(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】超音波センサを用いた駐車スペースを認識するための方法
(51)【国際特許分類】
G01S 15/46 20060101AFI20240604BHJP
G01S 15/931 20200101ALI20240604BHJP
【FI】
G01S15/46
G01S15/931
(21)【出願番号】P 2023527731
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(86)【国際出願番号】 DE2021200199
(87)【国際公開番号】W WO2022117162
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】102020215253.5
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】スレイマン・ワッシム
(72)【発明者】
【氏名】ケクド・アビシェーク
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン・クリストファー
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-306042(JP,A)
【文献】特表2000-513445(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0018825(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0225622(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01731922(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - G01S 7/64
G01S 13/00 - G01S 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップを包含することを特徴とする車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)を用いた駐車スペースを認識するための方法:
a)車両(1)の超音波センサ(2)によって超音波シグナルを照射するステップ(S20);
b)超音波シグナルの反射シグナル部分を超音波センサ(2)によって受信するステップ(S21);
c)車両(1)の周辺部に関するグリッド(R)を用意するステップ(S22)、但し、該グリッド(R)は、多数のセル(Z)を有している、更に、各セル(Z)には、車両(1)の周辺領域の部分領域が、割り当てられており、且つ、各セル(Z)には、占有値が割り当てられている;
d)反射シグナル部分をグリッド(S23)の複数のセル(Z)のセットに、照射から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに基づいて割り当てるステップ、但し、反射シグナル部分が割り当てられたセル(Z)の占有値(BW)は、それぞれある一定の値、増やされる;
e)以下を実施することにより、複数のセルからなるセット中のセル(Z)の占有値(BW)に基づいて、占有情報を割り出すステップ(S24):
1.セルからなるセットの中で最大占有値(BW
max)を有するセル(Z)を割り出す;
2.第一閾値(T1)と最大占有値(BW
max)を比較する;
3.最大占有値(BW
max)が、第一閾値(T1)を超えた場合、最大占有値(BW
max)が割り当てられたセルのカウンタ(n)を、あるインクリメント値分、変更する;そして
4.カウンタ(n)を、第二閾値(T2)と比較し、その比較結果に基づいて、セル(Z)の占有状況を設定する;
f)ステップa),b),d)並びにe)を複数回反復する(S25);次に、
g)グリッド(R)のセル(Z)の占有状況に基づいて駐車スペース認識を実施するステップ(S26)。
【請求項2】
秒毎/受信サイクル毎に占有値(BW)が増えるセルのセットが、送信から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに依存する平均半径(r)を有する円環セグメントによって割り出され、その円環セグメントの周方向への広がりは、超音波センサ(2)の受信領域に依存していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ラジアル方向の円環セグメントが、超音波センサ(2)の公差(e)、及び/或いは、車両(1)の及び/或いは超音波センサ(2)の位置を割り出すために用いられているオドメトリシステムの公差によって定まる幅を有していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
セル(Z)の占有値(BW)に、受信された反射シグナル部分の振幅に依存する値分が、加算される、或いは、セル(Z)の占有値(BW)には、受信された反射シグナル部分に依存しない一定の値分が、加算されることを特徴とす
る請求項
1から3のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
並行して複数の異なる占有情報が、具体的には、車両(1)の複数の異なる位置に配置されている超音波センサ(2)によって割り出される情報に基づいて割り出されることを特徴とす
