(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】パーソナライズされた安全運転支援方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240604BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240604BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20240604BHJP
B60W 40/08 20120101ALI20240604BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20240604BHJP
B60W 30/08 20120101ALI20240604BHJP
B60W 40/105 20120101ALI20240604BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/00 D
B60W50/14
B60W40/08
B60W40/02
B60W30/08
B60W40/105
(21)【出願番号】P 2022546648
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(86)【国際出願番号】 KR2020012005
(87)【国際公開番号】W WO2021251554
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0069808
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522303722
【氏名又は名称】インフォカー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120008
【氏名又は名称】山田 くみ子
(72)【発明者】
【氏名】チェ ゴソク
(72)【発明者】
【氏名】チェ ムンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ピョ ゴンホ
(72)【発明者】
【氏名】イム グクビン
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-072988(JP,A)
【文献】特開2013-149154(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0133179(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0086910(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0090644(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナライズされた安全運転支援システムが、所定の測定期間中に複数の収集対象車両のそれぞれに対して、前記収集対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を収集するステップ(ここで、Nは3以上の整数である)と、
前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、互いに直交するN軸座標系で表されるN次元空間上の標準安全領域をモデリングするステップ(ここで、前記N次元空間の各座標軸は、前記第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素のいずれかに対応する)と、
前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、所定の警報対象車両を運転する警報対象車両運転者の過去走行データに基づいて前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルを決定するステップと、
前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定するステップ(ここで、前記パーソナライズされた安全領域は、前記標準安全領域を前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて補正した領域である)と、
前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、前記警報対象車両の運行中に前記警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を定期的に取得するステップと、
前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、取得した前記警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報、及び前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域に基づいて危険の有無を判断するステップと、
を
有し、前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、互いに直交するN軸座標系で表されるN次元空間上の標準安全領域をモデリングするステップは、
前記N次元空間上の標準安全領域は、前記N次元空間の第i軸-第j軸断面上の標準安全領域によって定義され、前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との相関関係を示す回帰線を決定し、前記回帰線周辺の一定領域を前記N次元空間のi軸-j軸断面上の標準安全領域と判断するステップを含み(ここで、iは、1<=i<Nのそれぞれの整数であり、jは、i<j<=Nのそれぞれの整数である)、
前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、取得した前記警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報、及び前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域に基づいて危険の有無を判断するステップは、
前記警報対象車両に対応する第1の危険判定要素から第Nの危険判定要素に対応するN次元空間上の点が、警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域の外にある場合、危険であると判断するステップを含む、パーソナライズされた安全運転支援方法。
【請求項2】
前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定するステップは、
