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特許7498002情報処理装置、プログラム、情報処理装置の動作方法、及び顔面マスク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、情報処理装置の動作方法、及び顔面マスク
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/22 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
A45D44/22 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020044710
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021142285
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】森松 孝之
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-534342(JP,A)
【文献】特開昭56-097207(JP,A)
【文献】特開2002-172022(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0223578(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 44/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法及び位置を特定する顔型データを取得する工程と、
前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法を、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づいて決定し、当該顔面マスクの寸法、並びに前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクが切り出されるシート材の属性に応じて調整する工程と、を実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置に実行されることで、当該情報処理装置が、
人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法、及び位置を特定する顔型データを取得する工程と、
前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法を、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づいて決定し、当該顔面マスクの寸法、並びに、前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクが切り出されるシート材の属性に応じて調整する工程と、を実行する、
プログラム。
【請求項3】
情報処理装置の動作方法であって、
人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法、及び位置を特定する顔型データを取得する工程と、
前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法を、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づいて決定し、当該顔面マスクの寸法、並びに、前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクが切り出されるシート材の属性に応じて調整する工程と、を含む、
動作方法。
【請求項4】
顔面マスクの製造方法であって、
情報処理装置にて、人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う前記顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法、及び位置を特定する顔型データを取得し、前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法を、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づいて決定し、当該顔面マスクの寸法、並びに、前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクに用いられるシート材の属性に応じて調整する工程と、
調整された前記顔型データに基づいて前記シート材から前記顔面マスクを生成する工程とを含む、
顔面マスクの製造方法。
【請求項5】
人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法及び位置を特定する顔型データを取得する工程と、
前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法を、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づいて決定し、当該顔面マスクの寸法、並びに前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクが切り出されるシート材の属性並びに当該シート材に含浸させる液体の種別及び含浸量に応じて調整する工程と、を実行する、
情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置に実行されることで、当該情報処理装置が、