る請求項
1から4のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
占有情報を割り出すために、異なる超音波センサ(2)間のクロスエコーが、評価されることを特徴とす
る請求項
1から5のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
該グリッド(R)が、車両(1)と共に動くグリッドであることを特徴とす
る請求項
1から6のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
セル(Z)の占有値(BW)、及び/或いは、セル(Z)に割り当てられたカウンタ(n)、及び/或いは、セル(Z)の占有状況が、一つのリングメモリに保存されることを特徴とす
る請求項
1から7のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも一つの超音波センサ(2)、並びに、超音波センサ(2)から提供された情報を評価するための計算ユニットを包含するシステムであって、以下のステップを実施できる様に構成されていることを特徴とする駐車スペースを認識するためのシステム:
h)車両(1)の超音波センサ(2)によって超音波シグナルを照射するステップ;
i)超音波シグナルの反射シグナル部分を超音波センサ(2)によって受信するステップ;
j)車両(1)の周辺部に関するグリッド(R)を用意するステップ、但し、該グリッド(R)は、多数のセル(Z)を有している、更に、各セル(Z)には、車両(1)の周辺領域の部分領域が、割り当てられており、且つ、各セル(Z)には、占有値(BW)が割り当てられている;
k)反射シグナル部分をグリッド(R)の複数のセル(Z)のセットに、照射から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに基づいて割り当てるステップ、但し、反射シグナル部分が割り当てられたセル(Z)の占有値(BW)は、それぞれある一定の値、増やされる;
l)複数のセルからなるセット中のセル(Z)の占有値(BW)に基づいて、占有情報を、計算ユニットを用いて以下の様に割り出すステップ:
5.セルからなるセットの中で最大占有値(BW
max)を有するセル(Z)を割り出す;
6.第一閾値(T1)と最大占有値(BW
max)を比較する;
7.最大占有値(BW
max)が、第一閾値(T1)を超えた場合、最大占有値(BW
max)が割り当てられたセル(Z)のカウンタ(n)を、あるインクリメント値分、変更する;そして
8.カウンタ(n)を、第二閾値(T2)と比較し、その比較結果に基づいて、セル(Z)の占有状況を設定する;
m)ステップa),b),d)並びにe)を複数回反復する;次に、
n)グリッド(R)のセル(Z)の占有状況に基づいて駐車スペース認識を実施するステップ。
【請求項10】
該計算ユニットが、秒毎/受信サイクル毎に占有値(BW)が増えるセル(Z)のセットが、送信から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに依存する平均半径(r)を有し、その周方向への広がりが、超音波センサ(2)の受信領域に依存している円環セグメントによって割り出される様に、構成されていることを特徴とする請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
該計算ユニットは、秒毎/受信サイクル毎に占有値(BW)が増えるセル(Z)のセットが、そのラジアル方向の幅が、超音波センサ(2)の公差(e)、及び/或いは、車両(1)の及び/或いは超音波センサ(2)の位置を割り出すために用いられているオドメトリシステムの公差(e)によって定まる円環セグメントによって割り出される様に、構成されていることを特徴とする請求項
9、或いは、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
該計算ユニットが、並行して複数の異なる占有情報
が、具体的には、車両(1)の複数の異なる位置に配置されている超音波センサ(2)によって割り出される情報に基づいて、割り出される様に、構成されていることを特徴とする請求項
9から
11のうち何れか一項に記載のシステム。
【請求項13】
請求項
9から
12のうち何れか一項に記載のシステムを備えた車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つの乃至複数の超音波センサを用いた駐車スペースを認識するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両周辺部の周辺情報を、例えば、駐車の際に、他のオブジェクトまでの距離を捕捉するために、超音波センサを用いて捕捉することは、既知である。
【0003】
同様に、複数の超音波センサからの情報を基にした三辺測量による駐車スペース認識の実施も既知である。三辺測量を用いれば、オブジェクトまでの間隔のみならず、そのオブジェクトがある空間方向も割り出すことができる。
【0004】
