(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】自動給液装置及び家庭用電気製品
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
(21)【出願番号】P 2023526498
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2021124538
(87)【国際公開番号】W WO2022095687
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】202011216281.6
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】王晶
(72)【発明者】
【氏名】王丞
(72)【発明者】
【氏名】劉建設
(72)【発明者】
【氏名】王漢
(72)【発明者】
【氏名】徐楽馨
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108978132(CN,A)
【文献】中国実用新案第209456748(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108729134(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108729131(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1吐液口(5)を有するキャビティユニットと、
第1通気口(6)を有し、前記第1通気口(6)が、
前記キャビティユニットの内部と連通しており、
前記キャビティユニットの内部と外部の気圧とのバランスを取るために用いられる気圧バランスユニットと、
受水トレイ(7)と、を含み、
前記第1吐液口(5)と
前記第1通気口(6)は、開口方向が同じであり、且つ同一水平面上に位置
し、且つ前記受水トレイ(7)の下を向き、
前記受水トレイ(7)内の液面は第1液面及び第2液面を含み、
前記第1液面は、前記第1吐液口(5)及び前記第1通気口(6)と同一水平面上に位置し、前記受水トレイ(7)内の液面が第1液面に位置する場合、前記第1吐液口(5)は吐液を停止し、
前記第2液面は、前記第1吐液口(5)及び前記第1通気口(6)が存在する水平面よりも低く、前記受水トレイ(7)内の液面が第2液面に位置する場合、前記第1吐液口(5)は吐液することを特徴とする自動給液装置。
【請求項2】
前記キャビティユニットは、液体配合ケース(1)及び
前記液体配合ケース(1)と連通する吐液管(4)を含み、
前記第1吐液口(5)は、
前記吐液管(4)のうち
前記液体配合ケース(1)から離隔する一端に設けられ、
前記吐液管(4)の他端には第1給液口が設けられており、
前記第1給液口は
前記液体配合ケース(1)と連通し、
前記第1吐液口(5)と
前記第1給液口の間に第1通路が形成されることを特徴とする請求項1に記載の自動給液装置。
【請求項3】
前記気圧バランスユニットには第2通気口が更に設けられており、
前記第1通気口(6)と
前記第2通気口の間に第2通路が形成さ
れることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動給液装置。
【請求項4】
前記気圧バランスユニットは導気管(2)を含み、前記導気管(2)は、一端が液体配合ケース(1)の上方と連通し、他端が
前記第2通気口に連なっていることを特徴とする請求項3に記載の自動給液装置。
【請求項5】
前記第2通路は吐液管(4)内に設けられるとともに、第1通路とは互いに独立して設けられることを特徴とする請求項3に記載の自動給液装置。
【請求項6】
前記液体配合ケース(1)は少なくとも1つ設けられ、
前記液体配合ケース(1)は、上端に第2給液口が設けられるとともに、下端に第2吐液口が設けられており、
前記第2吐液口は
前記第1給液口にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項2に記載の自動給液装置。
【請求項7】
更に、
前記液体配合ケース(1)の
