(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】由来別電力管理方法、由来別電力管理装置、由来別電力管理システム及び由来別電力管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240604BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20240604BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J3/00 130
H02J3/00 180
H02J3/38 120
(21)【出願番号】P 2020114249
(22)【出願日】2020-07-01
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】514105011
【氏名又は名称】株式会社東光高岳
(73)【特許権者】
【識別番号】519279889
【氏名又は名称】Goal connect株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 欽也
(72)【発明者】
【氏名】原 正典
(72)【発明者】
【氏名】大下 明
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-311675(JP,A)
【文献】特開2004-129322(JP,A)
【文献】特開2002-112458(JP,A)
【文献】特開2014-085981(JP,A)
【文献】特開2019-185089(JP,A)
【文献】特表2015-517695(JP,A)
【文献】特開2018-073186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
H02J 3/00
H02J 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、電力源から供給される電力量及び事業所に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定事業所と、前記特定生産物を生産しない非特定事業所とを含む複数の事業所に供給される電力の由来
別の電力量を
算出することを含み、
前記コンピュータは、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を前記特定事業所に対して優先的に
供給するものとみなして由来別の電力量を算出し、
前記特定の電力源に由来しない電力を前記特定事業所に供給しなければならない状況にあるとき、前記特定の電力源の発電量を増加させる、由来別電力管理方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記特定事業所が前記特定生産物と異なる生産物を生産可能である場合、前記特定事業所が前記特定生産物を生産しているとき
に前記特定の電力源に由来する電力を前記特定事業所に対して優先的に
供給するものとみなして由来別の電力量を算出する、請求項1に記載の由来別電力管理方法。
【請求項3】
前記コンピュータが、前記特定事業所と前記非特定事業所とに供給される電力量の実績値を所定期間おきに取得することを含み、
前記コンピュータは、取得した電力量の実績値を参照し、前記特定事業所と前記非特定事業所とに供給される電力の由来
別の電力量
を算出する、請求項1又は請求項2に記載の由来別電力管理方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、前記特定事業所と前記非特定事業所とに供給される所定
期間おきの電力量の予測値を取得することを含み、
前記コンピュータは、取得した電力量の予測値を参照し、前記特定事業所と前記非特定事業所とに供給される電力の由来
別の電力量
を算出する、請求項1又は請求項2に記載の由来別電力管理方法。
【請求項5】
前記特定事業所と前記非特定事業所とに供給される電力量の値を取得するタイミングにおい
て前記特定の電力源に由来しない電力を前記特定事業所に
供給しなければならない状況にあるとき、前記特定の電力源の発電量を増加させる、請求項3又は請求項4に記載の由来別電力管理方法。
【請求項6】
コンピュータが、電力源から供給される電力量及び複合事業所に設けられた施設
に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定施設と、前記特定生産物を生産しない非特定施設とに供給される電力の由来
別の電力量を
算出することを含み、
前記コンピュータは、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を前記特定施設に対して優先的に
供給するものとみなして由来別の電力量を算出し、
前記特定の電力源に由来しない電力を前記特定施設に供給しなければならない状況にあるとき、前記特定の電力源の発電量を増加させる、由来別電力管理方法。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記特定施設が前記特定生産物と異なる生産物を生産可能である場合、前記特定施設が前記特定生産物を生産しているとき
に前記特定の電力源に由来する電力を前記特定施設に対して優先的に
供給するものとみなして由来別の電力量を算出する、請求項6に記載の由来別電力管理方法。
【請求項8】
前記特定施設と前記非特定施設とに供給される電力の由来は、前記複合事業所に供給される電力の由来と整合する、請求項6又は請求項7に記載の由来別電力管理方法。
【請求項9】
前記コンピュータが、前記特定施設と前記非特定施設とに供給される電力量の実績値を所定期間おきに取得することを含み、
前記コンピュータは、取得した電力量の実績値を参照し、前記特定施設と前記非特定施設とに供給される電力の由来
別の電力量
を算出する、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の由来別電力管理方法。
【請求項10】
前記コンピュータが、前記特定施設と前記非特定施設とに供給される所定
期間おきの電力量の予測値を取得することを含み、
前記コンピュータは、取得した電力量の予測値を参照し、前記特定施設と前記非特定施設とに供給される電力の由来
別の電力量
を算出する、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の由来別電力管理方法。
【請求項11】
前記特定施設と前記非特定施設とに供給される電力量の値を取得するタイミングにおい
て前記特定の電力源に由来しない電力を前記特定施設に
供給しなければならない状況にあるとき、前記特定の電力源の発電量を増加させる、請求項9又は請求項10に記載の由来別電力管理方法。
【請求項12】
前記特定生産物は、有形の財である、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の由来別電力管理方法。
【請求項13】
前記有形の財は、最終生産物である、請求項12に記載の由来別電力管理方法。
【請求項14】
前記有形の財は、中間生産物である、請求項12に記載の由来別電力管理方法。
【請求項15】
前記特定生産物は、無形のサービスである、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の由来別電力管理方法。
【請求項16】
電力源から供給される電力量及び事業所に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定事業所と、前記特定生産物を生産しない非特定事業所とを含む複数の事業所に供給される電力の由来
別の電力量を
算出する電力由来決定部を備え、
前記電力由来決定部は、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を前記特定事業所に対して優先的に
供給するものとみなして由来別の電力量を算出し、
前記特定の電力源に由来しない電力を前記特定事業所に供給しなければならない状況にあるとき、前記特定の電力源の発電量を増加させる、由来別電力管理装置。
【請求項17】
電力の由来を決定する由来別電力管理装置を備え、
前記由来別電力管理装置は、
電力源から供給される電力量及び事業所に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定事業所と、前記特定生産物を生産しない非特定事業所とを含む複数の事業所に供給される電力の由来
別の電力量を
算出する電力由来決定部を備え、
前記電力由来決定部は、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を前記特定事業所に対して優先的に
供給するものとみなして由来別の電力量を算出し、
前記特定の電力源に由来しない電力を前記特定事業所に供給しなければならない状況にあるとき、前記特定の電力源の発電量を増加させる、由来別電力管理システム。
【請求項18】
コンピュータを、
電力源から供給される電力量及び事業所に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定事業所と、前記特定生産物を生産しない非特定事業所とを含む複数の事業所に供給される電力の由来
別の電力量を
算出する電力由来決定部として機能させ、
前記電力由来決定部は、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を前記特定事業所に対して優先的に
供給するものとみなして由来別の電力量を算出し、
前記特定の電力源に由来しない電力を前記特定事業所に供給しなければならない状況にあるとき、前記特定の電力源の発電量を増加させる、由来別電力管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、由来別電力管理方法、由来別電力管理装置、由来別電力管理システム及び由来別電力管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
由来別電力管理は、商用電力、太陽光発電、蓄電池といった電力の由来によって使用する電力を決めていく電力フロー制御の技術である。由来別電力管理は、電力カラーリングとも呼ばれ、電力にID(identification)を振って需給による移動を定量的に管理して必要に応じて移動先と量を制御する。特許文献1には、由来別電力管理に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、生産物を生産する生産者は、生産物の魅力を様々な観点からアピールする。特定生産物を生産するために利用された電力の由来が魅力的であれば、生産者は、その電力の由来をアピールすることにより、特定生産物の魅力を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、由来別電力管理方法である。由来別電力管理方法は、コンピュータが、電力源から供給される電力量及び事業所に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定事業所と、特定生産物を生産しない非特定事業所とを含む複数の事業所に供給される電力の由来別の電力量を算出することを含む。コンピュータは、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を特定事業所に対して優先的に供給するものとみなして由来別の電力量を算出する。由来別電力管理方法は、特定の電力源に由来しない電力を特定事業所に供給しなければならない状況にあるとき、特定の電力源の発電量を増加させる。本発明の一態様は、由来別電力管理方法である。由来別電力管理方法は、コンピュータが、電力源から供給される電力量及び複合事業所に設けられた施設に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定施設と、特定生産物を生産しない非特定施設とに供給される電力の由来別の電力量を算出することを含む。コンピュータは、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を特定施設に対して優先的に供給するものとみなして由来別の電力量を算出する。由来別電力管理方法は、特定の電力源に由来しない電力を特定施設に供給しなければならない状況にあるとき、特定の電力源の発電量を増加させる。
【0006】
本発明の一態様は、由来別電力管理装置である。由来別電力管理装置は、電力源から供給される電力量及び事業所に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定事業所と、特定生産物を生産しない非特定事業所とを含む複数の事業所に供給される電力の由来別の電力量を算出する電力由来決定部を備える。電力由来決定部は、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を特定事業所に対して優先的に供給するものとみなして由来別の電力量を算出する。由来別電力管理装置は、特定の電力源に由来しない電力を特定事業所に供給しなければならない状況にあるとき、特定の電力源の発電量を増加させる。
【0007】
本発明の一態様は、由来別電力管理システムである。由来別電力管理システムは、電力の由来を決定する由来別電力管理装置を備える。由来別電力管理装置は、電力源から供給される電力量及び事業所に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定事業所と、特定生産物を生産しない非特定事業所とを含む複数の事業所に供給される電力の由来別の電力量を算出する電力由来決定部を備える。電力由来決定部は、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を特定事業所に対して優先的に供給するものとみなして由来別の電力量を算出する。由来別電力管理システムは、特定の電力源に由来しない電力を前記特定事業所に供給しなければならない状況にあるとき、特定の電力源の発電量を増加させる。
【0008】
本発明の一態様は、由来別電力管理プログラムである。由来別電力管理プログラムは、コンピュータを、電力源から供給される電力量及び事業所に供給される電力量を参照し、特定生産物を生産する特定事業所と、特定生産物を生産しない非特定事業所とを含む複数の事業所に供給される電力の由来別の電力量を算出する電力由来決定部として機能させる。電力由来決定部は、複数の電力源に由来する電力のうちの特定の電力源に由来する電力を特定事業所に対して優先的に供給するものとみなして由来別の電力量を算出する。由来別電力管理プログラムは、特定の電力源に由来しない電力を特定事業所に供給しなければならない状況にあるとき、特定の電力源の発電量を増加させる。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る由来別電力管理システム100の一例を示すブロック図である。
