(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/12 20170101AFI20240604BHJP
G06T 5/50 20060101ALI20240604BHJP
A41H 43/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G06T7/12
G06T5/50
A41H43/00 D
(21)【出願番号】P 2023062900
(22)【出願日】2023-04-07
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】515199389
【氏名又は名称】株式会社エー・ディー・ピー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三ッ井 清明
【審査官】小池 正彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-171802(JP,A)
【文献】特開平01-250465(JP,A)
【文献】特開2003-087643(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0287129(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/12
G06T 5/50
A41H 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得する取得部と、
前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャする制御部と、
を備え
、
前記制御部は、前記複数のパーツそれぞれで前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした複数の画像を前記製品の配置に対応して配置した複合画像を前記表示部に表示させる、
情報処理装置。
【請求項2】
複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得する取得部と、
前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャする制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記特定のパーツに応じた前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした画像とともに次のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を前記製品の配置に対応して前記表示部に表示させる、
情報処理装置。
【請求項3】
複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得し、
前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャ
し、
前記複数のパーツそれぞれで前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした複数の画像を前記製品の配置に対応して配置した複合画像を前記表示部に表示させる、
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得し、
前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャ
し、
前記複数のパーツそれぞれで前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした複数の画像を前記製品の配置に対応して配置した複合画像を前記表示部に表示させる、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項5】
複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得し、
前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャし、
前記特定のパーツに応じた前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした画像とともに次のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を前記製品の配置に対応して前記表示部に表示させる、
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得し、
前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャし、
前記特定のパーツに応じた前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした画像とともに次のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を前記製品の配置に対応して前記表示部に表示させる、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、任意の被写体画像に対し、比較的簡単な処理を行うことにより、適切な漫画調画像を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、Tシャツ及びワイシャツ等の製品にオリジナルのデザインをプリントする技術がある。しかし、ユーザが製品のデザインを行うためには、所定のアプリケーションを利用しなければならず、当該アプリケーションに精通していないユーザには製品のデザインを行うハードルが高かった。
【0005】
