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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】プリンタ装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 25/304 20060101AFI20240604BHJP
   B41J 25/34 20060101ALI20240604BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B41J25/304 H
B41J25/34
B41J2/32 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023069092
(22)【出願日】2023-04-20
(62)【分割の表示】P 2019066582の分割
【原出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2023083467
(43)【公開日】2023-06-15
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】FCLコンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】矢田 雄二
(72)【発明者】
【氏名】大塚 博巳
(72)【発明者】
【氏名】小口 達也
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-297006(JP,A)
【文献】特開平11-020213(JP,A)
【文献】特開平08-337029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 23/00 - 25/34
B41J 2/315 - 2/345
B41J 2/42 - 2/425
B41J 2/475 - 2/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に印刷をする印刷ヘッドと、
フレームに取り付けられたプラテンローラと、
前記印刷ヘッドを前記プラテンローラの側に付勢するヘッドバネと、
前記フレームの前記印刷ヘッドの裏面と対向する対向面の上方端部に設けられたフックと、
前記ヘッドバネの一方の端部に設けられ、前記フックに接続される支持部と、
を有し、
前記ヘッドバネは、前記支持部を軸に、前記フレームの内側から前記対向面より上方に回動することを特徴とするプリンタ装置。
【請求項2】
前記ヘッドバネはコイルバネであって、
前記支持部は、前記フックに入れられる延伸部を有し、
前記延伸部の伸びる方向と、前記ヘッドバネの軸方向とは略垂直であることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタは、商店等のレジスタや持ち運びが可能なモバイル型のレシート発行装置等の用途に幅広く用いられている。プリンタ装置には、いわゆるサーマルプリンタと呼ばれるものがあり、サーマルプリンタでは、サーマルヘッド等の印刷ヘッドとプラテンローラとの間に挟まれた記録紙に、印刷ヘッドにより印刷がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平02-144454号公報
【文献】特開平09-216436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷ヘッドを交換する場合、印刷ヘッドはヘッドバネによりプラテンローラに押されており、印刷ヘッドの着脱は容易ではない。また、ヘッドバネは、コイルバネ等であるため転がりやすく、印刷ヘッドを取り外した際に紛失しやすい。
【0005】
よって、装置において、ヘッドバネを紛失することなく、印刷ヘッドの交換のしやすいプリンタ装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態の一観点によれば、記録紙に印刷をする印刷ヘッドと、フレームに取り付けられたプラテンローラと、前記印刷ヘッドを前記プラテンローラの側に付勢するヘッドバネと、前記フレームの前記印刷ヘッドの裏面と対向する対向面の上方端部に設けられたフックと、前記ヘッドバネの一方の端部に設けられ、前記フックに接続される支持部と、を有し、前記ヘッドバネは、前記支持部を軸に、前記フレームの内側から前記対向面より上方に回動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ヘッドバネを紛失することなく、印刷ヘッドを容易に交換することのできるプリンタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】プリンタ装置の上面図
