(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】吸気消音器、圧縮機及び家電製品
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20240604BHJP
F02M 35/12 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
F04B39/00 101N
F04B39/00 101M
F02M35/12 Z
(21)【出願番号】P 2023507529
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 CN2022084585
(87)【国際公開番号】W WO2022206921
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110354132.4
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518056542
【氏名又は名称】安徽美芝制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI MEIZHI COMPRESSOR CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.418 Caihong Road,Hefei High and New Technical Development District,Hefei,Anhui 230031,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】黄剛
(72)【発明者】
【氏名】李娟
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-091808(JP,U)
【文献】実開昭51-077610(JP,U)
【文献】中国実用新案第204877856(CN,U)
【文献】実開平04-024679(JP,U)
【文献】特開2018-100665(JP,A)
【文献】中国実用新案第211288018(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00-39/16
F04C 29/06
F02M 35/12
F01N 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消音室を有するケースと、
前記消音室内に設けられ、前記消音室を第1のチャンバーと第2のチャンバーに仕切る仕切りアセンブリと、を備え、
前記仕切りアセンブリは第1の流路と第2の流路を有し、前記第1の流路と前記第2の流路はいずれも前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーに連通され、
前記第1の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面とに段差があり、及び/又は前記第1の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面とに段差があ
り、 前記仕切りアセンブリは連通管を含み、前記第1の流路と前記第2の流路は両方とも前記連通管に位置し、
前記連通管は接続された第1の管部と第2の管部を含み、前記第1の管部は前記第2の管部よりも外径が大きく、前記連通管の延在方向において、前記第1の流路は前記第1の管部と前記第2の管部を貫通し、前記第2の流路は前記第1の管部を貫通する
吸気消音器。
【請求項2】
消音室を有するケースと、
前記消音室内に設けられ、前記消音室を第1のチャンバーと第2のチャンバーに仕切る仕切りアセンブリと、を備え、
前記仕切りアセンブリは第1の流路と第2の流路を有し、前記第1の流路と前記第2の流路はいずれも前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーに連通され、
前記第1の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面とに段差があり、及び/又は前記第1の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面とに段差があり、
前記仕切りアセンブリは仕切り板と連通管を含み、前記仕切り板は前記消音室内に設けられて、前記消音室を前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーに仕切り、前記連通管は前記仕切り板に挿設され、前記第1の流路は前記連通管に位置し、前記第2の流路は前記仕切り板に位置し、
前記仕切り板に取付穴が設けられ、前記取付穴は複数の前記第2の流路で囲まれた領域内に位置し、前記連通管は前記取付穴に挿設され、
或いは、前記仕切り板に取付穴が設けられ、前記連通管は前記取付穴に挿設され、且つ前記連通管の外壁は前記取付穴の内壁に複数の接続リブを介して接続され、複数の前記接続リブは間隔をあけて配置されて前記連通管を1周り取り囲み、複数の前記第2の流路を画定する
吸気消音器。
【請求項3】
前記第1の流路の流路長と前記第2の流路の流路長が異なる
請求項1
又は2に記載の吸気消音器。
【請求項4】
前記第1の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面とが面一であり、前記第1の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面とに段差がある
請求項1
又は2に記載の吸気消音器。