そこで、本開示は、ユーザがカメラで撮影した撮影画像を製品のデザインに用いることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様の情報処理装置は、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得する取得部と、前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャする制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のパーツそれぞれで前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした複数の画像を前記製品の配置に対応して配置した複合画像を前記表示部に表示させる。
【0007】
第1態様の情報処理装置では、取得部は、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得する。そして、制御部は、複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に輪郭内に写る画像をキャプチャする。これにより、当該情報処理装置によれば、ユーザがカメラで撮影した撮影画像を製品のデザインに用いることができる。
また、第1態様の情報処理装置では、制御部は、複数のパーツそれぞれでカメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした複数の画像を製品の配置に対応して配置した複合画像を表示部に表示させる。これにより、当該情報処理装置によれば、各パーツに施したデザインが組み合わされた製品デザインをユーザに把握させることができる。
また、第2態様の情報処理装置は、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得する取得部と、前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャする制御部と、を備え、前記制御部は、前記特定のパーツに応じた前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした画像とともに次のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を前記製品の配置に対応して前記表示部に表示させる。
第2態様の情報処理装置では、制御部は、特定のパーツに応じたカメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした画像とともに次のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭を製品の配置に対応して表示部に表示させる。これにより、当該情報処理装置によれば、特定のパーツに施したデザインを確認しつつ、次のパーツに施すデザインをユーザに検討させることができる。
【0008】
他の態様の情報処理装置は、前記制御部は、前記表示部において、前記輪郭内にのみ前記カメラによる撮影画像を表示させる。
【0009】
他の態様の情報処理装置では、制御部は、表示部において、輪郭情報が示す輪郭内にのみカメラによる撮影画像を表示させる。これにより、当該情報処理装置によれば、輪郭情報が示す輪郭外にカメラによる撮影画像が表示されないことで、製品デザインを検討する際に余計な視覚情報をユーザに与えることを抑制できる。
【0014】
他の態様の情報処理装置は、前記制御部は、前記カメラによる撮影画像に所定の禁止パターンが含まれる場合、前記禁止パターンが含まれる撮影画像のキャプチャを禁止する。
【0015】
他の態様の情報処理装置では、制御部は、カメラによる撮影画像に所定の禁止パターンが含まれる場合、禁止パターンが含まれる撮影画像のキャプチャを禁止する。これにより、当該情報処理装置によれば、所定の禁止パターンが含まれる製品が製作されることを抑制できる。
【0016】
第3態様の情報処理方法は、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得し、前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャし、前記複数のパーツそれぞれで前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした複数の画像を前記製品の配置に対応して配置した複合画像を前記表示部に表示させる、処理をコンピュータが実行する。
【0017】
第4態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得し、前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャし、前記複数のパーツそれぞれで前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした複数の画像を前記製品の配置に対応して配置した複合画像を前記表示部に表示させる、処理を実行させる。
第5態様の情報処理方法は、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得し、前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャし、前記特定のパーツに応じた前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした画像とともに次のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を前記製品の配置に対応して前記表示部に表示させる、処理をコンピュータが実行する。
