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特許7497920ピックアップユニット、実装装置、およびピックアップ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】ピックアップユニット、実装装置、およびピックアップ方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/67 20060101AFI20240604BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
H01L21/68 E
H01L21/52 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023129848
(22)【出願日】2023-08-09
【審査請求日】2024-02-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519294332
【氏名又は名称】株式会社新川
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100224546
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 龍
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 茂
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-56466(JP,A)
【文献】特開2018-182278(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第116457926(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの表面に貼り付けられたチップ部品を前記シートの前記表面からピックアップするピックアップユニットであって、
前記シートを介して前記チップ部品が載置される載置面を含み、前記シートの裏面を吸着するステージと、
前記載置面の法線方向に沿って往復移動可能な状態で、前記載置面に形成された開口の内部に同心状に配置された複数のブロックを含み、前記複数のブロックが前記開口から突出することによって前記チップ部品を前記シートの前記表面から剥離する剥離機構と、
前記チップ部品を吸着して保持することによって、前記チップ部品を前記シートの前記表面からピックアップするチップ保持部と、
を備え、
前記複数のブロックのそれぞれは、前記シートの前記裏面に対して前記法線方向に対面する先端面と、前記先端面から前記法線方向に沿って延びる外側面と、を含み、
前記複数のブロックのうち少なくとも一つのブロックの前記外側面には、前記先端面のうち互いに隣り合う角部同士を繋ぐ辺部から前記法線方向に沿って延びる凹部が形成されており、
前記凹部は、前記外側面から窪む底部と、前記底部および前記外側面を繋ぐ一対の側面と、を含み、
前記一対の側面は、前記法線方向に前記先端面を見たときに、前記底部から前記外側面に近づくにつれて互いの対向方向とは反対方向に離れるように、前記外側面に垂直な面に対して傾斜する方向に延びている、ピックアップユニット。
【請求項2】
前記複数のブロックは、前記開口の内部において最も外側に位置する最外ブロックを含み、
前記複数のブロックのうち少なくとも前記最外ブロックの前記外側面に、前記凹部が形成されている、請求項1に記載のピックアップユニット。
【請求項3】
前記複数のブロックのそれぞれの前記外側面に、前記凹部が形成されている、請求項1に記載のピックアップユニット。
【請求項4】
前記複数のブロックのそれぞれは、前記先端面から前記法線方向に沿って延びる複数の前記外側面を含み、
前記複数の前記外側面のそれぞれに、前記凹部が形成されている、請求項1に記載のピックアップユニット。
【請求項5】
前記凹部の前記底部は、前記辺部の中央から前記法線方向に沿って延びている、請求項1に記載のピックアップユニット。
【請求項6】
前記先端面を前記法線方向に見たときに、前記凹部の前記一対の側面は、前記底部の中央を通りかつ前記外側面に垂直な基準軸を基準として、互いに対称に配置されている、請求項1に記載のピックアップユニット。
【請求項7】
前記複数のブロックは、
前記開口の内部において最も外側に配置される第1ブロックと、
前記第1ブロックよりも内側に配置される第2ブロックと、
前記第2ブロックよりも内側に配置される第3ブロックと、
を含み、
前記第1ブロック、前記第2ブロック、および前記第3ブロックのそれぞれは、前記先端面が前記載置面よりも突出しない待機位置と、前記先端面が前記載置面よりも突出して前記チップ部品を押し上げる押し上げ位置と、の間で往復移動するように構成され、
前記第1ブロック、前記第2ブロック、および前記第3ブロックが、前記待機位置から前記押し上げ位置に移動することによって前記チップ部品を押し上げた後、前記第2ブロックを前記押し上げ位置に維持した状態で、前記第1ブロックおよび前記第3ブロックが前記押し上げ位置から前記待機位置へ同時に移動し、その後、前記第2ブロックが前記押し上げ位置から前記待機位置へ移動する、請求項1に記載のピックアップユニット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のピックアップユニットと、
前記ピックアップユニットがピックアップした前記チップ部品を基板にボンディングするボンディングユニットと、
を備える、実装装置。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載のピックアップユニットを用いて実施されるピックアップ方法であって、
前記複数のブロックのうち、前記開口の内部において最も外側に配置される第1ブロックと、前記第1ブロックよりも内側に配置される第2ブロックと、前記第2ブロックよりも内側に配置される第3ブロックとを、前記先端面が前記載置面よりも突出しない待機位置から、前記先端面が前記載置面よりも突出する押し上げ位置へ移動させることによって、前記チップ部品を押し上げる工程と、
前記第2ブロックを前記押し上げ位置に維持した状態で、前記第1ブロックおよび前記第3ブロックを同時に前記押し上げ位置から前記待機位置へ移動させる工程と、
前記第2ブロックを前記押し上げ位置から前記待機位置へ移動させることによって、前記シートの前記表面から前記チップ部品を剥離する工程と、
を含む、ピックアップ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピックアップユニット、実装装置、およびピックアップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハを個片化した半導体チップは、電子デバイスの構成部品である。電子デバイスの製造工程では、ウェハシートに貼りつけられた半導体チップを、ウェハシートからピックアップして回路基板に配置する作業が生じる。半導体チップをピックアップする方法として、例えば、特許文献1~3に記載された方法が知られている。例えば、特許文献1に記載された方法では、半導体チップの周囲のウェハシートの裏面をステージの表面に吸着させた状態で、ステージの開口に配置された複数の突き上げピンを、ステージの表面よりも上に突出させることにより、ウェハシートの裏面を押圧してウェハシート上の半導体チップを突き上げる。その後、例えば、最も外側の突き上げピンから順に降下させることにより、半導体チップをウェハシートから剥離させてピックアップする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-182278号公報
