(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】カメラシステムおよび運転支援システム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240604BHJP
B60W 40/08 20120101ALI20240604BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240604BHJP
H04N 13/366 20180101ALI20240604BHJP
【FI】
H04N23/60 300
B60W40/08
G08G1/16 F
H04N13/366
H04N23/60 500
(21)【出願番号】P 2020127720
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】草深 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昭典
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/138242(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/072100(WO,A1)
【文献】特開2013-085200(JP,A)
【文献】特開2003-111050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
B60W 40/08
G08G 1/16
H04N 13/366
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者を撮像し、撮像画像を分割して、分割された撮像画像をそれぞれ個別に送信可能に構成されるカメラと、
前記カメラから、分割された撮像画像の一部を受信すると、運転者の眼の位置に関連する第1情報を検出する第1検出処理を実行する第1コントローラと、
前記カメラから、分割された撮像画像の全部を受信すると、合成して合成撮像画像を生成し、運転者の運転状態に関連する第2情報を検出する第2検出処理を実行する第2コントローラと、を備えるカメラシステム。
【請求項2】
請求項1記載のカメラシステムであって、
前記カメラは、前記撮像画像を、運転者の眼を含む第1画像と、前記第1画像を除く第2画像とに分割し、前記第1画像を前記第2画像より先に送信するカメラシステム。
【請求項3】
請求項2記載のカメラシステムであって、
前記第1コントローラは、前記第1画像を受信し、前記第2画像を受信しないカメラシステム。
【請求項4】
請求項2記載のカメラシステムであって、
前記カメラから送信された前記第1画像および前記第2画像のうち、前記第1コントローラに、前記第1画像を送信し、前記第2画像を送信しない中継部を備えるカメラシステム。
【請求項5】
請求項1記載のカメラシステムであって、
前記カメラは、前記撮像画像を、前記撮像画像より画素数が少ない、複数の間引き画像に分割するカメラシステム。
【請求項6】
請求項5記載のカメラシステムであって、
前記第1コントローラは、前記複数の間引き画像の一部を受信したのち、残部を受信しないカメラシステム。
【請求項7】
請求項5記載のカメラシステムであって、
前記カメラから送信された前記複数の間引き画像のうち、前記第1コントローラに、一部の間引き画像を送信したのち、残部を送信しない中継部を備えるカメラシステム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つに記載のカメラシステムと、
運転者の両眼に対して投影される視差画像を表示する表示部と、
前記視差画像の画像光の進行方向を規定することによって、前記両眼に視差を与えるバリア部と、
前記第1情報に基づいて、前記表示部を制御する表示制御部と、
前記第2情報に基づいて、運転者の運転状態を監視する監視部と、を備える運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラシステムおよび運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の安全性向上および自動運転制御の補助などを目的として、カメラで運転者を撮影し、その画像から運転者の姿勢、顔の動き、視線などを検出し、車両の運転状態を監視する運転者監視システムが車両に搭載される(例えば、特許文献1等)。また、運転中の運転者が、車両に関連する情報、ナビゲーションに関連する情報などを視認できるように画像を表示させるヘッドアップディスプレイなどの画像表示システムでは、カメラで運転者の顔を撮影し、瞳孔の位置を検出している(例えば、特許文献2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-304428号公報
