(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】車両の故障有無を予測するための人工ニューラルネットワーク学習方法、車両の故障有無の判断方法、およびこれを行うコンピューティングシステム
(51)【国際特許分類】
G06N 3/09 20230101AFI20240604BHJP
G06F 11/07 20060101ALI20240604BHJP
G06F 11/34 20060101ALI20240604BHJP
G06F 18/214 20230101ALI20240604BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20240604BHJP
G06F 123/02 20230101ALN20240604BHJP
【FI】
G06N3/09
G06F11/07 140R
G06F11/07 151
G06F11/34 147
G06F18/214
G06N20/00 130
G06F123:02
(21)【出願番号】P 2022546651
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 KR2021010722
(87)【国際公開番号】W WO2022114453
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0164543
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522303722
【氏名又は名称】インフォカー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120008
【氏名又は名称】山田 くみ子
(72)【発明者】
【氏名】チェ ゴソク
(72)【発明者】
【氏名】チェ ムンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ピョ ゴンホ
(72)【発明者】
【氏名】イ キュヒョン
【審査官】渡辺 一帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-272375(JP,A)
【文献】国際公開第2019/185659(WO,A1)
【文献】特開2010-014498(JP,A)
【文献】国際公開第2019/141411(WO,A1)
【文献】特開2009-037533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 3/02-3/10
G06F 11/07
G06F 11/34
G06F 18/214
G06N 20/00-20/20
G06F 123/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)コンピューティングシステムが、所定の測定期間中に収集対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集するステップと、
(b)前記コンピューティングシステムが、前記測定期間中に前記収集対象車両が走行している間に発生する故障診断コード(Diagnostic Trouble Code;DTC)を収集するステップと、
(c)前記コンピューティングシステムが、前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の走行記録時系列データおよび故障診断コードに基づいて学習データセットを生成するステップと、
(d)前記コンピューティングシステムが、生成された前記学習データセットに基づいて人工ニューラルネットワークを学習するステップと、
を備え、
前記コンピューティングシステムが、前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の走行記録時系列データおよび故障診断コードに基づいて学習データセットを生成するステップは、
前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の故障診断コードの少なくとも一部である学習用故障診断コードのそれぞれについて、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを抽出するステップ(ここで、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データは、前記測定期間中に収集された走行記録時系列データのうち、前記学習用故障診断コードの収集時点から過去の一定期間に対応する部分である)と、
前記学習用故障診断コードのそれぞれについて、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成するステップ(ここで、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて生成される個別学習データには、前記学習用故障診断コードに対応する故障ラベル(trouble label)がタグ付けされる)と、
前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて時系列グラフ画像を生成するステップを備え、
前記走行記録時系列データは、複数の個別要素の時系列データから構成され、
前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて時系列グラフ画像を生成するステップは、
前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを構成する複数の個別要素の時系列データのそれぞれについて、前記個別要素の時系列データの時系列グラフを生成するステップと、
前記個別学習データを構成する複数の個別要素の時系列グラフを合成して合成データを生成するステップと、を備え、
生成された前記学習データセットに基づいて、人工ニューラルネットワークを学習するステップは、前記学習データセットに含まれる各個別学習データに対応する合成データを前記人工ニューラルネットワークに入力して前記人工ニューラルネットワークを学習するステップ
を備える人工ニューラルネットワーク学習方法。
【請求項2】
前記コンピューティングシステムが、前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の走行記録時系列データおよび故障診断コードに基づいて学習データセットを生成するステップは、
前記測定期間中に収集された走行記録時系列データで前記学習用故障診断コードのそれぞれに対応する走行記録時系列データを除いた非故障時系列データから少なくとも一部を抽出するステップと、
抽出された前記非故障時系列データの少なくとも一部を用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成するステップ(ここで、抽出された前記非故障時系列データの少なくとも一部を用いて生成される個別学習データには、非故障ラベル(non-trouble label)がタグ付けされる)と、をさらに備える、請求項
1に記載の人工ニューラルネットワーク学習方法。
【請求項3】
前記人工ニューラルネットワーク学習方法は、
前記収集対象車両と同一の車両特性を有する複数の車両のそれぞれに対して、前記(a)から前記(d)のステップを行うステップをさらに備え、前記車両特性は、車種、年式およびエンジンの種類のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の人工ニューラルネットワークの学習方法。
【請求項4】
前記走行記録時系列データは、
速度、エンジンの単位時間当たりの回転数、運転者のアクセラレーションによるペダル踏み込み量、運転者のアクセラレーションによるスロットルバルブ開度、空気内流量、タイヤ圧力と温度、バッテリー電圧、吸気圧、走行距離、残留燃料量、エンジン温度、冷却水の温度および角速度のうちの少なくとも一部の時系列データを含む、請求項1に記載の人工ニューラルネットワーク学習方法。
【請求項5】
請求項1に記載の人工ニューラルネットワーク学習方法により学習された人工ニューラルネットワークを介して車両の故障有無を予測する方法であって、
コンピューティングシステムが、所定の測定期間中に収集された予測対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集するステップと、
前記人工ニューラルネットワークが前記予測対象車両の走行記録時系列データから予測した予測値に基づいて、前記コンピューティングシステムが前記予測対象車両の故障の有無を判断するステップと、
を備える方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項
5のいずれか一項に記載の方法を行うためのコンピュータプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項7】
情報処理装置に設けられ、請求項1ないし請求項
