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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q30/0203
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023129052
(22)【出願日】2023-08-08
(62)【分割の表示】P 2023001606の分割
【原出願日】2023-01-10
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】高山 伸也
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-218796(JP,A)
【文献】国際公開第2014/132429(WO,A1)
【文献】特開2011-216073(JP,A)
【文献】特開2021-068076(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0325394(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又は前記ユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上で前記ユーザに対応するアバタに付与されている属性である仮想属性又は前記ユーザに対応するアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す関連性情報を取得する取得部と、
前記関連性情報において、前記仮想空間上でアバタに付与されている所定の属性である指定属性に対応する前記仮想属性又は前記仮想空間上でアバタが行う所定の活動である指定活動に対応する前記仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する出力部と、
を有し、
前記関連性情報は、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行った複数のアバタに対応する複数の前記ユーザが、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行った割合を含む、
情報処理装置。
【請求項2】
現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又は前記ユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上で前記ユーザに対応するアバタに付与されている属性である仮想属性又は前記ユーザに対応するアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す関連性情報を取得する取得部と、
前記関連性情報において、前記現実空間上で人物に付与されている所定の属性である指定属性に対応する前記現実属性又は前記現実空間上で人物が行う所定の活動である指定活動に対応する前記現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する出力部と、
を有し、
前記関連性情報は、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行った複数の前記ユーザに対応する複数のアバタが、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行った割合を含む、
情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザが利用するユーザ端末と、前記仮想空間又は前記現実空間の少なくとも一方でサービスを提供する事業者が利用する事業者端末と、の少なくとも一方において、前記指定属性又は前記指定活動の少なくとも一方の指定を受け付ける受付部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記仮想空間又は前記現実空間の少なくとも一方でサービスを提供する事業者が利用する事業者端末であって、前記抽出情報を表示した事業者端末から、広告情報を出力するための広告条件の指定を受け付ける受付部をさらに有し、
前記出力部は、前記現実属性、前記現実活動、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも1つが前記広告条件を満たす前記ユーザに対して、前記広告情報を出力する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記現実空間上の時刻と前記仮想空間上の時刻とは同期しており、
前記関連性情報は、前記現実空間上の所定の時間帯での前記現実活動と、前記仮想空間上の前記時間帯での前記仮想活動と、の関連性を示す、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記関連性情報において、前記指定活動に対応する前記仮想活動が行われた日時の前又は後の一方において、前記指定活動に対応する前記仮想活動と所定の関連性がある、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記関連性情報において、前記指定活動に対応する前記現実活動が行われた日時の前又は後の一方において、前記指定活動に対応する前記現実活動と所定の関連性がある、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を出力する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記仮想活動と、前記仮想活動が行われる前記仮想空間上の位置又は施設と、の指定を受け付ける受付部をさらに有し、
前記出力部は、前記関連性情報において、前記仮想空間上の位置又は施設における前記仮想活動と所定の関連性がある、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記関連性情報は、複数の前記仮想空間における、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方と、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示し、
前記出力部は、複数の前記仮想空間の前記関連性情報において、前記指定属性に対応する前記仮想属性又は前記指定活動に対応する前記仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記関連性情報は、複数の前記仮想空間における、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方と、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示し、
前記出力部は、複数の前記仮想空間の前記関連性情報において、前記指定属性に対応する前記現実属性又は前記指定活動に対応する前記現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を出力する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記関連性情報は、複数の前記仮想空間それぞれにおける、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方と、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示し、