【文献】特開平6-230132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転者監視システムおよび画像表示システムでは、要求される画像が同じではなく、例えば、システムごとにカメラが必要となる。両システムでカメラを共有する場合、一方のシステムの検出処理に適合させた画像を出力すると、他方のシステムの検出処理には適合しない画像となり、検出処理に要する速度が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係るカメラシステムは、カメラと、第1コントローラと、第2コントローラと、を備える。カメラは、車両の運転者を撮像し、撮像画像を分割して個別に送信可能に構成される。第1コントローラは、前記カメラから、分割された撮像画像の一部を受信すると、運転者の眼の位置に関連する第1情報を検出する第1検出処理を実行する。第2コントローラは、前記カメラから、分割された撮像画像の全部を受信すると、合成して撮像画像を生成し、運転者の運転状態に関連する第2情報を検出する第2検出処理を実行する。
【0006】
本開示の一実施形態に係る運転支援システムは、上記のカメラシステムと、表示部と、バリア部と、表示制御部と監視部と、を備える。表示部は、運転者の両眼に対して投影される視差画像を表示する。バリア部は、前記視差画像の画像光の進行方向を規定することによって、前記両眼に視差を与える。表示制御部は、前記第1情報に基づいて、前記表示部を制御する。監視部は、前記第2情報に基づいて、運転者の運転状態を監視する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態に係るカメラシステムによれば、2つの異なる検出処理にそれぞれ適合した画像が送信されるので、検出処理速度を向上させることができる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る運転支援システムによれば、視差画像の表示および運転状態の監視に係る処理速度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】運転支援システムが搭載された移動体の概略構成の一例を示す図である。
【
図5】3次元投影装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図6】運転者の眼と表示部とバリア部との関係を示す模式図である。
【
図7】中継部を備えるカメラシステムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明がされる。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
【0011】
図1に示されるように、本開示の一実施形態に係るカメラシステム50は、移動体10に搭載されている。カメラシステム50は、カメラ11と、第1コントローラ1と、第2コントローラ2と、を備える。移動体10は、カメラシステム50を含む運転支援システム100を備えてよい。
【0012】
本開示における「移動体」は、例えば車両、船舶、及び航空機等を含んでよい。車両は、例えば自動車、産業車両、鉄道車両、生活車両、及び滑走路を走行する固定翼機等を含んでよい。自動車は、例えば乗用車、トラック、バス、二輪車、及びトロリーバス等を含んでよい。産業車両は、例えば農業及び建設向けの産業車両等を含んでよい。産業車両は、例えばフォークリフト及びゴルフカート等を含んでよい。農業向けの産業車両は、例えばトラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、及び芝刈り機等を含んでよい。建設向けの産業車両は、例えばブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、及びロードローラ等を含んでよい。車両は、人力で走行するものを含んでよい。車両の分類は、上述した例に限られない。例えば、自動車は、道路を走行可能な産業車両を含んでよい。複数の分類に同じ車両が含まれてよい。船舶は、例えばマリンジェット、ボート、及びタンカー等を含んでよい。航空機は、例えば固定翼機及び回転翼機等を含んでよい。
【0013】
以下では、移動体10が、乗用車である場合を例として説明する。移動体10は、乗用車に限らず、上記例のいずれかであってよい。カメラ11は、移動体10に取り付けられてよい。カメラ11は、移動体10の運転者13のアイボックス16を含む領域を撮像可能に構成される。アイボックス16とは、例えば運転者13の体格、姿勢、及び姿勢の変化等を考慮して、運転者13の眼5が存在しうると想定される実空間上の領域である。アイボックス16の形状は任意である。アイボックス16は、平面的又は立体的な領域を含んでよい。カメラ11の取り付け位置は、移動体10の内部及び外部において任意である。例えば、カメラ11は、移動体10のダッシュボード内に位置してよい。
【0014】
図2は、運転支援システムを示すブロック図である。運転支援システム100は、3次元投影装置12および運転者監視装置60で構成されてよい。運転支援システム100は、カメラシステム50を含んでよい。運転者監視装置60と、3次元投影装置12とは、カメラシステム50を共有する。カメラシステム50は、カメラ11と、第1コントローラ1と、第2コントローラ2とを、備える。第1コントローラ1は、3次元投影装置12を構成する。第2コントローラ2は、運転者監視装置60を構成する。
【0015】