前記第2吐液口と
前記吐液管(4)の
前記第1給液口との連通及び遮断を制御するための制御弁(3)を含むことを特徴とする請求項
6に記載の自動給液装置。
【請求項8】
請求項
1~7のいずれか1項に記載の自動給液装置を有する家庭用電気製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電気製品の技術分野に属し、具体的には、自動給液装置及び家庭用電気製品に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の絶え間ない進歩に伴って、人々の両手は負担の重い肉体労働から解放されつつある。特に、生活リズムが次第に加速する今日では、ほぼ全ての家庭において、昔のような手で洗濯する方式から、洗濯機を使用して衣類を洗浄する方式に切り替えられている。また、生活水準が徐々に向上するのに伴い、現在の家庭生活では粉末洗剤から洗濯液に置き換わりつつあり、高級な衣類ケア剤も徐々に増加している。
【0003】
従来の洗濯機は、使用過程で洗剤や消毒剤を人為的に添加せねばならず、蓋を開放して添加する必要があるため、洗浄の速度が低下してしまう。また、人間が2回操作せねばならないため、煩雑さが増す。更に、洗浄する人は、洗浄の開始前に、どの程度の洗濯添加剤量を手動で添加するのかを経験に基づき判断せねばならないため、洗浄する人の作業量が増加する。且つ、洗濯添加剤量をどの程度にするのかの制御が不適切であるために、きれいに洗えなかったり、無駄が生じたりしやすい。また、従来の内蔵添加装置は、有効な自動化方式が不足しており、取り外しも容易でない。実際、これらの点において、いずれも早急に解決すべき課題が存在している。
【0004】
現在のところ、洗濯添加剤や柔軟剤を収容する洗濯添加剤ケースは、一般的に、密封状の筐体となっており、各種ポンプによってケースからの洗濯添加剤の抽出を実現している。また、一般的に使用されている装置には2種類の方式がある。一つは、洗濯機と一体的に成型される液状洗濯補助剤ケースであり、単独で金型を製作して加工する必要がある。もう一つは分離型であり、洗濯機に穿孔して取り付ける必要がある。これら2種類の方式は、いずれも生産及び加工において不要な悩みを生じさせる。且つ、これまでの旧式の洗濯機への使用や、独立した装置としての使用が不可能である。
【0005】
特許文献1は、洗濯機に用いられる洗剤投入装置を開示している。前記洗剤投入装置は収容空間を含み、前記収容空間内に特殊な洗剤ケースの安置溝が規定されている。前記特殊な洗剤ケースの安置溝内には、特殊な洗剤ケースを突き破る第1ピンと第2ピンが設けられている。且つ、前記第1ピン内には給水孔が備わっており、前記第2ピン内には吐水孔が備わっている。前記第1ピン及び前記第2ピンは、いずれも、端部が特殊な洗剤ケースに刺し込まれたあと、前記給水孔と前記吐水孔が前記特殊な洗剤ケースの内部空間と連通するのに適するよう構成されている。当該特許では、洗浄水が給水孔から洗剤ケース内に進入して洗剤と混合されるとともに、吐水孔から流出して洗濯機内に進入する。しかし、当該洗剤ケースは1回しか使用できず、洗濯のたびに新たな洗剤ケースを取り付けねばならない。そのため、資源が無駄となり、且つ、顧客に洗濯添加剤ケースをマッチングさせる際にも少なからぬ悩みが生じる。
【0006】
特許文献2は、洗濯添加剤ケース及び洗濯機を開示している。前記洗濯添加剤ケースは、内部に空洞が設けられた密閉状の筐体を含む。前記筐体には吐液口が設けられている。当該吐液口は、洗濯機の投入管路と連通して、洗濯機の洗浄室内に洗濯添加剤を投入するために用いられる。また、洗濯添加剤ケースの内外の気圧のバランスを取る一方向通気構造と、吐液口に設けられる吐液装置を含む。前記洗濯添加剤は筐体内部の空洞に充填され、吐液装置によって洗濯添加剤ケースから洗濯機の投入管路に進入する。しかし、当該特許では、洗濯添加剤ケース内の洗濯添加剤を吸い出せるよう、洗濯添加剤ケースの底壁に吸引装置を取り付けねばならないため、コストが増加する。
【0007】