前記出力部は、複数の前記仮想空間それぞれの前記関連性情報において、前記指定属性に対応する前記仮想属性又は前記指定活動に対応する前記仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を、当該仮想空間と関連付けて出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記関連性情報は、複数の前記仮想空間それぞれにおける、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方と、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示し、
前記出力部は、複数の前記仮想空間それぞれの前記関連性情報において、前記指定属性に対応する前記現実属性又は前記指定活動に対応する前記現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を、当該仮想空間と関連付けて出力する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
プロセッサが実行する、
現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又は前記ユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上で前記ユーザに対応するアバタに付与されている属性である仮想属性又は前記ユーザに対応するアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す関連性情報を取得するステップと、
前記関連性情報において、前記仮想空間上でアバタに付与されている所定の属性である指定属性に対応する前記仮想属性又は前記仮想空間上でアバタが行う所定の活動である指定活動に対応する前記仮想活動と所定の関連性がある、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力するステップと、
を有し、
前記関連性情報は、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行った複数のアバタに対応する複数の前記ユーザが、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行った割合を含む、
情報処理方法。
【請求項14】
プロセッサが実行する、
現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又は前記ユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上で前記ユーザに対応するアバタに付与されている属性である仮想属性又は前記ユーザに対応するアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す関連性情報を取得するステップと、
前記関連性情報において、前記現実空間上で人物に付与されている所定の属性である指定属性に対応する前記現実属性又は前記現実空間上で人物が行う所定の活動である指定活動に対応する前記現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力するステップと、
を有し、
前記関連性情報は、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行った複数の前記ユーザに対応する複数のアバタが、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行った割合を含む、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間に関する情報を処理するための情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮想空間において、アバタの属性及び行動を関連付けて解析することにより、アバタに対する広告等のマーケティングを行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-216073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想空間上のアバタの人物像は、現実空間上のユーザの人物像と必ずしも一致しない。特許文献1に記載された技術では、仮想空間上のアバタの属性及び行動の関連性に基づいてマーケティングを行うため、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮してマーケティングを行うことはできなかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮して、仮想空間上のアバタ及び現実空間上のユーザに関するマーケティングを行いやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又は前記ユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上で前記ユーザに対応するアバタに付与されている属性である仮想属性又は前記ユーザに対応するアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す関連性情報を取得する取得部と、前記関連性情報において、前記仮想空間上でアバタに付与されている所定の属性である指定属性に対応する前記仮想属性又は前記仮想空間上でアバタが行う所定の活動である指定活動に対応する前記仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する出力部と、を有し、前記関連性情報は、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行った複数のアバタに対応する複数の前記ユーザが、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行った割合を含む。
【0007】
本発明の第2の態様の情報処理装置は、現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又は前記ユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上で前記ユーザに対応するアバタに付与されている属性である仮想属性又は前記ユーザに対応するアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す関連性情報を取得する取得部と、前記関連性情報において、前記現実空間上で人物に付与されている所定の属性である指定属性に対応する前記現実属性又は前記現実空間上で人物が行う所定の活動である指定活動に対応する前記現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する出力部と、を有し、前記関連性情報は、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行った複数の前記ユーザに対応する複数のアバタが、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行った割合を含む。
【0008】
前記情報処理装置は、前記ユーザが利用するユーザ端末と、前記仮想空間又は前記現実空間の少なくとも一方でサービスを提供する事業者が利用する事業者端末と、の少なくとも一方において、前記指定属性又は前記指定活動の少なくとも一方の指定を受け付ける受付部をさらに有してもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記仮想空間又は前記現実空間の少なくとも一方でサービスを提供する事業者が利用する事業者端末であって、前記抽出情報を表示した事業者端末から、広告情報を出力するための広告条件の指定を受け付ける受付部をさらに有し、前記出力部は、前記現実属性、前記現実活動、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも1つが前記広告条件を満たす前記ユーザに対して、前記広告情報を出力してもよい。