カメラ11は、赤外光カメラと可視光カメラの両方の機能を有していてよい。カメラ11は、車両の運転者13を撮像し、撮像画像を分割して個別に送信可能に構成される。カメラ11は、例えば、撮像部11aと、画像分割部11bと、送信部11cと、を含んで構成される。撮像部11aは、例えばCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを含んでよい。撮像部11aは、運転者13の顔、肩および腕などを含むおよそ上半身を撮像してよい。撮像部11aで生成された撮像画像は、画像分割部11bに出力される。画像分割部11bは、撮像部11aから出力された撮像画像を複数の画像に分割する。撮像画像の分割数は、2以上であればよい。画像分割の詳細については後述する。画像分割部11bで分割された画像は、送信部11cによってカメラ11から外部に送信される。送信部11cは、分割された複数の画像を1つずつ個別に送信してよい。撮像画像の分割数が、例えば2の場合、送信部11cは、分割された2つの画像のうち、1つの画像を送信したのち、もう1つの画像を続けて送信してよい。撮像画像の分割数が、3以上の場合も同様に、送信部11cは、分割された画像を順次送信すればよい。画像分割部11bは、分割された画像のそれぞれに識別コードを付与してよい。
【0016】
分割された撮像画像は、カメラ11から第1コントローラ1および第2コントローラ2に送信される。カメラ11は、有線通信又は無線通信を介して分割された撮像画像を3次元投影装置12へ出力するように構成してよい。有線通信は、例えばCAN(Controller Area Network)等を含みうる。第1コントローラ1は、3次元投影装置12を構成してよい。第1コントローラ1は、カメラ11から、分割された撮像画像の一部を受信すると、運転者13の眼5の位置に関連する第1情報を検出する第1検出処理を実行する。3次元投影装置12は、いわゆるヘッドアップディスプレイとして機能しうる。運転者13の眼5の位置に関連する第1情報は、例えば、瞳孔位置を示す情報であってよい。第1検出処理は、画像に基づいて、運転者13の瞳孔位置を検出する検出処理であってよい。第2コントローラ2は、運転者監視装置60を構成してよい。第2コントローラ2は、カメラ11から、分割された撮像画像の全部を受信すると、合成して撮像画像を生成し、運転者13の運転状態に関連する第2情報を検出する第2検出処理を実行する。運転者監視装置60は、いわゆるドライバーモニタリングシステムとして機能しうる。運転者13の運転状態に関連する第2情報は、例えば、運転者13の顔の向き(横を向いている、前を向いている、下を向いているなど)を示す情報であってよい。第2検出処理は、画像に基づいて、運転者13の顔の向きを検出する検出処理であってよい。
【0017】
図3は、第1の画像分割例を示す模式図である。画像分割部11bは、撮像部11aで生成された撮像画像Pを、運転者13の眼5を含む第1画像P1と、第1画像P1を除く第2画像P2とに分割する。送信部11cは、第1画像P1を第2画像P2より先に送信する。送信部11cから送信された第1画像P1は、第1コントローラ1および第2コントローラ2で受信される。画像分割部11bは、画像分割において、第1画像P1の撮像画像P内における位置を、撮像画像Pごとに変更してよい。その場合、送信する第1画像P1に、分割元の撮像画像P内における位置を示す情報を付加すればよい。画像分割部11bは、画像分割において、第1画像P1の撮像画像P内における位置を撮像画像Pによらず同じ位置としてよい。その場合、送信する第1画像P1に、分割元の撮像画像P内における位置を示す情報を付加しなくてよい。第1画像P1の撮像画像P内における位置を示す情報は、第1コントローラ1および第2コントローラ2が予め有していればよい。
【0018】
第1コントローラ1は、第1受信部1aと、第1検出部1bと、表示制御部1cと、を含んで構成される。第1受信部1aは、カメラ11の送信部11cから送信される画像の一部を受信する。第1受信部1aは、例えば、撮像画像Pが分割された画像のうち、最初に送信部11cから送信された画像を受信してよい。第1受信部1aは、画像を受信すると、それ以降、撮像画像Pが分割された画像を受信しなくてよい。本例では、第1受信部1aは、送信部11cから先に送信された第1画像P1を受信する。第1受信部1aは、送信部11cから後に送信される第2画像P2を受信しない。第1検出部1bは、第1検出処理である瞳孔位置の検出処理を実行する。第1画像P1は、運転者13の眼5を含む画像であり、第1検出部1bは、第1画像P1に基づいて、瞳孔位置を検出することができる。第1画像P1の撮像画像P内における位置を示す情報が、第1画像P1に付加されている場合、付加された情報を用いればよい。第1画像P1の撮像画像P内における位置を示す情報が、第1画像P1に付加されている場合、付加された情報を用いて第1検出部1bは、瞳孔位置情報を得る。第1画像P1の撮像画像P内における位置を示す情報が、第1画像P1に付加されていない場合、予め有する位置情報を用いて第1検出部1bは、瞳孔位置情報を得る。表示制御部1cは、第1検出部1bで検出された瞳孔位置情報に基づいて、3次元投影装置12における画像表示を制御する。
【0019】
第2コントローラ2は、第2受信部2aと、画像合成部2bと、第2検出部2cと、出力部2dと、を含んで構成される。第2受信部2aは、カメラ11の送信部11cから送信される画像の全部を受信する。画像合成部2bは、第2受信部2aが受信した全部の画像を合成して合成撮像画像P’を生成する。本例では、第2受信部2aは、送信部11cから送信される第1画像P1および第2画像P2を受信する。画像合成部2bは、第2受信部2aが受信した第1画像P1および第2画像P2を合成して、合成撮像画像P’を生成する。第2検出部2cは、画像合成部2bが合成した合成撮像画像P’に基づいて、第2検出処理を実行する。撮像画像Pは、例えば、運転者13の上半身を含むので、運転者13の顔の向きを検出することができる。出力部2dは、第2検出部2cで検出された顔の向き情報を出力する。
