(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】浄化組成物、浄化組成物の製造方法、及び浄化組成物による煙道ガスの浄化方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/80 20060101AFI20240604BHJP
B01D 53/38 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B01D53/80 ZAB
B01D53/38
(21)【出願番号】P 2022504540
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2020066438
(87)【国際公開番号】W WO2021013432
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-03-01
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522029383
【氏名又は名称】クリーナー パワー ソリューションズ オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒルトゥネン、ペッカ
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0162269(US,A1)
【文献】特表平05-500024(JP,A)
【文献】特開昭57-180477(JP,A)
【文献】特表平03-504100(JP,A)
【文献】特開平04-018913(JP,A)
【文献】特開平05-146636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34-53/73,53/74-53/85,53/92,53/96
F23J 13/00-99/00
B01D 53/14-53/18
B09B 1/00-5/00
B09C 1/00-1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄化組成物による煙道ガスの浄化方法であって、
前記浄化組成物とスチームを組み合わせる工程、
浄化組成物とスチームの前記組合せを、前記煙道ガスに添加する工程、
前記浄化組成物を前記煙道ガスに添加し、前記煙道ガスを過大加圧する工程であり、過大加圧圧力が1~10バールである、工程、
より多くの前記浄化組成物を前記煙道ガスに添加し、前記煙道ガスを過小加圧する工程であり、過小加圧圧力が最大1バールである、工程、
を含む、浄化方法
であり、
前記浄化組成物が、下記の工程を含む煙道ガスの当該浄化組成物の製造方法に記載されたものである、上記浄化方法:
灰の量を測定する工程、
前記灰と液体を組み合わせる工程であり、前記液体の量は前記灰の量に基づき、前記灰と前記液体の組合せが灰54~57重量%と液体43~46重量%とを含むようにする、工程、
前記液体の温度を調整することにより、前記灰と前記液体の組合せの温度を調整する工程、
第1のコンテナ(2)内で、前記灰と前記液体を混合する工程、
第2のコンテナ(4,25)内で、灰と液体の前記組合せから、塊部分を分離する工程であり、ここで、前記塊部分の粒子は、第2のコンテナ(4,25)内の底に沈み、前記塊部分が除去された灰と液体の前記組合せが、前記浄化組成物を形成する、工程。
【請求項2】
浄化組成物とスチームの前記組合せを、前記煙道ガスに数回添加する、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
浄化組成物とスチームの前記組合せを前記煙道ガスに最初に添加した後に、より多くの前記浄化組成物を、浄化組成物とスチームの前記組合せに添加する、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
過大加圧及び/又は過小加圧における温度が10~70度である、請求項
1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
過大加圧及び/又は過小加圧における温度が10~40度である、請求項
1~4のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化組成物の分野、特に煙道ガスを浄化するために使用される組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
産業排出物は、著しい環境問題を引き起こす。複数の規制は、産業界から発生する排出物に厳しい制限を設けており、これらの規制は常により厳しくなっている。このことにより、産業界の排出物を防止し、且つ制御するために用いられる浄化の解決策もまた、課題を抱えている。既知の浄化の解決策には、多くの欠点があり、複雑であることが多い。したがって、産業界から発生する排出物を浄化するためのより洗練された解決策が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、独立請求項の主題によって定義される。
実施形態は、従属請求項において定義される。
本明細書に記載されている実施形態及び特徴であって、独立請求項の範囲に該当しないものは、本発明の様々な実施形態を理解するために有用な例として解釈されるべきである。