【0010】
前記現実空間上の時刻と前記仮想空間上の時刻とは同期しており、前記関連性情報は、前記現実空間上の所定の時間帯での前記現実活動と、前記仮想空間上の前記時間帯での前記仮想活動と、の関連性を示してもよい。
【0011】
前記出力部は、前記関連性情報において、前記指定活動に対応する前記仮想活動が行われた日時の前又は後の一方において、前記指定活動に対応する前記仮想活動と所定の関連性がある、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を出力してもよい。
【0012】
前記出力部は、前記関連性情報において、前記指定活動に対応する前記現実活動が行われた日時の前又は後の一方において、前記指定活動に対応する前記現実活動と所定の関連性がある、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を出力してもよい。
【0013】
前記情報処理装置は、前記仮想活動と、前記仮想活動が行われる前記仮想空間上の位置又は施設と、の指定を受け付ける受付部をさらに有し、前記出力部は、前記関連性情報において、前記仮想空間上の位置又は施設における前記仮想活動と所定の関連性がある、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力してもよい。
【0014】
前記関連性情報は、複数の前記仮想空間における、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方と、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示し、前記出力部は、複数の前記仮想空間の前記関連性情報において、前記指定属性に対応する前記仮想属性又は前記指定活動に対応する前記仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を出力してもよい。
【0015】
前記関連性情報は、複数の前記仮想空間における、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方と、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示し、前記出力部は、複数の前記仮想空間の前記関連性情報において、前記指定属性に対応する前記現実属性又は前記指定活動に対応する前記現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を出力してもよい。
【0016】
前記関連性情報は、複数の前記仮想空間それぞれにおける、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方と、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示し、前記出力部は、複数の前記仮想空間それぞれの前記関連性情報において、前記指定属性に対応する前記仮想属性又は前記指定活動に対応する前記仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を、当該仮想空間と関連付けて出力してもよい。
【0017】
前記関連性情報は、複数の前記仮想空間それぞれにおける、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方と、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示し、前記出力部は、複数の前記仮想空間それぞれの前記関連性情報において、前記指定属性に対応する前記現実属性又は前記指定活動に対応する前記現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する前記抽出情報を、当該仮想空間と関連付けて出力してもよい。
【0018】
本発明の第3の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又は前記ユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上で前記ユーザに対応するアバタに付与されている属性である仮想属性又は前記ユーザに対応するアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す関連性情報を取得するステップと、前記関連性情報において、前記仮想空間上でアバタに付与されている所定の属性である指定属性に対応する前記仮想属性又は前記仮想空間上でアバタが行う所定の活動である指定活動に対応する前記仮想活動と所定の関連性がある、前記現実属性又は前記現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力するステップと、を有し、前記関連性情報は、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行った複数のアバタに対応する複数の前記ユーザが、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行った割合を含む。
【0019】
本発明の第4の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又は前記ユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上で前記ユーザに対応するアバタに付与されている属性である仮想属性又は前記ユーザに対応するアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す関連性情報を取得するステップと、前記関連性情報において、前記現実空間上で人物に付与されている所定の属性である指定属性に対応する前記現実属性又は前記現実空間上で人物が行う所定の活動である指定活動に対応する前記現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、前記仮想属性又は前記仮想活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力するステップと、を有し、前記関連性情報は、特定の前記現実属性を有し又は特定の前記現実活動を行った複数の前記ユーザに対応する複数のアバタが、特定の前記仮想属性を有し又は特定の前記仮想活動を行った割合を含む。
【0020】
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮して、仮想空間上のアバタ及び現実空間上のユーザに関するマーケティングを行いやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図3】抽出条件の指定を受け付けるための指定画面を表示している事業者端末の模式図である。
図4】例示的な関連性情報の模式図である。
図5】抽出部が仮想空間上又は現実空間上の属性又は活動を抽出する方法を説明するための模式図である。
図6】例示的な抽出情報を含む抽出結果画面を表示している事業者端末の模式図である。
図7】例示的な抽出情報を含む抽出結果画面を表示している事業者端末の模式図である。
図8】仮想空間上で広告情報を提示する方法を説明するための模式図である。
図9】実施形態に係る情報処理装置が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数のユーザ端末2と、一又は複数の事業者端末3と、を含む。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0024】