【0020】
3次元投影装置12において使用される、運転者の眼の位置に関連する第1情報は、運転者監視装置60において使用される、運転者の運転状態に関連する第2情報に比べて、高い検出速度が求められる。第1コントローラ1は、カメラ11から送信される画像の一部を受信するだけで、第1検出処理を実行して第1情報を検出することができる。第2コントローラ2は、カメラ11から送信される画像の全部を受信し、画像を合成して第2検出処理を実行して第2情報を検出することができる。第1検出処理は、第2検出処理より高い検出速度が得られる。これにより、2つの異なる検出処理にそれぞれ適合した画像が送信されるので、処理速度を向上させることができる。
【0021】
図4は、第2の画像分割例を示す模式図である。画像分割部11bは、撮像部11aで生成された撮像画像Pを、撮像画像Pより画素数が少ない、複数の間引き画像に分割する。本例では、4つの間引き画像LP1~LP4に分割している。各間引き画像LP1~LP4の画素数は、それぞれ撮像画像Pの1/4である。例えば、連続する4画素のうち3画素を間引く。これを4画素ごとに繰り返し、画素数が1/4の間引き画像LP1を得る。連続する4画素のうち間引く3画素の位置を変える、言い換えると、連続する4画素のうち残す1画素の位置を変えることで、間引き画像LP2~LP4を得る。送信部11cは、間引き画像LP1~LP4を順次送信する。送信部11cから最初に送信された間引き画像LP1は、第1コントローラ1および第2コントローラ2で受信される。
【0022】
第1コントローラ1の第1受信部1aは、送信部11cから最初に送信された間引き画像LP1を受信する。第1受信部1aは、送信部11cから後に送信される間引き画像LP2~LP4を受信しない。第1検出部1bは、間引き画像LP1に基づいて、瞳孔位置を検出することができる。表示制御部1cは、第1検出部1bで検出された瞳孔位置情報に基づいて、3次元投影装置12における画像表示を制御する。
【0023】
第2コントローラ2の第2受信部2aは、送信部11cから送信される間引き画像LP1~LP4を全て受信する。画像合成部2bは、第2受信部2aが受信した間引き画像LP1~LP4を合成して、合成撮像画像P’を生成する。第2検出部2cは、画像合成部2bが合成した合成撮像画像P’に基づいて、第2検出処理を実行する。撮像画像Pは、例えば、運転者13の上半身を含むので、運転者13の顔の向きを検出することができる。出力部2dは、第2検出部2cで検出された顔の向き情報を出力する。
【0024】
カメラシステム50は、例えば、センサを含んでよい。センサは、超音波センサ又は光センサ等であってよい。カメラシステム50は、センサによって運転者13の頭部の位置を検出するように構成され、頭部の位置に基づいて、運転者13の瞳孔位置を検出するように構成されうる。カメラ11は、2つ以上のセンサによって、運転者13の瞳孔位置を三次元空間の座標として検出するように構成されうる。
【0025】
第1コントローラ1および第2コントローラ2は、例えばプロセッサとして構成される。第1コントローラ1および第2コントローラ2は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。第1コントローラ1は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、及びSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。
【0026】
3次元投影装置12について説明する。
図5は、3次元投影装置の概略構成の一例を示す図である。3次元投影装置12は、第1情報である瞳孔位置情報に基づいて、投影する画像を制御するように構成してよい。3次元投影装置12の位置は、移動体10の内部及び外部において任意である。例えば、3次元投影装置12は、移動体10のダッシュボード内に位置してよい。3次元投影装置12は、ウインドシールド15に向けて画像光を射出するように構成される。画像光は、例えば、筐体120に設けられた開口を通って射出されてよい。
【0027】
ウインドシールド15は、3次元投影装置12から射出された画像光を反射するように構成される。ウインドシールド15で反射された画像光は、アイボックス16に到達する。
図1に示されている実線の矢印は、3次元投影装置12から射出される画像光の少なくとも一部がアイボックス16まで到達する経路を示す。画像光が進む経路は、光路とも称される。運転者13の眼5がアイボックス16内に位置する場合、運転者13は、アイボックス16に到達する画像光によって、虚像14を視認可能である。虚像14は、ウインドシールド15から眼5に到達する経路を前方に延長した、一点鎖線で示されている線の上に位置する。3次元投影装置12は、運転者13に虚像14を視認させることによって、ヘッドアップディスプレイとして機能しうる。
図1において、運転者13の眼5が並ぶ方向は、x軸方向に対応する。鉛直方向は、y軸方向に対応する。
【0028】
