(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20240604BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20240604BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2023134468
(22)【出願日】2023-08-22
(62)【分割の表示】P 2022211836の分割
【原出願日】2022-12-28
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-087091(JP,A)
【文献】特開2001-312674(JP,A)
【文献】特開2022-187424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0200253(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対応するアバターの仮想空間における活動に対応する収益に関連する情報であるアバター収益関連情報と、現実空間における前記ユーザの収益に関連する情報であるユーザ収益関連情報とを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記アバター収益関連情報に基づいて前記アバターの収益性を評価し、前記アバターの収益性の高さを示すスコアを算出するとともに、前記取得部が取得した前記ユーザ収益関連情報に基づいて前記ユーザの収益性を評価し、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアを算出する評価部と、
前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアとの合計に基づいて前記ユーザの与信を実行する与信実行部と、
前記与信実行部が実行した与信の結果を示す与信結果情報を出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記アバター収益関連情報として、前記アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報を取得し、
前記評価部は、前記所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報に基づいて、前記アバターの収益性を評価する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、前記アバター収益関連情報に基づいて、前記アバターの仮想空間における将来の収益性を評価し、前記アバターの仮想空間における将来の収益性の高さを示すスコアを算出し、
前記与信実行部は、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアと、前記アバターの仮想空間における将来の収益性の高さを示すスコアとの合計に基づいて、前記ユーザの与信を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、前記アバター収益関連情報に基づいて、前記アバターの仮想空間における収益の実績を評価し、当該収益の実績に基づいて、前記アバターの収益性の高さを示すスコアを算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記アバター収益関連情報として、前記アバターの活動に伴う収益に基づいて形成された資産に関する情報を取得し、
前記評価部は、前記アバター収益関連情報が示す前記資産に関する情報に基づいて、前記アバターに対応する資産を評価し、前記アバターに対応する資産の多さを示すスコアを算出し、
前記与信実行部は、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアと、前記アバターに対応する資産の多さを示すスコアとの合計に基づいて、前記評価部による前記アバターに対応する資産の評価内容に基づいて、前記ユーザの与信を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記アバターの活動に伴う収益に基づいて形成された資産に関する情報として、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けられている、前記アバターに対して発行された金融機関の口座の残高情報を取得する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記ユーザに対応する複数のアバターそれぞれのアバター収益関連情報を取得し、
前記評価部は、前記取得部が取得した前記複数のアバターそれぞれのアバター収益関連情報に基づいて、前記複数のアバターそれぞれの収益性を評価し、
前記与信実行部は、前記評価部が評価した前記複数のアバターの収益性に基づいて、前記ユーザの与信を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記アバターの複数の仮想空間のそれぞれにおける活動に対応する複数のアバター収益関連情報を取得し、