人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法、及び位置を特定する顔型データを取得する工程と、
前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法を、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づいて決定し、当該顔面マスクの寸法、並びに、前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクが切り出されるシート材の属性並びに当該シート材に含浸させる液体の種別及び含浸量に応じて調整する工程と、を実行する、
プログラム。
【請求項7】
情報処理装置の動作方法であって、
人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法、及び位置を特定する顔型データを取得する工程と、
前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法を、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づいて決定し、当該顔面マスクの寸法、並びに、前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクが切り出されるシート材の属性並びに当該シート材に含浸させる液体の種別及び含浸量に応じて調整する工程と、を含む、
動作方法。
【請求項8】
顔面マスクの製造方法であって、
情報処理装置にて、人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う前記顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法、及び位置を特定する顔型データを取得し、前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法を、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づいて決定し、当該顔面マスクの寸法、並びに、前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクに用いられるシート材の属性並びに当該シート材に含浸させる液体の種別及び含浸量に応じて調整する工程と、
調整された前記顔型データに基づいて前記シート材から前記顔面マスクを生成する工程とを含む、
顔面マスクの製造方法。
【請求項9】
人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に対応する顔型データに応じた形状と、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づく寸法とを有し、前記人物の顔を覆うシート材による顔面マスクであって、
前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の第1の寸法の少なくとも一つが、前記顔型データにより規定される対応する開口又は切り目の第2の寸法に対し前記シート材の属性に応じた差分を有する、
顔面マスク。
【請求項10】
人物の顔を左右方向における複数の角度から撮像して得られる撮像画像に対応する顔型データに応じた形状と、前記撮像画像における前記顔の正面の縦の長さ及び正面以外の一対の部位間の左右方向の距離に基づく寸法とを有し、前記人物の顔を覆うシート材による顔面マスクであって、
前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の第1の寸法の少なくとも一つが、前記顔型データにより規定される対応する開口又は切り目の第2の寸法に対し前記シート材の属性並びに当該シート材に含浸させる液体の種別及び含浸量に応じた差分を有する、
顔面マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、情報処理装置の動作方法、及び顔面マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧用品の一例として、不織布等の吸水性を有する素材で構成され、含浸させた美容液等を顔面に適用するための、顔面マスクが知られている。特許文献1には、顔面形状に沿った顔面マスクの製造法の例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-110152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顔面の形状には個人差があるので顔面マスクの装着感を向上させるためには、使用者毎に調整した顔面マスクを作成する必要がある。一方で、顔面マスクを作成する際の調整にかかる工数が増大すると、提供者側の利益を圧迫したり、使用者の利便性を損ねたりするおそれがある。
【0005】
上記に鑑み、以下では、使用者毎により簡便に調整した顔面マスクを提供することを可能にする情報処理装置等を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における情報処理装置は、人物の顔を撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法及び位置を特定する顔型データを取得する工程と、前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法、並びに前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクが切り出されるシート材の属性に応じて調整する工程と、を実行する。