駐車スペースを認識するための既知の方法の欠点は、計算負荷が高く、三角測量法が、オドメトリシステムの不正確さや、ノイズに起因するエラーに弱いことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これを起点とした本発明の課題は、必要な計算負荷やメモリ負荷が小さく、エラーを起こしにくい、一つの乃至複数の超音波センサを用いた駐車スペースを認識するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立請求項1記載の特徴を持つ方法によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。一つの乃至複数の超音波センサを用いた駐車スペースを認識するシステムは、並列請求項10、並びに、この様なシステムを装備した車両は、並列請求項15の対象である。
【0007】
第一アスペクトによれば本発明は、駐車スペースを、車両に搭載されている少なくとも一つの超音波センサを用いて認識するための方法に関する。本方法は、以下のステップを包含している:
【0008】
先ず、超音波シグナルが、車両の超音波センサから照射される。ここでは、唯一の超音波センサが、一つの超音波シグナルを送信する、或いは、複数の超音波センサが、同時、或いは、時間的にずらして、それぞれ、超音波シグナルを照射する。
【0009】
続いて、超音波シグナルの反射されたシグナル部分を超音波センサによって受信する。該反射されたシグナル部分(以降、反射シグナル部分乃至エコーと記す)は、この際、該超音波シグナルを照射したのと同じ超音波センサによって、或いは、他の超音波センサ(所謂、クロスエコー)によって受信される。
【0010】
次に、車両の周辺領域に関するグリッドが用意される。該グリッドは、多数のセルを有しているが、各々のセルは、車両の周辺領域の部分領域に割り当てられ、各々のセルには、占有値が、割り当てられている。セルの占有値は、例えば、受信されたエコーが、既に何度このセルに割り当てられたかを与える。グリッド乃至グリッドのセルは、好ましくは、車両の各々の位置へ共に動く、即ち、グリッドは、車両ポジションに対して一定の関係を有しており、不動な周辺領域と関連しているのではないと言うことである。
【0011】
続いて、反射シグナル部分が、グリッドの複数のセルのセットに、送信と反射シグナル部分の受信との間の超音波シグナルのランタイムに基づいて割り当てられる。ランタイムに基づいて、超音波センサからの反射を引き起こしたオブジェクトまでの間隔を割り出すことができる。車両の超音波センサの位置に関する知見及び車両のオドメトリ・データを基に、受信された反射シグナル部分を、セルのグループに割り当てることができる。この割り当てに基づいて、反射シグナル部分が割り当てられたセルの占有値を、それぞれ、ある一定の値、増やすことができる。その値は、一定の値であっても良いが、反射シグナル部分の特徴から得られることもできる。
【0012】
続いて、セルからなるセット中のセルの占有値に基づいて、要するに、以下のステップに基づいて、占有情報が、割り出される:
【0013】
先ず、セルからなるセットの中で最大占有値を有するセルが割り出される。言い換えれば、セル・グループの中で、直前にエコーが割り当てられたセルのうち、最も大きな占有値を有するセルが割り出される。
【0014】
この最大占有値が、続いて、第一閾値と比較される。
【0015】
最大占有値が、第一閾値を超えた場合、最大占有値が割り当てられたセルのカウンタが、あるインクリメント値分、変更される。
【0016】
続いてカウンタが、第二閾値と比較され、その比較結果に基づいて、セルの占有状況が設定される。特に、該セルは、占有されているとマーキングされる、即ち、カウンタが、第二閾値よりも大きい場合、そのセルの領域内に、反射するオブジェクトが存在している。
【0017】
超音波シグナルを照射し、エコーを受信し、エコーをグリッドの複数のセルからなるセットに割り当て、セルからなるセットの占有値を増すと言う、占有情報を割り出す上述の各ステップは、複数回、反復される。
【0018】
続いて、グリッドのセルの占有状況に基づいて駐車スペース認識が実施される。その際、占有状況が「占有されていない」とされた周辺領域が、駐車プロセス用に「フリー」であると判定される。
【0019】
本発明に係る方法の技術的長所は、必要な計算能力や記憶量に対して改善された車両の周辺部における駐車プロセス用にフリーな領域の認識を可能にすると言う所である。そして、該方法は、超音波センサのノイズに対して過敏ではなく、且つ、その偽陽性率は、複数の閾値を用いたフィルタリングにより最小限とすることが可能である。
【0020】
ある実施例によれば、秒毎/受信サイクル毎に占有値が増えるセルのセットは、送信から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに依存する平均半径を有する円環セグメントによって割り出されるが、その円環セグメントの周方向への広がりは、超音波センサの受信領域に依存している。言い換えれば、セルのセットは、送信時点と受信時点との間の超音波シグナルのランタイムと送信角度領域及び/或いは受信角度領域によってのみ割り出される。この様に提案されている方法により、エコーが受信される方向を示す方位角を割り出すことなく、駐車スペース認識が可能になる。
【0021】
ある実施例によれば、ラジアル方向の円環セグメントは、超音波センサの公差、及び/或いは、車両の及び/或いは超音波センサの位置を割り出すために用いられているオドメトリシステムの公差によって定まる幅を有している。即ち、円環セグメントの幅は、センサやセンサ情報の評価に起因する不正確さによって定まる。