5のいずれか一項に記載の方法を行うためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された、コンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピューティングシステムであって、
プロセッサと、
コンピュータプログラムを格納するメモリと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサによって実行される場合、前記コンピューティングシステムに請求項1ないし請求項
5のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピューティングシステム。
【請求項9】
車両の故障有無を予測するための人工ニューラルネットワークの学習を行う人工ニューラルネットワーク学習システムであって、
所定の測定期間中に収集対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集し、前記測定期間中に前記収集対象車両が走行する間に発生する故障診断コード(Diagnostic Trouble Code;DTC)を収集する収集モジュールと、
前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の走行記録時系列データおよび故障診断コードに基づいて学習データセットを生成する生成モジュールと、
生成された前記学習データセットに基づいて、人工ニューラルネットワークを学習する学習モジュールと、
を備え、
前記生成モジュールは、
前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の故障診断コードの少なくとも一部である学習用故障診断コードのそれぞれについて、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを抽出し、
前記学習用故障診断コードのそれぞれについて、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成し、
前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データは、前記測定期間中に収集された走行記録時系列データのうち、前記学習用故障診断コードの収集時点から過去の一定期間に該当する部分であり、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて生成される個別学習データは、前記学習用故障診断コードに対応する故障ラベル(trouble label)がタグ付けされ、
学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成するために、
前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて時系列グラフ画像を生成し、
前記走行記録時系列データは、複数の個別要素の時系列データから構成され、
前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて時系列グラフ画像を生成するために、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを構成する複数の個別要素の時系列データのそれぞれについて、前記個別要素の時系列データの時系列グラフを生成し、
前記学習モジュールは、
前記学習データセットに含まれる各個別学習データについて、前記個別学習データを構成する複数の個別要素の時系列グラフを合成して合成画像を生成し、生成された合成画像を前記人工ニューラルネットワークに入力して前記人工ニューラルネットワークを学習する、
人工ニューラルネットワーク学習システム。
【請求項10】
前記生成モジュールは、
前記測定期間中に収集された走行記録時系列データで前記学習用故障診断コードのそれぞれに対応する走行記録時系列データを除いた非故障時系列データから少なくとも一部を抽出し、
抽出された前記非故障時系列データの少なくとも一部を用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データをさらに生成し、
抽出された前記非故障時系列データの少なくとも一部を用いて生成された個別学習データは、非故障ラベルがタグ付けされている、請求項
9に記載の人工ニューラルネットワーク学習システム。
【請求項11】
前記人工ニューラルネットワーク学習システムは、
前記収集対象車両と同一の車両特性を有する複数の車両のそれぞれから収集された走行記録時系列データを用いて前記人工ニューラルネットワークをさらに学習し、
前記車両特性は、車種、年式およびエンジンの種類のうちの少なくとも1つである、請求項
9に記載の人工ニューラルネットワーク学習システム。
【請求項12】
請求項1に記載の人工ニューラルネットワーク学習方法により学習された人工ニューラルネットワークを介して車両の故障有無を予測する車両故障予測システムであって、
所定の測定期間中に収集された予測対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集する収集モジュールと、
前記人工ニューラルネットワークが前記予測対象車両の走行記録時系列データから予測した予測値に基づいて、前記予測対象車両の故障有無を判断する判断モジュールと、
を備える車両故障予測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の故障有無を予測するための人工ニューラルネットワーク学習方法、車両の故障有無の判断方法、およびこれを行うコンピューティングシステムに関する。より詳しくは、車両の走行中に収集できる走行記録データと故障診断データを用いて人工ニューラルネットワークを学習し、これを用いて車両の故障を予め予測できる方法およびシステムを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の故障を把握するために自動車の状態を診断するオンボード診断装置(On-Board Diagnosis;OBD)から出力されるデータを検査する。OBDは、自動車の状態を自ら診断してその結果を出力する装置である。最近生産された自動車には様々な計測と制御のためのセンサが搭載されており、これらの装置はECU(Electronic Control Unit)によって制御されている。ECUは、点火時期と燃料噴射、可変バルブタイミング、アイドリング、限界値設定などエンジンの核心機能を精密に制御し、車両とコンピュータ性能の発展とともに自動変速機制御をはじめ、駆動系、制動系、操舵系など車両におけるすべての部分を制御する役割までしている。このような電子診断システムは発展を重ね、最近、OBD2(On-Board Diagnostic version 2)と呼ばれる標準化された診断システムに定着した。OBDは、各種の情報を収集でき、これらの情報は、自動車バッテリー残量、バッテリー電圧情報、タイヤ空気圧、使用油流比、エンジン故障通知、油流消費量、走行速度/距離/時間、冷却水温度、フューエルカット/ロックアップ通知、燃費、RPM、エンジンオイル温度、残りの流量、ギア比などを含む。
【0003】
従来はOBDなどが出力する車両の状態情報を特定の数値と比較して車両の故障有無を診断していたが、このような方法は、車両が既に故障した後になってこそ車両の故障有無を把握できるという限界を有している。
【0004】
一方、ディープラーニングをはじめとする人工ニューラルネットワーク技術の発展により、一般的なアルゴリズムでは解決しにくい様々な問題を人工ニューラルネットワークを用いて解決しようとする様々な試みがある。これによって、車両の故障をあらかじめ予測する問題をディープラーニングあるいは人工ニューラルネットワーク関連技術を通じて解決しようとする要求が日々高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】大韓民国登録特許第10-2017-0076131号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、車両の走行中に収集できる走行記録データと故障診断データを用いて人工ニューラルネットワークを学習し、これを用いて車両の故障を予め予測できる方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によると、(a)コンピューティングシステムが、所定の測定期間中に収集対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集するステップと、(b)前記コンピューティングシステムが、前記測定期間中に収集対象車両が走行している間に発生する故障診断コード(Diagnostic Trouble Code;DTC)を収集するステップと、(c)前記コンピューティングシステムが、前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の走行記録時系列データおよび故障診断コードに基づいて学習データセットを生成するステップと、(d)前記コンピューティングシステムが、生成された前記学習データセットに基づいて人工ニューラルネットワークを学習するステップと、を備える人工ニューラルネットワーク学習方法が提供される。
