキ2022にフェアリングされている)。これらのデッキは、舟艇の船尾に平行な外縁2024で続いている。乗組員収容部の後方では、船体の上面2025が狭く、サイドデッキが広くなっている。ここでは、それらは一般に後方滑走部205と平行であり、サイドデッキはわずかに上向きと外向きに角度が付けられている。それらの後方端では、サイドデッキおよび後方滑走部205がピンテールフォーム2026に細められ、トランサム自体なしで、水平舵2027が水中で使用するためにそれらの後方にある。ピンテールフォームの前方では、船体は、ハードチャイン204とデッキエッジ2024との間に実質的に直立したサイドストレーキ2028を有する。後部滑走部の後方端は、水上滑走用のトリムタブ2029用の窪みを有する。船体は繊維強化プラスチック材料からなる。
【0035】
乗組員収容部の前方、後方に傾斜した透明なフロントシールド2061内に、乗組員収容部のコニングおよびナビゲーション部分2062が提供され、パイロットおよびナビゲーター用の長距離移動シート2063が備えられている。乗組員収容部の主要部分2064のこれらの後方には、ダイバーを目的地に送り届けるためのさらに6つのそのような座席2065がある。座席は、乗組員のダイバーのエアボトルまたはリブリーザーユニットを収容するための窪み20631,20651を有する。後部ヒンジの上部ハッチ2066は、前方座席2063の上に設けられ、中央ヒンジ式ガルウイングハッチ2067が他の座席の上に設けられている。収容部に沿ってサイドドア2068が設けられている。したがって、乗組員は、通過中は水面から水中のバフェッティングに囲まれており、目的地に到着したときに潜水していながらも、船を簡単に出ることができる。
【0036】
乗組員収容部の後方では、上面2025はエンジン区画209で狭く、後方の舵2031と共にピンテールフォーム2030に対して先細になっている。トリムタブ2028間かつ舵2031の下に、ウォータージェットノズル2101が配置されている。上面は、ウォータージェットノズルに対して上向きに凸状で、そして下向きに傾斜した形状2102とフェアリングされている。
【0037】
上面フィンのいずれかの側に、水中推進用の2つの電気スラスター216が取り付けられている。スラスターおよび他のシステム用の高電圧および低電圧バッテリー217,218は、以下に説明するバッテリー区画219に収納されている。
【0038】
船体は、滑走船体形態202の前方部分の水中上昇揚力のために全体的に形作られ、落下する前方前デッキ2021および前部シールド2061によってバランスがとられ、両方とも流体力学的ダウンフォースを提供する。これは、スラスター216の高い位置およびサイドデッキの後方への落下によって増強される。舟艇は、以下に説明するトリムタブ2028およびトリムタンクの最小限の使用で潜水時にトリムすることができる。舟艇の下の姿勢は、水面の静的な姿勢と、船首を上方に上げるその滑走姿勢とでは、異なる場合がある。潜水艦で一般的であるように、舟艇は、タンクに吹き込むための可浸なバラストタンク2032,トリムタンク2033,および圧縮空気ボトル2034を有する。タンクの配置は以下に説明されているが、エアボトルは乗組員の座席206の横、すなわち乗組員収容部内に設けられている。
【0039】
エンジン区画209に取り付けられているのは、水上推進のためにウォータージェットドライブ2103に結合された、海洋向けディーゼルエンジン208である。エンジンの海洋向けは、舟艇が潜水したときにエンジン区画が浸水する可能性があるような基準になっている。例えば、スラスターバッテリー217とは独立してシステムおよびエンジン始動バッテリー218を充電するためのオルタネーター、およびスターターモーターは、密閉された区画内に提供されている遠隔オルタネーターおよび遠隔油圧ポンプに油圧接続された油圧機構2081,2083(いずれもそのように示されていない)である。(海洋向けディーゼルエンジンであるため、冷却ファンなしで水冷される。)エンジンおよびクランクケースブリーザーへの空気入口には、水中でこれらを閉じるための電動バルブ2084が備わっている。同様に、排気には電動バルブ2085があり、これも潜水時に排気を閉じるためのものである。これらのバルブの電動化により、潜水/水中でのエンジンのシャットダウンが可能になる。これにより、水位がエンジンの吸気口に近づくまで、舟艇を水面下で運転することができる。
【0040】