第6態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得し、前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャし、前記特定のパーツに応じた前記カメラによる撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした画像とともに次のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を前記製品の配置に対応して前記表示部に表示させる、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムでは、ユーザがカメラで撮影した撮影画像を製品のデザインに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】スマートフォンのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】スマートフォンの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図3】キャプチャ処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】Tシャツを構成する各パーツの輪郭情報を説明する説明図である。
【
図5】スマートフォンの表示部に表示される第1の表示例である。
【
図6】スマートフォンの表示部に表示される第2の表示例である。
【
図7】スマートフォンの表示部に表示される第3の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本実施形態に係るスマートフォン20について説明する。
まず、スマートフォン20のハードウェア構成を説明する。
図1は、スマートフォン20のハードウェア構成を示すブロック図である。スマートフォン20は「情報処理装置」の一例である。
【0021】
図1に示すように、スマートフォン20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶部24、入力部25、表示部26、カメラ27、及び通信部28を備えている。各構成は、バス29を介して相互に通信可能に接続されている。
【0022】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又は記憶部24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又は記憶部24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0023】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0024】
記憶部24は、eMMC(embedded Multi Media Card)又はUFS(Universal Flash Storage)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。記憶部24には、CPU21に後述するキャプチャ処理を実行させるための情報処理プログラム24Aが格納されている。
【0025】
入力部25は、各種ボタン及びマイク等を含み、各種の入力を行うために使用される。表示部26は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。表示部26は「表示部」の一例である。
【0026】
カメラ27は、一例として、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を用いて撮影を行う撮影装置である。カメラ27は「カメラ」の一例である。
【0027】
通信部28は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、Bluetooth(登録商標)、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0028】
次に、スマートフォン20の機能構成について説明する。
図2は、スマートフォン20の機能構成の例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、スマートフォン20のCPU21は、機能構成として、取得部21A及び制御部21Bを有する。各機能構成は、CPU21が記憶部24に記憶された情報処理プログラム24Aを読み出し、実行することにより実現される。
【0030】
取得部21Aは、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得する。
【0031】
製品は、例えば、Tシャツ、ワイシャツ、バッグ、アロハシャツ、ネクタイ、及びペンケース等であり、特に限定されない。パーツは、製品を構成する一部分である。例えば、製品がTシャツである場合は、前身頃、後身頃、右袖、左袖、及び衿等がパーツとなる。
【0032】
ここで、スマートフォン20には、製品のデザインを行うためのアプリケーション(以下、「デザインアプリ」とする)がインストールされている。デザインアプリには、輪郭情報が予め登録されている。そのため、取得部21Aは、デザインアプリが実行されたことに基づいて、デザインアプリの所定の記憶領域から輪郭情報を取得する。
【0033】
制御部21Bは、製品を構成する複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭を表示部26に表示させ、カメラ27による撮影が行われた場合に輪郭内に写る画像を当該輪郭とともにキャプチャする。特定のパーツは、複数のパーツの中でカメラ27による撮影画像のキャプチャ対象となる一のパーツである。なお、複数のパーツの各パーツが特定のパーツとなる順序は、製品毎に予め定義されている。
【0034】
