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特許7498318三次元構造体の付加製造システム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】三次元構造体の付加製造システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20240604BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240604BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240604BHJP
【FI】
C12M1/00 Z
B33Y10/00
B33Y30/00
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023008218
(22)【出願日】2023-01-23
(62)【分割の表示】P 2020117938の分割
【原出願日】2014-06-13
(65)【公開番号】P2023061953
(43)【公開日】2023-05-02
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】61/834,420
(32)【優先日】2013-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515346581
【氏名又は名称】アスペクト バイオシステムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】バイヤー サイモン トラヴィス
(72)【発明者】
【氏名】ワルス コンラッド
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド タメル
(72)【発明者】
【氏名】ブソウル アナス アムジャド ムハンマド
【審査官】小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-017798(JP,A)
【文献】特表2013-510096(JP,A)
【文献】Nature Materials,2011年,Vol. 10,p. 877-883
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00 - 1/42
B33Y 10/00 - 30/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元構造体の付加製造のためのシステムであって、前記システムは、
‐少なくとも1種類の第1の材料と少なくとも1種類の第2の材料とを受け取って小出しする少なくとも1つの印刷ヘッドを含み、前記印刷ヘッドは、
前記材料を小出しするオリフィスと、前記印刷ヘッド内に配置された複数のマイクロフルイディックチャネルのそれぞれと流体連通状態にあり材料を受け入れる少なくとも2つの入口とを有し、前記マイクロフルイディックチャネルは、前記少なくとも1種類の第1の材料を受け入れて方向付ける2本の第1のチャネルと、前記少なくとも1種類の第2の材料を受け入れて方向付ける2本の第2のチャネルと、第1の交点のところで前記2本の第2のチャネルを互いに繋げて前記オリフィスまで延びる小出しチャネルを形成する第3のチャネルとを有し、前記2本の第2のチャネルは、第2の交点のところで互いに交差すると共に互いに繋がって前記第1の交点まで延びる前記第3のチャネルを形成し、
前記第3のチャネルは、前記第1のチャネル及び前記小出しチャネルの各々の直径よりも小さな直径を有し、それにより印刷時に前記第1のチャネルからの前記少なくとも1種類の第1の材料の流れが前記小出しチャネル内で前記少なくとも1種類の第2の材料の周りに同軸シースを形成し、
‐前記オリフィスから小出しされた前記材料の第1の層を受け取る受け取り面を含み、前記受け取り面は、過剰の第1の材料を流通させることができるよう寸法決めされた細孔を有する多孔質メンブレンを含み、
‐前記印刷ヘッドの前記オリフィスを三次元空間内に位置決めする位置決めユニットを含み、前記位置決めユニットは、前記印刷ヘッドに作動的に結合され、
‐前記印刷ヘッドの前記オリフィスから前記材料を小出しする小出し手段を含む、システム。
【請求項2】
前記位置決めユニットを制御すると共に前記受け取り面上への前記印刷ヘッドからの前記材料の小出しを制御するプログラム可能制御プロセッサを更に含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記オリフィスから小出しされた過剰の第1の材料を除去する流体除去特徴を更に含み、前記流体除去特徴は、前記過剰の第1の材料を前記受け取り面から遠ざかるように吸い取る又は前記受け取り面を通して吸い取る吸収材料又は真空を含む請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記材料を収容するリザーバを更に含み、前記リザーバは、前記印刷ヘッド内の前記マイクロフルイディックチャネルにそれぞれ流体結合されている、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記印刷ヘッドは、前記オリフィスから前記受け取り面に向かって延びるよう構成された中空突出部を更に有する、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
複数のフルイディックスイッチを更に有し、フルイディックスイッチの各々が前記印刷ヘッド内の前記マイクロフルイディックチャネルの1つと対応すると共に作動時に前記印刷ヘッドの前記マイクロフルイディックチャネル内の流体の流れを許可し又は許可しないよう構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記フルイディックスイッチは、弁を含む、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記小出し手段は、圧力制御ユニットを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1種類の第1の材料は、シース流体を含み、前記少なくとも1種類の第2の材料は、少なくとも1種類のヒドロゲルを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記2本の第2のチャネルは、それぞれヒドロゲルを運搬するようになっている2つのヒドロゲルチャネルを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記2つのヒドロゲルチャネルは、ヒドロゲルコア材料を受け入れて方向付けるコアチャネルと、ヒドロゲルシェル材料を受け入れて方向付けるシェルチャネルとを含み、前記シェルチャネル及び前記第3のチャネルは、前記ヒドロゲルコア材料と前記ヒドロゲルシェル材料の同軸収束を容易にするように前記コアチャネルよりも大きな直径を有しており、それにより前記シェルチャネルからの前記ヒドロゲルシェル材料の流れが前記第3のチャネル内で前記ヒドロゲルコア材料の周りに同軸シースを形成する、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1種類の第1の材料は、前記少なくとも1種類の第2の材料を、前記第1の交点のところで及び/又は前記小出しチャネル内で、前記少なくとも1種類の第1の材料との接触時に凝固させる架橋剤を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1種類の第2の材料は、生細胞を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のチャネルの各々は、前記第1の交点のところで前記第3のチャネルに横付けになるよう構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項15】
三次元(3D)構造体を印刷する方法であって、前記方法は、
‐請求項1記載の三次元構造体の付加製造のためのシステムを用意するステップを含み、
‐小出しされるべき材料を用意するステップを含み、前記小出しされるべき材料は、シース流体及び1種類又は2種類以上のヒドロゲルを含み、
‐前記システムを印刷されるべき3D構造体でエンコードするステップを含み、
‐小出しされるべき前記材料を前記印刷ヘッドオリフィスから小出しするステップを含み、前記シース流体及び前記1種類又は2種類以上のヒドロゲルは、同軸配置状態で小出しされ、前記シース流体は、前記1種類又は2種類以上のヒドロゲルを包み込み、
‐前記小出しされた材料の第1の層を前記受け取り面上に被着させるステップを含み、 ‐次に小出しされた材料を前記第1の層上に及び任意の次の小出し材料の層上に被着させることによって前記被着ステップを繰り返し、それにより層を小出し材料の層上に前記3D構造体に従って幾何学的配置状態で被着させるステップを含み、
‐前記印刷ヘッドオリフィスから小出しされた過剰のシース流体を被着ステップ中又は被着ステップ相互間における1つ又は2つ以上の時点で除去するステップを含む、方法。
【請求項16】
