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特許7498457コンソールのチルト構造およびコンソール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】コンソールのチルト構造およびコンソール
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/16 20060101AFI20240605BHJP
【FI】
E02F9/16 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021567125
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(86)【国際出願番号】 JP2020044871
(87)【国際公開番号】W WO2021131556
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2019236072
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391014000
【氏名又は名称】スターテング工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】石水 天美
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 紀拓
(72)【発明者】
【氏名】正田 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓大
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-291564(JP,A)
【文献】実公平03-027100(JP,Y2)
【文献】特許第4555268(JP,B2)
【文献】特許第4535457(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席の側部に配置されるコンソールの傾きを変化させるチルト構造であって、
座席の側部に配置された第1フレームと、
前記第1フレームの上部に上下に揺動可能に取り付けられた第2フレームと、
前記第2フレームに傾動軸を介して前後に傾動操作可能に取り付けられた操作部材と、
を備え、
前記第1フレームは、突出するピンを備え、
前記操作部材は、前記傾動軸を挟んで、上方に前記操作部材を傾動操作させるためのグリップ部が配置され、下方に前記ピンを収容する溝が形成されたガイド部を備え、
前記ガイド部の溝は、前記ピンと係合する複数の係合部を備え、
前記グリップ部を操縦者が掴んで前記操作部材を傾動操作することで、前記ピンが前記複数の係合部のうちのいずれかに係合したロック状態と、前記ピンが前記係合部から外れた解除状態と、を切り替え可能であり、
前記複数の係合部のうち任意の係合部に前記ピンを係合させ、前記傾動軸と前記ピンとの距離が変化することで前記第1フレームに対する前記第2フレームの傾きが変化する、コンソールのチルト構造。
【請求項2】
前記グリップ部を掴んだ片手で前記第2フレームの上げ下げを行うことができる、請求項1記載のコンソールのチルト構造。
【請求項3】
前記操作部材を後方に引き操作することで、前記傾動軸を支点に前記ガイド部が前方に移動し、前記第1フレームに備えられたピンが前記係合部から外れて解除状態となる、請求項1または2記載のコンソールのチルト構造。
【請求項4】
前記溝の前記係合部に対向する側に、前記係合部の方向に前記ピンを案内する案内部が設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンソールのチルト構造。
【請求項5】
前記溝は、前記係合部を一定間隔で複数配置した第1の区画と、前記第1の区画の下方に前記一定間隔よりも大きな間隔を空けて1つの前記係合部を配置した第2の区画と、からなる、請求項1~4のいずれか1項に記載のコンソールのチルト構造。
【請求項6】
前記操作部材は、前記コンソールの前面に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のコンソールのチルト構造。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載のチルト構造を備えたコンソールであって、
前記第1フレームを上下に揺動可能に支持する第3フレームと、
前記第1フレームを上方へ跳ね上げるように付勢する跳ね上げダンパーと、
前記第3フレームに取り付けられて前記ピンに係合可能な跳ね上げストッパーと、
前記跳ね上げストッパーを操作するための跳ね上げ操作部材と、
を備え、
前記跳ね上げストッパーは、前記ピンを係脱可能な係止部を備え、
前記ピンが前記係止部に係合しているときには、前記第1フレームは前記跳ね上げダンパーの付勢力に抗して下方位置にて固定され、
前記跳ね上げ操作部材が操作されて前記ピンが前記係止部から外れたときには、前記第1フレームは前記跳ね上げダンパーの付勢力によって上方位置まで跳ね上げられるように構成されている、コンソール。
【請求項8】
前記第1フレームに対する前記第2フレームの傾きを維持したままで、前記第1フレームを前記第3フレームに対して回動可能である、請求項7記載のコンソール。
【請求項9】
操縦者の座席への乗降を妨げるために旋回可能に設けられたゲートレバーを備え、
前記ゲートレバーは、前記跳ね上げ操作部材を所定の第1ポジションに操作したときに、前記座席への通路を遮断する遮断位置に移動し、前記跳ね上げ操作部材を所定の第2ポジションに操作したときに、前記座席への通路から退避した退避位置に移動するように構成されている、請求項7~8のいずれか1項に記載のコンソール。
【請求項10】
前記跳ね上げ操作部材を、前記第1ポジションから前記第2ポジションを経由して所定の第3ポジションに操作したときに、前記係止部と前記ピンとの係合が解除されるように構成されている、請求項9に記載のコンソール。
【請求項11】
前記第1フレームが跳ね上げられた状態において前記ゲートレバーが前記遮断位置に移動できないように、前記跳ね上げ操作部材が前記跳ね上げストッパーによって操作不能にロックされている、請求項9または10に記載のコンソール。
