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特許7498354デュアル動力源駆動減速機用のデフロック及びパーキング構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】デュアル動力源駆動減速機用のデフロック及びパーキング構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 23/04 20060101AFI20240604BHJP
   F16H 63/34 20060101ALI20240604BHJP
   B60T 1/06 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B60K23/04 Z
F16H63/34
B60K23/04 D
B60T1/06 G
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023501180
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2020104044
(87)【国際公開番号】W WO2022007015
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】202010647814.X
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン-ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】リ ジャンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ム グオドン
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-247803(JP,A)
【文献】特開2019-006173(JP,A)
【文献】特開2014-065395(JP,A)
【文献】特開2016-098970(JP,A)
【文献】特開2008-089092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 23/04
F16H 63/34
B60T 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアル動力源駆動減速機用のデフロック及びパーキング構造であって、
第一軸、第二軸、デフロック機構及びパーキング機構を含み、前記第一軸及び前記第二軸がそれぞれデュアル動力源と直接的又は間接的に接続されており、かつ、前記第一軸及び前記第二軸が同軸に設けられており、前記デフロック機構及び前記パーキング機構が前記第一軸及び前記第二軸の末端に設けられており、
前記デフロック機構が、可動ギアプレートアセンブリ、固定ギアプレートアセンブリ及び固定アーマチュアアセンブリを含み、前記可動ギアプレートアセンブリが前記第一軸に摺接され、前記固定ギアプレートアセンブリが前記第二軸に固定接続されており、前記第一軸と前記第二軸との相対回動をロックする必要がある場合、前記固定アーマチュアアセンブリが通電されて電磁力を発生させて、前記可動ギアプレートアセンブリを前記固定ギアプレートアセンブリに向けて移動させ、前記可動ギアプレートアセンブリ及び前記固定ギアプレートアセンブリの端面歯を介して互いに噛み合わせ、
前記パーキング機構が、パーキングギア、ポールアセンブリ及びパーキングカムアセンブリを含み、前記パーキングギアと前記固定ギアプレートアセンブリとが一体的に設けられており、前記パーキングカムアセンブリが、前記ポールアセンブリをパーキングイン位置とパーキングアウト位置との間で切り替えるように駆動するために用いられ、前記ポールアセンブリがパーキングイン位置にある場合、前記ポールアセンブリが前記パーキングギアに接合される、ことを特徴とするデュアル動力源駆動減速機用のデフロック及びパーキング構造。
【請求項2】
前記可動ギアプレートアセンブリが、可動ギアスリーブと、可動アーマチュアとを含み、
前記可動ギアスリーブが前記第一軸に摺接され、前記可動ギアスリーブの前端面に端面歯が設けられており、前記可動アーマチュアが軸受を介して前記可動ギアスリーブの後端に回転可能に外装されており、前記固定アーマチュアアセンブリが通電されると、前記可動アーマチュアが前記減速機の筐体に設けられた前記固定アーマチュアアセンブリに吸着されるまで、前記可動アーマチュアが前記可動ギアスリーブを前向きに摺動させる、ことを特徴とする請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記可動ギアスリーブが段付き軸スリーブであり、前記段付き軸スリーブの内部にキー溝が設けられており、前記段付き軸スリーブの後端軸には、可動ギアスリーブ用サークリップ、軸受止めリング及び転がり軸受が順次に外装されており、前記可動アーマチュアが前記転がり軸受に外装されており、かつ前記可動アーマチュアの孔内後端に可動アーマチュア用サークリップが設けられており、前記転がり軸受が前記可動アーマチュアの孔内に固定されている、ことを特徴とする請求項2に記載の構造。