情報処理装置1は、現実空間及び仮想空間に関する情報を管理するコンピュータである。仮想空間は、コンピュータ上に形成された仮想的な空間(例えば、メタバース)である。仮想空間は、ユーザ端末2において面積又は体積を有する領域として表示される。一方、現実空間は、ユーザが生活する実際の空間(例えば、地球上の空間)である。
【0025】
情報処理装置1は、仮想空間上に、複数のユーザそれぞれが操作するアバタを表示させる。アバタは、例えば、ユーザが予め登録した2次元又は3次元の画像である。アバタは、例えば、ユーザによる操作に応じて、仮想空間上を移動し、文字、音声又は動作のうち少なくとも1つを用いて他のアバタと交流(コミュニケーション)をする。
【0026】
図1に例示したように、異なる複数の仮想空間が存在してもよい。この場合に、1つの情報処理装置1は、複数の仮想空間のうち、1つの仮想空間を管理し、又は2つ以上の仮想空間を管理する。複数の仮想空間が存在する場合に、1人のユーザが操作するアバタは、複数の仮想空間において同一であってもよく、複数の仮想空間において異なっていてもよい。
【0027】
ユーザ端末2は、複数のユーザそれぞれが利用する情報端末である。ユーザは、ユーザ端末2を用いて仮想空間上のアバタを操作する人間である。ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。ユーザ端末2は、操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する。ユーザ端末2は、ネットワークを介して情報処理装置1と通信可能である。
【0028】
事業者端末3は、事業者が利用する情報端末である。事業者は、現実空間又は仮想空間の少なくとも一方においてサービスを提供する会社や団体等の組織である。事業者が提供するサービスは、例えば、現実空間又は仮想空間における、イベントの開催や商品の販売等を含む。事業者端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。事業者端末3は、操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する。事業者端末3は、ネットワークを介して情報処理装置1と通信可能である。
【0029】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、ユーザ端末2又は事業者端末3において、抽出条件とする属性又は活動の少なくとも一方の指定を受け付ける。指定される属性は、仮想空間上でアバタに付与されている属性、又は現実空間上でユーザに付与されている属性である。属性は、例えば、性別や年齢等を含む。指定される活動は、仮想空間上でアバタが行う活動、又は現実空間上でユーザが行う活動である。活動は、例えば、イベントへの参加や商品の購入等を含む。
【0030】
情報処理装置1は、現実空間上のユーザに関する情報と仮想空間上のアバタに関する情報との関連性を示す関連性情報の関連性を示す関連性情報を取得する。関連性情報は、例えば、現実空間上でユーザに付与されている属性である現実属性又はユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上でアバタに付与されている属性である仮想属性又はアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す情報である。
【0031】
関連性情報は、例えば、特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行うアバタに対応するユーザが、特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行った割合を示す情報である。また、関連性情報は、例えば、特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行うユーザに対応するアバタが、特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行った割合を示す情報であってもよい。
【0032】
情報処理装置1は、仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する場合に、取得した関連性情報において、指定された属性に対応する仮想属性又は指定された活動に対応する仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性(例えば、ユーザの割合が50%以上であること)がある現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出する。情報処理装置1は、抽出した現実属性又は現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を、ユーザ端末2又は事業者端末3に出力する。
【0033】
情報処理装置1は、現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する場合に、取得した関連性情報において、指定された属性に対応する現実属性又は指定された活動に対応する現実活動の少なくとも一方と所定の関連性(例えば、アバタの割合が50%以上であること)がある仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出する。情報処理装置1は、抽出した仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を、ユーザ端末2又は事業者端末3に出力する。
【0034】
このように、情報処理システムSは、現実空間上の属性又は活動と仮想空間上の属性又は活動との関連性に基づいて、指定された仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を示す情報を出力し、又は指定された現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を示す情報を出力する。これにより、情報処理システムSは、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮して、仮想空間上のアバタ及び現実空間上のユーザに関するマーケティングを行いやすくすることができる。
【0035】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0036】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0037】
通信部11は、ネットワークを介してユーザ端末2又は事業者端末3との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、ユーザ端末2又は事業者端末3からネットワークを介して受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、ネットワークを介して、制御部13から出力されたデータをユーザ端末2又は事業者端末3に送信する。
【0038】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部12は、現実空間上のユーザに関する情報と仮想空間上のアバタに関する情報との関連性を示す関連性情報を予め記憶している。記憶部12は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0039】
制御部13は、受付部131と、取得部132と、抽出部133と、出力部134と、を有する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、取得部132、抽出部133及び出力部134として機能する。
【0040】
以下、情報処理システムSが実行する処理について詳細に説明する。情報処理装置1において、受付部131は、ユーザ端末2又は事業者端末3の少なくとも一方において、抽出条件とする仮想空間又は現実空間における属性又は活動の少なくとも一方の指定を受け付ける。