【0022】
ある実施例によれば、セルの占有値には、受信された反射シグナル部分の振幅に依存する値分が、加算される、或いは、セルの占有値には、受信された反射シグナル部分に依存しない一定の値分が、加算される。センサが、振幅情報を与える場合、これを、セルの占有値を振幅に応じて増やすことに用いることができる。これにより、占有値を変化させるためにエコーの強度を用いることもできる。振幅情報を用いることができない場合は、セルの占有値は、一定の数値分、例えば1、加算することができる。
【0023】
ある実施例によれば、具体的には、車両の複数の異なる位置に配置されている超音波センサによって割り出される情報に基づいて、並行して複数の異なる占有情報が割り出される。言い換えれば、時間的に並行に、車両の様々な位置に設けられている異なる超音波センサの情報は、セルの占有値を変化させ、該占有値の変更後、その結果として得られる占有情報を得るために、用いられることができる。これにより、複数のセンサ情報によって、並行して、周辺画像を作成する、乃至、既存の周辺画像を更新することが可能になる。
【0024】
ある実施例によれば、超音波シグナルの送信から受信までの間の時間枠内における車両のエゴ(自己)運動が、補正される。これにより、超音波シグナルの送信から受信までの時間枠内に起こる車両の、車両周辺部にある静止しているオブジェクトに対する位置、姿勢、向きの変化(以下、状態変化と記す)を補正することを可能にする。
【0025】
ある実施例によれば、占有情報を割り出すために、異なる超音波センサ間のクロスエコーが、評価される。言い換えれば、これにより、送信したセンサとは別の超音波センサに受信された反射シグナル部分もが、占有情報の割出しと、それを基にした駐車スペースの改善された認識に役立てられる。
【0026】
ある実施例によれば、グリッドは、車両と共に動くグリッドである。このグリッドは、車両の3から6倍の長さに相当する長さ及び/或いは幅を有しており、それは、例えば、20m x 20mの範囲を有している。これにより、車両に装備されている複数の超音波センサによって捕捉することが可能な車両の直近の周辺部が、該グリッドに包含される。これは、保存及び計算リソースの節約を可能にする。
【0027】
ある実施例によれば、セルの占有値、及び/或いは、セルに割り当てられたカウンタ、及び/或いは、セルの占有状況は、一つのリングメモリに保存される。これにより、グリッドのセルと関連付けられた情報を、メモリを最適化した形で保存できる。
【0028】
ある更なるアスペクトによれば、本発明は、少なくとも一つの超音波センサ、並びに、超音波センサが提供する情報を評価するために構成された計算ユニットを包含する駐車スペースを認識するためのシステムに関する。そのため該システムは、以下のステップを実施できる様に構成されている:
a)車両の超音波センサによって超音波シグナルを照射するステップ;
b)超音波シグナルの反射シグナル部分を超音波センサによって受信するステップ;
c)車両周辺部に関するグリッドを用意するステップ、但し、該グリッドは、多数のセルを有している、更に、各セルには、車両の周辺領域の部分領域が、割り当てられており、且つ、各セルには、占有値が割り当てられている。
d)反射シグナル部分をグリッドの複数のセルのセットに、照射から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに基づいて割り当てるステップ、但し、反射シグナル部分が割り当てられたセルの占有値は、それぞれある一定の値、増やされる;
e)複数のセルからなるセット中のセルの占有値に基づいて、占有情報を、計算ユニットを用いて以下の様に割り出すステップ:
1.セルからなるセットの中で最大占有値を有するセルを割り出す;
2.第一閾値と最大占有値を比較する;
3.最大占有値が、第一閾値を超えた場合、最大占有値が割り当てられたセルのカウンタを、あるインクリメント値分、変更する;そして
4.カウンタを、第二閾値と比較し、その比較結果に基づいて、セルの占有状況を設定する;
f)ステップa),b),d)並びにe)を複数回反復する;次に、
g)グリッドのセルの占有状況に基づいて駐車スペース認識を実施するステップ。
【0029】
該システムの一つの実施例によれば、計算ユニットは、秒毎/受信サイクル毎に占有値が増えるセルのセットが、送信から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに依存する平均半径を有し、その周方向への広がりが、超音波センサの受信領域に依存している円環セグメントによって割り出される様に、構成されている。言い換えれば、セルのセットは、送信時点と受信時点との間の超音波シグナルのランタイムと送信角度領域及び/或いは受信角度領域によってのみ割り出される。この様に提案されているシステムにより、エコーが受信される方向を示す方位角を割り出すことなく、駐車スペース認識が可能になる。
【0030】
該システムのある実施例によれば、計算ユニットは、秒毎/受信サイクル毎に占有値が増えるセルのセットが、そのラジアル方向の幅が、超音波センサの公差、及び/或いは、車両の及び/或いは超音波センサの位置を割り出すために用いられているオドメトリシステムの公差によって定まる円環セグメントによって割り出される様に、構成されている。即ち、円環セグメントの幅は、センサやセンサ情報の評価に起因する不正確さによって定まる。
【0031】