前記評価部は、前記取得部が取得した前記アバターの複数のアバター収益関連情報に基づいて、前記アバターの収益性を評価する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記評価部は、複数の仮想空間のそれぞれにおける収益基準と、前記取得部が取得した前記アバターの複数の仮想空間のそれぞれにおけるアバター収益関連情報とに基づいて、前記アバターの収益性を評価する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記評価部は、現実空間における収益基準と、前記取得部が取得した前記ユーザ収益関連情報が示すユーザの収益とに基づいて、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアを算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記評価部は、前記ユーザ収益関連情報に基づいて、前記ユーザの現実空間における将来の収益性を評価し、前記ユーザの現実空間における将来の収益性の高さを示すスコアを算出し、
前記与信実行部は、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの現実空間における将来の収益性の高さを示すスコアとの合計に基づいて、前記ユーザの与信を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記評価部は、前記ユーザ収益関連情報に基づいて、前記ユーザの現実空間における収益の実績を評価し、当該収益の実績に基づいて、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアを算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記取得部は、前記ユーザ収益関連情報として、前記ユーザの収益に基づいて形成された資産に関する情報を取得し、
前記評価部は、前記ユーザ収益関連情報が示す前記ユーザの収益に基づいて形成された資産に関する情報に基づいて、前記ユーザに対応する資産を評価し、前記ユーザに対応する資産の多さを示すスコアを算出し、
前記与信実行部は、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザに対応する資産の多さを示すスコアとの合計に基づいて、前記ユーザの与信を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記与信実行部は、記憶部に記憶されている前記アバターの収益性の高さを示すスコアと前記ユーザの収益性の高さを示すスコアとの合計と、与信限度額との関係を示す情報を参照し、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアとの合計に対応する与信限度額を、前記ユーザに対応する与信限度額とすることにより、前記ユーザの与信を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する、
ユーザに対応するアバターの仮想空間における活動に対応する収益に関連する情報であるアバター収益関連情報と、現実空間における前記ユーザの収益に関連する情報であるユーザ収益関連情報とを取得するステップと、
取得した前記アバター収益関連情報に基づいて前記アバターの収益性を評価し、前記アバターの収益性の高さを示すスコアを算出するとともに、取得した前記ユーザ収益関連情報に基づいて前記ユーザの収益性を評価し、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアを算出するステップと、
算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアとの合計に基づいて前記ユーザの与信を実行するステップと、
実行した与信の結果を示す与信結果情報を出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仮想空間におけるユーザの活動に基づいてユーザの与信を管理することが行われている。例えば、特許文献1には、仮想空間としての所定のポータルサイトに加入する店舗におけるユーザの商品購入に基づいて、ユーザに対して与信枠を設定するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ユーザが、自身の分身ともなるアバターを用いて仮想空間上で活動することにより、収益を得られる機会が増加している。これに伴い、仮想空間におけるアバターの信用が生まれるものの、従来の技術では、アバターの仮想空間における活動に対する収益性を評価して与信が実行されていないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、アバターの仮想空間における活動に対する収益性を評価して与信を実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザに対応するアバターの仮想空間における活動に対応する収益に関連する情報であるアバター収益関連情報と、現実空間における前記ユーザの収益に関連する情報であるユーザ収益関連情報とを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記アバター収益関連情報に基づいて前記アバターの収益性を評価し、前記アバターの収益性の高さを示すスコアを算出するとともに、前記取得部が取得した前記ユーザ収益関連情報に基づいて前記ユーザの収益性を評価し、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアを算出する評価部と、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアとの合計に基づいて前記ユーザの与信を実行する与信実行部と、前記与信実行部が実行した与信の結果を示す与信結果情報を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記取得部は、前記アバター収益関連情報として、前記アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報を取得し、前記評価部は、前記所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報に基づいて、前記アバターの収益性を評価してもよい。