【0041】
仮想空間上の属性は、例えば、仮想空間における、アバタの性別、年齢層(若年、中年又は高齢の区分や年代)等を含む。仮想空間上の活動は、例えば、仮想空間における、イベントへの参加、商品の購入、活動時間帯(仮想空間へのログイン時刻等)等を含む。現実空間上の属性は、例えば、現実空間における、ユーザの性別、年齢層、居住地等を含む。現実空間上の活動は、例えば、現実空間における、イベントへの参加、商品の購入、活動時間帯(参加したイベントの開催時刻、商品の購入時刻等)等を含む。
【0042】
受付部131は、仮想空間上のアバタの属性である仮想属性又はアバタが行う活動である仮想活動の少なくとも一方を抽出条件として受け付け、又は現実空間上のユーザの属性である現実属性又はユーザが行う活動である現実活動の少なくとも一方を抽出条件として受け付ける。
【0043】
受付部131は、後述の抽出部133が仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する場合に、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方の指定を受け付ける。また、受付部131は、仮想活動に加えて、仮想活動が行われる仮想空間上の位置又は施設の指定を受け付けてもよい。受付部131は、例えば、ユーザ端末2又は事業者端末3に表示された仮想空間の地図上で選択された位置(座標やエリア)又は施設(店舗や建物)を、仮想活動が行われる仮想空間上の位置又は施設として受け付ける。
【0044】
受付部131は、抽出部133が現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する場合に、現実属性又は現実活動の少なくとも一方の指定を受け付ける。
【0045】
図3は、抽出条件の指定を受け付けるための指定画面を表示している事業者端末3の模式図である。指定画面は、ユーザ端末2に表示されてもよい。図3の例示した指定画面は仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出条件として受け付けているが、現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出条件として受け付けてもよい。
【0046】
受付部131は、ユーザ端末2又は事業者端末3から指定画面において指定された抽出条件を示す情報を受信し、受信した情報が示す抽出条件を受け付ける。以下、抽出条件として指定された仮想属性又は現実属性を指定属性といい、抽出条件として指定された仮想活動又は現実活動を指定活動という。
【0047】
また、抽出条件である指定属性又は指定活動の少なくとも一方を示す情報は、記憶部12に予め記憶されていてもよい。この場合に、受付部131がユーザ端末2又は事業者端末3において抽出条件の指定を受け付けることなく、記憶部12に予め記憶された情報に基づいて抽出条件である指定属性又は指定活動の少なくとも一方が特定される。
【0048】
取得部132は、記憶部12に予め記憶されている、仮想空間上のアバタに関する情報と現実空間上のユーザに関する情報との関連性を示す関連性情報を取得する。関連性情報は、例えば、現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す情報である。
【0049】
取得部132は、後述の抽出部133が仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する場合と、抽出部133が現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する場合と、で異なる関連性情報を取得する。
【0050】
図4(a)は、抽出部133が仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する場合の例示的な関連性情報の模式図である。関連性情報は、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、の関連性を示す情報である。
【0051】
関連性情報は、例えば、複数のアバタの仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、当該複数のアバタに対応する複数のユーザの現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、の関係を示す統計量を含む。関連性情報として用いられる統計量は、例えば、特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行った複数のアバタに対応する複数のユーザが、特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行った割合である。
【0052】
関連性情報は、例えば、過去の所定期間(例えば、過去1年間)における、特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行った複数のアバタの人数に対する、当該複数のアバタに対応する複数のユーザのうち特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行った人数の割合(例えば、比率)を算出することにより、生成される。
【0053】
図4(a)の例では、関連性情報は、仮想空間上で商品βを購入した男性、中年のアバタを操作するユーザの25%が、現実空間上で40代でありかつSNS(Social Networking Service)で芸能人ζをフォローしていることを表している。また、関連性情報は、仮想空間上で商品βを購入した女性、中年のアバタを操作するユーザの60%が、現実空間上で50代でありかつ店舗ηに来店したことを表している。
【0054】
また、関連性情報は、仮想活動が行われた日時の前又は後の一方における、当該仮想活動と現実属性又は現実活動の少なくとも一方との関連性を示してもよい。図4(a)に例示した関連性情報では、仮想活動が行われた日時の前における関連性を表す仮想活動に「(事前)」と付記されており、仮想活動が行われた日時の後における関連性を表す仮想活動に「(事後)」と付記されている。
【0055】
図4(a)の例では、関連性情報は、仮想空間上のイベントαに参加したアバタを操作するユーザの60%がイベントαの前に現実空間上のイベントγに参加し、仮想空間上のイベントαに参加したアバタを操作するユーザの85%がイベントαの後に現実空間上のイベントγに参加したことを表している。
【0056】
図4(b)は、抽出部133が現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する場合の例示的な関連性情報の模式図である。関連性情報は、現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す情報である。
【0057】
関連性情報は、例えば、複数のユーザの現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、当該複数のユーザに対応する複数のアバタの仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、の関係を示す統計量を含む。関連性情報として用いられる統計量は、例えば、特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行った複数のユーザに対応する複数のアバタが、特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行った割合である。
【0058】
