(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2020142939
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020037193
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 良祐
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-200230(JP,A)
【文献】特開2003-296418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
取引において得意先に重量を提示する必要があり且つ原材料の目減りを伴う化学的又は物理的な加工を経て完成する製品であって前記提示する重量が前記製品の重量と前記目減りした前記原材料の重量の合計であるものの製品識別情報別に、前記提示する前記重量を計算する又は前記製品の前記重量を計算する計算式と、前記計算式で計算される前記重量が前記提示する前記重量か前記製品の前記重量かを区別するための計算区分を管理する重量計算式管理データから、入力された製品識別情報に紐付く前記計算式と前記計算区分を取得する取得手段と、
入力された前記製品の寸法と前記取得手段で取得した前記計算式を基に、前記取得手段で取得した前記計算区分ごとに前記重量を計算する計算手段と、
前記計算手段で計算した前記重量を、前記取得手段で取得した前記計算区分ごとに出力する出力手段と、
を備え
、
前記取得手段は、
前記寸法が入力画面に入力可能かどうかを識別する寸法入力可否区分を前記製品識別情報別に管理する寸法入力可否区分管理データから、入力された前記製品識別情報に紐付く前記寸法入力可否区分をさらに取得し、
前記制御部は、
前記取得手段で取得した寸法入力可否区分を基に、前記入力画面に入力可能な寸法のみを入力可能にする制御を前記入力画面に行う入力制御手段をさらに備え、
前記入力画面に前記寸法が入力された後に、前記製品識別情報が入力された場合に、
前記取得手段は、前記寸法入力可否区分管理データから、入力された前記製品識別情報に紐付く前記寸法入力可否区分を取得し、
前記入力制御手段は、取得した前記寸法入力可否区分を基に、前記入力画面に入力された前記寸法のうち、入力可能な寸法以外を削除すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記原材料および前記製品は、鉄鋼または非鉄金属に係るものであり、
前記加工は、溶断加工であること、
を特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提示する前記重量は、受注重量であること、
を特徴とする請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
制御部を備える情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
前記制御部で実行される、
取引において得意先に重量を提示する必要があり且つ原材料の目減りを伴う化学的又は物理的な加工を経て完成する製品であって前記提示する重量が前記製品の重量と前記目減りした前記原材料の重量の合計であるものの製品識別情報別に、前記提示する前記重量を計算する又は前記製品の前記重量を計算する計算式と、前記計算式で計算される前記重量が前記提示する前記重量か前記製品の前記重量かを区別するための計算区分を管理する重量計算式管理データから、入力された製品識別情報に紐付く前記計算式と前記計算区分を取得する取得ステップと、
入力された前記製品の寸法と前記取得ステップで取得した前記計算式を基に、前記取得ステップで取得した前記計算区分ごとに前記重量を計算する計算ステップと、
前記計算ステップで計算した前記重量を、前記取得ステップで取得した前記計算区分ごとに出力する出力ステップと、
を含
み、
前記取得ステップは、
前記寸法が入力画面に入力可能かどうかを識別する寸法入力可否区分を前記製品識別情報別に管理する寸法入力可否区分管理データから、入力された前記製品識別情報に紐付く前記寸法入力可否区分をさらに取得し、
前記制御部で実行される、
前記取得ステップで取得した寸法入力可否区分を基に、前記入力画面に入力可能な寸法のみを入力可能にする制御を前記入力画面に行う入力制御ステップをさらに含み、
前記入力画面に前記寸法が入力された後に、前記製品識別情報が入力された場合に、
前記取得ステップは、前記寸法入力可否区分管理データから、入力された前記製品識別情報に紐付く前記寸法入力可否区分を取得し、
前記入力制御ステップは、取得した前記寸法入力可否区分を基に、前記入力画面に入力された前記寸法のうち、入力可能な寸法以外を削除すること、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
取引において得意先に重量を提示する必要があり且つ原材料の目減りを伴う化学的又は物理的な加工を経て完成する製品であって前記提示する重量が前記製品の重量と前記目減りした前記原材料の重量の合計であるものの製品識別情報別に、前記提示する前記重量を計算する又は前記製品の前記重量を計算する計算式と、前記計算式で計算される前記重量が前記提示する前記重量か前記製品の前記重量かを区別するための計算区分を管理する重量計算式管理データから、入力された製品識別情報に紐付く前記計算式と前記計算区分を取得する取得ステップと、
入力された前記製品の寸法と前記取得ステップで取得した前記計算式を基に、前記取得ステップで取得した前記計算区分ごとに前記重量を計算する計算ステップと、
前記計算ステップで計算した前記重量を、前記取得ステップで取得した前記計算区分ごとに出力する出力ステップと、
を含
み、
前記取得ステップは、
前記寸法が入力画面に入力可能かどうかを識別する寸法入力可否区分を前記製品識別情報別に管理する寸法入力可否区分管理データから、入力された前記製品識別情報に紐付く前記寸法入力可否区分をさらに取得し、
