(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】光学部品用の光学コーティングを提供する方法、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 5/08 20060101AFI20240604BHJP
G02B 5/26 20060101ALI20240604BHJP
G02B 5/28 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G02B5/08 A
G02B5/26
G02B5/28
(21)【出願番号】P 2022080871
(22)【出願日】2022-05-17
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】202110557896.3
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503261948
【氏名又は名称】ハンド ヘルド プロダクツ インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ポンシュン・コアン
【審査官】中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-026603(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0160585(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0018973(US,A1)
【文献】特許第2629693(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2010/0328762(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0228415(US,A1)
【文献】特表平08-502598(JP,A)
【文献】米国特許第04189205(US,A)
【文献】特開2001-141916(JP,A)
【文献】米国特許第05946125(US,A)
【文献】米国特許第05257140(US,A)
【文献】中国特許出願公開第110128028(CN,A)
【文献】中国実用新案第210270237(CN,U)
【文献】特開2020-024237(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0018080(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/08
G02B 5/26
G02B 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学コーティング及び基板を備える光学部品であって、前記光学コーティングが、
前記基板の表面に隣接して配設された可視光反射層であって、入射可視光を調整するように構成され、110nm~200nmの厚さを有する可視光反射層と、
前記可視光反射層に隣接して配設された第1の非可視光反射層であって、入射非可視光を調整するように構成され、180nm~700nmの厚さを有する非可視光反射層と、
前記第1の非可視光反射層に隣接して配設された第2の非可視光反射層であって、入射非可視光を調整するように構成され、180nm~400nmの厚さを有する非可視光反射層と、を備え、
前記第1の非可視光反射層と前記第2の非可視光反射層が層のセットを形成し、これにより、第1のセットの前記層のセットの前記第1の非可視光反射層が、前記可視光反射層に隣接して配設されており、
前記第1の非可視光反射層及び前記第2の非可視光反射層の第2のセットが、前記層のセットに隣接して配置され、複数の交互になった第1の非可視光反射層及び第2の非可視光反射層を形成し、
前記光学コーティングの各層の厚さは、400nm~1400nmの広い光学スペクトル範囲内で動作し且つ950nm~1400nmの波長の入射光に対して95%超の反射レベルを提供するように構成される前記光学部品を提供するように、変えられ、
前記光学部品は、第1の入射角とは異なる第2の入射角で二次ビームを生成するように、第1の入射角を持つ入射一次ビームを調整するように構成されて
おり、
前記少なくとも第1の非可視光反射層が、二酸化ケイ素(SiO2)を含み、前記少なくとも第2の非可視光反射層が二酸化チタン(TiO2)を含む、
光学部品。
【請求項2】
前記可視光反射層が、アルミニウム又はクロムを含む、請求項1に記載の光学部品。
【請求項3】
前記光学部品は、1000nmを超え1400nm未満の波長を有する入射光に対して97%超の反射レベルを有する、請求項1に記載の光学部品。
【請求項4】
前記光学コーティングは、前記第1の非可視光反射層及び前記第2の非可視光反射層の複数の交互層を形成する、3以上の、層のセットを有する、請求項1に記載の光学部品。
【請求項5】
前記光学部品は、s偏光及びp偏光を反射するように構成される、請求項1に記載の光学部品。
【請求項6】
前記光学部品は、前記光学部品は、55度~75度のビーム入射角を持つp偏光に対して84%超の反射レベルを有する、請求項1に記載の光学部品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光学部品は、光源(例えば、高偏光レーザ源)によって生成される入射光を調整する(例えば、特定の波長を偏光する)ために使用され得る。多くの光学部品は、技術的課題及び制限に悩まされている。
【発明の概要】
【0002】
本明細書に記載の様々な実施形態は、例えば、印刷装置用の光学部品などの光学部品用の光学コーティングを提供する方法、装置、及びシステムに関する。
【0003】
本開示の様々な例によって、光学コーティングが提供される。いくつかの例では、光学部品は、光学コーティングを備える。いくつかの例では、光学コーティングは、光学部品の表面に隣接して配設された可視光反射層と、可視光反射層に隣接して配設された少なくとも第1の非可視光反射層と、第1の非可視光反射層に隣接して配設された少なくとも第2の非可視光反射層と、を備える。
【0004】
本開示の様々な例によって、光学コーティングを備える光学部品を製造するための方法が提供される。いくつかの例では、方法は、光学部品の少なくとも表面に可視光反射層を堆積させることと、少なくとも第1の非可視光反射層を可視光反射層に堆積させることと、少なくとも第2の非可視光反射層を第1の非可視光反射層に堆積させることと、を含む。
【0005】
前述の実例となる概要、並びに本開示の他の例示的な目的及び/又は利点、並びにそれが達成される方法は、以下の発明を実施するための形態及びその添付図面において更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図示の実施形態の説明は、添付の図面と併せて読むことができる。図の簡略化及び明確化のために、図面に示される要素は必ずしも縮尺どおりに描かれていないことが理解されよう。例えば、要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張されている。本開示の教示を組み込む実施形態は、本明細書に提示される図に関連して示され、説明される。
【0007】
【
図1】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、本開示の様々な実施形態による光学システムの少なくとも一部分を示す概略図を示す。
【0008】
【
図2】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、例示的な光学部品の側面断面図を示す概略図を示す。
【0009】
【
図3】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、光学部品を生成するための例示的な方法を示すフローチャート図を示す。
【0010】
【
