(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】縦型ブラインド
(51)【国際特許分類】
E06B 9/36 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
E06B9/36 B
E06B9/36 D
(21)【出願番号】P 2020180469
(22)【出願日】2020-10-28
【審査請求日】2023-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】飯泉 智司
(72)【発明者】
【氏名】金子 敦
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/054410(WO,A1)
【文献】特開2016-172974(JP,A)
【文献】特開2009-221743(JP,A)
【文献】米国特許第5297607(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/00
E06B 9/24-9/50
F21S 11/00
F21V 5/00-5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンガーレールと、
前記ハンガーレール内で軸線周りに回転可能に支持されたチルトシャフトと、
前記チルトシャフトに対して移動可能に支持された第1ランナー及び第2ランナーと、
前記第1ランナー及び前記第2ランナーそれぞれに吊り下げられているルーバーと、
を備える縦型ブラインドであって、
前記第1ランナー及び前記第2ランナーはそれぞれ、前記チルトシャフトに嵌挿されているウォームと、該ウォームと係合するウォームホイールと、該ウォームホイールが取り付けられていてかつ前記ルーバーを回転可能に支持するフックと、を有し、
前記第1ランナーの前記ウォーム及び前記ウォームホイールのねじれ方向と、前記第2ランナーの前記ウォーム及び前記ウォームホイールのねじれ方向とは、互いに異なる
ことを特徴とする縦型ブラインド。
【請求項2】
複数の前記第1ランナー及び複数の前記第2ランナーは、前記チルトシャフトにおいて交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の縦型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンガーレール(ヘッドレール)と、ハンガーレール内を移動可能に配列された複数の第1及び第2ランナー(キャリア)と、各ランナーに吊り下げられたルーバーとを備え、ルーバーの角度を変えて室内への採光量を調節可能とする縦型ブラインドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
引用文献1の縦型ブラインドにおいて、第1ランナーには、フックを介して半透明な第1ルーバーが吊り下げられており、第1ルーバーは、対応する方向に鉛直軸周りで回転するようになっている。第2ランナーにはフックを介して不透明な第2ルーバーが吊り下げられており、第2ルーバーは、対応する方向に鉛直軸周りで回転するようになっている。
【0004】
第1ルーバーは、2つの第2ルーバー間に配置されていて、第1ルーバーの回転によって、第2ルーバー間に隙間を設けずに外から室内が丸見えになることを防ぐ状態(プライベート性)と、ルーバー間に隙間を設けて反対側の眺望を確保することができる状態とを切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載されている縦型ブラインドにおいては、通常の縦型ブラインドに比べて、第2ルーバーの間に不透明な第1ルーバーが追加で設けられている。これにより、ルーバーをたたんだ際にたたみ代が大きくなり、従来、ルーバーがたたまれた縦型ブラインドにおいてはルーバーの移動方向においてルーバーが嵩んでいた。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、プライベート性の確保及び正面からの採光量を調整することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る縦型ブラインドは、ハンガーレールと、前記ハンガーレール内で軸線周りに回転可能に支持されたチルトシャフトと、前記チルトシャフトに対して移動可能に支持された第1ランナー及び第2ランナーと、前記第1ランナー及び前記第2ランナーそれぞれに吊り下げられているルーバーと、を備える縦型ブラインドであって、前記第1ランナー及び前記第2ランナーはそれぞれ、前記チルトシャフトに嵌挿されているウォームと、該ウォームと係合するウォームホイールと、該ウォームホイールが取り付けられていてかつ前記ルーバーを回転可能に支持するフックと、を有し、前記第1ランナーの前記ウォーム及び前記ウォームホイールのねじれ方向と、前記第2ランナーの前記ウォーム及び前記ウォームホイールのねじれ方向とは、互いに異なることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る縦型ブラインドにおいて、複数の前記第1ランナー及び複数の前記第2ランナーは、前記チルトシャフトにおいて交互に配置されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プライベート性の確保及び正面からの採光量を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る縦型ブラインドの構成を説明するための正面図であり、ルーバーが全閉状態にある。