前記制御部に実行させるための、
前記取得ステップで取得した寸法入力可否区分を基に、前記入力画面に入力可能な寸法のみを入力可能にする制御を前記入力画面に行う入力制御ステップをさらに含み、
前記入力画面に前記寸法が入力された後に、前記製品識別情報が入力された場合に、
前記取得ステップは、前記寸法入力可否区分管理データから、入力された前記製品識別情報に紐付く前記寸法入力可否区分を取得し、
前記入力制御ステップは、取得した前記寸法入力可否区分を基に、前記入力画面に入力された前記寸法のうち、入力可能な寸法以外を削除すること、
を特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼・非鉄業界では、受注金額や売上金額の計算には原則として重量単価を用いる。しかし、製品特性上、契約時(具体的には、見積時や受注時)の重量と実貫重量(実際に量った重量)が異なるケースが発生する。また、得意先に提示する重量は製品重量となるのが一般的だが、溶断業では火道(溶断時に溶け出す部分)込みの重量を得意先に請求することが多い。
【0003】
特許文献1には、鋼材の重量計算に必要な計算式について、計算式のマスタを品種という商品グループごとに公式に近い形で設定可能とする方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、契約時の重量と実貫重量が異なるケースでは、受注重量を手計算しなければならず、それにより業務負荷やヒューマンエラーが増加するという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、社内の在庫管理上の実貫重量(製品重量)と得意先に提示する重量(例えば受注重量など)の自動計算を行うことで、業務負荷の削減・ヒューマンエラーの減少を実現できる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部は、取引において得意先に重量を提示する必要があり且つ原材料の目減りを伴う化学的又は物理的な加工を経て完成する製品であって前記提示する重量が前記製品の重量と前記目減りした前記原材料の重量の合計であるものの製品識別情報別に、前記提示する前記重量を計算する又は前記製品の前記重量を計算する計算式と、前記計算式で計算される前記重量が前記提示する前記重量か前記製品の前記重量かを区別するための計算区分を管理する重量計算式管理データから、入力された製品識別情報に紐付く前記計算式と前記計算区分を取得する取得手段と、入力された前記製品の寸法と前記取得手段で取得した前記計算式を基に、前記取得手段で取得した前記計算区分ごとに前記重量を計算する計算手段と、前記計算手段で計算した前記重量を、前記取得手段で取得した前記計算区分ごとに出力する出力手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記取得手段は、前記寸法が入力画面に入力可能かどうかを識別する寸法入力可否区分を前記製品識別情報別に管理する寸法入力可否区分管理データから、入力された前記製品識別情報に紐付く前記寸法入力可否区分をさらに取得し、前記制御部は、前記取得手段で取得した寸法入力可否区分を基に、前記入力画面に入力可能な寸法のみを入力可能にする制御を前記入力画面に行う入力制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記原材料および前記製品は、鉄鋼または非鉄金属に係るものであり、前記加工は、溶断加工であること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記提示する前記重量は、受注重量であること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報処理方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される情報処理方法であって、前記制御部で実行される、取引において得意先に重量を提示する必要があり且つ原材料の目減りを伴う化学的又は物理的な加工を経て完成する製品であって前記提示する重量が前記製品の重量と前記目減りした前記原材料の重量の合計であるものの製品識別情報別に、前記提示する前記重量を計算する又は前記製品の前記重量を計算する計算式と、前記計算式で計算される前記重量が前記提示する前記重量か前記製品の前記重量かを区別するための計算区分を管理する重量計算式管理データから、入力された製品識別情報に紐付く前記計算式と前記計算区分を取得する取得ステップと、入力された前記製品の寸法と前記取得ステップで取得した前記計算式を基に、前記取得ステップで取得した前記計算区分ごとに前記重量を計算する計算ステップと、前記計算ステップで計算した前記重量を、前記取得ステップで取得した前記計算区分ごとに出力する出力ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報処理プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムであって、前記制御部に実行させるための、取引において得意先に重量を提示する必要があり且つ原材料の目減りを伴う化学的又は物理的な加工を経て完成する製品であって前記提示する重量が前記製品の重量と前記目減りした前記原材料の重量の合計であるものの製品識別情報別に、前記提示する前記重量を計算する又は前記製品の前記重量を計算する計算式と、前記計算式で計算される前記重量が前記提示する前記重量か前記製品の前記重量かを区別するための計算区分を管理する重量計算式管理データから、入力された製品識別情報に紐付く前記計算式と前記計算区分を取得する取得ステップと、入力された前記製品の寸法と前記取得ステップで取得した前記計算式を基に、前記取得ステップで取得した前記計算区分ごとに前記重量を計算する計算ステップと、前記計算ステップで計算した前記重量を、前記取得ステップで取得した前記計算区分ごとに出力する出力ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、社内の在庫管理上の実貫重量(製品重量)と得意先に提示する重量(例えば受注重量など)の自動計算を行うことで、業務負荷の削減・ヒューマンエラーの減少を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】