【請求項5】
前記第2の流路の流路長は前記第1の流路の流路長の0.4~0.8倍である請求項1
又は2に記載の吸気消音器。
【請求項6】
前記仕切りアセンブリは仕切り板をさらに含み、前記仕切り板は前記消音室内に設けられ、前記消音室を前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーに仕切り、前記仕切り板に取付穴が設けられ、前記連通管は前記取付穴に挿入され、
前記連通管の外壁は前記取付穴の内壁に密封接続され、
或いは、前記連通管の外壁と前記取付穴の内壁との間に隙間流路が形成される
請求項
1に記載の吸気消音器。
【請求項7】
前記第2の流路は複数であり、複数の前記第2の流路は間隔をあけて配置されて前記第1の流路を取り囲む
請求項1
又は2に記載の吸気消音器。
【請求項8】
前記吸気消音器は前記第2のチャンバーに連通される出口管をさらに含み、前記第1のチャンバー、前記仕切りアセンブリ及び前記第2のチャンバーは第1の方向に沿って配置され、前記ケースは第1のケース部と第2のケース部を含み、
前記第1のケース部と前記第2のケース部は第2の方向において突き合わされて、包囲された前記消音室を形成し、前記出口管の中心線と前記第1の流路の中心線が、第1の方向において正対し、
或いは、前記第1のケース部と前記第2のケース部は前記第1の方向において突き合わされて、包囲された前記消音室を形成し、前記出口管の中心線と前記第1の流路の中心線は、第1の方向においてずれている
請求項
7に記載の吸気消音器。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか1項に記載の吸気消音器を備える圧縮機。
【請求項10】
請求項
9に記載の圧縮機を備える家電製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は消音器技術分野に関し、特に吸気消音器、圧縮機及び家電製品に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は現代の生活によく使われる家電の一つである。人々の生活レベルの向上に伴って、人々の冷蔵庫の騒音とエネルギー消費への要求がますます高くなっている。圧縮機は冷蔵庫の心臓であり、吸気構造は圧縮機の重要な吸気流路である。圧縮機における吸気構造の設計は、騒音とともに冷却能力とエネルギー効率比(coefficient of performance、COP)を考慮する必要がある。騒音とエネルギー消費への配慮を如何に両立させるかは、圧縮機の吸気構造を設計する重要な研究点となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の主な目的は、騒音とエネルギー消費への配慮を両立させる吸気消音器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本願の提供する吸気消音器は、消音室を有するケースと、前記消音室内に設けられ、前記消音室を第1のチャンバーと第2のチャンバーに仕切る仕切りアセンブリと、を備え、前記仕切りアセンブリは第1の流路と第2の流路を有し、前記第1の流路と前記第2の流路はいずれも前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーに連通され、前記第1の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面とに段差があり、及び/又は前記第1の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面とに段差がある。
【0005】
一実施例において、前記第1の流路の流路長と前記第2の流路の流路長が異なる。
【0006】
一実施例において、前記第1の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第1のチャンバーから遠い端面とが面一であり、前記第1の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面と前記第2の流路の前記第2のチャンバーから遠い端面とに段差がある。
【0007】
一実施例において、前記第2の流路の流路長は前記第1の流路の流路長の0.4~0.8倍である。
【0008】
一実施例において、前記仕切りアセンブリは連通管を含み、前記第1の流路と前記第2の流路は両方とも前記連通管に位置する。
【0009】
一実施例において、前記連通管は接続された第1の管部と第2の管部を含み、前記第1の管部は前記第2の管部よりも外径が大きく、前記連通管の延在方向において、前記第1の流路は前記第1の管部と前記第2の管部を貫通し、前記第2の流路は前記第1の管部を貫通する。
【0010】
一実施例において、前記仕切りアセンブリは仕切り板をさらに含み、前記仕切り板は前記消音室内に設けられ、前記消音室を前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーに仕切り、前記仕切り板に取付穴が設けられ、前記連通管は前記取付穴に挿入され、前記連通管の外壁は前記取付穴の内壁に密封接続され、或いは、前記連通管の外壁と前記取付穴の内壁との間に隙間流路が形成される。
【0011】
一実施例において、前記仕切りアセンブリは仕切り板と連通管を含み、前記仕切り板は前記消音室内に設けられ、前記消音室を前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーに仕切り、前記連通管は前記仕切り板に挿設され、前記第1の流路は前記連通管に位置し、前記第2の流路は前記仕切り板に位置する。