【
図2】(a)は、ルーバーが全開状態にある
図1に示す縦型ブラインドの正面図であり、(b)は、(a)のA-A線に沿った縦型ブラインドにおける断面図である。
【
図3】縦型ブラインドのうちチルトシャフト及びランナーのみを示す斜視図である。
【
図4】(a)は、第1ランナーの分解斜視図であり、(b)は、第2ランナーの分解斜視図である。
【
図5】(a)は、本実施の形態に係る第1ランナーにおけるウォームギアをウォームの軸線に沿って見た図であり、(b)は、本実施の形態に係る第2ランナーにおけるウォームギアをウォームの軸線に沿って見た図である。
【
図6】(a)は、本実施の形態に係る第1ランナーにおけるウォームギアをウォームホイールの軸線に沿って見た図であり、(b)は、本実施の形態に係る第2ランナーにおけるウォームギアをウォームホイールの軸線に沿って見た図である。
【
図7】ランナーケースの構成を説明するための図であり、(a)は上方から見たランナーケースの斜視図であり、(b)は下方から見たランナーケースの斜視図であり、(c)は(a)におけるB-B線に沿ったランナーケースの断面図である。
【
図8】縦型ブラインドにおける各ランナーに取り付けられたルーバーの所定の回転角度毎の回転経過を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態に係る縦型ブラインド100の構成を説明するための正面図である。
図2(a)は、ルーバー140が全開状態にある
図1に示す縦型ブラインド100の正面図であり、
図2(b)は、(a)のA-A線に沿った縦型ブラインド100における断面図である。本発明の一実施の形態に係る縦型ブラインド100は、複数のルーバー140を設けて、ルーバー140の角度(正確にはルーバー140の水平断面における水平面内での回転角度)を調整可能とすることにより、例えば、室内からの外部の視認を可能にしたり、外部からの室内の視認を妨げたり、また、室内への入射する光の量を調整可能である日射遮蔽装置である。本実施の形態に係る縦型ブラインド100は、窓枠等に取り付けられる公知の縦型ブラインドであり、特定の縦型ブラインドには限定されない。
【0014】
本発明に係る縦型ブラインド100は、ハンガーレール110と、ハンガーレール110内で軸線周りに回転可能に支持されたチルトシャフト150と、チルトシャフト150に対して移動可能に支持された第1ランナー1及び第2ランナー3と、第1ランナー1及び第2ランナー3それぞれに吊り下げられているルーバー140と、を備える。第1ランナー1及び第2ランナー3はそれぞれ、チルトシャフト150に嵌挿されているウォーム11,31と、ウォーム11,31と係合するウォームホイール12,32と、ウォームホイール12,32が取り付けられていてかつルーバー140を回転可能に支持するフック13,33と、を有し、第1ランナー1のウォーム11及びウォームホイール12のねじれ方向と、第2ランナー3のウォーム31及びウォームホイール32のねじれ方向とは、互いに異なる。以下、縦型ブラインド100の構成について具体的に説明する。
【0015】
<縦型ブラインドの構成>
縦型ブラインド100は、ハンガーレール110と、駆動機構(図示せず)と、操作棒120と、操作コード130と、ルーバー140と、チルトシャフト150と、ランナー1,3と、を備える。なお、説明の便宜上、図面において、
図1に示すように、縦型ブラインド100のハンガーレール110の延び方向を長手方向LRとする。また、ハンガーレール110からルーバー140が垂れ下がる方向を高さ方向UDとする。また、
図2(b)において左右方向を前後方向(幅方向)FBとする。なお、操作棒120が縦型ブラインド100に取り付けられている側が室内側Fであり、縦型ブラインド100が窓枠等に取り付けられる側を室外側Bとする。
【0016】
ハンガーレール110は、長手方向LRに沿って延びる中空の筺状部材であり、幅方向FBに交差する断面形状が略矩形になっている。ハンガーレール110の長手方向LRにおける両端は、エンドキャップにより閉鎖されている。ハンガーレール110が取り付けられた状態における高さ方向UDにおいて、ハンガーレール110には、ハンガーレール110から複数のルーバー140が吊り下げられるように下側Dに向かって開口した開口111が形成されている。