前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、N次元空間上の標準安全領域を拡大又は縮小し、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定するステップを備える、請求項1に記載のパーソナライズされた安全運転支援方法。
【請求項3】
前記第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素は、
運転者の注視角度、運転者の運転中スマートフォン使用履歴、車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無、車両と前方車両との車間距離、車両の車線逸脱程度を含む、請求項1に記載のパーソナライズされた安全運転支援方法。
【請求項4】
前記収集対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を収集するステップは、
前記収集対象車両に設けられたカメラから前記収集対象車両の運転者画像を収集し、収集された画像に基づいて前記収集対象車両の運転者の注視角度を判断するステップと、
前記収集対象車両の運転者のスマートフォンから運転中使用履歴を収集するステップと、
前記収集対象車両に設けられたOBD(On-Board Diagnostics)から車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無を収集するステップと、
前記収集対象車両に設けられた車間距離センサから前方車両との車間距離を収集するステップと、
前記収集対象車両に設けられた車線逸脱検知システムから前記収集対象車両の車線逸脱程度を収集するステップと、を備える、請求項
3に記載のパーソナライズされた安全運転支援方法。
【請求項5】
前記警報対象車両運転者の過去走行データは、
平均速度、急加速履歴、急停車履歴、車線変更履歴、平均車間距離の少なくとも一部を含む、請求項1に記載のパーソナライズされた安全運転支援方法。
【請求項6】
上記危険の有無を判断した結果に基づいて、警報を前記警報対象車両の運転者に出力させるステップをさらに備える、請求項1に記載のパーソナライズされた安全運転支援方法。
【請求項7】
請求項1ないし請求項
6のいずれか一項に記載の方法を行うためのコンピュータプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
情報処理装置に設けられ、請求項1ないし請求項
6のいずれか一項に記載の方法を行うためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された、コンピュータプログラム。
【請求項9】
パーソナライズされた安全運転支援システムであって、
プロセッサと、
コンピュータプログラムを格納するメモリと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサによって実行される場合、前記パーソナライズされた安全運転支援システムに請求項1ないし請求項
6のいずれか一項に記載の方法を行わせる、パーソナライズされた安全運転支援システム。
【請求項10】
所定の測定期間中に複数の収集対象車両のそれぞれに対して、前記収集対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を収集する収集モジュール(ここで、Nは3以上の整数である)と、
前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、互いに直交するN軸座標系で表されるN次元空間上の標準安全領域をモデリングするモデリングモジュール(ここで、前記N次元空間の各座標軸は、前記第1の危険判断要素から前記第Nの危険判断要素のいずれかに対応する)と、
所定の警報対象車両を運転する警報対象車両運転者の過去走行データに基づいて、前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルを決定する決定モジュールと、
前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定するパーソナライズモジュール(ここで、前記パーソナライズされた安全領域は、前記標準安全領域を前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて補正した領域である)と、
前記警報対象車両の運行中に前記警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を定期的に取得する取得モジュールと、
取得した前記警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報、及び前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域に基づいて危険の有無を判断する制御モジュールと、
を備え、
前記モデリングモジュールは、
前記N次元空間上の標準安全領域は、前記N次元空間の第i軸-第j軸断面上の標準安全領域によって定義され、前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との相関関係を示す回帰線を決定し、前記回帰線周辺の一定領域を前記N次元空間のi軸-j軸断面上の標準安全領域と判断し(ここで、iは、1<=i<Nのそれぞれの整数であり、jは、i<j<=Nのそれぞれの整数である)、
前記制御モジュールは、
前記警報対象車両に対応する第1の危険判定要素から第Nの危険判定要素に対応するN次元空間上の点が、警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域の外にある場合、危険であると判断する
パーソナライズされた安全運転支援システム。
【請求項11】
前記パーソナライズモジュールは、
前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、N次元空間上の標準安全領域を拡大又は縮小し、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定する、請求項
10に記載のパーソナライズされた安全運転支援システム。
【請求項12】
前記第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素は、
運転者の注視角度、運転者の運転中スマートフォン使用履歴、車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無、車両と前方車両との車間距離、車両の車線逸脱程度を含む、請求項
10に記載のパーソナライズされた安全運転支援方法。
【請求項13】
前記収集モジュールは、
前記収集対象車両に設けられたカメラから前記収集対象車両の運転者画像を収集し、収集された画像に基づいて前記収集対象車両の運転者の注視角度を判断し、
前記収集対象車両の運転者のスマートフォンから運転中使用履歴を収集し、
前記収集対象車両に設けられたOBD(On-Board Diagnostics)から車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無を収集し、
