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特許7498085情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240604BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240604BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020175268
(22)【出願日】2020-10-19
(65)【公開番号】P2022066745
(43)【公開日】2022-05-02
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】今村 一晃
(72)【発明者】
【氏名】田中 実
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-102739(JP,A)
【文献】特開2015-179406(JP,A)
【文献】特開2008-200383(JP,A)
【文献】特開2020-107084(JP,A)
【文献】特開2008-003761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 1/00- 1/133
B65G 1/14- 1/20
G06K 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが有する着用物に付されたタグを識別するためのタグ識別情報と、前記着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザに関連付けられた検出器が前記タグの前記タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記検出情報に基づいて、前記記憶部において前記検出器が検出した前記タグ識別情報に関連付けられた前記着用物識別情報に対応する前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定する特定部と、
を有し、
前記特定部は、前記ユーザが所持する携帯通信端末である前記検出器が、前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出したことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定する、
情報処理装置。
【請求項2】
ユーザが有する着用物に付されたタグを識別するためのタグ識別情報と、前記着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザに関連付けられた検出器が前記タグの前記タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記検出情報に基づいて、前記記憶部において前記検出器が検出した前記タグ識別情報に関連付けられた前記着用物識別情報に対応する前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定する特定部と、
を有し、
前記特定部は、前記着用物が保管される場所を含む所定範囲内に設置されたセンサ端末である前記検出器が前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出できないことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定する、
情報処理装置。
【請求項3】
ユーザが有する着用物に付されたタグを識別するためのタグ識別情報と、前記着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザに関連付けられた検出器が前記タグの前記タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記検出情報に基づいて、前記記憶部において前記検出器が検出した前記タグ識別情報に関連付けられた前記着用物識別情報に対応する前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記ユーザが着用した一又は複数の前記着用物の履歴情報に基づいて、前記着用物ごとの着用割合であって一又は複数の前記ユーザのユーザ属性ごとに集計した着用割合を出力する出力部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記ユーザが所持する携帯通信端末である前記検出器が、前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出したことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記携帯通信端末が上限数より多い複数のタグの前記タグ識別情報を所定期間内に検出したことを前記検出情報が示す場合に、当該複数のタグに対応する複数の前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定しない、
請求項1又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記上限数は、前記着用物の種類ごとに設定された値である、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記着用物が保管される場所を含む所定範囲内に設置されたセンサ端末である前記検出器が前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出できないことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記センサ端末が前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出できなかった後、前記センサ端末が前記タグ識別情報を検出したことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定する、