前記シース流体は、前記1種類又は2種類以上のヒドロゲルの少なくとも1種類を前記シース流体との接触時に架橋すると共に凝固させるのに適した架橋剤を含み、前記接触により、ヒドロゲル繊維が作製される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、請求項11記載のシステムを含み、前記小出しされるべき材料は、ヒドロゲルコア材料、ヒドロゲルシェル材料、及びシース流体を含み、前記ヒドロゲルシェル材料及び前記ヒドロゲルコア材料は、同軸配置状態で小出しされ、前記ヒドロゲルシェル材料は、前記ヒドロゲルコア材料を包み込み、前記シース流体は、前記ヒドロゲルシェル材料を包み込む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記シース流体は、前記ヒドロゲルシェル材料を前記シース流体との接触時に架橋すると共に凝固させるのに適した架橋剤を、任意には、前記ヒドロゲルコア材料を前記シース流体との接触時に架橋すると共に凝固させるのに適した架橋剤を含み、前記接触により、ヒドロゲル繊維が作製される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記ヒドロゲルコア材料は、前記架橋剤との接触時にゲル化せず、それにより中空のヒドロゲル繊維の作製が容易になる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記ヒドロゲルコア材料は、後の被着を凝固させる、請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記被着ステップ及び前記除去ステップは、連続的に実施され、それにより、前記小出し材料の層が被着されると、前記過剰のシース流体を連続的に除去する、請求項15記載の方法。
【請求項22】
前記除去ステップは、前記被着ステップ相互間で間欠的に及び/又は前記被着ステップと同時に実施され、それにより、前記小出し材料の層が被着されている時に前記過剰のシース流体を間欠的に除去する、請求項15記載の方法。
【請求項23】
前記1種類又は2種類以上のヒドロゲルの少なくとも1種類は、該ヒドロゲル中に分散された生細胞の成長及び/又は増殖を支援するようになっている、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ディジタルファイルからの三次元生物学的構造体の三次元(3D)印刷及び作製に関する。特に、本発明は、3D細胞含有ヒドロゲル構造体を作製するシステム、装置及び方法に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2013年6月13日に出願された米国特許出願第61/834,420号のパリ条約に基づく優先権主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
付加製造(additive manufacturing:AM)の一形態である3D印刷(3Dプリンティング)は、三次元物体をディジタルファイルから直接作製するプロセスである。ソフトウェアは、物体のコンピュータ支援設計(CAD)モデル又は3Dスキャンを多数の薄い断面層の状態にスライスするために用いられる。層のこの集まりは、AMシステムに送られ、このシステムは、層ごとに三次元物体を構築する。各層は、先の層の頂部上に被着され、ついには、物体が完全に構築されるようになる。支持材料が物体の張り出している特徴部及び複雑な特徴部を支えるために使用されるのが良い。部品をプラスチック、金属、セラミック及び/又は生物学的材料で構築することができる種々のAMプロセスが存在する。
【0004】
付加製造は、生物学的システムで利用できる。例えば、最近まで、大抵の細胞培養研究は、二次元(2D)表面、例えばマイクロウェルプレート及びペトリ皿上で実施されていた。しかしながら、2D培養システムは、細胞が生体内で存在する3D環境を真似ているものではない。研究者は、生まれつきの組織中の細胞の3D配列が細胞間相互作用に影響を及ぼし、それにより細胞の成長及び生理学的性質に影響を及ぼすので、3D細胞培養が少なくとも部分的には、2D細胞培養よりも生まれつきの生物学的組織に似たように挙動することを発見した。
【0005】
細胞性構築物を作製する付加製造装置及びシステムが知られている。例えば、公知の溶融繊維被着(fused fiber deposition)法は、生物学的材料に適用されていた。溶融繊維被着法では、高粘度液体を比較的細いオリフィスから小出しし、次に種々の手段によって急速に凝固させる。生体適合性プラスチック、熱ゲル化ヒドロゲル、UV架橋可能ポリマー及び高濃度アルギン酸塩が3D細胞性構造体の足場として用いられ、足場が凝固した後に足場に細胞が追加される。これら技術の欠点は、これら方法では印刷後に足場に細胞を追加する必要があり、それにより細胞配置を制御するのが困難になるということにある。さらに、足場基材の組成は、細胞の増殖及び成長を容易にする上で適当ではない場合がある。
【0006】
細胞性材料の直接印刷を含む3D構造体の印刷システムが知られており且つ望まれている。と言うのは、少なくとも1つには、かかるシステムにより細胞を3D足場内に堆積させることができるからである。例えば、インクジェット印刷法が生物学的材料を印刷するために用いられている。しかしながら、基材上への流体の小滴の推進に関与する剪断力が流体中に分散して存在する細胞を損傷させる場合がある。さらに、インクジェット印刷は、製造のために特定の環境条件を必要とする生物学的材料に適合させるのが課題となる時間のかかるプロセスである。
【0007】
細胞を3D構造体内に直接印刷する他のシステムとしては、米国特許第8,639,484号明細書に記載されたシステムが挙げられ、この米国特許は、多数のノズルを通って細胞性材料を層ごとに被着させて3D物体を作製するためのCADモデル及び3D位置決めユニットの使用に関する。多数のノズルを用いることにより、多種多様な材料を3D物体中に含ませることができる。米国特許出願公開第2012/0089238号明細書は、複合有機3D構造体を製作する多カートリッジ印刷システムを開示しており、それにより、少なくとも2つのシリンジを用いて構造体を構築し、一つのシリンジは、構造的支持ポリマーのためのものであり、別のシリンジは、生細胞組成物のためのものであり、これらシリンジは、構造的支持ポリマー及び生細胞組成物を表面上に繰り返し付着させる。米国特許出願公開第2014/0012407号明細書は、各々が1つ又は2つ以上のカートリッジを受け入れてこれらを保持するよう構成された1つ又は2つ以上の印刷ヘッドを有する装置を開示している。各カートリッジは、流体、例えば細胞又は支持材料を含むバイオインク及びオリフィスを有し、このオリフィスを通して流体をカートリッジから小出しすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第8,639,484号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0089238号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0012407号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
先行技術の方法は、一般に、多種多様な材料(即ち、1つの材料は、1つのノズル又はカートリッジオリフィスによって小出しされる)の印刷を容易にするために多数のノズル及び/又はカートリッジオリフィスを必要とする。互いに異なる材料を小出しするために多数のノズルを用いるには、適当なノズル又はカートリッジオリフィスを制御された順序で位置決めして一連の互いに異なる材料を小出しするために印刷システムの動きをこれに対応して増大させる必要がある。かかる運動の増大により、印刷の速度及び効率が低下する。
【0010】
上記欠点のうちの1つ又は2つ以上をなくし又は軽減することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の観点では、三次元構造体の付加製造のためのシステムが提供される。このシステムは、材料を受け取って小出しする少なくとも1つの印刷ヘッドを含み、材料は、シース流体及びヒドロゲルを含む。一実施形態では、印刷ヘッドは、材料を小出しするオリフィスと、シース流体を受け入れて方向付ける1本又は2本以上の第1のチャネル及びヒドロゲルを受け入れて方向付ける1本又は2本以上の各々第2のチャネルを含むマイクロフルイディックチャネルとを有し、第2のチャネルは、第1のチャネルとの第1の交点のところで互いに交差し、第2のチャネルと第1のチャネルは、オリフィスまで延びる小出しチャネルを形成するよう第1の交点のところで互いに繋がり、印刷ヘッドは、各々が印刷ヘッド内のマイクロフルイディックチャネルの1つと対応すると共に作動時に印刷ヘッドのマイクロフルイディックチャネル内の流体の流れを許可し又は許可しないよう構成されたフルイディックスイッチを更に有している。一実施形態では、本システムは、オリフィスから小出しされた材料の第1の層を受け取る受け取り面と、印刷ヘッドのオリフィスを三次元空間内に位置決めする位置決めユニットとを更に含み、位置決めユニットは、印刷ヘッドに作動的に結合され、本システムは更に、印刷ヘッドのオリフィスから材料を小出しする小出し手段を含む。
【0012】
第1の観点の一実施形態では、本システムは、位置決めユニットを制御すると共に受け取り面上への印刷ヘッドからの材料の小出しを制御するプログラム可能制御プロセッサを含む。
【0013】
第1の観点の一実施形態では、1本又は2本以上の第1のチャネルは、少なくとも2本のチャネルを含み、1本又は2本以上の第1のチャネルは、第1の交点のところでそれぞれの第2のチャネルに横付けになるよう構成されている。
【0014】
第1の観点の一実施形態では、シース流体は、ヒドロゲルを交点のところで且つ/或いは小出しチャネル内でシース流体との接触時に凝固させる架橋剤を含む。
【0015】
第1の観点の一実施形態では、各第2のチャネルは、第1のチャネル及び小出しチャネルの直径よりも小さな直径を有し、第1のチャネルからの流れが小出しチャネル内でヒドロゲル周りに同軸シースを形成する。
【0016】
第1の観点の一実施形態では、ヒドロゲルは、生細胞を含む。
【0017】
第1の観点の一実施形態では、本システムは、印刷ヘッドから小出しされた過剰のシース流体を除去する流体除去特徴を更に含む。
