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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】超音波接合装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20240604BHJP
   H01R 43/02 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B23K20/10
H01R43/02 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020098222
(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公開番号】P2021186875
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】宮内 宏隆
(72)【発明者】
【氏名】松本 和弘
【審査官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-185706(JP,A)
【文献】特開2020-005337(JP,A)
【文献】特開2010-153074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波接合用のホーンとアンビル間で少なくとも2本の異なる種類の電線の各導体同士を超音波接合により接合する超音波接合装置であって、
前記ホーンと前記アンビルの少なくとも一方の側に、前記少なくとも2本の異なる種類の電線の位置関係を保った状態で前記各導体同士を接合可能にする受け治具を備え
前記ホーンはベースに固定され、前記ベースに固定された前記ホーンに対して前記アンビルが昇降自在に設けられており、
前記アンビルで電線を押さえる側の前記ベースに、アンビル側の受け治具が配置され、
前記アンビル側の受け治具は、少なくとも2本の異なる種類の電線の位置関係を保つ電線受け板を有し、
前記電線受け板は、前記アンビルの昇降に伴って昇降する、超音波接合装置。
【請求項2】
前記ホーンで電線を押さえる側の前記ベースに、ホーン側の受け治具が固定され、
前記ホーン側の受け治具は、前記ホーンの超音波振動付与面と同じ位置に少なくとも2本の異なる種類の電線のうちの一方の電線の位置を保つ電線受け板を有している、請求項に記載の超音波接合装置。
【請求項3】
前記ベースの前記ホーンで電線を押さえる側と前記アンビルで電線を押さえる側の両側にホーン側の受け治具とアンビル側の受け治具がそれぞれ配置され、
前記ホーンで電線を押さえる側の前記ベースに固定されたホーン側の受け治具が、少なくとも2本の異なる種類の電線のうち、硬い金属からなる導体若しくはサイズの大きい導体を有する電線を所定の位置に保持する、請求項に記載の超音波接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電線の各々の導体に超音波振動を付与して各導体同士を接合する超音波接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の超音波接合装置として、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された超音波接合装置は、超音波接合装置本体と、導体同士の超音波接合時に各電線を配列させる電線配列治具と、を備えている。この電線配列治具は、電線の挿入開始側から底部に向かって幅方向の間隔が連続的に狭くなる電線配列溝を有している。そして、電線配列治具の電線配列溝に配列された各電線の導体には、超音波エネルギーが均一に印加されるため、良好な接合強度を得ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-140396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の超音波接合装置では、電線の配列を規制し、任意でコントロールできる設備が無いため、安定した機械性能及び電気性能を確保することが困難である。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、多種多様の複数の電線の各導体同士を適切な状態で接合することができ、安定した機械性能及び電気性能を確保することができる超音波接合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る超音波接合装置は、超音波接合用のホーンとアンビル間で少なくとも2本の異なる種類の電線の各導体同士を超音波接合により接合する超音波接合装置であって、前記ホーンと前記アンビルの少なくとも一方の側に、前記少なくとも2本の異なる種類の電線の位置関係を保った状態で前記各導体同士を接合可能にする受け治具を備えたものである。
【0007】
前記ホーンは、ベースに固定され、前記ベースに固定された前記ホーンに対して前記アンビルが昇降自在に設けられていることが好ましい。
【0008】