【
図2】由来別電力管理装置110の一例を示すブロック図である。
【
図3】由来別電力管理装置110及び電力量計DM1の動作例を示すシーケンス図である。
【
図4】供給量データベース112Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図5】由来別電力管理装置110及び電力量計DM2の動作例を示すシーケンス図である。
【
図6】事業所需要量データベース112Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図7】由来別電力管理装置110及びクライアント端末Cの動作例を示すシーケンス図である。
【
図8】事業所生産データベース118Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図9】由来別電力管理装置110及びクライアント端末Cの動作例を示すシーケンス図である。
【
図10】
図9のステップS402において実行される電力由来決定処理の一例を示す動作フロー図である。
【
図11】各事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件の一例を示す説明図である。
【
図12】事業所EAの電力由来データベース115Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図13】事業所EBの電力由来データベース115Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図14】クライアント端末Cにおいて出力される電力の由来の情報の一例を示す図である。
【
図15】他の実施形態に係る由来別電力管理システム200の一例を示すブロック図である。
【
図16】由来別電力管理装置210の一例を示すブロック図である。
【
図17】由来別電力管理装置210及び電力量計DM1の動作例を示すシーケンス図である。
【
図18】供給量データベース212Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図19】由来別電力管理装置210及び電力量計DM2の動作例を示すシーケンス図である。
【
図20】事業所需要量データベース212Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図21】由来別電力管理装置210及び電力量計DM3の動作例を示すシーケンス図である。
【
図22】施設需要量データベース212Cに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図23】由来別電力管理装置210及びクライアント端末Cの動作例を示すシーケンス図である。
【
図24】事業所生産データベース218Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図25】施設生産データベース218Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図26】由来別電力管理装置210及びクライアント端末Cの動作例を示すシーケンス図である。
【
図27】
図26のステップS1002において実行される電力由来決定処理の一例を示す動作フロー図である。
【
図28】事業所EA1の電力由来データベース215Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図29】事業所EA2の電力由来データベース215Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図30】複合事業所ECの電力由来データベース215Cに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図31】各施設Fに供給された電力の由来を決定するための条件の一例を示す説明図である。
【
図32】施設F1の電力由来データベース215Dに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図33】施設F2の電力由来データベース215Eに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
【
図34】クライアント端末Cにおいて出力される電力の由来の情報の一例を示す図である。
【
図35】本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ900の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全ては、発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において同一又は類似の部分は、同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る由来別電力管理システム100の一例を示すブロック図である。由来別電力管理システム100は、需要家に供給される電力の由来を管理するシステムである。由来別電力管理システム100は、由来別電力管理装置110を備える。由来別電力管理装置110は、電力の由来を管理する装置である。
【0013】
由来別電力管理装置110は、電力量計DM11~電力量計DM13、電力量計DM21及び電力量計DM22と通信ネットワークCNを介して通信接続される。
【0014】
電力量計DM11は、電力源PAから電力網PNに供給される電力量を計量する電気計器である。電力源PAは、非再生可能エネルギー発電を行う発電所である。非再生可能エネルギー発電は、例えば、火力発電、原子力発電等である。火力発電は、例えば、マイクロガスタービン発電、炉頂圧発電、ガスタービン発電、天然ガス発電、石油発電、石炭発電等である。
【0015】
電力量計DM12は、電力源PB1から電力網PNに供給される電力量を計量する電気計器である。電力源PB1は、天候等にかかわらず安定して電力の供給を行うことが可能な再生可能エネルギー発電を行う発電所である。安定して電力の供給を行うことが可能な再生可能エネルギー発電は、例えば、水力発電、マイクロ水力発電、木質バイオマス発電、燃料電池発電、塩分濃度差発電、潮力発電、廃棄物発電、地熱発電等である。
【0016】
電力量計DM13は、電力源PB2から電力網PNに供給される電力量を計量する電気計器である。電力源PB2は、天候等の影響により安定して電力の供給を行うことが困難な再生可能エネルギー発電を行う発電所である。安定して電力の供給を行うことが困難な再生可能エネルギー発電は、例えば、太陽光発電、メガソーラー発電、洋上風力発電、風力発電、波力発電等である。
【0017】
なお、電力源PB1及び電力源PB2は、「特定の電力源」の一例である。
【0018】
電力量計DM21は、事業所EAに電力網PNを介して供給される電力量を計量する電気計器である。事業所EAは、特定生産物を生産する事業所である。事業所EAは、特定生産物と異なる生産物も生産可能である。
【0019】
特定生産物は、例えば、有形の財である。有形の財は、例えば、家電製品、家財道具、食料品、衣類、雑貨等、人間の生活に利用できる物品である。有形の財は、例えば、家電製品、家財道具、食料品、衣類、雑貨等の最終生成物である。また、有形の財は、例えば、家電製品の部品、家財道具の部品、食料品の具材、衣類の部材、雑貨の部材等の中間生産物であってもよい。
【0020】
特定生産物は、例えば、無形のサービスであってもよい。無形のサービスは、例えば、運輸、通信、医療、教育等、人間の生活に役立つ働きのことである。
【0021】
電力量計DM22は、事業所EBに電力網PNを介して供給される電力量を計量する電気計器である。事業所EBは、特定生産物を生産しない事業所である。事業所EBは、特定生産物と異なる生産物を生産可能である。
【0022】
なお、事業所EAは、「特定事業所」の一例である。また、事業所EBは、「非特定事業所」の一例である。
【0023】
また、由来別電力管理装置110は、クライアント端末C1及びクライアント端末C2と通信ネットワークCNを介して通信接続される。
【0024】
クライアント端末C1は、事業所EAの需要家が使用するコンピュータである。クライアント端末C2は、事業所EBの需要家が使用するコンピュータである。
【0025】
由来別電力管理装置110は、事業所EA及び事業所EBに供給される電力の由来を決定する。
【0026】
以下の説明においては、電力量計DM11~電力量計DM13、電力量計DM21及び電力量計DM22について互いに区別しない場合、これらを電力量計DMと総称する。また、以下の説明においては、電力量計DM11~電力量計DM13について互いに区別しない場合、これらを電力量計DM1と総称する。また、以下の説明においては、電力量計DM21及び電力量計DM22について互いに区別しない場合、これらを電力量計DM2と総称する。
【0027】
以下の説明においては、電力源PA、電力源PB1及び電力源PB2について互いに区別しない場合、電力源Pと総称する。また、以下の説明においては、電力源PB1及び電力源PB2について互いに区別しない場合、これらを電力源PBと総称する。
【0028】
以下の説明においては、事業所EA及び事業所EBについて互いに区別しない場合、これらを事業所Eと総称する。
【0029】
以下の説明においては、クライアント端末C1及びクライアント端末C2について互いに区別しない場合、これらをクライアント端末Cと総称する。
【0030】
図2は、由来別電力管理装置110の一例を示すブロック図である。由来別電力管理装置110は、電力量情報受信部111、電力量情報格納部112、情報要求受信部113、電力由来決定部114、電力由来情報格納部115、電力由来情報送信部116、生産情報受信部117及び生産情報格納部118を備える。
【0031】
電力量情報受信部111は、電力量の値を示す電力量データを電力量計DMから受信するソフトウェアモジュールである。
【0032】
電力量情報格納部112は、電力量の値を格納するデータベースである。電力量情報格納部112は、供給量データベース112A及び事業所需要量データベース112Bを含む。供給量データベース112Aは、電力源Pから供給された電力量の値を格納するデータベースである。事業所需要量データベース112Bは、事業所Eに供給された電力量の値を格納するデータベースである。
【0033】
情報要求受信部113は、電力の由来の情報を要求する旨の要求データをクライアント端末Cから受信するソフトウェアモジュールである。
【0034】
電力由来決定部114は、事業所Eに供給された電力の由来を決定するソフトウェアモジュールである。
【0035】
電力由来情報格納部115は、電力の由来の情報を格納するデータベースである。電力由来情報格納部115は、事業所EAの電力由来データベース115A、及び事業所EBの電力由来データベース115Bを含む。事業所電力由来データベース115Aは、事業所Eに供給された電力の由来の情報を格納するデータベースである。
【0036】
電力由来情報送信部116は、電力の由来の情報を示す電力由来データをクライアント端末Cに送信するソフトウェアモジュールである。
【0037】
生産情報受信部117は、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を示す生産データをクライアント端末Cから受信するソフトウェアモジュールである。
【0038】
生産情報格納部118は、生産物に関する情報を格納するデータベースである。生産情報格納部118は、事業所生産データベース118Aを含む。事業所生産データベース118Aは、事業所Eにおいて特定生産物を生産するかを特定可能な情報を格納するデータベースである。
【0039】
図3は、由来別電力管理装置110及び電力量計DM1の動作例を示すシーケンス図である。
図3に示す動作は、電力源Pから供給された電力量の値を由来別電力管理装置110が取得する動作である。
【0040】
電力量計DM1は、電力源Pから供給された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに由来別電力管理装置110に送信する(ステップS101)。例えば、電力量計DM1は、電力源Pから供給される電力量を所定期間にわたり計量し、その所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに送信する。その場合、電力量計DM1は、電力量が計量された期間を特定可能な情報を含む電力量データを送信する。また、電力量計DM1は、電力源Pから供給される電力量を累積的に計量し、累積的な電力量を計量器の指示値として示すが、その指示値を示す電力量データを所定期間おきに送信してもよい。その場合、電力量計DM1は、電力量データによって示される値が計量器の指示値であることを特定可能な情報を含む電力量データを送信する。所定期間は、例えば、1分間、10分間等、任意に設定可能である。
【0041】
由来別電力管理装置110の電力量情報受信部111は、電力量データを受信すると、電力量データによって示される電力量の値を供給量データベース112Aに格納する(ステップS102)。ステップS102において、電力量情報受信部111は、電力量データの送信元の電力量計DM1に対応する電力源Pの識別情報に対応付けて、電力量の値を格納する。供給量データベース112Aには、
図4に示すような情報が格納される。
【0042】
図4は、供給量データベース112Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。供給量データベース112Aには、電力源IDの情報と、一日あたりの供給量(kWh)の情報とが、対応付けられて格納される。
【0043】
電力源IDの情報は、電力源PA、電力源PB1及び電力源PB2をそれぞれ一意に識別するための識別情報である。
【0044】
一日あたりの供給量(kWh)の情報は、電力源IDの情報によって識別される電力源Pから供給された一日あたりの電力量(kWh)を示す情報である。
【0045】
所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部111は、その電力量の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。一方、累積的に計量した電力量である計量器の指示値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部111は、今回受信した指示値と前回受信した指示値との差分の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。
【0046】
図4に示す例は、電力源ID「PA」によって識別される電力源PAから供給された「2/2(Sun)」の一日あたりの電力量が「1120(kWh)」であることを示している。また、
