(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】ガス容器ウォーマー
(51)【国際特許分類】
F17C 13/00 20060101AFI20240604BHJP
F17C 13/08 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
F17C13/00 301Z
F17C13/08 301A
(21)【出願番号】P 2022195007
(22)【出願日】2022-12-06
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】522475546
【氏名又は名称】ツリー アンド ルート カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TREE&ROOT Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】205, 68 Gangbyeonyeok-ro 4-gil, Gwangjin-gu, Seoul 05116, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ギス
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2023-0030381(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-2064600(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2064601(KR,B1)
【文献】中国実用新案第218514940(CN,U)
【文献】特開2008-106859(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0487040(KR,Y1)
【文献】国際公開第97/021961(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2130440(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1922975(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/00
F17C 13/08
F17C 13/10
F24C 3/14
B65D 83/14
B65D 83/74
B65D 55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス容器の底部に符合する曲面で構成され、底部が開いた構造であるケース;
前記ケースの外側に設けられ、ガス容器の底部に取り付け可能な磁石;
前記ケースの内部に設けられ、ガス容器に熱を伝達する発熱装置;および
前記ケースの内部に発熱装置が取り付けられた状態で、前記ケースの底部に結合される底部カバー;
を含む、ガス容器ウォーマー。
【請求項2】
前記ケースの外側に同心円をなす複数の円形放熱フィンと前記円形放熱フィンと交差する放射状放熱フィンが備えられ、前記円形放熱フィンと放射状放熱フィンとの交差構造により、熱媒体の収容が可能な収容空間が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のガス容器ウォーマー。
【請求項3】
前記発熱装置は、
プリント基板;
前記
プリント基板に連結され、前記ケースに熱を伝達するヒータ;および
前記
プリント基板に連結される温度センサ;
を含む、請求項1に記載のガス容器ウォーマー。
【請求項4】
前記発熱装置は、
前記
プリント基板と連結され、前記ケースから離れた状態で構成されるバイメタルスイッチ;
をさらに含み、
前記バイメタルスイッチは、前記ケース内部の空気の温度が設定温度より高い場合、電源を遮断することを特徴とする、請求項3に記載のガス容器ウォーマー。
【請求項5】
前記ガス容器は、
ブタンガス容器である第1ガス容器または
イソブタンガス容器である第2ガス容器であり、
前記ケースは、
第1カバーが結合された状態で前記第1ガス容器の底部に密着されるか、または第2カバーが結合された状態で前記第2ガス容器の底部に密着されることを特徴とする、請求項1に記載のガス容器ウォーマー。
【請求項6】
前記第1カバーと第2カバーはシリコンカバーであることを特徴とする、請求項5に記載のガス容器ウォーマー。
【請求項7】
前記第1ガス容器の底部と前記ケースとの間に熱媒体が充填されるか、または前記第2ガス容器の底部と前記ケースとの間に熱媒体が充填されることを特徴とする、請求項5に記載のガス容器ウォーマー。
【請求項8】
前記第1カバーは、
前記ケースの縁部を取り囲むものであって、前記第1ガス容器の底部に結合するとき、外側面が前記第1ガス容器の底部に密着して水密が成されるようにするリング状の本体;および
前記本体の一側から延びる取っ手;
を含む、請求項7に記載のガス容器ウォーマー。
【請求項9】
前記第2カバーは、