以下において、添付図面を参照し、好ましい実施形態によって本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による、浄化組成物を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による、浄化組成物を製造する方法のフローチャートを示す。
【
図4】
図4は、一実施形態による、浄化組成物を製造するシステムを示す。
【
図5】
図5は、一実施形態による、浄化組成物によって煙道ガスを浄化するシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の実施形態は例示的なものである。本明細書は、本文のいくつかの場所で、「一(an)」、「1つ(one)」、又は「いくつか(some)」の実施形態を参照する場合があるが、これは、必ずしも各参照が同じ実施形態を参照すること、又は特定の特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するとは限らない。異なる実施形態の単一の特徴を組み合わせて、他の実施形態を提供することもできる。
【0006】
産業活動は、地球規模で多くの排出物を生み出し、環境だけでなく環境に住む人々にも害を及ぼしている。現在では、その排出量は複数の規制によって厳しく制限されている。これらの規制は、産業界が排出することを許される排出量の制限を設けている。排出量の制限は常に厳しくなっている。これらの排出物の主な原因は、煙道ガスである。煙道ガスは、発電所の燃焼プロセスによって発生することが多い。煙道ガスの組成は、燃焼対象物、燃焼室の種類、及び煙道ガスの処理方法によって異なる。煙道ガスは、通常、窒素、二酸化炭素、水蒸気、及び過剰な酸素で構成されている。煙道ガスには、さらに、粒子状物質、二酸化炭素、窒素酸化物、及び硫黄酸化物などの汚染物質が少量含まれていることもある。
【0007】
煙道ガスの浄化のために市場で利用可能な多くの解決策がある。それでも、既知の解決策には多くの欠点もある。例えば、既知の浄化の解決策の多くは、例えば、灰汁(水酸化ナトリウム)のような煙道ガスの浄化プロセスにおいて危険な成分を使用している。したがって、煙道ガスを浄化するためのより洗練された解決策が必要とされている。
【0008】
図1を参照すると、本発明の一態様によれば、50~60重量%の灰Aと40~50重量%の液体Lとを含む浄化組成物PCが提供される。浄化組成物中の灰と液体の正確な量は、浄化組成物の所望の特性に依存し、したがって、それは所与の範囲の間で変動し得る。
【0009】
一実施形態では、浄化組成物は、少なくとも灰と液体を含み、灰の量は50~60重量%であり、液体の量は40~50重量%である。したがって、浄化組成物は、灰と液体以外の1つ以上の他の成分を10重量%まで含んでもよい。ここでいう成分とは、組成物に使用して所望の影響を与えることができる他の成分(物、物質)を指す。例えば、浄化組成物の重量は、100kg(灰の量は55kg(55%)であり、液体の量は45kg(45%)である)であってもよい。別の例では、灰の量は50kg(50%)、液体の量は45kg(45%)であってもよく、浄化組成物は5kg(5%)の他の1つ以上の成分を含んでもよい。
【0010】
一実施形態では、浄化組成物は、灰54~57重量%と液体43~46重量%とを含む。浄化組成物は、最大3重量%の1つ以上の他の成分を含んでもよい。灰と液体のこの比率は、多くの状況において浄化組成物に最適である可能性がある。
【0011】
一実施形態では、50~60重量%の灰と40~50重量%の液体とからなる浄化組成物である。浄化組成物は、他の成分を含まず、灰と液体のみを含んでいてもよい。液体は、複数の成分を含んでいてもよい。
【0012】
一実施形態では、54~57重量%の灰と43~46重量%の液体とからなる浄化組成物である。
【0013】
一実施形態では、灰はフライアッシュを含む。フライアッシュは、煙道灰又は粉砕燃料灰と呼ばれることもある。本発明で使用されるフライアッシュは、発電所から、特に生体材料を可燃物として使用する発電所から受け取ることができる。フライアッシュは、煙道ガスとともに漂う微粒子からなる。フライアッシュは、通常、煙突の手前でろ過システムによって捕捉される。フライアッシュは、例えば、モリブデン、クロム、ヒ素、鉛、セレンなどの汚染物質(重金属)で構成されている。このように汚染物質であるため、フライアッシュは効率的にリサイクルされず、代わりにゴミとして処理されることが多い。
【0014】
一実施形態では、灰は、火格子灰又は火格子灰のいくつかの部分(成分)を含む。
【0015】
本発明による浄化組成物は、煙道ガスの浄化のために、煙道ガスから得られたフライアッシュを使用することができる。換言すると、浄化組成物は、少なくとも部分的に、煙道ガスから受け取ったフライアッシュから製造され、煙道ガスを浄化するために使用される。したがって、このプロセスは非常に簡単で効率的である。なぜなら、煙道ガスのフライアッシュはリサイクルされ、液体と組み合わされて煙道ガスの浄化に用いられる浄化組成物を形成するからである。
【0016】
一実施形態では、フライアッシュは、フライアッシュのいくつかの成分が除去されるように、浄化組成物の製造プロセス中に処理される。例えば、完成した浄化組成物が汚染物質を実質的に含まないように、フライアッシュの汚染物質(重金属)を除去し、分離してもよい。したがって、完成した浄化組成物に、フライアッシュの一部のみを使用してもよく、他の一部は分離して除去してもよい。
【0017】