該システムのある実施例によれば、計算ユニットは、具体的には、車両の複数の異なる位置に配置されている超音波センサによって割り出される情報に基づいて、並行して複数の異なる占有情報が割り出される様に、構成されている。これにより、複数のセンサ情報に基づいて、並行して、周辺画像を作成する、乃至、既存の周辺画像を更新することが可能になる。
【0032】
該システムのある実施例によれば、計算ユニットは、超音波シグナルの送信から受信までの間の時間枠内における車両のエゴ運動が、補正される様に、構成されている。これにより、超音波シグナルの送信から受信までの時間枠内に起こる車両の、車両周辺部にある静止しているオブジェクトに対する状態変化を補正することを可能にする。
【0033】
更なるアスペクトによれば本発明は、先に説明した実施例のうち何れか一つに係る駐車スペースの認識を実施するためのシステムを備えた車両に関する。
【0034】
本発明における「近似的に」、「実質的に」、或いは、「略」と言う表現は、正確な値から、それぞれ+/-10%、好ましくは、+/-5%以内の誤差、及び/或いは、機能に対して有意性のない誤差であると解釈される。
【0035】
本発明の発展形態、長所、及び、応用範囲は、実施例と図面に関する以下の説明によって示される。その際、全ての記述されている、及び/或いは、図示されている特徴は、それぞれにおいて、並びに、任意な組み合わせにおいて、各請求項、或いは、その参照元との組み合わせからは独立して、本発明の対象である。尚、請求項の内容も明細書の構成要素とする。
【0036】
以下本発明を、図面と実施例に基づいて詳しく説明する。図の説明:
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、長手方向駐車状況においてその横を通り過ぎる、複数の超音波センサを備えた車両の模式的な例示であり;
【
図2】
図2は、グリッドに分割された車両の周辺領域の描写例、且つ、周辺領域における超音波センサを用いたオブジェクトの検出の模式的な描写であり;
【
図3】
図3は、車両の周辺領域における多数の受信された超音波エコーの描写例であるが、該エコーは、二次元の図にその状態に基づいて記入されており;
【
図4】
図4は、グリッドのセルに割り当てられた占有情報を割り出すための方法のフローチャート例を示しており;そして、
【
図5】
図5は、車両の周辺領域内の駐車スペースを認識するための方法のステップを明確にするフローチャート例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、車両1が、複数の長手方向駐車スペースの横を通過する駐車シチュエーションを例示している。ここでは、二台の車両の間の駐車スペースが、フリーである。本発明が、長手方向駐車シチュエーションに限定されるのではなく、横方向駐車シチュエーションにも応用できることは言うまでもない。
【0039】
該車両1は、それらによって周辺情報を捕捉することができる複数の超音波センサ2を有している。示されている実施例では、二つの超音波センサ2が描かれている。尚、車両1が、二つ以上の超音波センサを有することもできることは、言うまでもない。特に、これらの超音波センサ2は、車両1の前後、並びに、車両1の両側の周辺情報を割り出せる様に配置されていることができる。特に、これらの超音波センサ2は、送信サイクル中に一つの超音波シグナルを送信し、それに続く受信サイクルにおいて、車両1の周辺内にあるオブジェクトに反射された超音波シグナルのシグナル部分を受信する様に構成されている。超音波シグナルの送信から反射シグナル部分の受信までの時間枠が、オブジェクトから超音波センサ2までの間隔の尺度である。これにより、車両1の周辺領域にあるオブジェクトに関する情報を割り出すことができる。
【0040】
図2は、グリッドRによって周辺部分領域に分割された車両1の周辺領域3を示している。周辺領域は、予め定められているx及びy方向への一定の、例えば、20m x 20mの広がりを有していることができる。グリッドRは、複数のセルZを有しているが、セルZは、チェス盤の様に隣り合っており、各々のセルZは、特定の周辺部分領域に関連付けられている。複数のセルZを有するグリッドRは、一つの乃至複数の超音波センサ2により、複数の送信・受信サイクルに渡って捕捉された周辺情報を、局地的・離散的にマッピングし、それにより離散化された周辺画像を得る役割を果たしている。
【0041】
図2には、実線の円弧部分によって超音波センサ2の検出が、示唆されている。平均半径rは、送信タイミングから反射された部分の受信タイミングまでの間の超音波シグナルのランタイムから割り出すことができる。これに沿って円弧が広がる角度aが、超音波センサ2の捕捉領域を定めている。
【0042】
車両1の超音波センサ2のみならず、それを用いて車両1の局地的な位置、即ち、超音波センサ2の位置も同定できるオドメトリ・ユニットは、一定の公差を有しているため、検出されたオブジェクトの車両1に対する相対的状態は、一定の割合の不正確さを伴っている。この不正確さは、公差値eによって、考慮される。超音波センサ2に対して間隔rを有するオブジェクトが、捕捉された場合、上述の不正確さにより、該オブジェクトは、r ± eの範囲、即ち、幅2eの円弧状のストライプ内にあり得る。円弧状のストライプは、
図2では、破線によって描かれた領域で示されている。
【0043】