図4に示す例は、電力源ID「PB1」によって識別される電力源PB1から供給された「2/3(Mon)」の一日あたりの電力量が「200(kWh)」であることを示している。また、
図4に示す例は、電力源ID「PB2」によって識別される電力源PB2から供給された「2/4(Tue)」の一日あたりの電力量が「160(kWh)」であることを示している。
【0047】
図3に示す動作により、由来別電力管理装置110は、電力源Pから供給された電力量の値を取得することができる。
【0048】
図5は、由来別電力管理装置110及び電力量計DM2の動作例を示すシーケンス図である。
図5に示す動作は、事業所Eに供給された電力量の値を由来別電力管理装置110が取得する動作である。
【0049】
電力量計DM2は、事業所Eに供給された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに由来別電力管理装置110に送信する(ステップS201)。例えば、電力量計DM2は、事業所Eに供給された電力量を所定期間にわたり計量し、その所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに送信する。その場合、電力量計DM2は、電力量が計量された期間を特定可能な情報を含む電力量データを送信する。また、電力量計DM2は、事業所Eに供給された電力量を累積的に計量し、その累積的な電力量を計量器の指示値として示すが、その指示値を示す電力量データを所定期間おきに送信してもよい。その場合、電力量計DM2は、電力量データによって示される値が計量器の指示値であることを特定可能な情報を含む電力量データを送信する。所定期間は、例えば、1分間、10分間等、任意に設定可能である。
【0050】
由来別電力管理装置110の電力量情報受信部111は、電力量データを受信すると、電力量データによって示される電力量の値を事業所需要量データベース112Bに格納する(ステップS202)。ステップS202において、電力量情報受信部111は、電力量データの送信元の電力量計DM2に対応する事業所Eの識別情報に対応付けて、電力量の値を格納する。事業所需要量データベース112Bには、
図6に示すような情報が格納される。
【0051】
図6は、事業所需要量データベース112Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。事業所需要量データベース112Bには、事業所IDの情報と、一日あたりの需要量(kWh)の情報とが、対応付けられて格納される。
【0052】
事業所IDの情報は、事業所EA及び事業所EBをそれぞれ一意に識別するための情報である。
【0053】
一日あたりの需要量(kWh)の情報は、事業所IDの情報によって識別される事業所Eに供給された一日あたりの電力量(kWh)を示す情報である。
【0054】
所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部111は、その電力量の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。一方、累積的に計量した電力量である計量器の指示値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部111は、今回受信した指示値と前回受信した指示値との差分の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。
【0055】
図6に示す例は、事業所ID「EA」によって識別される事業所EAに供給された「2/2(Sun)」の一日あたりの電力量が「380(kWh)」であることを示している。また、
図6に示す例は、事業所ID「EB」によって識別される事業所EBに供給された「2/3(Mon)」の一日あたりの電力量が「1160(kWh)」であることを示している。
【0056】
図5に示す動作により、由来別電力管理装置110は、事業所EAに供給された電力量の値を取得することができる。
【0057】
図7は、由来別電力管理装置110及びクライアント端末Cの動作例を示すシーケンス図である。
図7に示す動作は、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を由来別電力管理装置110が取得する動作である。
【0058】
クライアント端末Cは、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を示す生産データを由来別電力管理装置110に送信する(ステップS301)。ステップS301において、クライアント端末C1は、事業所EAにおいて特定生産物を生産するかを特定可能な情報を示す生産データを送信する。また、クライアント端末C2は、事業所EBにおいて特定生産物を生産するかを特定可能な情報を示す生産データを送信する。特定生産物を生産するかを特定可能な情報は、例えば、事業所Eにおいて生産される生産物を示す情報である。また、特定生産物を生産するかを特定可能な情報は、例えば、事業所Eにおける生産物の生産スケジュールを示す情報であってもよい。また、特定生産物を生産するかを特定可能な情報は、例えば、事業所Eにおける生産工程を示す情報であってもよい。
【0059】
由来別電力管理装置110の生産情報受信部117は、生産データを受信すると、生産データによって示される特定生産物を生産するかを特定可能な情報を事業所生産データベース118Aに格納する(ステップS302)。ステップS302において、生産情報受信部117は、事業所Eの識別情報に対応づけて、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を、事業所生産データベース118Aに格納する。事業所生産データベース118Aには、
図8に示すような情報が格納される。
【0060】
図8は、事業所生産データベース118Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。事業所生産データベース118Aには、事業所IDの情報と、特定生産物を生産するかを月日毎に特定可能な情報とが、対応づけられて格納される。
【0061】
特定生産物を生産するかを月日毎に特定可能な情報は、事業所IDの情報によって識別される事業所Eにおいて特定生産物を生産するかを月日毎に示す情報である。
【0062】
図8に示す例は、事業所ID「EA」によって識別される事業所EAにおいて、「2/4(Tue)」から「2/7(Fri)」までの期間に特定生産物を生産することを示している。また、
図8に示す例は、事業所ID「EA」によって識別される事業所EAにおいて、「2/2(Sun)」、「2/3(Mon)」及び「2/8(Sat)」に特定生産物を生産しないことを示している。
【0063】
また、
図8に示す例は、事業所ID「EB」によって識別される事業所EBにおいて、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間に特定生産物を生産しないことを示している。
【0064】
図7に示す動作により、由来別電力管理装置110は、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を取得することができる。
【0065】
図9は、由来別電力管理装置110及びクライアント端末Cの動作例を示すシーケンス図である。
図9に示す動作は、クライアント端末Cからの要求に応じて電力の由来の情報を由来別電力管理装置110が送信する動作である。
【0066】
まず、クライアント端末Cは、電力の由来の情報を要求する旨の要求データを由来別電力管理装置110に送信する(ステップS401)。ステップS401において、クライアント端末Cは、電力の由来の情報を要求する対象の事業所Eを指定する要求データを送信する。また、クライアント端末Cは、例えば、特定の期間を指定して、その期間における電力の由来の情報を要求する旨の要求データを送信してもよい。
【0067】
由来別電力管理装置110は、要求データを受信すると、電力由来決定処理を実行する(ステップS402)。ステップS402において、由来別電力管理装置110は、要求データによって指定されている対象の事業所Eの電力の由来を決定する。また、要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、由来別電力管理装置110は、指定された期間における電力の由来を決定する。
【0068】
図10は、
図9のステップS402において実行される電力由来決定処理の一例を示す動作フロー図である。
【0069】
由来別電力管理装置110の情報要求受信部113は、要求データを受信すると、要求データを電力由来決定部114に送る。
【0070】
由来別電力管理装置110の電力由来決定部114は、要求データを受け取ると、供給量データベース112Aに格納されている供給量(kWh)の情報を、電力源ID毎に個別に読み出す(ステップS501)。要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、電力由来決定部114は、指定された期間における一日あたりの供給量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0071】
以下の説明においては、要求データにおいて「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間が指定されていると仮定する。その場合、電力由来決定部114は、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間における一日あたりの供給量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0072】
また、電力由来決定部114は、事業所需要量データベース112Bに格納されている需要量(kWh)の情報を、事業者ID毎に個別に読み出す(ステップS502)。要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、電力由来決定部114は、指定された期間における各事業所Eの一日あたりの需要量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0073】
この例の場合、電力由来決定部114は、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間における各事業所Eの一日あたりの需要量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0074】
また、電力由来決定部114は、事業所生産データベース118Aに格納されている特定生産物を生産するかを特定可能な情報を、事業者ID毎に個別に読み出す(ステップS503)。要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、電力由来決定部114は、指定された期間における特定生産物を生産するかを特定可能な情報を全て読み出す。
【0075】
この例の場合、電力由来決定部114は、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間における各事業所Eの特定生産物を生産するかを特定可能な情報を全て読み出す。
【0076】
そして、電力由来決定部114は、事業所Eに供給された電力の由来を決定する(ステップS504)。ステップS504において、電力由来決定部114は、事業所Eに供給された電力の由来を予め定められた条件に従って決定する。事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、事業所Eの需要家同士によって合意された条件であればよい。また、事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、事業所Eの需要家を統括する組織によって定められた条件であってもよい。事業所Eの需要家を統括する組織には、例えば、業界団体、自治体、国家、国際機関等が含まれ得る。また、事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、電力源Pの事業者同士によって合意された条件であってもよい。また、事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、電力源Pを統括する組織によって定められた条件であってもよい。電力源Pを統括する組織には、例えば、業界団体、自治体、国家、国際機関等が含まれ得る。
【0077】
図11は、事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件の一例を示す説明図である。
図11に示す例においては、再生可能エネルギーである電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を、特定生産物を生産する事業所Eに優先的に割り当てるための条件が設定されている。
【0078】
図11に示す例においては、「電力源PAから供給される電力量を、特定生産物を生産する事業所Eと、特定生産物を生産しない事業所Eとに、50:50の割合で割り当てる」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第1条件と称する。
【0079】
図11に示す例においては、「電力源PB1から供給される電力量を、特定生産物を生産する事業所Eと、特定生産物を生産しない事業所Eとに、100:0の割合で割り当てる」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第2条件と称する。
【0080】
図11に示す例においては、「電力源PB2から供給される電力量を、特定生産物を生産する事業所Eと、特定生産物を生産しない事業所Eとに、60:40の割合で割り当てる」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第3条件と称する。
【0081】
図11に示す例においては、「電力源PB1に由来する電力の割り当てを最も優先して実行する」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第4条件と称する。第4条件は、換言すれば、「第2条件の割り当てを最も優先して実行する」との条件である。
【0082】
図11に示す例においては、「電力源PB1に由来する電力の割り当てを行っても全ての事業所Eの需要量に満たない場合、次いで電力源PB2に由来する電力の割り当てを実行する」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第5条件と称する。第5条件は、換言すれば、「第2条件の割り当てに次いで第3条件の割り当てを実行する」との条件である。