図5に示されるように、3次元投影装置12は、3次元表示装置17と、光学素子18とを備える。3次元表示装置17は、バックライト19と、表示面20aを有する表示部20と、バリア部21と、第1コントローラ1とを備えうる。3次元表示装置17は、通信部22をさらに備えてよい。3次元表示装置17は、記憶部23をさらに備えてよい。3次元投影装置12は、例えば、筐体120を備えてよい。筐体120内には、3次元表示装置17と、光学素子18とが収容される。
【0029】
光学素子18は、第1ミラー18aと、第2ミラー18bとを含んでよい。第1ミラー18a及び第2ミラー18bの少なくとも一方は、光学的なパワーを有してよい。本実施形態において、第1ミラー18aは、光学的なパワーを有する凹面鏡であるとする。第2ミラー18bは、平面鏡であるとする。光学素子18は、3次元表示装置17に表示された画像を拡大する拡大光学系として機能してよい。
図5に示される一点鎖線の矢印は、3次元表示装置17から射出される画像光の少なくとも一部が、第1ミラー18a及び第2ミラー18bによって反射され、3次元投影装置12の外部に射出される際の経路を示す。3次元投影装置12の外部に射出された画像光は、ウインドシールド15に到達し、ウインドシールド15で反射されて運転者13の眼5に到達する。その結果、運転者13は、3次元表示装置17に表示された画像を視認できる。
【0030】
光学素子18とウインドシールド15とは、3次元表示装置17から射出させる画像光を運転者13の眼5に到達させうるように構成される。光学素子18とウインドシールド15とは、光学系30を構成してよい。言い換えれば、光学系30は、光学素子18とウインドシールド15とを含む。光学系30は、3次元表示装置17から射出される画像光を一点鎖線で示されている光路に沿って運転者13の眼5に到達させるように構成される。光学系30は、運転者13に視認させる画像が拡大したり縮小したりするように、画像光の進行方向を制御するように構成してよい。光学系30は、運転者13に視認させる画像の形状を所定の行列に基づいて変形させるように、画像光の進行方向を制御するように構成してよい。
【0031】
光学素子18は、例示される構成に限られない。ミラーは、凹面鏡であってよいし、凸面鏡であってよいし、平面鏡であってよい。ミラーが凹面鏡又は凸面鏡である場合、その形状は、少なくとも一部に球面形状を含んでよいし、少なくとも一部に非球面形状を含んでよい。光学素子18を構成する要素の数は、2つに限られず、1つであってよいし、3つ以上であってよい。光学素子18は、ミラーに限られずレンズを含んでよい。レンズは、凹面レンズであってよいし、凸面レンズであってよい。レンズの形状は、少なくとも一部に球面形状を含んでよいし、少なくとも一部に非球面形状を含んでよい。
【0032】
バックライト19は、画像光の光路上において、運転者13から見て、表示部20及びバリア部21よりも遠い側に位置する。バックライト19は、バリア部21と表示部20とに向けて光を射出する。バックライト19が射出した光の少なくとも一部は、一点鎖線で示されている光路に沿って進行し、運転者13の眼5に到達する。バックライト19は、LED(Light Emission Diode)又は有機EL若しくは無機EL等の発光素子を含んでよい。バックライト19は、発光強度、及び、その分布を制御可能に構成されてよい。
【0033】
表示部20は、表示パネルを含む。表示部20は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の液晶デバイスであってよい。本実施形態において、表示部20は、透過型の液晶表示パネルを含むとする。表示部20は、この例に限られず、種々の表示パネルを含んでよい。
【0034】
表示部20は、複数の画素を有し、各画素においてバックライト19から入射する光の透過率を制御し、運転者13の眼5に到達する画像光として射出するように構成される。運転者13は、表示部20の各画素から射出される画像光によって構成される画像を視認する。
【0035】
バリア部21は、入射してくる光の進行方向を規定するように構成される。バリア部21が表示部20よりもバックライト19に近い側に位置する場合、バックライト19から射出される光は、バリア部21に入射し、さらに表示部20に入射する。この場合、バリア部21は、バックライト19から射出される光の一部を遮ったり減衰させたりし、他の一部を表示部20に向けて透過させるように構成される。表示部20は、バリア部21によって規定された方向に進行する入射光を、同じ方向に進行する画像光としてそのまま射出する。表示部20がバリア部21よりもバックライト19に近い側に位置する場合、バックライト19から射出される光は、表示部20に入射し、さらにバリア部21に入射する。この場合、バリア部21は、表示部20から射出される画像光の一部を遮ったり減衰させたりし、他の一部を運転者13の眼5に向けて透過させるように構成される。
【0036】
表示部20とバリア部21とのどちらが運転者13の近くに位置するかにかかわらず、バリア部21は、画像光の進行方向を制御できるように構成される。バリア部21は、表示部20から射出される画像光の一部を運転者13の左眼5L及び右眼5R(
図4参照)のいずれかに到達させ、画像光の他の一部を運転者13の左眼5L及び右眼5Rの他方に到達させるように構成される。つまり、バリア部21は、画像光の少なくとも一部の進行方向を運転者13の左眼5Lと右眼5Rとに分けるように構成される。左眼5L及び右眼5Rはそれぞれ、第1眼及び第2眼ともいう。本実施形態において、バリア部21は、バックライト19と表示部20との間に位置する。つまり、バックライト19から射出される光は、先にバリア部21に入射し、次に表示部20に入射する。