一実施形態では、液体は水を含む。液体は、水以外の他の成分も含んでいてもよい。液体は、2つ以上の成分の組合せであってもよい。それらの成分は、流体であってもよいし、又は流体に溶解した固体成分であってもよい。液体は、例えば、石灰水を含んでいてもよい。したがって、液体は、例えば、水と石灰水の組合せであってもよい。
【0018】
一実施形態では、灰と組み合わされた液体は、水である。
【0019】
図2は、一実施形態による、浄化組成物の製造方法を示している。浄化組成物を製造するための方法は、(ブロック200)灰の量を測定する工程、(ブロック202)灰と液体を組み合わせる工程(液体の量は灰の量に基づく)、(ブロック204)液体の温度を調整することにより、灰と液体の組合せの温度を調整する工程、(ブロック206)灰と液体を混合する工程、を含む。
【0020】
浄化組成物の製造プロセスの第1の工程は、灰の量の測定であってもよい。記載されているように、浄化組成物は、50~60重量%の灰を含んでいてもよい。灰の所与の量は、例えば、乾燥重量に基づいて決定することができる。灰の組成が重量に影響を与える場合がある。例えば、灰の湿度が高い場合、灰の重量が大きくなる可能性がある。浄化組成物を形成する際に、湿度を補償してもよい。例えば、既に灰の中にある湿度は、灰と組み合わされた液体の量を減少させ得る。
【0021】
灰の量は、浄化組成物の他の成分の量を決定するために使用することができる。例えば、灰の測定量が50kgである場合、浄化組成物中には、液体のような他の成分が約50~33kg含まれている可能性がある。
【0022】
一実施形態では、測定された灰の一部が液体と組み合わされる。例えば、測定された灰の量は70kgであってもよいが、プロセスでは50kgの灰のみが液体と組み合わされてもよく、次いで、灰と組み合わされた液体の量は、50kgの灰に基づいて決定される。残りの20kgの灰は、後で浄化組成物を製造する際に使用することができ、例えば、次の製造バッチで使用することができる。
【0023】
第2の工程では、灰の量を測定するときに、灰と液体を組み合わせることができる。換言すると、液体が灰に添加される。液体の量は、第1の工程で測定された灰の量に基づいている。浄化組成物は、液体の40~50重量%を含んでいてもよい。前の例を参照すると、灰の測定量が50kgの場合、灰に添加される液体の量は約50~33kgである。この例では、灰と液体に加えて他の成分は存在しない。上記のように、浄化組成物はまた、他の成分を含んでもよい。
【0024】
第3の工程では、液体の温度を調整することにより、灰と液体の組合せの温度を調整することができる。例えば、灰が冷たい場合は、液体を暖かく/熱くしてもよく、それぞれ、灰が暖かい/熱い場合は、液体をより冷たくしてもよい。液体の温度の調整は、灰と液体を組み合わせる前に行ってもよく、したがって、液体の温度は、灰と液体の組合せの温度を増加/減少させる。灰と液体の組合せには温度制限がある場合があり、その場合、その温度はプロセスの次の工程の前に設定する必要がある。一実施形態では、灰と液体とを組み合わせ、組み合わせた後、組合せの温度を温度制限内に調整する。換言すると、灰と液体とを組み合わせた後、その組合せを加熱又は冷却する。
【0025】
第4の工程では、その組合せの温度を調整した後、組み合わせた灰と液体を混合することができる。混合の目的は、組み合わせた灰と液体を適切に混合することである。灰と液体の組合せの粒子は、混合プロセスにおいて分離され、化学反応が開始する可能性がある。温度は、上述のプロセスを制御するために使用される1つのパラメータであってもよい。例えば、灰と液体の組合せの温度を調整することにより、それらの混合の特性も調整することもできる。例えば、温度を用いて、化学反応にも影響を与える可能性のある粒子の分離を調整することができる。したがって、温度を調整することにより、灰と液体の組合せ(浄化組成物)の特性を調整することができる。
【0026】
一実施形態では、灰と液体を所定の時間、混合する。換言すると、混合プロセスの混合時間が予め決定される。その混合時間は、例えば、混合プロセスに存在する浄化組成物の量、及び/又は灰と液体とを組み合わせた組成に基づいてもよい。
【0027】
別の実施形態では、浄化組成物は、所望の結果が得られるように処理され、換言すると、浄化組成物の所望の粘稠度(consistency)が得られるように処理される。混合プロセス中に組成物を監視してもよく、所望の結果が達成されたときに処理を停止してもよい。換言すると、混合時間は予め決定されていないが、浄化組成物に所望の粘稠度が達成されるまで、前記の組合せが混合される。いくつかの実施形態では、先の2つの実施形態の両方を組み合わせて、所定の混合時間を、組成物の監視と併用して使用することができる。
【0028】
温度に加えて、混合時間を、混合プロセスの結果を制御するために使用される1つのパラメータとすることができる。混合時間を(単独で、又は温度と共に)調整することにより、混合プロセスにおいて、灰と液体の組合せ(浄化組成物)の特性を調整することができる。
【0029】
一実施形態では、灰の量は、灰の重量を構成する。この量は、例えば、キログラム単位で与えられてもよい。また、液体の量は、液体の重量を構成してもよく、同様にキログラム単位で与えられてもよい。キログラムの使用は、上記の例示的な実施形態に示されている。灰は、第1の工程で計量され、その結果に基づいて、液体などの他の成分が灰と組み合わされる。次いで、他の成分も計量されて、適切な量の成分が得られる。灰の粘稠度は、重量に影響を与える可能性がある。例えば、灰の湿度が、重量を増加させることがある。