前記アンビルで電線を押さえる側の前記ベースに受け治具が配置され、前記受け治具は、少なくとも2本の異なる種類の電線の位置関係を保つ電線受け板を有し、前記電線受け板は、前記アンビルの昇降に伴って昇降することが好ましい。
【0009】
前記ホーンで電線を押さえる側の前記ベースに受け治具が固定され、前記受け治具は、前記ホーンの超音波振動付与面と同じ位置に少なくとも2本の異なる種類の電線のうちの一方の電線の位置を保つ電線受け板を有していることが好ましい。
【0010】
前記ベースの前記ホーンで電線を押さえる側と前記アンビルで電線を押さえる側の両側に受け治具がそれぞれ配置され、前記ホーンで電線を押さえる側の前記ベースに固定された受け治具が、少なくとも2本の異なる種類の電線のうち、硬い金属からなる導体若しくはサイズの大きい導体を有する電線を所定の位置に保持することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、多種多様の複数の電線の各導体同士を適切な状態で接合することができ、安定した機械性能及び電気性能を確保することができる超音波接合装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る超音波接合装置で2本の電線を突き合わせて接合する前の状態の一例を示す概略正面図である。
図2図1中II-II線に沿う断面図である。
図3】上記2本の電線を突き合わせて接合した状態を示す概略正面図である。
図4図3中IV-IV線に沿う断面図である。
図5】上記第1実施形態の他の形態で2本の電線を同じ向きに合わせて接合する前の状態を示す概略正面図である。
図6】上記第1実施形態の他の形態で2本の電線を同じ向きに合わせて接合した状態を示す概略正面図である。
図7】上記第1実施形態の別の形態の受け治具で2本の電線を突き合わせて接合する前の状態を示す概略正面図である。
図8図7中VIII-VIII線に沿う断面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る超音波接合装置で2本の電線を突き合わせて接合する前の状態の一例を示す概略正面図である。
図10図9中X-X線に沿う断面図である。
図11】上記第2実施形態の超音波接合装置で2本の電線を突き合わせて接合した状態を示す概略正面図である。
図12図11中XII-XII線に沿う断面図である。
図13】上記第2実施形態の他の形態で2本の電線を同じ向きに合わせて接合する前の状態を示す概略正面図である。
図14】上記第2実施形態の他の形態で2本の電線を同じ向きに合わせて接合した状態を示す概略正面図である。
図15】本発明の第3実施形態に係る超音波接合装置で品種の異なる3本の電線を突き合わせて接合する前の状態の一例を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る超音波接合装置について詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の第1実施形態に係る超音波接合装置で2本の電線を突き合わせて接合する前の状態の一例を示す概略正面図である。図2図1中II-II線に沿う断面図である。図3は2本の電線を突き合わせて接合した状態を示す概略正面図である。図4図3中IV-IV線に沿う断面図である。図5は他の形態で2本の電線を同じ向きに合わせて接合する前の状態を示す概略正面図である。図6は他の形態で2本の電線を同じ向きに合わせて接合した状態を示す概略正面図である。図7は別の形態の受け治具で2本の電線を突き合わせて接合する前の状態を示す概略正面図である。図8図7中VIII-VIII線に沿う断面図である。
【0015】
図1図8に示すように、超音波接合装置10は、ベース11に固定されたホーン12と、このホーン12に対して昇降するアンビル13との間で2本の電線20,20の複数の素線22aからなる各芯線(導体)22同士を超音波接合により接合するものである。そして、アンビル13で電線20を押さえる側(以下、アンビル13側という)のベース11には、2本の電線20,20の位置関係を保った状態で各芯線22同士を接合可能にする受け治具15を備えている。
【0016】
図1図2に示すように、ホーン12は、ベース11に固定されて下側に配置されており、その上面12aが超音波振動付与面となっている。また、上側に配置されているアンビル13は、下側のホーン12に対して昇降機構(図示省略)を介して昇降自在に設けられおり、その下面13bが加工対象物を受ける加圧面となっている。
【0017】
アンビル13側のベース11に配置された受け治具15は、ベース11に設けられた穴部11a内に収容された付勢手段としての圧縮コイルバネ16を介して昇降自在に支持された棒状の治具本体15aを有している。また、受け治具15は、治具本体15aの上部に水平に取り付けられて、コントロールしたい1本の電線20を載せて2本の電線20,20の位置関係を保つ電線受け板15bを有している。そして、この電線受け板15bは、アンビル13の昇降に伴って昇降するようになっている。すなわち、アンビル13が下降して電線受け板15bに載せた一方の電線20の芯線22をホーン12側に押し付けると同時に、電線受け板15bも該一方の電線20と共に下降するようになっている。なお、受け治具15は、一方の電線20の下降と共に該一方の電線20を載せた電線受け板15bをその押圧力により下降させることで、下降するようにしたが、アンビル12を昇降させる図示しない昇降機構に連動させて上下方向に可動するようにしても良い。