前記収集対象車両に設けられた車間距離センサから前方車両との車間距離を収集し、
前記収集対象車両に設けられた車線逸脱検知システムから前記収集対象車両の車線逸脱程度を収集する、請求項
12に記載のパーソナライズされた安全運転支援システム。
【請求項14】
前記警報対象車両運転者の過去走行データは、
平均速度、急加速履歴、急停車履歴、車線変更履歴、平均車間距離の少なくとも一部を含む、請求項
10に記載のパーソナライズされた安全運転支援システム。
【請求項15】
上記危険の有無を判断した結果に基づいて、警報を前記警報対象車両の運転者に出力させる警報モジュールをさらに備える、請求項
10に記載のパーソナライズされた安全運転支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナライズされた安全運転支援方法及びシステムに関する。より具体的には、個人の傾向によって危険状況を異らせるように判断することにより、パーソナライズされた安全運転情報を提供できるようにする安全運転支援システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の安全のため、様々な分野の最先端技術を用いた安全運転支援システムが市場に出ているが、単一の機器で確保される情報だけでは正確な走行状況を反映できず、実質的な交通事故減少効果が不十分な実情である。現在商用化されている安全運転支援システムは、危険状況の誤認識によるユーザの不便度が高く、装着後の未使用率が45%(米国自動車協会、2016年)に達し、安全支援機能とユーザ利便性とが相反する問題を解決するための新たな試みが必要な実情である。
【0003】
また、自動車産業は、共有車、電気自動車、自律走行、連結性などのモメンタムを活用して継続的な成長を維持し、車両で発生するデータを活用する車両データ市場も爆発的に成長し、今後10年以内に約750兆ウォンの価値を形成すると予測されている(マッキンジ報告書、2016年)。しかし、車両データ分野は、B2C観点では、正確な自律走行、安全運転情報の生成のための統合的なデータ分析プラットフォームが不足しており、B2B観点では、安全運転/経済運転観点からの運転者のスタイルを分析できるパーソナライズされたインターフェースが足りない実情である。
【0004】
従来の安全運転支援システムは、危険判断要素ごとに警告を発生し、危険の有無が曖昧な区間は安全のために警告を発生し、警告の有無に対して個人別に同じ基準を適用する特徴を有する。また、車両の安全のため、様々な分野の最先端技術を用いた安全運転支援システムが市場に出ているが、映像処理又は車両情報など単一の情報のみを用いて走行状況を分析するため、正確な走行状況を反映できないという短所があり、単一の機器で確保される情報だけでは正確な走行状況を反映できず、実質的な交通事故減少効果が不十分な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、車両運行中に取得可能な各種危険判断要素間の相関関係を分析して警告を発生し、個人別に互いに異なる警告基準を適用することにより、個人別に適切な安全運転情報を提供できるようにする、パーソナライズされた安全運転支援システム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によると、パーソナライズされた安全運転支援システムが、所定の測定期間中に複数の収集対象車両のそれぞれに対して、前記収集対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を収集するステップ(ここで、Nは3以上の整数である)と、前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、互いに直交するN軸座標系で表されるN次元空間上の標準安全領域をモデリングするステップ(ここで、前記N次元空間の各座標軸は、前記第1の危険判断要素から前記第Nの危険判断要素のいずれかに対応する)と、前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、所定の警報対象車両を運転する警報対象車両運転者の過去走行データに基づいて、前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルを決定するステップと、前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定するステップ(ここで、前記パーソナライズされた安全領域は、前記標準安全領域を前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて補正した領域である)と、前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、前記警報対象車両の運行中に前記警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を定期的に取得するステップと、前記パーソナライズされた安全運転支援システムが、取得した前記警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報、及び前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域に基づいて危険の有無を判断するステップと、を含むパーソナライズされた安全運転支援方法が提供される。
【0007】
一実施形態において、前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、互いに直交するN軸座標系で表されるN次元空間上の標準安全領域をモデリングするステップは、前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との相関関係を算出するステップ(ここで、iは、1<=i<Nのそれぞれの整数であり、jは、i<j<=Nのそれぞれの整数である)と、算出された前記第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との間(ここで、iは、1<=i<Nのそれぞれの整数であり、jは、i<j<=Nのそれぞれの整数である)の相関関係に基づいて、前記N次元空間上の標準安全領域をモデリングするステップと、を含んでもよい。
【0008】
一実施形態において、前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定するステップは、前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、N次元空間上の標準安全領域を拡張又は縮小し、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定するステップを含んでもよい。
【0009】