【0008】
前記評価部は、前記アバター収益関連情報に基づいて、前記アバターの仮想空間における将来の収益性を評価し、前記アバターの仮想空間における将来の収益性の高さを示すスコアを算出し、前記与信実行部は、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアと、前記アバターの仮想空間における将来の収益性の高さを示すスコアとの合計に基づいて、前記ユーザの与信を実行してもよい。
【0009】
前記評価部は、前記アバター収益関連情報に基づいて、前記アバターの仮想空間における収益の実績を評価し、当該収益の実績に基づいて、前記アバターの収益性の高さを示すスコアを算出してもよい。
【0010】
前記取得部は、前記アバター収益関連情報として、前記アバターの活動に伴う収益に基づいて形成された資産に関する情報を取得し、前記評価部は、前記アバター収益関連情報が示す前記資産に関する情報に基づいて、前記アバターに対応する資産を評価し、前記アバターに対応する資産の多さを示すスコアを算出し、前記与信実行部は、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアと、前記アバターに対応する資産の多さを示すスコアとの合計に基づいて、前記評価部による前記アバターに対応する資産の評価内容に基づいて、前記ユーザの与信を実行してもよい。
【0011】
前記取得部は、前記アバターの活動に伴う収益に基づいて形成された資産に関する情報として、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けられている、前記アバターに対して発行された金融機関の口座の残高情報を取得してもよい。
【0012】
前記取得部は、前記ユーザに対応する複数のアバターそれぞれのアバター収益関連情報を取得し、前記評価部は、前記取得部が取得した前記複数のアバターそれぞれのアバター収益関連情報に基づいて、前記複数のアバターそれぞれの収益性を評価し、前記与信実行部は、前記評価部が評価した前記複数のアバターの収益性に基づいて、前記ユーザの与信を実行してもよい。
【0013】
前記取得部は、前記アバターの複数の仮想空間のそれぞれにおける活動に対応する複数のアバター収益関連情報を取得し、前記評価部は、前記取得部が取得した前記アバターの複数のアバター収益関連情報に基づいて、前記アバターの収益性を評価してもよい。
【0014】
前記評価部は、複数の仮想空間のそれぞれにおける収益基準と、前記取得部が取得した前記アバターの複数の仮想空間のそれぞれにおけるアバター収益関連情報とに基づいて、前記アバターの収益性を評価してもよい。
【0015】
前記評価部は、現実空間における収益基準と、前記取得部が取得した前記ユーザ収益関連情報が示すユーザの収益とに基づいて、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアを算出してもよい。
【0016】
前記評価部は、前記ユーザ収益関連情報に基づいて、前記ユーザの現実空間における将来の収益性を評価し、前記ユーザの現実空間における将来の収益性の高さを示すスコアを算出し、前記与信実行部は、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの現実空間における将来の収益性の高さを示すスコアとの合計に基づいて、前記ユーザの与信を実行してもよい。
【0017】
前記評価部は、前記ユーザ収益関連情報に基づいて、前記ユーザの現実空間における収益の実績を評価し、当該収益の実績に基づいて、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアを算出してもよい。
前記取得部は、前記ユーザ収益関連情報として、前記ユーザの収益に基づいて形成された資産に関する情報を取得し、前記評価部は、前記ユーザ収益関連情報が示す前記ユーザの収益に基づいて形成された資産に関する情報に基づいて、前記ユーザに対応する資産を評価し、前記ユーザに対応する資産の多さを示すスコアを算出し、前記与信実行部は、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザに対応する資産の多さを示すスコアとの合計に基づいて、前記ユーザの与信を実行してもよい。
【0018】