図4】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、レーザサブシステムの例示的な図を示す概略図を示す。
【0011】
【
図5】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、印刷媒体上のコンテンツを印刷するための例示的な光学アセンブリを示す。
【0012】
【
図6】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、光学アセンブリを示す例示的な概略図を示す。
【0013】
【
図7】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、光学アセンブリの上部断面図を示す例示的な概略図を示す。
【0014】
【
図8】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、例示的な光学部品の例示的な反射レベル測定値を示すグラフを示す。
【0015】
【
図9】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、例示的な光学部品の例示的な測定値を示すグラフを示す。
【0016】
【
図10】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、例示的な印刷装置を示す例示的な概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本開示のいくつかの実施形態について添付図面を参照しながら以下により詳細に説明するが、本開示の全てではなくいくつかの実施形態を示すものである。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【0018】
文脈上、他に要求されない限り、本明細書及び以下の特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」という単語並びに「備える(comprises)」及び「備える(comprising)」などの変形は、「備える」、すなわち、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。
【0019】
本明細書全体を通して「1つの実施形態」又は「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所における「1つの実施形態では」又は「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すものではない。更に、1つ以上の実施形態からの1つ以上の特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の他の実施形態において任意の好適な様式で組み合わされてもよい。
【0020】
本明細書で使用するとき、「例」又は「例示的な」という用語は、「一例、事例、又は実例としての役割を果たすこと」を意味する。「例示的な」として本明細書に記載される任意の実施は、必ずしも他の実施よりも好ましい又は有利であると解釈されなくてよい。
【0021】
本明細書が、ある部品又は特徴が、「含まれてもよい」、「含むことできる」、「含み得る」、「含むべきである、「含むであろう」、「好ましくは含む」、「場合により含む」、「典型的には含む」、「任意選択的に含む」、「例えば含む」、「多くの場合含む」又は「含むかもしれない」(又は他のそのような言語)、あるいはある特性を有することを提示する場合、その特定の部品又は特徴は、含まれることを必要としないか又はその特性を有することを必要としない。このような部品又は特徴は、いくつかの実施形態に任意選択的に含まれてもよく、又は除外されてもよい。
【0022】
本開示において、「電子的に結合された」、「電子的に結合している」、「電子的に結合する」、「~と通信する」、「~と電子通信する」、又は「接続された」という用語は、2つ以上の部品が有線手段(例えば、限定されるものではないが、システムバス、有線イーサネット)及び/又は無線手段(例えば、限定されるものではないが、Wi-Fi、Bluetooth、ZigBee)を介して(直接又は間接的に)接続され、それにより、データ及び/又は情報が、これらの部品に送信され、かつ/又はこれらの部品から受信され得ることを指す。
【0023】
「印刷媒体」という用語は、テキスト、グラフィック、画像、及び/又は同様のものがインプリントされ、かつ長期にわたって持続的に保持され得る有形の実質的に耐久性のある物理的材料を指す。例えば、印刷媒体は、一般に、木材パルプ又はポリマーのうちの1つ以上の誘導体の形態をとり、従来のオフィス紙、透明又は着色された酢酸塩媒体、新聞印刷用紙、包装材料、宛名ラベル、製品ラベル、及び他の種類のラベルを含み得る。厚紙又はボール紙などのより厚い材料も同様に含まれ得る。本明細書で論じられる例示的な実施形態では、「紙」又は「ラベル」に具体的に言及され得る。しかしながら、そのような例示的な用途の動作、システム要素、及び方法は、具体的に言及された「紙」若しくは「ラベル」以外の、又はそれに加えて、媒体に適用可能であり得る。物理的印刷媒体が、パーソナル通信、ビジネス通信、及び/又は同様のものに使用可能であり、散文表現(ニュース、論説、製品データ、学術文章、メモ、及び多くの他の種類の通信)、データ、広告、フィクション、娯楽コンテンツ、並びにイラスト及び写真を伝えることに使用され得る。
【0024】
「プリンタ」、「印刷アセンブリ」及び「印刷装置」という用語は、テキスト、画像、形状、記号、グラフィック、及び/又は同様のものを印刷媒体にインプリントして、対応するテキスト、画像、形状、記号、グラフィック、及び/又は同様のものの持続的な人間が視認可能である表現を作成することが可能なデバイスを指し得る。プリンタとして、例えば、レーザプリンタが挙げることができる。
【0025】
更に、本明細書に開示される様々な実施形態は、レーザビームを使用してコンテンツを印刷することができる印刷装置を説明することである。より具体的には、開示される実施形態は、レーザを利用して、印刷媒体上にコンテンツを直接書き込むことができる印刷装置を開示する。更に、そのような印刷装置は、1日に7000枚を超えるラベルを印刷することができ得る。更に、本明細書に開示される印刷装置は、複数の解像度(200ドット/インチ(dots per inch、dpi)~600dpi)及び複数の速度(6IPS~12IPS)でコンテンツを印刷することができる。サーマルプリントリボン及びサーマルプリントヘッドへの依存を除去することにより、印刷装置の全体的な稼働コストが低減される。
【0026】
更に、印刷装置は、1つ以上のレーザビームを使用してコンテンツを所定の化学組成物を有する媒体上に印刷することができ得る。いくつかの例では、印刷装置は、印刷媒体上のコンテンツの1つ以上のレーザ源から発する1つ以上のレーザビームを使用して、直接印刷を容易にするように構成された1つ以上のレーザ源を有するレーザプリントヘッドを含み得る。更に、いくつかの例では、印刷媒体は、1つ以上のレーザビームからのエネルギーによって露光されるか、又は別様に曝される場合において、印刷媒体が色を変化させるのを容易にする所定の化学組成を有し得る。印刷媒体上に印刷コンテンツを直接印刷することは、多くの従来のプリンタと比較して、コンテンツの高速印刷を可能にする。
【0027】
「電磁放射線」又は「放射線」という用語は、可視光、電波、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(ultraviolet、UV)、X線、及びガンマ線を含む波及び粒子の特性を示す様々な種類の電磁放射エネルギーを指し得る。可視光は、人間の眼によって検出することができる電磁放射線又は光を指し得る。電磁スペクトルは、人間の眼によって検出することができない電磁放射線又は光を含む、全ての既知のタイプの電磁放射線の範囲を含む。電磁スペクトルの様々な部分は、特定の特性(例えば、特定の波長及び周波数)を有する電磁放射線と関連付けられる。例えば、可視光は、380~750ナノメートル(nm)の範囲の波長を有する電磁放射線を放出する。IRは、780nm~1マイクロメートル(μm)の範囲の波長で電磁放射線を放出する。