単一の超音波センサ2では、反射シグナル部分の方位角を割り出すことは略不可能であるため、受信された反射は、超音波センサ2の受信領域内の全ての方向から戻ってきた可能性を有している。要するに、その反射は、幅2eを有する円弧状のストライプ内に存在するいずれかのオブジェクトから戻ってきたものである。
図2に示した例では、該反射は、斜線で示した何れかのセルZ内にあるオブジェクトから戻ってきたものである。
【0044】
図3は、ドットによって、車両1の周辺領域内からの反射の局所的な状態をプロットしたグラフを示している。ノイズやその他の影響により、駐車スペースの認識を阻害する乃至困難にする偽陽性検出が起こり得る。以下、検出の偽陽性率を低減すると共に、計算ハードウェアへの要求(プロセッサ性能及び/或いは必要記憶量)が低い、検出アルゴリズムを提案する。
【0045】
図4は、本発明のある一つの実施例に係る検出アルゴリズムのフローチャートを示している。
【0046】
アルゴリズム(S10)のスタート後、先ず、空白のセルリストが、イニシャライズされ、第一閾値T1と第二閾値T2が設定される。その後、その間に一つ乃至複数個の超音波センサ2が、一つの超音波シグナルを送信し、超音波センサ2の捕捉領域内にオブジェクトが存在し、反射が生じる場合、反射シグナル部分を受信する一回の送信・受信サイクルが実施される(S11)。
【0047】
反射シグナル部分を受信した後、超音波エコーが割り当てられたセルのセットが割り出される。これは例えば、上述の如く、超音波シグナルの送信時点から反射した部分の受信時点までの超音波シグナルのランタイム、公差eと超音波センサ2が超音波シグナルを受信できる角度領域を考慮して実施される。
【0048】
グリッドRのセルZには、それぞれ、占有値BWが割り当てられる。ステップS12において、受信した反射シグナル部分が、あるセルに割り当てられた場合(
図2の例では、四つの斜線で示されたセルZ)、これらのセルの占有値BWが、ある一定の値分加算される。その値は、受信された反射シグナル部分のシグナル強度に依存して定められる値、或いは、一定のインクリメント値、例えば、1であることができる。
【0049】
続いて、複数のセルからなるセット(
図2の例では、四つの斜線で示されたセルZ)の中で最も高い占有値BW
maxを有するセルZが、割り出される。多数の受信サイクル後、各セルZは、検出が有ったセルのセットに異なる回数帰属されるため、グリッドのセルZには、異なる大きさの占有値BWが、割り当てられていることは特記しておく。
【0050】
最大占有値BWmaxを有するセルZの割出し後、該最大占有値BWmaxが、閾値T1よりも大きいか否かが確認される(S14)。該当しない場合、アルゴリズムは終了され、新規の反射超音波シグナル(超音波エコーとも呼ぶ)が受信されたときに、改めて実施される(即ち、ステップS11にバックジャンプされる)。最大占有値BWmaxが、閾値T1を超えた場合、最大占有値BWmaxが割り当てられたセルZが、既にセルリストに含まれているか否か確認される(S15)。該当しない場合、セルリストにセルZが加えられ、セルに割り当てられたカウンタnに初期値がイニシャライズされる(S16)。セルリストにセルZが追加され、カウンタがイニシャライズされた後、アルゴリズムは終了され、新規の反射超音波シグナル(超音波エコーとも呼ぶ)が受信されたときに、改めて実施される(即ち、ステップS11にバックジャンプされる)。
【0051】
しかし、ステップS15において最大占有値BWmaxが割り当てられたセルZが、既にセルリストに含まれている場合は、特に好ましくは1であるインクリメント値が、セルZに割り当てられたカウンタnに加算される(S17)。
【0052】
カウンタnをインクリメントした後、進められたカウンタnが、第二閾値T2よりも大きいか否かが確認される(S18)。該当しない場合、アルゴリズムは終了され、新規の反射超音波シグナル(超音波エコーとも呼ぶ)が受信されたときに、改めて実施される(即ち、ステップS11にバックジャンプされる)。
【0053】
しかしながら、ステップS18において確認された条件が満たされている場合、カウンタnが割り当てられているセルZには、「占有中」とマーキングされる。その後、アルゴリズムは終了され、新規の反射超音波シグナル(超音波エコーとも呼ぶ)が受信されたときに、改めて実施される(即ち、ステップS11にバックジャンプされる)。
【0054】
この様に、上述のアルゴリズムは、車両周辺部における積載状態を割り出すために、二段階の検出アプローチを用いている。二段階に方法において、偽陽性検出率を下げるために、セルの領域が多重に検出されているか否かが確認される。
【0055】
占有中とマーキングされたセルZに基づいて、車両1の周辺部のどの周辺部分領域が、占有されているのかを割り出すことができる。言い換えれば、セルの占有情報を用いれば、グリッド状の描写を作成できるが、占有されていないと言う情報は、例えば、駐車スペース認識に用いることができる。その際、例えば、二つの占有されているマーキングされたセルの間の間隔が、車両1の長さよりも長いか否か、或いは、車両1の幅よりも広いか否かが確認される。これにより、車両1の長さ乃至幅が、駐車スペースに入るか否かが確認される。
【0056】