請求項2又は7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特定部は、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定するとともに、前記ユーザが所持する携帯通信端末の位置情報に基づいて前記ユーザが前記着用物を着用した際の位置を特定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記出力部は、前記ユーザが前記着用物を着用した際の位置ごとに集計した前記着用割合を出力する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、前記特定部によって特定された前記ユーザが着用した前記着用物を示す情報を、前記ユーザに関連付けられた情報端末に通知する、
請求項3又は10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサが実行する、
ユーザが有する着用物に付されたタグを識別するためのタグ識別情報と、前記着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
前記ユーザに関連付けられた検出器が前記タグの前記タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得するステップと、
前記取得するステップで取得された前記検出情報に基づいて、前記記憶部において前記検出器が検出した前記タグ識別情報に関連付けられた前記着用物識別情報に対応する前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定するステップと、
を有し、
前記特定するステップにおいて、前記ユーザが所持する携帯通信端末である前記検出器が、前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出したことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定する、
情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
ユーザが有する着用物に付されたタグを識別するためのタグ識別情報と、前記着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザに関連付けられた検出器が前記タグの前記タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記検出情報に基づいて、前記記憶部において前記検出器が検出した前記タグ識別情報に関連付けられた前記着用物識別情報に対応する前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定する特定部と、
として機能させ
前記特定部は、前記ユーザが所持する携帯通信端末である前記検出器が、前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出したことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが着用物を着用したことを特定するための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの好みや行動に基づいてユーザに対して服の組み合わせを提示し、提示した組み合わせに含まれる服をユーザに対して貸し出すサービスが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-215770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サービスの提供者によってユーザに貸し出された服がユーザの好みに合っているとは限らないため、ユーザは当該服を実際には着用しない可能性がある。従来、サービスの提供者は、ユーザに貸し出した服をユーザが実際に着用したかどうかを知ることはユーザからの申告に頼らざるを得なかったため、多くのユーザから正確な情報を得ることは難しかった。このため、ユーザに貸し出す服の提案を改善することは容易ではなかった。その結果、ユーザの満足度が低下し、ユーザがサービスを解約することにつながるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが服等の着用物を着用したことを特定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、ユーザが有する着用物に付されたタグを識別するためのタグ識別情報と、前記着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記ユーザに関連付けられた検出器が前記タグの前記タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記検出情報に基づいて、前記記憶部において前記検出器が検出した前記タグ識別情報に関連付けられた前記着用物識別情報に対応する前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定する特定部と、を有する。
【0007】
前記特定部は、前記ユーザが所持する携帯通信端末である前記検出器が、前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出したことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定してもよい。
【0008】
前記特定部は、前記携帯通信端末が上限数より多い複数のタグの前記タグ識別情報を所定期間内に検出したことを前記検出情報が示す場合に、当該複数のタグに対応する複数の前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定しなくてもよい。
【0009】
前記上限数は、前記着用物の種類ごとに設定された値であってもよい。
【0010】
前記特定部は、前記着用物が保管される場所を含む所定範囲内に設置されたセンサ端末である前記検出器が前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出できないことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定してもよい。
【0011】
前記特定部は、前記センサ端末が前記タグ識別情報を所定期間継続的に検出できなかった後、前記センサ端末が前記タグ識別情報を検出したことを条件として、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定してもよい。