中央に貫通孔が設けられ、前記貫通孔を除いた残りの部位によって前記ケースを取り囲むものであって、前記第2ガス容器の底部に符合する曲面で構成される本体;および
前記本体の一側から延びる取っ手;
を含む、請求項7に記載のガス容器ウォーマー。
【請求項10】
前記本体は、
前記貫通孔と縁部との間に階段状の構造の同心円をなす複数の段差が設けられ、前記段差は前記第2ガス容器の底部に密着して水密を成すようにすることを特徴とする、請求項9に記載のガス容器ウォーマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブタンガス容器はもちろんイソブタンガス容器にも使用できるガス容器ウォーマーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブタンガス(butane gas)は、ブタンを主成分とする液化石油ガスである。ブタンガスは常温で5気圧程度に加圧すると液化する石油系ガスである。ブタンガスは小型ボンベなどのガス容器に圧入され、家庭やキャンプ用燃料として市販されている。
【0003】
また、イソブタンガスは、ブタンガスとプロパンガスの利点を活かして作られたもので、ブタンガス20%以内とプロパンガス80%以上を混合して作製される。イソブタンガスは零下-10度でも着火が可能なガスである。
【0004】
ブタンガスとイソブタンガスは、携帯用ガス容器に充填して登山バーナーや簡易ガスレンジに使用することができる。
【0005】
携帯用ガス容器は、外気にさらされた状態で使用されるため、冬季などの周囲温度が低い環境の場合、ガス容器に充填されたガスが周囲の低い温度によって過凝縮されて容易に気化できず、円滑な供給ができないという問題がある。
【0006】
また、携帯用ガス容器の内部に充填された液化ガスがバーナーに供給される過程で、周囲の熱を吸収してガス容器の温度が急激に低下し、内部に充填されたガスが過凝縮してガス供給が不安定になることがある。
【0007】
このため、携帯用ガス容器から噴出するガス量が減って火力が弱くなり、ガス容器の内部に残量のガスがあるにもかかわらず、火力が著しく低下したり、発火しなかったりするという問題点がある。
【0008】
ところが、従来のガス容器ウォーマーは、体積が大きいため携帯が不便であるという欠点があった。また、既存のガス容器ウォーマーには、異なる規格のガス容器を結合できる別途の装置が設けられておらず、形状の異なるブタンガス容器とイソブタンガス容器を同時に使用することができず、これによりブタンガス容器用ウォーマーとイソブタンガス容器用ウォーマーを別々に備えなければならないという煩わしさがあった。
【0009】
これに対して、本発明は、体積を最小化して携帯が容易で、ブタンガス容器はもちろんイソブタンガス容器にも使用できるガス容器ウォーマーを提示しようとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】大韓民国登録特許公報第10-1922975号(2018.11.28.公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述の問題を解決するために、本発明は、体積を最小化して携帯が簡単であり、ブタンガス容器はもちろんイソブタンガス容器にも使用できるガス容器ウォーマーを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の目的を達成するために、本発明は、ガス容器の底部に符合する曲面で構成され、底部が開いた構造であるケース;前記ケースの外側に設けられ、ガス容器の底部に取り付け可能な磁石;前記ケースの内部に設けられ、ガス容器に熱を伝達する発熱装置;および前記ケースの内部に発熱装置が取り付けられた状態で前記ケースの底部に結合される底部カバーを含むガス容器ウォーマーを提供する。
【0013】
また、前記ケースの外側に同心円をなす複数の円形放熱フィンと、前記円形放熱フィンと交差する放射状放熱フィンとが設けられ、前記円形放熱フィンと放射状放熱フィンとの交差構造により熱媒体の収容が可能な収容空間が形成される。
【0014】
なお、前記発熱装置は、プリント基板;前記プリント基板に連結され、前記ケースに熱を伝達するヒータ;および前記プリント基板に連結される温度センサを含む。
【0015】
また、前記発熱装置は、前記プリント基板と連結され、前記ケースから離れた状態で構成されるバイメタルスイッチ;をさらに含み、前記バイメタルスイッチは、前記ケースの内部の空気温度が設定温度より高い場合、電源を遮断する。
【0016】
なお、前記ガス容器は、ブタンガス容器である第1ガス容器またはイソブタンガス容器である第2ガス容器であり、前記ケースは、第1カバーが結合された状態で前記第1ガス容器の底部に密着されるか、または第2カバーが結合された状態で前記第2ガス容器の底部に密着する。
【0017】
また、前記第1カバーと第2カバーはシリコンカバーである。
【0018】
なお、前記第1ガス容器の底部と前記ケースとの間に熱媒体が充填されるか、または前記第2ガス容器の底部と前記ケースとの間に熱媒体が充填される。
【0019】
また、前記第1カバーは、前記ケースの縁部を取り囲むものであって、前記第1ガス容器の底部に結合するとき、外側面が前記第1ガス容器の底部に密着して水密になるようにするリング状の本体;および前記本体の一側から延びる取っ手を含む。
