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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 15/00 20060101AFI20240604BHJP
   F04D 1/14 20060101ALI20240604BHJP
   F24F 11/85 20180101ALI20240604BHJP
【FI】
F04D15/00 J
F04D1/14
F24F11/85
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019173767
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021050652
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】日本キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 洋介
【審査官】森 秀太
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-299686(JP,A)
【文献】特開平01-178791(JP,A)
【文献】登録実用新案第3202111(JP,U)
【文献】実開平06-012785(JP,U)
【文献】特開2015-202903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心ポンプと、前記遠心ポンプの動作を制御する制御部と、を有する空気調和装置であって、
前記遠心ポンプは、
吸込ポートおよび吐出ポートを有するケースと、
前記ケースの内部に配置され、第1羽根および複数の第2羽根を有し、回転可能な羽根車と、
前記羽根車を回転させるモータと、
前記ケースの内部で前記羽根車が配置されるポンプ室と前記モータとの間を仕切る仕切板と、
を有し、
前記モータは、ロータと、前記ロータの中心に固定され前記羽根車に接続されるシャフトと、を有し、
前記仕切板は、前記シャフトとの間に、前記ポンプ室の負圧を解消する通気孔を有し、
前記吐出ポートの中心軸と、前記羽根車の回転軸とは、ねじれの位置にあり、
前記第1羽根は、前記吸込ポートの内部に配置され、前記羽根車の回転軸から放射状に延び、
前記複数の第2羽根は、前記羽根車の周方向に並んで配置され、前記羽根車の回転軸の方向から見て前記羽根車の周方向に凸となる弧状に形成され、前記羽根車の回転時に前記吐出ポートの中心軸と交差することが可能であり、
前記制御部は、前記空気調和装置の運転を停止させるとき、前記羽根車の回転数を段階的に減少させる、
空気調和装置。
【請求項2】
前記吐出ポートに接続された排水管を有し、
前記排水管は、前記吐出ポートから上方に伸びる上昇部と、前記上昇部の上端から下方に伸びる下降部と、を有し、
前記制御部は、前記空気調和装置の運転中に、前記遠心ポンプにより前記上昇部の内容積を超える揚水を行った後に前記遠心ポンプを停止させる動作を、複数回連続して実施する、
請求項1に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置は、冷房運転中に発生する結露水を排水する遠心ポンプを有する。遠心ポンプには排水管が接続される。排水管は、遠心ポンプの吐出ポートから上方に伸びる上昇部と、上昇部の上端から下方に伸びる下降部と、を有する。空気調和装置の運転を停止するとき、遠心ポンプが停止する。このとき、上昇部の内部の水が遠心ポンプに逆流し、騒音を発生させる。騒音を抑制することができる空気調和装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-80477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、簡易な構造で効率よく騒音を抑制することができる空気調和装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の空気調和装置は、遠心ポンプと、制御部と、を持つ。