【0012】
前記特定部は、前記ユーザが前記着用物を着用したことを特定するとともに、前記ユーザが所持する携帯通信端末の位置情報に基づいて前記ユーザが前記着用物を着用した際の位置を特定してもよい。
【0013】
前記情報処理装置は、前記特定部によって特定された前記ユーザが着用した一又は複数の前記着用物の履歴情報に基づいて、前記着用物ごとの着用割合を出力する出力部をさらに有してもよい。
【0014】
前記出力部は、一又は複数の前記ユーザのユーザ属性ごとに集計した前記着用割合を出力してもよい。
【0015】
前記出力部は、前記ユーザが前記着用物を着用した際の位置ごとに集計した前記着用割合を出力してもよい。
【0016】
前記出力部は、前記特定部によって特定された前記ユーザが着用した前記着用物を示す情報を、前記ユーザに関連付けられた情報端末に通知してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、ユーザが有する着用物に付されたタグを識別するためのタグ識別情報と、前記着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、前記ユーザに関連付けられた検出器が前記タグの前記タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得するステップと、前記取得するステップで取得された前記検出情報に基づいて、前記記憶部において前記検出器が検出した前記タグ識別情報に関連付けられた前記着用物識別情報に対応する前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定するステップと、を有する。
【0018】
本発明の第3の態様のプログラムは、コンピュータを、ユーザが有する着用物に付されたタグを識別するためのタグ識別情報と、前記着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記ユーザに関連付けられた検出器が前記タグの前記タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記検出情報に基づいて、前記記憶部において前記検出器が検出した前記タグ識別情報に関連付けられた前記着用物識別情報に対応する前記着用物を前記ユーザが着用したことを特定する特定部と、として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザが服等の着用物を着用したことを特定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図3】検出器を用いてユーザが着用物を着用したことを特定する処理を説明するための模式図である。
図4】情報処理装置が通知した情報を表示している携帯通信端末の正面図である。
図5】位置又はユーザ属性ごとに集計した着用割合の模式図である。
図6】実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。情報処理システムは、情報処理装置1と、検出器2とを備える。情報処理システムは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0022】
情報処理装置1は、ユーザが着用物を着用したことを特定するコンピュータである。情報処理装置1は、例えば、ユーザに対して着用物を提案したり、ユーザに着用物を貸し出したりするサービスを提供するために用いられる。ユーザは、例えば、サービスを利用している人間である。着用物は、ユーザが着用する物であり、例えば、シャツ等の服、靴等の履物、又はブレスレットや時計等のアクセサリである。
【0023】
検出器2は、ユーザが有する着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出する装置である。ユーザが有する着用物は、ユーザが所有している着用物と、ユーザに貸し出された着用物とを含む。検出器2は、ユーザに予め関連付けられている。検出器2は、ユーザが所持するスマートフォン等の携帯通信端末、又はユーザが有する着用物が保管される洋服棚等の保管場所の近傍に設置されたセンサ端末である。情報処理システムは、検出器2として、携帯通信端末及びセンサ端末の一方のみを含んでもよく、両方を含んでもよい。情報処理装置1と検出器2とは、一体化されて1つの装置として構成されてもよい。
【0024】
タグTは、近距離無線通信によって、タグTを識別するためのタグ識別情報を示す近距離無線信号を送信する装置である。タグTは、例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)、又はBluetooth(登録商標)発信機である。タグTは、着用物に予め内蔵され、又は着用物にクリップ等で固定される。
【0025】
本実施形態に係る情報処理システムが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、ユーザが有する着用物に付されたタグTを識別するためのタグ識別情報と、着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて予め記憶部に記憶している。情報処理装置1は、ユーザに関連付けられた検出器2がタグTのタグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得する(1)。
【0026】
情報処理装置1は、取得した検出情報に基づいて、記憶部において検出器が検出したタグ識別情報に関連付けられた着用物識別情報に対応する着用物をユーザが着用したことを特定する(2)。
【0027】
このように、情報処理装置1は、検出器を用いて着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出することによって、ユーザが着用物を実際に着用したことを特定できる。
【0028】
[情報処理システムの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0029】
情報処理装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。また、情報処理装置1の機能は、検出器2に内蔵されてもよい。
【0030】