【0020】
なお、前記第2カバーは、中央に貫通孔が設けられ、前記貫通孔を除いた残りの部位によって前記ケースを取り囲むものであって、前記第2ガス容器の底部に符合する曲面で構成される本体;および前記本体の一側から延びる取っ手を含む。
【0021】
また、前記本体は、前記貫通孔と縁部との間に階段状の構造の同心円をなす複数の段差が設けられ、前記段差は、前記第2ガス容器の底部に密着して水密になるようにする。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、体積を最小化して携帯が容易である。
【0023】
また、本発明は、ガス容器ウォーマーに第1カバーを結合してブタンガス容器に用いることができる。
【0024】
なお、本発明は、ガス容器ウォーマーに第2カバーを結合してイソブタンガス容器に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の好ましい一実施形態によるケースの斜視図である。
【
図2】本発明の好ましい一実施形態によるケースの側面図である。
【
図3】本発明の好ましい一実施形態によるケースの平面図である。
【
図4】本発明の好ましい一実施形態によるケースの底面図である。
【
図6】本発明の好ましい一実施形態による第1ガス容器および第2ガス容器の図である。
【
図7】本発明の好ましい一実施形態による第1カバーの斜視図である。
【
図8】本発明の好ましい一実施形態による第1カバーの平面図である。
【
図10】本発明の好ましい一実施形態による第1ガス容器の底部にガス容器ウォーマーを結合した状態を示す図である。
【
図11】本発明の好ましい一実施形態による第2カバーの斜視図である。
【
図12】本発明の好ましい一実施形態による第2カバーの平面図である。
【
図14】本発明の好ましい一実施形態による第2ガス容器の底部にガス容器ウォーマーを結合した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付すにあたっては、同一の構成要素については、異なる図面上に表示されても可能な限り同一の符号を有するようにしていることに留意されたい。なお、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能の具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。さらに、以下に本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明の技術的思想は、これに限定または制限されず、当業者によって変更されて様々に実施され得ることは言うまでもない。
【0027】
図1は、本発明の好ましい一実施形態によるケースの斜視図であり、
図2は、本発明の好ましい一実施形態によるケースの側面図であり、
図3は、本発明の好ましい一実施形態によるケースの平面図であり、
図4は、本発明の好ましい一実施形態によるケースの底面図である。
【0028】
図1~
図4を参照すると、本発明は、熱伝達が可能な金属で構成されるケース10、ケース10の外側に設けられる磁石20、ケース10の内部に設けられる発熱装置30およびケース10の底部に結合される底部カバー40を含む。底部カバー40は、ボルトなどのような結合部材によってケース10の底部に結合されてもよい。
【0029】
具体的には、ケース10は、ガス容器の底部に向かう面がガス容器の底部に符合する曲面で構成される。ケース10の上部には結合空間14が設けられる。結合空間14に磁石20が結合される。ケース10の底部は、内部と連通する開いた構造で構成される。ケース10の底部を介して発熱装置30をケース10の内部に挿入して組み立てることができる。
【0030】
ケース10は、外側に放熱フィンが備えられてもよい。放熱フィンによってヒータ32から伝達された熱がガス容器に容易に伝達されることができる。
【0031】
放熱フィンは、円形放熱フィン11および放射状放熱フィン12を含む。円形放熱フィン11は、ケース10のガス容器の底面に向かう面に同心円をなすように複数で構成される。放射状放熱フィン12は、円形放熱フィン11と交差するように構成される。円形放熱フィン11と放射状放熱フィン12の交差構造により、収容空間13が形成されてもよい。
【0032】
収容空間13に水などのような液体の熱媒体Mが収容されてもよい。熱媒体Mは、ガス容器とケース10との間でケース10とガス容器の底部の接触面積を極大化し、ケース10の熱をガス容器に伝達する効果を極大化することができる。
【0033】
図5は、
図3のA-A線の断面図である。
図5を参照すると、発熱装置30はケース10の内部に組み立てられる。発熱装置30は、
プリント基板31、
プリント基板31と電気的に連結されるヒータ32、
プリント基板31と電気的に連結される温度センサ33、および
プリント基板31と電気的に連結されたバイメタルスイッチ34を含む。
【0034】