【0030】
一実施形態では、灰及び/又は液体の量は、体積を構成する。例えば、灰及び/又は液体の量を測定及び/又は決定する際の単位として、立方メートル又はリッターを使用することができる。
【0031】
一実施形態では、浄化組成物中の灰及び/又は液体の量を決定する際に、重量及び体積の両方が使用される。また、他の全ての可能な成分の量は、重量及び/又は体積に基づいて与えられてもよい。
【0032】
記載されているように、灰と液体の組合せの温度は、液体の温度を調整することによって調整することができる。所望の結果に応じて、プロセスにおいて複数の温度範囲を使用することができる。それぞれの範囲を、灰と液体の混合及び/又は組合せの所望の(異なる)特性を達成するために使用してもよい。一実施形態では、灰と液体の組合せの温度は、10~80(プラス)度の間である。
【0033】
一実施形態では、灰と液体の組合せの温度は、好ましくは18~25度であり、これは、多くの状況での組合せに最適な温度であり得る。
一実施形態では、灰と液体の組合せの温度は、10~30度である。
一実施形態では、灰と液体の組合せの温度は、30~60度である。
一実施形態では、灰と液体の組合せの温度は、60~80度である。
【0034】
上記のように、灰と液体の組合せの温度は、灰と組み合わされた液体の温度を調整することによって調整することができる。したがって、灰の温度は、灰と組み合された液体の温度に影響を与える可能性がある。灰の温度が低い場合(cold ash)は、灰に添加される液体の温度は高く(warm/hot liquid)、灰の温度が高い場合(warm/hot ash)は、それぞれ、灰に添加される液体の温度は低く(cold liquid)、その結果、両方の場合の灰と液体の組合せの温度は、制限の間、例えば、10~30プラス度の間である。例えば、灰を凍結させてから、液体の温度を調整して、組合せの温度が制限内にあるように「高温/暖かい(hot/warm)」になるように調整することができる。別の例では、灰は高温(例えば+80度)であってもよく、液体の温度は、組合せの温度が制限内にあるように低温になるように調整される。
【0035】
一実施形態では、液体を灰に供給するとき、液体の温度は変化してもよい。例えば、液体を灰に供給するとき(液体と灰を組み合わせる)、組合せの温度が低すぎるままであると思われる場合、液体の温度をプロセス中に上昇させてもよいし、その逆の場合は、逆の対応をしてもよい。灰と液体を組み合わせる場合は、灰と液体の組合せの温度を監視してもよい。
【0036】
記載されているように、温度に加えて、混合時間を(単独で、又は温度と共に)調整することにより、灰と液体の組合せの特性を調整することができる。所望の結果に応じて、プロセスにおいて複数の混合時間を使用することができる。それぞれの混合時間を、灰と液体の混合及び/又は組合せの所望の(異なる)特性を達成するために使用してもよい。一実施形態では、混合時間は、10~120分である。
【0037】
一実施形態では、混合時間は、55~65分であり、これは、多くの状況で最適な混合時間であり得る。一実施形態では、使用される混合時間は、10~40分である。一実施形態では、使用される混合時間は、40~90分である。一実施形態では、使用される混合時間は、90~120分である。
【0038】
一実施形態では、灰と液体の混合は、ポンプ混合を含む。ポンプ混合プロセスは、コンテナ(タンク)内のノズルを通って液体を噴霧するために使用されるポンプを備えている。液体の噴霧は、灰と液体を一緒に混合するための混合エネルギーを提供する。また、他のタイプのミキサーを使用してもよく、例えば、ブレードミキサーを使用してもよい。灰と液体を混合する際に、複数の混合方法を組み合わせてもよい。
【0039】
一実施形態では、ポンプ混合における圧力は、0.01~3バールである。
【0040】
一実施形態では、ポンプ混合は、浄化組成物の粒子を互いに分離するための研磨効果が生じるように構成される。研磨効果により、灰と液体の組合せにおいて化学反応が開始する可能性がある。ポンプ混合におけるノズル及び/又は圧力は、研磨効果が達成されるように選択される。
【0041】
図4を参照すると、一実施形態による、浄化組成物を製造するシステムが示されている。灰は、ライン90Aを介してコンテナ1に供給されてもよく、そこで、灰の量が測定されてもよい。灰は、例えば、コンテナ1内で計量してもよい。また、液体と組み合わされる灰の量も決定され、換言すると、システム内でさらに処理され、供給される予定の灰の量も決定される。測定された灰の全部又は一部だけが液体と組み合されてもよい。コンテナ1内の灰の残りの部分は、後で使用することができ、例えば、浄化組成物の次のバッチを製造する際に使用することができる。一実施形態では、灰の残りの部分は、例えば、ライン90Aを介して、コンテナ1から除去することができる。
【0042】
一実施形態では、液体と組み合わされる灰は、ライン90Bを介して第2のコンテナ2に供給される。液体は、ライン1Aを介して、コンテナ3から同じコンテナ2に導かれ、そこで、灰と液体が組み合わされる。上記のように、灰と液体の組合せの温度は、液体の温度を調整することによって調整することができる。液体の温度は、コンテナ3内で制御してもよく、その温度がプロセス要件(制限内)に従っているときに、液体をコンテナ2に供給してもよい。灰と液体の組合せの温度も、温度が制限内にあることを確認するために、コンテナ2内で監視することができる。