【文献】特開2006-005030号公報
【文献】特開2022-114399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、高集積化等の要求に応じて、半導体チップの厚さは薄くなってきている。このような薄い半導体チップをウェハシートから剥離させようとすると、突き上げピンに突き上げられた半導体チップが、ウェハシートの変形に追従して大きく変形し得る。その結果、半導体チップの損傷などの不具合が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、チップ部品をシートからピックアップする際にチップ部品に生じ得る不具合を抑制できるピックアップユニット、実装装置、およびピックアップ方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態のピックアップユニットは、シートの表面に貼り付けられたチップ部品をシートの表面からピックアップするピックアップユニットであって、シートを介してチップ部品が載置される載置面を含み、シートの裏面を吸着するステージと、載置面の法線方向に沿って往復移動可能な状態で、載置面に形成された開口の内部に同心状に配置された複数のブロックを含み、複数のブロックが開口から突出することによってチップ部品をシートの表面から剥離する剥離機構と、チップ部品を吸着して保持することによって、チップ部品をシートの表面からピックアップするチップ保持部と、を備え、複数のブロックのそれぞれは、シートの裏面に対して法線方向に対面する先端面と、先端面から法線方向に沿って延びる外側面と、を含み、複数のブロックのうち少なくとも一つのブロックの外側面には、先端面のうち互いに隣り合う角部同士を繋ぐ辺部から法線方向に沿って延びる凹部が形成されており、凹部は、外側面から窪む底部と、底部および外側面を繋ぐ一対の側面と、を含み、一対の側面は、法線方向に先端面を見たときに、底部から外側面に近づくにつれて互いの対向方向とは反対方向に離れるように、外側面に垂直な面に対して傾斜する方向に延びている。
【0007】
このピックアップユニットは、チップ部品を押し上げる複数のブロックを備えている。複数のブロックがチップ部品を押し上げる際、チップ部品が貼り付けられたシートには、引張方向への張力が付与される。この状態でチップ部品をシートから剥離する際、チップ部品の角部が剥離の起点となりやすく、当該角部に応力集中が起こりやすい。これに対し、上記のピックアップユニットでは、複数のブロックの少なくとも一つのブロックの外側面に、先端面の辺部から法線方向に沿って延びる凹部が形成されている。この場合、凹部の付近にも剥離の起点が形成されやすくなるので、チップ部品の角部に大きな応力が加わる事態を抑制できる。更に、凹部の一対の側面は、法線方向に先端面を見たときに、底部から外側面に近づくにつれて互いの対向方向とは反対方向に離れるように、外側面に垂直な面に対して傾斜する方向に延びている。この場合、凹部の一対の側面が外側面に垂直な面に沿って延びる場合とは異なり、凹部に形成される剥離の起点に作用する応力を、外側面に垂直な引張方向と、当該引張方向に垂直な方向と、に分散できる。これにより、凹部の付近に加わる引張方向の応力を小さく抑えることができる。従って、上記のピックアップユニットでは、シートの表面からチップ部品を剥離する際に、チップ部品に対して局所的に大きな応力が作用する事態を抑制できる。これにより、応力集中に起因するチップ部品の損傷等の不具合の発生を抑制できる。
【0008】
上記のピックアップユニットにおいて、複数のブロックは、開口の内部において最も外側に位置する最外ブロックを含み、複数のブロックのうち少なくとも最外ブロックの外側面に、凹部が形成されていてもよい。複数のブロックによってチップ部品を押し上げる際、チップ部品が貼り付けられるシートは、最も外側に位置する最外ブロックによって大きく引き延ばされやすい。この場合、シートには、最外ブロックによる張力が大きく作用する。上記の構成では、この最外ブロックの外側面に凹部が形成されるので、当該張力による大きな応力がチップ部品に局所的に作用する事態を抑制できる。その結果、応力集中に起因するチップ部品の損傷等の不具合の発生を効果的に抑制できる。
【0009】
上記のピックアップユニットにおいて、複数のブロックのそれぞれの外側面に、凹部が形成されていてもよい。例えば、複数のブロックによってチップ部品を押し上げた後、それぞれのブロックを元の位置に戻すことによって、シートの表面からチップ部品を剥離させることがある。上記の構成では、複数のブロックのそれぞれの外側面に凹部が形成されるので、いずれのブロックがシートに大きな張力を生じさせる場合であっても、当該張力による大きな応力がチップ部品に局所的に作用する事態を抑制できる。その結果、応力集中に起因するチップ部品の損傷等の不具合の発生を効果的に抑制できる。
【0010】
上記のピックアップユニットにおいて、複数のブロックのそれぞれは、先端面から法線方向に沿って延びる複数の外側面を含み、複数の外側面のそれぞれに、凹部が形成されていてもよい。この場合、ブロックの複数の外側面のそれぞれの凹部の付近において、チップ部品に加わる応力を小さく抑えることができるので、応力集中に起因するチップ部品の損傷等の不具合の発生を効果的に抑制できる。
【0011】
上記のピックアップユニットにおいて、凹部の底部は、辺部の中央から法線方向に沿って延びていてもよい。この場合、シートの表面からチップ部品を剥離する際に、チップ部品の角部から辺部の中央に向かって連続的に剥がしやすくなるので、チップ部品の剥離をスムーズに行うことができる。
【0012】
上記のピックアップユニットにおいて、先端面を法線方向に見たときに、凹部の一対の側面は、底部の中央を通りかつ外側面に垂直な基準軸を基準として、互いに対称に配置されていてもよい。この場合、凹部の付近に作用する応力を均等に分散させることができるので、チップ部品に対して局所的に大きな応力が作用する事態を効果的に抑制できる。その結果、応力集中に起因するチップ部品の損傷等の不具合の発生を効果的に抑制できる。
【0013】
上記のピックアップユニットにおいて、複数のブロックは、開口の内部において最も外側に配置される第1ブロックと、第1ブロックよりも内側に配置される第2ブロックと、第2ブロックよりも内側に配置される第3ブロックと、を含み、第1ブロック、第2ブロック、および第3ブロックのそれぞれは、先端面が載置面よりも突出しない待機位置と、先端面が載置面よりも突出してチップ部品を押し上げる押し上げ位置と、の間で往復移動するように構成され、第1ブロック、第2ブロック、および第3ブロックが、待機位置から押し上げ位置に移動することによってチップ部品を押し上げた後、第2ブロックを押し上げ位置に維持した状態で、第1ブロックおよび第3ブロックが押し上げ位置から待機位置へ同時に移動し、その後、第2ブロックが押し上げ位置から待機位置へ移動してもよい。このように、第1ブロック、第2ブロック、および第3ブロックを押し上げ位置に移動させた後に、第1ブロックおよび第3ブロックを同時に待機位置に移動させる場合、第1ブロック、第2ブロック、および第3ブロックを順に待機位置に移動させる場合と比べて、押し上げ動作によるチップ部品の剥離時間を短縮できる。更に、第2ブロックを飛ばして、第1ブロックおよび第3ブロックを同時に待機位置に移動させるようにすれば、互いに隣り合う第1ブロックおよび第2ブロックを待機位置に同時に移動させた場合と比べて、チップ部品の剥離の起点をより多く形成することができるので、チップ部品に対して局所的に大きな応力が作用する事態を効果的に抑制できる。その結果、応力集中に起因するチップ部品の損傷等の不具合の発生を効果的に抑制できる。
【0014】
本発明の一形態の実装装置は、上述したいずれかのピックアップユニットと、ピックアップユニットがピックアップしたチップ部品を基板にボンディングするボンディングユニットと、を備える。この実装装置は、上述したいずれかのピックアップユニットを備えるので、上述した作用効果を奏することができる。
【0015】
本発明の一形態のピックアップ方法は、上述したいずれかのピックアップユニットを用いて実施されるピックアップ方法であって、複数のブロックのうち、開口の内部において最も外側に配置される第1ブロックと、第1ブロックよりも内側に配置される第2ブロックと、第2ブロックよりも内側に配置される第3ブロックとを、先端面が載置面よりも突出しない待機位置から、先端面が載置面よりも突出する押し上げ位置へ移動させることによって、チップ部品を押し上げる工程と、第2ブロックを押し上げ位置に維持した状態で、第1ブロックおよび第3ブロックを同時に押し上げ位置から待機位置へ移動させる工程と、第2ブロックを押し上げ位置から待機位置へ移動させることによって、シートの表面からチップ部品を剥離する工程と、を含む。このように、第1ブロック、第2ブロック、および第3ブロックを押し上げ位置に移動させた後に、第1ブロックおよび第3ブロックを同時に待機位置に移動させる場合に、第1ブロック、第2ブロック、および第3ブロックを順に待機位置に移動させる場合と比べて、押し上げ動作によるチップ部品の剥離時間を短縮できる。更に、第2ブロックを飛ばして、第1ブロックおよび第3ブロックを同時に待機位置に移動させるようにすれば、互いに隣り合う第1ブロックおよび第2ブロックを待機位置に同時に移動させた場合と比べて、チップ部品の剥離の起点をより多く形成することができるので、チップ部品に対して局所的に大きな応力が作用する事態を効果的に抑制できる。その結果、応力集中に起因するチップ部品の損傷等の不具合の発生を効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、チップ部品をシートからピックアップする際にチップ部品に生じ得る不具合を抑制できるピックアップユニット、実装装置、およびピックアップ方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一実施形態に係る実装装置を示す概略図である。
図2図2は、図1のピックアップユニットを示す断面図である。
図3図3は、図2のブロックを示す斜視図である。
図4図4は、図3のブロックを示す平面図である。
図5図5は、図4のブロックの一部を拡大した拡大図である。
図6図6は、図4のブロックの別の一部を拡大した拡大図である。
図7図7の(a)、図7の(b)、および図7の(c)は、ブロックの動作を示す断面図である。
図8図8は、ブロックによって押し上げられたチップ部品に作用する応力の分布を示す図である。
図9図9は、比較例に係るブロックを示す斜視図である。
図10図10は、図9のブロックによって押し上げられたチップ部品に作用する応力の分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図には、必要に応じてXYZ直交座標系が示されている。以下の説明において、後述するステージ35の載置面35aの法線方向をZ軸方向と定義し、載置面35aに沿った面方向をX軸方向およびY軸方向と定義する。また、以下では、Z軸方向の正方向を「上」とし、Z軸方向の負方向を「下」と称することがある。
【0019】
図1に示される実装装置1は、チップ部品の一例である半導体チップ101を半導体ウェハから取り出して基板に実装する。半導体ウェハは、ダイシングされた複数の半導体チップ101によって構成される。複数の半導体チップ101は、シートの一例であるダイシングシート120の表面120aに、粘弾性フィルム102を介して貼り付けられている。各半導体チップ101の厚さは、例えば、20μm程度である。ダイシングシート120の厚さは、例えば、100μm程度である。
【0020】
実装装置1は、ダイシングシート120の表面120aに貼り付けられた各半導体チップ101を、ダイシングシート120から粘弾性フィルム102と共に剥離してピックアップする。そして、実装装置1は、ピックアップした半導体チップ101を基板の所定位置にボンディングする。
【0021】
実装装置1は、例えば、ボンディングユニット10と、コントローラユニット20と、ピックアップユニット30と、を備える。ピックアップユニット30は、半導体チップ101をピックアップする。半導体チップ101のチップ主面101aは、ピックアップユニット30に吸着される。次に、ピックアップユニット30は、ピックアップした半導体チップ101を中間ステージ60に一時的に載置する。中間ステージ60は、例えば、ボンディングユニット10とピックアップユニット30との間に配置される。中間ステージ60は、リニアモータなどの駆動機構により、X軸方向及びY軸方向に移動可能に構成されたロータリヘッドコレットの一部であってもよい。ボンディングユニット10は、中間ステージ60上の半導体チップ101を保持し、その半導体チップ101を基板110にボンディングする。なお、ピックアップユニット30は、いわゆるフリップチップ動作によって半導体チップ101をボンディングユニット10に渡す構成であってもよい。
【0022】
コントローラユニット20は、ボンディングユニット10の動作およびピックアップユニット30の動作を制御する。コントローラユニット20は、ボンディングユニット10およびピックアップユニット30に対して制御信号を出力する。コントローラユニット20は、例えば、CPU、ROMおよびRAM等の記憶部と、入出力部と、ドライバと、を含むコンピュータである。コントローラユニット20は、CPUの制御に従い入出力部を動作させる。更に、コントローラユニット20は、記憶部におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。これらの動作によって、ボンディングユニット10およびピックアップユニット30に提供される制御信号が生成される。ボンディングユニット10およびピックアップユニット30は、この制御信号に基づいて、ボンディング動作およびピックアップ動作などの各動作を行う。
【0023】
ボンディングユニット10は、例えば、ボンディングステージ12と、ボンディングヘッド13と、を含む。
【0024】
ボンディングステージ12は、供給された基板110が載置されるステージであり、半導体チップ101を実装するステージとなる。ボンディングステージ12は、例えば吸着孔を有し、基板110を吸着して下方から保持する。
【0025】
ボンディングヘッド13は、ボンディング本体14と、ボンディングツール15と、を含む。ボンディング本体14は、ガイドレール11に連結されている。ボンディング本体14は、ガイドレールに沿って往復移動する。このガイドレールは、例えば、ピックアップユニット30からボンディング作業が行われる領域にわたって延在する。ボンディング本体14は、ボンディングツール15を駆動するためのモータを含む。ボンディングツール15は、中間ステージ60上の半導体チップ101を着脱可能に保持する。例えば、ボンディングツール15は、着脱機構として真空吸着機構を有する。さらに、ボンディングツール15は、半導体チップ101を基板110にボンディングする。例えば、ボンディングツール15は、ヒータなどを有し、半導体チップ101に対して熱を提供可能であってもよい。
【0026】
ピックアップユニット30は、例えば、ピックアップ部32と、ピックアップヘッド33と、を含む。
【0027】
ピックアップ部32は、ピックアップ動作の補助を行う。ピックアップ部32は、例えば、ウェハホルダ34と、ステージ35と、剥離機構36と、を含む。ウェハホルダ34は、ダイシングシート120を保持する。ウェハホルダ34がダイシングシート120を保持した状態において、ダイシングシート120の中心から周囲に向かう張力F(後述する図4参照)が作用する。この張力Fによってダイシングシート120が引き延ばされる。
【0028】
ステージ35は、ウェハホルダ34と剥離機構36との相対的な位置を調整する。ステージ35は、例えば、ウェハホルダ34をX軸方向に並進させる。ステージ35は、ウェハホルダ34をZ軸まわりに回転させてもよい。この動作によって、ステージ35は、ピックアップ対象となる半導体チップ101を剥離機構36の上に移動させる。
【0029】
剥離機構36は、Z軸方向に沿って往復移動可能な複数のブロック40を含む。この往復移動の動力は、例えば、駆動モータによって提供される。待機位置とされたブロック40は、その先端がダイシングシート120の裏面120bに接触しない。押し上げ位置とされたブロック40は、その先端がダイシングシート120の裏面120bに接触する。押し上げ位置において、ブロック40の先端が載置面35aよりも上方に突出してダイシングシート120の裏面120bを押圧することにより、半導体チップ101は、上方(Z軸方向の正方向)に突き上げられる。
【0030】
このように、ウェハホルダ34がX軸方向に移動可能であり、ブロック40がZ軸方向に往復移動することによって、ピックアップ部32は、所望の半導体チップ101を押し上げることができる。
【0031】
ピックアップヘッド33は、例えば、コレット37(チップ保持部)を含む。コレット37は、ピックアップヘッド33の先端部に配置される。コレット37は、ガイドレールに沿って往復移動する。このガイドレールは、ピッキング作業が行われる領域からボンディングユニット10にわたって延在する。コレット37は、剥離機構36に押し上げられた半導体チップ101を着脱可能に保持する。つまり、コレット37は、半導体チップ101をピックアップする。コレット37は、例えば、真空吸着によって半導体チップ101を保持する。ピックアップヘッド33は、コレット37をZ軸軸方向に往復移動させるダイモータを含んでもよい。コレット37は、ピックアップした半導体チップ101を中間ステージ60に載置する。中間ステージ60に載置された半導体チップ101は、上述したボンディングユニット10に保持される。
【0032】
図2を参照して、剥離機構36の構成についてより詳細に説明する。図2に示されるステージ35は、例えば、Z軸方向に延びる円筒形状を有する。ステージ35のZ軸方向の上端には、ダイシングシート120の裏面120bが載置される載置面35aが形成されている。載置面35aの法線方向は、Z軸方向に沿っている。載置面35aの中央には、ステージ35の内部に連通する開口35bが形成されている。開口35bは、半導体チップ101よりも僅かに大きい矩形状を呈している。開口35bの内部には、載置面35aから上方に突出してダイシングシート120の裏面120bを押し上げる複数のブロック40が配置されている。
【0033】
複数のブロック40は、Z軸方向に沿った中心軸Lを基準として同心状に配置されている。中心軸Lは、例えば、Z軸方向に見たときに矩形状の開口35bの中心を通る軸としてよい。開口35bの内面と複数のブロック40の外側面との間には、隙間dが形成されている。開口35bの周囲の載置面35aには、ダイシングシート120の裏面120bを吸着する吸着溝35cが形成されている。吸着溝35cは、例えば、開口35bを取り巻くように設けられている。吸着溝35cには、真空ポンプに接続された吸着孔が連通している。吸着孔を通して吸着溝35cの空気が吸い出されることによって、半導体チップ101の周囲のダイシングシート120の裏面120bが吸着溝35cに吸着される。
【0034】
剥離機構36は、複数のブロック40をそれぞれ独立してZ軸方向に往復移動させる駆動部50を更に含む。駆動部50は、コントローラユニット20から提供される制御信号を受けて、各ブロック40をZ軸方向に移動させる。
【0035】
図2に示されるように、複数のブロック40は、例えば、第1ブロック41と、第2ブロック42と、第3ブロック43と、第4ブロック44と、を含む。第1ブロック41は、最も外側に配置される最外ブロックである。つまり、第1ブロック41は、中心軸Lから最も離れた位置に配置される。第1ブロック41は、例えば、Z軸方向に沿って延びる矩形筒状を有している。
【0036】
図3に示されるように、第1ブロック41は、例えば、先端面41aと、4つの外側面41b,41c,41d,41eと、を含む。先端面41aは、第1ブロック41のZ軸方向の上端(先端)に位置する。先端面41aは、第1ブロック41が半導体チップ101を押し上げる際に、ダイシングシート120の裏面120bに対してZ軸方向に当接する。先端面41aは、例えば、Z軸方向と交差する平坦面であり、X軸方向およびY軸方向に沿って延びている。先端面41aは、例えば、Z軸方向に見て矩形環状を呈している。4つの外側面41b,41c,41d,41eは、先端面41aからZ軸方向に沿って延びている。2つの外側面41b,41cは、Y軸方向に並んでおり、X軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。他の2つの外側面41d,41eは、X軸方向に並んでおり、Y軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。
【0037】
図4に示されるように、矩形状の先端面41aは、4つの角部A11,A12,A13,A14と、4つの辺部B11,B12,B13,B14と、を含む。先端面41aの4つの角部A11,A12,A13,A14は、半導体チップ101の4つの角部の付近に対応し、当該4つの角部の付近を押し上げる。辺部B11は、先端面41aのY軸方向の一方側において互いにX軸方向に隣り合う2つの角部A11,A12同士を繋いでいる。辺部B11には、外側面41bが繋がっている。辺部B13は、先端面41aのY軸方向の他方側において互いにX軸方向に隣り合う2つの角部A13,A14同士を繋いでいる。辺部B13には、外側面41cが繋がっている。辺部B12は、先端面41aのX軸方向の一方側において互いにY軸方向に隣り合う2つの角部A12,A13同士を繋いでいる。辺部B12には、外側面41dが繋がっている。辺部B14は、先端面41aのX軸方向の他方側において互いにX軸方向に隣り合う2つの角部A11,A14同士を繋いでいる。辺部B14には、外側面41eが繋がっている。
【0038】
4つの外側面41b,41c,41d,41eには、凹部C1b,C1c,C1d,C1eがそれぞれ形成されている。外側面41bに形成される凹部C1bは、例えば、先端面41aの辺部B11のX軸方向の中央部から、Z軸方向に沿って直線状に延びている。凹部C1bは、例えば、辺部B11の当該中央部からZ軸方向に所定距離離れた位置まで、Z軸方向に沿って延びている(図3参照)。凹部C1bは、例えば、Z軸方向に見て、外側面41bに向けて広がるV字状を呈している。外側面41cに形成される凹部C1cは、例えば、中心軸Lを基準として、外側面41bに形成される凹部C1bと対称となるように形成されている。従って、凹部C1cは、凹部C1bに対応して、先端面41aの辺部B13のX軸方向の中央部からZ軸方向に所定距離離れた位置まで、Z軸方向に沿って直線状に延びている。凹部C1cは、例えば、Z軸方向に見て、外側面41cに向けて広がるV字状を呈している。
【0039】
外側面41dに形成される凹部C1dは、例えば、先端面41aの辺部B12のY軸方向の中央部からZ軸方向に所定距離離れた位置まで、Z軸方向に沿って直線状に延びている。凹部C1dは、例えば、Z軸方向に見て、外側面41dに向けて広がるV字状を呈している。外側面41eに形成される凹部C1eは、例えば、中心軸Lを基準として、外側面41dに形成される凹部C1dと対称となるように形成されている。従って、凹部C1eは、凹部C1dに対応して、先端面41aの辺部B14のX軸方向の中央部からZ軸方向に所定距離離れた位置まで、Z軸方向に沿って直線状に延びている。凹部C1eは、例えば、Z軸方向に見て、外側面41eに向けて広がるV字状を呈している。
【0040】
なお、図4では、半導体チップ101の外形が二点鎖線で示されており、ステージ35の開口35bの縁が破線で示されている。上述したように、開口35bの周囲のダイシングシート120は、吸着溝35cによって吸着される。その結果、半導体チップ101が剥離機構36によって剥離される際には、開口35bの縁と半導体チップ101との間のダイシングシート120に対して、中心軸Lから周囲に向かう方向に大きな張力Fが作用する。
【0041】
凹部C1cは、凹部C1bと対称な構成を有し、凹部C1eは、凹部C1dと対称な構成を有する。従って、以下では、凹部C1b,C1cを代表して凹部C1bの構成についてより詳細に説明し、凹部C1d,C1eを代表して凹部C1dの構成についてより詳細に説明する。まず、図5を参照して、凹部C1bの構成をより詳細に説明する。
【0042】
図5に示されるように、凹部C1bは、例えば、底面S11(底部)と、一対の側面S12,S13と、を含む。底面S11は、外側面41bからY軸方向に窪む平坦面である。底面S11は、X軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。底面S11は、例えば、外側面41bと平行に延びている。底面S11は、例えば、辺部B11のX軸方向の中央からZ軸方向に沿って延びている。つまり、Z軸方向に先端面41aを見たときに、辺部B11のX軸方向の中央を通りかつY軸方向に沿って延びる基準軸L1を定義すると、底面S11は、基準軸L1と交差する位置に配置されている。基準軸L1は、例えば、底面S11のX軸方向の中央に交差する。底面S11と開口35bの縁とのY軸方向の距離D11は、例えば、角部A12と開口35bの角部との距離D12よりも長い。
【0043】
一対の側面S12,S13は、底面S11と外側面41bとを繋いでいる。一対の側面S12,S13のX軸方向の間隔は、底面S11から外側面41bに近づくにつれて大きくなっている。つまり、一対の側面S12,S13のそれぞれは、互いに対向方向とは反対方向に離れるように、外側面41bに垂直な平面に対して傾斜した方向に延びている。Z軸方向に先端面41aを見たときに、一対の側面S12,S13のそれぞれは、X軸方向およびY軸方向の双方に対して傾斜している。
【0044】
一対の側面S12,S13は、例えば、底面S11の中央を通る基準軸L1に関して、対称となるように形成されている。側面S12と基準軸L1とのX軸方向の距離は、底面S11から外側面41bに近づくにつれて大きくなっている、同様に、側面S13と基準軸L1とのX軸方向の距離は、底面S11から外側面41bに近づくにつれて大きくなっている。Y軸方向に沿った各位置において、側面S13と基準軸L1とのX軸方向の距離は、側面S12と基準軸L1とのX軸方向の距離と等しい。
【0045】
本実施形態では、凹部C1bは、外側面41bのX軸方向の中央部に形成されており、外側面41bのX軸方向の両端部には形成されていない。外側面41bのX軸方向の両端部は、辺部B11の両端部P11a,P11bに繋がっている。辺部B11の一方の端部P11aは、角部A11と、凹部C1bの一方の側面S12と、をX軸方向に繋ぐ直線である。辺部B11の他方の端部P11bは、角部A12と、凹部C1bの他方の側面S13と、をX軸方向に繋ぐ直線である。
【0046】
次に、図6を参照して、凹部C1dの構成をより詳細に説明する。図6に示されるように、凹部C1dは、例えば、底面S21(底部)と、一対の側面S22,S23と、を含む。底面S21は、外側面41bからX軸方向に窪む平坦面である。底面S21は、Y軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。底面S21は、例えば、外側面41dと平行に延びている。底面S21は、例えば、辺部B12のY軸方向の中央からZ軸方向に沿って延びている。つまり、Z軸方向に先端面41aを見たときに、辺部B12のY軸方向の中央を通りかつX軸方向に沿って延びる基準軸L2を定義すると、底面S21は、基準軸L2と交差する位置に配置されている。基準軸L2は、例えば、底面S21のY軸方向の中央に交差する。底面S21と開口35bの縁とのY軸方向の距離D13は、例えば、角部A12と開口35bの角部との距離D12よりも長い。
【0047】
一対の側面S22,S23は、底面S21と外側面41dとを繋いでいる。一対の側面S22,S23のX軸方向の間隔は、底面S21から外側面41dに近づくにつれて大きくなっている。つまり、一対の側面S22,S23のそれぞれは、互いに対向方向とは反対方向に離れるように、外側面41dに垂直な平面に対して傾斜した方向に延びている。Z軸方向に先端面41aを見たときに、一対の側面S22,S23のそれぞれは、X軸方向およびY軸方向の双方に対して傾斜している。
【0048】
一対の側面S22,S23は、底面S21の中央を通る基準軸L2に関して、対称となるように形成されている。側面S22と基準軸L2とのY軸方向の距離は、底面S21から外側面41dに近づくにつれて大きくなっている、同様に、側面S23と基準軸L2とのY軸方向の距離は、底面S21から外側面41dに近づくにつれて大きくなっている。X軸方向に沿った各位置において、側面S23と基準軸L2とのY軸方向の距離は、側面S22と基準軸L2とのY軸方向の距離と等しい。
【0049】
本実施形態では、凹部C1dは、外側面41dのY軸方向の中央部に形成されており、外側面41dのY軸方向の両端部には形成されていない。外側面41dのY軸方向の両端部は、辺部B12の両端部P12a,P12bに繋がっている。辺部B12の一方の端部P12aは、角部A12と、凹部C1dの一方の側面S22と、をY軸方向に繋ぐ直線である。辺部B12の他方の端部P12bは、角部A13と、凹部C1dの他方の側面S23と、をY軸方向に繋ぐ直線である。
【0050】
再び、図3を参照する。第2ブロック42は、第1ブロック41の内側に配置される。つまり、第2ブロック42は、第1ブロック41に取り囲まれている。第2ブロック42は、第1ブロック41と同様、Z軸方向に沿って延びる矩形筒状を呈している。第2ブロック42は、例えば、先端面42aと、4つの外側面42b,42c,42d,42eと、を含む。
【0051】
先端面42aは、第2ブロック42のZ軸方向の上端(先端)に位置する。先端面42aは、第2ブロック42が半導体チップ101を押し上げる際に、ダイシングシート120の裏面120bに対してZ軸方向に当接する。先端面42aは、例えば、Z軸方向と交差する平坦面であり、X軸方向およびY軸方向に沿って延びている。先端面42aは、例えば、Z軸方向に見て矩形環状を呈している。4つの外側面42b,42c,42d,42eは、先端面42aからZ軸方向に沿って延びている。2つの外側面42b,42cは、Y軸方向に並んでおり、X軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。他の2つの外側面42d,42eは、X軸方向に並んでおり、Y軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。
【0052】
4つの外側面42b,42c,42d,42eには、凹部C2b,C2c,C2d,C2eがそれぞれ形成されている。凹部C2b,C2c,C2d,C2eは、上述した第1ブロック41の凹部C1b,C1c,C1d,C1eとそれぞれ同一の構成を有する。従って、凹部C2b,C2c,C2d,C2eは、凹部C1b,C1c,C1d,C1eとそれぞれ同様に説明できるため、凹部C2b,C2c,C2d,C2eの詳細な説明は省略する。
【0053】
第3ブロック43は、第2ブロック42の内側に配置される。つまり、第3ブロック43は、第2ブロック42に取り囲まれている。第3ブロック43は、第2ブロック42と同様、Z軸方向に沿って延びる矩形筒状を呈している。第3ブロック43は、例えば、先端面43aと、4つの外側面43b,43c,43d,43eと、を含む。
【0054】
先端面43aは、第3ブロック43のZ軸方向の上端(先端)に位置する。先端面43aは、第3ブロック43が半導体チップ101を押し上げる際に、ダイシングシート120の裏面120bに対してZ軸方向に当接する。先端面43aは、例えば、Z軸方向と交差する平坦面であり、X軸方向およびY軸方向に沿って延びている。先端面43aは、例えば、Z軸方向に見て矩形環状を呈している。4つの外側面43b,43c,43d,43eは、先端面43aからZ軸方向に沿って延びている。2つの外側面43b,43cは、Y軸方向に並んでおり、X軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。他の2つの外側面43d,43eは、X軸方向に並んでおり、Y軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。
【0055】
4つの外側面43b,43c,43d,43eには、凹部C3b,C3c,C3d,C3eがそれぞれ形成されている。凹部C3b,C3c,C3d,C3eは、上述した第1ブロック41の凹部C1b,C1c,C1d,C1eとそれぞれ対応する構成を有する。従って、凹部C3b,C3c,C3d,C3eは、凹部C1b,C1c,C1d,C1eとそれぞれ同様に説明できるため、凹部C3b,C3c,C3d,C3eの詳細な説明は省略する。
【0056】
第4ブロック44は、第3ブロック43の内側に配置される。つまり、第4ブロック44は、第3ブロック43に取り囲まれている。第4ブロック44は、最も内側に配置される最内ブロックである。つまり、第4ブロック44は、中心軸Lに最も近い位置に配置される。第4ブロック44は、中心軸L上に配置される。第4ブロック44は、例えば、中心軸Lを中心としてZ軸方向に沿って延びる矩形柱状を呈している。第4ブロック44は、例えば、先端面44aと、4つの外側面44b,44c,44d,44eと、を含む。
【0057】
先端面44aは、第4ブロック44のZ軸方向の上端(先端)に位置する。先端面44aは、第4ブロック44が半導体チップ101を押し上げる際に、ダイシングシート120の裏面120bに対してZ軸方向に当接する。先端面44aは、例えば、Z軸方向と交差する平坦面であり、X軸方向およびY軸方向に沿って延びている。先端面44aは、例えば、Z軸方向に見て矩形環状を呈している。4つの外側面44b,44c,44d,44eは、先端面44aからZ軸方向に沿って延びている。2つの外側面44b,44cは、Y軸方向に並んでおり、X軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。他の2つの外側面44d,44eは、X軸方向に並んでおり、Y軸方向およびZ軸方向に沿って延びている。
【0058】
2つの外側面44b,44cには、凹部C4b,C4cがそれぞれ形成されている。凹部C4b,C4cは、上述した第1ブロック41の凹部C1b,C1cとそれぞれ対応する構成を有する。従って、凹部C4b,C4cは、凹部C1b,C1cとそれぞれ同様に説明できるため、凹部C4b,C4cの詳細な説明は省略する。なお、他の2つの外側面44d,44eに、凹部C1d,C1eにそれぞれ対応する凹部が形成されてもよい。
【0059】
以上に説明した第1ブロック41、第2ブロック42、第3ブロック43、および第4ブロック44は、上述したように、それぞれ独立してZ軸方向に沿って往復移動可能に構成されている。以下では、第1ブロック41、第2ブロック42、第3ブロック43、および第4ブロック44を区別せずに説明する場合には、第1ブロック41、第2ブロック42、第3ブロック43、および第4ブロック44のそれぞれを単に「ブロック40」と称して説明する。
【0060】
図2に示されるように、剥離機構36は、ブロック40が待機位置P1にある状態と、ブロック40が押し上げ位置P2にある状態と、を相互に切り替える。この状態の切り替えは、コントローラユニット20から提供される制御信号に基づく駆動部50の動作によりなされる。
【0061】
ブロック40が待機位置P1にある状態とは、ブロック40の先端(具体的には、先端面41a,42a,43a,44a)がステージ35の載置面35aに対して面一である状態、或いは、ブロック40の先端が載置面35aよりも下方に位置する状態をいう。ブロック40が待機位置にある状態では、半導体チップ101は、載置面35aに載置された状態を維持する。一方、ブロック40が押し上げ位置P2にある状態とは、ブロック40の先端がステージ35の載置面35aよりも上方に位置する状態をいう。この状態では、ブロック40の先端がダイシングシート120の裏面120bを押圧して半導体チップ101を押し上げる。
【0062】
以下、図7の(a),図7の(b),および図7の(c)を参照しながら、ピックアップユニット30による半導体チップ101のピックアップ動作を説明する。併せて、本実施形態に係るピックアップ方法を説明する。本実施形態に係るピックアップ方法は、ピックアップユニット30を用いて行われる。
【0063】
図7の(a)において、まず、コントローラユニット20は、ピックアップ対象である半導体チップ101を剥離機構36の直上に移動させる。そして、コントローラユニット20は、全てのブロック40を、待機位置P1から押し上げ位置P2へ正のZ軸方向に移動させる。これにより、第1ブロック41と、第2ブロック42と、第3ブロック43と、第4ブロック44とが、待機位置P1から押し上げ位置P2まで上昇する。
【0064】
この動作によって、第1ブロック41と、第2ブロック42と、第3ブロック43と、第4ブロック44とは、ダイシングシート120の裏面120bを押圧して半導体チップ101を押し上げる。その結果、半導体チップ101は、ピックアップヘッド33に近づく。次に、コントローラユニット20は、コレット37を負のZ軸方向に移動させる。そして、コントローラユニット20は、吸着機構を起動する。その結果、ピックアップヘッド33は、半導体チップ101を吸着する。
【0065】
次に、図7の(b)に示されるように、コントローラユニット20は、いくつかのブロック40を、押し上げ位置P2から待機位置P1へ負のZ軸方向に移動させる。コントローラユニット20は、例えば、第2ブロック42を飛ばして、第1ブロック41と第3ブロック43と同時に押し上げ位置P2から待機位置P1へ移動させる。その結果、第2ブロック42と第4ブロック44とが押し上げ位置P2に維持された状態で、第1ブロック41と第3ブロック43とが、押し上げ位置P2から待機位置P1に同時に下降する。