【0083】
図11に示す例においては、「電力源PB2に由来する電力の割り当てを行っても全ての事業所Eの需要量に満たない場合、次いで電力源PAに由来する電力の割り当てを実行する」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第6条件と称する。第6条件は、換言すれば、「第3条件の割り当てに次いで第1条件の割り当てを実行する」との条件である。
【0084】
図10のステップS504において、電力由来決定部114は、事業所Eにおいて特定生産物を生産しているかに応じて、
図11に示す条件に従って、事業所Eに供給された電力の由来を決定する。ここで、
図8に示す例においては、事業所Eにおいて特定生産物を生産しているかを、一日毎に特定可能である。そこで、電力由来決定部114は、事業所Eに供給された電力の由来を、一日毎に決定する。
【0085】
例えば、「2/2(Sun)」、「2/3(Mon)」及び「2/8(Sat)」には、事業所EA及び事業所EBのいずれも特定生産物を生産していない。したがって、電力由来決定部114は、再生可能エネルギーである電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を優先的に割り当てる対象の事業所Eがないものとして処理を実行する。その場合、電力由来決定部114は、
図11に示す条件に従わず、各電力源Pに由来する電力を、全事業所Eの需要量に対する各事業所Eの需要量の割合に応じて按分して割り当てる。
【0086】
一方、「2/4(Tue)」から「2/7(Fri)」までの期間には、事業所EAにおいて特定生産物を生産しており、事業所EBにおいて特定生産物を生産していない。したがって、電力由来決定部114は、事業所EAを、再生可能エネルギーである電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を優先的に割り当てる対象として処理を実行する。その場合、電力由来決定部114は、
図11に示す条件に従って、事業所Eに供給された電力の由来を決定する。
【0087】
なお、3以上の事業所Eがある場合には、特定生産物を生産する複数の事業所Eと、特定生産物を生産しない事業所Eとを含むことが考えられる。その場合、電力由来決定部114は、特定生産物を生産する事業所Eに対して優先的に割り当て可能な電力を、特定生産物を生産する全事業所Eの需要量に対する各事業所Eの需要量の割合に応じて按分して割り当てる。
【0088】
また、3以上の事業所Eがある場合には、特定生産物を生産する事業所Eと、特定生産物を生産しない複数の事業所Eとを含むことが考えられる。その場合、電力由来決定部114は、特定生産物を生産しない事業所Eに対して割り当て可能な電力を、特定生産物を生産しない全事業所Eの需要量に対する各事業所Eの需要量の割合に応じて按分して割り当てる。
【0089】
電力由来決定部114は、事業所Eに供給された電力の由来を決定すると、事業所Eに供給された電力の由来の情報を電力由来データベースに格納する(ステップS505)。ステップS505において、電力由来決定部114は、日付の情報に対応づけて、その日付に供給された電力の由来の情報を格納する。事業所EAの電力由来データベース115Aには、
図12に示すような情報が格納される。事業所EBの電力由来データベース115Bには、
図13に示すような情報が格納される。
【0090】
図12は、事業所EAの電力由来データベース115Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
図13は、事業所EBの電力由来データベース115Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。電力由来データベース115A及び電力由来データベース115Bには、日付の情報と、由来別の需要量(kWh)の情報とが、対応づけられて格納される。
【0091】
由来別の需要量(kWh)の情報は、日付の情報によって示される日付に事業所Eに供給された電力量のうちの各電力源Pに由来する電力量(kWh)を示す情報である。
【0092】
図12に示す例は、「2/2(Sun)」に事業所EAに供給された電力量のうちの電力源PAに由来する電力量が「317(kWh)」であることを示している。また、
図12に示す例は、「2/3(Mon)」に事業所EAに供給された電力量のうちの電力源PB1に由来する電力量が「53(kWh)」であることを示している。また、
図12に示す例は、「2/4(Tue)」に事業所EAに供給された電力量のうちの電力源PB2に由来する電力量が「96(kWh)」であることを示している。
【0093】
図13に示す例は、「2/2(Sun)」に事業所EBに供給された電力量のうちの電力源PAに由来する電力量が「803(kWh)」であることを示している。また、
図13に示す例は、「2/3(Mon)」に事業所EBに供給された電力量のうちの電力源PB1に由来する電力量が「147(kWh)」であることを示している。また、
図13に示す例は、「2/4(Tue)」に事業所EBに供給された電力量のうちの電力源PB2に由来する電力量が「64(kWh)」であることを示している。
【0094】
電力由来決定部114は、ステップS505の処理を実行した後、事業所Eに供給された電力の由来を決定したことを電力由来情報送信部116に通知し、電力由来決定処理を終了する。
【0095】
図9の説明に戻り、電力由来情報送信部116は、電力由来決定部114から通知を受けると、電力の由来の情報を確認可能なデータをクライアント端末Cに送信する(ステップS403)。ステップS403において、電力由来情報送信部116は、電力の由来の情報を要求する旨の要求データの送信元のクライアント端末Cに、電力の由来の情報を示すデータを送信する。
【0096】
例えば、電力由来情報送信部116は、事業所EAの電力由来データベース115Aに格納されている電力の由来の情報を読み出す。そして、電力由来情報送信部116は、事業所EAの電力由来データベース115Aから読み出した電力の由来の情報を確認可能なデータをクライアント端末C1に送信する。
【0097】
また、例えば、電力由来情報送信部116は、事業所EBの電力由来データベース115Bに格納されている電力の由来の情報を読み出す。そして、電力由来情報送信部116は、事業所EBの電力由来データベース115Bから読み出した電力の由来の情報を確認可能なデータをクライアント端末C2に送信する。
【0098】
クライアント端末Cは、電力の由来の情報を確認可能なデータを受信すると、電力の由来の情報を出力装置に出力する(ステップS404)。ステップS404において、クライアント端末Cは、例えば、電力の由来の情報をディスプレイに表示する。
【0099】
図14は、クライアント端末Cにおいて出力される電力の由来の情報の一例を示す図である。この例においては、電力の由来の情報がディスプレイに表示される例について説明する。
【0100】
クライアント端末Cにおいて表示される電力の由来の情報は、そのクライアント端末Cがいずれの事業所Eの需要家の端末であるかにより異なる。
【0101】
図14は、事業所EAの需要家のクライアント端末C1においてディスプレイに表示される電力の由来の情報の一例を示す図である。クライアント端末C1は、事業所EAに供給された電力の由来の情報SC1をディスプレイに表示する。
図14に示す情報SC1には、特定生産物を生産しているときに事業所EAに供給された電力の由来について、各電力源Pに由来する電力量の比率を示す円グラフPC11が表示されている。
【0102】
以上、由来別電力管理装置110は、特定生産物を生産する事業所EAと、特定生産物を生産しないEBとを含む複数の事業所Eに供給される電力の由来を決定する。そして、由来別電力管理装置110は、複数の電力源Pに由来する電力のうちの再生可能エネルギーの電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を、特定生産物を生産する事業所EAに対して優先的に割り当てる。
【0103】
この構成によれば、事業所EAにおいて生産物を生産する生産者は、特定生産物を生産するために、再生可能エネルギーに由来する電力を積極的に利用していることをアピールして特定生産物の魅力を高めることができる。
【0104】
また、特定生産物を生産する事業所EAは、特定生産物と異なる生産物を生産可能である。その場合、由来別電力管理装置110は、事業所EAが特定生産物を生産しているときに、再生可能エネルギーの電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を事業所EAに対して優先的に割り当てる。
【0105】
この構成によれば、事業所EAにおいて生産物を生産する生産者は、特定生産物と異なる生産物を生産することがあっても、特定生産物を生産するために利用する電力の由来について適切にアピールできる。
【0106】
また、由来別電力管理装置110は、特定生産物を生産する事業所EAと、特定生産物を生産しないEBとに供給される電力の実績値を所定期間おきに取得する。そして、由来別電力管理装置110は、特定生産物を生産する事業所EAと、特定生産物を生産しないEBとに供給される電力の由来を、電力量の実績値に基づいて決定する。
【0107】
この構成によれば、事業所EAにおいて生産物を生産する生産者は、特定生産物を生産するために利用する電力の由来の信頼性を向上させることができる。
【0108】
また、特定生産物が有形の財である場合、生産者は、有形の財を生産するために再生可能エネルギーに由来する電力を積極的に利用していることをアピールして生産物の魅力を高めることができる。
【0109】
また、有形の財が最終生成物である場合、生産者は、最終生成物を生産するために再生可能エネルギーに由来する電力を積極的に利用していることをアピールして最終生産物の魅力を直接的に高めることができる。
【0110】
また、有形の財が中間生産物である場合、生産者は、中間生産物を生産するために再生可能エネルギーに由来する電力を積極的に利用していることをアピールして最終生産物の魅力を間接的に高めることができる。
【0111】
また、特定生産物が無形のサービスである場合、サービス提供者は、無形のサービスを提供するために再生可能エネルギーに由来する電力を積極的に利用していることをアピールしてサービスの魅力を高めることができる。
【0112】
図15は、他の実施形態に係る由来別電力管理システム200の一例を示すブロック図である。以下の説明において、
図1から
図14を参照して説明した事項と同様の事項については、説明を省略する場合がある。
【0113】
由来別電力管理システム200は、火力発電、水力発電、太陽光発電といった電力の由来によって使用する電力を決めるシステムである。由来別電力管理システム200は、由来別電力管理装置210を備える。由来別電力管理装置210は、電力の由来を管理する装置である。
【0114】
由来別電力管理装置210は、電力量計DM11~電力量計DM13、電力量計DM21、電力量計DM22、電力量計DM31及び電力量計DM32と通信ネットワークCNを介して通信接続される。
【0115】
電力量計DM21は、事業所EA1に電力網PNを介して供給される電力量を計量する電気計器である。電力量計DM22は、事業所EA2に電力網PNを介して供給される電力量を計量する電気計器である。事業所EA1及び事業所EA2は、特定生産物を生産しない事業所である。
【0116】
なお、事業所EA1及び事業所EA2は、「非特定事業所」の一例である。
【0117】
電力量計DM31は、複合事業所ECに設けられた施設F1に電力網PNを介して供給される電力量を計量する電気計器である。電力量計DM32は、複合事業所ECに設けられた施設F2に電力網PNを介して供給される電力量を計量する電気計器である。複合事業所ECは、同一の建築物又は敷地内にある複数の施設F1及び施設F2からなる施設である。施設F1及び施設F2は、例えば、工場、商業施設、文化施設、公共移設、事務所、住居、スポーツ施設等である。施設F1は、特定生産物を生産する施設である。施設F2は、特定生産物を生産しない施設である。
【0118】
なお、施設F1は、「特定施設」の一例である。また、施設F2は、「非特定施設」の一例である。
【0119】
また、由来別電力管理装置210は、クライアント端末C1~クライアント端末C3と通信ネットワークCNを介して通信接続される。
【0120】
クライアント端末C1は、事業所EA1の需要家が使用するコンピュータである。クライアント端末C2は、事業所EA2の需要家が使用するコンピュータである。クライアント端末C3は、複合事業所ECの需要家が使用するコンピュータである。
【0121】
由来別電力管理装置210は、事業所EA1、事業所EA2及び複合事業所ECに供給される電力の由来を決定する。また、由来別電力管理装置210は、複合事業所ECに設けられた施設F1と施設F2とに供給される電力の由来を決定する。
【0122】
以下の説明においては、電力量計DM11~電力量計DM13、電力量計DM21、電力量計DM22、電力量計DM31及び電力量計DM32について互いに区別しない場合、これらを電力量計DMと総称する。また、以下の説明においては、電力量計DM11~電力量計DM13について互いに区別しない場合、これらを電力量計DM1と総称する。また、以下の説明においては、電力量計DM21及び電力量計DM22について互いに区別しない場合、これらを電力量計DM2と総称する。また、以下の説明においては、電力量計DM31及び電力量計DM32について互いに区別しない場合、これらを電力量計DM3と総称する。
【0123】
以下の説明においては、事業所EA1、事業所EA2及び複合事業所ECについて互いに区別しない場合、これらを事業所Eと総称する。また、以下の説明においては、事業所EA1及び事業所EA2について互いに区別しない場合、これらを事業所EAと総称する。
【0124】
以下の説明においては、施設F1及び施設F2について互いに区別しない場合、これらを施設Fと総称する。
【0125】
以下の説明においては、クライアント端末C1~C3について互いに区別しない場合、これらをクライアント端末Cと総称する。
【0126】
図16は、由来別電力管理装置210の一例を示すブロック図である。由来別電力管理装置210は、電力量情報受信部211、電力量情報格納部212、情報要求受信部213、第1電力由来決定部214A、第2電力由来決定部214B、電力由来情報格納部215、電力由来情報送信部216、生産情報受信部217及び生産情報格納部218を備える。
【0127】
電力量情報受信部211は、電力量の値を示す電力量データを電力量計DMから受信するソフトウェアモジュールである。
【0128】