一実施形態において、前記第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素は、運転者の注視角度、運転者の運転中スマートフォン使用履歴、車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無、車両と前方車両との車間距離、車両の車線逸脱程度を含んでもよい。
【0010】
一実施形態において、前記収集対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を収集するステップは、前記収集対象車両に設けられたカメラから前記収集対象車両の運転者画像を収集し、収集した画像に基づいて前記収集対象車両の運転者の注視角度を判断するステップと、前記収集対象車両の運転者のスマートフォンから運転中使用履歴を収集するステップと、前記収集対象車両に設けられたOBD(On-Board Diagnostics)から車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無を収集するステップと、前記収集対象車両に設けられた車間距離センサから前方車両との車間距離を収集するステップと、前記収集対象車両に設けられた車線逸脱検知システムから前記収集対象車両の車線逸脱程度を収集するステップと、を含んでもよい。
【0011】
一実施形態において、前記警報対象車両運転者の過去走行データは、平均速度、急加速履歴、急停車履歴、車線変更履歴、平均車間距離の少なくとも一部を含んでもよい。
【0012】
一実施形態において、上記危険の有無を判断した結果に基づいて、警報を前記警報対象車両の運転者に出力させるステップをさらに含んでもよい。
【0013】
本発明の他の一態様によると、上述の方法を行うためのコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0014】
本発明の他の一態様によると、情報処理装置に設けられ、上述の方法を行うためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたコンピュータプログラムが提供される。
【0015】
本発明の他の一態様によると、パーソナライズされた安全運転支援システムであって、プロセッサと、コンピュータプログラムを格納するメモリと、を含み、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサによって実行される場合、前記パーソナライズされた安全運転支援システムに上述の方法を行わせる、パーソナライズされた安全運転支援システムが提供される。
【0016】
本発明の他の一態様によると、所定の測定期間中に複数の収集対象車両のそれぞれに対して、前記収集対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を収集する収集モジュール(ここで、Nは3以上の整数である)と、前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、互いに直交するN軸座標系で表されるN次元空間上の標準安全領域をモデリングするモデリングモジュール(ここで、前記N次元空間の各座標軸は、前記第1の危険判断要素から前記第Nの危険判断要素のいずれかに対応する)と、所定の警報対象車両を運転する警報対象車両運転者の過去走行データに基づいて、前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルを決定する決定モジュールと、警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定するパーソナライズモジュール(ここで、前記パーソナライズされた安全領域は、前記標準安全領域を前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて補正した領域である)と、前記警報対象車両の運行中に前記警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を定期的に取得する取得モジュールと、取得した前記警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報、及び前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域に基づいて危険の有無を判断する制御モジュールと、を含むパーソナライズされた安全運転支援システムが提供される。
【0017】
一実施形態において、前記モデリングモジュールは、前記測定期間中に前記複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との相関関係を算出し(ここで、iは、1<=i<Nのそれぞれの整数であり、jは、i<j<=Nのそれぞれの整数である)、算出された前記第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との間(ここで、iは、1<=i<Nのそれぞれの整数であり、jは、i<j<=Nのそれぞれの整数である)の相関関係に基づいて、前記N次元空間上の標準安全領域をモデリングしてもよい。
【0018】
一実施形態において、前記パーソナライズモジュールは、前記警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、N次元空間上の標準安全領域を拡張又は縮小し、前記警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定してもよい。
【0019】
一実施形態において、前記第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素は、運転者の注視角度、運転者の運転中スマートフォン使用履歴、車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無、車両と前方車両との車間距離、車両の車線逸脱程度を含んでもよい。
【0020】
一実施形態において、前記収集モジュールは、前記収集対象車両に設けられたカメラから前記収集対象車両の運転者画像を収集し、収集された画像に基づいて前記収集対象車両の運転者の注視角度を判断し、前記収集対象車両の運転者のスマートフォンから運転中使用履歴を収集し、前記収集対象車両に設けられたOBD(On-Board Diagnostics)から車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無を収集し、前記収集対象車両に設けられた車間距離センサから前方車両との車間距離を収集し、前記収集対象車両に設けられた車線逸脱検出システムから前記収集対象車両の車線逸脱程度を収集してもよい。
【0021】
一実施形態において、前記警報対象車両運転者の過去走行データは、平均速度、急加速履歴、急停車履歴、車線変更履歴、平均車間距離の少なくとも一部を含んでもよい。
【0022】