【0066】
次に、図7の(c)に示されるように、コントローラユニット20は、残りのブロック40を、押し上げ位置P2から待機位置P1へ負のZ軸方向に移動させる。コントローラユニット20は、例えば、押し上げ位置P2に維持されていた第2ブロック42と第3ブロック43とを、押し上げ位置P2から待機位置P1へ同時に移動させる。その結果、第1ブロック41と、第2ブロック42と、第3ブロック43と、第4ブロック44とが、全て待機位置P1に戻る。また、コントローラユニット20は、コレット37を正のZ軸方向に移動させる。以上の動作により、ダイシングシート120の表面120aから半導体チップ101が剥離され、ピックアップヘッド33により半導体チップ101がピックアップされる。
【0067】
その後、コントローラユニット20は、ピックアップヘッド33を中間ステージ60に向けて移動させる(図1参照)。コントローラユニット20は、この動作と並行して、ボンディングヘッド13を中間ステージ60に向けて移動させる。そして、中間ステージ60からボンディングヘッド13に半導体チップ101が渡され、ボンディングヘッド13は、半導体チップ101を基板110にボンディングする。
【0068】
以上に説明した、ピックアップユニット30、実装装置1、ピックアップ方法の作用効果について、比較例が有する課題とともに説明する。
【0069】
図9に示される複数のブロック240は、例えば、ブロック241,242,243,244を備えている。各ブロック241,242,243,244は、平坦な4つの側面を有している。複数のブロック240は、各ブロック241,242,243,244が有する4つの側面に、本実施形態に係る凹部に相当する構成が形成されていない点で、本実施形態とは相違する。
【0070】
図10は、ブロック240によってダイシングシート120を押圧して半導体チップ101を押し上げたときに、半導体チップ101の周囲のダイシングシート120に作用する応力の分布を示すシミュレーション結果である。図10では、半導体チップ101の周囲の応力の大きさがドットの疎密の程度によって表されている。すなわち、ドットの密度が高いほど応力が大きく、ドットの密度が低いほど応力が小さい。
【0071】
ブロック240が半導体チップ101を押し上げるとき、半導体チップ101が貼り付けられたダイシングシート120には、引張方向への張力F(図4参照)が付与される。このような張力Fを受けてダイシングシート120から半導体チップ101が剥離する際、半導体チップ101の角部が剥離の起点となりやすく、張力Fによる応力集中が当該角部に起こりやすい。図10に示されるように、半導体チップ101の各角部に対応する部分P101a,P101b,P101cにおいて、大きな応力が作用していることが分かる。このような応力が半導体チップ101に作用すると、半導体チップ101の損傷などの不具合が生じるおそれがある。
【0072】
これに対し、本実施形態では、第1ブロック41の外側面41b,41c,41d,41eに、凹部C1b,C1c,C1d,C1eがそれぞれ形成されている。同様に、第2ブロック42の外側面42b,42c,42d,42eに、凹部C2b,C2c,C2d,C2eがそれぞれ形成されている。同様に、第3ブロック43の外側面43b,43c,43d,43eに、凹部C3b,C3c,C3d,C3eがそれぞれ形成されている。同様に、第4ブロック44の外側面44b,44c,44d,44eに、凹部C4b,C4c,C4d,C4eがそれぞれ形成されている。この場合、それぞれの凹部の付近にも剥離の起点が形成されやすくなるので、半導体チップ101の角部に対して局所的に大きな応力が加わる事態を抑制できる。
【0073】
更に、これらの凹部のうち、例えば凹部C1bに着目すると、凹部C1bの一対の側面S12,S13は、Z軸方向に先端面41aを見たときに、底面S11から外側面41bに近づくにつれて互いの対向方向とは反対方向に離れるように、外側面41bに垂直な面に対して傾斜する方向に延びている(図5参照)。この場合、凹部C1bの一対の側面S12,S13が外側面41bに垂直な面に沿って延びる場合とは異なり、凹部C1bに形成される剥離の起点に作用する応力を、外側面41bに垂直な引張方向と、当該引張方向に垂直な方向と、に分散できる。これにより、ダイシングシート120から半導体チップ101を剥離する際に凹部C1bの付近に加わる引張方向の応力を小さく抑えることができる。他の凹部についても同様に説明できる。
【0074】
図8は、複数のブロック40によってダイシングシート120を押圧して半導体チップ101を押し上げたときに、半導体チップ101の周囲のダイシングシート120に作用する応力の分布を示すシミュレーション結果である。図8では、半導体チップ101の周囲の応力の大きさがドット疎密の程度によって表されている。すなわち、ドットの密度が高いほど応力が大きく、ドットの密度が低いほど応力が小さい。図8に示されるように、半導体チップ101の各角部に対応する部分P101a,P101b,P101cに作用する応力は、上述した図10のシミュレーション結果と比べて小さくなっていることが分かる。このように、本実施形態では、ダイシングシート120から半導体チップ101を剥離する際に、半導体チップ101に対して局所的に大きな応力が作用する事態を抑制できる。これにより、応力集中に起因する半導体チップ101の損傷等の不具合の発生を抑制できる。
【0075】
本実施形態のように、凹部C1bの底面S11は、辺部B11の中央からZ軸方向に沿って延びていてもよい。この場合、ダイシングシート120の表面120aから半導体チップ101を剥離する際に、半導体チップ101の角部A11,A12から辺部B11の中央に向かって連続的に剥がしやすくなるので、半導体チップ101の剥離をスムーズに行うことができる。
【0076】
本実施形態のように、先端面41aをZ軸方向に見たときに、凹部C1bの一対の側面S12,S13は、底面S11の中央を通りかつ外側面41bに垂直な基準軸L1を基準として、互いに対称に配置されていてもよい。この場合、凹部C1bの付近に作用する応力を均等に分散させることができるので、半導体チップ101に対して局所的に大きな応力が作用する事態を効果的に抑制できる。その結果、応力集中に起因する半導体チップ101の損傷等の不具合の発生を効果的に抑制できる。
【0077】
本実施形態のように、第1ブロック41、第2ブロック42、および第3ブロック43が、待機位置P1から押し上げ位置P2に移動することによって半導体チップ101を押し上げた後、第2ブロック42を押し上げ位置P2に維持した状態で、第1ブロック41および第3ブロック43が押し上げ位置P2から待機位置P1へ同時に移動し、その後、第2ブロック42が押し上げ位置P2から待機位置P1へ移動してもよい。このように、第1ブロック41、第2ブロック42、および第3ブロック43を押し上げ位置P2に移動させた後に、第1ブロック41および第3ブロック43を同時に待機位置P1に移動させる場合、第1ブロック41、第2ブロック42、および第3ブロック43を順に待機位置P1に移動させる場合と比べて、押し上げ動作による半導体チップ101の剥離時間を短縮できる。更に、第2ブロック42を飛ばして、第1ブロック41および第3ブロック43を同時に待機位置P1に移動させるようにすれば、互いに隣り合う第1ブロック41および第2ブロック42を待機位置P1に同時に移動させた場合と比べて、半導体チップ101の剥離の起点をより多く形成することができるので、半導体チップ101に対して局所的に大きな応力が作用する事態を効果的に抑制できる。その結果、応力集中に起因する半導体チップ101の損傷等の不具合の発生を効果的に抑制できる。