電力量情報格納部212は、電力量の値を格納するデータベースである。電力量情報格納部112は、供給量データベース212A、事業所需要量データベース212B及び施設需要量データベース212Cを含む。供給量データベース212Aは、電力源Pから供給された電力量の値を格納するデータベースである。事業所需要量データベース212Bは、事業所Eに供給された電力量の値を格納するデータベースである。施設需要量データベース212Cは、施設Fに供給された電力量の値を格納するデータベースである。
【0129】
情報要求受信部213は、電力の由来の情報を要求する旨の要求データをクライアント端末Cから受信するソフトウェアモジュールである。
【0130】
第1電力由来決定部214Aは、事業所Eに供給された電力の由来を決定するソフトウェアモジュールである。
【0131】
第2電力由来決定部214Bは、施設Fに供給された電力の由来を決定するソフトウェアモジュールである。
【0132】
電力由来情報格納部215は、電力の由来の情報を格納するデータベースである。電力由来情報格納部215は、事業所EA1の電力由来データベース215A、事業所EA2の電力由来データベース215B、及び複合事業所ECの電力由来データベース215Cを含む。また、電力由来情報格納部215は、施設F1の電力由来データベース215D、及び施設F2の電力由来データベース215Eを含む。事業所EA1の電力由来データベース215Aは、事業所EA1に供給された電力の由来の情報を格納するデータベースである。事業所EA2の電力由来データベース215Bは、事業所EA2に供給された電力の由来の情報を格納するデータベースである。複合事業所ECの電力由来データベース215Cは、複合事業所ECに供給された電力の由来の情報を格納するデータベースである。施設F1の電力由来データベース215Dは、施設F1に供給された電力の由来の情報を格納するデータベースである。施設F2の電力由来データベース215Eは、施設F2に供給された電力の由来の情報を格納するデータベースである。
【0133】
電力由来情報送信部216は、電力の由来の情報を示す電力由来データをクライアント端末Cに送信するソフトウェアモジュールである。
【0134】
生産情報受信部217は、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を示す生産データをクライアント端末Cから受信するソフトウェアモジュールである。
【0135】
生産情報格納部218は、生産物に関する情報を格納するデータベースである。生産情報格納部218は、事業所生産データベース218A及び施設生産データベース218Bを含む。事業所生産データベース118Aは、事業所Eにおいて特定生産物を生産するかを特定可能な情報を格納するデータベースである。施設生産データベース218Bは、施設Fにおいて特定生産物を生産するかを特定可能な情報を格納するデータベースである。
【0136】
図17は、由来別電力管理装置210及び電力量計DM1の動作例を示すシーケンス図である。
図17に示す動作は、電力源Pから供給された電力量の値を由来別電力管理装置210が取得する動作である。
【0137】
電力量計DM1は、電力源Pから供給された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに由来別電力管理装置210に送信する(ステップS601)。例えば、電力量計DM1は、電力源Pから供給される電力量を所定期間にわたり計量し、その所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに送信する。その場合、電力量計DM1は、電力量が計量された期間を特定可能な情報を含む電力量データを送信する。また、電力量計DM1は、電力源Pから供給される電力量を累積的に計量し、累積的な電力量を計量器の指示値として示すが、その指示値を示す電力量データを所定期間おきに送信してもよい。その場合、電力量計DM1は、電力量データによって示される値が計量器の指示値であることを特定可能な情報を含む電力量データを送信する。所定期間は、例えば、1分間、10分間等、任意に設定可能である。
【0138】
由来別電力管理装置210の電力量情報受信部211は、電力量データを受信すると、電力量データによって示される電力量の値を供給量データベース212Aに格納する(ステップS602)。ステップS602において、電力量情報受信部211は、電力量データの送信元の電力量計DM1に対応する電力源Pの識別情報に対応付けて、電力量データによって示される電力量の値を格納する。供給量データベース212Aには、
図18に示すような情報が格納される。
【0139】
図18は、供給量データベース212Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。供給量データベース212Aには、電力源IDの情報と、一日あたりの供給量(kWh)の情報とが、対応付けられて格納される。
【0140】
所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部211は、その電力量の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。一方、累積的に計量した電力量である計量器の指示値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部211は、今回受信した指示値と前回受信した指示値との差分の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。
【0141】
図18に示す例は、電力源ID「PA」によって識別される電力源PAから供給された「2/2(Sun)」の一日あたりの電力量が「2540(kWh)」であることを示している。また、
図18に示す例は、電力源ID「PB1」によって識別される電力源PB1から供給された「2/3(Mon)」の一日あたりの電力量が「810(kWh)」であることを示している。また、
図18に示す例は、電力源ID「PB2」によって識別される電力源PB2から供給された「2/4(Tue)」の一日あたりの電力量が「350(kWh)」であることを示している。
【0142】
図17に示す動作により、由来別電力管理装置210は、電力源Pから供給された電力量の値を取得することができる。
【0143】
図19は、由来別電力管理装置210及び電力量計DM2の動作例を示すシーケンス図である。
図19に示す動作は、事業所EAに供給された電力量の値を由来別電力管理装置210が取得する動作である。
【0144】
電力量計DM2は、事業所EAに供給された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに由来別電力管理装置210に送信する(ステップS701)。例えば、電力量計DM2は、事業所EAに供給された電力量を所定期間にわたり計量し、その所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに送信する。その場合、電力量計DM2は、電力量が計量された期間を特定可能な情報を含む電力量データを送信する。また、電力量計DM2は、事業所EAに供給された電力量を累積的に計量し、その累積的な電力量を計量器の指示値として示すが、その指示値を示す電力量データを所定期間おきに送信してもよい。その場合、電力量計DM2は、電力量データによって示される値が計量器の指示値であることを特定可能な情報を含む電力量データを送信する。所定期間は、例えば、1分間、10分間等、任意に設定可能である。
【0145】
由来別電力管理装置210の電力量情報受信部211は、電力量データを受信すると、電力量データによって示される電力量の値を事業所需要量データベース212Bに格納する(ステップS702)。ステップS702において、電力量情報受信部211は、電力量データの送信元の電力量計DM2に対応する事業所EAの識別情報に対応付けて、電力量データによって示される電力量の値を格納する。事業所需要量データベース212Bには、
図20に示すような情報が格納される。
【0146】
図20は、事業所需要量データベース212Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。事業所需要量データベース212Bには、事業所IDの情報と、一日あたりの需要量(kWh)の情報とが、対応付けられて格納される。
【0147】
所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部211は、その電力量の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。一方、累積的に計量した電力量である計量器の指示値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部211は、今回受信した指示値と前回受信した指示値との差分の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。
【0148】
図20に示す例は、事業所ID「EA1」によって識別される事業所EA1に供給された「2/2(Sun)」の一日あたりの電力量が「1080(kWh)」であることを示している。また、
図20に示す例は、事業所ID「EA2」によって識別される事業所EA2に供給された「2/3(Mon)」の一日あたりの電力量が「1180(kWh)」であることを示している。
【0149】
図19に示す動作により、由来別電力管理装置210は、事業所EAに供給された電力量の値を取得することができる。
【0150】
図21は、由来別電力管理装置210及び電力量計DM3の動作例を示すシーケンス図である。
図21に示す動作は、施設Fに供給された電力量の値、及び複合事業所ECに供給された電力量の値を由来別電力管理装置210が取得する動作である。
【0151】
電力量計DM3は、施設Fに供給された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに由来別電力管理装置210に送信する(ステップS801)。例えば、電力量計DM3は、施設Fに供給された電力量を所定期間にわたり計量し、その所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを所定期間おきに送信する。その場合、電力量計DM3は、電力量が計量された期間を特定可能な情報を含む電力量データを送信する。また、電力量計DM3は、施設Fに供給された電力量を累積的に計量し、累積的な電力量を計量器の指示値として示すが、その指示値を示す電力量データを所定期間おきに送信してもよい。その場合、電力量計DM3は、電力量データによって示される値が計量器の指示値であることを特定可能な情報を含む電力量データを送信する。所定期間は、例えば、1分間、10分間等、任意に設定可能である。
【0152】
由来別電力管理装置210の電力量情報受信部211は、電力量データを受信すると、電力量データによって示される電力量の値を施設需要量データベース212Cに格納する(ステップS802)。ステップS802において、電力量情報受信部211は、電力量データの送信元の電力量計DM3に対応する施設Fの識別情報に対応付けて、電力量データによって示される電力量の値を格納する。施設需要量データベース212Cには、
図22に示すような情報が格納される。
【0153】
図22は、施設需要量データベース212Cに格納される情報の一例を示すテーブル図である。施設需要量データベース212Cには、施設IDの情報と、一日あたりの需要量(kWh)の情報とが、対応付けられて格納される。
【0154】
施設IDの情報は、施設F1及び施設F2をそれぞれ一意に識別するための情報である。
【0155】
一日あたりの需要量(kWh)の情報は、施設IDの情報によって識別される施設Fに供給された一日あたりの電力量(kWh)を示す情報である。
【0156】
所定期間内に計量された電力量の値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部211は、その電力量の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。一方、累積的に計量した電力量である計量器の指示値を示す電力量データを受信する場合、電力量情報受信部211は、今回受信した指示値と前回受信した指示値との差分の値を、対応する日の電力量の値に加算して格納する。
【0157】
図22に示す例は、施設ID「F1」によって識別される施設F1に供給された「2/2(Sun)」の一日あたりの電力量が「960(kWh)」であることを示している。また、
図22に示す例は、施設ID「F2」によって識別される施設F2に供給された「2/3(Mon)」の一日あたりの電力量が「420(kWh)」であることを示している。
【0158】
また、電力量情報受信部211は、施設F1に供給された電力量の値と、施設F2に供給された電力量の値とに基づいて、複合事業所ECに供給された電力量を算出する(ステップS803)。ステップS803において、電力量情報受信部211は、例えば、ある日の施設F1の需要量と、その同じ日の施設F2の需要量とを加算した値を、その日に複合事業所ECに供給された電力量とする。
【0159】
そして、電力量情報受信部211は、複合事業所ECに供給された電力量を算出すると、その電力量の値を事業所需要量データベース212Bに格納する(ステップS804)。ステップS804において、電力量情報受信部211は、複合事業所ECの事業所ID「EC」に対応付けて電力量の値を格納する。事業所需要量データベース212Bには、
図20に示すような情報が格納される。
【0160】
図20に示す例は、事業所ID「EC」によって識別される複合事業所ECに供給された「2/4(Tue)」の一日あたりの電力の供給量が「1570(kWh)」であることを示している。
【0161】
図21に示す動作により、由来別電力管理装置210は、施設Fに供給された電力量の値、及び複合事業所ECに供給された電力量の値を取得することができる。
【0162】
図23は、由来別電力管理装置210及びクライアント端末Cの動作例を示すシーケンス図である。
図23に示す動作は、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を由来別電力管理装置210が取得する動作である。
【0163】
クライアント端末Cは、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を示す生産データを由来別電力管理装置110に送信する(ステップS901)。ステップS901において、クライアント端末C1は、事業所EA1において特定生産物を生産するかを特定可能な情報を示す生産データを送信する。また、クライアント端末C2は、事業所EA2において特定生産物を生産するかを特定可能な情報を示す生産データを送信する。また、クライアント端末C3は、複合事業所ECに設けられた施設F1及び施設F2において特定生産物を生産するかを特定可能な情報を示す生産データを送信する。