関連性情報は、例えば、過去の所定期間(例えば、過去1年間)における、特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行った複数のユーザの人数に対する、当該複数のユーザに対応する複数のアバタのうち特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行った人数の割合(例えば、比率)を算出することにより、生成される。
【0059】
図4(b)の例では、関連性情報は、現実空間上で商品δを購入した男性、40代のユーザが操作するアバタの10%が、仮想空間上で女性でありかつ店舗θに来店したことを表している。また、関連性情報は、現実空間上で商品δを購入した女性、40代のユーザが操作するアバタの70%が、仮想空間上で男性でありかつ店舗θに来店したことを表している。
【0060】
また、関連性情報は、現実活動が行われた日時の前又は後の一方における、当該現実活動と仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方との関連性を示してもよい。図4(b)に例示した関連性情報では、現実活動が行われた日時の前における関連性を表す現実活動に「(事前)」と付記されており、現実活動が行われた日時の後における関連性を表す現実活動に「(事後)」と付記されている。
【0061】
図4(b)の例では、関連性情報は、現実空間上のイベントγに参加したユーザが操作するアバタの80%がイベントγの前に仮想空間上のイベントαに参加し、現実空間上のイベントγに参加したユーザが操作するアバタの60%がイベントγの後に仮想空間上のイベントαに参加したことを表している。
【0062】
図4(a)、図4(b)に示した関連性情報は一例であり、その他の情報を含んでもよく、その他の態様で記録されてもよい。取得部132は、情報処理装置1とは異なる装置に記憶された関連性情報を取得してもよい。
【0063】
関連性情報は、現実空間及び仮想空間において同じ時間帯における現実空間上のユーザに関する情報と仮想空間上のアバタに関する情報との関連性を示す情報であってもよい。この場合に、現実空間上の時刻と仮想空間上の時刻とは同期しており、現実空間が特定の時間帯(朝、昼、夜等)である時に、仮想空間も当該時間帯になる。関連性情報は、現実空間上の所定の時間帯での現実活動と、仮想空間上の当該時間帯での仮想活動と、の関連性を示す。これにより、情報処理システムSは、例えば現実空間上で夜のイベントに参加したユーザは仮想空間上でも夜のイベントに参加する傾向にある等、現実空間及び仮想空間の双方における活動が行われた時間帯を考慮したマーケティングを行うことができる。
【0064】
関連性情報は、仮想空間における位置又は施設ごとに現実空間上のユーザに関する情報と仮想空間上のアバタに関する情報との関連性を示す情報であってもよい。この場合に、関連性情報は、例えば、仮想空間上の特定の位置又は施設において特定の仮想属性を有し又は特定の仮想活動を行った複数のアバタに対応する複数のユーザが、特定の現実属性を有し又は特定の現実活動を行った割合を含む。これにより、取得部132は、仮想空間上の特定の位置又は施設における仮想空間上のアバタに関する情報と現実空間上のユーザに関する情報との関連性を示す情報を取得することができる。
【0065】
異なる複数の仮想空間が存在する場合に、関連性情報は、複数の仮想空間全てにおける、現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示してもよい。これにより、取得部132は、個別の仮想空間によらない仮想空間上のアバタに関する情報と現実空間上のユーザに関する情報との関連性を示す情報を取得することができる。また、関連性情報は、複数の仮想空間それぞれにおける、現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示してもよい。これにより、取得部132は、個別の仮想空間ごとに仮想空間上のアバタに関する情報と現実空間上のユーザに関する情報との関連性を示す情報を取得することができる。
【0066】
抽出部133は、取得部132が取得した関連性情報と、抽出条件である指定属性及び指定活動と、に基づいて、仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する第1処理と、現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する第2処理と、のうちどちらか一方を実行する。抽出部133は、第1処理又は第2処理のうち、ユーザ端末2又は事業者端末3において選択された一方を行ってもよい。抽出部133は、第1処理又は第2処理のどちらか一方のみを実行可能に構成されてもよい。
【0067】
図5は、抽出部133が仮想空間上又は現実空間上の属性又は活動を抽出する方法を説明するための模式図である。図5は第1処理における仮想空間及び現実空間の関係を表しており、第2処理の場合には仮想空間及び現実空間の関係が逆になる。
【0068】
仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する第1処理として、抽出部133は、関連性情報において、指定属性に対応する仮想属性又は指定活動に対応する仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出する。
【0069】
抽出部133は、例えば、図4(a)に例示した関連性情報において、指定属性に対応する仮想属性又は指定活動に対応する仮想活動の少なくとも一方に関連付けられた現実属性又は現実活動の少なくとも一方であって、割合が閾値(50%等)以上である現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出する。これにより、抽出部133は、指定された仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に仮想空間において該当するユーザが、現実空間において該当する蓋然性の高い現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出できる。
【0070】
関連性情報が指定活動に対応する仮想活動が行われた日時の前又は後の一方における関連性を示す場合に、抽出部133は、関連性情報において、指定活動に対応する仮想活動が行われた日時の前又は後の一方において、指定活動に対応する仮想活動と所定の関連性がある、現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出してもよい。
【0071】
この場合に、抽出部133は、例えば、図4(a)に例示した関連性情報において、仮想活動に「(事前)」と付記されている場合には仮想活動が行われた日時の前の関連性として現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出し、仮想活動に「(事後)」と付記されている場合には仮想活動が行われた日時の後の関連性として現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出する。これにより、抽出部133は、例えば、ユーザが仮想空間上のイベントに参加した後に現実空間上で特定の活動を行う傾向にある等、指定された仮想活動の前又は後の関連性に限定して現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出できる。
【0072】
受付部131が抽出条件として仮想活動が行われる仮想空間上の位置又は施設の指定を受け付けた場合に、抽出部133は、仮想空間における位置又は施設ごとの関連性を示す関連性情報において、指定された仮想空間上の位置又は施設における仮想活動と所定の関連性がある、現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出してもよい。これにより、抽出部133は、例えば、仮想空間上の特定のエリアにいるユーザが現実空間上で特定の属性を有し又は特定の活動を行う傾向にある等、仮想空間上の特定の位置又は施設における関連性に限定して現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出できる。