一実施形態において、上記危険の有無を判断した結果に基づいて、警報を前記警報対象車両の運転者に出力させる警報モジュールをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施形態によると、車両運行中に取得可能な各種危険判断要素間の相関関係を分析して警告を発生し、個人別に互いに異なる警告基準を適用することにより、個人別に適切な安全運転情報を提供できるようにする、パーソナライズされた安全運転支援システム及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の詳細な説明で引用される図面をより十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態によるパーソナライズされた安全運転支援方法の実施環境を概略的に説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるパーソナライズされた安全運転支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるパーソナライズされた安全運転支援方法の全体的な過程を示すフローチャートである。
【
図4】データ収集及び標準安全領域をモデリングするステップの具体的な過程を示すフローチャートである。
【
図5】
図4のS120の具体的な一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6aは2つの危険判断要素間の相関関係の一例を示す図であり、
図6bは
図6aの相関関係と標準安全領域との関係を示す図である。
【
図7】標準安全領域をパーソナライズするステップの具体的な過程を示すフローチャートである。
【
図8】防衛運転レベルによってパーソナライズされた安全領域が異なるように決定される例を示す図である。
【
図9】車両運行中の危険検知及び警報ステップの具体的な過程を示すフローチャートである。
【
図10】危険判断要素によって危険の有無が決定される方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、様々な置き換えを加えることができ、様々な実施形態を有することができ、特定の実施形態を図面に例示して詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものでなく、本発明の思想及び技術の範囲に含まれるすべての置き換え、等価物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。本発明の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0027】
第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、上記構成要素は上記用語によって限定されるべきではない。上記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0028】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図でない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、少なくとも1つの表現を含む。
【0029】
本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はそれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、又はそれらを組み合わせたものの存在又は追加の可能性を予め排除しないものと理解されたい。
【0030】
また、本明細書において、ある構成要素が他の構成要素にデータを「伝送」する場合は、上記構成要素は、上記他の構成要素に直接上記データを伝送してもよく、少なくとも1つのまた他の構成要素を介して上記データを上記他の構成要素に伝送してもよいことを意味する。逆に、ある構成要素が他の構成要素にデータを「直接伝送」する場合は、上記構成要素からまた他の構成要素を介することなく上記他の構成要素にデータを伝送することを意味する。
【0031】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を中心に本発明を詳細に説明する。各図に示されている同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態によるパーソナライズされた安全運転支援方法(以下、「安全運転支援方法」という)の実施環境を概略的に説明するための図である。
【0033】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による安全運転支援方法を実施するために、パーソナライズされた安全運転支援システム100(以下、「安全運転支援システム」という)が備えられてもよい。
【0034】
安全運転支援システム100は、データ処理を行うコンピューティングシステムであってもよい。例えば、安全運転支援システム100はサーバであってもよいが、これに限定されず、本発明の技術的思想による安全運転支援方法を行うことができる各種情報処理装置を含んでもよい。
【0035】
安全運転支援システム100は、車両10を運行する運転者が備えているユーザ端末20と通信を行い、本発明の技術的思想を実施するために必要な各種情報、信号及び/又はデータを送受信できる。例えば、安全運転支援システム100は、WIFI、セルラーネットワーク、及びインターネットを介して互いに連結されてもよい。
【0036】
ユーザ端末20は、ネットワーク通信機能を備えた情報処理装置であってもよい。例えば、ユーザ端末20は、デスクトップコンピュータやラップトップコンピュータ、又は携帯電話、衛星電話、無線電話、SIP(Session Initiation Protocol)、WLL(Wireless Local Loop)ステーション、スマートフォン、タブレットPC、PDA(Personal Digital Assistant)などのハンドヘルド装置を含む処理装置であってもよい。
【0037】
車両10には、OBD(On-Board Diagnostics;30)、カメラ40、車間距離センサ50、及び/又は車線逸脱検知システム60が設けられていてもよい。
【0038】
安全運転支援システム100は、車両10の運転者が所持したユーザ端末20だけでなく、車両10に設けられたOBD30、カメラ40、車間距離センサ50、及び/又は車線逸脱検知システム60から各種のデータを収集してもよい。このために、一実施形態において、
図1に示すように、ユーザ端末20は、OBD30、カメラ40、車間距離センサ50、及び/又は車線逸脱検知システム60と有無線ネットワークを介して連結され、本発明の技術的思想の実施に必要な各種の情報及び/又はデータを取得してもよく、取得した情報及び/又はデータを安全運転支援システム100に送信してもよい。
【0039】
実施形態によっては、安全運転支援システム100は、OBD30、カメラ40、車間距離センサ50、及び/又は車線逸脱検知システム60と通信ネットワークを介して連結され、ユーザ端末20を介することなく直接情報を収集するように実施されてもよいことは言うまでもない。