前記与信実行部は、記憶部に記憶されている前記アバターの収益性の高さを示すスコアと前記ユーザの収益性の高さを示すスコアとの合計と、与信限度額との関係を示す情報を参照し、前記評価部が算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアとの合計に対応する与信限度額を、前記ユーザに対応する与信限度額とすることにより、前記ユーザの与信を実行してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、ユーザに対応するアバターの仮想空間における活動に対応する収益に関連する情報であるアバター収益関連情報と、現実空間における前記ユーザの収益に関連する情報であるユーザ収益関連情報とを取得するステップと、取得した前記アバター収益関連情報に基づいて前記アバターの収益性を評価し、前記アバターの収益性の高さを示すスコアを算出するとともに、取得した前記ユーザ収益関連情報に基づいて前記ユーザの収益性を評価し、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアを算出するステップと、算出した前記アバターの収益性の高さを示すスコアと、前記ユーザの収益性の高さを示すスコアとの合計に基づいて前記ユーザの与信を実行するステップと、実行した与信の結果を示す与信結果情報を出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、アバターの仮想空間における活動に対する収益性を評価して与信を実行することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図5】情報処理装置によるユーザの与信の実行に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を示す図である。情報処理装置1は、ユーザの与信を実行するサーバである。情報処理装置1は、ユーザが使用するスマートフォンやパソコン等のユーザ端末2に通信可能に接続されている。
【0023】
本実施形態において、ユーザは、自身の分身としてのアバターを有しており、アバターを用いて仮想空間上で活動しているものとする。仮想空間は、例えば、インターネット、オンラインゲーム、メタバース空間等である。
【0024】
情報処理装置1は、例えばユーザ端末2から、ユーザの与信の実行を要求する与信実行要求を受け付ける(
図1における(1))。情報処理装置1は、与信実行要求を受け付けると、ユーザに対応するアバターの仮想空間における活動に対応する収益に関する情報であるアバター収益関連情報を取得する(
図1における(2))。
【0025】
情報処理装置1は、取得したアバター関連情報に基づいてアバターの収益性を評価し(
図1における(3))、アバターの収益性に基づいてユーザの与信を実行する(
図1における(4))。例えば、情報処理装置1は、アバターの収益性に基づいてユーザが後払い方式の決済手段を用いて取引を行う場合の与信限度額を算出する。情報処理装置1は、与信結果として、算出した与信限度額を示す情報をユーザ端末2に通知する(
図1における(5))。このようにすることで、情報処理装置1は、アバターの仮想空間における活動に対する収益性を評価して与信を実行することができる。
【0026】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の構成の詳細を説明する。
図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0027】
通信部11は、インターネット等のネットワークを介してユーザ端末2とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、受付部131、取得部132、評価部133、与信実行部134、及び出力部135として機能させるプログラムを記憶する。
【0028】
記憶部12は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザIDと、ユーザに関する情報とを関連付けたユーザ情報を記憶する。
図3は、ユーザ情報の一例を示す図である。
図3に示すように、ユーザ情報は、ユーザのユーザIDと、ユーザ名と、ユーザの収入と、ユーザの属性と、ユーザに対して発行された金融機関等の資産を管理する口座の情報であるユーザ口座情報とを関連付けた情報であることが確認できる。ユーザの属性は、例えば、職業、年齢であるが、これに限らず、ユーザの性別、居住地域等の各種の属性を示す情報が含まれていてもよい。
【0029】
ユーザ口座情報は、例えば、銀行、電子通貨、暗号資産又は非代替性トークンに対応する、ユーザに対して発行された口座を識別する口座識別情報と、当該口座を参照するために必要となるログイン情報との組み合わせである。ここで、ユーザに対して発行された口座の残高には、ユーザの現実空間における活動により得られた収益が含まれており、当該残高の入出金情報から、ユーザの現実空間における活動により得られた収益が特定できるものとする。なお、ユーザに対して発行された口座には、ユーザの現実世界における収益に対応する金額のみが含まれており、アバターの活動により得られたアバターの収益が含まれていないようにしてもよい。
【0030】
また、記憶部12は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザに対応するアバターに関する情報とを関連付けたアバター情報を記憶する。
図4は、アバター情報の一例を示す図である。
図4に示すように、アバター情報は、ユーザのユーザIDと、ユーザが使用するアバターを識別するためのアバターIDと、アバターの名称(アバター名)と、アバターの収益に関連するアバター収益関連情報と、アバターに対して発行された金融機関等の資産を管理する口座の情報であるアバター口座情報とを関連付けた情報である。
【0031】
アバター収益関連情報は、例えば、アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報を含む。収益に関する情報は、例えば、アバターの単位期間ごとの収益及び収益予測を示す情報である。なお、アバター収益関連情報には、収益に関する情報に限らず、アバターの売上や、アバターの収益性を評価するための指標となる指標情報が含まれていてもよい。
