(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】本人認証プログラム、本人認証方法、及び本人認証システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20240605BHJP
【FI】
G16H10/60
(21)【出願番号】P 2021039777
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】柳 晶子
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-021174(JP,A)
【文献】特開2017-027195(JP,A)
【文献】特開2008-191733(JP,A)
【文献】特許第6781491(JP,B1)
【文献】特開2018-010548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医師が利用する端末のコンピュータに実行させる本人認証プログラムであって、
対象患者の本人確認が行われたことを示す入力が行われると、前記対象患者の端末からの前記対象患者の端末で利用されるアプリケーションの利用登録申請を可能にする情報を生成し、
生成された前記情報を前記対象患者の端末が読み取り可能な状態で出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする本人認証プログラム。
【請求項2】
生成された前記情報は、前記対象患者を特定する情報を含む、
請求項1に記載の本人認証プログラム。
【請求項3】
前記出力する処理は、生成された前記情報を含む二次元コードを前記医師が利用する端末に表示する処理、生成された前記情報を含むデータを前記対象患者の端末が読み取り可能な記憶媒体に記録する処理、及び生成された前記情報を含むデータを近接通信により前記対象患者の端末に送信する処理の少なくとも1つを含む、
請求項1または請求項2に記載の本人認証プログラム。
【請求項4】
医師が利用する端末のコンピュータが実行する本人認証方法であって、
対象患者の本人確認が行われたことを示す入力が行われると、前記対象患者の端末からの前記対象患者の端末で利用されるアプリケーションの利用登録申請を可能にする情報を生成し、
生成された前記情報を前記対象患者の端末が読み取り可能な状態で出力する、
処理を含むことを特徴とする本人認証方法。
【請求項5】
対象患者の本人確認が行われたことを示す入力が行われると、前記対象患者の端末からの前記対象患者の端末で利用されるアプリケーションの利用登録申請を可能にする情報を生成する生成部と、
生成された前記情報を前記対象患者の端末が読み取り可能な状態で出力する出力部と、
を含む医師端末と、
生成された前記情報を読み取る読取部と、
前記読取部が前記情報を読み取ったことに応じて、前記アプリケーションの利用登録申請を送信する送信部と、
を含む患者端末と、
前記利用登録申請を受信すると、前記利用登録申請に含まれる情報に基づいて、前記対象患者を前記アプリケーションの利用者として登録する登録部を含むアプリケーションサーバと、
を備える本人認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、本人認証プログラム、本人認証方法、及び本人認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの患者の端末にインストールされたアプリケーションを介して、電子カルテの情報を患者に提供する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子カルテに記載されている情報は機微な情報であるため、患者本人以外に当該情報が提供されないよう、アプリケーションの利用開始時には確実な本人認証が求められる。
【0005】
1つの側面では、確実な本人認証を実施することができる本人認証プログラム、本人認証方法、及び本人認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、本人認証プログラムは、医師が利用する端末のコンピュータに実行させる本人認証プログラムであって、対象患者の本人確認が行われたことを示す入力が行われると、前記対象患者の端末からの前記対象患者の端末で利用されるアプリケーションの利用登録申請を可能にする情報を生成し、生成された前記情報を前記対象患者の端末が読み取り可能な状態で出力する、処理を前記コンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
確実な本人認証を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る本人認証システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、電子カルテサーバ、医師端末、患者端末、及びアプリケーションサーバの機能ブロック図である。
【
図3】
図3(A)は、医師端末のハードウェア構成を示す図であり、
図3(B)は、患者端末のハードウェア構成を示す図であり、
図3(C)は、アプリケーションサーバのハードウェア構成を示す図である。
【
図4】
図4(A)は、電子カルテ画面の一例を示す図であり、