上述のアルゴリズムは、超音波センサ2による反射超音波シグナルの受信後に、好ましくは回帰的に、実施される。その際、複数の超音波センサ2の受信シグナルは、グリッドRのセルZの占有状態の割出しに用いられることができる。同様に、複数の超音波センサ2間のクロスエコーをグリッドRのセルZの占有状態の割出しに用いることもできる。即ち、送信した超音波センサとは別の超音波センサに受信された超音波シグナルの反射シグナル部分も、占有状態の割出しに参照されることを意味している。
【0057】
図5は、その概略的な表現において、車両1の少なくとも二つの超音波センサ2を用いた駐車スペースを割り出すための本発明に係る方法のステップを示している。
【0058】
先ず、超音波シグナルが、車両1の超音波センサ2から照射される(S20)。
【0059】
続いて、超音波シグナルの反射シグナル部分を超音波センサ2によって受信する(S21)。受信した超音波センサは、送信した超音波センサ2と同じであっても異なっていても良い。
【0060】
加えて、車両1の周辺領域に関するグリッドRが用意される(S22)。該グリッドRは、多数のセルZを有しているが、各々のセルZは、車両1の周辺領域の部分領域に割り当てられ、各々のセルZには、占有値BWが、割り当てられている。
【0061】
反射シグナル部分が、グリッドRの複数のセルZのセットに、送信と反射シグナル部分の受信との間の超音波シグナルのランタイムに基づいて割り当てられる(S23)。その際、反射シグナル部分が割り当てられたセルZの占有値BWは、それぞれ、ある特定の値分、増やされる。
続いて、セルからなるセット中のセルZの占有値BWに基づいて、計算ユニットを用いて、占有情報が割り出される(S24)、その際、以下のステップを実施する:
1.セルからなるセットの中で最大占有値BWmaxを有するセルZを割り出す;
2.第一閾値T1と最大占有値BWmaxを比較する;
3.最大占有値BWmaxが、第一閾値T1を超えた場合、最大占有値BWmaxが割り当てられたセルZのカウンタnを、あるインクリメント値分、変更する;そして
4.カウンタnを、第二閾値T2と比較し、その比較結果に基づいて、セルZの占有状況を設定する。
【0062】
続いて、ステップS20からS24が、複数回反復される、即ち、複数回の超音波シグナルの送信/受信と、それに基づく占有情報の割出しが実施される(S25)。これは、好ましくは、車両1の様々なポジションにおいて実施されるが、車両1の動きは、占有情報の割出しの際に、そのオドメトリ・データによって補整される。
【0063】
最後に、グリッドRのセルZの占有状況に基づいて駐車スペース認識が実施される(S26)。
【0064】
本発明は、上記実施例によって説明された。しかしながら、特許請求項に定義されている請求範囲を逸脱することなく、数多くの変更やヴァリエーションが可能であることは、言うまでも無いことである。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
以下のステップを包含することを特徴とする車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)を用いた駐車スペースを認識するための方法:
a)車両(1)の超音波センサ(2)によって超音波シグナルを照射するステップ(S20);
b)超音波シグナルの反射シグナル部分を超音波センサ(2)によって受信するステップ(S21);
c)車両(1)の周辺部に関するグリッド(R)を用意するステップ(S22)、但し、該グリッド(R)は、多数のセル(Z)を有している、更に、各セル(Z)には、車両(1)の周辺領域の部分領域が、割り当てられており、且つ、各セル(Z)には、占有値が割り当てられている;
d)反射シグナル部分をグリッド(S23)の複数のセル(Z)のセットに、照射から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに基づいて割り当てるステップ、但し、反射シグナル部分が割り当てられたセル(Z)の占有値(BW)は、それぞれある一定の値、増やされる;
e)以下を実施することにより、複数のセルからなるセット中のセル(Z)の占有値(BW)に基づいて、占有情報を割り出すステップ(S24):
1.セルからなるセットの中で最大占有値(BW
max
)を有するセル(Z)を割り出す;
2.第一閾値(T1)と最大占有値(BW
max
)を比較する;
3.最大占有値(BW
max
)が、第一閾値(T1)を超えた場合、最大占有値(BW
max
)が割り当てられたセルのカウンタ(n)を、あるインクリメント値分、変更する;そして
4.カウンタ(n)を、第二閾値(T2)と比較し、その比較結果に基づいて、セル(Z)の占有状況を設定する;
f)ステップa),b),d)並びにe)を複数回反復する(S25);次に、
g)グリッド(R)のセル(Z)の占有状況に基づいて駐車スペース認識を実施するステップ(S26)。
2.
秒毎/受信サイクル毎に占有値(BW)が増えるセルのセットが、送信から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに依存する平均半径(r)を有する円環セグメントによって割り出され、その円環セグメントの周方向への広がりは、超音波センサ(2)の受信領域に依存していることを特徴とする上記1に記載の方法。
3.
ラジアル方向の円環セグメントが、超音波センサ(2)の公差(e)、及び/或いは、車両(1)の及び/或いは超音波センサ(2)の位置を割り出すために用いられているオドメトリシステムの公差によって定まる幅を有していることを特徴とする上記2に記載の方法。
4.