【0012】
一実施例において、前記仕切り板に取付穴が設けられ、前記取付穴は複数の前記第2の流路で囲まれた領域内に位置し、前記連通管は前記取付穴に挿設され、
或いは、前記仕切り板に取付穴が設けられ、前記連通管は前記取付穴に挿設され、且つ前記連通管の外壁は前記取付穴の内壁に複数の接続リブを介して接続され、複数の前記接続リブは間隔をあけて配置されて前記連通管を1周り取り囲み、複数の前記第2の流路を画定する。
【0013】
一実施例において、前記第2の流路は複数であり、複数の前記第2の流路は間隔をあけて配置されて前記第1の流路を取り囲む。
【0014】
一実施例において、前記吸気消音器は前記第2のチャンバーに連通される出口管をさらに含み、前記第1のチャンバー、前記仕切りアセンブリ及び前記第2のチャンバーは第1の方向に沿って配置され、前記ケースは第1のケース部と第2のケース部を含み、前記第1のケース部と前記第2のケース部は第2の方向において突き合わされて、包囲された前記消音室を形成し、前記出口管の中心線と前記第1の流路の中心線が、第1の方向において正対し、或いは、前記第1のケース部と前記第2のケース部は前記第1の方向において突き合わされて、包囲された前記消音室を形成し、前記出口管の中心線と前記第1の流路の中心線は、第1の方向においてずれている。
【0015】
本願は、上記の吸気消音器を備える圧縮機をさらに提供する。
【0016】
本願は、上記の圧縮機を備える家電製品を更に提供する。
【発明の効果】
【0017】
上記吸気消音器を使用する場合、冷媒が第1のチャンバーに入り、次に、仕切りアセンブリの第1の流路と第2の流路を介して第2のチャンバーに入り、最終的に排出される。第1のチャンバー、仕切りアセンブリ及び第2のチャンバーの組み合わせにより、圧縮機の吸気騒音を低減する。しかも、第1の流路のみを含む流路と比べて、第1の流路と第2の流路を同時に含む複合流路は流体抵抗が小さく、冷却能力がより高く、入力がより低く、これにより、圧縮機のエネルギー効率比を向上させることができ、1つの大内径の流路(その流通面積は第1の流路の流通面積と第2の流路の流通面積の和とほぼ同じ)のみを含む場合と比べて、第1の流路と第2の流路を同時に含む複合流路は音響インピーダンスが増加し、消声効果が良好である。従って、上記吸気消音器は騒音とエネルギー消費への配慮を両立でき、騒音低減と同時に高いエネルギー効率比を有するという効果を実現することができる。
【0018】
なお、第1の流路の第2のチャンバーから遠い端面と第2の流路の第2のチャンバーから遠い端面とに段差があり、及び/又は第1の流路の第1のチャンバーから遠い端面と第2の流路の第1のチャンバーから遠い端面とに段差があり、上記吸気消音器の消音周波数がより広くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確的に説明するために、以下、本願の実施例又は従来の技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかで、以下で説明する図面はただ本願のある実施例だけであり、当業者にとって、創造的な作業なしに更にこれらの図面に基づいてその他の図面を取得することができる。
【
図1】本願の一実施例による吸気消音器の斜視分解模式図である。
【
図2】
図1に示す第1のケース部の頂部の上面模式図である。
【
図4】
図1の第2のケース部の内側の構造模式図である。
【
図5】本願の他の実施例による仕切りアセンブリの断面模式図である。
【
図6】本願の他の実施例による仕切りアセンブリの上面模式図である。
【
図7】本願の他の実施例による仕切りアセンブリの上面模式図である。
【
図8】本願の他の実施例による仕切りアセンブリの上面模式図である。
【
図9】本願の他の実施例による仕切りアセンブリの上面模式図である。
【
図10】本願の他の実施例による吸気消音器の斜視分解模式図である。
【
図11】
図10に示す第1のケース部の頂部の上面模式図である。
【
図13】本願の他の実施例による第1のケース部の頂部の上面模式図である。
【
図15】本願の他の実施例による吸気消音器の斜視分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の目的の実現、機能特点及び利点について、実施例を組み合わせながら、図面を参照して更に説明する。
【0021】
以下、本願の実施例における図面を組み合わせて、本願の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明した実施例は全部の実施例ではなく、本願の一部の実施例である。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な作業なしに得られたすべてのその他の実施例は、本願が保護する範囲に属する。
【0022】
説明する必要がある点として、本願の実施例において方向性に関する指示(例えば上、下、左、右、前、後……)がある場合、該方向性指示はある特定の姿勢における各部材間の相対位置関係、運動状況などを説明するためにのみ用いられ、該特定の姿勢が変化した場合には、それに応じて、該方向性指示も変化する。
【0023】
また、本願の実施例において「第1」、「第2」等の記述に関し、該「第1」、「第2」等の記述は、説明目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的機能の数を暗黙的に示したりするものとして理解することはできない。それにより、「第1」、「第2」で定義された特徴には、少なくとも1つのこの特徴が明示的または暗黙的に含まれる場合がある。また、本明細書に現れる「及び/又は」の意味は、3つの並列手段を含み、「A及び/又はB」を例に採ると、A手段、又はB手段、又はAとBを同時に満たす手段を含む。また、各実施例間の技術的解決手段は互いに組み合わせることができるが、当業者が実現できるものに基づくものでなければならなく、技術的解決手段の組み合わせが矛盾するか又は実現不可能である場合、このような技術的解決手段の組合わせが存在せず、本願が主張する保護範囲にないと考えるべきである。