【0073】
異なる複数の仮想空間が存在する場合に、抽出部133は、複数の仮想空間全てにおける関連性を示す関連性情報において、指定属性に対応する仮想属性又は指定活動に対応する仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出してもよい。これにより、抽出部133は、個別の仮想空間によらない関連性に基づいて現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出できる。また、抽出部133は、複数の仮想空間それぞれにおける関連性を示す関連性情報において、指定属性に対応する仮想属性又は指定活動に対応する仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある現実属性又は現実活動の少なくとも一方を、当該仮想空間と関連付けて抽出してもよい。これにより、抽出部133は、個別の仮想空間ごとの関連性に基づいて現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出できる。
【0074】
現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する第2処理として、抽出部133は、関連性情報において、指定属性に対応する現実属性又は指定活動に対応する現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出する。
【0075】
抽出部133は、例えば、図4(b)に例示した関連性情報において、指定属性に対応する現実属性又は指定活動に対応する現実活動の少なくとも一方に関連付けられた仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方であって、割合が閾値(50%等)以上である仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出する。これにより、抽出部133は、指定された現実属性又は現実活動の少なくとも一方に現実空間において該当するユーザが、仮想空間において該当する蓋然性の高い仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出できる。
【0076】
関連性情報が指定活動に対応する現実活動が行われた日時の前又は後の一方における関連性を示す場合に、抽出部133は、関連性情報において、指定活動に対応する現実活動が行われた日時の前又は後の一方において、指定活動に対応する現実活動と所定の関連性がある、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出してもよい。
【0077】
この場合に、抽出部133は、例えば、図4(b)に例示した関連性情報において、現実活動に「(事前)」と付記されている場合には現実活動が行われた日時の前の関連性として仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出し、現実活動に「(事後)」と付記されている場合には現実活動が行われた日時の後の関連性として仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出する。これにより、抽出部133は、例えば、ユーザが現実空間上のイベントに参加した後に仮想空間上で特定の活動を行う傾向にある等、指定された現実活動の前又は後の関連性に限定して仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出できる。
【0078】
異なる複数の仮想空間が存在する場合に、抽出部133は、複数の仮想空間全てにおける関連性を示す関連性情報において、指定属性に対応する現実属性又は指定活動に対応する現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出してもよい。これにより、抽出部133は、個別の仮想空間によらない関連性に基づいて仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出できる。また、抽出部133は、複数の仮想空間それぞれにおける関連性を示す関連性情報において、指定属性に対応する現実属性又は指定活動に対応する現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を、当該仮想空間と関連付けて抽出してもよい。これにより、抽出部133は、個別の仮想空間ごとの関連性に基づいて仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出できる。
【0079】
抽出部133が仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する第1処理を実行した場合に、出力部134は、抽出部133が抽出した現実属性又は現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する。出力部134は、例えば、抽出部133が抽出した現実属性又は現実活動の少なくとも一方に該当するユーザの人数又は割合を含む抽出情報を、抽出条件の指定が行われたユーザ端末2又は事業者端末3に送信する。
【0080】
抽出部133が現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する第2処理を実行した場合に、出力部134は、抽出部133が抽出した仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する。出力部134は、例えば、抽出部133が抽出した仮想属性又は仮想活動に該当するアバタの人数又は割合を含む抽出情報を、抽出条件の指定が行われたユーザ端末2又は事業者端末3に送信する。
【0081】
ユーザ端末2又は事業者端末3は、情報処理装置1から受信した抽出情報を表示部上に表示する。図6図7は、例示的な抽出情報を含む抽出結果画面を表示している事業者端末3の模式図である。抽出結果画面は、ユーザ端末2に表示されてもよい。
【0082】
図6は、抽出部133が仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する第1処理を実行した場合の抽出結果画面を表している。抽出結果画面は、例えば、抽出情報を表すグラフ31を含む。図6の例では、抽出部133が抽出した現実属性又は現実活動それぞれに該当するアバタの人数又は割合を積み上げた棒グラフがグラフ31として表されている。
【0083】
抽出結果画面において、複数の仮想空間それぞれの抽出情報を表すグラフ31が、当該仮想空間と関連付けて表示されている。これにより、ユーザ端末2を利用するユーザ又は事業者端末3を利用する事業者は、個別の仮想空間ごとの抽出情報を容易に把握することができる。
【0084】
図7は、抽出部133が現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する第2処理を実行した場合の抽出結果画面を表している。抽出結果画面は、例えば、抽出情報を表すグラフ31を含む。図7の例では、抽出部133が抽出した仮想属性又は仮想活動それぞれに該当するアバタの人数又は割合を積み上げた棒グラフがグラフ31として表されている。
【0085】
抽出結果画面において、複数の年齢層それぞれの抽出情報を表すグラフ31が、当該年齢層と関連付けて表示されている。年齢層は、ユーザの現実属性又はアバタの仮想属性から取得される。これにより、ユーザ端末2を利用するユーザ又は事業者端末3を利用する事業者は、年齢層ごとの抽出情報を容易に把握することができる。