【0018】
第1の観点の一実施形態では、受け取り面は、過剰のシース流体を流通させることができるよう寸法決めされた細孔を有する多孔質メンブレンを含む。
【0019】
第1の観点の一実施形態では、流体除去特徴は、過剰のシース流体を受け取り面から吸い取る吸収材料又は真空を含む。
【0020】
第1の観点の一実施形態では、吸収材料又は真空は、多孔質メンブレンの下方に適用される。第1の観点の一実施形態では、真空は、受け取り面の上方に適用される。
【0021】
第1の観点の一実施形態では、真空は、印刷ヘッドに設けられた1本又は2本以上の真空チャネルを通って適用され、1本又は2本以上の真空チャネルは、印刷ヘッドのオリフィスの近くに配置されたオリフィスを有する。
【0022】
第1の観点の一実施形態では、本システムは、材料を収容するリザーバを更に含み、リザーバは、印刷ヘッド内のマイクロフルイディックチャネルにそれぞれ流体結合されている。
【0023】
第1の観点の一実施形態では、印刷ヘッドは、材料をリザーバから受け入れる少なくとも2つの入口を更に有し、入口の各々は、それぞれ対応のマイクロフルイディックチャネル及びそれぞれ対応のリザーバと流体連通状態にある。
【0024】
第1の観点の一実施形態では、小出し手段は、圧力制御ユニットを含む。
【0025】
第1の観点の一実施形態では、フルイディックスイッチは、弁を含む。
【0026】
第1の観点の一実施形態では、印刷ヘッドは、オリフィスから受け取り面に向かって延びるよう構成された中空突出部を更に有する。
【0027】
第1の観点の一実施形態では、印刷ヘッドは、2本の第2のチャネルを有し、第2のチャネルの各々は、それぞれ対応のヒドロゲルを運搬するようになっており、2本の第2のチャネルは、第2の交点のところで互いに交差すると共に第2の交点のところで互いに繋がり、それにより第1の交点まで延びる第3のチャネルが形成されている。
【0028】
第2の観点では、三次元構造体の付加製造のためのシステムが提供され、このシステムは、材料を受け取って小出しする少なくとも1つの印刷ヘッドを含み、材料は、シース流体及びヒドロゲルを含む。一実施形態では、印刷ヘッドは、材料を小出しするオリフィスと、材料を受け入れてオリフィスに方向付けるマイクロフルイディックチャネルと、各々が印刷ヘッド内のマイクロフルイディックチャネルの1つとそれぞれ対応すると共に作動時に印刷ヘッドのマイクロフルイディックチャネル内の流体の流れを許可し又は許可しないよう構成されたフルイディックスイッチとを有する。一実施形態では、本システムは、オリフィスから小出しされた材料を受け取る受け取り面と、オリフィスから小出しされた過剰のシース流体を除去する流体除去特徴と、印刷ヘッドのオリフィスを三次元空間内に位置決めする位置決めユニットとを更に含み、位置決めユニットは、印刷ヘッドに作動的に結合され、本システムは更に、印刷ヘッドのオリフィスから材料を小出しする小出し手段を含む。
【0029】
第2の観点の一実施形態では、流体除去特徴は、過剰のシース流体を、受け取り面から又は受け取り面を通って且つ/或いは受け取り面上に小出しされたヒドロゲルから吸い取る真空を含む。
【0030】
第2の観点の一実施形態では、受け取り面は、過剰のシース流体を流通させることができるよう寸法決めされた細孔を有する多孔質メンブレンを含む。
【0031】
第2の観点の一実施形態では、真空は、多孔質メンブレンの下方に適用される。第2の観点の一実施形態では、真空は、受け取り面の上方に適用される。
【0032】
第2の観点の一実施形態では、真空は、印刷ヘッドに設けられた1本又は2本以上の真空チャネルを通って適用され、1本又は2本以上の真空チャネルは、印刷ヘッドのオリフィスの近くに配置されたオリフィスを有する。
【0033】
第2の観点の一実施形態では、流体除去特徴は、過剰のシース流体を受け取り面から吸い取る吸収材料を含む。
【0034】
第2の観点の一実施形態では、位置決めユニットを制御すると共に受け取り面上への印刷ヘッドからの材料の小出しを制御するプログラム可能制御プロセッサを更に含む。
【0035】
第2の観点の一実施形態では、印刷ヘッドは、オリフィスから受け取り面に向かって延びるよう構成された中空突出部を更に有する。
【0036】
第2の観点の一実施形態では、印刷ヘッドは、シース流体を受け入れて方向付ける1本又は2本以上の第1のチャネル及びヒドロゲルを受け入れて方向付ける1本又は2本以上の各々第2のチャネルを有し、第2のチャネルは、第1のチャネルとの第1の交点のところで互いに交差し、第2のチャネルと第1のチャネルは、オリフィスまで延びる小出しチャネルを形成するよう第1の交点のところで互いに繋がっている。
【0037】
第2の観点の一実施形態では、印刷ヘッドは、2本の第2のチャネルを有し、第2のチャネルの各々は、それぞれのヒドロゲルを運搬するようになっており、2本の第2のチャネルは、第2の交点のところで互いに交差すると共に第2の交点のところで互いに繋がり、それにより第1の交点まで延びる第3のチャネルが形成されている。
【0038】
第3の観点では、三次元(3D)構造体を印刷する方法が提供され、この方法は、3Dプリンタを用意するステップを含み、プリンタは、材料を小出しするオリフィスを有する少なくとも1つの印刷ヘッドと、印刷ヘッドのオリフィスから小出しされた材料の第1の層を受け取る受け取り面と、印刷ヘッドに作動的に結合されていて印刷ヘッドを三次元空間中に位置決めする位置決めユニットとを有する。一実施形態では、本方法は、小出しされるべき材料を用意するステップを更に含み、小出しされるべき材料は、シース流体及び1種類又は2種類以上のヒドロゲルを含み、本方法は、プリンタを印刷されるべき3D構造体でエンコードするステップと、小出しされるべき材料を印刷ヘッドオリフィスから小出しするステップと、小出しされた材料の第1の層を受け取り面上に被着させるステップと、次に小出しされた材料を第1の層上に及び任意の次の小出し材料の層上に被着させることによって被着ステップを繰り返し、それにより層を小出し材料の層上に3D構造体に従って幾何学的配置状態で被着させるステップと、印刷ヘッドオリフィスから小出しされた過剰のシース流体を被着ステップ中又は被着ステップ相互間における1つ又は2つ以上の時点で除去するステップとを更に含む。
【0039】
第3の観点の一実施形態では、シース流体は、ヒドロゲルをシース流体との接触時に架橋すると共に凝固させるのに適した架橋剤を含み、接触により、ヒドロゲル繊維が作製される。
【0040】
第3の観点の一実施形態では、シース流体及びヒドロゲルは、同軸配置状態で小出しされ、シース流体は、ヒドロゲルを包囲している。
【0041】
第3の観点の一実施形態では、被着ステップ及び除去ステップは、連続的に実施され、それにより、小出し材料の層が被着されると、過剰のシース流体を連続的に除去する。
【0042】
第3の観点の一実施形態では、除去ステップは、被着ステップ相互間で間欠的に且つ/或いは被着ステップと同時に実施され、それにより、小出し材料層が被着されている時に過剰のシース流体を間欠的に除去する。
【0043】
第3の観点の一実施形態では、1種類又は2種類以上のヒドロゲルは、かかるヒドロゲル中に分散された生細胞の成長及び/又は増殖を支援するようになっている。
【0044】
本発明の特徴は、添付の図面を参照して行われる以下の詳細な説明でより明らかに成ろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の印刷システムの一実施形態の斜視図である。
図2】本発明の印刷システムの一実施形態を用いて印刷されたソフトウェア設計物体及び対応の物体の斜視図である。
図3】本発明の印刷ヘッドの一実施形態の斜視図である。
図4図3の印刷ヘッドに設けられている弁の断面図であり、弁が作動されると弁メンブレンが撓む状態を示す図である。
図5図3の印刷ヘッドの別の変形実施形態の断面図である。
図6図3の印刷ヘッドの変形実施形態の平面図である。
図7】本発明の印刷ベッド組立体の一実施形態の分解組立て斜視図である。
図8図7の組み立て状態の印刷ベッドの断面図である。
図9図7の印刷ベッドの変形実施形態の断面図である。
図10】本発明の印刷ヘッドの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書に用いられる或る特定の用語の定義が以下に提供される。別段の指定がなければ、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、一般に、本発明と関連した当業者によって一般的に理解されているのと同一の意味を有する。
【0047】
本明細書で用いられる「約」という用語は、当業者によって理解されると共にこれが用いられた文脈に応じて或る程度ばらつきがあろう。当業者には明らかでない用語の使用が存在する場合、これが用いられる文脈が与えられている場合、「約」は、列記された値の±10%までを意味する。
【0048】
本明細書で用いられる「ヒドロゲル」という用語は、水と、親水性であるポリマー鎖の網状構造又は格子を含む組成物を意味している。天然ヒドロゲルの例としては、例えば、アルギン酸塩、アガロース、コラーゲン、フィブリノーゲン、ゼラチン、キトサン、ヒアルロン酸を主成分とするゲル又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。種々の合成ヒドロゲルが知られており、これらを本明細書において提供するシステム及び方法の実施形態に用いることができる。例えば、本明細書において提供するシステム及び方法の実施形態では、1種類又は2種類以上のヒドロゲルは、印刷される三次元構造体のための構造的基礎を形成する。幾つかの実施形態では、ヒドロゲルは、1種類又は2種類以上の細胞タイプの成長及び/又は増殖を支援するための能力を備え、かかる細胞タイプは、ヒドロゲル内に分散されても良く、或いは、ヒドロゲルが三次元形態で印刷された後にヒドロゲルに追加されても良い。幾つかの実施形態では、ヒドロゲルは、化学架橋剤によって架橋可能である。例えば、アルギン酸塩を含むヒドロゲルは、二価陽イオンの存在下において架橋可能であるのが良く、フィブリノーゲンを含むヒドロゲルは、トロンビンの存在下で架橋可能であるのが良く、コラーゲン又はキトサンを含むヒドロゲルは、熱又は塩基性溶液の存在下で架橋可能であるのが良い。ヒドロゲルの架橋は、ヒドロゲルの硬さを増大させ、幾つかの実施形態では、固体のように挙動するヒドロゲルの形成を可能にする。