【0043】
一実施形態では、灰と液体の組合せの温度が制限内、例えば、10~30度の間である場合、灰と液体を、ポンプ混合によってコンテナ2内で混合してもよい。コンテナ2は、ポンプミキサーを含んでもよい。混合時間は、例えば、55~65分であってもよい。混合された灰と液体は、浄化組成物のベースを形成してもよい。
【0044】
一実施形態では、浄化組成物は、供給ライン1Bを通って、コンテナ2からコンテナ4に供給され、そこで組成物は安定化される。また、混合プロセスで形成された空気は、その組成物から離れることができる。化学的分離はコンテナ4内で行われてもよい。浄化組成物の分離がコンテナ4内で開始し得るのは、浄化組成物の塊(mass)のうち最も重い粒子がコンテナ4の底に沈むときである。その塊が底に沈むと、浄化組成物は表面レベルでほとんど粒子を含まない可能性がある。このような粒子を含まない組成物は、それを除去するときにコンテナ4を洗浄するために使用することができ、そのため、コンテナを別途洗浄する必要性が低減する。換言すると、粒子を含まない組成物をコンテナから除去することにより、コンテナを予備洗浄することができる。コンテナ4は、加圧されなくてもよい。
【0045】
一実施形態では、組成物は、供給ライン1Cを介して、コンテナ4からコンテナ25に供給される。コンテナ25は、組成物の(主な)分離ユニットとして機能し得るが、分離は、コンテナ4内で既に開始されていてもよい。浄化組成物の塊部分(mass portion)は、コンテナ内で分離される。コンテナ4内の場合と同様に、浄化組成物の塊部分はコンテナの底に沈み、それにより、浄化組成物から分離される。また、プロセスを向上させるために、多くの既知の分離溶液を適用してもよい。例えば、ベルトフィルタープレス、デカンタ遠心分離機、及び/又は遠心力に基づく他の技術を適用してもよい。コンテナ25は、加圧されてもよい。
【0046】
一実施形態では、分離された塊部分は、ライン2Aを介してコンテナ26に供給され、そこで、その塊部分はさらに2つの部分に分離される。一方の部分は、ライン2Bを介してコンテナ8に導かれる。塊部分のこの第1の部分は、ライン170を介してコンテナ8から取り出されてもよく、いくつかの特定の溶液における製品として使用してもよい。塊部分の別の(第2の)部分は、さらに処理されてもよく、ライン2Cを介して、コンテナ26からコンテナ10に供給されてもよい。
【0047】
一実施形態では、コンテナ4は、浄化組成物を分離するために使用される。したがって、主分離ユニットであるコンテナ25は、システム内で使用されない場合がある。その場合、コンテナ4は、コンテナ25(上記)と同じ特性を有してもよく、コンテナ25のように使用される。
【0048】
一実施形態では、塊部分(mass portion)は、ライン2Eを介して、コンテナ10からコンテナ7に供給される。コンテナ7内の塊の小部分(mass fraction)から、金属を分離(除去)してもよい。コンテナ7内には、ライン100Bから液体が添加され、ライン120を介して電気が印加される。金属を分離するために、多くの既知の分離技術を本発明に適用してもよく、例えば、酸(溶液)を用いてpHを低下させること及び逆浸透を分離に適用してもよい。液体は、ライン130を介してコンテナ7から取り出される。この液体は、例えば、浄化のために水処理ユニットに移送されてもよく、そこで、異なる成分が液体から分離されてもよい(例えば、塊部分から液体中に溶解された有害成分など)。浄化された液体は、リサイクルされ、プロセスにおいて再び使用されてもよい。分離された金属は、ライン2Fを介して、コンテナ7からコンテナ9に導かれ、そこから、さらなる処理のためにライン110を介してプロセスから取り出してもよい。
【0049】
一実施形態では、コンテナ25内で塊部分(mass portion)が分離された浄化組成物は、さらなる処理のために、ライン1Eを介してコンテナ5に供給される。その処理中に、浄化組成物の残っている塊部分(remaining mass portion)が分離され、処理後、浄化組成物はその最終形態を得る。分離は、上記のコンテナ4及び/又は25内の場合と同様に行うことができる。完成した(finished)浄化組成物は、プロセスから受け取られる。コンテナ25に供給された浄化組成物の約50%は、分離処理後に完成製品(finiehsed product)として受け取られ、この部分は、ライン1Fを介して、コンテナ5からコンテナ11に導かれる。
【0050】
一実施形態では、まだ完成製品ではない浄化組成物の未完成部分(浄化組成物の他の50%)が、さらなる処理のために、ライン1Gを介して、コンテナ5からコンテナ6に供給される。この浄化組成物の未完成部分には、依然として、プロセス中で分離されるであろう非常に多くの塊(微細な塊)が含まれている。その塊を組成物から分離するためのプロセスは、上記と同じであってもよい。完成製品は、ライン1Hを介して、コンテナ6からコンテナ11に供給され、そこには、既に、コンテナ5から受け取った浄化組成物の最初の完成部分(最初の50%)が貯蔵されている。分離された微細な塊は、ライン2Dを介してコンテナ8に供給される。場合によっては、微細な塊はまた、さらなる処理のために、ライン1Iを介してコンテナ7に供給されてもよい。コンテナ7内で行われるプロセスは、本出願において上述したとおりである。処理後、完成した浄化組成物は、ライン1Iを介してコンテナ6に導かれ、さらにライン1Hを介してコンテナ11に導かれる。