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部11は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部12との間でデータの授受を行ってもよい。
【0031】
制御部12は、取得部121と、特定部122と、出力部123と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部121、特定部122及び出力部123として機能する。制御部12の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部12の機能の少なくとも一部は、制御部12がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0032】
以下、情報処理装置1が実行する処理について詳細に説明する。情報処理装置1において、記憶部11は、ユーザが有する着用物に付されたタグTを識別するためのタグ識別情報と、着用物を識別するための着用物識別情報とを関連付けて予め記憶している。また、記憶部11は、着用物の種類やブランド、着用物を撮像した撮像画像等の着用物に関する情報を、着用物識別情報と関連付けて予め記憶してもよい。また、記憶部11は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザの年齢、性別、居住地、職業等のユーザ属性とを関連付けて予め記憶してもよい。
【0033】
情報処理装置1は、例えば、着用物の貸し出しサービスの提供者から、ユーザに貸し出された着用物の登録を受け付ける。この場合に、サービスの提供者は、例えば、予め着用物にタグTを付し、当該着用物の着用物識別情報と、当該着用物に付されたタグTのタグ識別情報とを関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0034】
また、情報処理装置1は、ユーザから、ユーザが有する着用物の登録を受け付けてもよい。この場合に、ユーザは、例えば、既に所有する着用物にタグTを付し、又はタグTが予め付された着用物を購入し若しくは借り受ける。情報端末において、ユーザは、所有する着用物の着用物識別情報と、当該着用物に付されたタグTのタグ識別情報とを関連付けて登録する操作を行う。情報端末は、後述の携帯通信端末2a又はセンサ端末2bであってもよく、ユーザが利用するその他の情報端末であってもよい。情報処理装置1は、情報端末において行われた操作に基づいて、ユーザが所有する着用物の着用物識別情報と、当該着用物に付されたタグTのタグ識別情報とを関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0035】
また、情報処理装置1は、ユーザが購入した着用物を示す購入履歴情報又は借り受けた着用物を示す借受情報に基づいて、自動的にユーザが有する着用物の着用物識別情報と、当該着用物に付されたタグTのタグ識別情報とを関連付けて記憶部11に記憶させてもよい。タグ識別情報及び着用物識別情報は、ここに示した具体的な方法に限定されず、その他の方法によって記憶部11に記憶されてもよい。
【0036】
検出器2として携帯通信端末2aを用いる場合の処理と、検出器2としてセンサ端末2bを用いる場合の処理とを、以下に説明する。図3(a)は、ユーザが所持する携帯通信端末2aである検出器2を用いて、ユーザが着用物を着用したことを特定する処理を説明するための模式図である。
【0037】
携帯通信端末2aは、タグTが発する近距離無線信号を受信可能な情報端末であり、例えば液晶ディスプレイ等の表示部と、タッチパネル等の操作部とを有する。携帯通信端末2aは、無線通信によって情報処理装置1との間で情報を送受信できる。携帯通信端末2aは、例えば、ユーザを識別するためのユーザ識別情報が予め設定されることによって、ユーザに関連付けられている。
【0038】
携帯通信端末2aは、タグTが発するタグ識別情報を示す近距離無線信号を定期的に受信し、受信した近距離無線信号が示すタグ識別情報を検出する。ユーザは着用物を着用している状態で携帯通信端末2aを持ち運ぶため、携帯通信端末2aは、ユーザが着用している着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出でき、ユーザが着用していない着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出できない。
【0039】
携帯通信端末2aは、タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を、情報処理装置1に送信する。検出情報は、例えば、タグ識別情報と、当該タグ識別情報を検出した時刻とを含む。携帯通信端末2aは、タグ識別情報を検出するたびに検出情報を情報処理装置1に送信してもよく、所定期間(例えば1日間)の検出情報をまとめて情報処理装置1に送信してもよい。
【0040】
情報処理装置1において、取得部121は、携帯通信端末2aがタグTのタグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得する。特定部122は、取得部121が取得した検出情報に基づいて、記憶部11において、携帯通信端末2aが検出したタグ識別情報に関連付けられた着用物識別情報を特定する。特定部122は、特定した着用物識別情報に対応する着用物をユーザが着用したことを特定する。これにより、情報処理装置1は、検出器2である携帯通信端末2aを用いて着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出することによって、ユーザが着用物を実際に着用したことを特定できる。
【0041】
また、特定部122は、取得部121が取得した検出情報に基づいて、携帯通信端末2aがタグ識別情報を所定期間(例えば1時間)継続的に検出したことを条件として、ユーザが当該タグ識別情報に関連付けられた着用物識別情報に対応する着用物を着用したことを特定してもよい。これにより、情報処理装置1は、ユーザが着用していない着用品に携帯通信端末2aが一時的に近付いた場合等に、ユーザが当該着用品を着用したと誤検出することを抑制できる。
【0042】
また、特定部122は、携帯通信端末2aが所定の上限数(例えば5個)より多い複数のタグのタグ識別情報を所定期間内(例えば10秒以内)に検出したことを検出情報が示す場合に、当該複数のタグのタグ識別情報に関連付けられた着用物識別情報に対応する複数の着用物をユーザが着用したことを特定しなくてもよい。上限数は、着用品の種類ごとに設定された値であってもよい。上限数は、例えば、シャツは2個まで、ズボン又はスカートは1個まで等である。