【0049】
本明細書で用いられる「シース流体」(sheath fluid)という用語は、少なくとも一部において、小出しされるべき材料、例えばヒドロゲルを包囲し又は「シーズする(sheath)」ために用いられる液体を意味している。幾つかの実施形態では、シース流体は、水性溶剤、例えば水又はグリセロール及び化学架橋剤、例えば二価陽イオン(例えば、Ca2+、Ba2+、Sr2+等)、トロンビン、又はpH調整化学薬品、例えば炭酸水素ナトリウムのうちの1つ又は2つ以上を含む。
【0050】
本明細書で用いられる「過剰のシース流体」という用語は、印刷ヘッドオリフィスから小出しされたシース流体であって、本明細書において提供するシステム又は方法の1つ又は2つ以上の実施形態を用いて印刷される三次元構造体の一部をなさないシース流体の一部を意味している。例えば、過剰のシース流体は、印刷ヘッド内に設けられた小出しチャネル及び印刷ヘッドオリフィスを通るヒドロゲルの通過を円滑にする上で有用であると言える。過剰のシース流体は、印刷ヘッドオリフィスからいったん小出しされると、小出しされたヒドロゲルの層の表面から流れ去って受け取り表面上に流れ、かかる過剰シース流体は、この受け取り面上に集まり又はたまりを作ることができる。
【0051】
本明細書で用いられる「受け取り面」という用語は、印刷ヘッドオリフィスから小出しされた材料の第1の層が被着される表面を意味している。受け取り面は又、印刷ヘッドオリフィスから小出しされた過剰のシース流体を受け取り、この過剰のシース流体は、印刷ヘッドオリフィスから小出しされた材料の1つ又は2つ以上の層から流れ去る。幾つかの実施形態では、受け取り面は、中実材料で作られる。幾つかの実施形態では、受け取り面は、多孔質材料で作られる。例えば、幾つかの実施形態では、多孔質材料の多孔度は、シース流体を通過させることができるのに十分である。幾つかの実施形態では、受け取り面は、実質的に平坦であり、それにより小出しされた材料の第1の層を被着させることができる平坦な表面を提供する。幾つかの実施形態では、受け取り面は、印刷されるべき三次元構造体に対応したトポグラフィを有し、それにより平坦ではない第1の層を有する三次元構造体の印刷が容易になる。
【0052】
一観点では、本発明は、一般に、三次元(3D)生物学的構造体の付加製造のための装置、システム及び方法に関する。
【0053】
印刷システムの概要説明
【0054】
一観点では、本発明は、三次元構造体の付加製造のためのシステム(本明細書においては、「プリンタ」、「3Dプリンタ」又は「印刷システム」、又は「システム」とも呼ばれる)を提供する。システムは、マイクロフルイディック印刷ヘッドを含み、このマイクロフルイディック印刷ヘッドは、小出しされるべき材料を受け入れてかかる材料を方向付ける1本又は2本以上のマイクロフルイディックチャネル、マイクロフルイディックチャネルに対応していて印刷されるべき材料の流量を調節するフルイディックスイッチ、及び小出しされるべき材料を小出しする単一のオリフィスを有するマイクロフルイディック液体取り扱い装置である。
【0055】
小出しされるべき材料は、シース流体及び少なくとも1種類のヒドロゲルを含む。好ましい実施形態では、シース流体は、ヒドロゲルをシース流体との接触時に凝固させるのに適した化学架橋剤を含む。好ましい実施形態では、シース流体は、凝固状態のヒドロゲルの潤滑剤としての役目を果たす。
【0056】
マイクロフルイディックチャネルは、小出しされるべき材料を方向付けてかかる材料を制御された仕方で組み合わせる導管としての役目を果たす。マイクロフルイディックチャネルは、シース流体を受け入れてこれを方向付ける1本又は2本以上の第1のチャネルとヒドロゲルを受け入れてこれを方向付ける第2のチャネルが第1の交点のところで互いに交差して互いに繋がり、それにより印刷ヘッドのオリフィスまで延びる小出しチャネルを形成するよう印刷ヘッド内に配置される。好ましい一実施形態では、第1のチャネルは、第2のチャネルと第1の交点のところで横付けになるよう構成されている。このように、シース流体は、小出しチャネル内でヒドロゲルの各側に沿って流れるよう方向付けられる。
【0057】
好ましい実施形態では、小出しチャネル内の材料は、同軸に方向付けられ、ヒドロゲルは、小出しチャネルの中心部に集められ、シース流体は、ヒドロゲル流体を包囲し、それによりヒドロゲルの周りにシース(鞘)が形成される。シース流体がヒドロゲルを架橋するのに適した化学架橋剤を更に含む好ましい実施形態では、凝固したヒドロゲル繊維が小出しチャネル内に形成され、そして印刷ヘッドのオリフィスから小出しされる。
【0058】
一観点では、システムは、オリフィスから小出しされた材料の第1の層を受け取る受け取り面、及び印刷ヘッドのオリフィスを三次元空間内に位置決めする位置決めユニットを更に含み、位置決めユニットは、印刷ヘッドに作動的に結合される。例えば、印刷ヘッドは、3つの運動の自由度を備えた市販の電動位置決めシステムに結合されるのが良く、その結果、印刷ヘッドを受け取り面の上方に位置決めし、これを小出しされた材料が受け取り面に向かって下方に方向付けられるよう配向させることができるようになっている。
【0059】
一観点では、システムは、材料を印刷ヘッドオリフィスから小出しする手段を含むと共にこのシステムは、印刷ヘッドオリフィスの位置決めを調節するためのプログラム可能制御プロセッサを更に含むのが良く且つ/或いはかかるプログラム可能制御プロセッサとデータ通信状態にあるのが良い。プログラム可能制御プロセッサは又、印刷ヘッドオリフィスから小出しされるべき材料の小出しを制御するために使用可能である。
【0060】
図1は、本明細書において提供される3D印刷システムの一実施形態の概略斜視図である。
【0061】
図1を参照すると、システムは、マイクロフルイディック印刷ヘッド[100]を含み、マイクロフルイディック印刷ヘッド[100]は、印刷ヘッドオリフィス[114]、及び印刷ヘッド[100]から小出しされるべき材料を受け入れる少なくとも1つの入口を有する。小出しされるべき材料は、被印刷材料のリザーバ[110]内に蓄えられ、そしてそれぞれ対応の第1の連結管[122]を通って印刷ヘッドに送り出され、これら第1の連結管は、印刷ヘッドと被印刷材料リザーバとの流体連通を可能にする。図示の実施形態では、小出しされるべき材料を印刷ヘッドオリフィスから小出しする手段は、圧力制御ユニット[112]であり、この圧力制御ユニットは、それぞれ対応の第2の連結管[120]によって被印刷材料リザーバ[110]に流体結合される。圧力制御ユニットは、小出しされるべき材料を小出しするための力を提供する手段である。圧力制御ユニットは、空気圧をそれぞれ対応の第2の連結管[120]経由で被印刷材料リザーバ[110]に供給する。被印刷材料リザーバに及ぼされる圧力は、流体をリザーバから押し出してそれぞれの第1の連結管[122]経由で印刷ヘッドに押し込む。小出しされるべき材料を小出しする別の手段が図示の実施形態に用いられても良い。例えば、一連の電子制御型シリンジポンプが小出しされるべき材料を印刷ヘッドオリフィスから小出しするための力を提供するために使用できる。
【0062】
図1を参照すると、マイクロフルイディック印刷ヘッド[100]は、印刷ヘッド[100]及び印刷ヘッドオリフィス[114]を印刷ベッド[108]の上方の三次元空間内に位置決めするための3本のアーム[102,103,104]を含む3D電動ステージに結合されており、印刷ベッド[108]は、被印刷材料を受け取る表面[109]を備えている。一実施形態では、3D電動ステージ(即ち、位置決めユニット)は、垂直アーム[104]を位置決めするよう制御されるのが良く、垂直アーム[104]は、印刷ヘッドオリフィス[114]が下方に方向付けられるよう3D電動ステージのz軸に沿って延びている。電動ステージのx軸に沿って延びる第1の水平アーム[102]が不動のベースプラットフォーム[116]に固定されている。電動ステージのy軸に沿って延びる第2の水平アーム[103]が第1の水平アーム[102]の上面に可動的に結合されており、第1及び第2の水平アーム[102,103]の長手方向が互いに垂直になっている。理解されるように、アームに関して上述したように用いられる「垂直」及び「水平」という用語は、印刷ヘッドを動かす仕方について説明するものであり、必ずしもアーム自体の物理的な配向状態を制限するものではない。
【0063】
図1に示されている実施形態では、印刷ベッド[108]は、プラットフォーム[118]の頂部上に位置決めされ、プラットフォームは、第2の水平アーム[103]の上面に結合されている。この実施形態では、3D電動ステージアーム[102,103,104]は、それぞれ3つの対応のモータ[105,106,107]によって駆動されると共にプログラム可能な制御プロセッサ、例えばコンピュータ(図示せず)によって制御される。好ましい実施形態では、印刷ヘッド[100]及び印刷ベッド[108]は、3D電動ステージによってデカルト座標系の3つ全ての主要な軸に沿って一緒になって動くことができ、このステージの運動は、コンピュータソフトウェアを用いて定められる。
【0064】
理解されるように、本発明は、説明する位置決めシステムにのみ限定されることはなく、他の位置決めシステムが当該技術分野において知られている。