【0008】
一実施形態において、前記コンピューティングシステムが、前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の走行記録時系列データおよび故障診断コードに基づいて学習データセットを生成するステップは、前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の故障診断コードの少なくとも一部である学習用故障診断コードのそれぞれについて、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを抽出するステップ(ここで、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データは、前記測定期間中に収集された走行記録時系列データのうち、前記学習用故障診断コードの収集時点から過去の一定期間に対応する部分である)と、前記学習用故障診断コードのそれぞれについて、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成するステップ(ここで、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて生成される個別学習データには、前記学習用故障診断コードに対応する故障ラベル(trouble label)がタグ付けされる)と、を含んでもよい。
【0009】
一実施形態において、前記コンピューティングシステムが、前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の走行記録時系列データおよび故障診断コードに基づいて学習データセットを生成するステップは、前記測定期間中に収集された走行記録時系列データで前記学習用故障診断コードのそれぞれに対応する走行記録時系列データを除いた非故障時系列データから少なくとも一部を抽出するステップと、抽出された前記非故障時系列データの少なくとも一部を用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成するステップ(ここで、抽出された前記非故障時系列データの少なくとも一部を用いて生成される個別学習データには、非故障ラベル(non-trouble label)がタグ付けされる)と、をさらに含んでもよい。
【0010】
一実施形態において、前記人工ニューラルネットワーク学習方法は、前記収集対象車両と同一の車両特性を有する複数の車両のそれぞれに対して、前記(a)ないし前記(d)のステップを行うことをさらに含み、前記車両特性は、車種、年式およびエンジンの種類のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0011】
一実施形態において、前記走行記録時系列データは、速度、エンジンの単位時間当たりの回転数、運転者のアクセラレーションによるペダル踏み込み量、運転者のアクセラレーションによるスロットルバルブ開度、空気内流量、タイヤ圧力および温度、バッテリ電圧、吸気圧力、走行距離、残留燃料量、エンジン温度、冷却水の温度、および角速度のうちの少なくとも一部の時系列データを含んでもよい。
【0012】
一実施形態において、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成するステップは、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて時系列グラフ画像を生成するステップを含んでもよい。
【0013】
一実施形態において、前記走行記録時系列データは、複数の個別要素の時系列データから構成され、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて時系列グラフ画像を生成するステップは、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを構成する複数の個別要素の時系列データのそれぞれについて、前記個別要素の時系列データの時系列グラフを生成するステップと、前記個別学習データを構成する複数の個別要素の時系列グラフを合成して合成データを生成するステップを含み、生成された前記学習データセットに基づいて人工ニューラルネットワークを学習するステップは、前記学習データセットに含まれる各個別学習データに対応する合成データを前記人工ニューラルネットワークに入力して前記人工ニューラルネットワークを学習するステップを含んでもよい。
【0014】
本発明の他の態様によると、上述した人工ニューラルネットワーク学習方法によって学習された人工ニューラルネットワークを介して車両の故障有無を予測する方法であって、コンピューティングシステムが、所定の測定期間中に収集された予測対象車両の車両状態あるいは走行状態を示す走行記録時系列データを収集するステップと、前記人工ニューラルネットワークが前記予測対象車両の走行記録時系列データから予測した予測値に基づいて、前記コンピューティングシステムが、前記予測対象車両の故障の有無を判断するステップと、を含む方法が提供される。
【0015】
本発明の他の態様によると、上述の方法を行うためのコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0016】
本発明の他の態様によると、情報処理装置に設けられ、上述の方法を行うためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたコンピュータプログラムが提供される。
【0017】
本発明の他の態様によると、コンピューティングシステムであって、プロセッサと、コンピュータプログラムを格納するメモリと、を含み、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサによって実行される場合、前記コンピューティングシステムに上記の方法を実行させるようにするコンピューティングシステムが提供される。
【0018】
本発明の他の態様によると、車両の故障有無を予測するための人工ニューラルネットワークの学習を行う人工ニューラルネットワーク学習システムであって、所定の測定期間中に収集対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集し、前記測定期間中に前記収集対象車両が走行する間に発生する故障診断コード(Diagnostic Trouble Code;DTC)を収集する収集モジュールと、前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の走行記録時系列データおよび故障診断コードに基づいて学習データセットを生成する生成モジュールと、生成された前記学習データセットに基づいて人工ニューラルネットワークを学習する学習モジュールと、を含む人工ニューラルネットワーク学習システムが提供される。
【0019】
一実施形態において、前記生成モジュールは、前記測定期間中に収集された前記収集対象車両の故障診断コードの少なくとも一部である学習用故障診断コードのそれぞれについて、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを抽出し、前記学習用故障診断コードのそれぞれについて、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成し、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データは、前記測定期間中に収集された走行記録時系列データのうち、前記学習用故障診断コードの収集時点から過去の一定期間に該当する部分であり、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて生成される個別学習データは、前記学習用故障診断コードに対応する故障ラベル(trouble label)がタグ付けされてもよい。
【0020】
一実施形態において、前記生成モジュールは、前記測定期間中に収集された走行記録時系列データから前記学習用故障診断コードのそれぞれに対応する走行記録時系列データを除いた非故障時系列データから少なくとも一部を抽出し、抽出された前記非故障時系列データの少なくとも一部を用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データをさらに生成し、抽出された前記非故障時系列データの少なくとも一部を用いて生成された個別学習データは非故障ラベル(non-trouble label)がタグ付けされてもよい。
【0021】
一実施形態において、前記人工ニューラルネットワーク学習システムは、前記収集対象車両と同一の車両特性を有する複数の車両のそれぞれから収集された走行記録時系列データを用いて前記人工ニューラルネットワークをさらに学習し、前記車両特性は、車種、年式、エンジンの種類のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0022】