【0043】
例えば、ユーザが携帯通信端末2aを所持した状態で洋服棚等の着用品の保管場所の近傍にいる状況において、携帯通信端末2aはユーザが着用していない複数の着用品に付されたタグのタグ識別情報をほぼ同時に検出する。このような状況において、情報処理装置1は、上述のように上限数より多い複数のタグのタグ識別情報を検出した場合に当該複数のタグを検出対象から除外することによって、ユーザが保管場所にある着用品を着用したと誤検出することを抑制できる。
【0044】
また、特定部122は、ユーザが着用物を着用したことを特定するとともに、携帯通信端末2aの位置情報に基づいて、ユーザが着用物を着用した際の位置を特定してもよい。この場合に、携帯通信端末2aは、例えば、タグ識別情報と、当該タグ識別情報を検出した時刻と、当該タグ識別情報を検出した際の携帯通信端末2aの位置を示す位置情報とを含む検出情報を情報処理装置1に送信する。携帯通信端末2aは、例えば、GPS(Global Positioning System)等を用いて、携帯通信端末2aの位置を特定する。
【0045】
特定部122は、ユーザが着用物を着用したことを特定した際に、取得部121が取得した検出情報が含む携帯通信端末2aの位置情報を用いて、ユーザが着用物を着用した際の位置を特定する。ユーザが着用物を着用した際の位置は、携帯通信端末2aの座標であってもよく、携帯通信端末2aの位置情報に対応する場所の住所や施設名であってもよい。これにより、情報処理装置1は、ユーザが着用物を着用した位置を記録することができる。
【0046】
図3(b)は、ユーザが有する着用物が保管される保管場所の近傍に設置されたセンサ端末2bである検出器2を用いて、ユーザが着用物を着用したことを特定する処理を説明するための模式図である。
【0047】
センサ端末2bは、タグTが発する近距離無線信号を受信可能な情報端末であり、例えば液晶ディスプレイ等の表示部と、タッチパネル等の操作部とを有する。センサ端末2bは、無線通信によって情報処理装置1との間で情報を送受信できる。センサ端末2bは、例えば、ユーザを識別するためのユーザ識別情報が予め設定されることによって、ユーザに関連付けられている。
【0048】
センサ端末2bは、ユーザが有する着用物が保管される洋服棚等の保管場所を含む所定範囲内に設置される。センサ端末2bは、例えば、保管場所を中心とした半径2m以内に設置される。センサ端末2bは、タグTが発するタグ識別情報を示す近距離無線信号を定期的に受信し、受信した近距離無線信号が示すタグ識別情報を検出する。ユーザは着用物を保管場所から取り出して着用するため、センサ端末2bは、ユーザが着用している着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出できず、ユーザが着用していない着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出できる。
【0049】
センサ端末2bは、タグ識別情報を検出したことを示す検出情報を、情報処理装置1に送信する。検出情報は、例えば、タグ識別情報と、当該タグ識別情報を検出した時刻とを含む。また、センサ端末2bは、過去に検出していたタグ識別情報を検出できなくなったことを、タグ識別情報を検出したことを示す検出情報として情報処理装置1に送信してもよい。センサ端末2bは、タグ識別情報を検出するたびに検出情報を情報処理装置1に送信してもよく、所定期間(例えば1日間)の検出情報をまとめて情報処理装置1に送信してもよい。
【0050】
情報処理装置1において、取得部121は、センサ端末2bがタグTのタグ識別情報を検出したこと(又は過去に検出していたタグ識別情報を検出できなくなったこと)を示す検出情報を取得する。特定部122は、取得部121が取得した検出情報に基づいて、センサ端末2bが検出できなくなったタグ識別情報を特定する。センサ端末2bが検出できなくなったタグ識別情報は、例えば、過去の検出情報において検出されていたタグ識別情報であって、直近の検出情報で検出されていないタグ識別情報である。また、センサ端末2bが検出できなくなったタグ識別情報は、センサ端末2bにおいて特定されてもよい。
【0051】
特定部122は、記憶部11において、センサ端末2bが検出できなくなったタグ識別情報に関連付けられた着用物識別情報を特定する。特定部122は、特定した着用物識別情報に対応する着用物をユーザが着用したことを特定する。これにより、情報処理装置1は、検出器2であるセンサ端末2bを用いて着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出することによって、ユーザが着用物を実際に着用したことを特定できる。
【0052】
また、特定部122は、取得部121が取得した検出情報に基づいて、センサ端末2bがタグ識別情報を所定期間(例えば1時間)継続的に検出できないことを条件として、ユーザが当該タグ識別情報に関連付けられた着用物識別情報に対応する着用物を着用したことを特定してもよい。これにより、情報処理装置1は、ユーザが着用品を保管場所から一時的に出した場合等に、ユーザが当該着用品を着用したと誤検出することを抑制できる。
【0053】
また、特定部122は、センサ端末2bがタグ識別情報を所定期間継続的に検出できなかった後、センサ端末2bが当該タグ識別情報を検出したことを条件として、ユーザが当該タグ識別情報に関連付けられた着用物識別情報に対応する着用物を着用したことを特定してもよい。これにより、情報処理装置1は、例えばユーザが保管場所から出して返却、返品又は廃棄した着用物をユーザが着用したと誤検出することを抑制できる。
【0054】
また、特定部122は、ユーザが着用した着用物を特定した場合に、ユーザが着用物を着用した期間におけるセンサ端末2bに予め関連付けられた携帯通信端末2aの位置情報を用いて、ユーザが着用物を着用した際の位置を特定してもよい。ユーザが着用物を着用した際の位置は、携帯通信端末2aの座標であってもよく、携帯通信端末2aの位置情報に対応する場所の住所や施設名であってもよい。これにより、情報処理装置1は、ユーザが着用物を着用した位置を記録することができる。
【0055】
出力部123は、特定部122によって特定されたユーザが着用した着用物を示す情報を、ユーザに関連付けられた情報端末に通知してもよい。出力部123は、携帯通信端末2a、又はユーザが利用するその他の情報端末に情報を通知する。出力部123が通知する情報は、例えば、着用物の種類と、着用物を撮像した撮像画像と、着用物のブランドとを含む。