【0065】
図1に示された実施形態では、材料が印刷ヘッドオリフィス[114]から小出しされているとき、位置決めユニットは、ソフトウェアによって制御されたパターンをなして動かされ、それにより受け取り面[109]上に小出し材料の第1の層が形成される。小出しされた材料の追加の層が、小出し材料層の最終の3D幾何学的形状が全体としてソフトウェアにより提供される3D幾何学的設計のレプリカであるように互いに上下に積み重ねられる。3D設計は、当該技術分野において知られているように、代表的な3D・CAD(コンピュータ支援設計)ソフトウェアを用いて作成され又はディジタル画像から生成される。さらに、ソフトウェアにより生成された幾何学的形状が使用されるべき特定の材料に関する情報を含んでいる場合、本発明の一実施形態によれば、特定の形式の材料を互いに異なる幾何学的な場所に割り当てることが可能である。例えば、図2は、本明細書において提供されるシステムの一実施形態を用いて印刷された3つの3D構造体、例えば立方体[128]、中空筒体[129]、及び中空同軸筒体[130]を示している。ソフトウェアは、立方体、中空筒体及び中空同軸筒体設計例(それぞれ[125],[126],[127])を生じさせるよう用いられており、各設計例は、印刷立方体及び中空筒体を生じさせるために用いられた材料の視覚的鮮明度を提供する互いに異なる色に染色された2つの互いに異なる種類の材料(染色アルギン酸塩)を含んでいる。
【0066】
本明細書で用いる任意のソフトウェア、アプリケーション又はモジュールは、コンピュータ可読/実行可能命令を用いて実行可能であり、かかる命令は、かかるコンピュータ可読媒体に記憶され又は違ったやり方で保持されるのが良い。
【0067】
印刷ヘッド
【0068】
図3は、提供されるシステムで用いられるマイクロフルイディック印刷ヘッド[100]の一実施形態の概略斜視図である。
【0069】
図3を参照すると、図示の実施形態は、種々の流体を運ぶマイクロフルイディックチャネルを有するマイクロフルイディック印刷ヘッド[100]を示している。図示の実施形態では、マイクロフルイディックチャネルは、円筒形の形状を有している。しかしながら、円筒形以外のチャネルの形状も又、本明細書において提供される印刷ヘッドに使用できる。チャネル[200]は、架橋剤のための導管であり、チャネル[202]は、水のための導管である。図示の実施形態では、架橋剤と水は、別々に又は一緒になって、「シース流体」として役立つ。チャネル[204]は、第1のヒドロゲル組成物(「ヒドロゲルA」という)のための導管であり、チャネル[206]は、第2のヒドロゲル組成物(「ヒドロゲルB」という)のための導管である。好ましい実施形態では、1つ又は2つ以上の種類の生細胞がヒドロゲルA及び/又はヒドロゲルBと適合性があり且つオプションとしてヒドロゲルA及び/又はヒドロゲルB中に分散している。図示の実施形態では、各マイクロフルイディックチャネルは、連結管[122]内に入っている流体が印刷ヘッド[100]のそれぞれのチャネル中に入ることができるようにする流体入口[208a,208b,208c,208d]を有する。流体入口[208a,208b,208c,208d]の下流側には、各チャネルに対応した弁[210,212,214,216]が設けられている。図示の実施形態では、これらの弁は、チャネルを通る流体の流れを許可し又は許可しないよう作動可能な「フルイディックスイッチ」として役立ち、各弁は、その弁の作動及び作動停止を容易にする対応の入口[218,218a,218b,218c,218d]を有する。一実施形態では、弁[210,212,214,216]を電子的に作動させることができる。別の実施形態では、弁[210,212,214,216]を加えられる圧力の変化によって、例えば、ソレノイドピストンによって作動させることができる。互いに異なる弁の電子又は圧力による作動により、材料の小出し量の迅速な変化が容易であり、それにより小出しされる材料を制御された順序の互いに異なる材料で構成することができる。
【0070】
さらに図3を参照すると、図示の実施形態では、架橋剤チャネル[200]と水チャネル[202]は、例えば「y字形」形態をなして交点[203]のところで交差し、それにより、架橋剤及び水チャネル[200,202]の直ぐ下流側に「シース流れチャネル」[224]と呼ばれるチャネルを形成するよう互いに繋がっている。ヒドロゲルAチャネル[204]とヒドロゲルBチャネル[206]は、例えば「y字形」形態をなして交点[207]のところで交差し、それにより、2本のヒドロゲルチャネルの直ぐ下流側に「集束チャネル」[226]と呼ばれるチャネルを形成するよう互いに繋がっている。シース流れチャネル[224]と集束チャネル[226]は、上述の実施形態に関し、「三つ又」の、又は3つの枝を持つ形態をなして交点[228]のところで交差しており、この場合、集束チャネル[226]にはシース流れチャネル[224]が横付けされており、これらチャネルは、本明細書において小出しチャネル[220]と呼ばれるチャネルを形成するよう互いに繋がっている。小出しチャネル[220]は、小出しオリフィス[222]で終端している。図1に示されている好ましい実施形態では、小出しチャネルは、印刷ヘッド[100]から突き出て小出しオリフィス[114]で終端している。
【0071】
さらに図3を参照すると、図示の実施形態では、シース流れチャネル[224]及び小出しチャネル[220]は、集束チャネル[226]よりも大きな直径を有する。液圧がシース流れチャネル[224]及び集束チャネル[226]に加えられると、集束チャネル[226]内の液体は、側方に圧縮されて、集束チャネル[226]の中心軸線に沿う細い流れに「集束される」。大径シース流れチャネル[224]からの流体は、交点[228]のところで集束チャネル[226]と交差すると、集束チャネル[226]から小出しされたヒドロゲルの細い集束流れを包囲すると共にこれを包み込む。
【0072】
好ましい実施形態では、シース流れチャネル[224]内の液体は、化学架橋剤を含み、集束チャネル[226]内の液体は、1種類又は2種類以上の生細胞を含む1種類又は2種類以上の化学的に架橋可能なヒドロゲルを含む。1種類又は2種類以上の化学的に架橋可能なヒドロゲルが集束チャネル[226]内で細い流れに集束され、次に小出しチャネル[220]内の架橋剤によって包み込まれると、少なくとも、1種類又は2種類以上の化学的に架橋可能なヒドロゲルの外面は、小出しチャネル[220]内で凝固され、それにより架橋された又は「固形の」ヒドロゲル繊維が作られる。次に、ヒドロゲル繊維を小出しオリフィス[222]から制御された仕方で受け取り面上に小出しし、それにより層単位で3D構造体が構築される。
【0073】
特に好ましい実施形態では、ヒドロゲル繊維を包囲しているシース流れは、小出しチャネル[220]を通るヒドロゲル繊維の通過を円滑にするよう働くことができ、ついには、ヒドロゲル繊維が印刷ヘッドオリフィス[222]から小出しされる。
【0074】
一実施形態では、シース流体は、化学架橋剤、水又はこれらの組み合わせを含む。シース流れには化学架橋剤が含まれていない実施形態では、ヒドロゲルは、凝固されず、液体として小出しされることになる。シース流体の組成を調節して、ヒドロゲルの凝固を開始させると共に/或いは停止させるため、架橋剤チャネル弁[210]及び水チャネル弁[212]を作動させるのが良い。固体ヒドロゲルではなく液体を小出しし、又はシース流体だけを小出しすることが種々の三次元物体の幾つかの観点を構成するために望ましい場合のあることが想定される。
【0075】
一実施形態では、印刷ヘッド[100]は、1種類だけのヒドロゲル材料を受け取ってこれを小出しするよう構成されても良い。一実施形態では、印刷ヘッドは、2種類又は3種類以上のヒドロゲル材料を受け取ってこれらを小出しするよう構成されても良い。例えば、印刷ヘッド[100]が各々例えば互いに異なる種類の細胞を含む2種類のヒドロゲル材料を受け取るよう構成されている実施形態では、本明細書において提供されるシステムは、不均質細胞構造体を小出しするようプログラムされているのが良く、この場合、第1及び第2の種類の細胞を層内で且つ層相互間で制御されたパターンをなして、単独で且つ/或いは互いに組み合わせた状態に配することができる。2種類の材料相互間の境界部は、例えばソフトウェアによって制御され、プログラム可能制御プロセッサは、フルイディックスイッチ(例えば、弁[210],[212],[214],[216]のうちの1つ又は2つ以上)に命令して1本又は2本以上のマイクロフルイディックチャネル内で材料の流れを変化させ、それにより印刷ヘッドオリフィスから小出しされている材料の内容物を変化させるために用いられる。本明細書において提供される印刷ヘッドによって受け取られてこれから小出しできるヒドロゲル材料の種類数は、ユーザが実用的であるとみなす印刷ヘッドのサイズによってのみ制限される。
【0076】
図4を参照すると、一実施形態では、フルイディックスイッチは、マイクロフルイディックチャネル[308]内に形成されたボウル形の特徴部[318]を覆って配置されたメンブレン[332]を有する弁である。空気圧(図4で矢印で表されている)を弁メンブレン[332]の露出表面に加えると、弁メンブレン[332]は、ボウル形特徴部[318]中に撓曲され、それによりマイクロフルイディックチャネル[308]を通る流体の通過を遮断する。好ましい一実施形態では、弁メンブレン[332]の厚さは、約150μmである。弁メンブレンの厚さを増大させた実施形態では、当業者であれば理解されるように、加えられる弁作動空気圧をそれに応じて増大させなければならない。同様に、弾性の低い材料で形成された弁メンブレンは、高い作動圧力を必要とするであろう。当業者であれば、弁メンブレンの特定の材料に合うよう作動圧力をどのように調節すれば良いかを理解しているであろう。