【0017】
ハンガーレール110の閉鎖された端部の一方の端部の側(右側R)には、操作棒120と、操作コード130と、駆動機構とが設けられている。操作棒120は、ハンガーレール110から吊り下げられてハンガーレール110に支持されている。操作棒120を回転させることにより駆動機構のギア(図示せず)を介して後述するチルトシャフト150が回転される。チルトシャフト150の回転にともなって後述するランナー1,3のランナーフック13,33が回転し、ランナー1,3に吊り下げられて支持されたルーバー140が回転するようになっている。
【0018】
一方のエンドキャップから垂れ下がった操作コード130は、ハンガーレール110内内で周回可能に設けられており、具体的には複数の後述するランナー1,3のうち、他方のエンドキャップ側のランナー1;3に取り付けられている。
【0019】
例えば、ルーバー140は、光を通す透光性(透過性)の材料及び/又は光を通さない非透光性(非透過性)の材料により形成されている。
【0020】
ハンガーレール110内には、チルトシャフト150がその軸線x1周りに回転可能に支持されている。チルトシャフト150は、チルトシャフト150の外周面には周方向に等間隔をあけて形成された複数のスプラインを有する軸部材である。スプラインは、軸線x1に沿って延びている。
【0021】
縦型ブラインド100は、複数のランナー(第1ランナー)1及び複数のランナー(第2ランナー)3を有する。各ランナー1,3は、長手方向LRに沿ってチルトシャフト150に相対的に移動可能に設けられている。
【0022】
図3は、縦型ブラインド100のうちチルトシャフト150及びランナー1,3のみを示す斜視図である。ランナー1,3は、チルトシャフト150において長手方向LRに沿って互いに交互に設けられている。隣り合うランナー1,3は、互いにスペーサリンク(図示せず)によって連結されており、互いが最も離れた最大離間が制限されている。
【0023】
図4(a)は、ランナー(第1ランナー)1の分解斜視図であり、
図4(b)は、ランナー(第2ランナー)3の分解斜視図である。ランナー1は、ウォームギア(ウォーム11及びウォームホイール12)10と、ランナーフック13と、ランナーケース20と、を有する。ランナー3も、ウォームギア(ウォーム31及びウォームホイール32)30と、ウォーム31と、ウォームホイール32と、ランナーフック33と、ランナーケース40と、を有する。なお、ランナー1,3のウォームランナーフック13,33及びランナーケース20,40、は、互いに同じ構成を有する部材である。
【0024】
ランナー1,3において、ウォーム11,31及びウォームホイール12,32によりウォームギア10,30が形成されている。ウォーム11,31はそれぞれ、中空の円筒状に形成されており、外周面に複数条の歯11a,31aを有する。歯11a,31aは、ウォーム11,31の中心を通り回転中心となる軸線x2,x3周りに螺旋状に形成されている。ウォーム11,31は、チルトシャフト150に軸線x1に沿って摺動可能に嵌め合わされる。
【0025】
図5(a)は、本実施の形態に係るランナー1におけるウォームギア10をウォーム11の軸線x2に沿って見た図であり、
図5(b)は、本実施の形態に係るランナー3におけるウォームギア30をウォーム31の軸線x4に沿って見た図である。
図6(a)は、本実施の形態に係るランナー1におけるウォームギア10をウォームホイール12の軸線x4に沿って見た図であり、
図6(b)は、本実施の形態に係るランナー3におけるウォームギア30をウォームホイール32の軸線x5に沿って見た図である。
【0026】
図5において、ウォーム11,31の左側にウォームホイール12,32が配置されている。ウォーム11における軸線x2周りに延在する歯11aのねじれ方向(延在方向)は左上がりになっており、ウォーム31における軸線x3周りに延在する歯31aのねじれ方向(延在方向)は右上がりになっている。つまり、ウォーム11,31における歯11a,31aのねじれ方向は、互いに異なる方向になっている。
【0027】
ウォーム11,31はそれぞれ、内周面に周方向において等間隔に配置されていて、軸線x2,x4に向かって突出する凸状の3つの突条部11b,31bを有する。各突条部11b,31bは、軸線x2,x3に沿って延びており、チルトシャフト150の、例えばスプライン溝N(
図3参照)に係合する。
【0028】
ウォームホイール12,32は、中空の円筒状に形成されており、後述するランナーフック13,33に嵌め合わされる。ウォームホイール12,32は、外周面に複数条の歯12a,32aを有する。複数の歯12a,32aは、互いに並行又は略並行に、ウォームホイール12,32の中心を通り回転中心となる軸線x4,x5に沿って斜めに延びている。
【0029】