【請求項4】
前記可動ギアスリーブの前端に円状凹溝がさらに設けられており、前記円状凹溝内に復帰スプリングが設けられており、前記第一軸における第一軸の末端に近い位置には、バッフルサークリップを介してスプリングバッフルが固定されており、前記固定アーマチュアアセンブリへの通電が切断されると、前記復帰スプリングによって前記可動ギアスリーブを復帰させる、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の構造。
【請求項5】
前記可動アーマチュアと前記固定アーマチュアアセンブリとの相対回転を防止するために、前記減速機の筐体又はエンドカバーには、回り止めピン軸が設けられ、前記可動アーマチュアには、前記回り止めピン軸に適合するピン軸孔が設けられている、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の構造。
【請求項6】
前記減速機の筐体には、前記可動ギアプレートアセンブリのリアルタイム位置を検出するための位置センサがさらに設けられている、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の構造。
【請求項7】
前記固定ギアプレートアセンブリが、固定ギアプレートと位置決めサークリップとを含み、前記固定ギアプレートが前記第二軸に固定接続され、前記固定ギアプレートの後端面に端面歯が設けられており、前記位置決めサークリップが前記第二軸に取り付けられているとともに前記固定ギアプレートに当接されている、ことを特徴とする請求項1に記載の構造。
【請求項8】
前記第一軸の前端に円柱状の凹溝が設けられ、前記第二軸の末端に円柱状の突出部が設けられ、前記凹溝と前記突出部との間に補助軸受が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の構造。
【請求項9】
前記ポールアセンブリが、ポール、ポール回転軸、ローラ、ローラピン及びねじりスプリングを含み、
前記ローラピンによって前記ローラがポールに取り付けられており、前記ポール回転軸が減速機の両側の筐体に固定されており、前記ねじりスプリングの一側が前記減速機の右側の筐体に固定され、他側が前記ポールに固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の構造。
【請求項10】
前記パーキングカムアセンブリが、パーキングガイド軸と、パーキングカムと、パーキングカム位置規制プレートと、軸方向位置規制リングと、パドルスプリングとを含み、
前記軸方向位置規制リングとパーキングガイド軸とが締まりばめされることで、前記パーキングカム及び前記パーキングカム位置規制プレート前記パーキングガイド軸における軸方向上の位置が固定され、かつ前記パーキングカムがパーキングガイド軸で回動できるように隙間を空けており、前記パドルスプリングが前記パーキングカムと前記パーキングカム位置規制プレートから突き出す取付ポストに取り付けられており、前記パーキングガイド軸の一端がパーキングモータに接続され、前記パーキングガイド軸の他端が減速機の筐体の孔と隙間ばめされている、ことを特徴とする請求項1に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新エネルギー自動車の技術分野に属し、特に、デュアル動力源駆動減速機用のデフロック及びパーキング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のデュアル動力源駆動減速機における2つの動力源は別々に出力を行うようになっており、極限オフロード又は苦境からの脱出が必要となる場合、動力源の能力を有効に活用できず、苦境から脱出する能力及び極限オフロードの運転の楽しみが低下し、パーキング時に、電子ブレーキ等の機構を利用する必要があり、信頼性が低く、勾配の大きな坂道でパーキングする時、パーキングが不完全となってずり下がるリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記課題に対して、本発明には、上記問題を解消するか、又は、少なくとも部分的に解決するために、デュアル動力源駆動減速機用のデフロック及びパーキング構造が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明には、以下の技術案が用いられている。
【0005】
デュアル動力源駆動減速機用のデフロック及びパーキング構造は、第一軸、第二軸、デフロック機構及びパーキング機構を含み、前記第一軸及び前記第二軸がそれぞれデュアル動力源と直接的又は間接的に接続されており、かつ、前記第一軸及び前記第二軸が同軸に設けられており、前記デフロック機構及び前記パーキング機構が前記第一軸及び前記第二軸の末端に設けられており、