【0028】
電磁放射エネルギー(例えば、可視光、IR、又は同様のもの)は、電場及び磁場の両方を含む。非偏光は、それに関連する電場が2つ以上の方向に振動する光ビームを指し得る。対照的に、偏光は、それに関連する電場が一方向のみ(例えば、垂直又は上下)に振動する光ビームを指し得る。いくつかの例では、偏光は、入射伝播方向によって画定される入射平面、及び界面の平面(例えば、光が反射又は屈折される前後に移動する平面)に垂直なベクトルを参照して、説明され得る。入射平面に対して平行な又はそれに沿う電場を有する偏光は、p偏光として説明され得るが、入射平面に対して垂直な(例えば、直角に)電場を有する光は、s偏光として説明され得る。
【0029】
「光学システム」という用語は、光源の出力を調整(例えば、偏光、コリメート、環状化、及び/又はレーザビームを集束)するように構成された1つ以上の光学部品(例えば、レンズ、ミラー、光源、スクリーン、プリズム、光分散デバイス、フィルム、フィルタ、ファイバ光学素子、検出素子、検知素子、及び/又は同様のもの)を指し得る。様々な装置(限定されないが、印刷装置など)は、限定されないが、特定の角度で入射光ビーム(例えば、レーザビーム)を方向付け及び/又は反射するために利用され得る、ミラーなどの光学部品を備え得る。例えば、光学部品(例えば、ミラー)は、特定の入射受容角度(例えば、60%)又は範囲に対して構成され得る。更に、光学部品(例えば、ミラー)は、反射特性を向上させるために光学コーティング(すなわち、光学フィルム)を備え得る。しかしながら、そのような光学部品(例えば、ミラー)は、狭い光学スペクトル範囲(例えば、可視光又はIRのいずれか)あるいは狭い入射許容範囲内でのみ最適に動作し得る。更に、そのような光学部品及び光学コーティングは、一般に複雑であり、かつ生成が困難であり、しばしば高価な材料(例えば、金)を必要とする。
【0030】
ここで
図1を参照すると、本開示の様々な実施形態による光学システム100の少なくとも一部分を示す概略図が提供される。図示されるように、光学システム100の例示的な部分は、光学部品101を備える。
【0031】
光学部品101は、光源(例えば、レーザシステム)によって生成された入射一次ビーム102(例えば、レーザビーム)を調整するように構成された反射基板であり得るか、又はそれを備え得る。
図1に示すように、光学部品101は、実質的に平面状の基板を備える。いくつかの例では、光学部品101は、ミラーであり得るか、又はミラーを備え得る。更に図示されるように、光学部品101は、第1の入射角104とは異なる第2の入射角108で二次ビーム106を生成するために、第1の入射角104を有する入射一次ビーム102を調整する(例えば、反射及び/又は屈折させる)ように構成される。様々な例では、光学部品101は、例示的な光学システム内のエネルギー損失を軽減するために、入射一次ビーム102の大部分を反射しながら、入射一次ビーム102と関連付けられた入射角を修正又は変更するように動作し得る。言い換えれば、光学部品101は、場合によっては、可能な限り多くの入射電磁放射線(例えば、可視光又は赤外線)を反射するように構成され得る。高性能な光学部品101は、特定の範囲内の電磁放射線(例えば、可視光又は赤外線)で高い反射レベル測定値(例えば、97%又は99%を超える)を示し得る。様々な実施形態では、光学システムは、特定の特性(例えば、特定の入射角で)を有する二次ビーム106を提供するように構成された1つ以上の光学部品101を備え得る。
【0032】
本開示の様々な実施形態によって、例示的な方法、装置、及びシステムが提供される。
【0033】
例えば、本開示は、光学コーティングを備える光学部品を提供し得る。いくつかの例では、光学コーティングは、光学部品の表面に隣接して配設された可視光反射層と、可視光反射層に隣接して配設された少なくとも第1の非可視光反射層と、第1の非可視光反射層に隣接して配設された少なくとも第2の非可視光反射層とを備え得る。例示的な可視光反射層は、アルミニウム又はクロムを含み得る。例示的な少なくとも第1の非可視光反射層は、二酸化ケイ素(SiO2)を含み得る。例示的な少なくとも第2の非可視光反射層は、二酸化チタン(TiO2)を含み得る。光学部品の例示的な表面は、ガラス基板又は光学プラスチックを含み得る。いくつかの例では、可視光反射層は、110nm~200nmの厚さを有する。いくつかの例では、第1の非可視光反射層は、180nm~400nmの厚さを有する。いくつかの例では、第2の非可視光反射層は、180nm~700nmの厚さを有する。いくつかの例では、光学部品は、印刷装置の一部品であってもよい。いくつかの例では、光学コーティングは、少なくとも第1の非可視光反射層と少なくとも第2の非可視光反射層との複数の交互層を備える。いくつかの例では、光学コーティングを備える光学部品を製造するための方法が提供される。いくつかの例では、方法は、光学部品の少なくとも表面に可視光反射層を堆積させることと、少なくとも第1の非可視光反射層を可視光反射層に堆積させることと、少なくとも第2の非可視光反射層を第1の非可視光反射層に堆積させることとを含み得る。いくつかの例では、方法は、光学コーティングの少なくとも一部分を蒸発させることを更に含む。いくつかの例では、可視光反射層は、アルミニウム又はクロムを含む。いくつかの例では、少なくとも第1の非可視光反射層は、SiO2を含む。いくつかの例では、少なくとも第2の非可視光反射層は、TiO2を含む。いくつかの例では、光学部品は、高真空条件下で少なくとも部分的に製造される。いくつかの例では、可視光反射層は、110nm~200nmの厚さを有する。いくつかの例では、少なくとも第1の非可視光反射層は、180nm~700nmの厚さを有する。いくつかの例では、少なくとも第2の第1の非可視光反射層は、180nm~400nmの厚さを有する。いくつかの例では、光学部品は、印刷装置の一部品である。
【0034】
本明細書に記載のシステム、方法、及び技術は、大きな光入射許容角度範囲(例えば、0~80度)の受け入れを容易にし得るコーティングを有する光学部品を提供する。更に、本明細書に記載の光学部品及びコーティングは、非偏光及びs偏光の両方に対して改善された反射性能を提供する。いくつかの例では、s偏光に対する光学部品の反射レベル測定値は、99%超であってもよい。更に、光学部品及びコーティングは、広い光学スペクトル範囲(例えば、400nm~1400nm、又は950nm~1400nm)内で改善された性能を示す。更に、光学部品及び光学コーティングは、様々な用途において高い環境安定性及び性能を示す。
【0035】
ここで
図2を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な光学部品200の側面断面図を示す概略図が提供される。例示的な光学部品200は、特定の特性を有する二次的な、二次ビームを生成するために、入射一次ビーム201を調整(例えば、偏光、コリメート、環状化、及び/又は同様のものに)するように構成され得る。様々な例では、例示的な光学部品200は、様々な材料の複数の異なる層を画定する光学コーティング203を備え得る。光学コーティング203は、光学部品200の性能を改善及び/又は強化するように構成され得る。いくつかの例では、複数の材料層が、例示的な光学コーティング203を形成するために、基板(例えば、ガラス基板)上に(例えば、順次に)堆積され得る。例示的なコーティングは、可視光反射層(例えば、アルミニウム及び/又はクロム)と非可視光反射層(例えば、TiO
2とSiO
2とが交互になったもの)との1つ以上の交互層を備え得る。
【0036】