【0037】
バリア部21によって画像光の進行方向が規定されることによって、運転者13の左眼5L及び右眼5Rそれぞれに異なる画像光が到達しうる。その結果、運転者13は、左眼5L及び右眼5Rそれぞれで異なる画像を視認しうる。
【0038】
図6は、運転者の眼と表示部とバリア部との関係を示す模式図である。
図6に示されるように、表示部20は、表示面20a上に、運転者13の左眼5Lで視認される左眼視認領域201Lと、運転者13の右眼5Rで視認される右眼視認領域201Rとを含む。表示部20は、運転者13の左眼5Lに視認させる左眼画像と、運転者13の右眼5Rに視認させる右眼画像とを含む視差画像を表示するように構成される。視差画像は、運転者13の左眼5L及び右眼5Rそれぞれに投影される画像であって、運転者13の両眼に視差を与える画像であるとする。表示部20は、左眼視認領域201Lに左眼画像を表示し、右眼視認領域201Rに右眼画像を表示するように構成される。つまり、表示部20は、左眼視認領域201Lと右眼視認領域201Rとに視差画像を表示するように構成される。左眼視認領域201Lと右眼視認領域201Rとは、視差方向を表すu軸方向に並んでいるとする。左眼視認領域201L及び右眼視認領域201Rは、視差方向に直交するv軸方向に沿って延在してよいし、v軸方向に対して所定角度で傾斜する方向に延在してよい。つまり、左眼視認領域201L及び右眼視認領域201Rは、視差方向の成分を含む所定方向に沿って交互に並んでいてよい。左眼視認領域201Lと右眼視認領域201Rとが交互に並ぶピッチは、視差画像ピッチともいう。左眼視認領域201Lと右眼視認領域201Rとは、間隔をあけて位置していてよいし、互いに隣接していてよい。表示部20は、表示面20a上に、平面画像を表示する表示領域をさらに有していてよい。平面画像は、運転者13の眼5に視差を与えず、立体視されない画像であるとする。
【0039】
図6に示されるように、バリア部21は、開口領域21bと、遮光面21aとを有する。バリア部21が、画像光の光路上において、運転者13から見て表示部20よりも近い側に位置する場合、バリア部21は、表示部20から射出される画像光の透過率を制御するように構成される。開口領域21bは、表示部20からバリア部21に入射する光を透過させるように構成される。開口領域21bは、第1所定値以上の透過率で光を透過させてよい。第1所定値は、例えば100%であってよいし、100%に近い値であってよい。遮光面21aは、表示部20からバリア部21に入射する光を遮るように構成される。遮光面21aは、第2所定値以下の透過率で光を透過させてよい。第2所定値は、例えば0%であってよいし、0%に近い値であってよい。第1所定値は、第2所定値より大きい。
【0040】
開口領域21bと遮光面21aとは、視差方向を表すu軸方向に交互に並ぶとする。開口領域21bと遮光面21aとの境界は、
図6に例示されているように視差方向に直交するv軸方向に沿ってよいし、v軸方向に対して所定角度で傾斜する方向に沿ってよい。言い換えれば、開口領域21bと遮光面21aとは、視差方向の成分を含む所定方向に沿って交互に並んでよい。
【0041】
本実施形態では、バリア部21は、画像光の光路上において、運転者13から見て表示部20よりも遠い側に位置している。バリア部21は、バックライト19から表示部20に向けて入射する光の透過率を制御するように構成される。開口領域21bは、バックライト19から表示部20に向けて入射する光を透過させるように構成される。遮光面21aは、バックライト19から表示部20に入射する光を遮るように構成される。このようにすることで、表示部20に入射する光の進行方向は、所定方向に限定される。その結果、画像光の一部は、バリア部21によって運転者13の左眼5Lに到達するように制御されうる。画像光の他の一部は、バリア部21によって運転者13の右眼5Rに到達するように制御されうる。
【0042】
バリア部21は、液晶シャッターで構成されてよい。液晶シャッターは、印加する電圧に基づいて光の透過率を制御しうる。液晶シャッターは、複数の画素で構成され、各画素における光の透過率を制御してよい。液晶シャッターは、光の透過率が高い領域又は光の透過率が低い領域を任意の形状に形成しうる。バリア部21が液晶シャッターで構成される場合、開口領域21bは、第1所定値以上の透過率を有してよい。バリア部21が液晶シャッターで構成される場合、遮光面21aは、第2所定値以下の透過率を有してよい。第1所定値は、第2所定値より高い値に設定されてよい。第1所定値に対する第2所定値の比率は、一例では、1/100に設定されてよい。第1所定値に対する第2所定値の比率は、他の例では、1/1000に設定されてもよい。開口領域21bと遮光面21aとの形状が変更可能に構成されるバリア部21は、アクティブバリアとも称される。
【0043】
第1コントローラ1は、表示部20を制御するように構成される。バリア部21がアクティブバリアである場合、第1コントローラ1は、バリア部21を制御するように構成してよい。第1コントローラ1は、バックライト19を制御するように構成してよい。第1コントローラ1の表示制御部1cが、第1検出部1bで検出された瞳孔位置情報に基づいて、表示部20を制御するように構成される。第1コントローラ1は、瞳孔位置情報に基づいてバリア部21、及びバックライト19の少なくとも一方を制御するように構成されうる。