図2】第1の実施の形態のプリンタ装置の斜視図
図3】第1の実施の形態のプリンタ装置の上面図
図4】第1の実施の形態のプリンタ装置のフレームの説明図
図5】第1の実施の形態のプリンタ装置のヘッドバネの説明図(1)
図6】第1の実施の形態のプリンタ装置のヘッドバネの説明図(2)
図7】第1の実施の形態のプリンタ装置の説明図(1)
図8】第1の実施の形態のプリンタ装置の説明図(2)
図9】第1の実施の形態のプリンタ装置の説明図(3)
図10】第1の実施の形態のプリンタ装置の説明図(4)
図11】第2の実施の形態のプリンタ装置の斜視図
図12】第2の実施の形態のプリンタ装置の上面図
図13】第2の実施の形態のプリンタ装置の側面図
図14】第2の実施の形態のプリンタ装置のフレームの説明図
図15】第2の実施の形態のプリンタ装置のヘッドバネの説明図(1)
図16】第2の実施の形態のプリンタ装置のヘッドバネの説明図(2)
図17】第2の実施の形態のプリンタ装置の説明図(1)
図18】第2の実施の形態のプリンタ装置の説明図(2)
図19】第2の実施の形態のプリンタ装置の説明図(3)
図20】第2の実施の形態のプリンタ装置のヘッドバネの回動の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。また、以下、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。
【0010】
〔第1の実施の形態〕
プリンタ装置における印刷ヘッドの交換について、図1に基づき説明する。
【0011】
プリンタ装置は、印刷ヘッド10、プラテンローラ20、フレーム30、ヘッドバネ40を有している。プラテンローラ20はフレーム30に取り付けられている。印刷ヘッド10は、印刷面がプラテンローラ20側となるように配置され、ヘッドバネ40によりプラテンローラ20側に付勢されている。記録紙は、印刷ヘッド10とプラテンローラ20との間に挟まれた状態でプラテンローラ20により搬送される。
【0012】
印刷ヘッド10はサーマルヘッドであり、印刷部分に対応した発熱体が発熱し、記録紙の加熱された部分が変色して印刷される。印刷ヘッド10と記録紙とは直接接触しており、印刷ヘッド10による印刷を繰り返すことにより、印刷ヘッド10の表面が記録紙により擦られ、摩耗する場合がある。また、裏面にのりが付着しているラベル紙に印刷をすると、のりが印刷ヘッド10とプラテンローラ20とに挟まれてはみ出し、印刷ヘッド10に付着して熱により硬化して取れなくなったり、他の異物がのりに貼り付いて取れなくなる場合がある。
【0013】
そのため、印刷ヘッドを適宜交換する必要があるが、印刷ヘッド10はヘッドバネ40によりプラテンローラ20側に押されているため、印刷ヘッド10を取り外しにくく、また、印刷ヘッド10を取り付ける際にも取り付けにくい。
【0014】
更に、ヘッドバネ40がコイルバネ等である場合には、印刷ヘッド10が取り外されると転がり紛失してしまう可能性がある。
【0015】
本実施の形態は、上記のような課題を解決するものである。
【0016】
(プリンタ装置)
次に、第1の実施の形態におけるプリンタ装置について、図2及び図3に基づき説明する。図2は本実施の形態におけるプリンタ装置の斜視図であり、図3は上面図である。
【0017】
本実施の形態におけるプリンタ装置はサーマルプリンタであり、印刷ヘッド10、プラテンローラ20、フレーム130、ヘッドバネ140を有している。プラテンローラ20は回転軸21を中心に回転可能にフレーム130に取り付けられている。印刷ヘッド10は、印刷面がプラテンローラ20側となるように配置され、背面より、フレーム130との間に設けられたヘッドバネ140によりプラテンローラ20側に押されている。感熱紙などの記録紙は、印刷ヘッド10とプラテンローラ20との間に挟まれた状態で、プラテンローラ20により搬送され、印刷ヘッド10により印刷される。
【0018】
図4に示されるように、フレーム130には、印刷ヘッド10の背面と対向する対向面131に、ヘッドバネ140を支持するフック132が設けられている。フック132は、印刷ヘッド10側に突き出た形状に形成されている。
【0019】