一実施形態において、前記生成モジュールは、学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成するために、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて時系列グラフ画像を生成してもよい。
【0023】
一実施形態において、前記走行記録時系列データは、複数の個別要素の時系列データから構成され、前記生成モジュールは、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて時系列グラフ画像を生成するために、前記学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを構成する複数の個別要素の時系列データのそれぞれについて、前記個別要素の時系列データの時系列グラフを生成し、前記学習モジュールは、前記学習データセットに含まれる各個別学習データについて、前記個別学習データを構成する複数の個別要素の時系列グラフを合成して合成画像を生成し、生成された合成画像を前記人工ニューラルネットワークに入力して前記人工ニューラルネットワークを学習してもよい。
【0024】
本発明の他の態様によると、上述した人工ニューラルネットワーク学習方法によって学習された人工ニューラルネットワークを介して車両の故障有無を予測する車両故障予測システムであって、所定の測定期間中に収集された予測対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集する収集モジュールと、前記人工ニューラルネットワークが前記予測対象車両の走行記録時系列データから予測した予測値に基づいて、前記予測対象車両の故障有無を判断する判断モジュールと、を含む車両故障予測システムが提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によると、車両の走行中に収集できる走行記録データと故障診断データを用いて人工ニューラルネットワークを学習し、それを用いて車両の故障を予め予測できる方法およびシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の詳細な説明で引用される図面をより十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
【
図1】本発明の技術的思想による人工ニューラルネットワーク学習方法および車両故障予測方法が行われる環境を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による人工ニューラルネットワーク学習方法を説明するためのフローチャートである。
【
図3】
図2のS200の一例をより詳細に示すフローチャートである。
【
図4】(a)乃至(c)は、学習用走行記録時系列データを抽出する過程の一例を説明するための図である。
【
図5】(a)乃至(c)は、それぞれ時系列グラフ画像の一例を示す図である。
【
図6】
図5(a)乃至
図5(c)を合成した結果の一例を示している。
【
図7】
図5(a)乃至
図5(c)を互いに異なるチャネルで構成して合成データを生成した例を示している。
【
図8】本発明の一実施形態による車両故障予測方法の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態による他の人工ニューラルネットワーク学習システムの概略構成を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態による車両故障予測システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、様々な置換えを加えることができ、様々な実施形態を有することができ、特定の実施形態を図面に示し、詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定することを意図するものでなく、本発明の精神および技術の範囲に含まれるすべての置換え、等価物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。本発明の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0028】
第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、上記構成要素は上記用語によって限定されるべきではない。上記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0029】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図していない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、少なくとも1つの表現を含む。
【0030】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つまたは複数の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または追加の可能性を予め排除しないものを理解されたい。
【0031】
また、本明細書において、ある構成要素が他の構成要素にデータを「伝送」する場合は、上記構成要素は、上記他の構成要素に直接上記データを伝送してもよく、少なくとも1つのまた他の構成要素を介して上記データを他の構成要素に伝送してもよいことを意味する。逆に、ある構成要素が他の構成要素にデータを「直接伝送」する場合は、上記構成要素から他の構成要素を介することなく上記他の構成要素にデータを伝送することを意味する。
【0032】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を中心に本発明を詳細に説明する。各図に示されている同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0033】
図1は、本発明の技術的思想による人工ニューラルネットワーク学習方法および車両故障予測方法が行われる環境を概略的に示す図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による人工ニューラルネットワーク学習方法は人工ニューラルネットワーク学習システム100によって行ってもよく、本発明の一実施形態による車両故障予測方法は、車両故障予測システム200によって行ってもよい。人工ニューラルネットワーク学習システム100は、車両の故障有無を判断するための人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network)を学習してもよく、車両故障予測システム200は、学習した人工ニューラルネットワークを用いて車両の故障有無を判断してもよい。
【0035】
人工ニューラルネットワーク学習システム100および/または車両故障予測システム200は、本発明の技術的思想を実施するための演算能力を有するデータ処理装置であるコンピューティングシステムであってもよく、一般にネットワークを介してクライアントが接続可能なデータ処理装置であるサーバだけでなく、パーソナルコンピュータや携帯端末などのコンピューティング装置を含んでもよい。人工ニューラルネットワーク学習システム100および/または車両故障予測システム200は、いずれか1つの物理的装置で実施されてもよいが、必要に応じて複数の物理的装置が有機的に結合されて、本発明の技術的思想による人工ニューラルネットワーク学習システム100および/または車両故障予測システム200を実施できることを、本発明の技術分野の通常の技術者であれば容易に推論できるであろう。
【0036】
人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200は、車両10を運行する運転者が備えるユーザ端末20と通信を行い、本発明の技術的思想を実施するために必要な様々な情報、信号および/またはデータを送受信することができる。例えば、人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200とユーザ端末20とは、WIFI、セルラーネットワーク、および/またはインターネットを介して互いに接続されてもよい。または、実施形態に応じて、人工ニューラルネットワーク学習システム100および/または車両故障予測システム200は、ユーザ端末20に含まれる形態で実施されてもよい。
【0037】
ユーザ端末20は、ネットワーク通信機能を備えた情報処理装置であってもよい。例えば、ユーザ端末20は、デスクトップコンピュータやラップトップコンピュータ、または携帯電話、衛星電話、無線電話、SIP(Session Initiation Protocol)、WLL(Wireless Local Loop)ステーション、スマートフォン、タブレットPC、PDA(Personal Digital Assistant)などのハンドヘルド装置を含む処理装置であってもよい。
【0038】
車両20には、OBD(On-Board Diagnostics)装置30が設けられていてもよい。