【0032】
アバターの売上は、仮想空間において開催されたイベントへの出演等の、アバターが提供するファンコミュニティサービス等の各種サービスの売上、アバターに関連する商品の売上等のように、サービス、商品別の売上が含まれていてもよい。また、アバターの収益性を評価するための指標情報には、アバターに関する商品又はサービスが提供される店舗数、当該商品又はサービスの購入者数、店舗への来店数、ファンコミュニティサービスを利用しているアバターのファン又はサービスの会員の数が含まれていてもよい。
【0033】
また、アバター口座情報は、例えば、銀行、電子通貨又は暗号資産に対応する、アバターに対して発行された口座を識別する口座識別情報と、当該アバターの口座を参照するために必要となるログイン情報との組み合わせである。ここで、アバターに対して発行された口座の残高には、アバターの仮想空間における活動により得られた収益が含まれており、当該残高の入出金情報から、アバターの仮想空間における活動により得られた収益が特定できるものとする。なお、アバターに対して発行された口座には、ユーザの現実世界における収益に対応する金額が含まれておらず、アバターの活動により得られた収益のみが含まれていてもよい。
【0034】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、取得部132、評価部133、与信実行部134、及び出力部135として機能する。
【0035】
[与信実行要求の受付]
受付部131は、ユーザのユーザIDを含み、当該ユーザの与信の実行を要求する与信実行要求を受け付ける。例えば、受付部131は、ユーザが使用するユーザ端末2から、与信実行要求を受信することにより与信実行要求を受け付ける。ここで、与信の実行とは、例えば、後払い方式の決済手段を利用してユーザが商品又はサービスを購入するときの与信限度額を算出することである。
【0036】
[収益に関する情報の取得]
取得部132は、ユーザに対応するアバターの仮想空間における活動に対応する収益に関連する情報であるアバター収益関連情報を取得する。取得部132は、受付部131が与信実行要求を受け付けると、記憶部12に記憶されているアバター情報を参照し、与信実行要求に含まれているユーザIDに関連付けられているアバター収益関連情報を取得する。取得部132は、与信実行要求に含まれているユーザIDに複数のアバターIDが関連付けられている場合には、複数のアバターIDが示す複数のアバターそれぞれの収益関連情報を取得する。
【0037】
例えば、取得部132は、記憶部12に記憶されているアバター情報を参照し、ユーザIDに関連付けられているアバター収益関連情報として、アバターの仮想空間における収益の実績を示す情報である、単位期間ごとの収益を示す情報を取得する。また、取得部132は、記憶部12に記憶されているアバター情報を参照し、ユーザIDに関連付けられているアバター収益関連情報として、アバターの仮想空間における将来の収益性を示す情報である、単位期間ごとの収益予測を示す情報を取得する。
【0038】
また、取得部132は、記憶部12に記憶されているアバター情報を参照し、ユーザIDに関連付けられているアバター収益関連情報として、アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報を取得する。アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報は、上述したように、アバターに関するサービス及び商品別の売上、アバターに関する商品又はサービスが提供される店舗数、当該商品又はサービスの購入者数、店舗への来店数、ファンコミュニティサービスを利用しているアバターのファン又はサービスの会員の数といった指標を示す指標情報である。
【0039】
なお、取得部132は、記憶部12に記憶されているアバター情報を参照し、アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報を取得したが、これに限らない。例えば、情報処理装置1とは異なる一以上の外部装置にアバター情報が記憶されていてもよく、取得部132は、一以上の外部装置それぞれに記憶されているアバター情報を参照して、アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報を取得してもよい。
【0040】
また、取得部132は、アバター収益関連情報として、アバターの活動に伴う収益に基づいて形成された資産に関する情報であるアバター資産情報を取得する。例えば、取得部132は、アバター情報を参照し、ユーザIDに関連付けられているアバター口座情報を用いて、ユーザがアバターの名義で利用する金融機関のサーバから、アバターの活動に伴う収益に基づいて形成された資産に関する情報として、アバターに対して発行された金融機関の口座の残高情報を取得する。
【0041】
また、取得部132は、現実空間におけるユーザの収益に関する情報であるユーザ収益関連情報を取得する。例えば、取得部132は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、与信実行要求に含まれているユーザIDに関連付けられている収入、及びユーザの属性を、ユーザ収益関連情報として取得する。
【0042】