【0024】
本願は吸気消音器を提出する。
【0025】
本願の実施例において、
図1~
図4に示すように、該吸気消音器10はケース200と仕切りアセンブリ300を備える。
【0026】
ケース200は消音室202と、消音室202に連通される吸気口204及び排気口206とを含む。
【0027】
仕切りアセンブリ300は消音室202内に設けられ、消音室202を吸気口204に連通される第1のチャンバー202aと排気口206に連通される第2のチャンバー202bに仕切る。仕切りアセンブリ300は第1の流路302と第1の流路302の外側にある第2の流路304を有し、第1の流路302と第2の流路304はいずれも第1のチャンバー202aと第2のチャンバー202bに連通される。
【0028】
上記吸気消音器10を使用する際に、冷媒は吸気口204を介して第1のチャンバー202aに入り、次に仕切りアセンブリ300の第1の流路302と第2の流路304を介して第2のチャンバー202bに入り、最終的に、排気口206を介して排出される。吸気口204、第1のチャンバー202a、仕切りアセンブリ300、第2のチャンバー202b及び排気口206の組み合わせにより、圧縮機の吸気騒音を低減する。しかも、第1の流路302のみを含む流路と比べて、第1の流路と第2の流路を同時に含む複合流路の流体抵抗が小さく、冷却能力がより高く、入力がより低く、これにより、圧縮機のエネルギー効率比を向上させることができ、1つの大内径の流路(その流通面積は第1の流路302の流通面積と第2の流路304の流通面積の和とほぼ同じ)のみを含む場合と比べて、第1の流路302と第2の流路304を同時に含む複合流路の音響インピーダンスが増加し、消声効果が良好である。従って、上記吸気消音器10は騒音とエネルギー消費への配慮を両立でき、騒音低減と同時に高いエネルギー効率比を有する効果を実現することができる。
【0029】
本実施例において、第2の流路304は複数であり、複数の第2の流路304は間隔をあけて配置されて第1の流路302を取り囲む。第1の流路302の外側に1つの第2の流路304のみを設ける場合と比べて、複数の第2の流路304が間隔をあけて配置されて第1の流路302を取り囲む場合は、騒音とエネルギー消費への配慮をより良く両立することができる。
【0030】
本実施例において、複数の第2の流路304は間隔をあけて配置されて第1の流路302を1周り取り囲む。具体的に、本実施例において、複数の第2の流路304は等間隔に配置される。このようにすると、冷媒が第1の流路302の外周により均一に流れることができる。理解できる点として、他の実施例において、複数の第2の流路304は、1周りに制限されず、第1の流路302を複数周取り囲んでもよい。
【0031】
本実施例において、第1の流路302の第2のチャンバー202bから遠い端面と第2の流路304の第2のチャンバー202bから遠い端面とに段差があり、及び/又は第1の流路302の第1のチャンバー202aから遠い端面と第2の流路304の第1のチャンバー202aから遠い端面とに段差がある。端面に段差がある第1の流路302と第2の流路304は、流速が速く且つ乱雑な冷媒気流を良好に広い周波数で消音することができる。
【0032】
本実施例において、第1の流路302の流路長と第2の流路304の流路長が異なる。このようにすると、上記吸気消音器10の消音周波数がより広くなる。
【0033】
具体的に、本実施例において、第1の流路302の第1のチャンバー202aから遠い端面と第2の流路304の第1のチャンバー202aから遠い端面がほぼ面一であるが、第1の流路302の第2のチャンバー202bから遠い端面と第2の流路304の第2のチャンバー202bから遠い端面に段差がある。このようにすると、端面に段差がある第1の流路302と第2の流路304は、第1のチャンバー202a内の流速が速く且つ乱雑な冷媒気流を良好に広い周波数で消音することができ、端面がほぼ面一である第1の流路302と第2の流路304は第2のチャンバー202bに流速が比較的遅く且つ比較的均一な冷媒気流を輸送して、さらに消音することができる。理解できる点として、他の実施例において、第1の流路302の第1のチャンバー202aから遠い端面と第2の流路304の第1のチャンバー202aから遠い端面とに段差があり、第1の流路302の第2のチャンバー202bから遠い端面と第2の流路304の第2のチャンバー202bから遠い端面とがほぼ面一である。
【0034】
本実施例において、第1の流路302の第1のチャンバー202aから遠い端面と第2の流路304の第1のチャンバー202aから遠い端面とがほぼ面一であるとは、第1の流路302の第1のチャンバー202aから遠い端面と第2の流路304の第1のチャンバー202aから遠い端面との段差が、誤差許容範囲内であればよい。例えば、第1の流路302の第1のチャンバー202aから遠い端面と第2の流路304の第1のチャンバー202aから遠い端面との段差が1cm以下である。
【0035】
本実施例において、第1の流路302は第2の流路304よりも流路長が大きい。即ち中部にある第1の流路302の流路長が長いが、外周にある第2の流路304の流路長が短い。このようにすると、上記吸気消音器10は騒音とエネルギー消費への配慮をより良く両立することができるだけでなく、上記吸気消音器10の消音周波数がより広くなる。理解できる点として、他の実施例において、第2の流路304の流路長を第1の流路302よりも長くしてもよい。