図4(B)は、医師端末に表示される二次元コードの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、利用者情報DBに格納されている情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、患者端末にインストールされた通院サポートアプリの利用登録申請を可能にする情報を生成するときの医師端末の処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、患者端末が通院サポートアプリの利用登録申請を行う処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(A)~
図8(H)は、通院サポートアプリの画面遷移の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、アプリケーションサーバが実行する利用者登録処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10(A)および
図10(B)は、通院サポートアプリの利用登録申請を可能にする情報を生成する方法の別例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本人認証システムの一実施形態について、
図1~
図9に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1には、一実施形態に係る本人認証システム100の構成が示されている。本人認証システム100は、
図1に示すように、電子カルテサーバ70と、医師端末30と、患者端末10と、アプリケーションサーバ50と、を備える。患者端末10と、アプリケーションサーバ50とは、インターネットなどのネットワークNW1に接続されている。アプリケーションサーバ50と電子カルテサーバ70とは、VPN(Virtual Private Network)などのネットワークNW3により相互に接続されている。また、電子カルテサーバ70と、医師端末30とは、LAN(Local Area Network)などのネットワークNW2により相互に接続されている。
【0011】
電子カルテサーバ70は、
図2に示すように、電子カルテ情報を保持する電子カルテDB71を備え、医師端末30に情報を提供したり、医師端末30から入力された情報を管理したりする。なお、電子カルテサーバ70は、
図2に示す各部の機能以外の各種機能も有しているが、図示及び説明は省略する。
【0012】
医師端末30は、医師が利用可能な端末である。医師は、患者を診察したときに、医師端末30に対して患者の各種情報を入力したり、処方指示などのオーダ情報を入力したりする。また、医師は、患者の診察が終わった後に、医師端末30を操作することで、再診の予約を取ることもできる。さらに、医師は、医師端末30を操作することで、後述する通院サポートアプリケーション(以後、通院サポートアプリと記載する)の利用登録申請に必要な情報を生成することもできる。
【0013】
図3(A)には、医師端末30のハードウェア構成が示されている。
図3(A)に示すように、医師端末30は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)304、及び記憶部306を備える。また、医師端末30は、ネットワークインタフェース307、表示部303、入力部305、及び可搬型記憶媒体用ドライブ308等を備えている。表示部303は液晶ディスプレイ等を含み、入力部305はキーボードやマウス、タッチパネル等を含む。これら医師端末30の構成各部は、バス310に接続されている。医師端末30では、ROM302あるいは記憶部306に格納されているプログラム(本人認証プログラムを含む)をCPU301が実行することにより、
図2に示す各部の機能が実現されている。なお、可搬型記憶媒体用ドライブ308が可搬型記憶媒体309から読み取ったプログラム(本人認証プログラムを含む)をCPU301が実行することにより、
図2に示す各部の機能を実現してもよい。
【0014】
具体的には、医師端末30においては、CPU301が本人認証プログラムを実行することにより、生成部31および出力部32としての機能が実現されている。なお、医師端末30は、
図2に示す各部の機能以外の各種機能も有しているが、図示及び説明は省略する。
【0015】
生成部31は、患者の本人確認が行われたことを示す入力が行われると、患者端末10からの患者端末10で利用される通院サポートアプリの利用登録申請を可能にする情報を生成する。
図4(A)は、電子カルテ画面の一例を示す図である。例えば、医師が現在対面している患者(診察中の患者)の電子カルテ画面において、点線で示す「利用登録」がクリックされると、生成部31は、利用登録申請を可能にする情報を生成する。
【0016】
出力部32は、生成部31が生成した利用登録申請を可能にする情報を、患者の端末が読み取り可能な状態で出力する。例えば、出力部32は、
図4(B)に示すように、利用登録申請に必要な情報が含まれる二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))を医師端末30の表示部303に表示させる。
【0017】
患者端末10は、患者が利用する端末であり、例えば、スマートフォンである。患者端末10には、通院サポートアプリがインストールされている。
【0018】