図2に示すように、例示的な光学部品200は、異なる材料の複数の層によって画定された光学コーティング203を備える。例示的な光学部品200は、基板202及び光学コーティング203からなる単一の本体を画定する。例示的な光学部品200は、広い目標光学スペクトル範囲内で動作するように構成され得る。例として、光学部品200は、目標光学スペクトル値又は範囲(例えば、いくつかの例では、1064nm、又は400~1400nm)を有する例示的な光学システムと併せて動作するように構成され得る。いくつかの例では、光学部品200(例えば、基板202及び光学コーティング203)は、400nm~1400nm(例えば、1154.27nm)の厚さ寸法を有し得る。様々な例では、光学部品200は、可視光反射層の交互層(例えば、SiO
2とTiO
2とが交互になったもの)を備える。様々な例では、交互になった非可視光反射層(例えば、SiO
2層及びTiO
2層)の各セット又はサイクルは、例示的な光学部品200の反射パラメータ(例えば、特定の光学スペクトル範囲内)を強化し、それによって光学部品200及びそれに関連付けられた光学システムの性能を改善するように動作し得る。いくつかの例では、交互になった非可視光反射層(例えば、SiO
2層及びTiO
2層)の各セットはまた、光学部品200の光学スペクトル範囲/窓を更に修正/改善(例えば、拡張)するように動作し得る。
【0037】
上記のように、かつ
図2に示されるように、例示的な光学部品200は、その上に堆積された複数の層を有する基板202を備える。光学部品の例示的な基板202は、ガラス又は同様の材料であってもよいか、又はそれを含み得る。いくつかの例では、例示的な基板202は、1.51の屈折率及び0の吸光係数を有する。上記のように、例示的な光学部品200複数の材料層を画定する光学コーティング203。
【0038】
図2に示すように、例示的な光学部品200は、基板202に隣接して配設された第1の可視光反射層204を備える。第1の可視光反射層204は、入射可視光を調整(例えば、380~750nmの範囲に)するように動作し得る。いくつかの例では、第1の可視光反射層204は、アルミニウム、クロム、それらの組み合わせ、及び/又は同様のものを含み得る。いくつかの例では、第1の可視光反射層204(例えば、アルミニウム層及び/又はクロム層)は、1.3の屈折率及び(例えば、媒体によって吸収された光の量を画定する)7.11の吸光係数を有する。第1の可視光反射層204は、特定の光学スペクトル範囲内の入射光(例えば、可視光)の少なくとも一部分を反射するように動作し得る。第1の可視光反射層204(例えば、アルミニウム層)の厚さは、110nm~200nmであってもよい。別の例では、クロム層の厚さは、110nm未満(例えば、20nm~50nm)であってもよい。
【0039】
図2に示すように、例示的な光学部品200は、第1の可視光反射層204(例えば、アルミニウム層及び/又はクロム層)の表面に隣接して(例えば、その上に)配設された第2の非可視光反射層206(例えば、SiO
2層)を備える。第2の非可視光反射層206(例えば、SiO
2層)は、例えば、780nm~1μmの範囲又は1μm超に入射非可視放射線又は光(例えば、赤外線)を調整するように動作し得る。いくつかの例では、第2の非可視光反射層206(例えば、SiO
2層)は、1.45654の屈折率及び0の吸光係数を有する。第2の非可視光反射層206(例えば、SiO
2層)の厚さは、180nm~700nmであってもよい。
【0040】
図2に示すように、例示的な光学部品200は、第2の非可視光反射層206(例えば、SiO
2層)の表面に隣接して(例えば、その上に)配設された第3の非可視光反射層208(例えば、TiO
2層)を備える。第3の非可視光反射層208(例えば、TiO
2層)は、入射非可視放射線又は光(例えば、赤外線)を調整するように動作し得る。いくつかの例では、第3の非可視光反射層208(例えば、TiO
2層)は、2.27401の屈折率及び0.00021の吸光係数を有する。第3の非可視光反射層208(例えば、TiO
2層)の厚さは、180nm~400nmであってもよい。
【0041】
図2に示すように、例示的な光学部品200は、第3の非可視光反射層208(例えば、TiO
2層)の表面に隣接して(例えば、その上に)配設された第4の非可視光反射層210(例えば、SiO
2層)を備える。第4の非可視光反射層210(例えば、SiO
2層)は、入射非可視放射線又は光(例えば、赤外線)を調整するように動作し得る。いくつかの例では、第4の非可視光反射層210(例えば、SiO
2層)は、1.45654の屈折率及び0の吸光係数を有する。第4の非可視光反射層210(例えば、SiO
2層)の厚さは、180nm~700nmであってもよい。
【0042】
図2に示すように、例示的な光学部品200は、第4の非可視光反射層210(例えば、SiO
2層)の表面に隣接して(例えば、その上に)配設された第5の非可視光反射層212(例えば、TiO
2層)を備える。第5の非可視光反射層212(例えば、TiO
2層)は、入射非可視放射線又は光(例えば、赤外線)を調整するように動作し得る。いくつかの例では、第5の非可視光反射層212(例えば、TiO
2層)は、2.27401の屈折率及び0.00021の吸光係数を有する。第5の非可視光反射層212(例えば、TiO
2層)の厚さは、180nm~400nmであってもよい。
【0043】
図2に示すように、例示的な光学部品200は、第5の非可視光反射層212(例えば、TiO
2層)の表面に隣接して(例えば、その上に)配設された第6の非可視光反射層214(例えば、SiO
2層)を備える。第6の非可視光反射層214(例えば、SiO
2層)は、入射非可視放射線又は光(例えば、赤外線)を調整するように動作し得る。いくつかの例では、第6の非可視光反射層214(SiO
2層)は、1.45654の屈折率及び0の吸光係数を有する。第6の非可視光反射層214の厚さ(SiO
2層)は、180nm~700nmであってもよい。
【0044】
図2は、光学コーティング203を有する光学部品200の例を提供するが、本開示の範囲は、
図2に示される例に限定されないことに留意されたい。いくつかの例では、例示的な光学部品200は、1つ以上の追加の及び/又は代替の素子を備えてもよく、かつ/あるいは
図2に示されるものとは異なる構造化/位置決めがなされてもよい。例えば、本開示による光学部品200は、交互(例えば、SiO
2とTiO
2とが交互)になった非可視光反射層のセット又はサイクルを4つ以上又は3つ未満を有する光学コーティング203を備え得る。別の例では、本開示による光学部品200は、例えば、アルミニウム、クロム、それらの組み合わせ、及び/又は同様なものを含む、2つ以上の可視光反射層(例えば、2つの可視光反射層)を備え得る。
【0045】
様々な例では、光学コーティングを備える光学部品は、特定の特性を有する二次的な二次ビームを生成するために、(例えば、650nm~1300nmの波長を有する)入射一次ビームを調整(例えば、偏光、コリメート、環状化及び/又は同様のものに)するように構成され得る。一例では、光学コーティングを含む光学部品の厚さは、1100nm~1200nmの範囲であってもよい。上記の例では、光学部品の反射レベル測定値は、60%~99%の範囲であってもよい。例えば、以下の光学部品の反射レベル測定値は、950nm~1400nmの入射光の波長に対して95%超であってもよい。したがって、様々な実施例では、例示的な光学部品及び光学コーティングのパラメータ(例えば、例示的な光学コーティングの各層の厚さ)は、特定の光学スペクトル範囲内で動作するように構成された光学部品を提供するために変えることができる。
【0046】
したがって、様々な実施例では、例示的な光学部品及び光学コーティングのパラメータ(例えば、例示的な光学コーティングの各層の厚さ)は、特定の光学スペクトル範囲内で動作するように構成された光学部品を提供するために変えることができる。
【0047】
ここで
図3を参照すると、本開示の様々な実施形態による光学部品を生成するための例示的な方法300を示すフローチャート図が提供される。
【0048】
工程/動作301から始まり、方法300は、可視光反射層(例えば、アルミニウム層又はクロム層)を光学部品(例えば、ガラス基板)の少なくとも表面に適用することで開始され得る。いくつかの例では、アルミニウム材料又はクロム材料は、例示的な光学部品の少なくとも1つの表面に直接堆積され得る。可視光反射層は、