スクープ2068は、潜水中に船体に水を押し込むために備えられている。これらについては以下でさらに説明するが、その収容部のデッキ2041の下にある舟艇の構造、すなわち舟艇のソールについて最初に説明する。キール2044のいずれかの側の2つの長手方向2042,2043は、船体の底部からデッキ2041まで延びる。したがって、キールに沿ってバッテリー収納区画が提供される。バッテリーと共に潜水されたとき、これは密閉された状態に保たれ、バッテリー217,218を収容する。これらは密閉されたエンクロージャである。バッテリー区画219のいずれかの側にバラストタンク2032が提供される。これらは、後方滑走部205およびハードチャイン204、隔壁2033、収容デッキ2041および収容サイド2045を含む船体プレートから形成される。長手方向2042,2043は、バッテリー区画219への連絡を与えるそれらの下端にスカラップ2046を備えている。収容サイドには、下部スカラップ2047と上部排気/吹き込みポイント2048が設けられている。潜水時、スクープは、バッテリー区画内のバッテリー上のメッシュまたはグレーティング2049を介してバッテリー区画219に排出される水で乗組員収容部を満たす。上部エアポイント2048と連絡しているエアバルブは、押しのけられた空気を逃がすことができる。浮上のために、排気弁が閉じられ、ボトル2034からの空気が別の弁を介してタンクに供給され、どちらの弁も示されていないが、水をバッテリー区画に吹き戻す。必要に応じてエアボトルからバルブを吹き出すためのバルブ(図示せず)が付属する。タンクは、メッシュ2049を介して少なくとも部分的に吹き込まれる。したがって、船体の完全性は、船体の外板にバラスト吹き付けコックを必要とすることなく維持される。潜水時に、タンク内の空気が排出され、船内にすくい上げられた水がバラストタンクに溢れる。
【0041】
同様に、トリムタンク2033は、単一の前方タンクおよび対の後方、右舷および左舷の後方として提供される。トリムタンクは船体の端にあり、前方は前方デッキの下にあり、後方は後方ピンテールフォームのすぐ前にある。それらの構造および操作はバラストタンクのそれと同様である。
【0042】
また、前方トリムタンクを除いて、乗組員収容部の前方の船首区画2050は、少なくとも乗組員収容部からバッテリー区画を介した水流に対して開いていることにも留意されたい。同様に、エンジン区画209は、乗組員収容部と同様に水と連絡している。したがって、船体内のすべての主要なボイドは、一緒に浸水するか、一緒に排出される。船体は、開閉可能な気密隔壁を有さない。
【0043】
上記のスクープ2068は、乗組員収容部の前後および左舷と右舷に設けられている。それらは本質的に、船体開口部2069から底部開口部2070まで延びる、すなわち、船体の外側から船体への、特に乗組員の収容への、またはその逆の水流を可能にする円形の円筒形装置である。それらは、船体とソールとの両方に水密に接着された固定チューブ2071を有する。それらは通過し、バラストタンクから密閉される。可動式内部ダクト2072は固定チューブ内に配置され、そしてチューブよりも大きくかつ船体底部の局所的な角度を補完するように角度が付けられた下部閉鎖プレート2073を有する。スクープが閉じられると、プレートは船体開口部2069を閉じる。内部ダクトは、閉鎖プレートのすぐ上に開いた上部およびポート2074を有する。ダクトの最初の軸方向の移動時に、上部アクチュエータ2075によって、ポートは後方を向く。したがって、舟艇が前方に移動しているとき、水の中を移動するダクトの下端の後方の真空は、ディンギーのオートベーラーの帆走のように、水および/または空気を引き込み上から下に向かってダクトに入れ、船から排出する。ポートが前方を向いている場合、水はポートに押し込まれ、それらのダクトを上り外側の管内のポート2076および収容部に対して開いている船体の残りの部分を介して乗組員収容部に入る。そのような動きは、アクチュエータのさらなる動きによって達成することができる。このために、ダクトおよびチューブの一方または他方は、最初の動きの直線セクション2077およびさらなる動き部分のらせんセクション2078を有する溝で形成される。ダクトおよびチューブの他方は、それらと共に高速のフォロワー2079を有し、溝に係合する。フォロワーはダクトの角度を制御する。したがって、ポートを後方に向けた状態でのダクトの最初の下向きの動きは、スクープが船の浮上時のように乗組員収容部から水を吸い込み、継続的な下向きの動きはポートを前方に向け、潜水時のように、ダクトが乗組員収容部に水を運ぶようにする。好ましい実施形態では、溝は外側の管内にあり、フォロワー2079は内側のダクトと共に高速である。
【0044】
潜水時に、メインエンジン208およびジェットドライブ2101からの前方推進下で、スクープが完全に展開される。これらは水を船体に押し込み、船体は浸水し始め、舟艇を水に沈める。ソールが水で覆われると、グレーティング2049を介してバッテリー区画に排出する。バラストタンクのバルブが開いている状態で、それらは水で満たされる。同様に、浮上時に、スラスター216の力の下で、スクープはそれらの最初の範囲まで展開される。これは、区画から水を引き出し、区画に空気を充填する効果がある。同様に、バラストタンクが吹き込まれ、その水が引き出される。