特許文献3は、洗濯機の自動投入装置及び貯液通気構造を開示している。貯液通気構造は貯液ケースに設けられており、貯液ケースに設けられた通気口と、通気口に取り付けられる一方向通気弁を含む。一方向通気弁は、通気口内に設けられて貯液ケースの外部から内部に向かって延伸する弁体と、弁体の一端に設けられて通気口を動作可能に密封する第1部材と、弁体の他端に設けられて外部と通気口を連通させる第2部材を含む。しかし、当該構造は、洗剤を定量で添加するよう制御することができず、無駄が生じやすい。
【0008】
更に、給液装置によっては、スイッチ又は給水弁で給液を制御するため、度々給液する機器の場合には常時開・常時閉とせねばならず、操作が頻繁となる。よって、人力や電力が無駄となったり、弁構造を増やしたりする必要があり、ユーザエクスペリエンスに劣る。また、部分超音波洗浄装置の場合には、洗浄過程で頻繁に液を使用する必要があり、且つ、水又は液体洗剤を使い切ってしまいやすい。そのため、人為的に給液をオン/オフする場合には非常に面倒である。
【0009】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】中国特許第10797034.7号明細書
【文献】中国特許第10248454.4号明細書
【文献】中国特許第10277408.7号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、装置構造によって自動給液を実現し、構造がシンプルで、人力及びコストの節約になるとの特性を有する自動給液装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は次の通りである。
【0013】
自動給液装置は、以下を含む。
【0014】
キャビティユニットは第1吐液口を有する。
【0015】
気圧バランスユニットは、第1通気口を有する。前記第1通気口は、キャビティユニットの内部と連通しており、キャビティユニットの内部と外部の気圧とのバランスを取るために用いられる。
【0016】
前記第1吐液口と第1通気口は、開口方向が同じであり、且つ同一水平面上に位置する。
【0017】
更に、前記キャビティユニットは、液体配合ケース及び液体配合ケースと連通する吐液管を含む。
【0018】
前記第1吐液口は、吐液管のうち液体配合ケースから離隔する一端に設けられ、吐液管の他端には第1給液口が設けられており、第1給液口は液体配合ケースと連通する。
【0019】
前記第1吐液口と第1給液口の間に第1通路が形成される。
【0020】
更に、前記気圧バランスユニットには第2通気口も設けられている。
【0021】
前記第1通気口と第2通気口の間に第2通路が形成される。
【0022】
好ましくは、前記第2通路は吐液管内に設けられるとともに、第1通路とは互いに独立して設けられる。
【0023】
更に、前記気圧バランスユニットは導気管を含む。前記導気管は、一端が液体配合ケースの上方と連通し、他端が第2通気口に連なっている。
【0024】
導気管は第2通気口に連なっており、第2通気口は第1通気口と第2通路を形成し、第1通気口は外部と連通する。これにより、液体配合ケース内の気圧が外部の気圧と同じになるため、液体配合ケース内の洗剤混合液を円滑に流出させられる。
【0025】
液体配合ケース内の洗剤混合液の液量が減少すると、それに伴って、液体配合ケース内の気圧は小さくなる。仮に、気圧バランスユニットが設けられていなければ、液体配合ケース内の洗剤混合液には、円滑に吐液できないとの事態や、吐液が停止するとの事態が容易に発生する。
【0026】
更に、受水トレイも含む。前記受水トレイのトレイ口が存在する水平面は、第1吐液口及び第1通気口が存在する水平面よりも高いため、吐液時に受水トレイから溢れ出して無駄が生じるとの事態が防止される。
【0027】
更に、前記第1吐液口と第1通気口は、開口方向が下を向いて受水トレイとちょうど対向しており、受水トレイ内の液面と相互に作用することで、自動給液の実行及び停止を制御するために用いられる。
【0028】
更に、前記受水トレイ内の液面は第1液面及び第2液面を含む。
【0029】
前記第1液面は、第1吐液口及び第1通気口と同一水平面上に位置し、前記受水トレイ内の液面が第1液面に位置する場合、前記第1吐液口は吐液を停止する。
【0030】