図2に関連して上に記載した第1の可視光反射層204と同様であってもよい。いくつかの例では、方法300は、物理的堆積プロセス、化学蒸着、又は任意の他の好適な方法を含み得る。
【0049】
工程/動作301に続いて、方法300は、工程/動作303に進み得る。工程/動作303で、第1の非可視光反射層(例えば、SiO
2層)は、可視光反射層(例えば、アルミニウム層又はクロム層)に適用される。いくつかの例では、SiO
2材料は、可視光反射層に直接堆積され得る。第1の非可視光反射層は、
図2に関連して上に記載した第2の非可視光反射層206、第4の非可視光反射層210、及び第6の非可視光反射層214と同様であってもよい。
【0050】
工程/動作301に続いて、方法は工程/動作305に進み得る。工程/動作305で、第2の非可視光反射層(例えば、TiO2層)が、第1の非可視光反射層に適用される。いくつかの例では、TiO2材料は、非可視光反射層に直接堆積され得る。第2の非可視光反射層は、
図2に関連して上に記載した第3の非可視光反射層208、第5の非可視光反射層212、及び第7の非可視光反射層216と同様であってもよい。
【0051】
工程/動作305に続いて、方法は工程/動作307に進み得る。工程/動作307で、目標数の可視光反射層及び非可視光反射層を光学部品に適用した後、電気デバイス(例えば、電気ガン、電気レーザ、又は電気ビーム)を利用して、光学部品の例示的なコーティングを更に処理(例えば、光学部品の例示的なコーティングの少なくとも一部分を蒸発)させてもよい。いくつかの例では、例示的な光学部品は、高真空条件下で処理チャンバ内で処理され得る。コントローラは、目標パラメータ(例えば、複数の層の各々の厚さを調節する)及び/又は環境条件に基づいて、方法のパラメータを自動的及び/又は動的に測定及び調節するために利用され得る。いくつかの例では、例示的な方法300の少なくとも一部分は、室温で起こり得る。
【0052】
図3は、コーティングされた光学部品を生成するための方法300の一例を示すが、他の方法を利用してもよい。例えば、一連の動作/工程として示されているが、
図3に示す様々な動作/工程は、重複してもよく、並行して生じてもよく、異なる順序で生じてもよく、又は複数回生じてもよい。例えば、
図2に関連して上に記載したように、SiO2及びTiO2の3つの交互の層(すなわち3サイクル)を、例示的な光学部品の少なくとも表面に適用し得る。
【0053】
上記のように、いくつかの例では、1つ以上の光学部品は、印刷装置/アセンブリの一部であってもよい。いくつかの例では、レーザビームを使用してコンテンツを印刷することを容易にするために、印刷装置の例示的なプリントヘッドは、レーザサブシステムを含み得る。レーザサブシステムは、1つ以上のレーザ源及び光学アセンブリ/部品を更に含み得る。1つ以上のレーザ源は、コンテンツを印刷するために印刷媒体上にエネルギーを集束させるように、光学アセンブリを通って方向付けられた1つ以上のレーザビームを生成するように構成され得る。
【0054】
ここで
図4を参照すると、本開示の様々な実施形態による、レーザサブシステム400の例示的な図を示す概略図が提供される。図示のように、レーザサブシステム400は、1つ以上のレーザ源402及び光学アセンブリ404を含む。
【0055】
例示的な実施形態では、1つ以上のレーザ源402は、1つ以上のレーザ源402が1つ以上のレーザビームを生成することを可能にし得る、好適な論理及び/又は回路を含む。いくつかの例では、1つ以上のレーザ源402は、異なる波長の1つ以上のレーザビームを生成することができる。例えば、1つ以上のレーザ源は、950nm~1400nmの波長を有する1つ以上のレーザビームを生成することができ得る。1つ以上のレーザ源402として、例えば、ガスレーザ源、化学レーザ源、エキシマレーザ源、固体レーザ源、ファイバレーザ源、フォトニック結晶レーザ源、半導体ベースレーザ源、色素レーザ源、自由電子レーザ源、及び/又は同様のものを挙げることができる。いくつかの例では、1つ以上のレーザ源402は、書き込みレーザビーム及び予熱レーザビームを生成するように構成され得る。いくつかの例では、書き込みレーザビームは、600nmを超える波長を有する。いくつかの例では、予熱レーザビームは、950nmを超える波長(例えば、1064nm)を有する。
【0056】
いくつかの例では、光学アセンブリ404は、1つ以上のレーザ源402に対して位置決めされ得、1つ以上のレーザビーム(例えば、書き込みレーザビーム及び/又は予熱レーザビーム)を例示的な印刷媒体に方向付けるように構成され得る。いくつかの実施形態では、光学アセンブリ404は、作動ユニット408に結合され得るポリゴンミラー406を含む。作動ユニット408は、所定の速度でポリゴンミラー406の回転を容易にすることができる好適な論理及び/又は回路を含み得る。例示的な実施形態では、ポリゴンミラー406は、1つ以上の反射表面410を有し得、1つ以上の反射表面410のカウントは、1つ以上の反射表面410を画定するポリゴンミラーの形状に依存する。例えば、ポリゴンミラーの形状が八角形に対応する場合、1つ以上の反射表面410のカウントは8である。ポリゴンミラー406は、ポリゴンミラー406が所定の方向に沿ってレーザビーム(例えば、書き込みレーザビーム及び/又は予熱レーザビーム)を反射するように、1つ以上のレーザ源402に対して位置決めされる。特に、1つ以上の反射表面410は、書き込みレーザビームと予熱レーザビームとの間の入射角及び1つ以上の反射表面410の反射表面に基づいて、所定の方向において例示的な書き込みレーザビーム及び/又は例示的な予熱レーザビームを反射し得る。例示的な実施形態では、ポリゴンミラー406が回転すると、書き込みレーザビーム及び予熱レーザビームが反射される方向が変化することにより、書き込みレーザビームと予熱レーザビームとの間の入射角及び反射表面410が変化し得る。
【0057】
図4に示すように、例示的な光学アセンブリ404は、反射ビームが通過する複数のレンズ412を更に含む。例示的な実施形態では、複数のレンズは、書き込みレーザビーム及び予熱レーザビームをそれぞれ収束させるように構成され得る。光学アセンブリ404は、複数のレンズ412の下流に位置決めされた1つ以上の折り畳みミラー414a、414b、414c、及び414dを更に含む。いくつかの例では、複数の折り畳みミラー414a、414b、414c、及び414dは、書き込みレーザビーム及び予熱レーザビームの方向を修正するように構成され得る。より具体的には、1つ以上の折り畳みミラー414a、414b、414c、及び414dは、書き込みレーザビーム及び予熱レーザビームを印刷媒体上に方向付けることができる。
【0058】
ポリゴンミラー406の回転によって書き込みレーザビーム及び予熱レーザビームが掃引するので、書き込みレーザビーム及び予熱レーザビームは、例示的な印刷媒体の幅の端から端まで掃引し得る。印刷媒体にレーザが照射されると、印刷媒体の色が修正され得る。印刷媒体の色の修正は、印刷されたコンテンツに対応し得る。
【0059】
いくつかの例では、本開示の範囲は、書き込みレーザビームが印刷媒体上にコンテンツを書き込むように構成され、かつ予熱レーザビームが印刷媒体を予熱するように構成される、書き込みレーザビーム及び予熱レーザビームを生成する1つ以上のレーザ源402に限定されるものではない。例示的な実施形態では、1つ以上のレーザ源402は、2つ以上の書き込みレーザビームを生成するように構成され得る。例えば、1つ以上のレーザ源402は、3つの書き込みレーザビームが、印刷媒体上にコンテンツを書き込むように構成されるようにして、3つの書き込みレーザビームを生成するように構成され得る。この目的のために、3つの書き込みレーザビームは、光学アセンブリ404を介して印刷媒体上に方向付けられるように構成される。この目的のために、3つの書き込みレーザビームは、印刷経路に沿って互いに隣接するように印刷媒体上に方向付けられ得る。いくつかの例では、最初の3つのレーザビームは、印刷媒体の3つの隣接するラインを同時に印刷するように構成され得る。そのような実施形態では、最初の3つのレーザビームは、異なるデータを印刷するように構成され得る。いくつかの例では、1つのセットになった3つの書き込みレーザビームを、印刷動作中に無効にすることができる。更に別の例では、これら3つの書き込みレーザビームは、同じデータを印刷するように構成され得る。例示的な実施形態では、これら3つの書き込みレーザビームは、印刷装置の1つ以上の構成設定ごとに構成され得る。いくつかの例では、この1つ以上の構成設定は、限定されるものではないが、コンテンツが印刷される際の分解能、印刷経路に沿う印刷媒体横移動の速度、及び/又は同様のものを含み得るが、これらに限定されない。