また、取得部132は、ユーザ収益関連情報として、ユーザの収益に基づいて形成された資産に関する情報を取得する。例えば、取得部132は、ユーザ情報を参照し、ユーザIDに関連付けられているユーザ口座情報を用いて、ユーザが自身の名義で利用する金融機関のサーバからユーザの収益に基づいて形成された資産に関する情報として、ユーザに対して発行された金融機関の口座の残高情報を取得する。なお、ユーザ情報に、ユーザの金融資産の情報としてのユーザが保有している株式や債券等を示す情報を記憶しておき、取得部132が、当該情報に基づいて株式や債券の評価額を取得してもよい。
【0043】
[収益に関する情報の評価]
評価部133は、取得部132が取得したユーザ及びアバターの収益に関する情報に基づいてユーザ及びアバターの収益性を評価する。
評価部133は、取得部132が一以上のアバターそれぞれに対して取得したアバター収益関連情報と、仮想空間における収益基準とに基づいて、ユーザに対応する一以上のアバターそれぞれの収益性を評価する。具体的には、評価部133は、取得部132が取得したアバター収益関連情報に基づいて、アバターの仮想空間における収益の実績と、アバターの仮想空間における将来の収益性とを評価する。
【0044】
より具体的には、評価部133は、取得部132が取得した、アバターの仮想空間における単位期間ごとの収益を示す情報と、収益基準としての仮想空間における単位期間あたりの収益の基準値とに基づいて、アバターの収益の実績に基づく収益の高さを示すスコアである第1スコアを算出する。仮想空間における単位期間あたりの収益の基準値は、複数のユーザそれぞれに対応する複数のアバターの単位期間あたりの収益の平均値又は中央値であり、予め記憶部12に記憶されているものとする。なお、収益基準としての他の基準値も記憶部12に記憶されているものとする。評価部133は、例えば、ユーザに対応するアバターの単位期間あたりの収益の平均値を算出する。評価部133は、仮想空間における単位期間あたりの収益の基準値と比較して、算出した収益の平均値が高ければ高いほど第1スコアが高くなるように第1スコアを算出する。
【0045】
また、評価部133は、アバターの仮想空間における単位期間あたりの収益予測の伸び率と、仮想空間におけるアバターの単位期間あたりの収益予測の伸び率の基準値とに基づいて、アバターの将来の収益の高さを示すスコアである第2スコアを算出する。例えば、評価部133は、ユーザに対応するアバターの単位期間あたりの収益予測の伸び率を算出し、仮想空間における単位期間あたりの収益予測の伸び率の基準値と比較して、算出した伸び率が高ければ高いほど第2スコアが高くなるように第2スコアを算出する。ここで、仮想空間における単位期間あたりの収益予測の伸び率の基準値は、例えば、複数のユーザそれぞれに対応する複数のアバターの単位期間あたりの収益予測の伸び率の平均値又は中央値である。
【0046】
また、評価部133は、アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報に基づいて、アバターの収益性を評価する。この場合、評価部133は、取得部132が取得した、アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報に基づいて、アバターの収益性を評価する。
【0047】
例えば、評価部133は、アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報としての指標情報に基づいて、収益性の高さを示す第3スコアを算出する。例えば、評価部133は、アバターに関するサービス、商品別の基準売上と比較して、アバターに関するサービス、商品別の売上が高ければ高いほど、第3スコアが高くなるように第3スコアを算出する。アバターに関するサービス、商品別の基準売上は、例えば、複数のユーザそれぞれに対応する複数のアバターのサービス、商品別の売上の平均値又は中央値である。
【0048】
また、評価部133は、アバターに関する商品又はサービスが提供される店舗数、当該商品又はサービスの購入者数、店舗への来店数、ファンコミュニティサービスを利用しているアバターのファン又はサービスの会員の数が、これら店舗数、購入者数、来店数、会員の数の基準値と比較して多ければ多いほど、第3スコアが高くなるように第3スコアを算出する。店舗数、購入者数、来店数、会員の数の基準値は、例えば、複数のユーザそれぞれの複数のアバターに対応する店舗数、購入者数、来店数、会員の数の平均値又は中央値である。
【0049】
また、評価部133は、取得部132が取得したアバター資産情報に基づいて、アバターに対応する資産を評価する。例えば、評価部133は、取得したアバター資産情報が示すアバターの資産に基づいて、アバターの資産の多さを示すスコアである第4スコアを算出する。評価部133は、複数のユーザそれぞれのアバターの資産の平均値又は中央値である資産の基準値と比較して、アバター資産情報が示すアバターの資産が多ければ多いほど第4スコアが高くなるように第4スコアを算出する。
【0050】
また、評価部133は、取得部132が取得したユーザ収益関連情報と、現実空間における収益基準とに基づいて、現実空間におけるユーザの収益性を評価する。例えば、評価部133は、取得部132が取得したユーザ収益関連情報に基づいて、現実空間におけるユーザの収益の実績を評価する。評価部133は、ユーザ収益関連情報としてのユーザの収入と、現実空間における収入の基準値とに基づいて、現実空間におけるユーザの収益の高さを示す第5スコアを算出する。現実空間における収入の基準値は、例えば、複数のユーザの収入の平均値又は中央値である。評価部133は、ユーザ収益関連情報としてのユーザの収入が、現実空間における収入の基準値に比べて多ければ多いほど、第5スコアが高くなるように第5スコアを算出する。