図3(B)には、患者端末10のハードウェア構成が示されている。
図3(B)に示すように、患者端末10は、CPU101、ROM102、RAM104、記憶部106、ネットワークインタフェース107、表示部103、入力部105、及び可搬型記憶媒体用ドライブ108等を備えている。表示部103は液晶ディスプレイ等を含み、入力部105はタッチパネル、カメラ等を含む。これら患者端末10の構成各部は、バス110に接続されている。患者端末10では、ROM102あるいは記憶部106に格納されているプログラムをCPU101が実行することにより、
図2に示す各部の機能が実現されている。なお、可搬型記憶媒体用ドライブ108が可搬型記憶媒体109から読み取ったプログラムをCPU101が実行することにより、
図2に示す各部の機能を実現してもよい。
【0019】
具体的には、患者端末10においては、CPU101がプログラムを実行することにより、表示制御部13、読取部11、および送信部としての申請部12としての機能が実現されている。なお、患者端末10は、
図2に示す各部の機能以外の各種機能も有しているが、図示及び説明は省略する。
【0020】
表示制御部13は、患者による患者端末10の操作に応じて、患者端末10の表示部103に表示される画面を制御する。
【0021】
読取部11は、医師端末30の出力部32が出力した利用登録申請に必要な情報を読み取る。例えば、出力部32が、
図4(B)に示すように二次元コードを医師端末30の表示部303に表示した場合、読取部11は、入力部105のカメラを利用して、利用登録申請に必要な情報を含む二次元コードを読み取る。
【0022】
申請部12は、読取部11が利用登録申請に必要な情報を読み取ったことに応じて、アプリケーションの利用登録申請をアプリケーションサーバ50に送信する。
【0023】
アプリケーションサーバ50は、通院サポートアプリからの要求に応じて、各種処理を実行する。具体的には、アプリケーションサーバ50は、利用登録が完了していない患者端末10から通院サポートアプリの利用登録申請を受け付けると、利用登録を行う。また、利用登録申請が完了している患者端末10からの要求に応じて、電子カルテDB71から各種情報(診療予約情報、投薬履歴情報等)を読み出し、患者端末10に送信する。
【0024】
図3(C)には、アプリケーションサーバ50のハードウェア構成が示されている。
図3(C)に示すように、アプリケーションサーバ50は、CPU501、ROM502、RAM504、記憶部506、ネットワークインタフェース507、及び可搬型記憶媒体用ドライブ508等を備えている。これらアプリケーションサーバ50の構成各部は、バス510に接続されている。アプリケーションサーバ50では、ROM502あるいは記憶部506に格納されているプログラムをCPU501が実行することにより、
図2に示す各部の機能が実現されている。なお、可搬型記憶媒体用ドライブ508が可搬型記憶媒体509から読み取ったプログラムをCPU501が実行することにより、
図2に示す各部の機能を実現してもよい。なお、アプリケーションサーバ50の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0025】
具体的には、アプリケーションサーバ50においては、CPU501がプログラムを実行することにより、登録部51および情報提供部53としての機能が実現されている。また、記憶部506により、利用者情報DB52が実現されている。なお、アプリケーションサーバ50は、
図2に示す各部の機能以外の各種機能も有しているが、図示及び説明は省略する。
【0026】
登録部51は、患者端末10から利用登録申請を受信すると、利用登録申請に含まれる情報に基づいて、患者端末10の利用者(患者)を通院サポートアプリの利用者として利用者情報DB52に格納する。
【0027】
図5は、利用者情報DB52に格納されている情報の一例を示す図である。利用者情報DB52は、ログインID、パスワード、病院識別ID、患者ID、患者氏名、カナ、生年月日、及び性別のフィールドを備える。
【0028】
ログインIDおよびパスワードのフィールドには、患者端末10にインストールされた通院サポートアプリにログインする際に使用されるIDおよびパスワードが格納される。病院識別IDのフィールドには、通院サポートアプリによる電子カルテ情報の提供サービスを実施している病院を一意に識別するための識別子が格納される。患者IDのフィールドには、病院識別IDで識別される病院で使用されている、患者を一意に識別するための識別子が格納される。患者氏名のフィールドには、病院識別IDと患者IDとで識別される患者の氏名が格納される。カナのフィールドには、病院識別IDと患者IDとで識別される患者の氏名のフリガナが格納される。生年月日のフィールドには、病院識別IDと患者IDとで識別される患者の生年月日が格納される。性別のフィールドには、病院識別IDと患者IDとで識別される患者の性別が格納される。
【0029】
図2に戻り、情報提供部53は、利用登録が完了している患者端末10の通院サポートアプリからの要求に応じて、電子カルテサーバ70の電子カルテDB71から各種情報を取得し、患者端末10に送信する。例えば、患者端末10の通院サポートアプリから診療予約情報の提供を要求されると、情報提供部53は、電子カルテDB71から患者の診療予約情報を取得し、患者端末10に送信する。
【0030】