ここで、制御部21Bが輪郭内に写る画像を当該輪郭とともにキャプチャした場合、キャプチャした画像の画像データは、デザインアプリの所定の記憶領域に保存される。
【0035】
また、制御部21Bは、特定のパーツに応じたカメラ27による撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした画像とともに次のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭を製品の配置に対応して表示部26に表示させる。ここでの「次のパーツ」とは、直前にキャプチャ対象となった上記の特定のパーツの次にキャプチャ対象となる一のパーツである。例えば、製品がTシャツである場合、制御部21Bは、前身頃の輪郭内に写る画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした前身頃の画像とともに、右袖に応じた輪郭情報が示す輪郭を前身頃の画像に接続した状態で表示部26に表示させる。
【0036】
ここで、制御部21Bは、表示部26において、特定のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭内にのみカメラ27による撮影画像を表示させる。
【0037】
そして、制御部21Bは、製品を構成する複数のパーツそれぞれでカメラ27による撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした複数の画像を製品の配置に対応して配置した複合画像を表示部26に表示させる。例えば、製品がTシャツである場合、制御部21Bは、前身頃の画像に右袖及び左袖等の画像が接続された状態の複合画像を表示部26に表示させる。
【0038】
なお、制御部21Bは、カメラ27による撮影画像に所定の禁止パターンが含まれる場合、当該禁止パターンが含まれる撮影画像のキャプチャを禁止する。禁止パターンは、登録商標である文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、特定の人物を識別可能な情報(例:顔の画像)、及び公序良俗に反する情報等を含む。禁止パターンは、予めデザインアプリに登録されており、パターンの追加又は削除等の更新が可能となっている。
【0039】
図3は、製品を構成する各パーツの輪郭情報が示す輪郭内に写る画像を当該輪郭とともにキャプチャするキャプチャ処理の流れを示すフローチャートである。CPU21が記憶部24から情報処理プログラム24Aを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、キャプチャ処理が行われる。キャプチャ処理は、一例として、スマートフォン20においてデザインアプリが実行され、デザインアプリに対する予め定めた操作が行われた場合に開始される。
【0040】
図3に示すステップS10において、CPU21は、デザインアプリの所定の記憶領域から、製品を構成する各パーツの輪郭情報を取得する。そして、CPU21は、ステップS11に進む。
【0041】
ステップS11において、CPU21は、ステップS10で取得した輪郭情報の中から、特定のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭を表示部26に表示させる。そして、CPU21は、ステップS12に進む。
【0042】
ステップS12において、CPU21は、ユーザによるキャプチャ操作が行われたか否かを判定する。ここで、CPU21は、キャプチャ操作が行われたと判定した場合(ステップS12:YES)、ステップS13に進む。一方、CPU21は、キャプチャ操作が行われたと判定しない場合(ステップS12:NO)、キャプチャ操作が行われるまで待機する。一例として、CPU21は、後述するキャプチャ画面でキャプチャボタン52(
図5及び
図6参照)の操作が行われた場合に、キャプチャ操作が行われたと判定する。
【0043】
ステップS13において、CPU21は、特定のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭内に写る画像を当該輪郭とともにキャプチャする。そして、CPU21は、ステップS14に進む。
【0044】
ステップS14において、CPU21は、ステップS10で取得した輪郭情報の中にカメラ27による撮影画像のキャプチャが終了していない未処理のパーツはないか否かを判定する。ここで、CPU21は、未処理のパーツはないと判定した場合(ステップS14:YES)、ステップS15に進む。一方、CPU21は、未処理のパーツはないと判定しない場合(ステップS14:NO)、ステップS11に戻る。
【0045】
ステップS15において、CPU21は、ステップS14までにキャプチャした複数の画像を製品の配置に対応して配置した複合画像を表示部26に表示させる。そして、CPU21は、キャプチャ処理を終了する。
【0046】
次に、
図3に示すキャプチャ処理に基づく表示例について説明する。なお、以下では、製品をTシャツとした場合を例に説明する。
【0047】
図4は、Tシャツを構成する各パーツの輪郭情報を説明する説明図である。
図4に示すように、Tシャツを構成する各パーツの輪郭情報は、前身頃情報40、右袖情報42、左袖情報44、及び後身頃情報46を含んで構成されている。
【0048】
前身頃情報40は、Tシャツを構成する各パーツのうち、前身頃の輪郭を示している。右袖情報42は、上記各パーツのうち、右袖の輪郭を示している。左袖情報44は、上記各パーツのうち、左袖の輪郭を示している。後身頃情報46は、上記各パーツのうち、後身頃の輪郭を示している。
【0049】
なお、
図4に示す前身頃情報40、右袖情報42、左袖情報44、及び後身頃情報46の輪郭はあくまで一例であり、これらと異なる輪郭で各情報を構成してもよい。つまり、前身頃情報40、右袖情報42、左袖情報44、及び後身頃情報46が示す各輪郭の形状及び寸法は限定されない。また、Tシャツを構成する各パーツの輪郭情報は、前身頃情報40、右袖情報42、左袖情報44、及び後身頃情報46で構成されることに限らず、衿の輪郭を示す衿情報を追加で備える等、
図4に示すよりも多数のパーツの輪郭を示す情報で構成されてもよいし、
図4に示すよりも少数のパーツの輪郭を示す情報で構成されてもよい。
【0050】
ここで、
図4に示すTシャツを構成する各パーツの輪郭情報は、一例として、前身頃情報40、右袖情報42、左袖情報44、及び後身頃情報46の順で特定のパーツに選択される設定がデザインアプリで予め行われている。
【0051】
図5は、スマートフォン20の表示部26に表示される第1の表示例である。具体的には、
図5は、製品を構成する各パーツの輪郭情報が示す輪郭内に写る画像を当該輪郭とともにキャプチャするためのキャプチャ画面である。スマートフォン20のCPU21は、一例として、スマートフォン20においてデザインアプリが実行され、デザインアプリに対する予め定めた操作が行われた場合に
図5に示す表示例を表示部26に表示させる。
【0052】
図5に示すキャプチャ画面には、画像表示部50と、キャプチャボタン52と、が表示されている。
【0053】
画像表示部50は、製品を構成する各パーツの輪郭情報が示す輪郭と、カメラ27によりリアルタイムに撮影されている撮影画像と、が表示される部分である。一例として、
図5では、Tシャツを構成する各パーツのうち、前身頃の輪郭を示す前身頃情報40が画像表示部50に表示されている。また、
図5では、上記の撮影画像として、前身頃情報40が示す輪郭内に星マークM1が表示されている。なお、
図5は作図の都合上で図示を省略しているが、実際のキャプチャ画面では、前身頃情報40が示す輪郭内における星マークM1以外の部分には上記の撮影画像に写る画像(例:背景画像)が表示される。
【0054】
また、
図5に示す画像表示部50では、特定のパーツに応じた輪郭情報である前身頃情報40が示す輪郭内にのみカメラ27による撮影画像が表示されている。この場合、CPU21は、画像表示部50において、前身頃情報40が示す輪郭外となる部分には白色の画像を表示させている。
【0055】
キャプチャボタン52は、カメラ27による撮影を行い、画像表示部50に表示されている輪郭情報が示す輪郭内に写る画像を当該輪郭とともにキャプチャするためのボタンである。
【0056】
図6は、スマートフォン20の表示部26に表示される第2の表示例である。具体的には、
図6は、
図5に示すキャプチャ画面でキャプチャボタン52が操作された後の状態を示している。
【0057】
図6に示すキャプチャ画面では、輪郭内に星マークM1が表示された前身頃情報40とともに、右袖情報42が前身頃情報40に接続した状態で画像表示部50に表示されている。また、
図6では、カメラ27によりリアルタイムに撮影されている撮影画像である雲マークM2が、右袖情報42が示す輪郭内に表示されている。ここで、
図6に示す画像表示部50では、特定のパーツに応じた輪郭情報である右袖情報42が示す輪郭内にのみカメラ27による撮影画像が表示されている。この場合、CPU21は、画像表示部50において、前身頃情報40及び右袖情報42が示す輪郭外となる部分には白色の画像を表示させている。
【0058】
図7は、スマートフォン20の表示部26に表示される第3の表示例である。具体的には、
図7は、完成した製品のデザインをユーザに確認させるための確認画面である。スマートフォン20のCPU21は、一例として、製品を構成する複数のパーツそれぞれでカメラ27による撮影画像のキャプチャが終了した場合に
図7に示す表示例を表示部26に表示させる。
【0059】
図7に示す確認画面には、メッセージ情報60と、複合画像62と、OKボタン64と、修正ボタン66と、が表示されている。
【0060】
メッセージ情報60は、ユーザに対する種々のメッセージを示している。一例として、
図7では、メッセージ情報60として「このデザインでよろしいですか?」と表示されている。
【0061】
複合画像62は、キャプチャした複数の画像を製品の配置に対応して配置した状態を示している。一例として、
図7では、Tシャツを構成する各パーツである前身頃、後身頃、右袖、及び左袖を示す複数の画像を、Tシャツの配置に対応して配置した複合画像62が表示されている。具体的には、
図7に示す複合画像62は、前身頃の画像がTシャツにおいて前身頃となる位置に配置され、後身頃の画像がTシャツにおいて後身頃となる位置に配置され、右袖の画像がTシャツにおいて右袖となる位置に配置され、左袖の画像がTシャツにおいて左袖となる位置に配置されている。
【0062】
ここで、図示は省略するが、複合画像62は、表示部26に対して予め定めた操作が行われることで、表示されている画像を拡大又は縮小させたり、任意の場所が表示部26に表示されるように画像を回転させたりすること等が可能となっている。
【0063】
OKボタン64は、複合画像62に示される製品のデザインを確定するボタンである。ユーザによりOKボタン64が操作されると、スマートフォン20のCPU21は、複合画像62に示される製品のデザインをデータ化し、そのデータをデザインアプリの所定の記憶領域に保存するとともに所定の業者が管理する業者端末に送信する。これにより、業者は、業者端末が当該データを取得したことに基づいてユーザからの発注を受付け、当該データが示すデザインをプリントしたTシャツを製作することができる。
【0064】
修正ボタン66は、表示部26に表示されている画面を、製品のデザインを修正可能な修正画面(図示せず)に切り替えるためのボタンである。
【0065】
以上説明したように、スマートフォン20のCPU21は、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得する。そして、CPU21は、複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭を表示部26に表示させ、カメラ27による撮影が行われた場合に当該輪郭内に写る画像を当該輪郭とともにキャプチャする(