【0051】
また、評価部133は、ユーザ収益関連情報に基づいて、ユーザの現実空間における将来の収益性を評価する。例えば、記憶部12に、ユーザの属性としての年齢及び性別と、収入との関係を示す情報として、年齢及び性別ごとの収入の平均値又は中央値を示す情報を記憶させておく。評価部133は、取得部132が取得したユーザの収入、ユーザの年齢及び性別に基づいて、現時点におけるユーザの年齢、性別に対応する収入の平均値又は中央値と、ユーザの収入との乖離度を算出する。評価部133は、例えば、ユーザの将来の年齢に対応する収入の平均値又は中央値に対して、算出した乖離度だけ乖離させた収入を、ユーザの将来の収入として算出する。評価部133は、算出したユーザの将来の収入に基づいて、現実空間におけるユーザの将来の収益の高さを示す第6スコアを算出する。
【0052】
また、評価部133は、取得部132が取得したユーザ収益関連情報としてのユーザの収益に基づいて形成された資産に関する情報に基づいて、ユーザに対応する資産を評価する。例えば、評価部133は、ユーザ収益関連情報としてのユーザの資産に関する情報に基づいて、ユーザの資産の多さを示すスコアである第7スコアを算出する。評価部133は、現実空間における資産の金額の平均値又は中央値に比べて、ユーザの資産の金額が多ければ多いほど第7スコアが高くなるように第7スコアを算出する。
【0053】
与信実行部134は、評価部133が評価したアバターの収益性と、ユーザの収益性とに基づいてユーザの与信を実行する。具体的には、与信実行部134は、アバターの収益の実績の評価内容を示す第1スコア、アバターの将来の収益性の評価内容を示す第2スコア、アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益の評価内容を示す第3スコア、アバターに対応する資産の評価内容を示す第4スコア、ユーザの収益の実績の評価内容を示す第5スコア、ユーザの将来の収益性の評価内容を示す第6スコア、及びユーザに対応する資産の評価内容を示す第7スコアに基づいてユーザの与信を実行する。
【0054】
例えば、与信実行部134は、第1スコアから第7スコアまでを合計した合計スコアを算出する。記憶部12には、合計スコアと与信限度額との関係を示す情報が記憶されている。与信実行部134は、算出した合計スコアと、記憶部12に記憶されている合計スコアと与信限度額との関係を示す情報とに基づいて、算出した合計スコアに対応する与信限度額を、ユーザに対応する与信限度額に設定する。
【0055】
出力部135は、与信実行部134が実行した与信結果を出力する。例えば、出力部135は、与信実行要求を送信したユーザ端末2に、与信結果として与信実行部134が設定した与信限度額を示す限度額情報を送信する。このようにすることで、ユーザ端末2のユーザは、後払い方式の決済手段を用いて商品等を購入するときの与信限度額を確認することができる。なお、出力部135は、ユーザを識別するユーザIDと、設定された与信限度額とを含む与信実行部134が実行した与信結果を、クレジットカード会社等の他の決済事業者のサーバ等に送信し、与信結果を他の決済事業者と共有するようにしてもよい。
【0056】
[動作フロー]
続いて、情報処理装置1の処理の流れについて説明する。
図5は、情報処理装置1によるユーザの与信の実行に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、受付部131がユーザ端末2から、ユーザIDを含む与信の実行を要求する与信実行要求を受け付けると、取得部132は、当該ユーザIDに対応するアバター収益関連情報を取得するとともにユーザ収益関連情報を取得する(S1)。
【0057】
続いて、評価部133は、アバター収益関連情報に基づいてユーザに対応するアバターの収益性を評価するとともに、ユーザ収益関連情報に基づいてユーザの収益性を評価する(S2、S3)。なお、本フローチャートでは、S2の処理の後にS3の処理が行われることとしたが、これに限らず、S3の処理の後にS2の処理が行われたり、S2の処理とS3の処理とが並列に行われたりしてもよい。
【0058】
続いて、与信実行部134は、評価部133が評価したアバターの収益性と、ユーザの収益性とに基づいて与信限度額を設定する(S4)。
続いて、出力部135は、与信実行部134により設定された与信限度額を示す限度額情報を、与信実行要求を送信したユーザ端末2に出力する(S5)。
【0059】
[変形例1]
上述の説明において、与信の実行は、後払い方式の決済手段を利用してユーザが商品等を購入するときの与信限度額を算出することであるものとしたが、これに限らない。与信の実行は、ユーザの現実空間における与信取引に係る取引情報に関し、当該与信取引を許可するか否かを判定することであってもよい。
【0060】
この場合、受付部131は、ユーザの現実空間における与信取引に係る取引情報を含み、当該取引情報に係る与信取引に対応する与信の実行を要求する与信実行要求を取得する。取引情報には、ユーザのユーザIDと、当該与信取引においてユーザが支払う支払金額とが含まれている。
【0061】