(利用登録申請を可能にする情報の生成処理)
次に、患者端末10にインストールされた通院サポートアプリの利用登録申請を可能にする情報を生成するときの、医師端末30の処理について、
図6のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ説明する。
【0031】
図6の処理では、まず、ステップS11において、生成部31は、対象患者の本人確認が行われたことを示す入力を受け付けるまで待機する。ここで、医師は、診察中の患者が電子カルテに記載されている本人であることがわかっている。そこで、本実施形態では、生成部31は、患者の電子カルテ画面において、所定の表示またはボタン(
図4(A)では「利用登録」の表示)がクリックされると、対象患者の本人確認が行われたことを示す入力を受け付けたと判断する。すなわち、本実施形態では、電子メールやショートメッセージサービス(SMS)によるコード等の提供により本人確認を行うのではなく、患者を担当する医師により本人確認を行うため、確実に本人認証を行うことができる。
【0032】
ステップS13に移行すると、生成部31は、電子カルテの患者IDをキーにして、電子カルテDB71から患者情報(患者氏名、カナ、生年月日、性別)を取得し、ステップS15に移行する。
【0033】
ステップS15に移行すると、通院サポートアプリの利用登録申請を可能にする情報を生成する。利用登録申請を可能にする情報は、例えば、病院識別ID、患者ID、生成部31で取得した患者情報、及び、本人確認が行われたことを示すコードと、を含む。本人確認が行われたことを示すコードは、通院サポートアプリ側で所定のアルゴリズムに従って処理され、通院サポートアプリの利用登録申請が許可可能か否かの判断に用いられる。
【0034】
次に、ステップS17に移行すると、出力部32は、生成部31が生成した情報を含む二次元コードを表示部303に表示し(
図4(B)参照)、
図6の処理が終了する。
【0035】
(利用登録申請処理)
医師端末30の表示部303に表示された二次元コードを使用して、患者端末10が通院サポートアプリの利用登録申請を行う処理について、
図7のフローチャートに沿って、
図8(A)~
図8(H)を適宜参照しつつ説明する。
図8(A)~
図8(H)は、通院サポートアプリの画面遷移の一例を示す図である。
【0036】
図7の処理では、患者が患者端末10において通院サポートアプリを起動すると、ステップS31において、表示制御部13が、
図8(A)に示すように、ログイン画面を表示する。
【0037】
表示されたログイン画面において、患者が通院サポートアプリの利用登録を申請するための操作を行うと、ステップS33に移行し、表示制御部13は、利用者登録画面を表示する。例えば、
図8(A)に示すログイン画面において、点線で示す「初回の方はこちら」の文字がタップされると、表示制御部13は、
図8(B)に示すように、利用者登録画面を表示する。
【0038】
次に、利用者登録画面において、ユーザが二次元コードを用いた登録処理の継続を決定すると、ステップS35に移行し、表示制御部13は、二次元コード登録画面を表示する。例えば、
図8(B)に示す利用者登録画面において、点線で示す「次へ」のボタンがタップされると、表示制御部13は、
図8(C)に示すように、二次元コード登録画面を表示する。
【0039】
二次元コード登録画面が表示されると、ステップS37において、読取部11は、
図6のステップS17における処理により医師端末30の表示部303に表示されている二次元コードをカメラにより読み取る。
【0040】
次に、ステップS39において、申請部12は、読み取った二次元コードをチェックする。例えば、申請部12は、読み取った二次元コードが、通院サポートアプリ用の二次元コードか否か、及び二次元コードに所定の情報が所定のデータ形式で含まれているか否かをチェックする。
【0041】
読み取った二次元コードが通院サポートアプリ用の二次元コードでなかった場合、又は、二次元コードに所定の情報が所定のデータ形式で含まれていなかった場合には、ステップS39の判断が否定され、
図6の処理を終了する。このとき、表示制御部13が、「本人認証に失敗しました」等のメッセージを患者端末10の表示部103に表示してもよい。
【0042】
一方、読み取った二次元コードに問題がなかった場合(チェック結果がOKの場合)には、ステップS39の判断が肯定され、ステップS41に移行する。ステップS41に移行すると、表示制御部13は、例えば、
図8(D)に示すように、二次元コードから読み取った情報に含まれている患者を特定する情報(患者ID、患者氏名、カナ、生年月日、性別)を表示部103に表示する。
【0043】
そして、
図8(D)の画面において、患者が、「次へ」のボタンをタップすると、ステップS43に移行し、表示制御部13は、
図8(E)に示すように、利用規約画面を表示する。
【0044】
患者が、
図8(E)の画面おいて、利用規約に同意し、「登録する」のボタンをタップすると、ステップS45に移行する。ステップS45に移行すると、表示制御部13は、
図8(F)に示すような通院サポートアプリのログインに必要な情報(ログインIDおよびパスワード)の入力をユーザに依頼する画面を表示する。
【0045】
そして、
図8(F)に示す画面において、ログインIDおよびパスワードが入力され、「登録」ボタンがタップされると、ステップS47に移行し、表示制御部13は利用登録申請に含まれる情報を表示する。例えば、表示制御部13は、