【0036】
本実施例において、第2の流路304の流路長は第1の流路302の流路長の0.4~0.8倍である。第2の流路304の流路長が短すぎると、消音に不利であり、第1の流路302の流路長が長すぎると、第2の流路304の端面と第1の流路302の端面との段差の形成に不利であり、上記吸気消音器10の消音周波数を広げるのに不利である。消音と消音周波数の広がりを両立するために、第2の流路304の流路長は第1の流路302の流路長の0.4~0.8倍とするように設定される。
【0037】
本実施例において、仕切りアセンブリ300は連通管310を含む。第1の流路302と第2の流路304は両方とも連通管310に位置する。即ち本実施例において、第1の流路302と第2の流路304は同一の連通管310に集積される。2つの連通管を設け、一方の連通管は第1の流路302を有し、他方の連通管は第2の流路304を有する場合と比べて、第1の流路302と第2の流路304が同一の連通管310に集積される場合は、仕切りアセンブリ300の構造を簡素化することができ、しかも、第1の流路302を主流路として、第2の流路304を副流路として設計するのにより役に立ち、主流路の大流路面積と副流路の小さく且つ多い小流路面積の協働作用により、騒音とエネルギー消費への配慮をより良く両立することができる。
【0038】
本実施例において、連通管310は接続された第1の管部312と第2の管部314を含み、第1の管部312は第2の管部314よりも外径が大きい。連通管310の延在方向において、第1の流路302は第1の管部312の一端から、第2の管部314の第1の管部312から遠い一端に延在し、第2の流路304は第1の管部312の一端から第1の管部312の他端に延在する。即ち連通管310の延在方向において、第1の流路302は第1の管部312と第2の管部314を貫通し、第2の流路304は第1の管部312を貫通する。このように、連通管310の製作が非常に便利になっている。具体的に、本実施例において、第1の管部312と第2の管部314は一体成形される。
【0039】
幾つかの実施例において、
図5に示すように、仕切りアセンブリ300は間隔をあけて配置される第1の連通管310aと第2の連通管310bを含み、第1の流路302は第1の連通管310aに位置し、第2の連通管304は第2の連通管310bに位置する。第1の流路302と第2の流路304が同一の連通管310に集積される場合と比べて、第1の流路302を有する第1の連通管310aと第2の流路304を有する第2の連通管310bを設ける場合は、既存のパイプを第1の連通管310a及び第2の連通管310bとして使用することができ、これにより、連通管310を別途設計及び/又は製造する必要がなく、さらに、仕切りアセンブリ300の設計及び/又は製造の難しさを低下させ、仕切りアセンブリ300のコストを削減する効果を実現することができる。
【0040】
本実施例において、
図1~
図4に示すように、仕切りアセンブリ300は仕切り板320をさらに含む。仕切り板320は消音室202内に設けられ、消音室202を第1のチャンバー202aと第2のチャンバー202bに仕切る。連通管310は仕切り板320に挿設される。仕切り板320を設けることにより、仕切りアセンブリ300が消音室202を第1のチャンバー202aと第2のチャンバー202bに仕切ることを非常に容易に実現する。理解できる点として、他の実施例において、連通管310の断面の面積が十分大きく、連通管310が消音室202を第1のチャンバー202aと第2のチャンバー202bに仕切るのを満たすことができる場合、即ち連通管310に第1のチャンバー202aと第2のチャンバー202bを導通及び隔離するという2つの機能が集積される場合に、上記仕切り板320を省略してもよく、仕切りアセンブリ300の構造を簡素化する効果を実現する。
【0041】
本実施例において、仕切り板320に取付穴322が設けられ、連通管310は取付穴322に挿設される。連通管310の外壁と取付穴322の内壁は、密封接続されてもよいし、密封接続されなくてもよい。
【0042】
本実施例において、連通管310の外壁は取付穴322の内壁に密封接続される。例えば、幾つかの実施例において、連通管310は仕切り板320に一体成形され、このとき、連通管310の外壁が取付穴322の内壁に密封接続されると考えられる。また例えば、幾つかの実施例において、連通管310は取付穴322に締まりばめされ、このとき、連通管310の外壁が取付穴322の内壁に密封接続されると考えられる。連通管310の外壁は取付穴322の内壁に密封接続されることは、連通管310と仕切り板320の強固な接続に非常に役に立つ。
【0043】
他の実施例において、
図6に示すように、連通管310の外壁は取付穴322の内壁に密封接続されなくてもよく、即ち連通管310の外壁と取付穴322の内壁との間に隙間を有してもよく、このとき、連通管310の外壁と取付穴322の内壁との間に隙間流路306が形成されると考えられる。このようにすると、上記吸気消音器10が騒音とエネルギー消費への配慮を両立するのに役に立ち、騒音低減とともに高いエネルギー効率比を有する効果を実現する。
【0044】
幾つかの実施例において、
図6に示すように、連通管310が取付穴322に隙間ばめされる場合、このとき、連通管310の外部に1つの環状の隙間流路306を有すると考えられ、該環状の隙間流路306は連通管310を取り囲む。幾つかの実施例において、