ヘッドバネ140について、図5及び図6に基づき説明する。ヘッドバネ140はコイルバネである。図5及び図6では、ヘッドバネ140の軸方向がX1-X2方向となっており、この方向にヘッドバネ140は伸び縮みする。ヘッドバネ140は、X1側の端部140aがフレーム130側となり、X2側の端部140bが印刷ヘッド10の背面に接触し、X1-X2方向に縮められた状態でプリンタ装置に取り付けられることにより、印刷ヘッド10をプラテンローラ20側に押す。ヘッドバネ140の端部140a側にはフック132と接続される支持部141が設けられている。支持部141は、YZ面で折り曲げて形成されており、第1延伸部141a、第1折曲部141b、第2延伸部141c、第2折曲部141d、第3延伸部141e、第3折曲部141f、第4延伸部141gを有する。
【0020】
第1延伸部141aはコイル状に巻かれている部分の端部140aよりY2方向に直線状に伸びており、第1折曲部141bにおいてZ1方向に略垂直に曲げられ、Z1方向に直線状に伸びる第2延伸部141cが形成されている。更に、第2折曲部141dにおいてY1方向に略垂直に曲げることで、Y1方向に伸びる第3延伸部141eが形成されている。更に、第3折曲部141fにおいてZ2方向に略垂直に曲げることで、Z2方向に伸びる第4延伸部141gが形成されている。
【0021】
第1延伸部141aと第3延伸部141eはY1-Y2方向と平行であり、第2延伸部141cと第4延伸部141gはZ1-Z2方向と平行である。
【0022】
本実施の形態においては、第2延伸部141cをフック132の内側に入れることにより、ヘッドバネ140がフレーム130に支持される。このため、印刷ヘッド10を取り外しても、ヘッドバネ140がフレーム130より外れることはなく、ヘッドバネ140の紛失を防ぐことができる。尚、ヘッドバネ140の軸方向は、第2延伸部141cの伸びるZ1-Z2方向と略垂直である。
【0023】
本実施の形態においては、第2延伸部141cがフック132の内側に入れられた状態で、第2延伸部141cを軸にヘッドバネ140を回動させることができる。このため、印刷ヘッド10の着脱時には、ヘッドバネ140を回動させて、ヘッドバネ140の付勢力が印刷ヘッド10に加わらないようにすることができ、印刷ヘッド10の取り外しや取り付けを容易に行うことができる。
【0024】
図2及び図3は記録紙に印刷可能な状態を示しており、印刷ヘッド10がヘッドバネ140によりプラテンローラ20側に押されている。この状態では、ヘッドバネ140の軸方向は、フレーム130の対向面131に対して略垂直である。
【0025】
印刷ヘッド10を取り外す際には、図7及び図8に示すように第2延伸部141cを軸にヘッドバネ140を90°回動させて、ヘッドバネ140の付勢力が印刷ヘッド10に加わらない状態にする。この状態では、ヘッドバネ140の軸方向とフレーム130の対向面131とが平行になる。図7はヘッドバネ140を回動させた状態の斜視図であり、図8は上面図である。図7及び図8は、プラテンローラ20がフレーム130より外れた状態を示している。
【0026】
図7及び図8の状態で、ヘッドバネ140の端部140bは印刷ヘッド10の背面から離れ、印刷ヘッド10にはヘッドバネ140の付勢力が加わっていないため、容易に印刷ヘッド10を取り外すことができ、図9に示す状態にすることができる。
【0027】
また、図9に示す状態で印刷ヘッド10を取り付ける際には、印刷ヘッド10をフレーム130内に入れた後、第2延伸部141cを軸にヘッドバネ140を回動させて、図2及び図3に示すようにヘッドバネ140の付勢力が印刷ヘッド10に働く状態にする。これにより、印刷ヘッド10を容易に取り付けることができる。図10は、ヘッドバネ140を図9に示す状態より回動させた状態を示すものであり、フック132と支持部141との関係を解りやすくするために、便宜上、印刷ヘッド10を取り外した状態を示す。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態におけるプリンタ装置について、図11から図13に基づき説明する。図11は本実施の形態におけるプリンタ装置の斜視図であり、図12は上面図であり、図13は側面図である。
【0029】
本実施の形態におけるプリンタ装置は、印刷ヘッド10、プラテンローラ20、フレーム230、ヘッドバネ240を有する。プラテンローラ20は回転可能にフレーム230に取り付けられている。印刷ヘッド10は、背面より、ヘッドバネ240によりプラテンローラ20側に押されている。
【0030】
図14に示すように、印刷ヘッド10の背面と対向するフレーム230の対向面231の上方には、ヘッドバネ240を支持するフック232が設けられている。
【0031】