【0060】
ここで
図5を参照すると、印刷媒体上のコンテンツを印刷するための例示的な光学アセンブリが更に例示される。
図5は、本開示の様々な実施形態による、印刷媒体501上のコンテンツを印刷するための例示的なアセンブリを示す概略
図500を示す。
【0061】
図5に示すように、例示的な印刷媒体501は、印刷経路503に沿って横移動し得る。
図5に更に示すように、例示的な光学アセンブリは、1つ以上のレーザ源502を備える。いくつかの例では、第1のレーザ源502aは、書き込みレーザビーム504を生成するように構成され得、その一方で第2のレーザ源502bは、予熱レーザビーム506を生成するように構成され得る。いくつかの例では、予熱レーザビーム506は、508、印刷媒体508の一部分を照明するように構成される。印刷媒体の一部分を照明することによって、調光プロセスが発生し、それによって第1の所定の波長の書き込みレーザビーム504が通過することを可能にする。したがって、所定の波長の書き込みレーザビーム504が印刷媒体501上に方向付けられると、書き込みレーザビーム504は、印刷媒体508の一部分に色の変化を生じさせる。印刷媒体501が印刷経路503に沿って横移動するので、印刷媒体508の一部分は、印刷経路503に沿って移動する。したがって、印刷媒体508の一部分は、予熱レーザビーム506に曝されない。
【0062】
ここで
図6を参照すると、本開示の様々な実施形態による光学アセンブリ600を示す例示的な概略図が提供される。様々な例では、光学アセンブリ600は、レーザビーム(例えば、偏光、コリメート、環状化、及び/又はレーザビームの集束)を制御又は調整するように構成され得る。
図6に示すように、光学アセンブリ600は、複数の光学部品を備える。図示されるように、光学アセンブリ600は、コリメート部品601、ビーム制御部品603、及び集束部品605を備える。
【0063】
図6に示すように、光学アセンブリ600は、レーザ源の出力をコリメートするように(例えば、クロススキャン次元におけるレーザビームの解像度を制御するように)構成されたコリメート部品601を備える。様々な例では、コリメート部品601は、複数のレンズが1組以上(例えば、レンズの1つ以上の群)であってもよく、又はそれを備えてもよい。光学アセンブリ600は、様々なタイプのレーザ源/ダイオード、例えば、限定されないが、マルチモードレーザ、単一モードレーザ、又は同様のもので、動作するように構成され得る。いくつかの例では、コリメート部品601は、レーザアセンブリによって生成された出力(すなわち、レーザビーム)をコリメートするように、例示的なレーザアセンブリ(例えば、レーザ源を備える)に取り外し可能に取り付けられるか、又は別様に接続/結合され得る。例えば、コリメート部品601の少なくとも1つの表面は、例示的なレーザアセンブリの少なくとも表面に隣接して配設され得る。様々な例では、光学アセンブリ600の少なくとも一部分又は表面は、光学アセンブリ600が大きな光入射許容角度(例えば、0~80度)を提供することができるようにコーティングされ得る。したがって、例示的な光学アセンブリ600は、非偏光及びs偏光の両方に対して改善された反射性能を提供し得る。更に、光学アセンブリ600は、広い光学スペクトル範囲(例えば、400nm~1400nm)内の改善された性能を提供し得る。いくつかの例では、例示的な光学コーティングを形成するために、複数の材料層を光学アセンブリの少なくとも表面上に堆積させてもよい。例示的な光学コーティングは、可視光反射層(例えば、アルミニウム及び/又はクロム)と非可視光反射層(例えば、TiO
2及びSiO
2)との少なくとも1つ以上の交互層を備え得る。
【0064】
上記のように、かつ
図6に示されるように、光学アセンブリ600は、ビーム制御部品603を備える。示されるように、いくつかの例では、ビーム制御部品603の少なくとも表面は、レーザビームがコリメート部品601を横移動してビーム制御部品603に到達することができるように、コリメート部品601の表面に隣接して配設される。図示されるように、ビーム制御部品603は、1つの軸に沿ってレーザビームの寸法を修正するように構成された一対のプリズム602及び604(例えば、アナモフィックプリズム対)を備える。例えば、ビーム制御部品603は、レーザビームと例示的な対のプリズムとの間の角度を調節することによって、レーザビームの形状を修正するように動作し得る。様々な例では、ビーム制御部品603は、レーザビームと関連付けられたアスペクト比を修正するように動作し得る。例えば、ビーム制御部品603は、レーザ源によって生成された楕円形のビーム形状を円形ビーム形状に修正するように動作し得る。様々な例では、レーザビームのサイズは、一対のプリズムの角度相対位置に基づいて低減又は拡張され得る。様々な例では、図示されるように、例示的なビーム制御部品603は、一対のプリズム602及び604の相対位置を同時に調節するための制御ピン606を備える。
【0065】
上記のように、かつ
図6に示されるように、光学アセンブリ600は、例示的な印刷装置内に光学アセンブリ600の出力(例えば、レーザビーム)を方向付けるように構成された集束部品605を備える(例えば、レーザビームを印刷媒体に入射させるように方向付ける)。示されるように、いくつかの例では、集束部品605の少なくとも表面は、レーザビームがビーム制御部品603を横移動して集束部品605に到達するように、ビーム制御部品603の表面に隣接して配設され得る。いくつかの例では、集束部品605は、1つ以上のミラーを備え得る。上記のように、集束部品605の少なくとも表面(例えば、1つ以上のミラーの表面)は、光学アセンブリ600の反射を改善し、かつ光学アセンブリ600の動作光学スペクトル範囲を広げるか、又は拡張するために、本開示による光学コーティングを備え得る。
【0066】
本明細書の実施形態のいくつかは、例示的な光学アセンブリ600を提供するが、本開示は、そのような実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、いくつかの例では、本開示による光学アセンブリ600は、他の素子、1つ以上の追加の及び/又は代替の素子を備えてもよく、かつ/あるいは
図6に例示されるものとは異なる構造化/位置決めがなされてもよい。
【0067】
ここで
図7を参照すると、本開示の様々な実施形態による、光学アセンブリ700の上部断面図を示す例示的な概略図が提供される。様々な例では、光学アセンブリ700は、レーザビームをコリメート、環状化、及び/又は集束するように構成され得る。
図7に示すように、光学アセンブリ700は、コリメート部品701及び集束部品713を備える。例示的な光学アセンブリ700は、例示的なレーザアセンブリ(例えば、マルチモードレーザ)によって生成された出力(すなわち、レーザビーム)をコリメートするように動作し得る。いくつかの例では、コリメート部品701の少なくとも1つの表面は、例示的なレーザアセンブリの少なくとも表面に隣接して配設され得る。様々な例では、光学アセンブリ700の少なくとも一部分又は表面は、光学アセンブリ700が大きな光入射許容角度(例えば、0~80度)を提供することができるように、本開示による光学コーティングを備え得る。したがって、例示的な光学アセンブリ700は、非偏光及びs偏光の両方に対して改善された反射性能を提供し得る。更に、光学アセンブリ700は、広い光学スペクトル範囲(例えば、400nm~1400nm)内の改善された性能を提供することができる。いくつかの例では、例示的な光学コーティングを形成するために、複数の材料層を光学アセンブリの少なくとも表面上に堆積させてよい。例示的な光学コーティングは、可視光反射層(例えば、アルミニウム及び/又はクロム)と非可視光反射層(例えば、TiO