前記デフロック機構が、可動ギアプレートアセンブリ、固定ギアプレートアセンブリ及び固定アーマチュアアセンブリを含み、前記可動ギアプレートアセンブリが前記第一軸に摺接され、前記固定ギアプレートアセンブリが前記第二軸に固定接続されており、前記第一軸と前記第二軸との相対回動をロックする必要がある場合、前記固定アーマチュアアセンブリが通電されて電磁力を発生させて、前記可動ギアプレートアセンブリを前記固定ギアプレートアセンブリに向けて移動させ、前記可動ギアプレートアセンブリ及び前記固定ギアプレートアセンブリの端面歯を介して互いに噛み合わせ、
前記パーキング機構が、パーキングギア、ポールアセンブリ及びパーキングカムアセンブリを含み、前記パーキングギアと前記固定ギアプレートアセンブリとが一体的に設けられており、前記ポールアセンブリが前記パーキングギアに接合されており、前記パーキングカムアセンブリが、前記ポールアセンブリをパーキングイン位置とパーキングアウト位置との間で切り替えるように駆動するために用いられる。
【0006】
選択的に、前記可動ギアプレートアセンブリが、可動ギアスリーブと、可動アーマチュアとを含み、
前記可動ギアスリーブが前記第一軸に摺接され、前記可動ギアスリーブの前端面に端面歯が設けられており、前記可動アーマチュアが軸受を介して前記可動ギアスリーブの後端に回転可能に外装されており、前記固定アーマチュアアセンブリが通電されると、前記可動アーマチュアが前記減速機の筐体に設けられた前記固定アーマチュアアセンブリに吸着されるまで、前記可動アーマチュアが前記可動ギアスリーブを前向きに摺動させる。
【0007】
選択的に、前記可動ギアスリーブが段付き軸スリーブであり、前記段付き軸スリーブの内部にキー溝が設けられており、前記段付き軸スリーブの後端軸には、可動ギアスリーブ用サークリップ、軸受止めリング及び転がり軸受が順次に外装されており、前記可動アーマチュアが前記転がり軸受に外装されており、かつ前記可動アーマチュアの孔内後端に可動アーマチュア用サークリップが設けられており、前記転がり軸受が前記可動アーマチュアの孔内に固定されている。
【0008】
選択的に、前記可動ギアスリーブの前端にリング状凹溝がさらに設けられており、前記リング状凹溝内に復帰スプリングが設けられており、前記第一軸における第一軸の末端に近い位置には、バッフルサークリップを介してスプリングバッフルが固定されており、前記固定アーマチュアアセンブリへの通電が切断されると、前記復帰スプリングによって前記可動ギアスリーブを復帰させる。
【0009】
選択的に、前記可動アーマチュアと前記固定アーマチュアアセンブリとの相対回転を防止するために、前記減速機の筐体又はエンドカバーには、回り止めピン軸が設けられ、前記可動アーマチュアには、前記回り止めピン軸に適合するピン軸孔が設けられている。
【0010】
選択的に、前記減速機の筐体には、前記可動ギアプレートアセンブリのリアルタイム位置を検出するための位置センサがさらに設けられている。
【0011】
選択的に、前記固定ギアプレートアセンブリが、固定ギアプレートと位置決めサークリップとを含み、前記固定ギアプレートが前記第二軸に固定接続され、前記固定ギアプレートの後端面に端面歯が設けられており、前記位置決めサークリップが前記第二軸に取り付けられているとともに前記固定ギアプレートに当接されている。
【0012】
選択的に、前記第一軸の前端に円柱状の凹溝が設けられ、前記第二軸の末端に円柱状の突出部が設けられ、前記凹溝と前記突出部との間に補助軸受が設けられている。選択的に、前記ポールアセンブリが、ポール、ポール回転軸、ローラ、ローラピン及びねじりスプリングを含み、
前記ローラピンによって前記ローラがポールに取り付けられており、前記ポール回転軸が減速機の両側の筐体に固定されており、前記ねじりスプリングの一側が前記減速機の右側の筐体に固定され、他側が前記ポールに固定されている。
【0013】
選択的に、前記パーキングカムアセンブリが、パーキングガイド軸と、パーキングカムと、パーキングカム位置規制プレートと、軸方向位置規制リングと、パドルスプリングとを含み、
前記軸方向位置規制リングとパーキングガイド軸とが締まりばめされることで、前記パーキングカム及び前記パーキングカム位置規制プレートが前記パーキングガイド軸に固定されており、前記パドルスプリングが前記パーキングカムと前記パーキングカム位置規制プレートから突き出す取付ポストに取り付けられており、前記パーキングガイド軸の一端がパーキングモータに接続され、前記パーキングガイド軸の他端が減速機の筐体の孔と隙間ばめされている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の利点及び有益な効果は、次の通りである。
【0015】
上記のデフロック及びパーキング構造を取り付けることで、車両が苦境から脱出するか又は極限オフロードする必要がある場合、その中のデフロック機構によってデュアル動力源間の相対回動をロックし、デュアル動力源のパワーをカップリングさせ、ニーズに応じたパワー伝達を実現し、単一出力の最大トルクを高めることができる。これにより、車両が沼や泥穴などにはまり込んだときの脱出能力を高められる。