【0164】
由来別電力管理装置210の生産情報受信部217は、生産データを受信すると、生産データによって示される特定生産物を生産するかを特定可能な情報を事業所生産データベース218A及び施設生産データベース218Bに格納する(ステップS902)。ステップS902において、生産情報受信部217は、事業所Eの識別情報に対応づけて、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を、事業所生産データベース218Aに格納する。施設F1及び施設F2のいずれかの施設において特定生産物を生産することになっている場合、生産情報受信部217は、複合事業所ECの識別情報に対応づけて、特定生産物を生産することを特定可能な情報を格納する。事業所生産データベース218Aには、
図24に示すような情報が格納される。
【0165】
図24は、事業所生産データベース218Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。事業所生産データベース218Aには、事業所IDの情報と、特定生産物を生産するかを月日毎に特定可能な情報とが、対応づけられて格納される。
【0166】
特定生産物を生産するかを月日毎に特定可能な情報は、事業所IDの情報によって識別される事業所Eにおいて特定生産物を生産するかを月日毎に示す情報である。
【0167】
図24に示す例は、事業所ID「EA1」によって識別される事業所EA1において、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間に特定生産物を生産しないことを示している。
【0168】
また、
図24に示す例は、事業所ID「EA2」によって識別される事業所EA2において、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間に特定生産物を生産しないことを示している。
【0169】
また、
図24に示す例は、事業所ID「EC」によって識別される複合事業所ECにおいて、「2/4(Tue)」から「2/7(Fri)」までの期間に特定生産物を生産することを示している。また、
図24に示す例は、事業所ID「EC」によって識別される複合事業所ECにおいて、「2/2(Sun)」、「2/3(Mon)」及び「2/8(Sat)」に特定生産物を生産しないことを示している。
【0170】
また、ステップS902において、生産情報受信部217は、施設Fの識別情報に対応づけて、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を、施設生産データベース218Bに格納する。施設生産データベース218Bには、
図25に示すような情報が格納される。
【0171】
図25は、施設生産データベース218Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。施設生産データベース218Bには、施設IDの情報と、特定生産物を生産するかを月日毎に特定可能な情報とが、対応づけられて格納される。
【0172】
特定生産物を生産するかを月日毎に特定可能な情報は、施設IDの情報によって識別される施設Fにおいて特定生産物を生産するかを月日毎に示す情報である。
【0173】
図25に示す例は、施設ID「F1」によって識別される施設F1において、「2/4(Tue)」から「2/7(Fri)」までの期間に特定生産物を生産することを示している。また、
図25に示す例は、施設ID「F1」によって識別される施設F1において、「2/2(Sun)」、「2/3(Mon)」及び「2/8(Sat)」に特定生産物を生産しないことを示している。
【0174】
また、
図25に示す例は、施設ID「F2」によって識別される施設F2において、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間に特定生産物を生産しないことを示している。
【0175】
図23に示す動作により、由来別電力管理装置210は、特定生産物を生産するかを特定可能な情報を取得することができる。
【0176】
図26は、由来別電力管理装置210及びクライアント端末Cの動作例を示すシーケンス図である。
図26に示す動作は、クライアント端末Cからの要求に応じて電力の由来の情報を由来別電力管理装置110が送信する動作である。
【0177】
まず、クライアント端末Cは、電力の由来の情報を要求する旨の要求データを由来別電力管理装置210に送信する(ステップS1001)。ステップS1001において、クライアント端末Cは、電力の由来の情報を要求する対象の事業所E及び施設Fの少なくともいずれかを指定する要求データを送信する。また、クライアント端末Cは、例えば、特定の期間を指定して、その期間における電力の由来の情報を要求する旨の要求データを送信してもよい。
【0178】
由来別電力管理装置210は、要求データを受信すると、電力由来決定処理を実行する(ステップS1002)。ステップS1002において、由来別電力管理装置210は、要求データによって指定されている対象の事業所E及び施設Fの電力の由来を決定する。また、要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、由来別電力管理装置210は、指定された期間における電力の由来を決定する。
【0179】
図27は、
図26のステップS1002において実行される電力由来決定処理の一例を示す動作フロー図である。
【0180】
由来別電力管理装置210の情報要求受信部213は、要求データを受信すると、要求データを第1電力由来決定部214Aに送る。
【0181】
由来別電力管理装置210の第1電力由来決定部214Aは、要求データを受け取ると、供給量データベース212Aに格納されている供給量(kWh)の情報を、電力源ID毎に個別に読み出す(ステップS1101)。要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、第1電力由来決定部214Aは、指定された期間における一日あたりの供給量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0182】
以下の説明においては、要求データにおいて「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間が指定されていると仮定する。その場合、第1電力由来決定部214Aは、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間における一日あたりの供給量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0183】
また、第1電力由来決定部214Aは、事業所需要量データベース212Bに格納されている需要量(kWh)の情報を、事業者ID毎に個別に読み出す(ステップS1102)。要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、第1電力由来決定部214Aは、指定された期間における各事業所Eの一日あたりの需要量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0184】
この例の場合、第1電力由来決定部214Aは、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間における各事業所Eの一日あたりの需要量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0185】
また、第1電力由来決定部214Aは、事業所生産データベース218Aに格納されている特定生産物を生産するかを特定可能な情報を、事業者ID毎に個別に読み出す(ステップS1103)。要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、第1電力由来決定部214Aは、指定された期間における特定生産物を生産するかを特定可能な情報を全て読み出す。
【0186】
この例の場合、第1電力由来決定部214Aは、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間における各事業所Eの特定生産物を生産するかを特定可能な情報を全て読み出す。
【0187】
そして、第1電力由来決定部214Aは、事業所Eに供給された電力の由来を決定する(ステップS1104)。ステップS1104において、第1電力由来決定部214Aは、例えば、予め定められた条件に従って事業所Eに供給された電力の由来を決定する。事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、事業所Eの需要家同士によって合意された条件であればよい。また、事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、事業所Eの需要家を統括する組織によって定められた条件であってもよい。事業所Eの需要家を統括する組織には、例えば、業界団体、自治体、国家、国際機関等が含まれ得る。また、事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、電力源Pの事業者同士によって合意された条件であってもよい。また、事業所Eに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、電力源Pを統括する組織によって定められた条件であってもよい。電力源Pを統括する組織には、例えば、業界団体、自治体、国家、国際機関等が含まれ得る。
【0188】
ステップS1104において、第1電力由来決定部214Aは、事業所Eにおいて特定生産物を生産しているかに応じて、
図11に示す条件に従って、事業所Eに供給された電力の由来を決定する。ここで、
図24に示す例においては、事業所Eにおいて特定生産物を生産しているかを、一日毎に特定可能である。そこで、第1電力由来決定部214Aは、事業所Eに供給された電力の由来を、一日毎に決定する。
【0189】
例えば、「2/2(Sun)」、「2/3(Mon)」及び「2/8(Sat)」には、事業所EA1、事業所EA2及び複合事業所ECのいずれも特定生産物を生産していない。したがって、第1電力由来決定部214Aは、再生可能エネルギーである電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を優先的に割り当てる対象の事業所Eがないものとして処理を実行する。その場合、第1電力由来決定部214Aは、
図11に示す条件に従わず、各電力源Pに由来する電力を、全事業所Eの需要量に対する各事業所Eの需要量の割合に応じて按分して割り当てる。
【0190】
一方、「2/4(Tue)」から「2/7(Fri)」までの期間には、複合事業所ECにおいて特定生産物を生産しており、事業所EA1及び事業所EA2において特定生産物を生産していない。したがって、第1電力由来決定部214Aは、複合事業所ECを、再生可能エネルギーである電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を優先的に割り当てる対象として処理を実行する。その場合、第1電力由来決定部214Aは、
図11に示す条件に従って、事業所Eに供給された電力の由来を決定する。
【0191】
なお、この例の場合には、特定生産物を生産しない事業所EA1及び事業所EA2を含む。その場合、第1電力由来決定部214Aは、事業所EA1及び事業所EA2に対して割り当て可能な電力を、事業所EA1及び事業所EA2の需要量に対する各事業所EAの需要量の割合に応じて按分して割り当てる。
【0192】
また、3以上の事業所Eがある場合には、特定生産物を生産する複数の事業所Eと、特定生産物を生産しない事業所Eとを含むことが考えられる。その場合、第1電力由来決定部214Aは、特定生産物を生産する事業所Eに対して優先的に割り当て可能な電力を、特定生産物を生産する全事業所Eに対する各事業所Eの需要量の割合に応じて按分して割り当てる。
【0193】
第1電力由来決定部214は、事業所Eに供給された電力の由来を決定すると、事業所Eに供給された電力の由来の情報を電力由来データベースに格納する(ステップS1105)。ステップS1105において、第1電力由来決定部214Aは、日付の情報に対応づけて、その日付に供給された電力の由来の情報を格納する。事業所EA1の電力由来データベース215Aには、
図28に示すような情報が格納される。事業所EA2の電力由来データベース215Bには、
図29に示すような情報が格納される。複合事業所ECの電力由来データベース215Cには、
図30に示すような情報が格納される。
【0194】
図28は、事業所EA1の電力由来データベース215Aに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
図29は、事業所EA2の電力由来データベース215Bに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
図30は、複合事業所ECの電力由来データベース215Cに格納される情報の一例を示すテーブル図である。電力由来データベース215A、電力由来データベース215B及び電力由来データベース215Cには、日付の情報と、由来別の需要量(kWh)の情報とが、対応づけられて格納される。
【0195】
図28に示す例は、「2/2(Sun)」に事業所EA1に供給された電力量のうちの電力源PAに由来する電力量が「798(kWh)」であることを示している。また、
図28に示す例は、「2/3(Mon)」に事業所EA1に供給された電力量のうちの電力源PB1に由来する電力量が「245(kWh)」であることを示している。また、
図28に示す例は、「2/4(Tue)」に事業所EA1に供給された電力量のうちの電力源PB2に由来する電力量が「70(kWh)」であることを示している。
【0196】
図29に示す例は、「2/2(Sun)」に事業所EA2に供給された電力量のうちの電力源PA2に由来する電力量が「753(kWh)」であることを示している。また、
図29に示す例は、「2/3(Mon)」に事業所EA2に供給された電力量のうちの電力源PB1に由来する電力量が「241(kWh)」であることを示している。また、
図29に示す例は、「2/4(Tue)」に事業所EA2に供給された電力量のうちの電力源PB2に由来する電力量が「70(kWh)」であることを示している。
【0197】
図30に示す例は、「2/2(Sun)」に複合事業所ECに供給された電力量のうちの電力源PA2に由来する電力量が「989(kWh)」であることを示している。また、
図30に示す例は、「2/3(Mon)」に複合事業所ECに供給された電力量のうちの電力源PB1に由来する電力量が「324(kWh)」であることを示している。また、