【0018】
ホーン12側及びアンビル13側に配置される各電線20は、一端20a側の絶縁被膜21から露出した複数の素線22aからなる芯線(導体)22を有している。そして、2本の電線20,20は、図1図3に示すように、各芯線22同士を突き合わせた状態で、或いは、図5図6に示すように、各芯線22を同じ向きに合わせた状態で、ホーン12とアンビル13間で超音波接合により接合されるようになっている。また、2本の電線20,20の接合される各芯線22の材質は、基本的に異なる材質であり、同じ材質である場合は、線径が異なる。よって、芯線22は、少なくとも材質又はサイズのどちらか一方が異なるものが良い。さらに、芯線22の材質としては、例えば、アルミニウム製、アルミニウム合金製、銅製、銅合金製、銅に錫めっきしたものでも良く、撚り線でも単芯線であっても良い。
【0019】
次に、以上第1実施形態の超音波接合装置10による2本の異なる種類の電線20,20の各芯線22同士の超音波接合による接合を説明する。
【0020】
まず、図1図2に示すように、アンビル13側に配置された受け治具15の電線受け板15bに、配置をコントロールしたい一方の電線20を載せてセットする。このセットにより、配置をコントロールしたい一方の電線20とホーン12の上面12aに芯線22を載せた硬い電線・電線サイズの大きい他方の電線20との位置関係が保たれる。
【0021】
次に、2本の電線20,20の位置関係が保たれた状態で、図3図4に示すように、アンビル13を下降させると、アンビル13が一方の電線20の芯線22をホーン12の上面12a側に押し付ける。また、このアンビル13の押し付けと同時に、受け治具15の電線受け板15bが圧縮コイルバネ16の付勢力に抗して一方の電線20と共に下降する。この際、各芯線22同士は、ホーン12の超音波振動及びアンビル13の加圧による超音波接合で接合される。
【0022】
上記の超音波接合の際に、ホーン12の超音波振動付与面である上面12aから発振される超音波振動エネルギーがアンビル13に向かって伝播され、アンビル13の加圧面である下面13bで各芯線22同士が加圧される。この超音波接合により、図3図4に示すように、突き合わされて配置された2本の異なる種類の電線20,20の各芯線22同士を適切な状態で接合することができる。このように、各芯線22同士を適切な状態で接合することができるため、安定した接合部の強度等の機械性能及び接合部の導通等の電気性能を確保することができる。
【0023】
また、図5図6に示すように、2本の異なる種類の電線20,20を同じ向きに合わせて各芯線22同士を接合する場合、アンビル13側に配置された受け治具15を用いる。これを用いることで、2本の異なる種類の電線20,20を突き合わせて接合する場合と同様の作用・効果を得ることができる。この場合、一方の電線20を受け治具15の電線受け板15bの上側にセットし、硬い電線・電線サイズの大きい他方の電線20を受け治具15の電線受け板15bの下側にセットして接合を行う。
【0024】
さらに、図7図8に示すように、アンビル13側に配置された受け治具15の平板状の電線受け板15bの代わりにU字形状の電線受け板15Bを用いれば、配置をコントロールしたい一方の電線20を落下させることなく確実に載せてセットすることができる。
【0025】
図9は本発明の第2実施形態に係る超音波接合装置で2本の電線を突き合わせて接合する前の状態の一例を示す概略正面図である。図10図9中X-X線に沿う断面図である。図11は2本の電線を突き合わせて接合した状態を示す概略正面図である。図12図11中XII-XII線に沿う断面図である。図13は他の形態で2本の電線を同じ向きに合わせて接合する前の状態を示す概略正面図である。図14は他の形態で2本の電線を同じ向きに合わせて接合した状態を示す概略正面図である。
【0026】
この第2実施形態の超音波接合装置10Aは、ホーン12で電線20を押さえる側(以下、ホーン12側という)のベース11に受け治具18を配置した点が、前記第1実施形態のアンビル13側のベース11に受け治具15を配置したものとは異なる。尚、他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】
この第2実施形態の超音波接合装置10Aでは、ホーン12側のベース11に配置された受け治具18が、ベース11に固定された板状の治具本体18aを有している。また、受け治具18は、治具本体18aの上部に水平に取り付けられて、コントロールしたい1本の電線20を載せて2本の異なる種類の電線20,20の位置関係を保つ電線受け板18bを有している。そして、電線受け板18bの上面とホーン12の上面(超音波振動付与面)12aとは同じ位置(同じ高さ)に位置している。
【0028】
次に、以上第2実施形態の超音波接合装置10Aによる2本の異なる種類の電線20,20の各芯線22同士の超音波接合による接合を説明する。
【0029】