【0007】
また、本開示における情報処理装置のプログラムは、情報処理装置に実行されることで、当該情報処理装置が、人物の顔を撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法、及び位置を特定する顔型データを取得する工程と、前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法、並びに、前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクが切り出されるシート材の属性に応じて調整する工程と、を実行する。
【0008】
さらに、本開示における情報処理装置の動作方法は、人物の顔を撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される、前記顔を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法、及び位置を特定する顔型データを取得する工程と、前記顔型データにおける前記顔面マスクの寸法、並びに、前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、前記顔面マスクが切り出されるシート材の属性に応じて調整する工程と、を含む。
【0009】
さらに、本開示における顔面マスクは、物の顔を撮像して得られる撮像画像に基づいて生成される顔型データを用いてシート材から切り出される、前記人物の顔を覆う顔面マスクであって、前記顔型データでは、前記顔面マスクの寸法、並びに、前記顔面マスクにおける前記人物の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の寸法の少なくとも一つが、前記シート材の属性に応じて調整される。
【発明の効果】
【0010】
本開示における情報処理装置等によれば、使用者毎に顔面マスクをより簡便に調整することを可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】情報処理システムの構成例を示す図である。
図2A】顔面マスクの例を示す図である。
図2B】顔面マスクの使用態様の例を示す図である。
図3】端末装置の構成例を示す図である。
図4】情報処理装置の構成例を示す図である。
図5】裁断装置の構成例を示す図である。
図6】情報処理システムによる動作例を示す図である。
図7A】撮像画像からの顔面の輪郭検出の例を示す図である。
図7B】撮像画像からの顔面の輪郭検出の例を示す図である。
図8A】顔面マスクの輪郭の寸法の決定方法の例を示す図である。
図8B】顔面マスクの輪郭の寸法の決定方法の例を示す図である。
図8C】目部等の寸法、形状及び位置の決定方法の例を示す図である。
図9】シート材の属性毎の調整量の例を示す図である。
図10】顔型データの調整例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム1は、例えば化粧品の販売店舗において、販売員が来店客に調整した顔面マスクを提供することを支援するものである。以下では、来店客である人物を顔面マスクの使用者という。情報処理システム1は、例えば、端末装置11、情報処理装置12、及び裁断装置13を有する。端末装置11と情報処理装置12、及び情報処理装置12と裁断装置13は、ネットワーク10を介して互いに情報通信可能に接続される。ネットワーク10は、例えばLAN(Local Area Network)であって、端末装置11及び情報処理装置12、及び裁断装置13は、Wifi(登録商標)などの無線LANルータ、又は有線LANルータを介してネットワーク10に接続される。あるいは、端末装置11と情報処理装置12、又は情報処理装置12と裁断装置13は、ネットワーク10を介さずに有線又は近距離無線通信等によりピアツーピアで接続されてもよい。端末装置11は、化粧品の販売員が使用する、例えば、タブレット端末、スマートフォンなどの、撮像機能を備えた情報処理端末装置である。情報処理装置12は、例えば、販売員が使用する、パーソナルコンピュータである。裁断装置13は、入力されるデータに基づいて、不織布等のシート材を裁断可能な、例えば、レーザーカッタ装置等である。
【0014】
販売店舗での実施形態の一例を次に説明する。ここにおける説明は一例であって、本実施形態はこれに限定されない。販売店舗では、販売員が、端末装置11により使用者の顔面を撮像する。すると、端末装置11は、顔面の撮像画像を情報処理装置12へ送る。情報処理装置12は、撮像画像に基づいて、使用者の顔面を覆う顔面マスクの形状及び寸法、並びに、顔面マスクにおける使用者の目、鼻及び口の少なくとも一つに対応する開口又は切り目の形状、寸法、および位置を特定する顔型データを生成する。そして、情報処理装置12は、顔型データを裁断装置13へ送る。すると、裁断装置13は、顔型データに従ってシート材を切り出すことで、使用者向けの顔面マスクを製造する。
【0015】
ここで、図2A及び図2Bを用いて、顔面マスクについて説明する。図2Aは、顔面マスクの例を示す。図2Bは、顔面マスクの使用態様の例を示す。図2Aに示すように、裁断装置13により平面状のシート材が切り出されて製造される顔面マスク200は、平面状を呈し、幅広の略洋梨形状の輪郭201により画定される領域202に、使用者の顔面の目、鼻、及び口にそれぞれ対応する開口(以下、「目部」という)203、切り目(以下、「鼻部」という)204、及び開口(以下、「口部」という)205を有する。図2Bに示すように、顔面マスク200は、化粧水、乳液といった液状化粧料等の液体を含浸させた状態で、液体を使用者の顔面207に適用するために使用者の顔面207に装着される。平面状の顔面マスク200は、ある程度の伸縮率を有するので、使用者の顔面207の凹凸に沿って適宜引き延ばされて装着される。顔面マスク200の輪郭201は、装着時に、使用者の毛髪の生え際208に沿うとともに耳珠209付近を通過して顔面207の側面を覆い、さらに顎210を覆うように画定される。顔面マスク200が装着されると、使用者の目及び口が目部203及び口部205を介して露出し、鼻部204により切り出される顔面マスクの一部が鼻尖により持ち上げられ、前方へ突出する。