図30に示す例は、「2/4(Tue)」に複合事業所ECに供給された電力量のうちの電力源PB2に由来する電力量が「210(kWh)」であることを示している。
【0198】
第1電力由来決定部214Aは、ステップS1105の処理を実行した後、事業所Eに供給された電力の由来を決定したことを第2電力由来決定部214Bに通知する。
【0199】
第2電力由来決定部214Bは、第1電力由来決定部214Aから通知を受けると、複合事業所ECの電力由来データベース215Cに格納されている複合事業所ECに供給された電力の由来の情報を読み出す(ステップS1106)。
【0200】
この例の場合、第2電力由来決定部214Bは、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間における複合事業所ECに供給された電力の由来の情報を全て読み出す。
【0201】
また、第2電力由来決定部214Bは、施設需要量データベース212Cに格納されている需要量(kWh)の情報を、施設ID毎に個別に読み出す(ステップS1107)。要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、第2電力由来決定部214Bは、指定された期間における各施設Fの一日あたりの需要量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0202】
この例の場合、第2電力由来決定部214Bは、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間における各施設Fの一日あたりの需要量(kWh)の情報を全て読み出す。
【0203】
また、第2電力由来決定部214Bは、施設生産データベース218Bに格納されている特定生産物を生産するかを特定可能な情報を、施設ID毎に個別に読み出す(ステップS1108)。要求データにおいて特定の期間が指定されている場合、第2電力由来決定部214Bは、指定された期間における特定生産物を生産するかを特定可能な情報を全て読み出す。
【0204】
この例の場合、第2電力由来決定部214Bは、「2/2(Sun)」から「2/8(Sat)」までの期間における各施設Fの特定生産物を生産するかを特定可能な情報を全て読み出す。
【0205】
そして、第2電力由来決定部214Bは、施設Fに供給された電力の由来を決定する(ステップS1109)。ステップS1109において、第2電力由来決定部214Bは、施設Fに供給された電力の由来を予め定められた条件に従って決定する。施設Fに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、施設Fの需要家同士によって合意された条件であればよい。また、施設Fに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、施設Fの需要家を統括する組織によって定められた条件であってもよい。施設Fの需要家を統括する組織には、例えば、複合事業所ECを所有する組織、業界団体、自治体、国家、国際機関等が含まれ得る。また、施設Fに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、電力源Pの事業者同士によって合意された条件であってもよい。また、施設Fに供給された電力の由来を決定するための条件は、例えば、電力源Pを統括する組織によって定められた条件であってもよい。電力源Pを統括する組織には、例えば、業界団体、自治体、国家、国際機関等が含まれ得る。
【0206】
図31は、施設Fに供給された電力の由来を決定するための条件の一例を示す説明図である。
図31に示す例においては、再生可能エネルギーである電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を、特定生産物を生産する施設Fに優先的に割り当てるための条件が設定されている。
【0207】
図31に示す例においては、「電力源PAから複合事業所ECに供給される電力量を、特定生産物を生産する施設Fと、特定生産物を生産しない施設Fとに、50:50の割合で割り当てる」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第1条件と称する。
【0208】
図31に示す例においては、「電力源PB1から複合事業所ECに供給される電力量を、特定生産物を生産する施設Fと、特定生産物を生産しない施設Fとに、100:0の割合で割り当てる」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第2条件と称する。
【0209】
図31に示す例においては、「電力源PB2から複合事業所ECに供給される電力量を、特定生産物を生産する施設Fと、特定生産物を生産しない施設Fとに、60:40の割合で割り当てる」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第3条件と称する。
【0210】
図31に示す例においては、「電力源PB1に由来する電力の割り当てを最も優先して実行する」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第4条件と称する。第4条件は、換言すれば、「第2条件の割り当てを最も優先して実行する」との条件である。
【0211】
図31に示す例においては、「電力源PB1に由来する電力の割り当てを行っても全ての事業所Eの需要量に満たない場合、次いで電力源PB2に由来する電力の割り当てを実行する」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第5条件と称する。第5条件は、換言すれば、「第2条件の割り当てに次いで第3条件の割り当てを実行する」との条件である。
【0212】
図31に示す例においては、「電力源PB2に由来する電力の割り当てを行っても全ての事業所Eの需要量に満たない場合、次いで電力源PAに由来する電力の割り当てを実行する」との条件が設定されている。以下の説明においては、この条件を第6条件と称する。第6条件は、換言すれば、「第3条件の割り当てに次いで第1条件の割り当てを実行する」との条件である。
【0213】
図27のステップS1109において、第2電力由来決定部214Bは、施設Fにおいて特定生産物を生産しているかに応じて、
図31に示す条件に従って、施設Fに供給された電力の由来を決定する。ここで、
図25に示す例においては、施設Fにおいて特定生産物を生産しているかを、一日毎に特定可能である。そこで、第2電力由来決定部214Bは、施設Fに供給された電力の由来を、一日毎に決定する。
【0214】
例えば、「2/2(Sun)」、「2/3(Mon)」及び「2/8(Sat)」には、施設F1及び施設F2のいずれも特定生産物を生産していない。したがって、第2電力由来決定部214Bは、再生可能エネルギーである電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を優先的に割り当てる対象の施設Fがないものとして処理を実行する。その場合、第2電力由来決定部214Bは、
図31に示す条件に従わず、各電力源Pに由来する電力を、複合事業所ECの需要量に対する各施設Fの需要量の割合に応じて按分して割り当てる。
【0215】
一方、「2/4(Tue)」から「2/7(Fri)」までの期間には、施設F1において特定生産物を生産しており、施設F2において特定生産物を生産していない。したがって、第2電力由来決定部214Bは、施設F1を、再生可能エネルギーである電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を優先的に割り当てる対象として処理を実行する。その場合、第2電力由来決定部214Bは、
図31に示す条件に従って、施設Fに供給された電力の由来を決定する。
【0216】
なお、3以上の施設Fがある場合には、特定生産物を生産する複数の施設Fと、特定生産物を生産しない施設Fとを含むことが考えられる。その場合、第2電力由来決定部214Bは、特定生産物を生産する施設Fに対して優先的に割り当て可能な電力を、特定生産物を生産する全施設Fの需要量に対する各施設Fの需要量の割合に応じて按分して割り当てる。
【0217】
また、3以上の施設Fがある場合には、特定生産物を生産する施設Fと、特定生産物を生産しない複数の施設Fとを含むことが考えられる。その場合、第2電力由来決定部214Bは、特定生産物を生産しない施設Fに対して割り当て可能な電力を、特定生産物を生産しない全施設Fの需要量に対する各施設Fの需要量の割合に応じて按分して割り当てる。
【0218】
第2電力由来決定部214Bは、施設Fに供給された電力の由来を決定すると、施設Fに供給された電力の由来の情報を電力由来データベースに格納する(ステップS1110)。ステップS1110において、第2電力由来決定部214Bは、日付の情報に対応づけて、その日付に供給された電力の由来の情報を格納する。施設F1の電力由来データベース215Dには、
図32に示すような情報が格納される。施設F2の電力由来データベース215Eには、
図33に示すような情報が格納される。
【0219】
図32は、施設F1の電力由来データベース215Eに格納される情報の一例を示すテーブル図である。
図33は、施設F2の電力由来データベース215Eに格納される情報の一例を示すテーブル図である。電力由来データベース215D及び電力由来データベース215Eには、日付の情報と、由来別の需要量(kWh)の情報とが、対応づけられて格納される。
【0220】
由来別の需要量(kWh)の情報は、日付の情報によって示される日付に施設Fに供給された電力量のうちの各電力源Pに由来する電力量(kWh)を示す情報である。
【0221】
図32に示す例は、「2/2(Sun)」に施設F1に供給された電力量のうちの電力源PAに由来する電力量が「709(kWh)」であることを示している。また、
図32に示す例は、「2/3(Mon)」に施設F1に供給された電力量のうちの電力源PB1に由来する電力量が「238(kWh)」であることを示している。また、
図32に示す例は、「2/4(Tue)」に施設F1に供給された電力量のうちの電力源PB2に由来する電力量が「126(kWh)」であることを示している。
【0222】
図33に示す例は、「2/2(Sun)」に施設F2に供給された電力量のうちの電力源PAに由来する電力量が「280(kWh)」であることを示している。また、
図33に示す例は、「2/3(Mon)」に施設F2に供給された電力量のうちの電力源PB1に由来する電力量が「86(kWh)」であることを示している。また、
図33に示す例は、「2/4(Tue)」に施設F2に供給された電力量のうちの電力源PB2に由来する電力量が「84(kWh)」であることを示している。
【0223】
第2電力由来決定部214Bは、ステップS1110の処理を実行した後、施設Fに供給された電力の由来を決定したことを電力由来情報送信部216に通知し、電力由来決定処理を終了する。
【0224】
図26の説明に戻り、電力由来情報送信部216は、第2電力由来決定部214Bから通知を受けると、電力の由来の情報を確認可能なデータをクライアント端末Cに送信する(ステップS1003)。ステップS1003において、電力由来情報送信部216は、電力の由来の情報を要求する旨の要求データの送信元のクライアント端末Cに、電力の由来の情報を示すデータを送信する。
【0225】
例えば、電力由来情報送信部216は、事業所EA1の電力由来データベース215Aに格納されている電力の由来の情報を読み出す。そして、電力由来情報送信部216は、事業所EA1の電力由来データベース215Aから読み出した電力の由来の情報を確認可能なデータをクライアント端末C1に送信する。
【0226】
また、例えば、電力由来情報送信部216は、事業所EA2の電力由来データベース215Bに格納されている電力の由来の情報を読み出す。そして、電力由来情報送信部216は、事業所EA2の電力由来データベース215Bから読み出した電力の由来の情報を確認可能なデータをクライアント端末C2に送信する。
【0227】
また、例えば、電力由来情報送信部216は、複合事業所ECの電力由来データベース215Cに格納されている電力の由来の情報を読み出す。そして、電力由来情報送信部216は、複合事業所ECの電力由来データベース215Cから読み出した電力の由来の情報を確認可能なデータをクライアント端末C3に送信する。
【0228】
また、例えば、電力由来情報送信部216は、施設F1の電力由来データベース215Dに格納されている電力の由来の情報を読み出す。そして、電力由来情報送信部216は、施設F1の電力由来データベース215Dから読み出した電力の由来の情報を確認可能なデータをクライアント端末C3に送信する。
【0229】
また、例えば、電力由来情報送信部216は、施設F2の電力由来データベース215Eに格納されている電力の由来の情報を読み出す。そして、電力由来情報送信部216は、施設F2の電力由来データベース215Eから読み出した電力の由来の情報を確認可能なデータをクライアント端末C3に送信する。
【0230】
クライアント端末Cは、電力の由来の情報を確認可能なデータを受信すると、電力の由来の情報を出力装置に出力する(ステップS1004)。ステップS1004において、クライアント端末Cは、例えば、電力の由来の情報をディスプレイに表示する。
【0231】
図34は、クライアント端末Cにおいて出力される電力の由来の情報の一例を示す図である。この例においては、電力の由来の情報がディスプレイに表示される例について説明する。
【0232】
クライアント端末Cにおいて表示される電力の由来の情報は、そのクライアント端末Cがいずれの事業所E、施設Fの需要家の端末であるかにより異なる。
【0233】
図34は、施設F1の需要家のクライアント端末C3においてディスプレイに表示される電力の由来の情報の一例を示す図である。クライアント端末C3は、施設F1に供給された電力の由来の情報SC2をディスプレイに表示する。
図34に示す情報SC1には、特定生産物を生産しているときに施設F1に供給された電力の由来について、各電力源Pに由来する電力量の比率を示す円グラフPC21が表示されている。
【0234】
以上、由来別電力管理装置210は、複数の事業所Eのうちの複合事業所ECに設けられた施設Fであって、特定生産物を生産する施設F1と、特定生産物を生産しない施設F2とに供給される電力の由来を決定する。そして、由来別電力管理装置210は、複数の電力源Pに由来する電力のうちの再生可能エネルギーの電力源PB1及び電力源PB2に由来する電力を施設F1に対して優先的に割り当てる。
【0235】
この構成によれば、施設F1において生産物を生産する生産者は、特定生産物を生産するために、再生可能エネルギーに由来する電力を積極的に利用していることをアピールして特定生産物の魅力を高めることができる。