【0077】
一実施形態では、印刷ヘッドは、印刷ヘッドオリフィスから小出しされるべき材料を調節する別のフルイディックスイッチを有する。例えば、弁を用いないで、各チャネルに加えられる圧力を働かせ又は働かせないようにする機構体を用いてマイクロフルイディックチャネル内の材料の流量を調節しても良い。
【0078】
一実施形態では、印刷ヘッドは、材料を印刷ヘッドから小出しするオリフィスを有する延長先端部を更に有している。かかる延長先端部は、制限された又は狭い領域、例えば多ウェル付きプレート(例えば、標準のマイクロタイタープレート、マイクロウェルプレート又は6個、24個、96個等のウェルを有するマイクロプレート)のウェル又はペトリ皿内への材料の正確な小出し及びこれら材料の堆積を容易にする。図5に示されている実施形態を参照すると、小出しオリフィス[222]の最も近くに位置する小出しチャネル[220]の一部分[500]は、小出しチャネル[220]の上流側部分よりも大きな直径を有する。延長先端部[502]は、小出しチャネルの大径部分[500]中に嵌まり込むよう構成された外部及び小出しチャネル[220]と整列するよう構成された内面(管内の中空空間を画定する)を備えた管(例えば、プラスチック、ガラス又は金属で作られる)を有する。延長先端部[502]は、小出しチャネルの大径部分[500]中に挿入されるのが良く、それにより小出しチャネル[220]の長さを延長させ、それにより延長先端部[502]のオリフィス[503]から狭い空間、例えばウェルプレートインサート[504]又はペトリ皿(図示せず)中に小出しされる材料の堆積が容易になる。
【0079】
図1に示されている実施形態を参照すると、延長先端部[130]は、印刷ヘッド[100]から延びる突出部であり、延長先端部[130]は、印刷ヘッドオリフィス[114]で終端している。この実施形態では、延長先端部[130]は、印刷ヘッドと一体である。
【0080】
一実施形態では、2種類又は3種類以上のヒドロゲル材料を本明細書において提供するシステムから小出しされたヒドロゲル繊維中に同軸に配置するのが良い。図6を参照すると、図示の実施形態では、印刷ヘッド[100]は、ヒドロゲルコア材料及びヒドロゲルシェル材料を含む同軸ヒドロゲル繊維を作るよう配置されたマイクロフルイディックチャネルを有する。図示の実施形態では、チャネル[508]内で運ばれるシェル材料は、迅速にゲル化するヒドロゲル、例えばアルギン酸塩であり、チャネル[506]内で運ばれるコア材料は、ユーザにより選択されたこれとは異なるヒドロゲル(例えば、コラーゲン又はフィブリノーゲン)である。チャネル[508]とチャネル[506]は、例えば「y字形」形態をなしてヒドロゲル集束交点[510](図3に示された交点[528]と同様)のところで交差し、それにより、チャネル[506]及びチャネル[508]の下流側に集束チャネル[226]を形成するよう互いに繋がっている。ヒドロゲル集束交点[510]のところで、シェル材料は、コア材料を同軸に集束し、その結果、シェル材料は、コア材料の周りにシース(鞘)を形成する。好ましい実施形態では、チャネル[508],[226]は、コア材料とシェル材料の同軸集束を容易にするようチャネル[506]よりも大きな直径を有している。好ましい実施形態では、シェル材料の目的は、コア材料に物理的構造支持作用を提供し、その結果、コア材料を3D幾何学的形状に形成することができるようにすることである。コアは、この材料を被着させた後に凝固させるのが良く、厳密にいった場合の凝固方法は、互いに異なるコア材料に固有である。例えば、コアは、極めてゆっくりと凝固する材料を含む場合がある。別の実施形態では、コア及びシェル材料は、同種の材料を含む。さらに別の実施形態では、シェル材料は、迅速に凝固するヒドロゲルを含み、コア材料は、ゲル化しない材料を含み、それにより、中空繊維の作製が容易である。
【0081】
一実施形態では、図6に示されている印刷ヘッド[100]は、追加のコア材料チャネルを更に有するのが良く、各コア材料チャネルは、このチャネル内の材料の流量を調節するための対応のフルイディックスイッチ、例えば弁を有する。フルイディックスイッチは、例えばプログラム可能制御プロセッサにより提供される指令によって、小出しされている繊維中のコア材料の組成に対する迅速且つ頻繁な調節を容易にする。
【0082】
一実施形態では、数個の印刷ヘッドが多数の構造体の同時印刷を可能にするよう例えば並列に配置されるのが良い。これにより、スループット生産量が増大する。
【0083】
幾つかの実施形態では、印刷ヘッドは、使い捨てである。使い捨て印刷ヘッドの使用により、互いに異なる印刷作業で用いられた材料の汚染の恐れを減少させることができる。
【0084】
印刷ヘッドは、例えば、公知のマイクロフルイディックス成形技術(例えば、注型、刻印付け又は射出成形)及び1種類又は2種類以上の成形可能なポリマー、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いて製作されるのが良い。変形例として、市販の3D印刷技術を用いて印刷ヘッドを製作しても良い。
【0085】
フルイディック除去特徴
【0086】
一観点では、本発明は、印刷ヘッドのオリフィスから小出しされた材料の第1の層が被着される受け取り面から、及びオプションとして小出しされたヒドロゲルの表面から、過剰のシース流体を除去する特徴を有する三次元構造体の付加製造システムを提供する。印刷中、過剰のシース流体が受け取り面上又は小出しされたヒドロゲルの表面上に集まり又は「たまりを作る」ことが可能である。かかるたまりは、受け取り面上への及び/又は小出しされたヒドロゲルの1つ又は2つ以上の層上への印刷ヘッドオリフィスから小出しされたヒドロゲルの堆積を妨害する場合がある。例えば、シース流体がたまりを作ることにより、小出しされたヒドロゲル繊維は、印刷中の3D構造体内のその意図した位置からスリップする場合がある。したがって、本システムの実施形態では、フルイディック除去特徴により受け取り面から、且つオプションとして小出しされたヒドロゲルの表面からの過剰のシース流体の除去により、三次元構造体の付加製造を向上させることができる。
【0087】
過剰のシース流体を受け取り面から又は小出しされたヒドロゲルの1つ又は2つ以上の層の表面から除去するには、流体をこれら表面から吸い取り、又はこれら表面からのシース流体の蒸発を可能にし又は容易にするのが良く、或いは、受け取り面が多孔質である実施形態では、過剰のシース流体を多孔質表面中に吸い込ませることによって過剰のシース流体を除去することができる。
【0088】
好ましい実施形態では、受け取り面は、多孔質材料を含み、細孔は、これを通るシース流体の通過を容易にするよう寸法決めされると共に細孔上に被着されたヒドロゲルの1つ又は2つ以上の層を支持するよう寸法決めされる。
【0089】
図7及び図8を参照すると、図示の実施形態では、印刷ベッド[108]は、多孔質メンブレン[400]を有し、多孔質メンブレンは、小出しされた材料の第1の層を受け取る表面(即ち、受け取り面)として役立つ。多孔質メンブレン[400]は、ボックス部品[408]と蓋部品[402]との間で印刷ベッド[108]内で定位置に保持される。ボックス部品[408]は、容器であり、これは、液体を受け入れて収容するのに適した形状であればどのような形状(例えば、正方形、丸形)であっても良い。ボックス部品[408]の内部の空間をチャンバ[404]という。ボックス部品[408]は、上面[409]を有し、この上面[409]は、ボックス部品[408]の上面[409]の周囲の延長部をなす凹んだリップ[412]を有する。上面[409]は、1つ又は2つ以上の壁[410]により定められた孔を有し、この孔は、凹みリップ[412]によって包囲されると共にボックス部品[408]中に延びている。
【0090】
さらに図7及び図8に示されている実施形態を参照すると、蓋部品[402]は、孔[416]が貫通して設けられている上面[403]及びボックス部品[408]の凹みリップ[412]周りに嵌まるよう構成された側壁[418]を有し、それによりボックス部品[408]の上面[409]上への蓋部品[402]の配置が容易になる。蓋部品[402]をボックス部品[408]上に配置すると、ボックス部品及び蓋部品の孔[416]は、互いに整列する。操作の際、多孔質メンブレン[400]をボックス部品[408]の上面[409]上に配置して多孔質メンブレンがボックス部品[408]の上面[409]の孔を覆って延びるようにし、次に蓋部品[402]をボックス部品[408]上の頂部上に置いてこれを下方に押す。蓋部品[402]の下向きの圧力により、多孔質メンブレン[400]がボックス部品[408]の上面[409]の孔上で引き伸ばされ、それにより多孔質メンブレン[400]をボックス部品[408]と蓋部品[402]との間に保持する。好ましい実施形態では、蓋部品[402]とボックス部品[408]は、互いにぴったりと嵌まり合い、それにより本明細書において提供するシステムの作動中、堅固な状態のままである連結部が提供される。
【0091】
さらに図7及び図8に示されている実施形態を参照すると、ボックス部品[408]は、中実ベース[414]と、流体をチャンバ[404]から遠ざかるよう方向付ける少なくとも1つの出口ダクト[406]と、チャンバ[404]の出口ダクト[406]と流体連通状態にある真空源(図示せず)とを有する。多孔質メンブレン[400]は、シース流体の通過を容易にするよう寸法決めされた細孔を有する。出口ダクト[406]に結合された真空源(図示せず)は、多孔質メンブレン[400]上に集められた過剰シース流体を、多孔質メンブレン[400]を通ってチャンバ[404]中に引き込み、そしてチャンバ[404]から出口[406]を通って引き出すよう作動されるのが良く、後には、多孔質メンブレン[400]の頂部上に小出し形態のヒドロゲル繊維が残される。