図6において、ウォームホイール12における軸線x4に沿った歯12aのねじれ方向(延在方向)は左上がりになっており、ウォームホイール32における軸線x5に沿った歯32aのねじれ方向(延在方向)は右上がりになっている。つまり、ウォームホイール12,32における歯12a,32aのねじれ方向は、互いに異なる方向になっている。ウォーム11,31がチルトシャフト150に嵌められている状態において、ウォームホイール12,32は、チルトシャフト150に対して同じ側(左側)でウォーム11,31に係合している。
【0030】
図4に戻って、ランナーフック13,33は、棒状の部材であり、ランナー1,3に支持された状態において部分的にランナー1,3の外側に突出する下部分13a,33aと、収容空間S内に収容されている上部分13b,33bとを有する。下部分13a,33aにはルーバー140がランナーフック13,33の軸心(x4,x5)周りに回転するように取り付けられる。
【0031】
ランナーフック13,33の上部分13b,33bには、ウォームホイール12,32が取り付けられている。ランナーフック13,33の上部分13b,33bにウォームホイール12,32が嵌め込まれた状態において、ウォームホイール12,32及びランナーフック13,33は互いに相対的に回動しないようになっている。
【0032】
ウォームホイール12,32は、チルトシャフト150とともに回転するウォーム11,31と噛み合う。ウォームホイール12,32がウォーム11,31と噛み合った状態において、チルトシャフト150が回転すると、回転出力がウォーム11,31及びウォームホイール12,32を介してランナーフック13,33に伝達され、ランナーフック13,33の回転とともにルーバー140が回転する。具体的には、ランナー1から吊り下げられたルーバー140及びランナー3から吊り下げられたルーバー140は、互いに異なる方向に回転するようになっている。
【0033】
図7は、ランナーケース20;40の構成を説明するための図であり、(a)は上方から見たランナーケース20;40の斜視図であり、(b)は下方から見たランナーケース20;40の斜視図であり、(c)は(a)におけるB-B線に沿ったランナーケース20;40の断面図である。ランナーケース20;40は、ハンガーレール110内においてハンガーレール110とチルトシャフト150とに長手方向LRに沿って摺動可能に支持されている。ランナーケース20;40は、ウォーム11;31と、ウォームホイール12;32と、ランナーフック13:33と、を収容する筺状部材である。
【0034】
ランナーケース20;40は、チルトシャフト150が挿通される一対の第1壁部21;41と、ハンガーレール110に支持される一対の第2壁部23,25;43,45と、を有する。ランナーケース20;40においては、一対の第1壁部21;41と、一対の第2壁部23,25;43,45とによって収容空間Sが画定されている。ランナーケース20;40は、ランナー1;3がハンガーレール110内に収容された状態において、ハンガーレール110からルーバー140が吊り下がっている側が底壁部27;47によって閉鎖されていて、底壁部27;47とは反対の側に向かって開口している。
【0035】
一対の第1壁部21;41は、チルトシャフト150が挿通された状態において、チルトシャフト150の延び方向に互いに所定の間隔をあけてかつ延び方向に交差するように設けられている。第1壁部21;41はそれぞれ、挿通孔22;42を有しており、この挿通孔22;42にチルトシャフト150が挿通されるようになっている。
【0036】
一対の第2壁部23,25;43,45は、ランナー1;3にチルトシャフト150が挿通された状態において、チルトシャフト150の延在方向に沿って延びており、一対の第1壁部21;41を連結している。第2壁部23;43は、チルトシャフト150の延び方向に沿った面に上記スペーサリンクを摺動可能に保持する腕部24;44を有する。腕部24;44は、張出部位24a;44aと、対向部位24b;44bと、を有する。
【0037】
張出部位24a;44aは、第2壁部23;43から離れる方向に所定の量だけ延びている。対向部位24b;44bは、第2壁部23;43とは反対側の張出部位24a;44aの先端から底壁部27;47とは反対の側に延び、第2壁部23;43に対向している。第2壁部23;43と対向部位24b;44bとの間のスペースは、スペーサリンクが収容されるように形成されている。
【0038】
腕部24;44は、対向部位24b;44bの第2壁部23;43とは反対側を向く面に突出部24c;44cを有する。突出部24c;44cは、
図7に示すように、逆C字状又は略逆C字状に形成されている。突出部24c;44cは、操作コード130が通されるようになっている。
【0039】
第2壁部25;45は、チルトシャフト150の延び方向に沿った面に、ハンガーレール110に移動可能に支持される突出部26;46を有する。突出部26;46は、