【0236】
また、施設F1は、特定生産物と異なる生産物を生産可能である。その場合、由来別電力管理装置210は、施設F1が特定生産物を生産しているときに、再生可能エネルギーに由来する電力を施設F1に対して優先的に割り当てる。
【0237】
この構成によれば、施設F1において生産物を生産する生産者は、特定生産物と異なる生産物を生産することがあっても、特定生産物を生産するために利用する電力の由来について適切にアピールできる。
【0238】
また、特定生産物を生産する施設F1と特定生産物を生産しない施設F2とに供給される電力の由来は、複合事業所ECに供給される電力の由来と整合する。
【0239】
この構成によれば、施設F1において生産物を生産する生産者は、複合事業所ECと異なる他の事業所Eとの関係においても、特定生産物を生産するために利用する電力の由来について適切にアピールできる。
【0240】
また、由来別電力管理装置210は、特定生産物を生産する施設F1と特定生産物を生産しない施設F2とに供給される電力量の実績値を所定期間おきに取得する。そして、由来別電力管理装置210は、施設F1と施設F2とに供給される電力の由来を、電力量の実績値に基づいて決定する。
【0241】
この構成によれば、施設F1において生産物を生産する生産者は、特定生産物を生産するために利用する電力の由来の信頼性を向上させることができる。
【0242】
図35は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ900の例を示す。コンピュータ900にインストールされたプログラムは、コンピュータ900に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられたオペレーションを実行させることができる。また、コンピュータ900にインストールされたプログラムは、コンピュータ900を、本発明の実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させることができる。また、コンピュータ900にインストールされたプログラムは、コンピュータ900に、本発明の実施形態に係るプロセス、又はこのプロセスの段階を実行させることができる。このようなプログラムは、コンピュータ900に、本明細書に記載のフローチャート、及びブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させる。そのために、このようなプログラムは、CPU(Central Processing Unit)901によって実行されてよい。この機能は、FPGA(Field Programmable Gate Array)で実装してもよい。一例として、プログラムは、コンピュータ900を、由来別電力管理装置110、由来別電力管理装置210として機能させる。
【0243】
本実施形態によるコンピュータ900は、CPU901、RAM(Random Access Memory)902、グラフィックコントローラ903及びディスプレイデバイス904を含む。これらは、ホストコントローラ905によって相互に接続される。また、コンピュータ900は、通信インターフェース906、ハードディスクドライブ907、DVD-ROM(DVD Read Only Memory)ドライブ908のような入出力ユニットを含む。これらは、入出力コントローラ909を介してホストコントローラ905に接続される。また、コンピュータ900は、ROM910及びキーボード911のようなレガシの入出力ユニットを含む。これらは、入出力チップ912を介して入出力コントローラ909に接続される。
【0244】
CPU901は、ROM910及びRAM902内に格納されたプログラムに従って動作し、これにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ903は、RAM902内に提供されるフレームバッファ等、又はグラフィックコントローラ903自体の中に、CPU901によって生成されるイメージデータを取得する。そして、グラフィックコントローラ903は、イメージデータをディスプレイデバイス904上に表示させる。
【0245】
通信インターフェース906は、通信ネットワークCNを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ907は、CPU901によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ908は、プログラム及びデータをDVD-ROM920から読み取り、ハードディスクドライブ907にRAM902を介してプログラム及びデータを提供する。
【0246】
ROM910は、内部に、アクティブ化時にコンピュータ900によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ900のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ912は、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ909に接続してよい。
【0247】
プログラムは、DVD-ROM920のようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ907、RAM902又はROM910にインストールされ、CPU901によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ900に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法は、コンピュータ900の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0248】
例えば、通信がコンピュータ900及び外部デバイス間で実行される場合、CPU901は、RAM902にロードされた通信プログラムを実行する。そして、CPU901は、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース906に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース906は、CPU901の制御の下、RAM902、ハードディスクドライブ907又はDVD-ROM920のような記録媒体内に提供される通信バッファ領域に格納された送信データを読み取る。そして、通信インターフェース906は、読み取られた送信データを、通信ネットワークCNを介して送信する。また、通信インターフェース906は、通信ネットワークCNを介して受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0249】
CPU901は、ハードディスクドライブ907、DVD-ROMドライブ908のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM902に読み取られるようにする。そして、CPU901は、RAM902上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。そして、CPU901は、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0250】
プログラム、データ、テーブル及びデータベースのような様々なタイプの情報は、情報処理されるべく、記録媒体に格納されてよい。CPU901は、RAM902から読み取られたデータに対し、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM902に対しライトバックする。様々なタイプの処理は、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索、情報の置換等を含む。また、CPU901は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、記録媒体内には、各々が第2属性の属性値に関連付けられた第1属性の属性値を有する複数のエントリが格納される。この場合、CPU901は、この複数のエントリの中から、第1属性の属性値が指定あれている条件に一致するエントリを検索し、このエントリ内に格納された第2属性の属性値を読み取る。これにより、CPU901は、予め定められた条件を満たす第1属性に関連付けられた第2属性の属性値を取得してよい。
【0251】
以上の説明によるプログラム及びソフトウェアモジュールは、コンピュータ900上、又はコンピュータ900の近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、通信ネットワークCNに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体は、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。これにより、サーバシステムは、プログラムをコンピュータ900に通信ネットワークCNを介して提供する。
【0252】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。当業者には、上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項は、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。そのような変更又は改良を加えた形態は、本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0253】
例えば、上記実施の形態においては、事業所Eに供給される電力の由来が事業所Eに供給された電力の実績値に基づく例について説明した。しかしながら、事業所Eに供給される電力の由来は、事業所Eに供給された電力の実績値と異なる値に基づいて決定可能である。例えば、事業所Eに供給される電力の由来は、事業所Eに供給される所定時間おきの電力量の予測値を取得し、その所定時間おきの電力量の予測値に基づいて予測されてもよい。その場合、由来別電力管理装置110及び由来別電力管理装置210は、事業所Eに供給される所定時間おきの電力量の予測値と、天気予報とに基づいて、事業所Eに供給される電力の由来を予測してもよい。
【0254】
上記実施の形態においては、施設Fに供給される電力の由来が施設Fに供給された電力の実績値に基づく例について説明した。しかしながら、施設Fに供給される電力の由来は、施設Fに供給された電力の実績値と異なる値に基づいて決定可能である。例えば、施設Fに供給される電力の由来は、施設Fに供給される所定時間おきの電力量の予測値を取得し、その所定時間おきの電力量の予測値に基づいて予測されてもよい。その場合、由来別電力管理装置210は、施設Fに供給される所定時間おきの電力量の予測値と、天気予報とに基づいて、施設Fに供給される電力の由来を予測してもよい。
【0255】
また、上記実施の形態においては、電力源PBに由来する電力を電力源PAに由来する電力よりも優先的に割り当てる例について説明した。これに対し、電力源PAに由来する電力は、電力源PBに由来する電力よりも優先的に割り当てるようにしてもよい。そのような形態によれば、非再生可能エネルギー発電に大きく頼らざるを得ない状況に陥ったとしても、由来別電力予測を適切に行うことができる。
【0256】
また、上記実施の形態においては、電力源PBに由来する電力を優先的に割り当てる例について説明した。しかしながら、電力源PBには、天候等の影響により安定して電力の供給を行うことが困難な再生可能エネルギー発電を行う電力源PB2も含まれる。そのため、供給された電力量を取得するタイミングでは、電力源PBに由来する電力を優先的に割り当てても、電力源PAに由来する電力を割り当てなければならない状況にあることがある。このような場合、電力源PB1を管理する事業者は、電力源PB1の発電量を増加させる電力制御を行ってもよい。そのような形態によれば、電力源PBに由来する電力を優先的に割り当てる由来別電力管理の精度を向上させることができる。
【0257】
また、上記実施の形態において、由来別電力管理装置110及び由来別電力管理装置210は、人工知能を導入したコンピュータであってもよい。
【0258】
特許請求の範囲、明細書及び図面中において示した装置、システム、プログラム及び方法における動作、手順、ステップ及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示していない。また、実行順序は、前の処理の出力を後の処理の出力で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、実行順序は、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0259】
100・・・由来別電力管理システム、110・・・由来別電力管理装置、111・・・電力量情報受信部、112・・・電力量情報格納部、113・・・情報要求受信部、114・・・第1電力由来決定部、115・・・第2電力由来決定部、116・・・電力由来情報格納部、117・・・電力由来情報送信部、900・・・コンピュータ、901・・・CPU、902・・・RAM、903・・・グラフィックコントローラ、904・・・ディスプレイデバイス、905・・・ホストコントローラ、906・・・通信インターフェース、907・・・ハードディスクドライブ、908・・・DVD-ROMドライブ、909・・・入出力コントローラ、910・・・ROM、911・・・キーボード、912・・・入出力チップ、920・・・DVD-ROM、C1・・・クライアント端末、C2・・・クライアント端末、C3・・・クライアント端末、CN・・・通信ネットワーク、DB1・・・供給量データベース、DB2・・・事業所需要量データベース、DB3・・・施設需要量データベース、DB4・・・事業所電力由来データベース、DB5・・・施設電力由来データベース、DM11・・・電力量計、DM12・・・電力量計、DM13・・・電力量計、DM21・・・電力量計、DM22・・・電力量計、DM31・・・電力量計、DM32・・・電力量計、EA1・・・事業所、EA2・・・事業所、EB・・・複合事業所、F1・・・施設、F2・・・施設、PA・・・電力源、PB1・・・電力源、PB2・・・電力源、PC11・・・円グラフ、PC21・・・円グラフ、PC22・・・円グラフ、PC23・・・円グラフ、PC31・・・円グラフ、PC32・・・円グラフ、PC41・・・円グラフ、PC51・・・円グラフ、PC61・・・円グラフ、PC62・・・円グラフ、PC71・・・円グラフ、PC72・・・円グラフ、PN・・・電力網、SC1・・・情報、SC2・・・情報、SC3・・・情報、SC4・・・情報、SC5・・・情報、SC6・・・情報、SC7・・・情報