2及びSiO
2)との少なくとも1つ以上の交互層を備え得る。
【0068】
図7に示すように、光学アセンブリ700は、レーザビーム(例えば、事前に励起されるレーザビーム)のクロススキャン寸法における解像度を制御するように構成されたコリメート部品701を備える。図示のように、コリメート部品701は、円筒形部材/バレルを備える。いくつかの例では、図示されるように、コリメート部品701は、光学アセンブリ700の筐体702内に少なくとも部分的に配設される。様々な例では、コリメート部品701は、複数のレンズが1組以上(例えば、レンズの1つ以上の群)であってもよく、又はそれを備えてもよい。図示のように、コリメート部品701は、第1の複数のレンズ703及び第2の複数のレンズ705を備える。いくつかの例では、更に図示されるように、第1の複数のレンズ703は、3つの球面レンズを備え、第2の複数のレンズ705は、2つの球面レンズを備える。
【0069】
いくつかの例では、第1の複数のレンズ703は、コリメート部品701の第1の端部分内に(例えば、例示的なレーザアセンブリに隣接して)配設されてもよく、かつ/又はそれを画定してもよい。言い換えれば、第1の複数のレンズ703は、例示的なレーザアセンブリに対して第1の距離に配設され得る。第1の複数のレンズ703は、第2の複数のレンズ705に対して独立して(すなわち、群として)移動するように構成され得る。例えば、第1の複数のレンズ703は、例示的なレーザビーム経路704に沿って水平に移動するように構成され得る。
【0070】
図7に示すように、コリメート部品701は、第2の複数のレンズ705を備える。いくつかの例では、第2の複数のレンズ705は、コリメート部品701の第2の端部分内に(例えば、例示的なレーザアセンブリから離れて)配設されてもよく、かつ/又はそれを画定してもよい。言い換えれば、第2の複数のレンズ705は、第2の複数のレンズ705が、第1の複数のレンズ703よりもレーザアセンブリから更に離れて配設されるように、例示的なレーザアセンブリに対して第2の距離に配設され得る。したがって、例示的なレーザビームは、例示的なレーザアセンブリから第1の複数のレンズ703に移動し、続いて第2の複数のレンズ705に到達し得る。第2の複数のレンズ705は、第1の複数のレンズ703に対して独立して(すなわち、群として)移動するように構成され得る。様々な例では、コリメート部品701は、第1の複数のレンズ703と第2の複数のレンズ705との相対位置を変えるために、光学アセンブリ700の筐体702内で移動するように構成され得る。
図7に示すように、コリメート部品701は、第1の複数のレンズ703と第2の複数のレンズ705との間の距離を修正するために、後退するように構成され得る。再び
図7を参照すると、例示的なコリメート部品701は、後退した状態にある
図7に示されるコリメート部品701と比較して伸展状態で示されている。したがって、第1の複数のレンズ703及び/又は第2の複数のレンズ705は、例示的なレーザビーム経路704に沿って水平に移動するように構成され得る。様々な例では、第2の複数のレンズ705に到達することに続いて、例示的なレーザビームは、光学アセンブリ/印刷装置の別の部品/素子(例えば、いくつかの例では、集束部品713)に入り得る。
【0071】
上記のように、かつ
図7に示されるように、光学アセンブリ700は、光学アセンブリ700の出力(例えば、レーザビーム)を例示的な印刷装置の中に方向付けるように(例えば、レーザビームを印刷媒体に入射するように方向付けるように)構成された集束部品713を備える。示されるように、いくつかの例では、集束部品713の少なくとも表面は、レーザビームがコリメート部品701を横断して集束部品713に到達することができるように、コリメート部品701の表面に隣接して配設され得る。いくつかの例では、図示されるように、集束部品713は、集束レンズ715、1つ以上のミラー、及び/又は同様のものを備え得る。
【0072】
本明細書の実施形態のいくつかは、例示的な光学アセンブリ700を提供するが、本開示は、そのような実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、いくつかの例では、本開示による光学アセンブリ700は、他の素子、1つ以上の追加の及び/又は代替の素子を備えてもよく、かつ/あるいは
図7に示されるものとは異なる構造化/位置決めがされてもよい。
【0073】
ここで
図8を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な光学部品の例示的な反射レベル測定値を示すグラフ800が提供される。
図8に示すように、x軸は、本開示の様々な実施形態による光学コーティングを備える光学部品(例えば、ミラー、光学アセンブリ、又は同様のもの)と関連付けられた入射光の波長を表す。図示のように、y軸は、例示的な光学部品の反射レベル測定値を表す。反射レベル測定値は、例示的な光学部品によって反射され得る入射光の百分率(%)の比に対応する。
【0074】
図8に示すように、300nm~1400nmの異なる波長の入射光と関連付けられた複数の反射レベル測定値が提供される。
図8に示すように、例示的な光学部品と関連付けられた反射レベル測定値は、400nm~1000nmの波長を有する入射光に対して65%~100%近くの範囲である。更に図示されるように、例示的な光学部品範囲と関連付けられた反射レベル測定値は、1000nmを超える波長を有する入射光に対して97%超である。したがって、
図7は、例示的な光学部品の光学性能が非常に広い光学スペクトル(すなわち、400nm~1400nm)に及ぶことを実証している。更に、例示的な光学部品は、優れた性能(全体的に65%超、特に、1000nm~1400nmの波長を有する入射光に対して97%超)を示す。したがって、光学コーティング/光学部品は、例えば、広い光学スペクトルにわたる性能が必要とされる様々な用途に適する。例えば、光学コーティング/光学部品は、2つ以上のタイプのレーザ源(例えば、各々が異なる波長のレーザビームを生成する複数のレーザ源)を使用して、光学システムで最適に機能する。
【0075】
ここで
図9を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な光学部品の例示的な測定値を示すグラフ900が提供される。
図9に示すように、x軸は、入射光と関連付けられた複数のビーム入射角を表す。図示のように、y軸は、例示的な光学部品の反射レベル測定値を表す。反射レベル測定値は、例示的な光学部品によって反射され得る入射光の比又は百分率(%)に対応する。
図9に示すように、グラフ900の第1のライン901は、例示的な光学部品に入射するs偏光と関連付けられた反射レベル測定値を示す。グラフ900の第2のライン903は、例示的な光学部品に入射するp偏光と関連付けられた反射レベル測定値を示す。
【0076】
図9に示すように、例示的な光学部品に入射するs偏光と関連付けられた反射レベル測定値は、0
度~80
度のビーム入射角に対して
96%超である。更に図示されるように、例示的な光学部品に入射するp偏光と関連付けられた反射レベル測定値は、0
度~55
度のビーム入射角に対して96%超である。更に、例示的な光学部品に入射するp偏光と関連付けられた反射レベル測定値は、55
度~75
度のビーム入射角に対して84%超である。示されるように、例示的な光学部品は、広範囲のビーム入射角にわたって、p偏光源及びs偏光源の両方に対して高い性能特性を示す。
【0077】
ここで