図7に示すように、連通管310の外壁と取付穴322の内壁は複数の接続リブ330によって接続され、複数の接続リブ330は間隔をあけて配置されて連通管310を1周り取り囲み、これにより、複数の隙間流路306を画定する。
【0045】
幾つかの実施例において、
図8に示すように、仕切りアセンブリ300は連通管310と仕切り板320を含む。仕切り板320は消音室202内に設けられ、消音室202を第1のチャンバー202aと第2のチャンバー202aに仕切る。連通管310は仕切り板320に挿設される。第1の流路302は連通管310に位置し、第2の流路304は仕切り板320に位置する。仕切り板320に第2の流路304を形成する難度が低く、第2の流路304が仕切り板320に設けられるため、既存のパイプを連通管310として使用することができ、これにより、連通管310を別途設計及び/又は製造する必要がなく、さらに、仕切りアセンブリ300の設計及び/又は製造の難しさを低下させ、仕切りアセンブリ300のコストを削減する効果を実現することができる。
【0046】
幾つかの実施例において、
図8に示すように、仕切り板320に複数の第2の流路304が形成され、複数の第2の流路304は間隔をあけて配置されて連通管310を1周り取り囲む。仕切り板320に取付穴322が形成される。取付穴322は複数の第2の流路304で囲まれた領域内に位置する。第1の流路302を有する連通管310は取付穴322に挿設される。説明する必要がある点として、このとき、連通管310の外壁と取付穴322の内壁が密封接続されてもよいし、取付穴322の内壁に密封接続されなくてもよく、連通管310の外壁と取付穴322の内壁が密封接続されない場合、連通管310の外壁と取付穴322の内壁との間に
図6又は
図7に示すような隙間流路306が形成され、この隙間流路306は第1の流路302と第2の流路304との間に位置する。
【0047】
幾つかの実施例において、
図9に示すように、仕切り板320に取付穴322が設けられる。第1の流路302を有する連通管310は取付穴322に挿設され、且つ該連通管310の外壁と取付穴322の内壁が複数の接続リブ330を介して接続される。複数の接続リブ330は間隔をあけて配置されて該連通管310を1周り取り囲み、複数の第2の流路304を画定する。このとき、
図9に示すような第2の流路304は
図7に示すような隙間流路306とほぼ一致する。
【0048】
本実施例において、
図1~
図4に示すように、連通管310は取付穴322に挿設され、且つ第1の連通管302の一端と第2の連通管304の一端は両方とも第1のチャンバー202a内まで延在し、第1の連通管302の他端と第2の連通管304の他端は両方とも第2のチャンバー202b内まで延在する。このように、仕切り板320の厚さを変えない場合、第1の連通管302と第2の連通管304は両方とも長い流通長さを有することができ、これにより、騒音低減により役に立つ。理解できる点として、他の実施例において、第1の連通管302の一端と第2の連通管304の一端は両方とも第1のチャンバー202a又は第2のチャンバー202b内まで延在するが、第1の連通管302の他端と第2の連通管304の他端は両方とも仕切り板320の取付穴322内に収納してもよい。
【0049】
幾つかの実施例において、
図1~
図4に示すように、連通管310は直管である。幾つかの実施例において、連通管310はエルボパイプでもよい。第1のチャンバー202aと第2のチャンバー202bの配置方向において、投影長さが同様なエルボパイプは直管よりも長い流路長を有し、これにより、騒音とエネルギー消費への配慮の両立により役に立つ。
【0050】
幾つかの実施例において、
図1~
図4に示すように、第1の流路302の数は1つであり、第1の流路302の断面形状は円形であり、第2の流路304の数は10個であり、第2の流路304の断面形状は円形(リング)である。このとき、連通管310の断面は蓮根状の模様を有すると考えられる。
【0051】
幾つかの実施例において、
図10~
図12に示すように、第1の流路302の数は1つであり、第1の流路302の断面形状は円形であり、第2の流路304の数は3個であり、第2の流路304の断面形状は円弧状(円弧状リング)である。
【0052】
幾つかの実施例において、
図13と
図14に示すように、第2の流路304の断面形状は異形(異形リング)である。異形は端部同士が順次接続された第1の円弧セグメント304a、第2の円弧セグメント304b、第3の円弧セグメント304c及び第4の円弧セグメント304dを含み、第1の円弧セグメント304aは第3の円弧セグメント304cに対応して異形の円弧状部を構成し、第2の円弧セグメント304bは第4の円弧セグメントに対応して異形の2つの円形部304dを構成する。このとき、異形の中間部が円弧状であり、異形の両端が円形であると考えられる。具体的に、本実施例において、第1の流路302の数は1つであり、第1の流路302の断面形状は円形であり、第2の流路304の数は5個であり、第2の流路304の断面形状は異形である。
【0053】
上記実施例において、第2の流路304の断面形状は円形、円弧状又は異形である。理解できる点として、第2の流路304の断面形状は以上のいくつかの形態に限定されなく、規則的或いは不規則な他の任意の形状であってもよい。上記実施例において、第1の流路302の数はいずれも1つであり、且つ第1の流路302の断面形状はいずれも円形である。理解できる点として、第1の流路302の数は1つに限定されず、第1の流路302の数は複数(2つ以上)であってもよく、第1の流路302の数が複数である場合、複数の第1の流路302は間隔をあけて配置される。理解できる点として、第1の流路302の断面形状は円形に限定されず、規則的或いは不規則な他の任意の形状、例えば上記円弧状、上記異形であってもよい。