【0051】
一実施形態では、浄化組成物の一部は、コンテナを洗浄(清掃)するために、供給ライン1Dを介して、コンテナ6からコンテナ25に再び供給される。したがって、浄化組成物は、システム内のコンテナを洗浄するためにも使用される。一実施形態では、コンテナ3及び4の内容物を、ライン1A2を介して移送してもよい。
【0052】
一実施形態では、浄化組成物の製造プロセスは、灰又はその少なくとも一部がコンテナ1からコンテナ2に移送されるときに、再び開始する。換言すると、灰の第1のバッチが、コンテナ1内で測定され、さらなる処理のためにコンテナ2に移送されるとき、灰の第2のバッチは、測定のためにコンテナ1に供給され、以下同様である。コンテナ1内で測定された灰の一部がコンテナ2に供給されず、この残りの灰が次のバッチで使用されることも可能である。製造プロセスは、複数の製造バッチを同時に処理し得るノンストッププロセスであってもよい。
【0053】
図3Aを参照すると、一実施形態では、浄化組成物による煙道ガスの浄化方法は、(ブロック300)シュートを形成するために浄化組成物と蒸気を組み合わせる工程、(ブロック302)シュートを煙道ガスに添加する工程、(ブロック304)浄化組成物を煙道ガスに添加し、煙道ガスを過大加圧する(over-pressuring)工程、(ブロック306)より多くの浄化組成物を煙道ガスに添加し、煙道ガスを過小加圧する(under-pressuring)工程、を含む。
【0054】
一実施形態では、浄化組成物による煙道ガスの浄化方法は、シュートを形成する工程を含む。シュートは、浄化組成物と蒸気(スチーム)を組み合わせることによって形成される。シュートは、浄化組成物と蒸気が供給されて組み合わされるコンテナ内に形成することができる。蒸気が添加されるコンテナ内に既に浄化組成物が存在してもよいし、又はその逆に、浄化組成物が添加されるコンテナ内に蒸気が存在してもよい。一実施形態では、シュートを形成するときに、浄化組成物と蒸気が混合される。シュートの組成物は蒸気のようなものであり、換言すると、それは浄化組成物を含む蒸気のようなものである。
【0055】
一実施形態では、シュートを煙道ガスに添加する。この添加は、シュートが形成される別のコンテナ内で行われてもよい。この場合、別のコンテナ内にシュートを供給し、そこで煙道ガスと組み合わされる。シュートが添加されたコンテナ内に既に煙道ガスが存在してもよいし、又はその逆に、煙道ガスが添加されるコンテナ内にシュートが存在してもよい。一実施形態では、シュートと煙道ガスは、それらの適切な組合せを確実にするために混合される。
【0056】
シュートを煙道ガスに添加することにより、煙道ガスの粒子及び煙道ガスの単位重量を大きくすることができる。浄化組成物を組み合わせることにより、換言するとシュートにより、浄化組成物を煙道ガスの粒子に付着させることができる。この付着により、粒子及び煙道ガスの単位重量を大きくすることができ、その結果、煙道ガススクラバーにおいて、粒子を効率的に除去することができる。
【0057】
一実施形態では、シュートを煙道ガスに添加した後、煙道ガスが過大加圧(over-pressurized)されるように、浄化組成物を煙道ガスに添加してもよい。煙道ガスは、浄化組成物を添加する前又は添加した後に、過大加圧されてもよい。換言すると、浄化組成物を添加するときに既に煙道ガスが過大加圧されていてもよいし(過大加圧圧力において添加される)、又は添加後に浄化組成物が添加された煙道ガスが過大加圧されてもよい。過大加圧により、煙道ガスの(窒素)ガスが液体に付着する可能性がある。
【0058】
煙道ガスの過大加圧された状態において浄化組成物を添加した後、さらに浄化組成物を煙道ガスに添加する。ここで、煙道ガスは、過小加圧されてもよい。煙道ガスは、より多くの浄化組成物を添加する前又は添加した後に、過小加圧されてもよい。換言すると、浄化組成物を添加するときに既に煙道ガスが過小加圧されていてもよいし(過小加圧圧力において添加される)、又は添加後に浄化組成物が添加された煙道ガスが過小加圧されてもよい。過小加圧により、気体が液体から分離する可能性がある。
【0059】
一実施形態では、シュートが過大加圧圧力及び/又は過小加圧圧力において煙道ガスに添加されるときに、シュートと煙道ガスが混合される。多くの既知の混合技術、例えば、本出願で記載された技術を使用することができる。
【0060】
一実施形態では、シュート及び/又は浄化組成物と煙道ガスとを組み合わせる工程は、ベンチュリースクラバー(エジェクタ)によって行われる。
【0061】
一実施形態では、シュート及び/又は浄化組成物と煙道ガスとを組み合わせる工程は、煙道ガスがシュートと組み合わされたときに回転運動(サイクロン)するように、エジェクタ技術によって行われる。煙道ガスの回転運動を得るために、システム内の導管の形状を利用することができる。
【0062】
一実施形態では、煙道ガスの酸性度をシュート及び/又は浄化組成物を用いて中和することによって、煙道ガスのpH値を中性付近まで上昇させることができる。
【0063】
一実施形態では、スラッジ(廃液)は、過大加圧された、及び/又は過小加圧された煙道ガスから除去される。例えば、スラッジは、過大加圧及び/又は過小加圧が行われるコンテナから取り出されてもよい。
【0064】