【0092】
好ましい実施形態では、過剰のシース流体を受け取り面から、オプションとして小出しされたヒドロゲルの表面から除去する特徴が、材料を多ウェル型プレート又はペトリ皿中に小出しするよう構成されたシステム内に組み込まれるのが良い。例えば、図9を参照すると、図示の実施形態では、市販のウェルプレート型インサート[504]がボックス部品[408]の頂部上に配置されている。幾つかのウェルプレート型インサート[504]は多孔質メンブレン材料[512]で作られたベースを備えたバスケット形状のものである。図示の実施形態では、ガスケット[514]は、2つの部品[504,408]相互間の封止具合を向上させるためにウェルプレート型インサート[504]とボックス部品[408]との間に配置されている。かかる実施形態では、ウェルプレート型インサート[504]の多孔質メンブレン[512]は、「受け取り面」としての役目を果たし、上述したように出口ダクト[406]に結合された真空を用いて、又は以下において説明する他のフルイディック除去特徴のうちの1つを用いて多孔質メンブレンから過剰のシース流体を除去するのが良い。
【0093】
一実施形態(図示せず)では、印刷ベッド上の受け取り面は、吸収材料を含み又は吸収材料に隣接して配置され、吸収材料は、受け取り面からの過剰のシース流体の吸収を容易にする。例えば、多孔質メンブレン材料で作られているベース(例えば、図9に示されている)又は任意他の多孔質メンブレン基材を有するウェルプレート型インサートを吸収材料、例えばスポンジの頂部上に配置するのが良く又はこれに隣接して配置するのが良い。吸収材料は、受け取り面から過剰シース流体を吸い取るよう働く。吸収材料が多孔質受け取り面の下に配置されている実施形態では、受け取り面上の過剰のシース流体は、多孔質受け取り面を通って吸収材料中に吸い込まれ、それにより過剰のシース流体が受け取り面上にたまりを作るのが阻止される。吸収材料が受け取り面の一部分の直ぐそばに又はその頂部上に(例えば、小出しされた材料の堆積を妨害しないよう受け取り面の周囲上に)配置された実施形態では、過剰のシース流体は、受け取り面から吸い取られて吸収材料中に吸い込まれることになる。
【0094】
一実施形態(図示せず)では、上述の印刷ベッドのうちの1つを用いないで、受け取り面の近くに且つ印刷ヘッドオリフィスの近くに位置する領域内に1本又は2本以上の管を設けるのが良い。1本又は2本以上の管は、真空源(図示せず)に流体結合されるのが良く、真空源は、過剰のシース流体を受け取り面から、オプションとして小出しされたヒドロゲルの表面から除去するための吸引力をもたらすことができる。かかる実施形態では、中実又は多孔質受け取り面も又使用できる。
【0095】
図10に示されている一実施形態では、印刷ヘッドは、1本又は2本以上の真空チャネル[700a,700b]を更に有するよう構成されており、1本又は2本以上の真空チャネルは各々、印刷ヘッドオリフィス[222]の近くに位置したオリフィス[702a,702b]を有する。1本又は2本以上の真空チャネル[700a,700b]は各々、1つ又は2つ以上の真空源(図示せず)との流体連通を容易にするよう構成された入口[704a,704b]を有する。印刷ヘッド[100]が真空源と流体連通状態にあるとき、1本又は2本以上の真空チャネル[700a,700b]は、材料が印刷ヘッドオリフィス[222]から小出しされている又は小出しされた受け取り面の一領域に且つ/或いは小出しされたヒドロゲルの表面領域の一部分に負圧を差し向け、それにより過剰のシース流体を受け取り面から、そしてオプションとして小出しされたヒドロゲルの表面から吸い上げ、それによりシース流体が受け取り面上且つ/或いは小出しされたヒドロゲルの表面上にたまりを作るのを阻止する。
【0096】
一実施形態では、1本又は2本以上の真空管が少なくとも部分的に、印刷ヘッドから突き出た1つ又は2つ以上の延長部をなして設けられ、延長部は、印刷ヘッドオリフィス及び小出しチャネル(例えば図10を参照されたい)を有する延長部と同一の全体方向に突き出ている。かかる実施形態では、真空管を含む1つ又は2つ以上の延長部は、小出しされて堆積されたヒドロゲルを邪魔しないよう印刷ヘッドオリフィス及び小出しチャネルを含む延長部よりもそれ以上は延びることはない。
【0097】
幾つかの実施形態では、流体除去特徴は、シース流体組成物それ自体の特徴であっても良いことが想定される。例えば、シース流体組成は、これが印刷ヘッドオリフィスから小出しされた後で蒸発するよう設計されているのが良く、それにより過剰のシース流体が受け取り面上又は小出しされたヒドロゲルの表面上にたまりを作るのが阻止される。例えば、シース流体は、小出し後に結果として蒸発をもたらし、他方、小出し前においては液体状態のままにする沸点を有するのが良い。
【0098】
三次元構造体の印刷方法
【0099】
一観点では、三次元(3D)構造体を印刷する方法が提供される。
【0100】
この方法は、最初に、印刷されるべき3D構造体のためのデザインを提供するステップを含む。このデザインは、市販のCADソフトウェアを用いて作られるのが良い。一実施形態では、このデザインは、デザイン中の特定の幾何学的場所に割り当てられるべき特定の材料に関する情報(例えば、多数の材料を含む不均質構造体に関する情報)を含む。
【0101】
この方法は、3Dプリンタの使用を含み、このプリンタは、印刷ヘッド、印刷ヘッドによって小出しされた材料を受け取る受け取り面、及び受け取り面に作動的に結合された位置決めユニットを有し、位置決めユニットは、印刷ヘッドを受け取り面の上方の三次元空間内の或る場所に位置決めするようになっている。例えば、本明細書において提供される印刷システムの種々の実施形態は、3D構造体の印刷方法に使用できる。
【0102】
この方法は、印刷ヘッドにより小出しされるべき少なくとも2種類の材料、例えばシース流体及びヒドロゲル流体を提供するステップを含む。好ましい実施形態では、1種類又は2種類以上の細胞がヒドロゲルと適合性があり、しかもオプションとしてヒドロゲル内に分散される。好ましい実施形態では、シース流体は、印刷ヘッド内且つ印刷ヘッドからのヒドロゲルの運動を円滑にする潤滑剤としての役目を果たす。好ましい実施形態では、シース流体は、ヒドロゲルが印刷ヘッドから小出しされる前に又はヒドロゲルが印刷ヘッドから小出しされている間、ヒドロゲルの少なくとも一部分を凝固させる架橋剤を含む。
【0103】
この方法は、デザインを3Dプリンタに伝達するステップを含む。伝達は、例えば、プログラム可能制御プロセッサによって達成できる。
【0104】
この方法は、三次元空間内における印刷ヘッドと受け取り面の相対的位置決めを制御し、それと同時に印刷ヘッドからシース流体及びヒドロゲルを単独で又は組み合わせ状態で小出しするステップを含む。好ましい実施形態では、印刷ヘッドから小出しされる材料を同軸に小出しし、その結果、シース流体がヒドロゲルを包み込むようにする。かかる同軸配置により、架橋剤がヒドロゲルを凝固させ、その結果として、固体ヒドロゲル繊維が得られ、かかる固体ヒドロゲル繊維は、印刷ヘッドから小出しされる。
【0105】
この方法は、小出しされた材料の第1の層を受け取り面上に被着させるステップを含み、第1の層は、デザインにより特定される材料の配置状態を含み、この方法は、被着ステップを繰り返し実施し、次の材料を材料の第1の層及びその次の材料の層上に被着させ、それによりデザインによって指定された幾何学的配置状態で小出しされた材料の層上に層を被着させて細胞含有3D構造体を作るステップを更に含む。
【0106】
好ましい実施形態では、他種類の材料、例えば他種類のヒドロゲル(これらのうちの少なくとも幾つかは、1種類又は2種類以上の細胞を含む)を制御された順序で被着させ、それにより制御された配置状態のヒドロゲル及び1種類又は2種類以上の細胞をデザインによって指定された幾何学的配置状態で被着させることができる。
【0107】
好ましい実施形態では、この方法は、過剰のシース流体を受け取り面から、及びオプションとして小出しされたヒドロゲルの表面から除去するステップを含む。例えば、過剰のシース流体を除去するステップは、印刷プロセス全体を通じて連続的に行われるのが良く、それにより、もしそうでない場合にデザインにより提供される幾何学的配置状態での小出しされた材料の層状配置を妨害する場合のある、過剰の流体を除去する。変形例として、過剰のシース流体を除去するステップは、1つ又は2つ以上の被着ステップと順序をなして又はそれと同時に印刷プロセス全体を通じて間欠的に実施されても良い。幾つかの実施形態では、過剰のシース流体の除去は、流体を受け取り面及びオプションとして小出しされたヒドロゲルの表面から吸い取ることによって達成される。別の実施形態では、過剰シース流体の除去は、過剰の流体を受け取り面中に吸い込ませることによって達成され、受け取り面は、シース流体の通過を可能にするよう寸法決めされた細孔を有する。別の実施形態では、過剰シース流体の除去は、印刷ヘッドオリフィスから小出しされた後に蒸発するシース流体を提供することによって達成される。
【0108】
細胞含有三次元構造体を印刷するシステム及び方法の実施形態の例示の使用
【0109】
幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるシステム及び方法を用いて作られる構造体は、例えば、種々の化学配合物及び組成物に対する細胞の反応を判定することが関心の対象である薬剤発見分野において有用な場合がある。本明細書において提供されるシステム及び方法の実施形態を用いて作製される3D細胞培養物の使用により、2D細胞培養物と比較して、生体内細胞及び組織条件がより厳密に似ている実験条件をもたらすことができる。細胞の3D配置は、生体内細胞間相互作用をより厳密に真似ることができ、外部刺激に対する応答及び提供される装置及び方法を用いて作製される3D構造体の不均一性は、組織及び潜在的に器官の研究を可能にする。本明細書において提供されるシステム及び方法の実施形態を用いて作製される3D細胞含有構造体は、化粧品の試験に代る手段を提供することによって化粧品業界に同様な利益をもたらすことができる。