【0039】
ODB装置30は、自動車の電気/電子的な作動状態を確認して制御するための診断規格であるOBD/OBD-IIを支援するシステムであり、車両10のエンジン制御装置(Engine Control Unit;ECU)や車両10に搭載された各種センサから車両状態または走行状態を示す各種データを取得して外部に出力してもよい。
【0040】
人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200は、車両10の運転者が所持したユーザ端末20だけでなく、車両10に設けられたOBD装置30などから各種データを収集してもよい。このために、一実施形態において、
図1に示すように、ユーザ端末20がOBD装置30と有無線ネットワークを介して接続され、本発明の技術的思想を実施するために必要な各種情報および/またはデータを取得でき、取得した情報および/またはデータを人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200に転送してもよい。
【0041】
実施形態によると、人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200は、OBD装置30と通信ネットワークを介して接続され、ユーザ端末20を介することなく直ちに情報を収集するように実施されてもよいことは言うまでもない。
【0042】
人工ニューラルネットワーク学習システム100は、車両10の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データに基づいて人工ニューラルネットワークを学習でき、車両故障予測システム200は、人工ニューラルネットワーク学習システム(100)によって予め学習された人工ニューラルネットワークに、予測しようとする車両(例えば、車両10)により収集された走行記録時系列データを適用することで、車両の故障有無を予め予測してもよい。
【0043】
本明細書において、時系列データとは、観測値が時間的順序を有するデータまたは一定時間毎に順次観測したデータを意味してもよい。
【0044】
一方、走行記録時系列データは、速度(Speed)、エンジンの単位時間当たりの回転数(例えば、1分当たりの回転数(RPM))、運転者のアクセラレーションによるペダル踏み込み量(Accelerator Position Sensor(APS))、運転者アクセラレーションにスロットルバルブ開度(Throttle Position Sensor(TPS))、空気内流量(Mass Air Flow(MAF))、タイヤ圧力と温度(Tire Pressure Monitoring System(TPMS))、バッテリ電圧(Battery Voltage(BAT))、吸気圧力(Manifold Absolute Pressure(MAP))、走行距離、残留燃料量、エンジン温度、冷却水の温度および角速度の時系列データのうち少なくとも一部を含んでもよい。
【0045】
一方、
図1は、説明の便宜のために、人工ニューラルネットワーク学習システム100が1台の車両10から情報を収集することを示しているが、実際は人工ニューラルネットワーク学習システム100は複数の車両からデータを収集してもよい。
【0046】
本明細書において、人工ニューラルネットワークは、人間のニューロンの動作原理に基づいて人工的に構築されたニューラルネットワークであり、多層パーセプトロンモデルを含み、人工ニューラルネットワークを定義する一連の設計事項を表現する情報の集合を意味してもよい。
【0047】
一実施形態において、人工ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークであるか、または畳み込みニューラルネットワークを含んでもよい。畳み込みニューラルネットワークは、よく知られているように、入力層、複数の隠れ層、および出力層を含んでもよい。複数の隠れ層の各々は、畳み込み層およびプーリング層(またはサブサンプリング層)を含んでもよい。畳み込みニューラルネットワークは、これらの各層を定義するための関数、フィルタ、ストライド(stride)、重み係数などによって定義されてもよい。さらに、出力層は、プーリー接続(fully connected)されたフィードフォワード層(FeedForward layer)として定義されてもよい。畳み込みニューラルネットワークを構成する各層固有の設計事項は広く知られている。例えば、複数のレイヤに含まれるレイヤの数、複数のレイヤを定義するための畳み込み関数、プーリング関数、活性化関数のそれぞれについて公知の関数を用いてもよく、本発明の技術的思想を実施するために別に定義された関数を用いてもよい。
【0048】
一実施形態において、人工ニューラルネットワークはバイナリ分類を行ってもよく、実施形態によっては多重分類を行ってもよい。人工ニューラルネットワークは、指導学習用のニューラルネットワークであってもよく、実施形態によっては、ラベル付けされていないデータとして学習され得る非指導学習用のニューラルネットワークであってもよい。例えば、人工ニューラルネットワークは、敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network;GAN)ベースのモデルであってもよいが、本発明の技術的思想はこれに限定されない。
【0049】
一方、学習された人工ニューラルネットワークは、車両故障予測システム200に格納されてもよく、車両故障予測システム200は、学習された人工ニューラルネットワークを用いて所定の故障予測対象車両(例えば、車両10)の故障の有無を判断してもよい。
図1では、便宜上、学習データを収集するための車両と故障予測の対象となる車両を同一として示しているが、実際の実施では学習データを収集するための車両と故障予測対象となる車両は異なっていてもよい。
【0050】
一実施形態によると、人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200は、互いに分離した形態で実施されてもよく、1つのシステムで実施されてもよい。または、人工ニューラルネットワーク学習システム100および/または車両故障予測システム200は、所定の親システムのサブシステムの形態で実施されてもよい。
【0051】
以下では、人工ニューラルネットワーク学習システム100および人工ニューラルネットワーク学習方法についてまず説明し、車両故障予測システム200および車両故障予測方法はこれらとの相違点を中心に説明する。
【0052】
図2は、本発明の一実施形態による人工ニューラルネットワーク学習方法を説明するためのフローチャートである。
【0053】
図2を参照すると、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、所定の測定期間中に収集対象車両(例えば、車両10)の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集してもよい(S100)。例えば、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、車両10の運転者のユーザ端末20またはOBD装置30から走行記録時系列データを受信してもよい。
【0054】
また、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、測定期間中に収集対象車両(例えば、10)が走行する間に発生する故障診断コード(Diagnostic Trouble Code;DTC)をさらに収集してもよい(S100)。例えば、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、車両10の運転者のユーザ端末20またはOBD装置30からDTCを受信してもよい。
【0055】
測定期間は連続期間であってもよく、不連続期間であってもよい。例えば、測定期間は、車両10が実際に走行した数回の期間であってもよい。
【0056】
DTCは、車両10のECUが提供するコードであり、車両で発生するDTCは、コード毎に車両の各種センサで感知したアクチュエータ、電源、排気ガスなどの故障や問題をユーザが分かるように表現したものであり、ユーザ(またはメンテナ)は、DTCを収集して車両の問題を修復するために用いる。DTCは通常、P1234のように1桁の文字と4桁の数字で表され、下記の意味を有する。
【0057】
-1桁目(文字):システム区分(P駆動装置、Bボディ、Cシャーシ)
-2桁目(数字):標準区分(0:SAE標準、1:メーカー標準)
-3桁目(数字):補助システム区分(1:空気/燃料、2:燃料噴射、3:点火装置、4:排気装置、5:車速制御、6:電子回路、7/8:変速機)
-3桁目および4桁目(数字):車両や車種毎に異なるように用いられたり割り当てられる値
【0058】
一実施形態によると、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、収集したDTCコードのすべてを学習に用いてもよく、一部のみを用いてもよい。例えば、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、車両の各補助システムの故障状態が分かるDTCの1桁目の文字と2桁目の数字のみを学習に用いてもよい。