ヘッドバネ240について、図15及び図16に基づき説明する。ヘッドバネ240はコイルバネであり、ヘッドバネ240の軸方向、つまりX1-X2方向に伸び縮みする。ヘッドバネ240は、端部240aがフレーム230に接触し、端部240bが印刷ヘッド10の背面に接触し、X1-X2方向に縮められた状態でプリンタ装置に取り付けることにより、印刷ヘッド10をプラテンローラ20側に押す。ヘッドバネ240の端部240aの側には、フック232と接続される支持部241が設けられている。支持部241は、折り曲げて形成されており、第1延伸部241a、第1折曲部241b、第2延伸部241c、第2折曲部241d、第3延伸部241e、第3折曲部241f、第4延伸部241gを有する。
【0032】
第1延伸部241aは端部240aよりZ1方向に伸びており、第1折曲部241bにおいてX1方向に略垂直に曲げることで、X1方向に伸びる第2延伸部241cが形成されている。更に、第2折曲部241dにおいてY1方向に略垂直に曲げることで、Y1方向に直線状に伸びる第3延伸部241eが形成されている。更に、第3折曲部241fにおいてX2方向に略垂直に曲げることで、X2方向に伸びる第4延伸部241gが形成されている。
【0033】
第1延伸部241aと第3延伸部241eとは直交しており、第2延伸部241cと第4延伸部241gはX1-X2方向と平行である。
【0034】
本実施の形態においては、第3延伸部241eをフック232に入れることによりヘッドバネ240がフレーム230に支持される。このため、印刷ヘッド10を取り外しても、ヘッドバネ240はフレーム230より外れることはなく、ヘッドバネ240の紛失を防ぐことができる。尚、ヘッドバネ240の軸方向は、第3延伸部241eの伸びるY1-Y2方向と略垂直である。
【0035】
本実施の形態において、第3延伸部241eがフック232の内側に入れられた状態で、第3延伸部241eを軸にヘッドバネ240を図示上方に回動させることができる。このため、印刷ヘッド10の着脱時には、ヘッドバネ240を回動させてヘッドバネ240の付勢力が印刷ヘッド10に加わらないようにすることができ、印刷ヘッド10の取り外しや取り付けを容易に行うことができる。
【0036】
図11から図13は印刷可能な状態を示しており、印刷ヘッド10がヘッドバネ240によりプラテンローラ20側に押されている。この状態において、ヘッドバネ240は、フレーム230の内側、即ち、印刷ヘッド10側にある。
【0037】
印刷ヘッド10を取り外す際には、図17から図19に示すように、第3延伸部241eを軸にヘッドバネ240を約270°回動させて、ヘッドバネ240の付勢力が印刷ヘッド10に加わらない状態にしてから、印刷ヘッド10を取り外す。この状態では、ヘッドバネ240は、フレーム230の外側、即ち、印刷ヘッド10側とは反対側にある。図17はヘッドバネ240を回動させた状態の斜視図であり、図18は上面図であり、図19は側面図である。図17から図19は、プラテンローラ20及び印刷ヘッド10が外れている状態を示している。
【0038】
印刷ヘッド10を取り付ける際には、この状態で印刷ヘッド10をフレーム230内に入れ、第3延伸部241eを軸にヘッドバネ240を回動させて、図11から図13に示すように、ヘッドバネ240の付勢力が印刷ヘッド10に働く状態にする。
【0039】
図20は、第3延伸部241eを軸にヘッドバネ240が回動する様子を示している。図20(a)に示す、印刷ヘッド10にヘッドバネ240の付勢力が働いている状態より、ヘッドバネ240を、図20(b)の時計回りに約45°回動した状態、図20(c)の時計回りに約90°回動した状態、図20(d)の時計回りに約135°回動した状態、図20(e)の時計回りに約180°回動した状態、図20(f)の時計回りに約225°回動した状態、図20(g)の時計回りに約270°回動した状態に回動させることができる。印刷ヘッド10を取り外す際にはヘッドバネ240を図20(a)から図20(g)の順で回動させ、印刷ヘッド10を取り付ける際には、この工程と逆の工程を辿りヘッドバネ240を回動させる。
【0040】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0041】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0042】
10 印刷ヘッド
20 プラテンローラ
130 フレーム
131 対向面
132 フック
140 ヘッドバネ
141 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20