前記第2液面は、第1吐液口及び第1通気口が存在する水平面よりも低く、前記受水トレイ内の液面が第2液面に位置する場合、前記第1吐液口は吐液する。
【0031】
洗濯過程において、受水トレイ内の液体量が減少し、液体不足の状況が発生した場合、受水トレイ内の液面は第2液面に位置する。この場合には、第1吐液口から自動的に給液される。そして、受水トレイ内の液面が液体量の増加に伴って第1液面に達し、第1吐液口及び第1通気口が存在する水平面と同一に維持されることで、給気が停止し、液体配合ケース内の気圧が外部の気圧よりも小さくなる。続いて、給液が停止される。これにより、受水トレイ内には常に定量の液体洗剤混合液が存在することになり、最適な洗浄効果が維持される。
【0032】
第1吐液口及び第1通気口と受水トレイ内の液面が相互に作用して水封が形成されることで、装置構造により自動給液が実現されるとともに、自動給液の実行及び停止を制御可能となる。よって、ポンプや給水弁等の装置を取り付けて給液を実現する必要も、人為的に頻繁にオン/オフする必要もないため、人力及びコストの節約となる。
【0033】
更に、前記液体配合ケースは少なくとも1つ設けられる。液体配合ケースは、上端に第2給液口が設けられるとともに、下端に第2吐液口が設けられている。第2吐液口は第1給液口にそれぞれ接続される。
【0034】
液体配合ケースは複数とし、水、洗剤、柔軟剤、消毒剤等の配合に用いてもよい。配合済みの洗剤混合液を使用して衣類を洗浄することで、洗浄効果を有効に向上させられる。
【0035】
第2給液口は、外部の水、洗剤、柔軟剤、消毒剤等を液体配合ケース内に進入させるために用いられる。第2吐液口は、配合済みの洗剤混合液を流出させるために用いられる。
【0036】
更に、液体配合ケースの第2吐液口と吐液管の第1給液口との連通及び遮断を制御するための制御弁も含む。
【0037】
制御弁により液体配合ケースと吐液管との連通及び遮断を制御し、自動給液を実現することで、頻繁に開弁する必要がなくなるため、電気エネルギー消費が減少する。
【0038】
上記の自動給液装置を有する家庭用電気製品。
【発明の効果】
【0039】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0040】
本発明は、自動給液装置を提供する。装置構造によって自動給液の実行及び停止を実現することで、ポンプや給水弁等の装置を取り付けなくても、定量の洗剤混合液を貯えて、最適な洗浄状態を維持するとの効果が達成される。
【0041】
気圧バランスユニットを設け、液体配合ケースの気圧を外部の気圧と同じにすることで、液体配合ケース内の洗剤混合液を円滑に流出させられるため、気圧のアンバランスにより吐液されないとの事態の発生が防止される。
【0042】
本発明で提供する自動給液装置は、自動給液及び幾度にもわたる給液が実現され、繰り返し使用でき、構造がシンプルであり、省スペースとなり、操作しやすいとの特性を有する。
【0043】
本発明は、更に、上記の自動給液装置を有する家庭用電気製品を提供する。当該家庭用電気製品は、着脱及びクリーニングが容易であり、人力及びコストの節約となり、ユーザエクスペリエンスが強化されるとの特性を有する。
【0044】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0045】
図面は、本願の一部として、本発明の更なる理解のために用いられる。本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】
図1は、本発明における自動給液装置の概略構造図である。
【
図2】
図2は、本発明の
図1における吐液管の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0048】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0049】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0050】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「連なる」、「連通する」、「取り付ける」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、取り外し可能な接続であってもよいし、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0051】