【0110】
幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるシステム及び方法の実施形態は、標準型ウェルプレート技術と適合性がある。ウェルプレート又はウェルプレート型インサートは、本明細書において提供される方法及びシステムの印刷ベッドに用いることができ又はこの印刷ベッドの一部として使用できる。かくして、本明細書において提供されるシステム及び方法の種々の実施形態は、ウェルプレートを利用する器械及び実務と適合性があり、それにより、器械及び実務を既存のプロセスの流れに容易に組み込むことができる。
【0111】
幾つかの実施形態では、印刷ヘッド内のマイクロフルイディックチャネルは、他のマイクロフルイディックモジュールと適合性がある。例えば、公知のマイクロフルイディックモジュールは、本明細書において提供されるシステムの印刷ヘッド内にこの印刷ヘッドオリフィスの上流側で設けられるのが良い。かかるモジュールは、例えば、細胞計数モジュール、細胞選別モジュール、細胞分析モジュール及び/又は濃度勾配発生モジュールが挙げられる。
【0112】
幾つかの実施形態では、追加の印刷ヘッドをシステムに並列状態で追加することによって3D印刷のスループットを増大させることができる。各印刷ヘッドは、多材料構造体を印刷するのに必要な要素の全てを含み、かくして、システム内に追加の印刷ヘッドを設けることによって数個の3D構造体を同時に印刷することができる。
【0113】
或る特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、かかる実施形態の種々の改造例は、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載されている本発明の目的及び範囲から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本明細書において提供される実施例は、本発明を説明する目的のためにのみ提供されており、本発明をいかなる意味においても限定するものではない。本明細書において提供されている図面は、本発明の種々の観点を説明する目的で提供されているに過ぎず、縮尺に合わせて描かれることを意図しておらず又は本発明をいかなる意味においても限定するものではない。本明細書において記載される先行技術を全て参照により引用し、これらの開示内容を本明細書の一部とする。
【0114】
参考文献
【0115】
以下の参考文献は、本発明に関連した公知の技術の例示として提供されている。以下の一覧は、関連の全ての技術の包括的な一覧を提供しているわけではない。以下の技術文献を含む本明細書において記載された全ての技術文献を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
1.スー・ジュン・シン(Su-Jung Shin)、ジ・ヨン・パーク(Ji-Young Park)、ジン・ヨン・リー(Jin-Young Lee)、ホー・パーク(Ho Park )、ヨン・ドゥ・パーク(Yong-Doo Park)、キュー・バック・リー(Kyu-Back Lee)、チャン・モー・ホワン(Chang-Mo Whang)、及びサン・フーン・リー(Sang-Hoon Lee)、「『オン・ザ・フライ』コンティニュアス・ジェネレーション・オブ・アルギネイト・ファイバーズ・ユージング・ア・マイクロフルイディック・デバイス(”On the fly” continuous generation of alginate fibers using a microfluidic device)」、ラングミューア(Langmuir)、2007年、第23巻、p.9104~9108
2.サイフ・カーライル(Saif Khalil)、及びウェイ・サン(Wei Sun)、「バイオプリンティング・エンドシーリアル・セルズ・ウィズ・アルギネイト・フォア・3D・ティシュー・コンストラクツ(Bioprinting endothelial cells with alginate for 3D tissue constructs)」、ジャーナル・オブ・バイオメカニカル・エンジニアリング(Journal of Biomechanical Engineering)、2009年、第131号、p.111002‐1~111002‐8
3.ミン・フー(Min Hu)、レンシェング・デング(Rensheng Deng)、カール・エム・シューマッハ(Karl M. Schumacher)、モトイチ・クリサワ(Motoichi Kurisawa)、ホンイェ・イー(Hongye Ye)、クリスティ・プアナマワティ(Kristy Purnamawati)、及びジャッキー・ワイ・イン(Jackie Y. Ying)、「ハイドロダイナミック・スピニング・オブ・ハイドロジェル・ファイバーズ(Hydrodyanamic spinning of hydrgel fibers)」、バイオマテリアルズ(Biomaterials)、2010年、第31巻、p.863~869
4.ビュング・キム(Byung Kim)、インタエ・キム(Intae Kim)、ウーセオク・チョイ(Wooseok Choi)、スン・ウォン・キム(Sun Won Kim)、ジューサン・キム(Joosung Kim )、及びゲウンバエ・リム(Geunbae Lim)、「ファブリケーション・オブ・セル-エンキャプスレイテッド・アルギネイト・マイクロファイバー・スキャフォールド・ユージング・マイクロフルイディック・チャネル(Fabrication of cell-encapsulated alginate microfiber scaffold using microfluidic chanel)」、ジャーナル・オブ・マニュファクチャリング・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Journal of Manufacturing Science and Engineering)、2008年、第130号、p.021016-1~021016-6
5.エドワード・カン(Edward Kang)、スー・ジュン・シン(Su-Jung Shin)、クワン・ホー・リー(Kwang Ho Lee)、及びサン・ホーン・リー(Sang-Hoon Lee)、「ノーベル・PDMS・シリンドリカル・チャネルズ・ザット・ジェネレイト・コアクシアルフロー・アンド・アプリケーション・トゥ・ファブリケーション・オブ・マイクロファイバーズ・アンド・パーティクルズ(Novel PDMS cylindrical channels that generate coaxial flow, and application to fabrication of macrofibers and particles)」、ラボ・オン・ア・チップ(Lab on a Chip )、2010年、第10号、p.1856~1861
6.ヒロアキ・オノエ(Hiroaki Onoe)、リホ・ゴジョウ(Riho Gojo)、ユキコ・ツダ(Yukiko Tsuda)、ダイスケ・キリヤアンド(Daisuke Kiriyaand)、及びショウジ・タケウチ(Shoji Takeuchi)、「コア-シェル・ゲル・ワイヤーズ・フォア・ザ・コンストラクション・オブ・ラージ・エリア・ヘテロジェネオス・ストラクチャーズ・ウィズ・バイオマテリアルズ(Core-shell gel wires for the construction of large area heterogeneous structures with biomaterials)」、IEEE MEMS コンファレンス(IEEE MEMS Conference)、2010年、p.248~251
7.セタレー・ゴーバニアン(Setareh Ghorbanian)、「マイクロフルイディック・プローブ・フォア・ダイレクト・ライト・オブ・ソフト・セル・スキャフォールズ(Microfluidic probe for direct write of soft cell scaffolds)」、マギル大学工学修士論文(M. Eng. Thesis. McGill University )、カナダ、2010年
8.エドワード・カン(Edward Kang)、ジ・セオク・ジョン(Gi Seok Jeong)、ヨーン・ヨン・チョイ(Yoon Young Choi)、クワン・ホー・リー(Kwang Ho Lee)、アリ・クハデムホッセイニ(Ali Khademhosseini)、及びサン・ホーン・リー(Sang-Hoon Lee)、「ディジタリー・チューナブル・フィジコケミカル・コーディング・オブ・マテリアル・コンポジション・アンド・トポグラフィ・イン・コンティニュアス・マイクロファイバーズ(Digitally tunable physicochemical coding of material composition and topography in continuous microfibers)」、ネイチャー・マテリアルズ(Nature Materials)、2011年、第10号、p.877~883
9.欧州特許出願公開第2489779(A1)号明細書
10.米国特許出願公開第2006/0105011(A1)号明細書
11.米国特許出願公開第2011/0136162(A1)号明細書
12.米国特許出願公開第2012/0089238(A1)号明細書
13.国際公開第2012/009363(A1)号パンフレット
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10