【0044】
通信部22は、外部装置と通信可能なインタフェースを含んでよい。通信部22は、例えば、外部装置から画像情報などを取得し、第1コントローラ1に出力してよい。本開示における「通信可能なインタフェース」は、例えば物理コネクタ、及び無線通信機を含んでよい。物理コネクタは、電気信号による伝送に対応した電気コネクタ、光信号による伝送に対応した光コネクタ、及び電磁波による伝送に対応した電磁コネクタを含んでよい。電気コネクタは、IEC60603に準拠するコネクタ、USB規格に準拠するコネクタ、又はRCA端子に対応するコネクタを含んでよい。電気コネクタは、EIAJ CP-121aAに規定されるS端子に対応するコネクタ、又はEIAJ RC-5237に規定されるD端子に対応するコネクタを含んでよい。電気コネクタは、HDMI(登録商標)規格に準拠するコネクタ、又はBNC(British Naval Connector又はBaby-series N Connector等)を含む同軸ケーブルに対応するコネクタを含んでよい。光コネクタは、IEC 61754に準拠する種々のコネクタを含んでよい。無線通信機は、Bluetooth(登録商標)、及びIEEE8021aを含む各規格に準拠する無線通信機を含んでよい。無線通信機は、少なくとも1つのアンテナを含む。
【0045】
記憶部23は、各種情報、又は3次元表示装置17の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納するように構成されてよい。記憶部23は、例えば半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部23は、第1コントローラ1のワークメモリとして機能してよい。記憶部23は、第1コントローラ1に含まれてよい。
【0046】
図6に示されるように、バックライト19から射出された光は、バリア部21と表示部20とを透過して運転者13の眼5に到達する。バックライト19から射出された光が眼5に到達するまでの経路は、破線で表されている。バリア部21の開口領域21bを透過して右眼5Rに到達する光は、表示部20の右眼視認領域201Rを透過する。つまり、右眼5Rは、開口領域21bを透過した光によって右眼視認領域201Rを視認できる。バリア部21の開口領域21bを透過して左眼5Lに到達する光は、表示部20の左眼視認領域201Lを透過する。つまり、左眼5Lは、開口領域21bを透過した光によって左眼視認領域201Lを視認できる。
【0047】
表示部20は、右眼視認領域201R及び左眼視認領域201Lに、それぞれ右眼画像及び左眼画像を表示するように構成される。これによって、バリア部21は、左眼画像に係る画像光を左眼5Lに到達させ、右眼画像に係る画像光を右眼5Rに到達させるように構成される。つまり、開口領域21bは、左眼画像に係る画像光を運転者13の左眼5Lに到達させ、右眼画像に係る画像光を運転者13の右眼5Rに到達させるように構成される。このようにすることで、3次元表示装置17は、運転者13の両眼に対して視差画像を投影できる。運転者13は、左眼5Lと右眼5Rとで視差画像を見ることによって、画像を立体視できる。
【0048】
バリア部21の開口領域21bを透過し、表示部20の表示面20aから射出された画像光の少なくとも一部は、光学素子18を介してウインドシールド15に到達する。画像光は、ウインドシールド15で反射されて運転者13の眼5に到達する。これにより、運転者13の眼5はウインドシールド15よりもz軸の負の方向の側に位置する第1虚像14aを視認できる。第1虚像14aは、表示面20aが表示している画像に対応する。バリア部21の開口領域21bと遮光面21aとは、ウインドシールド15の前方であって第1虚像14aのウインドシールド15側に第2虚像14bをつくる。
図5に示すように、運転者13は、見かけ上、第1虚像14aの位置に表示部20が存在し、第2虚像14bの位置にバリア部21が存在するかのように、画像を視認しうる。
【0049】
表示面20aに表示される画像に係る画像光は、バリア部21によって規定される方向に向けて、3次元表示装置17から射出される。光学素子18は、ウインドシールド15に向けて射出するように構成される。光学素子18は、画像光を反射したり屈折させたりするように構成されうる。ウインドシールド15は、画像光を反射し、運転者13の眼5に向けて進行させるように構成される。画像光が運転者13の眼5に入射することによって、運転者13は、視差画像を虚像14として視認する。運転者13は、虚像14を視認することによって立体視できる。虚像14のうち視差画像に対応する画像は、視差虚像とも称される。視差虚像は、光学系30を介して投影される視差画像であるともいえる。虚像14のうち平面画像に対応する画像は、平面虚像とも称される。平面虚像は、光学系30を介して投影される平面画像であるともいえる。
【0050】
運転者監視装置60について説明する。