図1~
図2に示すように、本発明は、液体配合ケース1、制御弁3、吐液管4及び受水トレイ7を含む自動給液装置を提供する。液体配合ケース1内には導気管2が設けられている。また、液体配合ケース1は、上端に第2給液口が設けられており、下端に第2吐液口が設けられている。吐液管4は、一端に第1吐液口5及び第1通気口6が設けられており、他端に第1給液口及び第2通気口が設けられている。第1吐液口5と第1給液口は第1通路を形成し、第1通気口6と第2通気口は第2通路を形成する。制御弁3は、液体配合ケース1の第2吐液口と吐液管4の第1給液口との連通及び遮断を制御する。
【0052】
本発明は、更に、自動給液装置を有する家庭用電気製品を提供する。
【0053】
一実施方案として、
図1に示すように、本発明は、液体配合ケース1、制御弁3、吐液管4及び受水トレイ7を含む自動給液装置を提供する。
【0054】
吐液管4は液体配合ケース1の下方に設けられ、これらの間が制御弁3を通じて連通する。
【0055】
洗剤混合液が自重によって液体配合ケース1から吐液管4に向かって流れるよう、吐液管4を液体配合ケース1の下方に設ける。
【0056】
吐液管4は受水トレイ7の上方に設けられる。吐液管4のうち液体配合ケース1から離隔する一端には第1吐液口5及び第1通気口6が設けられている。これらは、開口方向が同じであり、且つ同一水平面上に位置する。
【0057】
第1吐液口5と第1通気口6は、開口方向が下を向いて受水トレイ7とちょうど対向しており、受水トレイ7内の液面と相互に作用することで、自動給液の実行及び停止を制御するために用いられる。
【0058】
受水トレイ7のトレイ口が存在する水平面は、第1吐液口5及び第1通気口6が存在する水平面よりも高いため、吐液時に受水トレイ7から溢れ出して無駄が生じるとの事態が防止される。
【0059】
受水トレイ7内の液面は、第1液面及び第2液面を含む。
【0060】
第1液面は、第1吐液口5及び第1通気口6と同一水平面上に位置する。受水トレイ7内の液面が第1液面に位置する場合、前記第1吐液口5は吐液を停止する。
【0061】
第2液面は、第1吐液口5及び第1通気口6が存在する水平面よりも低い。受水トレイ7内の液面が第2液面に位置する場合、前記第1吐液口5は吐液する。
【0062】
洗濯過程において、受水トレイ7内の液体量が減少し、液体不足の状況が発生した場合、受水トレイ7内の液面は第2液面に位置する。この場合には、第1吐液口5から自動的に給液される。そして、受水トレイ7内の液面が液体量の増加に伴って第1液面に達し、第1吐液口5及び第1通気口6が存在する水平面と同一に維持されることで、水封が形成され、給気が停止する。また、液体配合ケース1内の気圧が外部の気圧よりも小さくなり、続いて、給液が停止される。これにより、受水トレイ7内には常に定量の液体洗剤混合液が存在することになり、最適な洗浄効果が維持される。
【0063】
第1吐液口5及び第1通気口6と受水トレイ7内の液面が相互に作用して水封が形成されることで、装置構造により自動給液が実現されるとともに、自動給液の実行及び停止を制御可能となる。よって、ポンプや給水弁等の装置を取り付けて給液を実現する必要も、人為的に頻繁にオン/オフする必要もないため、人力及びコストの節約となる。
【0064】
吐液管4の他端には、第1給液口及び第2通気口が設けられている。
【0065】
第1吐液口5と第1給液口は第1通路を形成する。
【0066】
第1通気口6と第2通気口は第2通路を形成する。
【0067】
第1通路と第2通路は互いに独立して吐液管4内に設けられる。
【0068】
液体配合ケース1内には導気管2が設けられている。導気管2は鉛直方向に分布しており、上端が液体配合ケース1の上方に位置するとともに、下端が液体配合ケース1を貫通して第2通気口に連なっている。
【0069】