制御部は、遠心ポンプの動作を制御する。遠心ポンプは、ケースと、羽根車と、モータと、仕切板と、を有する。ケースは、吸込ポートおよび吐出ポートを有する。羽根車は、ケースの内部に配置され、第1羽根および複数の第2羽根を有し、回転可能である。モータは、羽根車を回転させる。仕切板は、ケースの内部で羽根車が配置されるポンプ室とモータとの間を仕切る。モータは、ロータと、ロータの中心に固定され前記羽根車に接続されるシャフトと、を有する。仕切板は、シャフトとの間に、ポンプ室の負圧を解消する通気孔を有する。吐出ポートの中心軸と、羽根車の回転軸とは、ねじれの位置にある。第1羽根は、吸込ポートの内部に配置され、羽根車の回転軸から放射状に延びる。複数の第2羽根は、羽根車の周方向に並んで配置される。複数の第2羽根は、羽根車の回転軸の方向から見て羽根車の周方向に凸となる弧状に形成される。複数の第2羽根は、羽根車の回転時に吐出ポートの中心軸と交差することが可能である。制御部は、空気調和装置の運転を停止させるとき、羽根車の回転数を段階的に減少させる。

【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の空気調和装置の部分断面図。
図2】遠心ポンプの側面断面図。
図3図2のIII-III線における断面図。
図4図2のIV-IV線における断面図。
図5】空気調和装置の停止動作の説明図。
図6】空気調和装置のリフレッシュ動作の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の空気調和装置を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の空気調和装置の部分断面図である。空気調和装置1は、室内の天井裏に配置され、室内の空気の冷暖房を行う。空気調和装置1は、送風機(不図示)と、熱交換器3と、ドレンパン7と、遠心ポンプ10と、制御部4と、を主に有する。
【0008】
送風機は、空気調和装置1の下方(室内側)であって、水平方向の中央部に配置される。送風機は、室内の空気5を空気調和装置1の内部に吸引する。
熱交換器3は、水平方向において送風機を囲むように配置される。熱交換器3は、空気調和装置1の水平方向の中央部と周縁部とを区画するように、空気調和装置1の上下方向の全体に亘って配置される。熱交換器3は、冷媒が流通する複数の冷媒流路を有する。
【0009】
送風機により空気調和装置1の内部に吸引された空気5は、空気調和装置1の中央部から周縁部に向かって流れ、熱交換器3を通過する。空気5は、熱交換器3の冷媒流路を流通する冷媒との間で熱交換する。空気5は、空気調和装置1の周縁部から室内に向かって吹出される。これにより、室内の空気の冷暖房が行われる。室内の空気が冷房されるとき、空気5は熱交換器3で冷却される。これにより、熱交換器3の周囲で結露水が発生する。
【0010】
ドレンパン7は、空気調和装置1の下方であって、水平方向の周縁部に配置される。ドレンパン7は、下方に窪むドレン穴8を有する。ドレンパン7は、ドレン穴8に向かって傾斜する。冷房運転時の熱交換作用に伴って熱交換器3の周囲で発生した結露水は、ドレンパン7に落下し、ドレン穴8に流れ込む。
【0011】
遠心ポンプ10は、ドレン穴8の上方に配置される。遠心ポンプ10は、吸込ポート13と、吐出ポート14(図2参照)とを有する。吐出ポート14には排水管16が接続される。排水管16は、上昇部17と、下降部18と、を有する。上昇部17は、遠心ポンプ10の吐出ポート14から上方に伸びる。下降部18は、上昇部17の上端部から下方に伸びて、空気調和装置1の外部に出る。
【0012】
遠心ポンプ10は、ドレン穴8に溜まった水を吸込ポート13から吸い込み、吐出ポート14から吐出する。遠心ポンプ10は、排水管16の上昇部17の上端まで揚水する。上昇部17の上端を越えた排水は、下降部18を自然落下して空気調和装置1の外部に出る。これにより、ドレン穴8に溜まった水が空気調和装置1の外部に排出される。遠心ポンプ10により汲み上げられた水が上昇部17の上端を越えて少しずつ排水されるので、排水時の騒音が抑制される。
【0013】