【0040】
一方、
図1は、説明の便宜のために、安全運転支援システム100が1台の車両10から情報を収集することを示しているが、実際は安全運転支援システム100が複数の車両からデータを収集してもよい。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態による安全運転支援システム100の概略構成を示すブロック図である。
【0042】
図2を参照すると、安全運転支援システム100は、収集モジュール110と、モデリングモジュール120と、決定モジュール130と、パーソナライズモジュール140と、取得モジュール150と、制御モジュール160と、警報モジュール170と、を含んでもよい。本発明の実施形態によっては、上述の構成要素のうち一部の構成要素は、必ずしも本発明の実施に必須な構成要素に該当しない場合もあり、実施形態によって、安全運転支援システム100は、これよりも多くの構成要素を含み得ることは言うまでもない。
【0043】
安全運転支援システム100は、本発明の技術的思想を実施するために必要なハードウェアリソース(resource)及び/又はソフトウェアを備えてもよく、必ずしも1つの物理的構成要素又は1つの装置を意味するのではない。すなわち、安全運転支援システム100は、本発明の技術的思想を実施するために備えられるハードウェア及び/又はソフトウェアの論理的な結合を意味してもよく、必要によっては、互いに離隔した装置に設けられ、それぞれの機能を行うことによって、本発明の技術的思想を実施するための論理的な構成の集合として実施されてもよい。また、安全運転支援システム100は、本発明の技術的思想を実施するための各機能又は役割ごとに別に実施される構成の集合を意味してもよい。また、本明細書におけるモジュールとは、本発明の技術的思想を実施するためのハードウェア、及びハードウェアを駆動するためのソフトウェアの機能的、構造的な結合を意味してもよい。例えば、モジュールは、特定されたコードと、特定されたコードが行われるためのハードウェアリソースの論理単位を意味してもよく、必ずしも物理的に連結されたコード又は一種のハードウェアを意味するのではないことは、本発明の技術分野における通常の技術者であれば容易に推論することができる。
【0044】
制御モジュール160は、ユーザ端末20に含まれる他の構成(例えば、収集モジュール110、モデリングモジュール120、決定モジュール130、パーソナライズモジュール140、取得モジュール150、警報モジュール170など)の機能及び/又はリソースを制御することができる。
【0045】
収集モジュール110及びモデリングモジュール120は、データ収集及び標準安全領域モデリング過程を行うことができる。
【0046】
より詳しくは、収集モジュール110は、所定の測定期間中に複数の収集対象車両のそれぞれに対して、収集対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素(ここで、Nは3以上の整数である)に関する情報を収集でき、モデリングモジュール120は、測定期間中に複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、互いに直交するN軸座標系で表されるN次元空間上の標準安全領域をモデリングしてもよい。このとき、N次元空間の各座標軸は、第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素のいずれかに対応してもよい。
【0047】
一実施形態において、第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素は、運転者の注視角度、運転者の運転中スマートフォン使用履歴、車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無、車両と前方車両との車間距離、車両の車線逸脱程度を含んでもよい。
【0048】
一実施形態において、収集モジュール110は、収集対象車両に設けられたカメラ40から収集対象車両の運転者画像を収集し、収集された画像に基づいて収集対象車両の運転者の注視角度を判断してもよい。また、収集モジュール110は、収集対象車両の運転者のスマートフォン20から運転中使用履歴を収集してもよい。また、収集モジュール110は、収集対象車両に設けられたOBD30から車両の速度、車両の角速度、車両の方向指示灯の作動有無を収集でき、収集対象車両に設けられた車間距離センサ50から前方車両との車間距離を収集でき、収集対象車両に設けられた車線逸脱検知システム60から収集対象車両の車線逸脱程度を収集してもよい。
【0049】
一実施形態において、モデリングモジュール120は、測定期間中に複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との相関関係を算出し(ここで、iは、1<=i<Nのそれぞれの整数であり、jは、i<j<=Nのそれぞれの整数である)、算出された第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との間(ここで、iは、1<=i<Nのそれぞれの整数であり、jは、i<j<=Nのそれぞれの整数である)の相関関係に基づいて、N次元空間上の標準安全領域をモデリングしてもよい。
【0050】
他の一実施形態において、モデリングモジュール120は、機械学習を通じて標準安全領域をモデリングしてもよい。例えば、標準安全領域は、ディープラーニングによって学習されたニューラルネットワークで表現されてもよく、ベイジアンロジスティック回帰方法によって学習されたベイジアンモデルなどで表現されてもよい。
【0051】
一方、決定モジュール130及びパーソナライズモジュール140は、標準安全領域をパーソナライズする過程を行ってもよい。
【0052】
より詳しくは、決定モジュール130は、所定の警報対象車両を運転する警報対象車両運転者の過去走行データに基づいて、警報対象車両運転者の防衛運転レベルを決定し、パーソナライズモジュール140は、警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定してもよい。このとき、パーソナライズされた安全領域は、標準安全領域を警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて補正した領域であってもよい。
【0053】
一実施形態において、警報対象車両運転者の過去走行データは、平均速度、急加速履歴、急停車履歴、車線変更履歴、平均車間距離の少なくとも一部を含んでもよい。
【0054】
防衛運転レベルは、運転者の防衛運転程度を等級化ないし量子化したもので、例えば、防衛的/攻撃的の2段階、防衛的/中立的/攻撃的の3段階などに区分できるが、これに限定されず、4段階以上に分けられてもよい。
【0055】