図3Cを参照すると、一実施形態による、煙道ガスの過大加圧の場合のスラッジの除去が示されている。最初に(ブロック304A)浄化組成物を煙道ガスに添加し、次に(ブロック304B)煙道ガスを過大加圧し、次いで(ブロック304C)煙道ガスからスラッジを除去する。
【0065】
図3Dを参照すると、一実施形態による、煙道ガスの過小加圧の場合のスラッジの除去が示されている。最初に(ブロック306A)浄化組成物を煙道ガスに添加し、次に(ブロック306B)煙道ガスを過小加圧し、次いで(ブロック306C)煙道ガスからスラッジを除去する。
【0066】
一実施形態では、浄化組成物を用いてシュートを形成するために使用される蒸気は、水蒸気を含む。
【0067】
一実施形態では、シュートを煙道ガスに数回添加する。これは、複数回、例えば2回又は3回添加してもよい。
【0068】
一実施形態では、シュートを煙道ガスに最初に添加した後に、浄化組成物をシュートに添加する。シュートを、例えば、煙道ガスに2回添加する場合、最初の添加の後で2回目の添加の前に、浄化組成物をシュートに添加してもよい。したがって、シュートを、煙道ガスに2回目に添加するとき、そのシュートは、より多くの浄化組成物を含むことができる。シュートを、煙道ガスに3回添加する場合、最初の添加の後で2回目及び/又は3回目の添加の前に、浄化組成物をシュートに添加してもよい。
【0069】
図3Bを参照すると、煙道ガスへのシュートの添加を数回行うことが示されている。最初に(ブロック302A)シュートを煙道ガスに添加し、次に(ブロック302B)浄化組成物をシュートに添加し、次いで(ブロック302C)浄化組成物をシュートに添加した後、より多くのシュートを煙道ガスに添加する。
図3Bに示すプロセスは、複数回繰り返すことができる。
【0070】
一実施形態では、過大加圧圧力及び/又は過小加圧圧力(over- and/or under-pressure)における温度は、10~70度である。例えば、煙道ガスから分離された二酸化炭素の処理は、過大加圧圧力及び/又は過小加圧圧力の温度に影響を与える可能性がある。二酸化炭素がさらに処理され、例えばガスになる場合、その温度範囲は、例えば、20~60度であってもよい。
【0071】
別の実施形態では、過大加圧圧力及び/又は過小加圧圧力における温度は、10~40度である。二酸化炭素が粉末に加工される場合、その温度範囲は、例えば、20~30度であってもよい。
【0072】
一実施形態では、過大加圧圧力(over-pressure)における温度は、過小加圧圧力(under-pressure)における温度と異なる。
過大加圧圧力における温度は、過小加圧圧力における温度よりも高くてもよく、あるいはその逆でもよい。
【0073】
一実施形態では、過大加圧(over-pressurization)における圧力は1~10バールである。別の実施形態では、その圧力は1~6バールである。
【0074】
一実施形態では、過小加圧(under-pressurization)における圧力は最大1バールである。
【0075】
シュートと灰の混合に使用される技術は、過大加圧圧力及び/又は過小加圧圧力に影響を与える可能性がある。
【0076】
一実施形態では、煙道ガスの浄化の各工程は、異なるコンテナ内で行われる。例えば、
図3に示す全ての工程(ブロック300~306)は、異なるコンテナ内で行われる。別の実施形態では、記載された工程のいくつかは、同じコンテナ内で行われる。
【0077】
図5を参照すると、一実施形態による、浄化組成物によって煙道ガスを浄化するシステムが示されている。浄化組成物によって浄化される煙道ガスは、ライン150(A)を介してコンテナ15に供給され、そこで、固体粒子(硫黄など)が除去される。最小の固体粒子のいくつかは、まだ煙道ガス中にとどまる可能性があり、したがって除去されない可能性がある。次いで、煙道ガスを、煙道ガスグラバーによって、水で洗浄してもよい。コンテナ15は、煙道ガスグラバーを備えていてもよい。
【0078】
一実施形態では、浄化組成物は、ライン1Jを介して、コンテナ11からコンテナ12に導かれ、蒸気は、シュートを形成するためにライン140を介して同じコンテナ12に供給される。シュートは、ライン1Lを介して、コンテナ12からコンテナ13に供給される。煙道ガスは、まだコンテナ15にない場合は、ライン150Aを介してコンテナ15に供給される。シュートは、ライン1Kを介して同じコンテナ1に供給され、そこで、シュートは、煙道ガスに最初に添加される。シュートの添加後、煙道ガスは、ライン150Bを介してコンテナ14に供給される。シュートは、ライン1Mを介して、コンテナ12からコンテナ14にも供給され、そこで、シュートは、煙道ガスに2回目に添加される。シュートの添加により、煙道ガスの酸性度が中和され、煙道ガスのpH値を中性付近まで上昇する。コンテナ14は、二次(ポスト)煙道ガスグラバーであってもよい。
【0079】
一実施形態では、煙道ガスは、ライン150Cを介して、コンテナ14から熱交換器16に供給される。凝縮液は、ライン4B及び4Aを介してコンテナ22に導かれてもよい。廃熱は、ライン150Cを介して、熱交換器からヒートポンプ17に導かれてもよい。ヒートポンプは、システムのエネルギー効率を向上させる可能性がある。
【0080】
一実施形態では、煙道ガスは、ライン150Eを介して、熱交換器16からコンテナ18に供給される。また、浄化組成物は、ライン1Jを介して、コンテナ11から同じコンテナ18に供給される。コンテナ18は、ガスを液体に付着させるために過大加圧されている。