導気管2は第2通気口に連なっており、第2通気口は第1通気口6と第2通路を形成し、第1通気口6は外部と連通する。これにより、液体配合ケース1内の気圧が外部の気圧と同じになるため、液体配合ケース1内の洗剤混合液を円滑に流出させられる。
【0070】
液体配合ケース1内の洗剤混合液の液量が減少すると、それに伴って、液体配合ケース1内の気圧は小さくなる。仮に、第1通気口6、第2通気口及び導気管2が設けられていなければ、液体配合ケース1内の洗剤混合液には、円滑に吐液できないとの事態や、吐液が停止するとの事態が容易に発生する。
【0071】
液体配合ケース1は、1つとしてもよいし、複数としてもよく、必要に応じて設置し、水、洗剤、柔軟剤、消毒剤等の配合に用いてもよい。配合済みの洗剤混合液を使用して物品を洗浄することで、洗浄効果を有効に向上させられる。
【0072】
液体配合ケース1は、上端に第2給液口が設けられており、下端に第2吐液口が設けられている。
【0073】
第2給液口は、外部の水、洗剤、柔軟剤、消毒剤等を液体配合ケース1内に進入させるために用いられる。
【0074】
第2吐液口は、配合済みの洗剤混合液を流出させて、吐液管4内に進入させることで、第1吐液口5から受水トレイ7内に進入させるために用いられる。
【0075】
制御弁3は、液体配合ケース1の第2吐液口と吐液管4の第1給液口を連通させる。
【0076】
受水トレイ7内には、液面が第1液面に達したか否かを検出するための液面検出ユニットが設けられている。
【0077】
液面検出ユニットによって受水トレイ7内の液面が第1液面に達していないと検出された場合には、液体配合ケース1の第2吐液口と吐液管4の第1給液口を連通させるよう制御弁3を制御することで、自動給液が実現される。
【0078】
本方案では、洗濯操作を行う前に、洗濯機のスイッチをオンにして洗浄プログラムを選択する。このとき、制御弁3はオンとなって、液体配合ケース1の第2吐液口と吐液管4の第1給液口との連通を阻止する。
【0079】
外部の水や洗剤等が第2給液口から液体配合ケース1内に進入し、洗剤混合液の配合が行われる。
【0080】
液面検出ユニットによって受水トレイ7内の液面が第1液面に達していないと検出された場合には、液体配合ケース1の第2吐液口と吐液管4の第1給液口を連通させるよう制御弁3を制御する。これにより、配合済みの洗剤混合液が制御弁3を通過し、液体配合ケース1から吐液管4に流れ込む。
【0081】
洗剤混合液は自重によって自動流出を実現する。且つ、このとき、受水トレイ7内の液面は第2液面に位置するため、吐液管4の第1通気口6は外部と連通している。これにより、液体配合ケース1内の気圧が外部の気圧と同じになることで、洗剤混合液を比較的円滑に流出させられる。
【0082】
液体配合ケース1内の洗剤混合液の液量が減少すると、それに伴って、液体配合ケース1内の気圧は小さくなる。仮に、第1通気口6、第2通気口及び導気管2が設けられていなければ、液体配合ケース1内の洗剤混合液には、円滑に吐液できないとの事態や、吐液が停止するとの事態が容易に発生する。
【0083】
受水トレイ7内の洗剤混合液の液量が増加するにつれて、液面は第2液面から第1液面まで上昇する。
【0084】
第1液面は、第1吐液口5及び第1通気口6が存在する水平面と同一水平面上に位置するため、受水トレイ7内の第1液面は、第1吐液口5及び第1通気口6と同時に水封を形成する。また、液体配合ケース1内の気圧が外部の気圧よりも小さくなることで、吐液が停止する。
【0085】
次の洗浄過程において、受水トレイ7内の洗剤混合液が減少し、液面が第2液面となった場合には、第1通気口6から給気されることで、洗剤混合液が液体配合ケース1から流出し、制御弁3を経由して吐液管4に流れ込んだあと、第1吐液口5から受水トレイ7内に進入する。
【0086】
受水トレイ7内の洗剤混合液の液量が増加し、液面が第2液面から第1液面まで上昇して、第1吐液口5及び第1通気口6と同時に水封を形成することで、吐液は停止する。
【0087】
このように、上記の過程を繰り返すことで、自動給液の目的を達成し得る。また、何度も給液して繰り返し使用することが可能である。且つ、受水トレイ7内に定量の洗剤混合液を貯えることで、最適な洗浄状態が維持され、次回の洗浄に影響を及ぼすことがない。
【0088】