【0016】
顔面マスク200が切り出されるシート材は、その材質に応じて液体含浸時の伸縮率が異なる。そこで、図1の本実施形態の情報処理システム1では、情報処理装置12が、液体含浸時のシート材の伸縮率を考慮に入れたアルゴリズムに従って顔型データを調整する。具体的には、情報処理装置12は、顔型データの生成工程を実行したのち、顔型データの調整工程を実行する。情報処理装置12は、顔型データの生成工程から顔型データを取得し、顔型データを裁断装置13へ送る前に、顔面マスクの寸法、並びに、前記開口又は切り目の寸法の少なくとも一つを、顔面マスクが切り出されるシート材の属性に応じて調整する。そして、情報処理装置12は、調整した顔型データを裁断装置13へ送る。そして、裁断装置13は、調整された顔型データに従ってシート材から顔面マスク200を切り出す。そうすることで、使用者毎に顔面マスク200をより簡便に調整することが可能になる。
【0017】
図3は、端末装置11の構成例を示す。端末装置11は、例えばタブレット端末、スマートフォンといった、情報処理端末装置である。端末装置11は、入出力部30、通信部31、記憶部32、及び制御部33を有する。
【0018】
入出力部30は、ユーザの入力を検出し、入力情報を制御部33に送る入力インターフェースを有する。かかる入力インターフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、パネルディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、各種ポインティングデバイス、音声入力を受け付けるマイクロフォン、撮像画像または画像コードを取り込むカメラ等を含む任意の入力インターフェースである。また、入出力部30は、制御部33が生成したり記憶部32から読み出したりする情報を、ユーザに対して出力する出力インターフェースを有する。かかる出力インターフェースは、例えば、情報を画像・映像として出力するディスプレイ、情報を音声として出力するスピーカ、または、外部の出力機器との接続インターフェースを含む、任意の出力インターフェースである。
【0019】
通信部31は、有線または無線LAN規格に対応する通信モジュール、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するモジュール、Bluetooth、AirDrop、IrDA、ZigBee、Felica、RFIDなどの近距離通信に対応する通信モジュール等を含む。端末装置11は、通信部31により、ネットワーク10経由で又はピアツーピアで、情報処理装置12と情報通信を行う。
【0020】
記憶部32は、一つ以上のメモリを含む。記憶部32に含まれる各メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、または光メモリ等であるが、これらに限られない。各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能する。記憶部32は、端末装置11の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、制御・処理プログラム、組込みソフトウェア、ネットワーク10その他のネットワークを介してダウンロードされる各種機能を提供するアプリケーションプログラム等を記憶する。
【0021】
制御部33は、一つ以上のプロセッサを有する。各プロセッサは、汎用のプロセッサ、または特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部33は、記憶部32に格納される制御・処理プログラムに従って動作することで、端末装置11の動作を統括的に制御する。
【0022】
図4は、情報処理装置12の構成例を示す。情報処理装置12は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理端末装置である。情報処理装置12は、入出力部40、通信部41、記憶部42、及び制御部43を有する。
【0023】
入出力部40は、端末装置11の入出力部30と同様に、ユーザの入力を検出し、入力情報を制御部43に送る入力インターフェースと、制御部43が生成したり記憶部42から読み出したりする情報をユーザに対して出力する出力インターフェースとを有する。
【0024】
通信部41は、ネットワーク10に接続するための、1つ以上の有線または無線LAN規格に対応する通信モジュールを有する。または、通信部41は、端末装置11又は裁断装置13とピアツーピアで接続するための、1つ以上の有線または無線規格に対応する通信モジュールを有する。かかる通信モジュールは、Bluetooth、AirDrop、IrDA、ZigBee、Felica、RFIDなどの近距離通信に対応する通信モジュールを含んでもよい。
【0025】
記憶部42は、端末装置11の記憶部32と同様に、1つ以上のメモリを含む。記憶部42は、情報処理装置12の動作に用いられる任意の情報、制御・処理プログラムを記憶する。例えば、記憶部42は、ネットワーク10その他のネットワークを介してダウンロードされる各種機能を提供するアプリケーションプログラム等を記憶する。