制御部4は、空気調和装置1および遠心ポンプ10の運転を制御する。制御部4の各機能は、例えば、少なくとも一部が、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、制御部4の各機能の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitry)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0014】
遠心ポンプ10の構造について詳しく説明する。
図2は、遠心ポンプの側面断面図である。本願において、円柱座標系のZ方向、R方向およびθ方向が以下のように定義される。遠心ポンプ10の中心軸10xに対して、Z方向は軸方向であり、R方向は径方向であり、θ方向は周方向である。例えば、Z方向は鉛直方向であり、+Z方向は上方向である。例えば、R方向およびθ方向は水平方向である。
遠心ポンプ10は、第1ケース11と、第2ケース21と、羽根車30と、モータ25と、を有する。第1ケース11、第2ケース21および羽根車30は、樹脂材料等により形成される。
【0015】
第1ケース11は、円錐部11aと、円筒部11bと、を有する。
円錐部11aは、-Z方向に向かって先細る。円錐部11aの中央部には、吸込ポート13が形成される。吸込ポート13は、円筒状に形成され、-Z方向に伸びる。
円筒部11bは、円錐部11aの外周縁部から+Z方向に伸びる。円筒部11bの外周には、吐出ポート14が形成される。吐出ポート14については後述する。
【0016】
第2ケース21は、第1ケース11の+Z方向に配置される。第2ケース21は、略円筒状に形成される。第2ケース21の-Z方向の端部には、仕切板22が形成される。仕切板22は、第1ケース11の内部と第2ケース21の内部との間を仕切る。仕切板22によって仕切られた第1ケース11の内部に、ポンプ室12が形成される。
【0017】
羽根車30は、ポンプ室12に配置される。羽根車30の回転軸30xは、遠心ポンプ10の中心軸10xに一致する。羽根車30は、ベース部32と、第1羽根33と、第2羽根34と、を有する。
ベース部32は、円錐状に形成される。ベース部32は、第1ケース11の円錐部11aの+Z方向の表面から、+Z方向に離れて配置される。
【0018】
第1羽根33は、ベース部32の-Z方向に配置される。第2羽根34は、ベース部32の+Z方向に配置される。第2羽根34については後述する。
図3は、図2のIII-III線における断面図である。第1羽根33は、吸込ポート13の内部に配置される。羽根車30の回転軸30xに垂直な断面において、第1羽根33は十字状に形成される。第1羽根33は、羽根車30の回転軸30xから放射状にR方向に延びる。
【0019】
モータ25は、第2ケース21の+Z方向に配置される。例えば、モータ25はDCブラシレスモータである。モータ25は、ステータ25sと、ロータ25rと、を有する。ステータ25sは、第2ケース21に固定される。ロータ25rは、ステータ25sの内側(-R方向)に配置される。ロータ25rの中心にシャフト26が固定される。シャフト26は、遠心ポンプ10の中心軸10xに沿って配置される。シャフト26の-Z方向の端部は、羽根車30に接続される。シャフト26と仕切板22との間には、通気孔23が形成される。
【0020】
図2に示されるように、ドレン穴8には水Wが溜まっている。吸込ポート13の-Z方向の先端は、水Wの内部に浸漬されている。モータ25を駆動すると、羽根車30がθ方向に回転する。第1羽根33は、吸込ポート13の内部の水Wを攪拌する。水Wは、遠心力により吸込ポート13の内面に沿って+Z方向に上昇する。水Wは、円錐部11aの表面に沿ってR方向に流れる。水Wは、吐出ポート14から遠心ポンプ10の外部に排出される。排水に伴うポンプ室12の負圧は、通気孔23から流入する空気により解消される。吐出ポート14には、排水管16の上昇部17が接続されている。遠心ポンプ10は、排水管16の上昇部17に沿って揚水する。
【0021】