図2に示すように、運転者監視装置60は、第2コントローラ2と、監視部3と、報知部4と、を備える。前述のように、第2コントローラ2の出力部2dは、第2検出部2cで検出された第2情報を出力する。第2情報は、運転者の運転状態に関連する情報である。監視部3は、第2情報に基づいて、運転者13の運転状態を判断し、運転者13に対して、例えば、警告などを報知するかどうかを判断する。監視部3が、運転者13に対して報知すると判断すると、報知部4は、警告などを報知する。警告の報知は、警告文の表示、警告画像の表示、警告文の音声読み上げ、警告音の出力などを含む。第2情報が、例えば、運転者13の顔の向きを示す情報である場合、監視部3は、顔の向き情報に基づいて、運転者13の運転状態が、正常な運転状態であるか、脇見運転の状態であるかを判断してよい。監視部3は、運転者13の運転状態が、脇見運転の状態であれば、警告を報知すると判断し、報知部4が、運転者13に対して警告を報知してよい。
【0051】
カメラシステムの他の例について説明する。
図7は、中継部を備えるカメラシステムを示す模式図である。
図7(a)は、第1の画像分割例の場合のカメラシステム50Aを示す。
図7(b)は、第2の画像分割例の場合のカメラシステム50Aを示す。カメラシステム50Aは、中継部6を備える点で、上記のカメラシステム50と異なる。カメラシステム50Aは、カメラ11と、中継部6と、第1コントローラ1と、第2コントローラ2と、を備える。中継部6は、カメラ11から送信される画像を受信し、受信した画像を第1コントローラ1および第2コントローラ2に送信する。中継部6が、カメラ11から受信する画像は、上記と同じカメラ11が撮像画像を分割した画像である。中継部6は、カメラ11から受信した画像から、第1コントローラ1に送信する画像および第2コントローラ2に送信する画像を選択して送信してよい。中継部6は、カメラ11から最初に受信した画像を、第1コントローラ1および第2コントローラ2に送信し、それ以降に受信した画像は、第1コントローラ1に送信せず、第2コントローラ2に送信してよい。
【0052】
第1の画像分割例の場合、カメラ11は、第1画像P1と第2画像P2とを順次送信する。中継部6は、第1画像P1と第2画像P2とを順次受信する。中継部6は、第1コントローラ1には、第1画像P1を送信し、第2コントローラ2には、第1画像P1と第2画像P2とを送信するように構成される。中継部6は、第1画像P1を受信すると、第2画像P2を受信しているかどうかにかかわらず、第1画像P1を第1コントローラ1に送信してよい。上記のカメラシステム50では、第1コントローラ1が、第1画像P1を受信したのちに第2画像P2を受信しないことを判断する。カメラシステム50Aでは、中継部6が、第1コントローラ1に第1画像P1のみを送信し、第2画像P2を送信しない。第1コントローラ1は、中継部6から送信される第1画像P1のみを受信すればよく、第2画像P2を受信しないことを判断しなくてよい。
【0053】
第2の画像分割例の場合、カメラ11は、間引き画像LP1~LP4を順次送信する。中継部6は、間引き画像LP1~LP4を順次受信する。中継部6が、カメラ11から最初に受信した画像が間引き画像LP1であるとする。中継部6は、第1コントローラ1には、間引き画像LP1を送信し、第2コントローラ2には、間引き画像LP1~LP4を送信するように構成される。中継部6は、間引き画像LP1を受信すると、その他の間引き画像LP2~LP4を受信しているかどうかにかかわらず、間引き画像LP1を第1コントローラ1に送信してよい。中継部6は、カメラ11から最初に受信した間引き画像を第1コントローラ1に送信すればよい。上記のカメラシステム50では、第1コントローラ1が、間引き画像LP1を最初に受信したのち、間引き画像LP2~LP4を受信しないことを判断する。カメラシステム50Aでは、中継部6が、第1コントローラ1に間引き画像LP1のみを送信する。第1コントローラ1は、中継部6から送信される間引き画像LP1のみを受信すればよく、間引き画像LP2~LP4を受信しないことを判断しなくてよい。
【0054】
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形又は変更が可能である。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0055】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1眼は、第2眼と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【0056】
本開示において、x軸、y軸、及びz軸は、説明の便宜上設けられたものであり、互いに入れ替えられてよい。本開示に係る構成は、x軸、y軸、及びz軸によって構成される直交座標系を用いて説明されてきた。本開示に係る各構成の位置関係は、直交関係にあると限定されるものではない。
【符号の説明】
【0057】
1 第1コントローラ
1a 第1受信部
1b 第1検出部
1c 表示制御部
2 第2コントローラ
2a 第2受信部
2b 画像合成部
2c 第2検出部
2d 出力部
3 監視部
4 報知部
5 眼(5L:左眼、5R:右眼)
6 中継部
10 移動体
11 カメラ
11a 撮像部
11b 画像分割部
11c 送信部
12 3次元投影装置
13 運転者
14 虚像(14a:第1虚像、14b:第2虚像)
15 ウインドシールド
16 アイボックス
17 3次元表示装置
18 光学素子(18a:第1ミラー、18b:第2ミラー)
19 バックライト
20 表示部(20a:表示面)
201L 左眼視認領域
201R 右眼視認領域
21 バリア部(21a:遮光面、21b:開口領域)
22 通信部
23 記憶部
30 光学系
50,50A カメラシステム
60 運転者監視装置
100 運転支援システム