【0016】
さらに、本発明に開示された減速機におけるパーキング機構のパーキングギアは、前記固定ギアプレートに設けられ、ポールアセンブリ及びカムアセンブリによって車両のパーキングを実現し、機械式パーキングを実現し、パーキングの安全性を向上させている。
【0017】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及びメリットが当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施形態を例示するためのものだけであり、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。また、図面全体において、同じ部品には同じ参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施例におけるデフロック及びパーキング機構の構造模式図である。
図2図2は、本発明の一実施例におけるデフロックの解放状態の構造模式図である。
図3図3は、本発明の一実施例におけるデフロックのロック状態の構造模式図である。
図4図4は、本発明の一実施例におけるパーキング機構がパーキングアウト(図4の(a))状態又はパーキングイン(図4の(b))状態にある構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、技術案及び利点が更に明白になるように、以下、本発明の具体的な実施例及び対応する図面と併せて、本発明の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなことに、記載された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内に含まれる。
【0020】
「含む/包含」、「…からなる」という用語又はその他のバリエーションは、非排他的な包含をカバーすることを意図していることにより、一連の要素を含む製品、機器、手順又は方法がそれらの要素だけでなく、必要に応じて明示的に列挙されていない他の要素をを含んでもよいし、このような製品、機器、手順又は方法に固有の要素を含んでもよい、ということを理解すべきである。これ以上の制限がない場合、「含む/包含……」、「…からなる」という語句で限定される要素は、前記要素を含む製品、機器、手順又は方法に別の同じ要素が存在することを排除するものではない。
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の各実施例による技術案を詳しく説明する。
【0022】
図1に示すように、本発明の当該実施例には、デュアル動力源駆動減速機用のデフロック及びパーキング構造が開示されており、前記構造が、第一軸6、第二軸7、デフロック機構及びパーキング機構を含み、前記第一軸6及び第二軸7がそれぞれデュアル動力源と直接的又は間接的に接続されており、当該デュアル動力源が減速機内に設けられてもよいし、減速機外に設けられてもよく、かつ、前記第一軸及び前記第二軸が同軸に設けられており、前記デフロック機構及び前記パーキング機構が前記第一軸及び前記第二軸の末端に設けられており、図1の位置関係によると、当該デフロック及びパーキング機構が前記減速機の中間位置に位置する。
【0023】
前記デフロック機構が、可動ギアプレートアセンブリ3、固定ギアプレートアセンブリ4及び固定アーマチュアアセンブリ8を含み、前記可動ギアプレートアセンブリ3が前記第一軸6に摺接され、前記固定ギアプレートアセンブリ4が前記第二軸7に固定接続され、前記固定アーマチュアアセンブリ8が減速機の筐体に固定可能であり、好ましくは、前記固定アーマチュアアセンブリ8が、固定アーマチュアと、前記固定アーマチュアに巻き付けられたソレノイドコイルと、前記可動ギアプレートアセンブリと対面する側に設けられた緩衝パッドとを含む。
【0024】
前記第一軸と前記第二軸との相対回動をロックする必要がある場合、前記固定アーマチュアアセンブリ8が通電されて電磁力を発生させて、前記可動ギアプレートアセンブリ3を前記固定ギアプレートアセンブリ4に向けて移動させ、前記可動ギアプレートアセンブリ3及び前記固定ギアプレートアセンブリ4の端面歯を介して互いに噛み合わせる。
【0025】
図1によると、前記パーキング機構が、パーキングギア41、ポールアセンブリ1及びパーキングカムアセンブリ2を含み、前記パーキングギア41と前記固定ギアプレートアセンブリ4とが一体的に設けられており、好ましくは、前記パーキングギアが前記固定ギアプレートアセンブリ4における固定ギアプレート41の円周に設けられており、前記ポールアセンブリアセンブリ1が前記パーキングギア41に接合され、前記パーキングカムアセンブリ2が前記ポールアセンブリ1をパーキングイン位置とパーキングアウト位置との間で切り替えるように駆動するために用いられる。