図10を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な印刷装置1100の断面図を示す概略図が提供される。様々な実施形態では、印刷装置1100は、本明細書に記載の光学コーティングを含む1つ以上の光学部品を含む光学システムを備える。いくつかの例では、印刷装置1100は、1つ以上のレーザ源を備える。印刷装置1100は、プリントヘッドエンジン122の上流に位置決めされた媒体ガイドアセンブリ1102を含む。更に、印刷装置1100は、プリントヘッドエンジン122の下流に位置決めされた第2のローラアセンブリ316を含む。例示的な実施形態では、媒体ガイドアセンブリ1102は、アームセクション1104及び溝セクション1106を更に含む。
【0078】
例示的な実施形態では、アームセクション1104は、印刷装置1100の背骨セクション114に固定結合される。更に、アームセクション1104は、プリントヘッドエンジン122の横方向軸に沿って延在する。更に、アームセクション1104は、第1の端部1107及び第2の端部1108を有する。アームセクション1104の第1の端部1107は、プリントヘッドエンジン122の近位にあるように画定され、第2の端部1108は、プリントヘッドエンジン122から遠位にあるように画定される。更に、アームセクション1104は、上面1110及び底面1112を含む。上面1110は、プリントヘッドエンジン122の底部シャーシ部分128から遠位にあるように画定され、底面1112は、底部シャーシ部分128の近位にあるように画定される。
【0079】
例示的な実施形態では、底面1112は、溝セクション1106が、プリントヘッドエンジン122の底面1112から底部シャーシ部分128に向かって突出するようにして、溝セクション1106を画定するように構成されている。いくつかの例では、底部シャーシ部分128と溝セクション1106との間の距離は、0.4mm~0.6mmの範囲である。更に、印刷媒体が底部シャーシ部分128上に受容されるとき、印刷媒体は、溝セクション1106及び第2のローラアセンブリ316によって押圧される。このため、印刷媒体は、第2のローラアセンブリ316と媒体ガイドアセンブリ1102との間で平坦化される。
【0080】
いくつかの例では、溝セクション1106は、傾斜セクション1114及び谷セクション1116を含み得る。傾斜セクション1114は、アームセクション1104の第2の端部1108に面してもよく、かつ所定の傾きを有してもよい。更に、谷セクション1116は、アームセクション1104の第1の端部1107に面してもよい。いくつかの例では、傾斜セクション1114の傾きは、印刷経路に沿った印刷媒体の滑らかな横移動を容易にし得る。したがって、傾斜セクション1114は、媒体の詰まりの可能性を低減し得る。いくつかの例では、本開示の範囲は、前述の形状を有する溝セクション1106に限定されない。例示的な実施形態では、溝セクション1106は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の他の形状を有し得る。
【0081】
いくつかの例では、溝セクション1106と底部シャーシ部分128との間の距離は、調節可能であってもよい。そのような実施形態では、溝セクション1106は、ねじなどの連結手段を通してアームセクション1104に結合され得る。印刷装置1100のオペレータは、ねじを時計回り及び/又は反時計回りに回転させて、溝セクション1106と底部シャーシ部分128との間の距離を調節し得る。そのような実施形態では、溝セクション1106と底部シャーシ部分128との間の距離は、媒体の厚さ及び平坦性の必要に応じて、0.4mm~0.6mmに調節され得る。
【0082】
いくつかの例では、本開示の範囲は、特定の結合手段に限定されない。例示的な実施形態では、結合手段は、ペンクリック型機構を更に含み得る。そのような実施形態では、印刷装置1100のオペレータは、溝セクション1106に結合されたプランジャを押圧することによって、溝セクション1106と底部シャーシ部分との間の距離を調節し得る。
【0083】
いくつかの例では、本開示の範囲は、印刷装置1100内の1つの媒体ガイドアセンブリ1102が印刷媒体を平坦化することに限定されない。例示的な実施形態では、印刷装置1100は、プリントヘッドエンジン122の下流に位置決めされた別の媒体ガイドアセンブリを含み得る。更に、そのような実施形態では、印刷装置1100には、第2のローラアセンブリが設けられていなくてもよい。
【0084】
いくつかの例では、本開示の範囲は、媒体ガイドアセンブリ1102を含む印刷装置1100に限定されない。例示的な実施形態では、プリントヘッドエンジン122の上部シャーシ部分126は、プリントヘッドエンジン122の上部シャーシ部分126内に溝セクション1106を画定し得る。より具体的には、プリントヘッドエンジン122は、上部シャーシ部分(プリントヘッドエンジン122の底部シャーシ部分の近位にある)の底面に溝セクションを画定し得る。
【0085】
いくつかの例では、本開示の範囲は、第1のローラ及び1つ以上の第2のローラを含むプリントヘッドエンジン122に限定されない。追加的又は代替的に、印刷装置1100は、印刷媒体を平坦化するためのフレームを含み得る。
【0086】
本明細書に記載の例示的な装置、システム、及び方法は、印刷動作の前に印刷媒体を平坦化又は実質的に平坦化することができる印刷装置を含む。いくつかの例では、かつ印刷媒体を平坦化するように構成された実施形態では、印刷装置は、印刷動作のために印刷媒体を受け取ることができるプラットフォームを含む。いくつかの例では、印刷装置は、印刷媒体をプラットフォームに接着させるか、又は別様に取り外し可能に取り付けるようにして、プラットフォーム上に負圧を生成させるように構成された真空生成ユニットを含み得る。いくつかの例では、プラットフォーム上に負圧を適用している最中に、印刷媒体の縁が丸まる場合がある。印刷媒体の縁の丸まりを直すために、印刷装置は、印刷媒体の縁を押圧するように構成され得るフレームを更に含む。このため、真空生成ユニットとフレームとの組み合わせは、いくつかの例では、印刷媒体の平坦化を容易にする。
【0087】
本明細書に記載される本開示の多くの修正例及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示される教示の利益を有する、本開示に関係がある当業者に着想されるであろう。したがって、本開示は、開示される特定の実施形態に限定されるものではないこと、並びに修正例及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。更に、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせの文脈における例示的な実施形態を説明しているが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、要素及び/又は機能の異なる組み合わせが代替的な実施形態によって提供されてもよいことを理解されたい。この点に関して、例えば、上に明記したものとは異なる要素及び/又は機能の組み合わせも、添付の特許請求の範囲の一部に記載され得るものとして企図される。特定の用語が本明細書で用いられているが、これらは一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
<付記>
[形態1]
光学コーティングを備える光学部品であって、前記光学コーティングが、
前記光学部品の表面に隣接して配設された可視光反射層と、
前記可視光反射層に隣接して配設された少なくとも第1の非可視光反射層と、
前記第1の非可視光反射層に隣接して配設された少なくとも第2の非可視光反射層と、を備える、光学部品。
[形態2]
前記可視光反射層が、アルミニウム又はクロムを含む、形態1に記載の光学部品。
[形態3]
前記少なくとも第1の非可視光反射層が、二酸化ケイ素(SiO2)を含み、前記少なくとも第2の非可視光反射層が二酸化チタン(TiO2)を含む、形態1に記載の光学部品。