取得部132は、受付部131が与信実行要求を取得したことに応じて、アバター収益関連情報及びユーザ収益関連情報を取得する。評価部133は、取得部132が取得したアバター収益関連情報に基づいてユーザに対応するアバターの収益性を評価するとともに、取得部132が取得したユーザ収益関連情報に基づいて当該ユーザの収益性を評価する。与信実行部134は、評価部133が評価したアバターの収益性及びユーザの収益性と、取引情報に含まれる支払金額とに基づいて、当該取引情報に係る与信取引を許可するか否かを判定する。出力部135は、与信実行部134による判定結果を示す判定結果情報を出力する。
【0062】
[変形例2]
上述の説明において、与信実行部134は、評価部133が評価したアバターの収益性及びユーザの収益性に基づいてユーザの与信を実行したが、これに限らない。評価部133がユーザの収益性を評価せずに、与信実行部134が、評価部133が評価したアバターの収益性のみに基づいてユーザの与信を実行してもよい。例えば、与信実行部134は、評価部133が評価したアバターの収益性を示す第1スコアから第4スコアを合計した合計スコアに基づいてユーザの与信を実行してもよいし、アバターの収益性を示す第1スコアから第4スコアのうち、少なくともいずれかのスコアを用いてユーザの与信を実行してもよい。
【0063】
[変形例3]
上述の説明において、記憶部12は、アバターIDに対して、アバターの仮想空間における活動に対応する一つのアバター収益関連情報を関連付けて記憶したが、これに限らない。記憶部12は、アバターIDに対して、アバターの複数の仮想空間のそれぞれにおける活動に対応する複数のアバター収益関連情報を関連付けて記憶してもよい。
【0064】
この場合、取得部132は、記憶部12に記憶されているアバター情報を参照し、アバターの複数の仮想空間のそれぞれにおける活動に対応する複数のアバター収益関連情報を取得する。そして、評価部133は、取得部132が取得したアバターの複数のアバター収益関連情報に基づいて、アバターの収益性を評価する。例えば、評価部133は、複数の仮想空間のそれぞれにおける収益基準と、取得部132が取得したアバターの複数の仮想空間のそれぞれにおけるアバター収益関連情報とに基づいて、アバターの収益性を評価する。
【0065】
インターネット、オンラインゲーム、メタバース空間等の複数の仮想空間のそれぞれにおける収益基準が異なるところ、評価部133が、複数の仮想空間のそれぞれにおける収益基準と、アバターの複数の仮想空間のそれぞれにおけるアバター収益関連情報とに基づいて、複数の仮想空間それぞれにおけるアバターの収益性を適正に評価することができる。
【0066】
[変形例4]
上述の説明において、評価部133は、アバター収益関連情報としての、アバターの仮想空間における将来の収益性を示す情報に基づいて、アバターの将来の収益性を評価したが、これに限らない。例えば、評価部133は、アバターが仮想空間において所定のサービスを提供したことに応じて発生した収益に関する情報にさらに基づいて、アバターの将来の収益性を評価してもよい。
【0067】
この場合、取得部132は、複数の期間それぞれにおける、アバターの収益に関する指標情報としての、サービス及び商品別の売上、アバターに関する商品又はサービスが提供される店舗数、当該商品又はサービスの購入者数、店舗への来店数、ファンコミュニティサービスを利用しているアバターのファン又はサービスの会員の数を示す情報を取得する。評価部133は、取得した複数の期間それぞれの指標情報に基づいて、複数の指標の将来の状態を推定し、推定した複数の指標の将来の状態に基づいて、アバターの将来の収益性を評価する。例えば、評価部133は、複数の指標に、増加傾向を示す指標が含まれる割合が多い場合には、アバターの仮想空間における将来の収益性を示す情報に基づいて算出した第2スコアが高くなるように第2スコアを調整する。
【0068】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザに対応するアバターの仮想空間における活動に対応する収益に関連する情報であるアバター収益関連情報を取得し、取得したアバター収益関連情報に基づいてアバターの収益性を評価し、当該アバターの収益性に基づいてユーザの与信を実行し、当該与信の結果を示す与信結果情報を出力する。このようにすることで、情報処理装置1は、アバターの仮想空間における活動に対する収益性を評価して与信を実行することができる。
【0069】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0070】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0071】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 取得部
133 評価部
134 与信実行部
135 出力部
【要約】 (修正有)
【課題】アバターの仮想空間での活動に対する収益性を評価して与信を実行する。
【解決手段】情報処理装置1は、ユーザに対応するアバターの仮想空間での活動に対応する収益に関する情報であるアバター収益関連情報と、現実空間でのユーザの収益に関連する情報であるユーザ収益関連情報とを取得する取得部132と、取得部132が取得したアバター収益関連情報に基づいてアバターの収益性を評価し、アバターの収益性の高さを示すスコアを算出するとともに、取得部132が取得したユーザ収益関連情報に基づいてユーザの収益性を評価し、ユーザの収益性の高さを示すスコアを算出する評価部133と、評価部133が算出したアバターの収益性の高さを示すスコアと、ユーザの収益性の高さを示すスコアとの合計に基づいてユーザの与信を実行する与信実行部134と、与信実行部134が実行した与信の結果を示す与信結果情報を出力する出力部135と、を有する。
【選択図】
図2