【0026】
当該実施例において、上記減速機を用いた車両が通常走行している時、前記デフロックが解放状態であり、デュアル動力源がそれぞれ第一軸及び第二軸に直接的又は間接的に剛性接続されてパワーを伝達し、ギア減速機構及びハーフシャフトを介して車輪に出力することにより、車両全体の走行を駆動する。このとき、デュアル動力源の異なる回転速度を制御することで旋回を実現し、デュアル動力源間にパワーカップリング出力がなく、車両両側の車輪が軸、ギア等を介してそれぞれの動力源と剛性接続されており、第一軸と第二軸との間には、両者の同軸度及び相対回動の柔軟性が保証されるように、支持用の転がり軸受が設けられてもよい。
【0027】
苦境からの脱出又は極限オフロードが必要となる場合、デフロック機構によってデュアル動力源間の相対回動をロックして、パワーを必要に応じて相互に伝達させ、単一出力の最大トルクを実現し、苦境から脱出する能力を向上させることができ、このとき、パワーカップリングの状況がある。
【0028】
前記デフロック機構が、固定ギアプレートアセンブリ、可動ギアプレートアセンブリ、及び固定アーマチュアアセンブリを含み、その具体的な動作は次のように実行される。固定アーマチュアアセンブリが通電されて電磁力を発生させて、可動ギアプレートアセンブリを固定アーマチュアアセンブリ及び固定ギアプレートアセンブリの方向に向けて移動させ、固定アーマチュアアセンブリと接触して位置規制するようになり、このとき、可動ギアプレートアセンブリと固定ギアプレートアセンブリとは端面歯の結合によりデフロックロックが実現され、第一軸と第二軸との回転速度が一致になって相対的にロックされることを保証され、このとき、デュアル動力源にパワーカップリングの状況があり、何れか一方の出力について負荷状況に応じてトルクを増加させて、苦境からの脱出又は極限オフロードという機能を実現することができる。
【0029】
図2及び図3を参照して、1つ又は複数の実施例において、前記可動ギアプレートアセンブリ3が、可動ギアスリーブ31、可動アーマチュア34を含み、前記可動ギアスリーブ31は、スプライン等の方式によって前記第一軸6に摺接されるのが好ましく、前記可動ギアスリーブ31の前端面に端面歯が設けられており、前記可動アーマチュア34が、軸受に外装されるように前記可動ギアスリーブの後端に回転可能に設けられており、前記固定アーマチュアアセンブリ8が通電されると、前記可動アーマチュア34が前記減速機の筐体に設けられた前記固定アーマチュアアセンブリ8に吸着されるまで、前記可動アーマチュア34が前記可動ギアスリーブ31を前向きに摺動させる。
【0030】
図2に示すように、前記可動ギアスリーブ31が段付き軸スリーブであり、前記段付き軸スリーブの内部にキー溝が設けられており、前記キー溝内には、第一軸6と摺接されるスプラインが配置可能であり、前記段付き軸スリーブの後端軸には、可動ギアスリーブ用サークリップ32、軸受止めリング33及び転がり軸受36が順次に外装されており、前記可動アーマチュア34が前記転がり軸受36に外装されており、かつ前記可動アーマチュア34の孔内後端に可動アーマチュア用サークリップ35が設けられており、前記転がり軸受36が前記可動アーマチュア34の孔内に固定されている。
【0031】
当該実施例において、前記可動ギアスリーブが転がり軸受を介して可動アーマチュアと接続され、両者の相対回動の確実性及び安定性が保証され、可動アーマチュアと軸受とが接続されると、可動アーマチュア用サークリップによって可動ギアスリーブとの相対位置が制限され、可動ギアスリーブと軸受とが接続されると、軸受止めリング及び可動ギアスリーブ用サークリップによってその転がり軸受の軸方向位置が制限されて、可動ギアスリーブと可動アーマチュアとの相対位置が保証される。
【0032】
一実施例において、前記可動ギアスリーブの前端に円状凹溝がさらに設けられており、前記円状凹溝内に復帰スプリング37が設けられており、前記第一軸6における第一軸の末端に近い位置には、バッフルサークリップ39を介してスプリングバッフル38が固定されており、前記固定アーマチュアアセンブリへの通電が切断されると、前記復帰スプリングによって前記可動ギアスリーブを復帰させる。
【0033】
そのうちの可動ギアスリーブ31とスプリングバッフル38とが復帰スプリング37を介してフレキシブルに接続され、スプリングバッフル38が第一軸と円柱面によって締まりばめ接続されるとともに、バッフルサークリップ39によってその第一軸における軸方向の移動自由度が制限される。復帰スプリングの役割が、デフロックの解放状態の信頼性、及び解放が必要な時の快速復帰を保証することであり、当該復帰スプリングによって発生すべきの力は、可動ギアプレートアセンブリの質量、解放状態保持能力、解放相応速度などの要素によって共同で決定される。
【0034】
一実施例において、前記可動アーマチュアと前記固定アーマチュアアセンブリとの相対回転を防止するために、前記減速機の筐体又はエンドカバーには、回り止めピン軸9が設けられ、前記可動アーマチュアには、前記回り止めピン軸に適合するピン軸孔が設けられている。