【0056】
図4は、情報処理装置1が通知した情報を表示している携帯通信端末2aの正面図である。情報端末としての携帯通信端末2aは、情報処理装置1から受信した情報を、表示部上に表示する。これにより、情報処理装置1は、ユーザが着用したことを特定した着用物をユーザに知らせることができる。
【0057】
さらに携帯通信端末2aは、情報処理装置1から受信した情報を表示した後、情報処理装置1によって特定された着用物が正しいか否か、すなわち当該着用物を実際に着用したか否かを選択する操作をユーザから受け付けてもよい。携帯通信端末2aは、ユーザによる操作に応じて、着用物が正しいか否かを示す情報を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、特定部122は、携帯通信端末2aから着用物が正しいことを示す情報を受信した場合にユーザが着用物を着用したことの特定結果を確定し、携帯通信端末2aから着用物が正しくないことを示す情報を受信した場合にユーザが着用物を着用したことの特定結果を破棄する。これにより、情報処理装置1は、ユーザが着用した着用物を特定する精度を向上させることができる。
【0058】
出力部123は、特定部122による特定結果に基づいて、ユーザが着用した着用物の着用物識別情報と、ユーザのユーザ識別情報と、ユーザが着用物を着用した期間とを関連付けた履歴情報を、記憶部11に記憶させる。これにより、情報処理装置1は、検出器2を用いて着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出することによって特定した、ユーザが実際に着用した着用物に関する情報を記録できる。
【0059】
ユーザが着用物を着用した期間は、例えば、検出器2がタグ識別情報を検出した時刻が属する日付である。また、ユーザが着用物を着用した期間は、1日の中で、検出器2が最初にタグ識別情報を検出した時刻から、最後にタグ識別情報を検出した時刻までの期間であってもよい。また、出力部123は、ユーザが着用物を着用した際の位置を特定した場合に、当該位置を含む履歴情報を、記憶部11に記憶させてもよい。
【0060】
さらに出力部123は、1か月間、1年間等の所定期間における一又は複数のユーザの履歴情報を集計し、着用物ごとの着用割合を出力する。着用割合は、例えば、一又は複数のユーザが有する全ての着用物が着用された回数に対する、各着用物が着用された回数の割合である。出力部123は、着用割合が高い順に所定数の着用物のみ、又は着用割合が所定値以上である着用物のみについて、着用割合を出力してもよい。着用割合は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法で算出されてもよい。
【0061】
出力部123は、例えば、ユーザが着用物を着用した際の位置ごとに集計した、着用物ごとの着用割合を出力する。図5(a)は、位置ごとに集計した着用割合の模式図である。図5(a)の例ではエリアごとに着用割合が集計されているが、住所や施設ごとに着用割合が集計されてもよい。
【0062】
出力部123は、例えば、一又は複数のユーザのユーザ属性ごとに集計した、着用物ごとの着用割合を出力する。図5(b)は、ユーザ属性ごとに集計した着用割合の模式図である。図5(b)の例では年齢層及び性別ごとに着用割合が集計されているが、居住地や職業ごとに着用割合が集計されてもよい。
【0063】
これにより、情報処理装置1は、ユーザが実際に着用した着用物の着用状況を集計し、分析することができる。図5(a)、図5(b)の例では、着用物ごとに着用割合が集計されているが、着用物の組み合わせごとに着用割合が集計されてもよい。
【0064】
[情報処理方法のフローチャート]
図6は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理方法のフローチャートを示す図である。情報処理装置1において、取得部121は、検出器2がタグTのタグ識別情報を検出したことを示す検出情報を取得する(S11)。
【0065】
特定部122は、取得部121が取得した検出情報に基づいて、記憶部11において、検出器2が検出したタグ識別情報に関連付けられた着用物識別情報を特定する(S12)。特定部122は、特定した着用物識別情報に対応する着用物をユーザが着用したことを特定する(S13)。ここで出力部123は、特定部122によって特定されたユーザが着用した着用物を示す情報を、ユーザに関連付けられた情報端末に通知してもよい。
【0066】
出力部123は、特定部122による特定結果に基づいて、ユーザが着用した着用物の着用物識別情報と、ユーザのユーザ識別情報と、ユーザが着用物を着用した期間とを関連付けた履歴情報を、記憶部11に記憶させる(S14)。そして出力部123は、1か月間、1年間等の所定期間における一又は複数のユーザの履歴情報を集計し、着用物ごとの着用割合を出力してもよい。
【0067】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムにおいて、情報処理装置1は、検出器2を用いて着用物に付されたタグTのタグ識別情報を検出し、記憶部11においてタグ識別情報に関連付けられた着用物識別情報を特定する。これにより、情報処理装置1は、着用物をユーザが実際に着用したことを特定できる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0069】
情報処理装置1のプロセッサは、図6に示す情報処理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、情報処理装置1のプロセッサは、図6に示す情報処理方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して情報処理システムの各部を制御することによって、図6に示す情報処理方法を実行する。図6に示す情報処理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 情報処理装置
11 記憶部
12 制御部
121 取得部
122 特定部
123 出力部
2 検出器
2a 携帯通信端末
2b センサ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6