遠心ポンプ10が停止すると、上昇部17の内部の水が重力により下降する。水は、吐出ポート14からポンプ室12に流入する。水は、吸込ポート13からドレン穴8に落下する。このように、遠心ポンプ10が停止すると、上昇部17の水が逆流する。高速の逆流水は、ポンプ室12の内部に大きな負圧を発生させる。 遠心ポンプ10の羽根車30は、逆流水との衝突により回転して、逆流水の流速を低下させる。
【0022】
図4は、図2のIV-IV線における断面図である。羽根車30は、複数(図4の例では8枚)の第2羽根34を有する。第2羽根34は、ベース部32の+Z方向の表面から+Z方向に立ち上がる。第2羽根34は、羽根車30の回転軸30xから略放射状に延びる。複数の第2羽根34は、θ方向に等角度間隔で配置される。第2羽根34は、Z方向から見て、θ方向に凸となる円弧状に形成される。凸の方向は、吐出ポート14の中心軸14xと交差する第2羽根34において、吐出ポート14に向かう方向である。この羽根車30の構造はシンプルであり、製造コストが抑制される。
【0023】
吐出ポート14の中心軸14xは直線状に形成される。吐出ポート14の中心軸14xと羽根車30の回転軸30xとは、ねじれの位置にある。すなわち、吐出ポート14の中心軸14xと羽根車30の回転軸30xとは、非平行であって交差しない。吐出ポート14の中心軸14xは、羽根車30の回転軸30xからR方向に離れて配置される。すなわち、吐出ポート14は、第1ケース11の円筒部11bにおけるθ方向の接線方向に略延設したように設けられている。
吐出ポート14の中心軸14xは、複数の第2羽根34のうち少なくとも一つと常に交差する。全ての第2羽根34は、羽根車30の回転時に吐出ポート14の中心軸14xと順に交差することが可能である。
【0024】
前述した逆流水は、吐出ポート14からポンプ室12に流入する。吐出ポート14の中心軸14xは、羽根車30の第2羽根34と交差する。これにより、流入した逆流水が第2羽根34に衝突する。吐出ポート14の中心軸14xと羽根車30の回転軸30xとは、ねじれの位置にある。これにより、第2羽根34に衝突した逆流水が、羽根車30にモーメントを作用させて羽根車30を回転させる。第2羽根34は、Z方向から見て、θ方向に凸となる円弧状に形成される。これにより、逆流水と第2羽根34との衝突に伴って、羽根車30が所定方向に回転する。
羽根車30が回転すると、逆流水に遠心力が作用する。これにより、逆流水の流速が低下して、逆流水への通気孔23から流入した空気の巻き込みが少なくなる。したがって、遠心ポンプ10の停止に伴う騒音が抑制される。
【0025】
図2に示されるモータ25において、ステータ25sおよびロータ25rのうち少なくとも一方には、永久磁石が装着される。遠心ポンプの停止時には、永久磁石の磁力は、羽根車30の回転抵抗として作用する。これにより、第2羽根34に衝突した逆流水が羽根車30から抵抗を受けて、逆流水の流速が低下する。したがって、遠心ポンプ10の停止に伴う騒音が抑制される。
【0026】
図5は、空気調和装置の停止動作の説明図である。一般に、遠心ポンプ10の能力は、定格電力における所定時間の揚水量で表現される。図5に示されるように、遠心ポンプ10の運転開始時には、遠心ポンプ10の能力に基づく揚水が実施される。この揚水の流速において、空気の巻き込みに伴う騒音が少なくなるように、通気孔23などが最適設計されている。揚水の流速以下まで逆流水の流速が低下すれば、遠心ポンプ10の停止に伴う騒音が抑制される。
【0027】
制御部4は、空気調和装置1の運転を停止させるとき、遠心ポンプ10の回転数を段階的に減少させる。制御部4は、例えばモータ25の駆動電圧を段階的に低下させて、遠心ポンプ10の回転数を段階的に減少させる。遠心ポンプ10の回転数の段階的な減少により、揚水量が段階的に低下する。揚水量の低下速度が遠心ポンプ10の運転開始時における揚水量の上昇速度以下になるように、遠心ポンプ10の回転数を段階的に減少させる。これにより、逆流水の流速が、揚水の流速以下に低下する。したがって、遠心ポンプ10の停止に伴う騒音が抑制される。
【0028】
図2に示されるように、遠心ポンプ10は、吸込ポート13とドレン穴8の底面との間に所定間隔のスペースを置いて配置される。このスペースに異物が詰まると、遠心ポンプ10の揚水能力が低下する。