一実施形態において、パーソナライズモジュール140は、警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、N次元空間上の標準安全領域を拡張又は縮小し、警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定してもよい。
【0056】
一方、取得モジュール150、制御モジュール160、及び警報モジュール170は、車両運行中に危険検知及び警報処理を行ってもよい。
【0057】
より詳しくは、取得モジュール150は、警報対象車両の運行中に警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を定期的に取得し、制御モジュール160は、取得した警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報、及び警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域に基づいて危険の有無を判断してもよい。
【0058】
一実施形態において、制御モジュール160は、警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素によって表されるN次元空間上の地点が、警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域内にある場合は危険でないと判断し、警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素によって表されるN次元空間上の地点が、警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域外にある場合は危険であると判断してもよい。
【0059】
警報モジュール170は、上記危険の有無を判断した結果に基づいて、警報を警報対象車両の運転者に出力させてもよい。
【0060】
図3は、本発明の一実施形態によるパーソナライズされた安全運転支援方法の全体的な過程を示すフローチャートである。
【0061】
図3を参照すると、パーソナライズされた安全運転支援方法は、データ収集及び標準安全領域をモデリングするステップ(S100)、標準安全領域をパーソナライズするステップ(S200)、及び車両運行中の危険検知及び警報ステップ(S300)から構成されてもよい。
【0062】
図4は、データ収集及び標準安全領域をモデリングするステップ(S100)の具体的な過程を示すフローチャートである。
【0063】
図4を参照すると、安全運転支援システム100は、所定の測定期間中に複数の収集対象車両のそれぞれに対して、収集対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素(ここで、Nは3以上の整数である)に関する情報を収集してもよい(S110)。
【0064】
一方、安全運転支援システム100は、測定期間中に複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、互いに直交するN軸座標系で表されるN次元空間上の標準安全領域をモデリングしてもよく、N次元空間の各座標軸は、第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素のいずれかに対応してもよい。
【0065】
図5は、
図4のS120の具体的な一例を示すフローチャートである。
【0066】
図5を参照すると、安全運転支援システム100は、測定期間中に複数の収集対象車両から収集された情報に基づいて、各危険判断要素間の相関関係を算出してもよい。すなわち、安全運転支援システム100は、第1の危険判断要素と残りの危険判断要素(すなわち、第2の危険判断要素から第Nの危険判断要素)それぞれとの相関関係、第2の危険判断要素と残りの危険判断要素(すなわち、第3の危険判断要素から第Nの危険判断要素)それぞれとの相関関係、…、第N-1の危険判断要素と残りの危険判断要素(すなわち、第Nの危険判断要素)との相関関係を算出してもよい(S121からS123を参照)。
【0067】
その後、安全運転支援システム100は、算出された第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素の互いの相関関係(すなわち、第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との間(ここで、iは、1<=i<Nの各整数であり、jは、i<j<=Nの各整数である)の相関関係)に基づいて、N次元空間上の標準安全領域をモデリングしてもよい(S124)。
【0068】
図6aは、2つの危険判断要素間の相関関係の一例を示す図であり、
図6bは、
図6aの相関関係と標準安全領域との関係を示す図である。
【0069】
安全運転支援システム100は、例えば、線形回帰分析を通じて、任意の2つの危険判断要素(第iの危険判断要素及び第jの危険判断要素)間の相関関係を算出してもよく、算出された相関関係は、
図6aの回帰線1で表してもよい。
【0070】
一方、
図6bには、モデリングされたN次元空間上の標準安全領域のi軸-j軸の断面領域2が示されている(ここで、i軸は、第iの危険判断要素に対応する軸であり、j軸は、第jの危険判断要素に対応する軸である)。
【0071】
一実施形態において、モデリングされた標準安全領域のi軸-j軸の断面領域2は、
図6bに示すように、第iの危険判断要素と第jの危険判断要素との相関関係を示す回帰線(1)周辺の一定領域であってもよい。
【0072】
本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、
図6a及び
図6bのような2次元領域を例に説明した上記の内容、及び後述する例示をN次元領域に容易に拡張できるであろう。
【0073】
図7は、標準安全領域をパーソナライズするステップ(S200)の具体的な過程を示すフローチャートである。
【0074】
図7を参照すると、安全運転支援システム100は、所定の警報対象車両を運転する警報対象車両運転者の過去走行データを取得してもよい(S210)。
【0075】
その後、安全運転支援システム100の警報対象車両運転者の過去走行データに基づいて、警報対象車両運転者の防衛運転レベルを決定してもよい(S220)。例えば、安全運転支援システム100は、警報対象車両運転者の防衛運転レベルを防衛的/中立的/攻撃的のいずれかに決定してもよい。
【0076】
一方、パーソナライズされた安全運転支援システム100は、警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて、警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域を特定してもよく、このとき、パーソナライズされた安全領域は、標準安全領域を警報対象車両運転者の防衛運転レベルに基づいて補正した領域であってもよい。
【0077】
図8は、防衛運転レベルによってパーソナライズされた安全領域が異なるように決定される例を示す図である。