セル(Z)の占有値(BW)に、受信された反射シグナル部分の振幅に依存する値分が、加算される、或いは、セル(Z)の占有値(BW)には、受信された反射シグナル部分に依存しない一定の値分が、加算されることを特徴とする上記1から3のうち何れか一つに記載の方法。
5.
並行して複数の異なる占有情報が、具体的には、車両(1)の複数の異なる位置に配置されている超音波センサ(2)によって割り出される情報に基づいて割り出されることを特徴とする上記1から4のうち何れか一つに記載の方法。
6.
超音波シグナルの送信から受信までの間の時間枠内における車両(1)のエゴ運動が、補正されることを特徴とする上記1から5のうち何れか一つに記載の方法。
7.
占有情報を割り出すために、異なる超音波センサ(2)間のクロスエコーが、評価されることを特徴とする上記1から6のうち何れか一つに記載の方法。
8.
該グリッド(R)が、車両(1)と共に動くグリッドであることを特徴とする上記1から7のうち何れか一つに記載の方法。
9.
セル(Z)の占有値(BW)、及び/或いは、セル(Z)に割り当てられたカウンタ(n)、及び/或いは、セル(Z)の占有状況が、一つのリングメモリに保存されることを特徴とする上記1から8のうち何れか一つに記載の方法。
10.
少なくとも一つの超音波センサ(2)、並びに、超音波センサ(2)から提供された情報を評価するための計算ユニットを包含するシステムであって、以下のステップを実施できる様に構成されていることを特徴とする駐車スペースを認識するためのシステム:
h)車両(1)の超音波センサ(2)によって超音波シグナルを照射するステップ;
i)超音波シグナルの反射シグナル部分を超音波センサ(2)によって受信するステップ;
j)車両(1)の周辺部に関するグリッド(R)を用意するステップ、但し、該グリッド(R)は、多数のセル(Z)を有している、更に、各セル(Z)には、車両(1)の周辺領域の部分領域が、割り当てられており、且つ、各セル(Z)には、占有値(BW)が割り当てられている;
k)反射シグナル部分をグリッド(R)の複数のセル(Z)のセットに、照射から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに基づいて割り当てるステップ、但し、反射シグナル部分が割り当てられたセル(Z)の占有値(BW)は、それぞれある一定の値、増やされる;
l)複数のセルからなるセット中のセル(Z)の占有値(BW)に基づいて、占有情報を、計算ユニットを用いて以下の様に割り出すステップ:
5.セルからなるセットの中で最大占有値(BW
max
)を有するセル(Z)を割り出す;
6.第一閾値(T1)と最大占有値(BW
max
)を比較する;
7.最大占有値(BW
max
)が、第一閾値(T1)を超えた場合、最大占有値(BW
max
)が割り当てられたセル(Z)のカウンタ(n)を、あるインクリメント値分、変更する;そして
8.カウンタ(n)を、第二閾値(T2)と比較し、その比較結果に基づいて、セル(Z)の占有状況を設定する;
m)ステップa),b),d)並びにe)を複数回反復する;次に、
n)グリッド(R)のセル(Z)の占有状況に基づいて駐車スペース認識を実施するステップ。
11.
該計算ユニットが、秒毎/受信サイクル毎に占有値(BW)が増えるセル(Z)のセットが、送信から反射シグナル部分の受信までの間の超音波シグナルのランタイムに依存する平均半径(r)を有し、その周方向への広がりが、超音波センサ(2)の受信領域に依存している円環セグメントによって割り出される様に、構成されていることを特徴とする上記10に記載のシステム。
12.
該計算ユニットは、秒毎/受信サイクル毎に占有値(BW)が増えるセル(Z)のセットが、そのラジアル方向の幅が、超音波センサ(2)の公差(e)、及び/或いは、車両(1)の及び/或いは超音波センサ(2)の位置を割り出すために用いられているオドメトリシステムの公差(e)によって定まる円環セグメントによって割り出される様に、構成されていることを特徴とする上記10、或いは、上記11に記載のシステム。
13.
該計算ユニットが、並行して複数の異なる占有情報が、、具体的には、車両(1)の複数の異なる位置に配置されている超音波センサ(2)によって割り出される情報に基づいて、割り出される様に、構成されていることを特徴とする上記10から12のうち何れか一つに記載のシステム。
14.
該計算ユニットが、超音波シグナルの送信から受信までの間の時間枠内における車両(1)のエゴ運動が、補正される様に、構成されていることを特徴とする上記10から13のうち何れか一つに記載のシステム。
15.
上記10から14のうち何れか一つに記載のシステムを備えた車両。
【符号の説明】
【0065】
1 車両
2 超音波センサ
BW 占有値
BWmax 最大占有値
e 公差値
n カウンタ
r 平均半径
R グリッド
T1 第一閾値
T2 第二閾値
Z セル