【0081】
一実施形態では、過大加圧後、煙道ガスは、ライン3Fを介してコンテナ19に供給され、スラッジは、ライン3Gを介して、コンテナ18からコンテナ22に導かれる。また、浄化組成物は、ライン1Jを介して、コンテナ11から同じコンテナ19に供給される。コンテナは、液体から気体を分離するために過小加圧されている。スラッジは、ライン3Gを介して、コンテナ19からコンテナ22に導かれる。分離されたガスは、ライン3Iを介してコンテナ20に導かれ、そこで、ガスは液化され、次いで、ライン3Jを介してコンテナ21に導かれる。
【0082】
一実施形態では、熱伝達流体もまた、ライン4Fを介して、ヒートポンプからコンテナ21に導かれ、そこで、本出願で上記のように、圧力及び温度を変化させることによってガスが分離される圧力の変化は、ライン190を介して行うことができる。
【0083】
一実施形態では、凝縮熱(凝縮液)は、ライン4Cを介して、コンテナ22からヒートポンプ17に導かれる。最も高い熱量は、ライン4Eを介して、ヒートポンプからスチームエンジン25の水タンク24に導かれる。冷水は、ライン210を介して水タンク24に導かれる。予熱された水(ヒートポンプからの熱によって加熱された)は、ライン4Dを介してスチームエンジンに供給される。高温スチームは、ライン140を介してスチームエンジン25に供給され、最終的な熱を提供する。したがって、廃熱は、タンク24内の水の温度を上昇させるために使用され、スチームエンジンの最終的な温度上昇は、ライン140から得られたスチームによって行われる。スチームエンジンは、電気を生成するように構成された発電機と結合することができ、生成された電気は、ライン160を介して取り出すことができる。その電気を、例えば、販売用へと導くことができる。
【0084】
スラッジは、ライン4Gを介して、コンテナ22からコンテナ2に導かれ、そこで灰が処理される。コンテナ15で発生したスラッジは、ライン4Hを介してコンテナ23に供給され、ライン4Iを介して、コンテナ23からコンテナ2に供給される。
【0085】
一実施形態では、煙道ガスの熱は、熱交換器16によって約20度まで低減される。回収された熱は、プロセスで必要とされる温度差を生成するために使用され、及びスチームエンジンのためにも使用される。記載されたプロセスは、プロセスのための冷却システムを生成し、プロセスによって生成された回収された熱は、エネルギー(電気)を生成するために使用される。
【0086】
一実施形態では、浄化液及び凝縮液は、灰の処理に適用される。
【0087】
一実施形態では、煙道ガスから熱が回収されると、煙道ガスは、コンテナ18内に再び供給され、そこで、例えば、窒素、酸化炭素、及び他のガス、並びに固体を浄化組成物に付着させ、温度及び圧力変化を用いて分離し、コンテナ19(分離ユニット)に供給される。ガスは、コンテナ19から、コンテナ20(圧力ユニット)に供給され、コンテナ20からコンテナ21(浄化及び分離ユニット)に供給される。コンテナ21のスラッジは、例えば、プロセスから肥料を製造する際に、灰の処理における原料として利用することができる。
【0088】
一実施形態では、(浄化された)煙道ガスは、ライン150Fを介してコンテナ18から取り出される。
【0089】
圧力及び温度差を利用することにより、窒素と酸化炭素を互いに分離する。
【0090】
一実施形態では、浄化組成物は、プロセスの異なる工程において、コンテナ内及び他の可能な装置内における洗浄のために使用してもよい。これにより、別個の洗浄液の必要性が低減され、したがって、例えば、コストの観点からプロセスが強化される。
【0091】
記載されたプロセスには多くの工程があって、それらは当業者には明らかであり、したがって、それらが本出願において明示的に又は全く記載されていないとしても、依然として本プロセスの一部であり得る。
【0092】
一実施形態では、浄化組成物は肥料として使用される。
一実施形態では、浄化組成物が施肥に使用される。
【0093】
煙道ガスの浄化に加えて、浄化組成物は、異なる目的のための肥料(栄養溶液)として使用することができる。本発明による浄化組成物は、例えば植物にとって、有害な汚染物質を含まないか、又は少なくとも有害となり得るような量を含まなくてもよい。浄化組成物は、肥料として非常に有用な灰の栄養素を含んでいる。したがって、本発明の浄化組成物の製造方法は、肥料を製造するために使用することもでき、このプロセスから得られる浄化組成物は、植物の肥料としても使用することができる。浄化組成物の製造方法のパラメータ又はいくつかのパラメータは、施肥目的で浄化組成物を製造する際には、異なるように調整してもよい。異なる混合技術、温度及び混合時間を使用することができる。一実施形態では、灰と液体の組合せの温度は、10~30度、好ましくは19~23度であってもよく、混合時間は55~65分、好ましくは60分であってもよい。例えば、肥料を製造する場合、灰と液体を一緒に混合するときに、ブレード混合を使用してもよい。
【0094】
本出願に記載されたプロセス及びシステムは、発電機及び本出願に明示的に記載されていない複数の異なる構成要素も必要とすることは、当業者には明らかであろう。
技術が進歩するにつれて、本発明の概念を様々な方法で実施することができることは、当業者には明らかであろう。本発明及びその実施形態は、上記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された範囲内で変更することができる。