【0054】
本実施例において、
図1~
図4に示すように、吸気消音器10は入口管400をさらに含む。入口管400は第3の流路402と第3の流路402の外側に位置する第4の流路404を含む。第3の流路402と第4の流路404は両方とも吸気口204を介して第1のチャンバー202aに連通される。入口管400を設けることで、冷媒を吸気消音器10内から非常に容易に排出することができ、同時に、第3の流路402と第4の流路404を含む入口管400は、騒音とエネルギー消費への配慮の両立により役に立ち、騒音低減とともに高いエネルギー効率比を有する効果を実現することができる。
【0055】
本実施例において、入口管400は吸気口204に挿設され、且つ入口管400の仕切りアセンブリ300に近い一端は第1のチャンバー202a内まで延在する。このようにすると、入口管400が吸気口204を介して第1のチャンバー202aに連通されるのに非常に便利である。理解できる点として、他の実施例において、入口管400の仕切りアセンブリ300に近い一端は第1のチャンバー202a内まで延在せず、吸気口204内に収納してもよい。説明する必要がある点として、本実施例において、入口管400の外壁と吸気口204の内壁とが密封接続され、例えば、入口管400が吸気口204に締まりばめされる。
【0056】
本実施例において、第3の流路402の設計は上記第1の流路302の設計とほぼ同じであり、第4の流路404の設計は上記第2の流路304の設計とほぼ同じであり、ここで詳しく説明しない。例えば、第3の流路402の流路長と第4の流路404の流路長が異なり、また例えば、第3の流路402の第1のチャンバー202aから遠い一端と第4の流路404の第1のチャンバー202aから遠い一端はほぼ面一であり、第3の流路402の第2のチャンバー202bに近い一端と第4の流路404の第2のチャンバー202bに近い一端に段差があり、また例えば、第4の流路404の数は複数であり、複数の第4の流路404は間隔をあけて配置されて第3の流路402を1周り取り囲み、また例えば、第3の流路402は第4の流路404よりも流路長が大きく、また例えば、複数の第4の流路404は等間隔に配置され、第4の流路404の断面は円形、円弧状或いは異形であってもよく、また例えば、第3の流路402の数は1つであり、第3の流路402の断面は円形である。
【0057】
上記吸気消音器10は圧縮機のケース内に設けられる場合、圧縮機の吸気方式は直接吸気でも、半直接吸気でもよい。直接吸気中に、入口管400の消音室202の外部にある端面は圧縮機のケースの内壁に密着するため、冷媒が圧縮機のケース上の吸気口を介して、入口管400を通過して消音室202内に直接入ることができる。半直接吸気中に、入口管400の消音室202の外部にある端面は圧縮機のケースの内壁と一定の距離だけ離間するため、冷媒が圧縮機のケース上の吸気口を介して、ケースに入った後、入口管400を通過して消音室202内に間接的に入ることができる。
【0058】
本実施例において、入口管400は管体部410とホーン部420を含む。第3の流路402と第4の流路404が管体部410に位置する。管体部410の一端が吸気口204に挿設される。ホーン部420が管体部410の他端に設けられる。ホーン部420を設けることによって、入口管400がホーン部420によって圧縮機のケースの内壁に密着するのに非常に便利であり、これにより、上記吸気消音器10を含む圧縮機が直接吸気の吸気方式を採用するのにより役に立つ。
【0059】
幾つかの実施例において、
図14及び
図15に示すように、上記ホーン部420は省略でき、このとき、管体部410が圧縮機のケースの内壁と一定の距離だけ離間することができ、これにより、冷媒は圧縮機のケース上の吸気口を介して、管体部410を通過して第1のチャンバー202a内に半直接的に入ることができ、このとき、圧縮機の吸気方式は半直接吸気であると考えられる。
【0060】
本実施例において、
図1及び
図2に示すように、吸気消音器10は出口管500をさらに含む。出口管500は第5の流路と第5の流路の外側にある第6の流路を有し、第5の流路と第6の流路は両方とも排気口206を介して第2のチャンバー202bに連通される。出口管500を設けることによって、冷媒を吸気消音器10から非常に容易に排出し、第5の流路と第6の流路を同時に含む出口管500は、騒音とエネルギー消費への配慮の両立により役に立ち、騒音低減とともに高いエネルギー効率比を有するという効果を実現することができる。
【0061】
本実施例において、排気管500は排気口206に挿設され、且つ排気管500の仕切りアセンブリ300の一端が第2のチャンバー202b内まで延在する。このようにすると、排気管500が排気口206を介して第2のチャンバー202bに連通されるのに非常に便利である。理解できる点として、他の実施例において、排気管500の仕切りアセンブリ300に近い一端は第2のチャンバー202b内まで延在しないが、排気口206内に収納されてもよい。説明する必要がある点として、本実施例において、排気管500の外壁と排気口206の内壁とが密封接続され、例えば、排気管500が排気口206に締まりばめされる。
【0062】