【0045】
乗組員収容部は、空気が乗組員収容部の上部にある通気口2081を介して逃げることができるという点で気密に密閉されていない。エンジン区画は、垂直スライド上に設けられたレドーム2105で通気し、それにより、水上移動の場合、レドームを使用するために持ち上げることができ、水中移動の場合、レドームを引き出して上面と同じ高さにすることができる。エンジン区画209および船首セクション2050は、バッテリー区画から溢れ出る。
【0046】
スクープは、ソールのレベルのすぐ上までのみ船体を排水できる。舟艇は、スラスター216によってもはや駆動することができない。しかし、エンジンの吸気口2089は、水から十分に離れており、メインエンジンを始動することができる。その冷却水回路はダイバータ2086を有し、バッテリー区画219と連絡して、船体の低い吸引力につながる。したがって、船体は実質的に乾燥してポンプで送られ、船は迅速に飛行機に運ばれる。冷却せずにメインエンジンを運転することを避けるために、ダイバータは限られた時間の後に閉じられ、残留水は補助ポンプ2088によってポンプで排出される。
【0047】
水中制御を支援するために、船は前方水平舵2034を備えており、乗組員収容部の前方にあり、船体が浮上したときに水面上になるように、ハードチャインの上の反対側の船体から伸びている。水平舵の基部には、アップ/ダウンスラスター2035が取り付けられている。水平舵は滑走中に水から出るが、それらは、それらを保護しかつ空気力学的抗力を低減するために船体を横断して、一対の隣接する管2036に伸縮自在に引き込むことができるように配置される。通常の水中使用では、スラスター2035は露出せず、各平面の基部にあるディスク2037がチューブ2036を閉じる。さらなるアップ/ダウンスラスター2038は、サイドデッキ2022と船体の底部との間の後方にある。スラスターは、潜水や浮上に使用して、これらの操作を高速化できる。しかし、それらの主な目的は、それらの後部とともに、水中での上昇または下降を停止できるようにすることである。
【0048】
自動潜水/浮上制御器の制御下での操作の順序は次のとおりである:
1.水面から潜水するために、舟艇が水面から離れるようにメインエンジンを減速させる;
2.スクープを作動させて、水を船体に押し込む;
3.前方水平舵が配備され、潜水角度に設定される;
4.水平舵が潜水するまでメインエンジンを低回転で動かし、舟艇を水面下で駆動させる;
5.エンジンを切り、その吸気口および排気口の電動バルブを閉じる;
6.推進力および低下した浮力下で舟艇が潜水すると、トリムタンクが浸水し、垂直スラスターに動力が供給されて潜水を速める;
7.水面下ドライブスラスターが水面下で動くにつれて、それらは潜水を継続するための推力を提供する;
8.舟艇が水中にあると、垂直スラスターを閉じた状態で、従来の潜水艦と同様にトリミングすることができる。
浮上は逆の手順である。これの最終段階は、トリムタブ2029を使用した舟艇の滑走姿勢のトリミングである。
【0049】
本発明は、上記の実施形態の詳細に限定されることを意図するものではない。例えば、これが特に有利であると考えられる場合に、ジェットドライブをアウトドライブに置き換えることができる。スクープは、図26~28に示すように、全く異なる構成にすることができる。これらのスクープはゲート2091を有し、これは、実質的に滑らかな船体底部205を提供するように、通常は船体の開口部を閉じる。スクープを開くために、ゲートは、前方端または後方端2092,2093のいずれかで前方および後方のアクチュエータ2094,2095によって船体の下の水中に下方に伸ばすことができる。スクープは、リンク2096,2097によって、それぞれ前方端または後方端から船体開口部の反対側の端に連結されている。この配置により、ゲートの後端を押し下げて区画から水を吸引したり、前端を押し下げて水を区画に掬い上げることができる。どちらの効果も、舟艇の前進運動を必要とする。
【0050】
上記に別段の記載がない詳細は、後方トリムタンク2033に対して配置されるのと同様に、後者とバラストタンク2032との間にブラダー燃料タンク2039が区画2040に設けられることである。これはエンジンのいずれかの側にある。ブラダー燃料タンクを使用すると、固定容量の燃料タンクの場合に起こるような、燃料が枯渇した状態での潜水での望ましくない浮力を回避できる。
図1
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