図8(G)に示すように、アプリケーションサーバ50に登録される情報が表示された確認画面を表示する。
【0046】
図8(G)に示す確認画面において「はい」のボタンがタップされると、ステップS49に移行し、申請部12は、利用登録申請をアプリケーションサーバ50に送信する。ステップS49の処理が終了すると、
図7の処理が終了する。
【0047】
(利用者登録処理)
次に、アプリケーションサーバ50が実行する利用者登録処理について、
図9のフローチャートに沿って説明する。
【0048】
図9の処理では、ステップS61において、登録部51は、利用登録申請を受信するまで待機する。そして、登録部51は、利用登録申請を受信すると、ステップS63に移行する。
【0049】
利用登録申請を受信したということは、患者端末10の通院サポートアプリにおいて本人認証に成功しているということである。したがって、ステップS63に移行すると、登録部51は、利用登録申請に含まれる情報に基づいて、患者を通院サポートアプリの利用者として利用者情報DB52(
図5参照)に登録する。例えば、利用登録申請に、ログインID、パスワード、病院識別ID、患者ID、患者氏名、カナ、生年月日、及び性別が含まれる場合には、登録部51は、当該情報を利用者情報DB52に登録する。また、利用登録申請に、ログインID、パスワード、病院識別ID、及び患者IDが含まれる場合には、登録部51は、ログインID、パスワード、病院識別ID、及び患者IDを利用者情報DB52に登録する。さらに、登録部51は、患者IDをキーにして電子カルテDB71から患者氏名、カナ、生年月日、及び性別を取得し、利用者情報DB52に登録する。
【0050】
これにより、患者は通院サポートアプリの利用者として登録されるので、これ以降は、通院サポートアプリを利用することができるようになる。具体的には、通院サポートアプリのログイン画面(
図8(A)参照)において、ログインIDとパスワードとを入力することによって、通院サポートアプリを利用することができるようになる。
【0051】
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る本人認証システム100は、医師端末30と、患者端末10と、アプリケーションサーバ50と、を含む。医師端末30の生成部31は、患者の本人確認が行われたことを示す入力が行われると、患者端末10からの患者端末10で利用される通院サポートアプリの利用登録申請を可能にする情報を生成する。医師端末30の出力部32は、生成された情報を含む二次元コードを表示部303に出力(表示)する。患者端末10の読取部11は、表示部303に表示された二次元コードを読み取り、申請部12は、読取部11が二次元コードを読み取ったことに応じて、通院サポートアプリの利用登録申請を送信する。アプリケーションサーバ50の登録部51は、利用登録申請を受信すると、利用登録申請に含まれる情報に基づいて、患者を通院サポートアプリの利用者として登録する。患者の本人確認は、患者を担当する医師により行われるので、電子メールやSMSなどで通知されたコードを入力する場合等と比較して、確実な本人認証が可能となる。すなわち、患者を詐称した第三者により、通院サポートアプリの利用登録申請が行われることを防止することができる。また、医師端末30の表示部303に表示された二次元コードを読み取れば、本人認証を行うことができるので、簡易に本人認証を行うことができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、生成された情報は、患者を特定する情報(患者ID、患者氏名、カナ、生年月日、性別)を含む。これにより、患者は、通院サポートアプリの利用登録申請時に、患者を特定する情報を入力しなくて済むので、通院サポートアプリの利用登録申請時の患者の負担を低減することができる。
【0053】
なお、上記実施形態では、生成された情報は、患者を特定する情報(患者ID、患者氏名、カナ、生年月日、性別)を含んでいたが、これに限られるものではない。例えば、生成部31は、病院識別IDと、本人確認が行われたことを示すコードと、を含み、患者を特定する情報については含まない情報を生成してもよい。この場合、通院サポートアプリにおいて本人認証に成功した後に、ログインID、パスワードに加えて、患者ID等の患者を特定する情報を患者が入力するようにすればよい。
【0054】
なお、上記実施形態では、出力部32は、生成部31が生成した情報を含む二次元コードを表示部303に表示していたが、これに限られるものではない。医師と患者とが対面している状況において、生成部31が生成した情報を患者端末10に提供できればよい。例えば、出力部32は、患者端末10がICチップ内の情報を読取可能な場合、生成された情報を含むデータを、ICチップに記録してもよい。この場合、患者端末10がICチップを読み取ることで、通院サポートアプリで本人認証処理が行われる。また、出力部32は、生成された情報を含むデータを近接通信により患者端末10に送信してもよい。この場合、患者端末10が、近接通信により生成された情報を含むデータを受信することで、通院サポートアプリで本人認証処理が行われる。
【0055】
また、上記実施形態では、電子カルテ画面において患者の本人確認が行われたことを示す入力を行っていたが、これに限られるものではない。例えば、