【0078】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0079】
例えば、上記実施形態では、剥離機構36が、4つのブロック40を備える場合を説明した。しかし、ブロックの個数は限定されず、2つ、3つ、5つ以上のブロックが用いられてもよい。また、ブロックの形状は、必ずしも、矩形筒状、矩形柱状である必要はなく、他の形状であってよい。上記実施形態では、4つのブロック40の全てに凹部が形成される場合を説明した。しかし、4つのブロック40のいずれかに凹部が形成されてもよい。また、1つのブロック40の4つの外側面の全てに凹部が形成されなくてもよく、4つの外側面のいずれかに凹部が形成されてもよい。
【0080】
本開示は、以下の構成を含む。
【0081】
本開示は、[1]「シートの表面に貼り付けられたチップ部品を前記シートの前記表面からピックアップするピックアップユニットであって、
前記シートを介して前記チップ部品が載置される載置面を含み、前記シートの裏面を吸着するステージと、
前記載置面の法線方向に沿って往復移動可能な状態で、前記載置面に形成された開口の内部に同心状に配置された複数のブロックを含み、前記複数のブロックが前記開口から突出することによって前記チップ部品を前記シートの前記表面から剥離する剥離機構と、
前記チップ部品を吸着して保持することによって、前記チップ部品を前記シートの前記表面からピックアップするチップ保持部と、
を備え、
前記複数のブロックのそれぞれは、前記シートの前記裏面に対して前記法線方向に対面する先端面と、前記先端面から前記法線方向に沿って延びる外側面と、を含み、
前記複数のブロックのうち少なくとも一つのブロックの前記外側面には、前記先端面のうち互いに隣り合う角部同士を繋ぐ辺部から前記法線方向に沿って延びる凹部が形成されており、
前記凹部は、前記外側面から窪む底部と、前記底部および前記外側面を繋ぐ一対の側面と、を含み、
前記一対の側面は、前記法線方向に前記先端面を見たときに、前記底部から前記外側面に近づくにつれて互いの対向方向とは反対方向に離れるように、前記外側面に垂直な面に対して傾斜する方向に延びている、ピックアップユニット。」である。
【0082】
本開示は、[2]「前記複数のブロックは、前記開口の内部において最も外側に位置する最外ブロックを含み、
前記複数のブロックのうち少なくとも前記最外ブロックの前記外側面に、前記凹部が形成されている、上記[1]に記載のピックアップユニット。」である。
【0083】
本開示は、[3]「前記複数のブロックのそれぞれの前記外側面に、前記凹部が形成されている、上記[1]に記載のピックアップユニット。」である。
【0084】
本開示は、[4]「前記複数のブロックのそれぞれは、前記先端面から前記法線方向に沿って延びる複数の前記外側面を含み、
前記複数の前記外側面のそれぞれに、前記凹部が形成されている、上記[1]~[3]のいずれかに記載のピックアップユニット。」である。
【0085】
本開示は、[5]「前記凹部の前記底部は、前記辺部の中央から前記法線方向に沿って延びている、上記[1]~[4]のいずれかに記載のピックアップユニット。」である。
【0086】
本開示は、[6]「前記先端面を前記法線方向に見たときに、前記凹部の前記一対の側面は、前記底部の中央を通りかつ前記外側面に垂直な基準軸を基準として、互いに対称に配置されている、上記[1]~[5]のいずれかに記載のピックアップユニット。」である。
【0087】
本開示は、[7]「前記複数のブロックは、
前記開口の内部において最も外側に配置される第1ブロックと、
前記第1ブロックよりも内側に配置される第2ブロックと、
前記第2ブロックよりも内側に配置される第3ブロックと、
を含み、
前記第1ブロック、前記第2ブロック、および前記第3ブロックのそれぞれは、前記先端面が前記載置面よりも突出しない待機位置と、前記先端面が前記載置面よりも突出して前記チップ部品を押し上げる押し上げ位置と、の間で往復移動するように構成され、
前記第1ブロック、前記第2ブロック、および前記第3ブロックが、前記待機位置から前記押し上げ位置に移動することによって前記チップ部品を押し上げた後、前記第2ブロックを前記押し上げ位置に維持した状態で、前記第1ブロックおよび前記第3ブロックが前記押し上げ位置から前記待機位置へ同時に移動し、その後、前記第2ブロックが前記押し上げ位置から前記待機位置へ移動する、上記[1]~[6]のいずれかに記載のピックアップユニット。」である。
【0088】
本開示は、[8]「上記[1]~[7]のいずれかに記載のピックアップユニットと、
前記ピックアップユニットがピックアップした前記チップ部品を基板にボンディングするボンディングユニットと、
を備える、実装装置。」である。
【0089】
本開示は、[9]「上記[1]~[7]のいずれかに記載のピックアップユニットを用いて実施されるピックアップ方法であって、
前記複数のブロックのうち、前記開口の内部において最も外側に配置される第1ブロックと、前記第1ブロックよりも内側に配置される第2ブロックと、前記第2ブロックよりも内側に配置される第3ブロックとを、前記先端面が前記載置面よりも突出しない待機位置から、前記先端面が前記載置面よりも突出する押し上げ位置へ移動させることによって、前記チップ部品を押し上げる工程と、
前記第2ブロックを前記押し上げ位置に維持した状態で、前記第1ブロックおよび前記第3ブロックを同時に前記押し上げ位置から前記待機位置へ移動させる工程と、
前記第2ブロックを前記押し上げ位置から前記待機位置へ移動させることによって、前記シートの前記表面から前記チップ部品を剥離する工程と、
を含む、ピックアップ方法。」である。
【符号の説明】
【0090】
1…実装装置、10…ボンディングユニット、30…ピックアップユニット、35…ステージ、35a…載置面、35b…開口、36…剥離機構、37…コレット(チップ保持部)、40…ブロック、41…第1ブロック、41a,42a,43a,44a…先端面、41b,41c,41d,41e,42b,42c,42d,42e,43b,43c,43d,43e,44b,44c,44d,44e…外側面、42…第2ブロック、43…第3ブロック、110…基板、120a…表面、120b…裏面、B11,B12,B13,B14…辺部、C1b,C1c,C1d,C1e,C2b,C2c,C2d,C2e,C3b,C3c,C3d,C3e,C4b,C4c,C4d,C4e…凹部、L1,L2…基準軸、P1…待機位置、P2…押し上げ位置、S11,S21…底面(底部)、S12,S13,S22,S23…側面。
【要約】
【課題】チップ部品をシートからピックアップする際にチップ部品に生じ得る不具合を抑制できるピックアップユニット、実装装置、およびピックアップ方法を提供する。
【解決手段】本発明の一形態のピックアップユニット30は、ステージ35と、載置面35aに形成された開口35bの内部に同心状に配置された複数のブロック40を含む剥離機構36と、半導体チップ101を吸着して保持するコレット37と、を備える。第1ブロック41の外側面41bには、先端面41aの辺部B11から延びる凹部C1bが形成されている。凹部C1bは、底面S11と、一対の側面S12,S13と、を含む。一対の側面S12,S13は、Z軸方向に先端面41aを見たときに、底面S11から外側面41bに近づくにつれて互いの対向方向とは反対方向に離れるように、外側面41bに垂直な面に対して傾斜する方向に延びている。
【選択図】図2

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