図8に示すように、パーソナライズされた安全運転支援システム100は、標準安全領域2を中立的なレベルの運転者に適用されるパーソナライズされた安全領域として特定してもよいが、攻撃的なレベルの運転者のパーソナライズされた安全領域は、標準安全領域2よりも狭く補正した領域3として特定してもよく、防衛的なレベルの運転者のパーソナライズされた安全領域は、標準安全領域2よりも広く補正した領域4として特定してもよい。
【0078】
図9は、車両運行中の危険検知及び警報ステップ(S300)の具体的な過程を示すフローチャートである。
【0079】
図9を参照すると、パーソナライズされた安全運転支援システム100は、警報対象車両の運行中に警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報を取得してもよい(S310)。
【0080】
パーソナライズされた安全運転支援システム100は、取得した警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素に関する情報、及び警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域に基づいて危険の有無を判断してもよく(S320)、上記危険の有無を判断した結果に基づいて、警報を警報対象車両の運転者に出力させてもよい(S330、S340を参照)。
【0081】
より具体的には、パーソナライズされた運転支援システム100は、警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素によって表されるN次元空間上の地点が、警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域内にある場合は危険でないと判断してもよく、警報対象車両に対応する第1の危険判断要素から第Nの危険判断要素によって表されるN次元空間上の地点が、警報対象車両運転者に対応するパーソナライズされた安全領域外にある場合は危険であると判断してもよい。
【0082】
図10は、危険判断要素によって危険の有無が決定される方法を説明するための図である。
【0083】
図10を参照すると、取得した第iの危険判断要素及び第jの危険判断要素が点5-1によって表される場合、点5-1は防衛的な運転者のパーソナライズされた安全領域(4)内にあるが、中立的な運転者のパーソナライズされた安全領域2、及び攻撃的な運転者のパーソナライズされた安全領域3の外にあるようになる。したがって、警報対象車両運転者の防衛運転レベルが防衛的な場合は危険でないと判断されるが、警報対象車両運転者の防衛運転レベルが中立的又は攻撃的な場合は危険であると判断できる。
【0084】
仮に、取得した第iの危険判断要素及び第jの危険判断要素が点5-2によって表される場合、点5-2は、防衛的な運転者のパーソナライズされた安全領域4及び中立的な運転者のパーソナライズされた安全領域2の内にあるが、攻撃的な運転者のパーソナライズされた安全領域3の外にあるようになる。したがって、警報対象車両運転者の防衛運転レベルが防衛的又は中立的な場合は危険でないと判断されるが、警報対象車両運転者の防衛運転レベルが攻撃的な場合は危険であると判断できる。
【0085】
一方、一実施形態によって、安全運転支援システム100は、プロセッサ、及びプロセッサによって実行されるプログラムを格納するメモリを含んでもよい。ここで、プログラムは、プロセッサによって実行される場合、本実施形態による安全運転支援システム100に、上述の視覚的オブジェクトの提供方法を行わせてもよい。
【0086】
プロセッサは、安全運転支援システム100を構成するハードウェア及び/又はソフトウェアを制御でき、CPU、GPU、MCU、マイクロプロセッサなどを含んでもよい。メモリは、例えば、フラッシュメモリ、ROM、RAM、EEROM、EPROM、EEPROM、ハードディスク、レジスタを含んでもよい。
【0087】
一方、本発明の実施形態による視覚的オブジェクトの提供方法は、コンピュータ読み取り可能なプログラム命令外観で実施され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納でき、本発明の実施形態による制御プログラム及び対象プログラムもコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納できる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られるデータが格納されるあらゆる種類の記録装置を含む。
【0088】
記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特に設計及び構成されたものであってもよく、ソフトウェア分野の当業者に公知として利用可能なものであってもよい。
【0089】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープなどの磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDなどの光記録媒体(optical media)、フロッピーディスク(floptical disk)などの磁気光学媒体(magneto-optical media)、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令を格納して実行するように特に構成されたハードウェア装置が含まれる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式によってコンピュータ読み取り可能なコードを格納して実行することができる。
【0090】
プログラム命令の例としては、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いて電子的に情報を処理する装置、例えば、コンピュータによって実行され得る高級言語コードを含まれる。
【0091】
上述のハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアモジュールとして動作するように構成でき、その逆も同様である。
【0092】
上述の本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な外観に容易に変形が可能であることを理解できるであろう。したがって、上記で説明した実施形態はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一の形で説明されている各構成要素は分散して実施されてもよく、同様に分散していると説明されている構成要素が組み合わせた外観として実施されてもよい。
【0093】
本発明の範囲は、上述の詳細な説明よりは後述の請求の範囲によって示され、請求の範囲の意味及び範囲、またその均等概念から導き出される全ての変更又は変形された外観が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、パーソナライズされた安全運転支援方法及びシステムに用いることができる。