図10(A)に示すように、医師端末30の表示部303に表示されているアイコン40を医師がダブルクリックすることで、本人認証プログラムを起動する。そして、
図10(B)に示すような画面で現在対面している患者の患者IDを医師が入力することで、
図4(B)で示したように、利用登録申請に必要な情報が含まれる二次元コードが表示されるようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態において、利用者情報DB52に格納される情報は、上述した情報に限られるものではなく、その他の患者情報(例えば、住所など)を格納していてもよい。また、利用者情報DB52は、少なくとも、ログインID、パスワード、病院識別ID、及び患者IDを格納していればよい。
【0057】
また、上記実施形態では、通院サポートアプリが、患者端末10にインストールされたネイティブアプリケーションの場合について説明したが、通院サポートアプリはWebアプリケーションであってもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、医師が患者の本人確認を行う場合について説明したが、これに限られるものではない。第1人物と第2人物との関係が、第1人物が第2人物の本人認証を行うことができる関係にあり、第2人物が第1人物による本人確認が必要なアプリの利用登録申請を行う場合に、上記の本人認証システム100を利用することができる。例えば、生徒が自身の成績等を閲覧できるアプリを学校が提供しているとする。成績等は機微な情報であるため、アプリの利用開始時には確実な本人認証が求められる。この場合、例えば、生徒の担任教師が生徒の本人確認を行い、本人確認が行われたことを示す入力を受け付けたことに応じて、教師端末がアプリの利用登録申請に必要な情報を生成するようにすることができる。
【0059】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0060】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0061】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0062】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0063】
なお、以上の実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 医師が利用する端末のコンピュータに実行させる本人認証プログラムであって、
対象患者の本人確認が行われたことを示す入力が行われると、前記対象患者の端末からの前記対象患者の端末で利用されるアプリケーションの利用登録申請を可能にする情報を生成し、
生成された前記情報を前記対象患者の端末が読み取り可能な状態で出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする本人認証プログラム。
(付記2) 生成された前記情報は、前記対象患者を特定する情報を含む、
付記1に記載の本人認証プログラム。
(付記3) 前記出力する処理は、生成された前記情報を含む二次元コードを前記医師が利用する端末に表示する処理、生成された前記情報を含むデータを前記対象患者の端末が読み取り可能な記憶媒体に記録する処理、及び生成された前記情報を含むデータを近接通信により前記対象患者の端末に送信する処理の少なくとも1つを含む、
付記1または付記2に記載の本人認証プログラム。
(付記4) 医師が利用する端末のコンピュータが実行する本人認証方法であって、
対象患者の本人確認が行われたことを示す入力が行われると、前記対象患者の端末からの前記対象患者の端末で利用されるアプリケーションの利用登録申請を可能にする情報を生成し、
生成された前記情報を前記対象患者の端末が読み取り可能な状態で出力する、
処理を含むことを特徴とする本人認証方法。
(付記5) 対象患者の本人確認が行われたことを示す入力が行われると、前記対象患者の端末からの前記対象患者の端末で利用されるアプリケーションの利用登録申請を可能にする情報を生成する生成部と、
生成された前記情報を前記対象患者の端末が読み取り可能な状態で出力する出力部と、
を含む医師端末と、
生成された前記情報を読み取る読取部と、
前記読取部が前記情報を読み取ったことに応じて、前記アプリケーションの利用登録申請を送信する送信部と、
を含む患者端末と、
前記利用登録申請を受信すると、前記利用登録申請に含まれる情報に基づいて、前記対象患者を前記アプリケーションの利用者として登録する登録部を含むアプリケーションサーバと、
を備える本人認証システム。
(付記6) 生成された前記情報は、前記対象患者を特定する情報を含む、
付記5に記載の本人認証システム。
(付記7) 前記出力部は、生成された前記情報を含む二次元コードを前記医師端末に表示する処理、生成された前記情報を含むデータを前記対象患者の端末が読み取り可能な記憶媒体に記録する処理、及び生成された前記情報を含むデータを近接通信により前記対象患者の端末に送信する処理の少なくとも1つを実行する、
付記5または付記6に記載の本人認証システム。
【符号の説明】
【0064】
10 患者端末
11 読取部
12 申請部(送信部)
30 医師端末
31 生成部
32 出力部
50 アプリケーションサーバ
51 登録部