一実施方案として、第1通気口6と第2通気口で形成される第2通路は、導気管2と独立して設置してもよいし、一体的に設置してもよく、更には複数の取り付け方式も存在し得るが、液体配合ケース1と外部を連通させて気圧を同じにできさえすればよい。
【0089】
一実施方案として、液体配合ケース1に予め定められた配合時間を設定しておき、液体配合ケース1内の洗剤混合液が予め定められた配合時間に達したあと、液体配合ケース1の第2吐液口と吐液管4の第1給液口を連通させるよう制御弁3を制御してもよい。これにより、配合済みの洗剤混合液が制御弁3を通過し、液体配合ケース1から吐液管4に流れ込む。更に、制御弁3を制御するその他のユニットを設けてもよいが、これについては具体的に限定しない。
【0090】
一実施方案として、本発明で提供する自動給液装置は、部分超音波洗浄装置に適用してもよいし、洗剤ディスペンサーに適用してもよいし、その他の自動投入装置に適用してもよい。
【0091】
一実施方案として、本発明は、更に、上記の自動給液装置を有する家庭用電気製品を提供する。
【0092】
ここで提供した明細書では、多数の具体的詳細事項について説明した。しかし、理解し得るように、本発明の実施例は、これらの具体的詳細事項が存在しない場合でも実践可能である。また、いくつかの実施方案では、本明細書に対する理解が曖昧とならないよう、公知の方法、構造及び技術については詳細に提示していない。
【0093】
同様に、理解すべき点として、本開示を簡潔とし、各発明の1又は複数の局面に対する理解を助けるために、上述した本発明の例示的実施例についての記載では、本発明の各特徴を一括して1つの実施例、図面又はそれらの記載に組み込んでいる場合がある。しかし、本開示の方法について、保護を請求する本発明が各請求項に明記されている特徴よりも多くの特徴を要求するとの意図を反映するものであるとは解釈すべきでない。より正確に言うと、後述の特許請求の範囲に反映したように、発明の局面は上記で開示した各実施例の全ての特徴よりも少ない。つまり、具体的実施形態に従う特許請求の範囲は、それにより当該具体的実施形態に明らかに組み込まれており、各請求項自体がいずれも本発明の個々の実施例をなしている。
【0094】
このような特徴及び/又は過程、或いはユニットの少なくとも一部は、互いに排除し合う場合を除き、いずれかの組み合わせで、本明細書(付随する請求項、要約及び図面を含む)に開示したあらゆる特徴や、ここで開示したいずれかの機器の全ての過程或いはユニットと組み合わせ可能である。また、別途明確に記載している場合を除き、本明細書(付随する請求項、要約及び図面を含む)で開示した各特徴は、同一、同等又は類似の目的の代替的な特徴を提供して置き換えることが可能である。
【0095】
そのほか、当業者であれば理解し得るように、ここで記載した一部の実施例は、その他の実施例に含まれる何らかの特徴を含んでおり、その他の特徴は含んでいないが、異なる実施例の特徴を組み合わせることは、本発明の範囲内であって、且つ異なる実施例を形成することを意味している。例えば、後述の特許請求の範囲で保護を請求する実施例のいずれかは、任意の組み合わせで使用することが可能である。
【0096】
注意すべき点として、上記の実施例は本発明を説明するものであって、本発明を制限するものではない。且つ、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、代替的な実施例を設計可能である。また、請求項において、括弧内に記載した何らかの参照符号は請求項を制限するものではない。また、「含む」との語は、請求項に記載していない部材又はステップの存在を排除するものではない。また、部材の前に記載される「1の」又は「1つの」との語は、これら部材が複数存在することを排除するものではない。また、いくつかの装置を列挙するユニットの請求項において、これら装置のうちのいくつかは同一のハードウェアによって具体的に体現可能である。また、第1、第2及び第3等の語の使用は何らかの順序を表すものではなく、これらの語については名称であると解釈すればよい。
【符号の説明】
【0097】
1 液体配合ケース
2 導気管
3 制御弁
4 吐液管
5 第1吐液口
6 第1通気口
7 受水トレイ