本実施例において、第5の流路の設計と上記第1の流路302の設計はほぼ同じであり、第6の流路の設計と上記第2の流路304の設計はほぼ同じであるため、ここで詳しく説明しない。例えば、第5の流路の流路長は第6の流路の流路長と異なり、また例えば、第5の流路の第2のチャンバー202bから遠い一端と第6の流路の第2のチャンバー202bから遠い一端はほぼ面一であるが、第5の流路の第1のチャンバー202aに近い一端と第6の流路の第1のチャンバー202aに近い一端とに段差があり、また例えば、第6の流路の数は複数であり、複数の第6の流路は間隔をあけて配置されて第5の流路を1周り取り囲み、また例えば、第5の流路が第6の流路よりも流路長が長く、また例えば、複数の第6の流路は等間隔に配置され、第6の流路の断面は円形、円弧状或いは異形であってもよく、また例えば、第5の流路の数は1つであり、第5の流路の断面は円形である。
【0063】
本実施例において、入口管400(管体部410)は直管であり、排気管500も直管である。理解できる点として、他の実施例において、入口管400と排気管500のうちの少なくとも一方はエルボパイプであってもよい。
【0064】
幾つかの実施例において、
図1~
図4に示すように、第1のチャンバー202a、仕切りアセンブリ300及び第2のチャンバー202bは第1の方向に沿って配置される。ケース200は第1のケース部210と第2のケース部220を含み、第1のケース部210と第2のケース部220は第2の方向において突き合わされて、包囲された消音室202を形成する。第2の方向は第1の方向と交差する。具体的に、本実施例において、第2の方向は第1の方向に垂直である。より具体的に、本実施例において、第1の方向は上下方向であり、第2の方向は左右方向である。ケース200は左右に設けられる第1のケース部210と第2のケース部220を含み、即ち上記吸気消音器10は左右に分割する吸気消音器である。ケース200は左右に設けられる第1のケース部210と第2のケース部220を含むことによって、ケース200の製作に非常に便利であるだけでなく、ケース200内に仕切りアセンブリ300を設けるのが非常に容易である。例えば、仕切りアセンブリ300は第1のケース部210または第2のケース部220に一体成形されてもよい。
【0065】
本実施例において、吸気口204と排気口206は両方とも第2のケース部220に位置する。仕切りアセンブリ300は第1のケース部210に一体成形される。
【0066】
本実施例において、出口管500の中心線と第1の流路302の中心線は、第1の方向において正対する。左右に分割する吸気消音器について、出口管500の中心線と第1の流路302の中心線は、第1の方向において正対することによって、吸気消音器10が騒音とエネルギー消費への配慮を両立するのにより役に立ち、ひいては上記吸気消音器10の消音周波数がより広くなるのに役に立つ。
【0067】
幾つかの実施例において、
図14及び
図15に示すように、第1のチャンバー202a、仕切りアセンブリ300及び第2のチャンバー202bは第1の方向に沿って配置される。ケース200は第1のケース部210と第2のケース部220を含み、第1のケース部210と第2のケース部220は第1の方向において突き合わされて、包囲された消音室202を形成する。具体的に、本実施例において、第1の方向は上下方向である。ケース200は上下に設けられる第1のケース部210と第2のケース部220を含み、即ち上記吸気消音器10は上下に分割する吸気消音器である。ケース200は上下に設けられる第1のケース部210と第2のケース部220を含むことによって、ケース200の製作に非常に便利であるだけでなく、ケース200内に独立した仕切りアセンブリ300を設けるのに非常に役に立つ。例えば、仕切りアセンブリ300は第1のケース部210に取り外し可能に接続される。
【0068】
本実施例において、出口管500の中心線と第1の流路304の中心線は、第1の方向においてずれている。上下に分割する吸気消音器について、出口管500の中心線と第1の流路302の中心線は、第1の方向においてずれていることによって、吸気消音器10が騒音とエネルギー消費への配慮を両立するのにより役に立ち、ひいては上記吸気消音器10の消音周波数がより広くなるのに役に立つ。
【0069】
本願は圧縮機をさらに提供し、該圧縮機は、圧縮機のケース内に設けられる上記の吸気消音器10を備える。
【0070】
本願は家電製品をさらに提供し、該家電製品は、上記の圧縮機を備える。幾つかの実施例において、家電製品は冷蔵庫であってもよい。幾つかの実施例において、家電製品はエアコンであってもよい。幾つかの実施例において、家電製品は加湿器であってもよい。
【0071】
以上は本願の好ましい実施例に過ぎず、これによって本願の特許範囲を制限するものではない。本願の発明構想に基づいて、本願の明細書及び図面の内容を利用して行った等価構造変換、又は他の関連する技術分野に直接/間接的に適用するものはいずれも本願の特許保護範囲に含まれる。
【0072】
本願は、2021年3月31日に提案された、出願番号が202110354132.4の中国特許出願の優先権を主張し、その全部内容は援用により本願に組み込まれる。
【符号の説明】
【0073】
10 吸気消音器
200 外部ケース
202 消音室
204 吸気口
206 排気口
202a 第1のチャンバー
202b 第2のチャンバー
300 仕切りアセンブリ
302 第1の流路
304 第2の流路
310 連通管
320 仕切り板
312 第1の管部
314 第2の管部
310a 第1の連通管
310b 第2の連通管
322 取付穴
306 隙間流路
304a 第1の円弧セグメント
304b 第2の円弧セグメント
304c 第3の円弧セグメント
304d 第4の円弧セグメント
400 入口管
402 第3の流路
404 第4の流路
410 管体部
420 ホーン部
500 出口管
210 第1のケース部
220 第2のケース部