ヒータ32は、発熱によってケース10に熱を伝達する。ケース10に伝達された熱はガス容器に伝達することができる。温度センサ33は、ヒータ32の温度が設定温度に維持できるようにする。
【0035】
バイメタルスイッチ34は、ケース10内部の空気の温度を感知することができるように、ケース10から離れて構成されることが好ましい。例えば、バイメタルスイッチ34は、ガス容器ウォーマーの故障の発生によってケース10内部の空気の温度が設定温度より高い場合、電源を遮断する安定装置である。
【0036】
図6は、本発明の好ましい一実施形態による第1ガス容器および第2ガス容器の図である。
【0037】
図6を参照すると、ガス容器は、第1ガス容器70または第2ガス容器80であってもよい。第1ガス容器70はブタンガス容器であり、第2ガス容器80はイソブタンガス容器であってもよい。
【0038】
図7は、本発明の好ましい一実施形態による第1カバーの斜視図であり、
図8は、本発明の好ましい一実施形態による第1カバーの平面図であり、
図9は、
図8のB-B断面図である。
【0039】
図8~
図9を参照すると、ケース10は、第1カバー50が結合された状態で第1ガス容器70の底部71に密着し、第1ガス容器70の底部71とケース10との間に水などのような熱媒体Mが充填されてもよい。
【0040】
ケース10は、第2カバー60が結合された状態で、第2ガス容器80の底部81に密着し、第2ガス容器80は、底部81とケース10との間に水などの熱媒体Mが充填されてもよい。
【0041】
一例として、第1カバー50と第2カバー60は、弾性に優れたシリコンカバーで構成することが好ましい。
【0042】
第1カバー50は、第1ガス容器70専用のカバーである。第1カバー50は、本体51および取っ手52を含む。本体51はリング状に構成されてもよい。本体51はリング状に構成され、ケース10の縁部を取り囲んでもよい。本体51は、第1ガス容器70の底部71に結合するとき、外側面が第1ガス容器70の底部71に密着して水密が成されるようにすることができる。本体51の外側面には側面突起51aが設けられてもよい。側面突起51aは、第1ガス容器70の底部71に密着して水密効果を極大化することができる。
【0043】
取っ手52は、引っ張りやすいように本体51の一側から外側方向に延びて形成されてもよい。取っ手52に滑り防止のための摩擦突起52aが設けられてもよい。
【0044】
図11は、本発明の好ましい一実施形態による第2カバーの斜視図であり、
図12は、本発明の好ましい一実施形態による第2カバーの平面図であり、
図13は、
図12のC-C線断面図である。
【0045】
図11~
図13を参照すると、第2カバー80は第2ガス容器80専用のカバーである。第2カバー80は、本体61および取っ手62を含む。本体61は、貫通孔61aおよび段差61bを含む。本体61は、貫通孔61aを除いた残りの部位でケース10を取り囲んでもよい。本体61は、第2ガス容器80の底部81に符合する曲面で構成されてもよい。貫通孔61aは、本体61の中央に設けられてもよい。貫通孔61aは磁石20よりも大きく形成されることが好ましい。
【0046】
段差61bは複数で構成される。段差61bは、貫通孔61aと本体61の縁部との間に階段状の構造の同心円をなすように構成されてもよい。複数で構成される段差61bは、第2ガス容器80の底部81のサイズにかかわらず、複数で構成される段差61bのいずれか1つの段差61bが第2ガス容器80の底部81に密着して水密になるようにすることができる。
【0047】
取っ手62は、引っ張りやすいように本体61の一側から外側の方向に延びて形成されてもよい。取っ手62に滑りを防止するための摩擦突起62aが設けられてもよい。
【0048】
以下は、本発明の第1カバーの作用を説明する。
【0049】
図10は、本発明の好ましい一実施形態による第1ガス容器の底部にガス容器ウォーマーを結合した状態を示す図である。
【0050】
図10に示すように、本発明のガス容器ウォーマーに第1カバー50を結合せず、第1ガス容器70の底部71にケース10が直接密着するようにしてヒータ32の発熱によって第1ガス容器70に熱を加えてもよい。
【0051】
ケース10に磁石20が設けられており、磁石20の磁力によって第1ガス容器70にケース10を容易に取り付けることができる。ケース10は、アルミニウムなどの熱伝達に優れた金属で構成され、ヒータ32の熱を第1ガス容器70に容易に伝達することができる。
【0052】
しかし、ガス容器ウォーマーに第1カバー50を結合せず、第1ガス容器70の底部71にケース10を直接密着する場合、ケース10の一部は第1ガス容器70の底部71に密着し、ケース10の一部は第1ガス容器70の底部71に密着しないため、第1ガス容器70に伝達される熱伝達効率が低下する可能性がある。
【0053】
したがって、第1ガス容器70に熱伝達効率を極大化するために、ケース10に第1ガス容器70用の第1カバー50を結合することが好ましい。
【0054】
第1ガス容器70に熱伝達効率を極大化するために、ケース10に第1ガス容器70用の第1カバー50を結合し、第1ガス容器70の底部71とケース10との間に水などの熱媒体Mを充填する。
【0055】