図7に示すように、C字状又は略C字状に形成されている。突出部26;46は、操作コード130が通されるようになっている。
【0040】
底壁部27;47は、ランナーフック13;33が挿通される孔である孔部28;48を有する。孔部28;48にランナーフック13;33が、挿通されるようになっている。
【0041】
ウォーム11,31、ウォームホイール12,32及びランナーフック13:33がランナーケース20,40に収容された状態において、ウォーム11,31は、ランナーケース20;40の挿通孔22;42に対して同心的に配置されている。また、互いに相対回動不能に取り付けられたウォームホイール12,32及びランナーフック13,33は、ランナーケース20,40に収容された状態において、収容空間Sに位置すると共に、ランナーフック13,33の下部分13a、33aは、孔部28,48から突出している。
【0042】
図8は、縦型ブラインド100における各ランナー1,3に取り付けられたルーバー140の所定の回転角度毎の回転経過を示す図である。ランナー1及びランナー3は、全閉(0°及び180°)時に隣接するルーバー140の端部同士が重なるようにチルトシャフト150に取り付けられている。操作棒120を回転させると、チルトシャフト150が回転し、例えば、ランナー1に取り付けられたルーバー140は、時計回りに180°回転し、ランナー3に取り付けられたルーバー140は、反時計回りに180°回転するようになっている。
【0043】
以上のような縦型ブラインド100において、各ランナー1,3において、歯11a,31aのねじれ方向が異なるウォーム11,31及び歯12a,32aのねじれ方向が異なるウォームホイール12,32が設けられているので、チルトシャフト150が所定の回転方向に回転させられると、ランナー1におけるランナーフック13及びランナーフック13に取り付けられたルーバー140と、ランナー3におけるランナーフック33及びランナーフック33に取り付けられたルーバー140とは、互いに異なる方向、例えば、時計回り及び反時計回りに回転する。
【0044】
例えば、従来の縦型ブラインドでは、ルーバーが全開状態になるまで、ルーバー同士は、互いに並行状態を維持して同じ方向に回転するため、窓から斜めに入射する光の量を調整するだけであった。ルーバー間の隙間は大きく、プライベート性を確保するために、さらに別のルーバーを用いることもあった。
【0045】
これに対して、縦型ブラインド100においては、チルトシャフト150が回転すると、
図8に示すように、各ランナー1,3のルーバー140は、常に、室内及び室外に対して対抗する方向(正対する方向;正面方向)での互いの間隔(隙間量)を段階的(例えば、15°~165°)に調整することができる。これにより、窓から室内に正面から入射する光の量を調整(調光)することができる。さらに、室内に入射する光の調整とプライベート性の確保とを両立させることができる。
【0046】
さらに、縦型ブラインド100においては、ルーバー140間に追加的に視認性を妨げるためのルーバーを設ける必要がなく、部品点数を増やすことはなく、また、ルーバーをたたんだ際のルーバーのたたみ代を抑制することができる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の第1の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。例えば、上記の実施の形態においてランナー1,3は、チルトシャフト150に交互に取り付けられていたが、同じランナー1,3を2つ並べて取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1・・・ランナー(第1ランナー)、3・・・ランナー(第2ランナー)、10・・・ウォームギア、11・・・ウォーム、11a・・・歯、11b・・・突条部、12・・・ウォームホイール、12a・・・歯、13・・・ランナーフック(フック)、13a・・・下部分、13b・・・上部分、20・・・ランナーケース、21・・・第1壁部、22・・・挿通孔、23,25・・・第2壁部、24・・・腕部、24a・・・張出部位、24b・・・対向部位、24c・・・突出部、26・・・突出部、
27・・・底壁部、28・・・孔部、30・・・ウォームギア、31・・・ウォーム、31a・・・歯、31b・・・突条部、32・・・ウォームホイール、32a・・・歯、33・・・ランナーフック(フック)、33a・・・下部分、33b・・・上部分、40・・・ランナーケース、41・・・第1壁部、42・・・挿通孔、43,45・・・第2壁部、44・・・腕部、44a・・・張出部位、44b・・・対向部位、44c・・・突出部、46・・・突出部、47・・・底壁部、48・・・孔部、100・・・縦型ブラインド、110・・・ハンガーレール、111・・・開口、120・・・操作棒、130・・・操作コード、141,142・・・ルーバー、150・・・チルトシャフト