【0026】
制御部43は、端末装置11の制御部33と同様に、1つ以上のプロセッサを有する。制御部43は、記憶部42に格納される制御・処理プログラムに従って情報処理装置12の動作を統括的に制御する。
【0027】
図5は、裁断装置13の構成例を示す。裁断装置13は、入力されるデータに従ってシート材を裁断する装置であれば特に限定されず、例えば、固体レーザーカッタ装置、気体レーザーカッタ装置等である。裁断装置13は、裁断機構55と、裁断機構55を制御する制御装置54とを有する。制御装置54は、入出力部50、通信部51、記憶部52、及び制御部53を有する。
【0028】
入出力部50は、ユーザの入力を検出し、入力情報を制御部53に送る入力インターフェースと、制御部53が生成する情報をユーザに対して出力する出力インターフェースとを有する。入出力部50は、例えば、裁断装置13に対するユーザインターフェースを提供する、タッチパネルと一体化されたディスプレイを含む。
【0029】
通信部51は、ネットワーク10に接続するための、1つ以上の有線または無線LAN規格に対応する通信モジュールを有する。または、通信部51は、端末装置11又は情報処理装置12とピアツーピアで接続するための、1つ以上の有線または無線規格に対応する通信モジュールを有する。
【0030】
記憶部52は、1つ以上のメモリを含む。各メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、または光メモリ等であるが、これらに限られない。各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能する。記憶部52は、裁断装置13の動作に用いられる任意の情報、制御・処理プログラムを記憶する。
【0031】
制御部53は、1つ以上のプロセッサを有する。制御部53は、記憶部52に格納される制御・処理プログラムに従って裁断装置13の動作を統括的に制御する。制御部53は、通信部51を介して情報処理装置12から顔型データを受けると、顔型データを記憶部52に格納する。そして、顔型データに従ってシート材を裁断するための指示を生成し、生成した指示を裁断機構55へ送る。
【0032】
裁断機構55は、シート材を保持する保持機構と、レーザ光線を生成・照射する照射機構と、保持されたシート材に対し照射機構を相対的に位置決めする走査機構とを有する。裁断機構55は、制御部53の指示に応じてシート材に対し照射機構を走査しながらシート材にレーザ光線を照射し、レーザ光線によりシート材を切断して、顔型データに対応する顔面マスク200を切り出す。
【0033】
図6を用いて、情報処理システム1の動作例について説明する。図6は、端末装置11、情報処理装置12、及び裁断装置13による動作シーケンスを説明するシーケンス図である。図6の手順は、例えば、化粧品の販売店舗を訪れた使用者が顔面マスク200を所望し、販売員が顔面マスク200を提供するときに実行される。ステップS604~S610が顔型データの生成工程、ステップS612~S614が顔型データの調整工程である。
【0034】
ステップS600において、販売員または使用者自身により、端末装置11を用いて使用者の顔面207を撮像する。例えば、端末装置11の制御部33は、入出力部30の入力インターフェースへの販売員による撮像指示の入力に応答して、入出力部30のカメラに撮像を行わせる。顔面207の撮像画像は、例えば、顔面207の単一の方向(例えば正面方向)からの撮像画像、又は顔面207の複数方向からの撮像画像である。複数方向からの撮像画像は、例えば、カメラを顔面207に対し側面方向から正面方向を経て反対の側面方向へと移動させながら顔面207を多方向から連続的に撮像し、撮像画像間の画像を補間して得られる略180度のパノラマ画像である。
【0035】
ステップS602において、端末装置11は、使用者の顔面の撮像画像データを情報処理装置12へ送る。例えば、端末装置11の制御部33は、通信部31を介して、撮像画像データを情報処理装置12へ送る。情報処理装置12の制御部43は、通信部41を介して、撮像画像データを受ける。
【0036】
ステップS604において、情報処理装置12は、撮像画像データから使用者の顔面207の輪郭を検出する。図7Aは、正面方向からの撮像画像7aから顔面207の輪郭を検出する例を示す。図7Bは、パノラマ画像7bから顔面207の輪郭を検出する例を示す。図7A及び図7Bに示すように、例えば、情報処理装置12の制御部43は、撮像画像7a又は7bにおける肌色を示す画素の範囲70と、髪の生え際71及びフェイスライン72の陰影を示す画素の範囲とを特定することで、髪の生え際71及びフェイスライン72を結ぶ輪郭74を検出する。
【0037】
図6のステップS606において、情報処理装置12は、撮像画像データから使用者の目、鼻、及び口を検出する。情報処理装置12の制御部43は、撮像画像7a又は7bにおいて検出した顔面207の輪郭74内で、形状又は色のパターン認識処理により使用者の目75、鼻76、及び口77を検出する。また、制御部43は、顔面207の輪郭74における目75、鼻76、及び口77の相対的な位置を導出する。例えば、制御部43は、目頭、目尻、鼻翼、及び口角を示す特徴点の座標を導出する。さらに、制御部43は、顔面207の輪郭74、並びに目75、鼻76、及び口77の寸法(実寸)を導出する。各部の寸法は、任意の方法で導出される。例えば、被写体までの距離とカメラの画角とを用いて各部位の寸法を導出してもよいし、予め記憶される基準オブジェクトとの対比により各部位の寸法を導出してもよい。被写体までの距離は、深度カメラによる奥行き、計測補助光の往復時間、ステレオ画像の視差当に基づいて求めることができる。
【0038】
ステップS608において、情報処理装置12は、顔面マスク200の輪郭201の形状及び寸法、並びに目部203、鼻部204、及び口部205の形状、寸法、及び位置を決定する。
【0039】
情報処理装置12の制御部43は、顔面マスク200の輪郭201の形状を予め任意に定めた幅広の略洋梨形状とし、輪郭201の寸法を、撮像画像に応じて決定する。図8Aの例では、制御部43は、正面からの撮像画像7aから導出される顔面207の輪郭74の縦の長さd1に、顔面マスク200の輪郭201の縦の長さが対応するように、輪郭201の寸法を決定する。また、図8Bの例では、制御部43は、パノラマ画像7bから導出される顔面207の輪郭74の縦の長さd1に、顔面マスク200の輪郭201の縦の長さが対応し、耳珠から耳珠への顔面207の表面上の距離d2に、顔面マスク200の輪郭201の横の長さが対応するように、輪郭201の寸法を決定する。ここにおいて、縦は、顔面207における上下、又は顔面マスク200における装着時の上下方向をいい、横は、顔面207における左右、又は顔面マスク200における装着時の左右方向をいう。なお、顔面マスク200の輪郭201の縦の長さ又は横の長さは、それぞれ、顔面207の輪郭74の縦の長さd1又は耳珠間の距離d2に完全に一致する必要はなく、予め任意に定めた比率で対応する長さであってもよい。図8Bの例によれば、顔面マスク200の横の長さが使用者の耳珠間の顔面207の表面上の距離の実測値に近いので、使用者においてより最適化された装着感を得ることができる。
【0040】
また、情報処理装置12の制御部43は、予め任意に定めた形状である目部203、鼻部204、及び口部205の寸法及び位置を、撮像画像に応じて決定する。図8Cの例では、制御部43は、楕円形状の目部203の寸法を、楕円の長軸が目頭と目尻の間の距離より長く、短軸が開かれた上下の瞼の距離より長くなるように決定する。また、制御部43は、横方向の切り目80と、切り目80の両端から縦方向に延伸する切り目81及び82とからなる鼻部204の寸法を、切り目80の長さが鼻翼間の距離より長く、切り目81及び82が任意に定められる長さとなるように、決定する。さらに、制御部43は、楕円形状の口部205の寸法を、楕円の長軸が口角の間の距離より長くなるように決定する。または、制御部43は、口部205の形状を、口唇の形状を模した形状とし、その形状の長手方向の長さが口角の間の距離より長くなるように口部205の寸法を決定してもよい。そして、制御部43は、顔面207の輪郭74に顔面マスク200の輪郭201を対応させたときに、目部203が目75を内包し、鼻部204の切り目80が鼻76の下部に沿い、そして口部205が口77を内包するように、顔面マスク200の輪郭201における目部203、鼻部204、及び口部205の位置を決定する。
【0041】
ステップS610において、情報処理装置12は、顔面マスク200の輪郭201に目部203、鼻部204、及び口部205を配置して、顔型データを生成する。情報処理装置12の制御部43は、顔面マスク200の輪郭201に対し目部203、鼻部204及び口部205を配置して、顔型データを生成する。
【0042】
ステップS612において、情報処理装置12は、マスクを切り出すシート材の属性を取得する。例えば、販売員が入出力部30に対し、シート材の属性を入力すると、情報処理装置12の制御部43が属性を示す情報を受け取る。シート材は例えば、不織布、リヨセル、パルプ、レーヨン、キュプラ、セルロース、コットン等であり、シート材の属性は、顔面マスクとして要求される特性等により適宜選択される。 販売員が端末装置11にシート材の属性を入力し、端末装置11から送られる属性情報を情報処理装置12が受けることで、制御部43が属性情報を取得してもよい。
【0043】
ステップS614において、情報処理装置12は、シート材の属性情報に応じて、顔型データにおける顔面マスク200の輪郭201の寸法、並びに開口又は切り目の寸法を調整する。すなわち、情報処理装置の制御部43は、シート材の属性情報とする伸縮率によりパーツの位置や大きさ、切り目の長さ等を変化させる。 情報処理装置12の記憶部42は、液体含浸時のシート材の伸縮率を考慮した輪郭201、目部203、鼻部204及び口部205の調整量を予め格納する。例えば、シート材の属性毎に、輪郭201、目部203、鼻部204及び口部205の調整量を対応付けたテーブルが、記憶部42に格納される。かかるテーブルの一例が図9示される。図9のテーブル90では、シート材の属性情報毎に、顔面マスク200の輪郭201、目部203、鼻部204、及び口部205の寸法の調整量が対応付けられる。制御部43は、テーブル90を参照してシート材の属性に応じた各部の調整量を読み出す。そして、制御部43は、顔面マスク200の輪郭201、目部203、鼻部204、及び口部205の寸法を、それぞれの調整量により調整する。
【0044】
ステップS616において、情報処理装置12は、調整後の顔型データを裁断装置13へ送る。情報処理装置12の制御部43は、通信部41を介して、顔型データを裁断装置13へ送る。裁断装置13では、制御部が、通信部51を介して、顔型データを受け取る。
【0045】
ステップS618において、裁断装置13は、顔型データに基づいてシート材を裁断し、顔面マスクを製造する。裁断装置13では、制御部の制御のもと、裁断機構55が作動し、顔型データにおける輪郭201及び目部203、鼻部204、及び口部205に従ってシート材を裁断し、顔面マスク200を切り出して製造する。
【0046】
図6の手順において、顔型データ生成工程であるステップS604~S610の一部又は全部が端末装置11にて実行され、情報処理装置12が顔型データを端末装置11から取得し、情報処理装置12が、取得した顔型データに対しシート材の属性に応じた調整を行ってもよい。
【0047】
<実施例>
図10は、一実施例における顔型データの調整例を示す。この実施例では、シート材は不織布である。織目が顔面マスクの縦方向に沿うようにして顔面マスクが切り出される。この場合、顔面マスクは、液体含浸時に、縦方向における伸縮率が横方向の伸縮率を上回る傾向がある。すると、開口又は切り目も比較的縦方向に大きく伸長するので、目部203、鼻部204、口部205、及び顔面マスク200の寸法において、それぞれ実際の目、鼻、及び口の位置及び寸法に対しずれが生じる可能性がある。そこで、この実施例では、顔型データ100における各部の寸法は、縦方向と横方向それぞれで任意に設定される縮小・伸長率により調整される。
【0048】
この例における顔型データ100は、次のような各部位の寸法を有する。
・輪郭201の縦の長さ D1:145mm~255mm(好ましい範囲は175mm~225mm)。
・輪郭201の横の長さD2:195mm~295mm(好ましい範囲は225mm~265mm)。
目部203の縦(短手方向)の長さD3:5mm~40mm(好ましい範囲は20mm~25mm)。
・目部203の横(長手方向)の長さD4:20mm~65mm(好ましい範囲は40mm~45mm)。
・鼻部204の縦の長さD5:25mm~80mm(好ましい範囲は45mm~60mm)。
・鼻部204の横の切り目80の長さD6:25mm~75mm(好ましい範囲は45mm~55mm)。
・鼻部204の縦の切り目81及び82がそれぞれ横の切り目80となす角度α: 65度~85度(好ましい範囲は70度~80度)。
・口部205の縦(短手方向)の長さD7:10mm~45mm(好ましい範囲は25mm~30mm)。
・口部205の横(長手方向)の長さD8:35mm~95mm(好ましい範囲は55mm~75mm)。
【0049】
また、この例における顔型データ100では、目部203、鼻部204及び口部205は、次のように配置される。
・目部203は、輪郭201における中心103寄りの端部の中心103からの距離D9が10mm~20mmになるように配置される
・鼻部204は、横の切り目80の輪郭201の下端からの距離D10が50mm~90mmになるように配置される
・口部205は、下端の輪郭201の下端からの距離D11が20mm~50mmになるように配置される。
【0050】
この例において、顔型データ100の各部位は次のとおり調整される。
・輪郭201の縦の長さD1を85%~100%(好ましい範囲は90%~95%)に縮小。
・輪郭201の横の長さD2を70%~110%(好ましい範囲は85%~95%)に縮小・伸長。
・目部203の縦(短手方向)の長さD3を75%~100%(好ましい範囲は85%~90%)に縮小。
・目部203の横(長手方向)の長さD4を75%~100%(好ましい範囲は85%~90%)に縮小。
・鼻部204の縦の長さを40%~70%(好ましい範囲は50%~60%)に縮小。
・鼻部204の横の長さD6を90%~110%(好ましい範囲は95%~105%に)縮小・伸長。
・口部205の縦(短手方向)の長さD7を45%~65%(好ましい範囲は50%~60%)に縮小。
口部205の横(長手方向)の長さD8を85%~100%(好ましい範囲は90%~95%)に縮小。
【0051】
顔型データ100は、使用者の顎に対応する任意の長さ(例えば20mm~60mm)の切り目101を有してもよい。その場合、顔面マスク200は、切り目101の両側が適宜重ねられてひだをなすことで、顎の曲面に密着するようにして装着することが可能となる。
【0052】
上述のような調整により、調整後の顔型データに基づいて切り出された顔面マスク200は、調整されない顔型データに基づいて切り出される場合よりもよりよく使用者の顔面207にフィットするので、装着感が向上する。
【0053】
<変形例>
シート材の属性毎に、さらに、含浸させる液体の種別及び含浸量によってシート材の伸縮率が異なる場合を考慮し、シート材の属性に加え、シート材に含浸させる液体の種別に応じて、目部203、鼻部204、口部205、及び顔面マスク200の輪郭201の寸法を調整してもよい。例えば、情報処理装置12の記憶部32が、シート材の属性、液体の種別、及び含浸量のうち2つ以上の組合せ毎に、目部203、鼻部204、口部205、及び顔面マスク200の輪郭201の寸法の調整量を格納する。そして、入出力部40からシート材の属性と液体の種別とが入力されると、制御部43が、シート材の属性と液体の種別の組合せに応じた調整量を読み出して、顔型データを調整する。そうすることで、顔面マスク200により適用しようとする液状化粧料に応じて、さらにきめ細かい顔面マスク200の調整が可能となる。
【0054】
上述の説明においては、顔型データにおける輪郭201、目部203、鼻部204、及び口部205の寸法が調整される例を示したが、これらのいずれか1つ以上が調整される場合も、本実施形態に含まれる。また、顔面マスク200が目部203、鼻部204、及び口部205のいずれか1つ以上を有する場合も、本実施形態に含まれる。
【0055】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 情報処理システム
10 ネットワーク
11 端末装置
12 情報処理装置
13 裁断装置
30、40、50 入出力部
31、41、51 通信部
32、42、52 記憶部
33、43、53 制御部
54 制御装置
55 裁断機構
200 顔面マスク
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10