【0029】
図6は、空気調和装置のリフレッシュ動作の説明図である。制御部4は、空気調和装置1の運転中に、空気調和装置1のリフレッシュ動作を複数回連続して実施する。リフレッシュ動作は、遠心ポンプ10により排水管16の上昇部17の内容積Pmを超える揚水を行った後に、遠心ポンプ10を停止させる動作である。図6の例では、リフレッシュ動作を2回連続して実施している。
リフレッシュ動作において遠心ポンプ10を停止させると、上昇部17の内容積Pmの容量の水が遠心ポンプ10に逆流する。逆流水は、吸込ポート13からドレン穴8に向かって勢いよく吹出す。これにより、吸込ポート13とドレン穴8の底面との間のスペースに詰まった異物が取り除かれる。したがって、遠心ポンプ10の揚水能力の低下を抑制することができる。
また、このリフレッシュ動作時においても、第2羽根34に衝突した逆流水が羽根車30から抵抗を受けて、逆流水の流速が低下して、逆流水への通気孔23からの気の巻き込みが少なくなり、遠心ポンプ10の停止に伴う騒音が抑制される。
【0030】
以上に詳述されたように、実施形態の空気調和装置1は、遠心ポンプ10と、制御部4と、を有する。制御部4は、遠心ポンプ10の動作を制御する。遠心ポンプ10は、第1ケース11と、羽根車30と、モータ25と、を有する。第1ケース11は、吸込ポート13および吐出ポート14を有する。羽根車30は、第1ケース11の内部に配置され、複数の第2羽根34を有し、回転可能である。モータ25は、羽根車30を回転させる。吐出ポート14の中心軸14xと、羽根車30の回転軸30xとは、ねじれの位置にある。複数の第2羽根34は、θ方向に並んで配置される。複数の第2羽根34は、Z方向から見てθ方向に凸となる円弧状に形成される。複数の第2羽根34は、羽根車30の回転時に吐出ポート14の中心軸14xと交差することが可能である。制御部4は、空気調和装置1の運転を停止させるとき、羽根車30の回転数を段階的に減少させる。
【0031】
この構成によれば、羽根車30が逆流水との衝突により回転する。これにより、逆流水に遠心力が作用して、逆流水の流速が低下する。また、制御部4が羽根車30の回転数を段階的に減少させるので、逆流水の流速が低下する。逆流水の流速が低下すると、空気の巻き込みによる騒音が低下する。したがって、空気調和装置1の騒音を抑制することができる。
【0032】
実施形態の空気調和装置1は、吐出ポート14に接続された排水管16を有する。排水管16は、吐出ポート14から上方に伸びる上昇部17と、上昇部17の上端から下方に伸びる下降部18と、を有する。制御部4は、空気調和装置1の運転中に、リフレッシュ動作を複数回連続して実施する。リフレッシュ動作は、遠心ポンプ10により上昇部17の内容積Pmを超える揚水を行った後に遠心ポンプ10を停止させる動作である。
【0033】
リフレッシュ動作において遠心ポンプ10を停止させると、上昇部17の内容積Pmの容量の水が遠心ポンプ10に逆流する。逆流水は、吸込ポート13からドレン穴8に勢いよく吹出す。これにより、吸込ポート13とドレン穴8の底面との間のスペースに詰まった異物が取り除かれる。したがって、遠心ポンプ10の揚水能力の低下を抑制することができる。
【0034】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、空気調和装置1の運転を停止させるとき、羽根車30の回転数を段階的に減少させる制御部4を持つ。これにより、逆流水の流速が低下して、空気調和装置1の騒音を抑制することができる。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0036】
θ…周方向、Pm…内容積、1…空気調和装置、4…制御部、10…遠心ポンプ、11…第1ケース(ケース)、13…吸込ポート、14…吐出ポート、14x…中心軸、16…排水管、17…上昇部、18…下降部、25…モータ、30…羽根車、30x…回転軸、34…第2羽根(羽根)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6