まず、図9図10に示すように、ホーン12側に固定された受け治具18の電線受け板18bに、配置をコントロールしたい硬い電線・電線サイズの大きい他方の電線20を載せてセットする。このセットにより、配置をコントロールしたい硬い電線・電線サイズの大きい他方の電線20とアンビル13の下方に配置された一方の電線20との位置関係が保たれる。
【0030】
次に、2本の電線20,20の位置関係が保たれた状態で、図11図12に示すように、アンビル13を下降させると、アンビル13が一方の電線20の芯線22をホーン12の上面12a側に押し付ける。この際、各芯線22同士は、ホーン12の超音波振動及びアンビル13の加圧による超音波接合で接合される。すなわち、ホーン12の超音波振動付与面である上面12aから発振される超音波振動エネルギーがアンビル13に向かって伝播され、アンビル13の加圧面である下面13bで各芯線22同士が加圧される。この超音波接合により、図11図12に示すように、突き合わされて配置された2本の異なる種類の電線20,20の各芯線22同士を適切な状態で接合することができる。このように、各芯線22同士を適切な状態で接合することができるため、安定した接合部の強度等の機械性能及び接合部の導通等の電気性能を確保することができる。
【0031】
また、図13図14に示すように、2本の異なる種類の電線20,20を同じ向きに合わせて各芯線22同士を接合する場合、ホーン12側に配置された受け治具18を用いる。これを用いることで、2本の異なる種類の電線20,20を突き合わせて接合する場合と同様の作用・効果を得ることができる。この場合、一方の電線20を受け治具18の電線受け板18bの上側にセットし、硬い電線・電線サイズの大きい他方の電線20を受け治具18の電線受け板18bの下側にセットして接合を行う。
【0032】
図15は本発明の第3実施形態に係る超音波接合装置で品種の異なる3本の電線を突き合わせて接合する前の状態の一例を示す概略正面図である。
【0033】
この第3実施形態の超音波接合装置10Bは、ベース11のアンビル13側とホーン12側の両側に受け治具15,18をそれぞれ配置した点が、前記第1及び第2実施形態のものとは異なる。尚、他の構成は、前記第1及び第2実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0034】
この第3実施形態の超音波接合装置10Bでは、アンビル13側の受け治具15とホーン12側の受け治具18の高さを変えることで、複数本の異なる種類の電線20の配置を制御することができるようになっている。すなわち、アンビル13側の受け治具15の電線受け板15bの位置をホーン12側の受け治具18の電線受け板18bの位置よりも高さH高く設定してある。
【0035】
次に、以上第3実施形態の超音波接合装置10Bによる3本の異なる種類の電線20の各芯線22A,22B,22C同士の超音波接合による接合を説明する。
【0036】
まず、受け治具18の電線受け板18bの下側に、硬い銅製の複数の素線22aからなる大径の芯線(導体)22Aを有する電線20をセットし、電線受け板18bの上側に、硬い銅製の複数の素線22aからなる小径の芯線22Bを有する電線20をセットする。また、受け治具15の電線受け板15bの上側に、柔らかいアルミ製の複数の素線22aからなる大径(銅製の芯線22Aと同径)の芯線(導体)22Cを有する電線20をセットする。
【0037】
上記のセット状態からアンビル13を下降させ、このアンビル13の下面13bとホーン12の上面12aとの間で各芯線22A,22B,22Cに超音波振動を付与しながら加圧することで、各芯線22A,22B,22C同士を確実に接合することができる。
すなわち、アルミ製の芯線22Cや小さいサイズの芯線22Bをホーン12の上面12aに載せると、過溶接となる。しかしながら、銅製で断面積の大きい芯線22Aをホーン12の上面12aに載せ、アルミ製で断面積の大きい芯線22Cをアンビル13の下面13b側に配したことで、各芯線22A,22B,22C同士を損傷等させることなく接合することができる。この接合により、多種多様の3本の電線20の各芯線22A,22B,22C同士を適切な状態で接合することができ、安定した接合部の強度等の機械性能及び接合部の導通等の電気性能を確保することができる。すなわち、従来の超音波接合による接合の場合に比べて、各芯線22A,22B,22C同士の接合部の強度低下を最小限に抑えることができると共に、安定した導通状態を得ることができる。
【0038】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0039】
すなわち、前記各実施形態によれば、複数本の電線を突き合わせて接合し、複数本の電線を同じ向きに合わせて接合したが、一方の電線の端部の絶縁被膜からに露出した導体に、他方の電線の中途の絶縁被膜から露出した導体を接合するようにしても良い。
【符号の説明】
【0040】
10,10A,10B 超音波接合装置
11 ベース
12 ホーン
12a 上面(超音波振動付与面)
13 アンビル
15 アンビル側の受け治具
15b,15B 電線受け板
18 ホーン側の受け治具
18b 電線受け板
20 電線
22,22A,22B,22C 芯線(導体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15