図2は、情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、重量計算マスタ106aの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、寸法入力可否制御マスタ106bの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、情報処理装置100で実行される処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、受注明細入力画面MAの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
ここでは、本実施形態の概要について、
図1を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の概要を示す図である。本実施形態では、金属(鉄鋼または非鉄金属)の火道込重量の計算式をマスタ登録して汎用化し、自動計算を行えるようにすることで、業務負荷の削減・ヒューマンエラーの減少を実現する。
【0018】
図1に示すように、受注入力前にオペレータは、重量計算マスタと寸法入力可否制御マスタを作成する。重量計算マスタは、製品重量と火道込重量の計算式を金属の品種ごとに定義したマスタである。寸法入力可否制御マスタは、重量計算マスタに登録した計算式に登場する寸法(例えば厚さ、幅、長さなど)と登場しない寸法を金属の品種ごとに区別し、計算式に登場する寸法だけを入力画面に入力できるような制御を行うためのマスタである。寸法入力可否制御マスタを作成しておくことで、計算式に登場しない寸法をオペレータが誤入力するのを防ぐことができる。
【0019】
各マスタを作成した後、オペレータは製品の受注入力を行う。入力された金属の寸法と重量計算マスタに登録された計算式を用いて、製品重量と火道込重量の両方が自動計算され、入力画面に表示される。自動計算された製品重量と火道込重量を基に、オペレータは受注を行う。なお、本実施形態では金属を用いたが、金属に限らず、取引において得意先に重量を提示する必要があり且つ原材料の目減りを伴う化学的又は物理的な加工を経て完成する製品であって当該提示する重量が当該製品の重量と当該目減りした原材料の重量の合計であるものに適用してもよい。
【0020】
[2.構成]
ここでは、本実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例について、
図2等を参照して説明する。
図2は、情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
情報処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、情報処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
情報処理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。情報処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、情報処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、情報処理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0026】
記憶部106には、例えば、重量計算マスタ106a、および寸法入力可否制御マスタ106bなどが格納される。
【0027】
図3は、重量計算マスタ106aの一例を示す図である。重量計算マスタ106aは、本発明の重量計算式管理データに相当するものである。重量計算マスタ106aは、品種CDなどの金属識別情報(本発明の製品識別情報に相当)と、金属の重量を計算する計算式と、計算式で計算される重量が金属の溶断時に溶け出す部分を含むかどうかを識別する計算区分(本発明の計算区分に相当)と、を含む。
【0028】
図4は、寸法入力可否制御マスタ106bの一例を示す図である。寸法入力可否制御マスタ106bは、本発明の寸法入力可否区分管理データに相当するものである。寸法入力可否制御マスタ106bは、金属識別情報と、寸法が入力画面に入力可能かどうかを識別する寸法入力可否区分と、を含む。
【0029】
図2に戻り、制御部102は、情報処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0030】
制御部102は、機能概念的に、本発明の取得手段に相当する取得部102aと、本発明の計算手段に相当する計算部102bと、本発明の出力手段に相当する出力部102cと、本発明の入力制御手段に相当する入力制御部102dなどを備える。
【0031】
取得部102aは、重量計算マスタ106aから、入力された金属識別情報に紐付く計算式と計算区分を取得し、寸法入力可否制御マスタ106bから、入力された金属識別情報に紐付く寸法入力可否区分を取得する。
【0032】
計算部102bは、入力された寸法と取得部102aで取得した計算式を基に、取得部102aで取得した計算区分ごとに重量を計算する。
【0033】
出力部102cは、計算部102bで計算した重量を、取得部102aで取得した計算区分ごとに入力画面に出力する。
【0034】
入力制御部102dは、取得部102aで取得した寸法入力可否区分を基に、入力画面に入力可能な寸法のみを入力可能にする制御を入力画面に行う。