【0059】
車両の故障を知らせるDTCは、故障の種類毎に区分されているため、DTC毎に異なる学習データを用いてもよい。すなわち、走行記録データを分析して特定のDTCを生成する車両データを精密化することで、DTC予測の精度を向上させることである。下記の表は、DTCコード毎に異なる学習データを用いる例を示している。
【0060】
【0061】
一方、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、測定期間中に収集された収集対象車両の走行記録時系列データおよびDTCに基づいて学習データセットを生成してもよい(S200)。学習データセットは、複数の個別学習データを含んでもよい。
【0062】
その後、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、学習データセットに基づいて人工ニューラルネットワークを学習してもよい(S300)。より詳細には、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、学習データセットに含まれる個別学習データを人工ニューラルネットワークに入力することで、人工ニューラルネットワークを学習してもよい。
【0063】
人工ニューラルネットワーク学習システム100は、測定期間中に収集された収集対象車両の走行記録時系列データの一部を抽出して、学習データセットに含まれる個別学習データを生成してもよく、これを
図3を参照して詳細に説明する。
【0064】
図3は、
図2のS200の一例をより詳細に示すフローチャートである。
【0065】
図3を参照すると、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、測定期間中に収集された全体故障診断コードのうち少なくとも一部である複数の学習用故障診断コードを選択してもよい(S220)。学習用故障診断コードは、所定の条件を満たす故障診断コードであってもよい。一実施形態において、学習用故障診断コードは、特定の桁が特定の値であるコードであってもよい。例えば、学習用故障診断コードは、1桁目がPのコードであってもよく、1桁目がPで3桁目が2のコードであってもよい。このように、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、測定期間中に収集された全故障診断コードのうち、予め設定された条件に合致する学習用故障診断コードを選択してもよい。
【0066】
人工ニューラルネットワーク学習システム100は、測定期間中に収集された収集対象車両の故障診断コードの少なくとも一部である学習用故障診断コード(C)のそれぞれに対して、S230およびS240を行ってもよい(S220)。
【0067】
S230で、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、学習用故障診断コード(C)に対応する走行記録時系列データを抽出でき、このとき、学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データは、測定期間中に収集された走行記録時系列データのうち、学習用故障診断コードの収集時点から過去の一定期間に該当する部分であってもよい(S230)。
【0068】
図4(a)は、学習用故障診断コード(C)に対応する走行記録時系列データを抽出する過程の一例を説明するための図である。
【0069】
図4(a)を参照すると、特定時点t1、t2、t3、t4で学習用故障診断コード(51、52、53、54)が発生した場合、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、測定期間中の全走行記録時系列データ(40)のうち、時点t1から一定期間d分の過去時点であるt1-dからt1までの走行記録時系列データ41を抽出し、時点t2からd分の過去時点であるt2-dからt2までの走行記録時系列データ42を抽出し、時点t3からd分の過去時点t3-dからt3までの走行記録時系列データ43を抽出し、時点t4からd分の過去時点t4-dからt4までの走行記録時系列データ44を抽出することができる。
【0070】
一方、車両の特定部分に故障が発生して該当故障に対応する故障診断コードが発生すると、当該故障が解消されるまで、当該故障診断コードはその後連続して発生し得る。したがって、一実施形態において、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、特定の故障診断コードが連続して発生した場合、最初の故障診断コードに対応する時系列データのみを抽出して個別学習データを生成するために用いてもよく、これに対する例を
図4(b)に示す。
【0071】
図4(b)を参照すると、特定時点t1、t2、t3、t4で学習用故障診断コード(51、52、53、54)が最初に発生した場合、該当時点以降に同じ故障診断コードが連続して発生したとしても、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、特定時点t1、t2、t3、t4で発生した故障診断コード(51、52、53、54)に対応する走行記録時系列データ(41、42、43、44)のみを抽出することができる。この場合、特定の故障診断コードが最初に発生したということは、当該故障診断コードが以前に発生したことがないか、または当該診断コードが以前に最後に発生してから十分な期間が経過したことを意味する。
【0072】
一方、実施形態によると、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、学習用故障診断コードが発生した過去の一定時点の代わりに、学習用故障診断コードの発生時点前後の一定時点の時系列データを抽出してもよい。
【0073】
再び
図3を参照すると、S240において、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、学習用故障診断コード(C)に対応する走行記録時系列データを用いて、前記学習データセットに含まれる個別学習データを生成してもよい(S240)。
【0074】
このとき、学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データを用いて生成される個別学習データには、学習用故障診断コードに対応する故障ラベル(trouble label)がタグ付けされてもよい。仮に、人工ニューラルネットワーク学習システム100が車両の各補助システムの故障の有無を学習するシステムである場合、車両の各補助システムの故障状態は、DTCの1桁目の文字と3桁目の数字によって表されるので、DTCの1桁目の文字と3桁目の数字で表される下記の故障ラベルのいずれかがタグ付けされる。
【0075】
-P1からP8:駆動装置の補助システムに発生し得る故障ラベル
-B1からB8:ボディの補助システムに発生し得る故障ラベル
-C1からC8:シャーシの補助システムに発生し得る故障ラベル
(1:空気/燃料、2:燃料噴射、3:点火装置、4:排気装置、5:車速制御、6:電子回路、7/8:変速機)
【0076】
仮に、人工ニューラルネットワーク学習システム100が駆動装置の補助システムの故障の有無を学習するシステムである場合、故障ラベルはP1からP8のいずれかであり得る。
【0077】
一方、一実施形態において、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、測定期間中に収集された走行記録時系列データで学習用故障診断コードのそれぞれに対応する走行記録時系列データを除いた非故障時系列データから少なくとも一部をさらに抽出し(S250)、抽出された非故障時系列データの少なくとも一部を用いて、学習データセットに含まれる個別学習データをさらに生成してもよい(S260)。この場合、非故障時系列データの少なくとも一部を用いて生成された個別学習データには、非故障ラベルがタグ付けされてもよい。
【0078】
図4(c)は、非故障時系列データを抽出する過程の一例を説明するための図である。
【0079】
図4(c)を参照すると、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、測定期間中の全走行記録時系列データ(40)のうち、先に抽出した学習用故障診断コードのそれぞれに対応する走行記録時系列データ(41、42、43、44)を除いた残りの部分から、期間dに対応する部分(例えば、45、46、47、48)を非故障時系列データとして抽出してもよい。
【0080】
一方、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、抽出した時系列データ(学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データおよび/または非故障時系列データ)に対する別途の加工をせずにそのまま個別学習データとして用いてもよいが、多くの実施形態で、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、抽出した時系列データを人工ニューラルネットワークの入力層に入力するに適したフォーマットまたは形式に変換して個別データを生成してもよい。
【0081】
一実施形態において、人工ニューラルネットワーク学習システム100が学習しようとする人工ニューラルネットワークが画像などのマトリックス形態のデータを入力されるモデルである場合、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、画像形態の個別学習データを生成できる。すなわち、
図3のS240および/またはS260で生成される個別学習データは画像の形態であってもよい。
【0082】
より詳しくは、一実施形態において、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、学習用故障診断コードに対応する走行記録時系列データおよび/または非故障時系列データを用いて時系列グラフ画像を生成することができ、このとき、各時系列データに対応する個別学習データは、時系列グラフ画像であってもよい。
【0083】
図5(a)乃至
図5(c)は、それぞれ時系列グラフ画像の一例を示す図である。
図5(a)乃至
図5(c)のそれぞれは、走行記録データを構成する特定要素の観測値をy軸に表現し、観測時刻をx軸に表現したグラフを画像で表現したものである。
【0084】
一方、走行記録時系列データが複数の要素の時系列データで構成されている場合、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、特定の1つの要素の時系列データに対応する時系列グラフ画像のみを生成し、それを個別学習データとして用いてもよい。
【0085】
あるいは、実施形態によると、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、走行記録時系列データを構成する複数の要素のそれぞれの時系列データの時系列グラフ画像を生成し、生成した複数の要素のそれぞれの時系列グラフ画像を合成してそれを個別学習データとして用いてもよい。この場合、生成した様々な要素のそれぞれの時系列グラフ画像のサイズは同じであってもよい。
【0086】
走行記録時系列データを構成する様々な要素のそれぞれの時系列グラフ画像を合成する方法は様々であってもよい。
【0087】
一実施形態において、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、走行記録時系列データを構成する複数の要素のそれぞれの時系列グラフ画像を構成する各画素で1つの画像を構成する方式で時系列グラフ画像を合成でき、その例を
図6に示す。
図6は、
図5(a)乃至
図5(c)をこのように合成した結果を示している。
【0088】
他の実施形態において、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、走行記録時系列データを構成する様々な要素の時系列グラフ画像のそれぞれを互いに異なるチャネルで構成してもよい。例えば、3つの要素それぞれの時系列グラフ画像が生成された場合、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、第1の要素の時系列グラフ画像で合成データの第1のチャネルを構成してもよく、第2の要素の時系列グラフ画像で合成データの第2のチャネルを構成してもよく、第3の要素の時系列グラフ画像で合成データの第3のチャネルを構成してもよい。
図7は、
図5(a)乃至
図5(c)をこのように合成した結果を示している。
【0089】
図7を参照すると、第1の要素の時系列グラフ画像(
図5(a))は合成データ70の第1のチャネル71を構成し、第2の要素の時系列グラフ画像(
図5(b))は合成データの第2のチャネル72を構成し、第3要素の時系列グラフ画像(
図5(c))は合成データの第3のチャネル73を構成し、人工ニューラルネットワーク学習システム100)は、このように3チャネルからなる合成データ70を人工ニューラルネットワーク60に入力することで、人工ニューラルネットワーク60を学習できる。
【0090】
一方、走行記録時系列データを構成する個別要素は、速度、エンジンの単位時間当たりの回転数、運転者のアクセラレーションによるペダル踏み込み量、運転者のアクセラレーションによるスロットルバルブ開度、空気内流量、タイヤ圧力および温度、バッテリ電圧、吸気圧力、走行距離、残留燃料量、エンジン温度、冷却水の温度、角速度のうちの少なくとも一部であってもよい。
【0091】
先立って、
図2ないし
図7を参照して説明したのは、一台の車両から収集されたデータより学習データを生成し、これを人工ニューラルネットワーク60に入力して学習する内容に関するものであり、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、人工ニューラルネットワーク60を学習するために、複数の車両を対象に時系列データを収集して
図2の過程を複数回繰り返してもよい。すなわち、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、複数の収集対象車両から走行記録時系列データおよび故障診断コードを取得し、それに基づいて生成された学習データセットで人工ニューラルネットワーク60を学習できる。
【0092】
車両で発生する故障診断データと走行記録データは、車両の種類や運転者の運転スタイルに応じて可変性がある。すなわち、車両の種類や運転者の運転スタイルなどを考慮して人工ニューラルネットワーク学習用データを構成すると、車両故障予測システムの精度を向上させることができる。例えば、個人がほぼ一人で運転する車両の故障有無を予測するために、IDと車台番号が同じ故障診断データと走行記録データを人工ニューラルネットワーク学習用として用いると、車両故障の予測精度を向上させることができる。また、万が一特定車種に対して共通に適用される車両の故障有無を予測する場合は、車種、年式またはエンジン種類など、車両の特性毎に区分して、故障診断データと走行記録データを収集して人工ニューラルネットワーク学習用データとして用いると、車両故障の予測精度を向上させることができる。
【0093】
このような理由から、一実施形態による人工ニューラルネットワーク学習システム100は、同一の車両特性を有する複数の収集対象車両から走行記録時系列データおよび故障診断コードを取得して人工ニューラルネットワーク60を学習でき、車両特性は、車種、年式およびエンジンの種類のうちの少なくとも1つであってもよい。例えば、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、人工ニューラルネットワーク60の学習目的によって、同じ車種の複数の車両から走行記録時系列データおよび故障診断コードを取得するか、または同じエンジン種類を有する複数の車両から走行記録時系列データおよび故障診断コードを取得してもよい。
【0094】
図8は、本発明の一実施形態による車両故障予測方法の一例を示すフローチャートである。
図8による車両故障予測方法は、車両故障予測システム200によって行われてもよく、車両故障予測システム200は、人工ニューラルネットワーク学習システム100によって学習された人工ニューラルネットワーク60が格納されていてもよい。
【0095】
図8を参照すると、車両故障予測システム200は、所定の測定期間中に収集された予測対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集してもよい(S400)。
【0096】
車両故障予測システム200は、収集された走行記録データに対応する入力データを生成してもよい(S500)。このとき、車両故障予測システム200が生成するデータの形態は、人工ニューラルネットワーク学習システム100が人工ニューラルネットワーク60を学習するために人工ニューラルネットワーク60に入力するデータと同じフォーマットまたは形態であってもよい。
【0097】
走行記録時系列データに対応する入力データを生成する過程は、先立って
図6および
図7を参照して説明した過程と非常に類似しているので、説明を省略する。
【0098】
車両故障予測システム200は、人工ニューラルネットワーク60が予測対象車両の走行記録時系列データから生成した入力データから予測した予測値に基づいて、予測対象車両の故障の有無を判断してもよい(S600)。
【0099】
一方、車両故障予測システム200は、予測対象車両のユーザ端末に予測結果を転送することができる。
【0100】
図9は、本発明の一実施形態による他の人工ニューラルネットワーク学習システム100の概略構成を示す図であり、
図10は、本発明の一実施形態による車両故障予測システム200の概略構成を示す図である。
【0101】