具体的に、底部71が上を向くように第1ガス容器70を裏返した状態で、底部71に水などの熱媒体Mを注入する。ケース10の縁部にリング状の第1カバー50を結合した状態で、ケース10を第1ガス容器70の底部71に結合する。
【0056】
ケース10を第1ガス容器70の底部71に結合した状態で、第1ガス容器70の底部71が下を向くように再びひっくり返す。このとき、熱媒体Mは、ケース10の収容空間13に収容されてもよい。収容空間13に収容された熱媒体Mは、表面張力によって収容空間13から容易に離脱しない。
【0057】
熱媒体Mは、ケース10と第1ガス容器70の底部71との間に水膜を形成して、ケース10の第1ガス容器70の底部71に対する接触面積を極大化することができる。ヒータ32の熱がケース10と熱媒体Mを経て第1ガス容器70に円滑に伝達され、これにより第1ガス容器70の底部71の熱伝達効率を極大化することができる。
【0058】
ケース10に第1カバー50を結合するとき、第1カバー50の内周の結合溝53がケース10の縁部の結合突起15に密着結合し、側面突起51aは、第1ガス容器70の底部71に緊密に密着して完全な水密を達成することができる。
【0059】
ケース10に結合された第1カバー50は、取っ手52を引っ張ると容易に取り外すことができる。
【0060】
次は、本発明の第2カバーの作用について説明する。
【0061】
図14は、本発明の好ましい一実施形態による第2ガス容器の底部にガス容器ウォーマーを結合した状態を示す図である。
【0062】
図14に示すように、本発明のガス容器ウォーマーは、ブタンガス容器である第1ガス容器70の底部を基準にして作製されたものであるため、第1ガス容器70よりも大きいサイズのイソブタンガス容器である第2ガス容器80に使用する際には、第2ガス容器80用の第2カバー60を結合して使用することが好ましい。
【0063】
具体的には、底部81が上を向くように第2ガス容器80を裏返す。第2ガス容器80の底部81に水などの熱媒体Mを注入する。
【0064】
ケース10に第2カバー60を結合した状態で、ケース10を第2ガス容器80の底部81に結合する。ケース10を第2ガス容器80の底部81に結合した状態で、第2ガス容器80の底部81が下を向くように第2ガス容器80を再びひっくり返す。
【0065】
熱媒体Mは、ケース10の収容空間13に収容されてもよい。収容空間13に収容された熱媒体Mは、表面張力によって収容空間13から容易に離脱しない。
【0066】
充填された熱媒体Mは、ケース10と第2ガス容器80の底部81との間に水膜を形成し、ケース10の第2ガス容器80の底部81に接触面積を極大化することができる。ヒータ32の熱がケース10と熱媒体Mを経て第2ガス容器80の底部81に円滑に伝達され、これにより第2ガス容器80の熱伝達効率を最大化することができる。
【0067】
ケース10に第2カバー60を結合するとき、第2カバー60の内周の結合溝63がケース10の縁部の結合突起15に密着結合し、第2ガス容器80の底部81のサイズにかかわらず、複数で構成される段差61bのうちいずれか1つの段差61bが第2ガス容器80の底部81に緊密に密着して完全な水密を得ることができる。
【0068】
ケース10に結合された第2カバー60は、取っ手62を引っ張ると容易に取り外すことができる。
【0069】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で種々の修正、変更および置換が可能である。したがって、本発明に開示された実施形態および添付の図面は、本発明の技術思想を限定するものではなく、説明するためのものであり、そのような実施形態および添付の図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0070】
10 ・・・ケース
11 ・・・円形放熱フィン
12 ・・・放射状放熱フィン
13 ・・・収容空間
14 ・・・結合空間
15 ・・・結合突起
20 ・・・磁石
30 ・・・発熱装置
31 ・・・プリント基板
32 ・・・ヒータ
33 ・・・温度センサ
34 ・・・バイメタルスイッチ
40 ・・・底部カバー
50 ・・・第1カバー
51 ・・・本体
51a ・・・側面突起
52 ・・・取っ手
52a ・・・摩擦突起
53 ・・・結合溝
60 ・・・第2カバー
61 ・・・本体
61a ・・・貫通孔
61b ・・・段差
62 ・・・取っ手
62a ・・・摩擦突起
63 ・・・結合溝
70 ・・・第1ガス容器
71 ・・・底部
80 ・・・第2ガス容器
81 ・・・底部
M ・・・熱媒体
【要約】
【課題】本発明は、体積を最小化して携帯が簡単であり、ブタンガス容器はもちろんイソブタンガス容器にも使用できるガス容器ウォーマーを提供する。
【解決手段】本発明のガス容器ウォーマーは、ガス容器の底部に符合する曲面で構成され、底部が開いた構造であるケース;前記ケースの外側に設けられ、ガス容器の底部に取り付け可能な磁石;前記ケースの内部に設けられ、ガス容器に熱を伝達する発熱装置;および前記ケースの内部に発熱装置が取り付けられた状態で、前記ケースの底部に結合される底部カバーを含む。
【選択図】
図1