【0086】
情報処理装置1は、図6又は図7に例示した抽出結果画面において、ユーザ又はアバタに対する広告情報を出力するための広告条件の指定を受け付けてもよい。この場合に、抽出結果画面は、グラフ31として表示された現実属性、現実活動、仮想属性又は仮想活動のいずれかが選択されたことに応じて、選択された現実属性、現実活動、仮想属性又は仮想活動を広告条件として指定するためのボタン32を表示する。事業者端末3は、ボタン32が選択されたことに応じて、広告条件として指定された現実属性、現実活動、仮想属性又は仮想活動を示す情報を情報処理装置1に送信する。
【0087】
受付部131は、抽出情報を表示した事業者端末3から受信した情報が示す現実属性、現実活動、仮想属性又は仮想活動を、広告情報を出力するための広告条件として受け付ける。図6の例では、現実空間においてイベントγに参加したことが広告条件として設定される。図7の例では、仮想空間においてイベントαに参加したことが広告条件として設定される。
【0088】
出力部134は、現実属性、現実活動、仮想属性又は仮想活動の少なくとも1つが、受付部131が受け付けた広告条件を満たすユーザに対して、広告情報を出力する。広告情報は、例えば、抽出部133が広告条件である現実属性、現実活動、仮想属性又は仮想活動を抽出するために用いた指定属性又は指定活動を表す情報を含む。
【0089】
出力部134は、例えば、仮想空間上で、受付部131が受け付けた広告条件を満たすユーザのユーザID(Identification)に関連付けられたアバタに、広告情報を提示する。この場合に、出力部134は、例えば、受付部131が受け付けた広告条件を満たすユーザが利用するユーザ端末2に表示された仮想空間の制御を行うプログラムに、広告情報を通知する。また、出力部134は、例えば、現実空間上で、受付部131が受け付けた広告条件を満たすユーザのユーザIDを宛先として、広告情報を表示するためのメッセージ(電子メール、SNSのメッセージ等)を送信してもよい。
【0090】
図8は、仮想空間上で広告情報を提示する方法を説明するための模式図である。受付部131が受け付けた広告条件を満たすユーザが利用するユーザ端末2に表示された仮想空間の制御を行うプログラムは、仮想空間上の所定の領域(例えば、仮想空間上に配置された仮想的な看板)に、広告情報21を表示させる。広告情報21は、例えば、仮想活動が示すイベントや商品を表す文字又は画像を含む。これにより、情報処理システムSは、事業者が現実空間上の属性又は活動と仮想空間上の属性又は活動との関連性に基づいて広告条件を容易に設定可能にし、ユーザに適したマーケティングを行いやすくすることができる。
【0091】
[情報処理方法のフロー]
図9は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。受付部131は、ユーザ端末2又は事業者端末3において、抽出条件とする仮想空間又は現実空間における属性又は活動の少なくとも一方の指定を受け付ける(S11)。
【0092】
取得部132は、記憶部12に予め記憶されている、仮想空間上のアバタに関する情報と現実空間上のユーザに関する情報との関連性を示す関連性情報を取得する(S12)。関連性情報は、例えば、現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す情報である。
【0093】
抽出部133は、取得部132が取得した関連性情報と、抽出条件である指定属性及び指定活動と、に基づいて、仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する第1処理と、現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する第2処理と、のうちどちらか一方を実行する。
【0094】
抽出部133は、仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する第1処理を実行する場合に(S13のYES)、関連性情報において、指定属性に対応する仮想属性又は指定活動に対応する仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、現実属性又は現実活動の少なくとも一方を抽出する(S14)。
【0095】
抽出部133は、現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する第2処理を実行する場合に(S13のNO)、関連性情報において、指定属性に対応する現実属性又は指定活動に対応する現実活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方を抽出する(S15)。
【0096】
出力部134は、抽出部133が抽出した属性又は活動に対応する抽出情報を、抽出条件の指定が行われたユーザ端末2又は事業者端末3に出力する(S16)。抽出部133が仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を抽出する第1処理を実行した場合に、出力部134は、抽出部133が抽出した現実属性又は現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する。抽出部133が現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を抽出する第2処理を実行した場合に、出力部134は、抽出部133が抽出した仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する。
【0097】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSによれば、情報処理装置1は、現実空間上の属性又は活動と仮想空間上の属性又は活動との関連性に基づいて、指定された仮想空間上の属性又は活動に関連する現実空間上の属性又は活動を示す情報を出力し、又は指定された現実空間上の属性又は活動に関連する仮想空間上の属性又は活動を示す情報を出力する。これにより、情報処理システムSは、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮して、仮想空間上のアバタ及び現実空間上のユーザに関するマーケティングを行いやすくすることができる。
【0098】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0099】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0100】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 取得部
133 抽出部
134 出力部
2 ユーザ端末
3 事業者端末
【要約】
【課題】現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮して、仮想空間上のアバタ及び現実空間上のユーザに関するマーケティングを行いやすくする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る情報処理装置1は、現実空間上の現実属性又は現実活動の少なくとも一方と、仮想空間上の仮想属性又は仮想活動の少なくとも一方と、の関連性を示す関連性情報を取得する取得部132と、関連性情報において、仮想空間上でアバタに付与されている所定の属性である指定属性に対応する仮想属性又は仮想空間上でアバタが行う所定の活動である指定活動に対応する仮想活動の少なくとも一方と所定の関連性がある、現実属性又は現実活動の少なくとも一方に対応する抽出情報を出力する出力部134と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9