人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200は、本発明の技術的思想を実施するために必要なハードウェアリソース(resource)および/またはソフトウェアを含む論理構成を意味してもよく、必ずしも1つの物理的な構成要素を意味したり、1つのデバイスを意味するわけではない。すなわち、人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200は、本発明の技術的思想を実施するために備えられたハードウェアおよび/またはソフトウェアの論理的結合を意味してもよく、必要に応じて互いに離隔した装置に設置されて各機能を行うことによって、本発明の技術的思想を実施するための論理構成の集合として実施されてもよい。さらに、人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200は、本発明の技術的思想を実施するための各機能または役割別に別々に実施される構成の集合を意味してもよい。人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200の各構成は、互いに異なる物理装置に位置してもよく、同じ物理装置に位置してもよい。さらに、実施形態によると、人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200の構成要素のそれぞれを構成するソフトウェアおよび/またはハードウェアの結合も、互いに異なる物理デバイスに位置し、互いに異なる物理装置に位置する構成が互いに有機的に結合されて各モジュールを実施してもよい。
【0102】
また、本明細書においてモジュールとは、本発明の技術的思想を行うためのハードウェアと、ハードウェアを駆動するためのソフトウェアとの機能的、構造的結合を意味してもよい。例えば、モジュールは、所定のコードと、所定のコードを実行するためのハードウェアリソースの論理的な単位を意味でき、必ずしも物理的に接続されたコードを意味するか、または一種のハードウェアを意味するわけではないことは、本発明の技術分野の通常の技術者であれば容易に推論し得る。
【0103】
図9を参照すると、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、格納モジュール110、収集モジュール120、生成モジュール130、および学習モジュール140を含んでもよい。本発明の実施形態によっては、上述した構成要素のうちの一部の構成要素は、必ずしも本発明の実施に必須な構成要素に該当しなくてもよく、また、実施形態によって、人工ニューラルネットワーク学習システム100)は、これより多くの構成要素を含んでもよいことは言うまでもない。例えば、人工ニューラルネットワーク学習システム100は、ユーザ端末20と通信するための通信モジュール(図示せず)、人工ニューラルネットワーク学習システム100の構成要素およびリソースを制御するための制御モジュール(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0104】
格納モジュール110は、学習される人工ニューラルネットワーク60を格納することができる。
【0105】
収集モジュール120は、所定の測定期間中に収集対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集し、測定期間中に収集対象車両が走行する間に発生する故障診断コードを収集できる。
【0106】
生成モジュール130は、測定期間中に収集された収集対象車両の走行記録時系列データおよび故障診断コードに基づいて学習データセットを生成できる。
【0107】
学習モジュール140は、生成された学習データセットに基づいて人工ニューラルネットワークを学習できる。
【0108】
図11を参照すると、車両故障予測システム200は、格納モジュール210、収集モジュール220、生成モジュール230、および判断モジュール240を含んでもよい。本発明の実施形態によっては、上述の構成要素のうちの一部の構成要素は、必ずしも本発明の実施に必須な構成要素に対応しなくてもよく、また実施形態によって車両故障予測システム200は、これよりも多くの構成要素を含んでもよいことは言うまでもない。例えば、車両故障予測システム200は、ユーザ端末20と通信するための通信モジュール(図示せず)、車両故障予測システム200の構成要素およびリソースを制御するための制御モジュール(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0109】
格納モジュール210は、学習された人工ニューラルネットワーク60を格納することができる。
【0110】
収集モジュール220は、所定の測定期間中に収集された予測対象車両の車両状態または走行状態を示す走行記録時系列データを収集することができる。
【0111】
生成モジュール230は、予測対象車両の走行記録時系列データに基づいて人工ニューラルネットワーク60に入力する入力データを生成することができる。
【0112】
判断モジュール240は、人工ニューラルネットワーク60が予測対象車両の走行記録時系列データから予測した予測値に基づいて予測対象車両の故障の有無を判断することができる。
【0113】
一方、実施形態によると、人工ニューラルネットワーク学習システム100および車両故障予測システム200は、プロセッサおよびプロセッサによって実行されるプログラムを格納するメモリを含んでもよい。プロセッサは、シングルコアCPUまたはマルチコアCPUを含んでもよい。メモリは、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、1つ以上の磁気ディスク格納装置、フラッシュメモリデバイス、またはその他の不揮発性固体状態メモリデバイスなどの不揮発性メモリを含んでもよい。プロセッサおよびその他の構成要素によるメモリへのアクセスは、メモリコントローラによって制御されてもよい。
【0114】
一方、本発明の実施形態による方法は、コンピュータ読み取り可能なプログラム命令の外観で実施され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納でき、本発明の実施形態による制御プログラムおよび対象プログラムもコンピュー読み取り可能な記録媒体に格納できる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取ることができるデータが格納されるあらゆる種類の記録装置を含む。
【0115】
記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計および構成されたものであってもよく、ソフトウェア分野の当業者に公知として使用可能なものであってもよい。
【0116】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープなどの磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDなどの光記録媒体(magnetic media)、フロプティカルディスク(floptical disk)、例えば、磁気光学媒体(magnetic media)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのプログラム命令を格納および実行するように特に構成されたハードウェア装置が含まれる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータ読み取り可能なコードを格納されて実行され得る。
【0117】
プログラム命令の例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いて電子的に情報を処理する装置、例えばコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。
【0118】
上述のハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアモジュールとして動作するように構成することができ、その逆も同様である。
【0119】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な外観に容易に変形が可能であることが理解できるであろう。したがって、上記で説明した実施形態はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一の形で説明されている各構成要素は分散して実施でき、同様に分散されたものと記載されている構成要素も組み合わせた外観で実施できる。
【0120】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明でなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、およびその均等概念から導き出される全ての変更又は変形された外観が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、車両の故障有無を予測するための人工ニューラルネットワーク学習方法、車両の故障有無の判断方法、およびこれを行うコンピューティングシステムに用いることができる。