【0035】
回り止めピン軸9の役割が、可動アーマチュアを円周方向で位置規制し、可動アーマチュアと固定アーマチュアアセンブリとが相対回転しないように保証し、両者間の摩擦を回避し、ロックの信頼性を向上させることである。
【0036】
一実施例において、前記減速機の筐体に、前記可動ギアプレートアセンブリのリアルタイム位置を検出するための位置センサがさらに設けられていることにより、コントローラが当該リアルタイム位置に応じて判断を行って相応の命令を出す。
【0037】
一実施例において、前記固定ギアプレートアセンブリ4が、固定ギアプレート41及び位置決めサークリップ42を含み、前記固定ギアプレート41が前記第二軸6に固定接続され、前記固定ギアプレート41の後端面に端面歯が設けられており、前記位置決めサークリップ42が前記第二軸7に取り付けられているとともに前記固定ギアプレート41に当接されている。一実施例において、図2又は図3に示すように、前記第一軸の前端に円柱状の凹溝が設けられ、前記第二軸の末端に円柱状の突出部が設けられ、前記凹溝と前記突出部との間に補助軸受が設けられている。上記構造により、端面歯の噛み合いの同軸度及び安定性が保証される。一実施例において、前記ポールアセンブリ1が、ポール12、ポール回転軸11、ローラ15、ローラピン14及びねじりスプリング13を含み、前記ローラピン14によって前記ローラ15がポール12に取り付けられており、前記ポール回転軸11が減速機の両側の筐体に固定されており、前記ねじりスプリング13の一側が前記減速機の右側の筐体に固定され、他側が前記ポール12に固定されている。
【0038】
一実施例において、前記パーキングカムアセンブリ2が、パーキングガイド軸21と、パーキングカム23と、パーキングカム位置規制プレート24と、軸方向位置規制リング22と、パドルスプリング25とを含み、前記軸方向位置規制リング22とパーキングガイド軸21とが締まりばめされることで、前記パーキングカム23及び前記パーキングカム位置規制プレート24が前記パーキングガイド軸21に固定されており、かつ、パーキングカムがパーキングガイド軸で柔軟に回動できるように十分な隙間を空けており、前記パドルスプリング25が前記パーキングカム23と前記パーキングカム位置規制プレート24から突き出す取付ポストに取り付けられており、前記パーキングガイド軸の一端がパーキングモータに接続され、前記パーキングガイド軸の他端が減速機の筐体の孔と隙間ばめされている。
【0039】
前記パドルスプリング25が前記パーキングカム23に一定の付勢力を与えることができ、ひいては、パーキングカム23とポールとのフレキシブルな接続が実現され、パーキングカム23とポール12との行き詰まりが回避される。
【0040】
図4を参照して、パーキングカムの周方向輪郭によって、パーキングカムが周方向で回転する時、ポールをパーキングギアの溝に進入及び脱出させ、パーキングイン及びパーキングアウト動作を完了させる。具体的に、前記パーキングカムの駆動により、ポールがポール回転軸回りに回転運動し、ポールの持ち上げ及び押し下げ動作を完了させることができ、ポールが持ち上げられると、パーキングギアの溝から離れ、パーキングアウト動作が完了し、ポールが押し下げられると、パーキングギアの溝に進入し、パーキングイン動作が完了する。また、ねじりスプリングは、取り付け時に一定の付勢力を持っており、付勢力によってポールが常に上向きに持ち上がり、ポールが常にパーキングカムの輪郭に密着して運動する。
【0041】
上記は、あくまでも本発明の具体的な実施形態であり、本発明の上記教示の下で、当業者は、上記実施例に基づいて他の改良又は変形を行うことができる。当業者であれば、上記特定の記載は本発明の目的をより良く解釈するためのものであり、本発明の保護範囲が特許請求の範囲の保護範囲に基づくものであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0042】
1 ポールアセンブリ、11 ポール回転軸、12 ポール、13 ねじりスプリング、14 ローラピン、15 ローラ、
2 パーキングカムアセンブリ、21 パーキングガイド軸、22 軸方向位置規制リング、23 パーキングカム、24 パーキングカム位置規制プレート、25 パドルスプリング、
3 可動ギアプレートアセンブリ、31 可動ギアスリーブ、32 可動ギアスリーブ用サークリップ、33 軸受止めリング、34 可動アーマチュア、35 可動アーマチュア用サークリップ、36 転がり軸受、37 復帰スプリング、38 スプリングバッフル、39 バッフルサークリップ、
4 固定ギアプレートアセンブリ、41 固定ギアプレート、42 位置決めサークリップ、
5 位置センサ、6 第一軸、61 転がり軸受、7 第二軸、8 固定アーマチュアアセンブリ、9 回り止めピン軸。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】