図5参照)。これにより、当該スマートフォン20によれば、ユーザがカメラ27で撮影した撮影画像を製品のデザインに用いることができる。具体的には、当該スマートフォン20によれば、輪郭情報が示す輪郭内に写る画像を当該輪郭とともにキャプチャすることで、各パーツの輪郭内にユーザの望むデザインが施された製品デザインを仕上げることができる。
【0066】
また、スマートフォン20のCPU21は、表示部26において、特定のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭内にのみカメラ27による撮影画像を表示させる(
図5及び
図6参照)。上記のように、キャプチャ画面では、カメラ27によりリアルタイムに撮影されている撮影画像が画像表示部50に表示されるが、CPU21は、特定のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭内にのみ当該撮影画像が表示されるよう制御している。これにより、当該スマートフォン20によれば、特定のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭外にカメラ27による撮影画像が表示されないことで、製品デザインを検討する際に余計な視覚情報をユーザに与えることを抑制できる。
【0067】
また、スマートフォン20のCPU21は、複数のパーツそれぞれでカメラ27による撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした複数の画像を製品の配置に対応して配置した複合画像62を表示部26に表示させる(
図7参照)。これにより、当該スマートフォン20によれば、各パーツに施したデザインが組み合わされた製品デザインをユーザに把握させることができる。
【0068】
また、スマートフォン20のCPU21は、特定のパーツに応じたカメラ27による撮影画像のキャプチャが終了した場合、キャプチャした画像とともに次のパーツに応じた輪郭情報が示す輪郭を製品の配置に対応して表示部26に表示させる(
図6参照)。これにより、当該スマートフォン20によれば、特定のパーツに施したデザインを確認しつつ、次のパーツに施すデザインをユーザに検討させることができる。
【0069】
また、スマートフォン20のCPU21は、カメラ27による撮影画像に所定の禁止パターンが含まれる場合、禁止パターンが含まれる撮影画像のキャプチャを禁止する。これにより、当該スマートフォン20によれば、所定の禁止パターンが含まれる製品が製作されることを抑制できる。
【0070】
(その他)
上記実施形態では、スマートフォン20を情報処理装置の一例としたが、これに限らず、タブレット端末又はカメラ付きノートパソコン等の他の装置を情報処理装置の一例としてもよい。また、カメラを備える撮影装置と、当該撮影装置と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、又はPC等の組合せを情報処理装置の一例としてもよい。
【0071】
上記実施形態では、輪郭情報をデザインアプリの所定の記憶領域から取得する態様を説明したが、これに限定されない。例えば、輪郭情報は、スマートフォン20の記憶部24に記憶されていることとし、スマートフォン20のCPU21は、記憶部24から輪郭情報を取得してもよい。また、輪郭情報は、スマートフォン20とは別の装置(例:外部サーバ)のデータベースに記憶されていることとし、当該CPU21は、当該データベースから輪郭情報を取得してもよい。
【0072】
上記実施形態において、
図5から
図7の表示例に示すTシャツのデザインはあくまで一例であり、デザインアプリにおいてこれらと異なるデザインを製作できるのはいうまでもない。例えば、製品をTシャツとした場合は、
図5から
図7の表示例に示すワンポイントデザインとすることに限らず、デザインアプリにおいて、カメラ27で撮影した撮影画像を用いて総柄デザインの総柄Tシャツを製作することも可能である。
【0073】
なお、上記実施形態でCPU21がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行したキャプチャ処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、キャプチャ処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0074】
また、上記実施形態では、情報処理プログラム24Aが記憶部24に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム24Aは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム24Aは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0075】
20 スマートフォン(情報処理装置)
21A 取得部
21B 制御部
26 表示部(表示部)
27 カメラ(カメラ)
62 複合画像
【要約】 (修正有)
【課題】ユーザがカメラで撮影した撮影画像を製品のデザインに用いる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置(スマートフォン)において、CPUは、複数のパーツを組み合わせて製作される製品を構成する各パーツの輪郭を示す輪郭情報を取得する取得部と、前記複数のパーツのうち、特定のパーツに応じた前記輪郭情報が示す輪郭を表示部に表示させ、カメラによる撮影が行われた場合に前記輪郭内に写る画像をキャプチャする制御部と、を備える。
【選択図】
図2