【0035】
制御部102を構成する各処理部が実行する処理の具体例については、以下に詳細に説明する。
【0036】
[3.処理の具体例]
ここでは、情報処理装置100で実行される処理の具体例について、
図3から
図7等を参照して説明する。
【0037】
受注を行う前に、オペレータは、重量計算マスタ106aおよび寸法入力可否制御マスタ106bにデータを入力する。本具体例の説明では、データが
図3および
図4で示すように入力されたものとする。なお、本具体例の説明では、
図3の計算区分は製品重量(金属を製品にしたときの重量)を「0」、火道込重量(得意先に請求する重量)を「1」と設定され、
図4の寸法入力可否区分は入力不可を「0」、入力可を「1」と設定されたものとする。以下では、火道込重量を受注重量(=請求額の算定に当たって重量単価を乗ずるための重量)として記載する場合がある。
【0038】
受注を行う時、オペレータは、品種CD、寸法A~H、および員数を受注明細入力画面MAに
図6で示すように入力する。
【0039】
受注明細入力画面MAに品種CDが入力されると、取得部102aは、重量計算マスタ106aから、当該品種CDに紐付くレコードを取得する(ステップSA1)。本説明では、以下の2つのレコードが取得される。
・品種CD「101」,計算区分「0」,計算式「(A*B*H)/1000*7.93」
・品種CD「101」,計算区分「1」,計算式「(A*(B+2*10)*(H+2*10)/1000*7.93」
【0040】
つぎに、取得部102aは、寸法入力可否制御マスタ106bから、当該品種CDに紐付くレコードを取得する(ステップSA2)。本説明では、以下の1つのレコードが取得される。
・品種CD「101」,寸法A「1」,寸法B「1」,寸法C「0」,寸法D「0」,寸法E「0」,寸法F「0」,寸法G「0」,寸法H「1」
【0041】
つぎに、入力制御部102dは、ステップSA2で取得した寸法入力可否区分を基に、受注明細入力画面MAに入力可能な寸法A、寸法B、および寸法Hのみを入力可能にする制御を受注明細入力画面MAに行う(ステップSA3)。この制御により、オペレータは、計算式に登場しない寸法である寸法C~Gの項目に入力することが不可能となる。
【0042】
つぎに、計算部102bは、入力された寸法A「3」、寸法B「100」、寸法H「200」、およびステップSA1で取得した計算式と計算区分を基に、金属の重量を計算する(ステップSA4)。本具体例の説明では、
図6に示すように、受注重量として628.056、製品重量として475.800と計算される。
【0043】
つぎに、出力部102cは、ステップSA4で計算した金属の重量を、受注明細入力画面MAにステップSA1で取得した計算区分ごとに出力する(ステップSA5)。本具体例の説明では、
図6で示すように、受注重量「628.056」、製品重量「475.800」と出力される。
【0044】
以上の処理から、受注重量(=請求額の算定に当たって重量単価を乗ずるための重量)と製品重量を自動計算することができる。なお、オペレータが寸法A~Hを入力した後に品種CDを入力し、その結果、当該品種CDの計算式に登場しない寸法が受注明細入力画面MAに誤入力されていた場合、入力制御部102dは、受注明細入力画面MAに誤入力されていた当該寸法を消去した上で、当該寸法を入力不可能にする制御を受注明細入力画面MAに行ってもよい。また、
図6の受注明細入力画面MAの内容を基にして、例えば
図7に示すような受注データを作成してもよい。
【0045】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0046】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0047】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0048】
また、情報処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0049】
例えば、情報処理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて情報処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0050】
また、このコンピュータプログラムは、情報処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0051】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0052】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0053】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0054】
また、情報処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、情報処理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0055】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、特に、鉄鋼・非鉄金属業やその他素材加工業など、得意先への提示重量と実貫重量が異なる取引が行われる業態において有用である。
【符号の説明】
【0057】
100 情報処理装置
102 制御部
102a 取得部
102b 計算部
102c 出力部
102d 入力制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 重量計算マスタ
106b 寸法入力可否制御マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク