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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B25J19/00 Z
B25J19/00 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024505597
(86)(22)【出願日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 JP2023037531
【審査請求日】2024-01-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】檜垣 真奈
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-230989(JP,A)
【文献】特開昭63-062686(JP,A)
【文献】特開昭62-048481(JP,A)
【文献】特開平02-100892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部材に、その内部空間を外部に開放可能な開口部を備え、
該開口部が、前記内部空間内に配線される線条体の外径よりも若干大きな縦幅寸法と、前記線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な横幅寸法とを有するロボット。
【請求項2】
前記開口部が、前記線条体を把持した状態の作業者の手を挿脱可能な縦幅寸法および横幅寸法を有する第1部分と、該第1部分の周縁の一部を横方向外向きに切り欠いた形状を有する第2部分とを備え、
該第2部分の縦幅寸法が、前記線条体の外径よりも若干大きく、
該第2部分が設けられた部位における前記開口部全体の横幅寸法が、前記線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な大きさである請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
中空の第1部材と、中空の第2部材とを備え、
前記第1部材が、所定の軸線の一端側において前記第2部材を前記軸線回りに回転可能に支持する本体部と、前記軸線の他端側において前記第2部材に前記軸線回りに回転可能に接続され、前記本体部の内部空間と前記第2部材の内部空間とを接続する管状のダクト部とを備え、
前記本体部と前記ダクト部とが一体的に構成され、
前記本体部と前記ダクト部との両方に跨る位置に、前記本体部の前記内部空間を外部に開放し、前記本体部から前記ダクト部を経由して前記第2部材に導かれる線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な開口部を備えるロボット。
【請求項4】
前記開口部の前記本体部側に設けられている第1部分が、前記線条体を把持した状態の作業者の手を挿脱可能な縦幅寸法および横幅寸法を有する請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
前記開口部の前記ダクト部側に延びる第2部分が、前記線条体の外径よりも若干大きな縦幅寸法を有する請求項3または請求項4に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
J1ベースに対して、鉛直な第1軸線回りに、J2ベースが回転可能に支持され、J2ベースに対して水平な第2軸線回りに第1アームが回転可能に支持されたロボットが知られている(例えば、特許文献1参照。)。J2ベースは、開口部を有する端面どうしが開口部を合わせて結合されることにより相互に組み付けられる中空の第1、第2ハウジングを備えている。そして、J1ベースから減速機の空洞を経由して第1ハウジング内に配線されてきた線条体を、合わせられた開口部を経由して第2ハウジング内に導き、さらに第1アーム内へと導いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7157276号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1においては、第1ハウジングに対して第2ハウジングを取り外し可能としているため、両者を取り外すことにより開放される開口部を利用して線条体の配線作業を行うことができる。ハウジングを一体的に構成する場合には、ハウジングの外面に、作業者が手を入れることができる大きさの開口部を設けなければ、線条体の配線作業を行うことができない。
【0005】
しかしながら、ハウジングの内部空間は、通常、モータ、減速機等の多くの部品が配置されており、作業者が開口部から手を入れることができたとしても、内部において手を動かす十分なスペースを確保できない。したがって、ハウジングの狭隘な内部空間において容易に線条体の配線作業を行うことができることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、中空部材に、その内部空間を外部に開放可能な開口部を備え、該開口部が、前記内部空間内に配線される線条体の外径よりも若干大きな縦幅寸法と、前記線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な横幅寸法とを有するロボットである。
【0007】
また、本開示の他の態様は、中空の第1部材と、中空の第2部材とを備え、前記第1部材が、所定の軸線の一端側において前記第2部材を前記軸線回りに回転可能に支持する本体部と、前記軸線の他端側において前記第2部材に前記軸線回りに回転可能に接続され、前記本体部の内部空間と前記第2部材の内部空間とを接続する管状のダクト部とを備え、前記本体部と前記ダクト部とが一体的に構成され、前記本体部と前記ダクト部との両方に跨る位置に、前記本体部の前記内部空間を外部に開放し、前記本体部から前記ダクト部を経由して前記第2部材に導かれる線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な開口部を備えるロボットである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係るロボットを示す側面図である。
図2図1のロボットを示す背面図である。
図3図2のロボットの旋回胴の背面側を示す部分的な拡大図である。
図4図3のロボットの旋回胴の内部空間内に配線された線条体を示す部分的な概略平断面図である。
図5図3のロボットの旋回胴に設けられた開口部からカバーを取り外した状態を示す部分的な拡大図である。
図6図3のロボットの旋回胴の開口部から線条体を引き出す作業を説明する部分的な概略平断面図である。
図7図6と同様の部分的な概略平断面図である。
図8図3の他の旋回胴の背面側を示す部分的な拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一実施形態に係るロボット1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るロボット1は、例えば、垂直6軸多関節型ロボットである。ロボット1は、図1に示すように、床面等の被設置面Fに固定されるベース2と、鉛直な第1軸線J1回りにベース2に対して回転可能に支持された旋回胴(第1部材、中空部材)3とを備える。
【0010】
また、ロボット1は、水平な第2軸線(所定の軸線)J2回りに旋回胴3に対して回転可能に支持された第1アーム(第2部材)4と、第2軸線J2に平行な第3軸線J3回りに第1アーム4に対して回転可能に支持された第2アーム5とを備える。さらに、ロボット1は、第2アーム5の先端に取り付けられた3軸の手首ユニット6を備える。
【0011】
ベース2は、図示しない減速機および軸受等によって、旋回胴3を第1軸線J1回りに回転可能に支持している。旋回胴3および減速機は、第1軸線J1を含む中央領域に、第1軸線J1に沿って上下に貫通する中央孔7を有し、中央孔7を通過させて、ベース2の内部空間から旋回胴3の内部空間M1にケーブル等の線条体8が配線される。
【0012】
旋回胴3は、図示しない減速機等によって、第1アーム4の第2軸線J2方向の一端側において、第1アーム4を第2軸線J2回りに回転可能に支持する本体部9を備える。また、旋回胴3は、第1アーム4の第2軸線J2方向の他端側において、第1アーム4に第2軸線J2回りに回転可能に接続される管状のダクト部10を備える。
【0013】
ダクト部10は、図3および図4に示すように、本体部9の背面側下部から水平方向に、第2軸線J2と平行に延びる管状の部分である。本体部9とダクト部10とは一体的に構成され、ダクト部10の内部空間M2は、本体部9の内部空間M1と連通している。図において、線条体8を旋回胴3内部に固定する固定金具は図示を省略している。
【0014】
第1アーム4には、第2軸線J2方向の他端側に、第2軸線J2を含む中央領域において第2軸線J2に沿って水平方向に貫通する中央孔(図示略)が設けられている。管状のダクト部10が、第1アーム4に、第2軸線J2回りに回転可能に接続されることにより、本体部9の内部空間M1と第1アーム4の内部空間とがダクト部10の細長い内部空間M2および中央孔によって接続される。
【0015】
ベース2から旋回胴3の本体部9の内部空間M1内に導かれてきた線条体8は、ダクト部10の細長い内部空間M2を経由して、中央孔から第1アーム4の内部空間内に導かれる。旋回胴3の本体部9の内部空間M1は、ベース2に対して旋回胴3を駆動するモータ(図示略)および旋回胴3に対して第1アーム4を駆動するモータ(図示略)が配置されるため狭隘である。
【0016】
図2に示すように、旋回胴3の上部に着脱可能に取り付けられたカバー11を取り外すことにより開放された開口部12を経由して、モータの取付作業等を容易に行うことができる。しかしながら、モータが取り付けられた状態では、開口部12を経由した配線作業等を行うことは難しい。
【0017】
本実施形態においては、図2図5に示すように、旋回胴3の背面側に配置される鉛直面に、本体部9とダクト部10との両方に跨る位置に、本体部9の内部空間M1およびダクト部10の内部空間M2を外部に開放する開口部13が設けられている。開口部13は、該開口部13と略同等の形状を有するカバー14によって、開閉可能に閉塞される。
【0018】
開口部13は、図5に示すように、旋回胴3を駆動する減速機の中央孔を通して、本体部9の内部空間M1内にベース2側から引き出されてきた線条体8の長さ方向の途中位置を引き出し可能な開口寸法を有する。具体的には、開口部13は、図5に示すように、本体部9側に開口する比較的大きな長方形状の第1部分13aと、ダクト部10側に開口する第比較的小さな長方形状の第2部分13bとを連結した形状を有している。
【0019】
さらに具体的には、開口部13の第1部分13aは、水平方向の横幅寸法W1および上下方向の縦幅寸法H1の長方形状に形成されている。この第1部分13aの開口寸法は、作業者が、線条体8を把持した状態の作業者の手、例えば、握りこぶしを開口部13に出し入れすることができる最小限の大きさで足りる。例えば、大人の握りこぶしの大きさを80mm×80mmであるとすると、横幅寸法W1および縦幅寸法H1はそれぞれ100mm程度でよい。
【0020】
また、開口部13の第2部分13bは、第1部分13aの周縁の一部、例えば、背面からみて左縁の下端を第1部分13aの外側である左方向に向かって切り欠いた形状を有する。すなわち、第2部分13bは、第1部分13aの下端からダクト部10の長さ方向に向かって突出するように延びている。
【0021】
第2部分13bの上下方向の縦幅寸法H2は、線条体8の外径寸法dよりも若干大きい。また、第2部分13bにおける開口部13の水平方向の横幅寸法W2は、図6に示すように、最小曲げ半径Rによって湾曲させた状態の線条体8の長さ方向の途中位置を引き出すことができる程度の長さを有する。
【0022】
すなわち、最小曲げ半径RによってU字状に湾曲させた状態の線条体8は、図6に示すように、以下の最大外形寸法Dを有する。
D=2×(R+d)
ダクト部10の奥行きが比較的大きい図6の場合には横幅寸法W21は、線条体8の最大外形寸法Dよりも若干大きな寸法で足りる。
【0023】
一方、ダクト部10の奥行きが比較的小さい図7の場合には、開口部13から引き出された線条体8がダクト部10に導かれる部分においても線条体8の最小曲げ半径Rを確保する必要がある。このため、図6の場合よりも若干大きな横幅寸法W22が必要となる。
【0024】
また、線条体8の最小曲げ半径Rは、線条体8の外径寸法dに依存し、
2d≦R≦4d
である。
例えば、線条体8の外径寸法dがd=20mmである場合には、最小曲げ半径Rは、R=80mmとなり、D=200mmとなるので、横幅寸法W2は、200mm+α(α>0)となっている。
【0025】
このように構成された本実施形態に係るロボット1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るロボット1において、線条体8の配線作業を行う場合には、まず、カバー14を取り外すことにより開口部13を開放する。
【0026】
次いで、作業者は、開放された開口部13の第1部分13aから片手を旋回胴3の本体部9の内部空間M1に挿入し、ベース2側から減速機の中央孔内に導かれてきた線条体8を把持して旋回胴3内に引き出す。旋回胴3の本体部9の内部空間M1は、モータおよびその他の部品によって狭隘になっているため、本体部9の内部空間M1内に挿入した手を上向き(図5の矢印Aの方向)に大きく移動させるスペースはない。このため、本体部9の内部空間M1内に手を挿入した状態のままでは、線条体8をベース2側から引き出す作業は容易ではない。
【0027】
本実施形態においては、開口部13の第1部分13aが、線条体8を把持した状態の作業者の手を出し入れすることができる開口寸法に設定されているので、作業者は、把持した線条体8を開口部13側に引き出すことができる。また、第2部分13bにおける開口部13が、最小曲げ半径Rで湾曲させた状態の線条体8の長さ方向の途中位置を引き出し可能な縦幅寸法H2および横幅寸法W2に設定されている。
【0028】
これにより、作業者は、旋回胴3の本体部9の内部空間M1において線条体8を把持した手を上方に移動させることに代えて、開口部13から抜き出すように水平方向に移動させることができる。そして、U字状に湾曲した線条体8の長さ方向の途中位置を、第2部分13bにおいて、図6に示すように、開口部13から外部に引き出すことができる。
【0029】
線条体8が開口部13から一旦引き出された後には、作業者は、旋回胴3の外部において、線条体8をベース2側から引き出す作業を容易に行うことができる。そして、旋回胴3の中央孔7から必要な引き出し量だけ線条体8が引き出された後に、ダクト部10側に挿入されている線条体8を、ダクト部10に向かってさらに送り込むように開口部13に押し込む。これにより、図4に示すように、旋回胴3の本体部9の内部空間M1からダクト部10の内部空間M2に向かって線条体8を配線することができる。
【0030】
このように、本実施形態によれば、開口部13の一部に、線条体8の外径dよりも若干大きな縦幅寸法H2の第2部分13bを設け、この第2部分13bにおいてのみ、線条体8の長さ方向の途中位置を引き出し可能な横幅寸法W2に設定した。その結果、開口部13の第1部分13a全体を線条体8の長さ方向の途中位置を引き出し可能な横幅寸法W2に設定する必要がなく、開口部13の開口面積を比較的小さく抑えることができるという利点がある。
【0031】
例えば、H1=100mm、H2=30mm、W2=210mmであるとすると、配線作業の作業性を確保しつつ、第1部分13a全体を横幅寸法W2に設定した場合と比較して、開口面積を63%程度に減らすことができる。開口部13の開口面積を小さく抑えることにより、旋回胴3の剛性を向上することができる。
【0032】
また、第2部分13bが線条体8の外径dよりも若干大きい程度の比較的小さい縦幅寸法H2を有するので、細長いダクト部10の内部空間M2を開放する位置に設けることができる。そして、旋回胴3の本体部9からダクト部10に跨る位置に開口部13を設けることにより、本体部9からダクト部10への線条体8の配線作業をより容易にすることができ、作業性を向上することができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、線条体8を処理するための開口部13を旋回胴3の背面側の鉛直面に形成する場合を例示した。これに代えて、開口部13は任意の位置に設けてもよい。例えば、水平面、傾斜面あるいは湾曲面に配置された開口部13に適用してもよい。
【0034】
また、本実施形態においては、開口部13が、旋回胴3の本体部9側に、作業者の手を出し入れ可能な大きさの第1部分13aを有する場合を例示した。これに代えて、図8に示すように、縦幅寸法H2および横幅寸法W2を有する開口部13を採用してもよい。
【0035】
これにより、開口部13を経由して作業者が手を旋回胴3の本体部9の内部空間M1内に出し入れすることはできないが、例えば、フック状の治具を用いて本体部9の内部空間M1内の線条体8を引っ掛けて引き出すことはできる。この場合においても、横幅寸法W2が、最小曲げ半径Rで湾曲させた状態の線条体8の長さ方向の途中位置を引き出すことが可能な大きさに設定されていることにより、線条体8を外部に引き出して作業することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、開口部13として、長方形状の第1部分13aと、長方形状の第2部分13bとを連結した形状のものを採用したが、これに限られるものではなく、正方形、円形または楕円形等の任意の形状のものを採用してもよい。
【0037】
また、本実施形態においては、本体部9とダクト部10とを有する旋回胴3に開口部13を設ける場合を例示したが、これに限定されるものではなく、他の中空部材、例えば、第2アーム5等に適用してもよい。特に、図8の開口部13であれば、ロボット1を構成する任意の中空部材に適用することができる。また、ロボット1として垂直6軸多関節型ロボットを例示したが、水平多関節型ロボット等の他の任意の形式のロボットに適用してもよい。
【0038】
以上、本開示の各実施形態について詳述したが、本開示は上述した個々の実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、または、請求の範囲に記載された内容とその均等物から導き出される本発明の思想および趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、置き換え、変更、部分的削除等が可能である。例えば、上述した実施形態において、各動作の順序や各処理の順序は、一例として示したものであり、これらに限定されるものではない。
【0039】
上記実施形態および変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
中空部材に、その内部空間を外部に開放可能な開口部を備え、
該開口部が、前記内部空間内に配線される線条体の外径よりも若干大きな縦幅寸法と、前記線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な横幅寸法とを有するロボット。
【0040】
(付記2)
前記開口部が、前記線条体を把持した状態の作業者の手を挿脱可能な縦幅寸法および横幅寸法を有する第1部分と、該第1部分の周縁の一部を外向きに切り欠いた形状を有する第2部分とを備え、
該第2部分の縦幅寸法が、前記線条体の外径よりも若干大きく、
該第2部分における前記開口部の横幅寸法が、前記線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な大きさである付記1に記載のロボット。
【0041】
(付記3)
中空の第1部材と、中空の第2部材とを備え、
前記第1部材が、所定の軸線の一端側において前記第2部材を前記軸線回りに回転可能に支持する本体部と、前記軸線の他端側において前記第2部材に前記軸線回りに回転可能に接続され、前記本体部の内部空間と前記第2部材の内部空間とを接続する管状のダクト部とを備え、
前記本体部と前記ダクト部とが一体的に構成され、
前記本体部と前記ダクト部との両方に跨る位置に、前記本体部の前記内部空間を外部に開放し、前記本体部から前記ダクト部を経由して前記第2部材に導かれる線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な開口部を備えるロボット。
【0042】
(付記4)
前記開口部の前記本体部側に設けられている第1部分が、前記線条体を把持した状態の作業者の手を挿脱可能な縦幅寸法および横幅寸法を有する付記3に記載のロボット。
【0043】
(付記5)
前記開口部の前記ダクト部側に延びる第2部分が、前記線条体の外径よりも若干大きな縦幅寸法を有する付記3または付記4に記載のロボット。
【符号の説明】
【0044】
1 ロボット
3 旋回胴(第1部材、中空部材)
4 第1アーム(第2部材)
8 線条体
9 本体部
10 ダクト部
13 開口部
13a 第1部分
13b 第2部分
J2 第2軸線(所定の軸線)
M1,M2 内部空間
【要約】
中空部材に、その内部空間を外部に開放可能な開口部を備え、開口部が、内部空間内に配線される線条体の外径よりも若干大きな縦幅寸法と、線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な横幅寸法とを有するロボットである。このロボットにおいては、開口部が、線条体を把持した状態の作業者の手を挿脱可能な縦幅寸法および横幅寸法を有する第1部分と、第1部分の周縁の一部を外向きに切り欠いた形状を有する第2部分とを備え、第2部分の縦幅寸法が、線条体の外径よりも若干大きく、第2部分における開口部の横幅寸法が、線条体の長さ方向の途中位置を引き出し可能な大きさであってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8