【請求項12】
機械の操縦用の操縦レバーを備え、
前記跳ね上げ操作部材は、前記操縦レバーの後方に配置されている、請求項7~11のいずれか1項に記載のコンソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、座席の側部に配置されるコンソール、および、このコンソールの傾きを変化させるチルト構造に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルなどの建設機械においては、キャビン内に運転席が設けられ、この運転席に対して乗り降りするための乗降口が左右片側に設けられている。また、座席の側部にはコンソールが配置され、このコンソールに操縦用の操縦レバーが突出して設けられている。こうした座席への乗降を容易としたり、座席に座ったときの操縦レバーの高さを調節したりするために、コンソールの傾きを変化させるチルト構造を設けたものが存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、チルトブラケットに上下2本平行にロックピンがセットされ、上側のロックピンが可動フレーム側に固定され、下側のロックピンが固定フレーム側の歯溝部にロックされる構造が開示されている。この構造では、固定フレーム側の歯溝部に対する下側のロックピンの係合位置を変えることで、可動フレームの傾きを変えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平7-19058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した特許文献1記載の構造は、可動フレームの傾きを変えるためにコンソールの内部に配置されたチルトブラケットを回転させる必要があった。このため、外部からコンソールの傾きを変えられるようにするためには、チルトブラケットを回転させる機構を設けなければならず、構造が複雑化するという問題があった。
そこで、本発明は、簡単な操作でコンソールの傾きを変えることができ、構成もシンプルなチルト構造およびコンソールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するため、本発明は、座席の側部に配置されるコンソールの傾きを変化させるチルト構造であって、座席の側部に配置された第1フレームと、前記第1フレームの上部に上下に揺動可能に取り付けられた第2フレームと、前記第2フレームに傾動軸を介して前後に傾動操作可能に取り付けられた操作部材と、を備え、前記第1フレームは、突出するピンを備え、前記操作部材は、前記ピンを収容する溝が形成されたガイド部を備え、前記溝は、前記ピンと係合する複数の係合部を備え、前記操作部材を傾動操作することで、前記ピンが前記複数の係合部のうちのいずれかに係合したロック状態と、前記ピンが前記係合部から外れた解除状態と、を切り替え可能であり、前記複数の係合部のうち任意の係合部に前記ピンを係合させ、前記傾動軸と前記ピンとの距離が変化することで前記第1フレームに対する前記第2フレームの傾きが変化するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上記の通りであり、操作部材を操作することでロック状態と解除状態とを直接切り替えることができ、この切り替え操作によりコンソールの傾きを変えることができる。よって、簡単な操作でコンソールの傾きを変えることができる。また、構成もシンプルにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】座席およびコンソールの斜視図である。
図2】コンソールの傾きを変えた状態の座席およびコンソールの斜視図である。
図3】コンソールの内部を説明する図であって、第2フレームが最も低い位置にあるロック状態の図である。
図4】操作部材の側面図である。
図5】コンソールの内部を説明する図であって、解除状態の図である。
図6】コンソールの内部を説明する図であって、第2フレームを上方に移動させたロック状態の図である。
図7】コンソールの内部を説明する図であって、第2フレームが最も高い位置にあるロック状態の図である。
図8】変形例に係るコンソールの内部構造を示す図であって、第3フレームを組み付ける前の図である。
図9】変形例に係るコンソールの内部構造を示す図であって、第3フレームを組み付けた図である。
図10】変形例に係るコンソールを構成する部品を説明するための分解図である。
図11】変形例に係るコンソールの作動を説明する図(チルト構造の操作部材を省略)であって、(a)ゲートレバーが遮断位置にある状態の図、(b)ゲートレバーが退避位置にある状態の図である。
図12】変形例に係るコンソールの作動を説明する図(チルト構造の操作部材を二点鎖線で表示)であって、(a)ゲートレバーが遮断位置にある状態の図、(b)ゲートレバーが退避位置にある状態の図である。
図13】変形例に係るコンソールの作動を説明する図(チルト構造の操作部材を省略)であって、(a)第1フレームが下方位置にある状態の図、(b)第1フレームが上方位置に跳ね上げられた状態の図である。
図14】変形例に係るコンソールの作動を説明する図(チルト構造の操作部材を二点鎖線で表示)であって、(a)第1フレームが下方位置にある状態の図、(b)第1フレームが上方位置に跳ね上げられた状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、操縦者が座席10に着席したときの水平な正面方向を「前」方向とし、この「前」方向の反対方向を「後」方向として説明する。また、操縦者が座席10に着席して正面を向いた状態で、操縦者から見て左側を「左」方向とし、操縦者から見て右側を「右」方向として説明する。
【0010】
本実施形態に係るコンソール11は、油圧ショベル等の建設機械に使用される。こうした建設機械は、キャビン内に操縦者用の座席10が設けられており、この座席10の両側部にコンソール11が配置されている。このコンソール11には、図1に示すように、操縦用の操縦レバー12が突出して設けられている。操縦者は、この操縦レバー12を両手で操作することにより、左右に旋回したり、アームを動かしたりといった操縦を行う。
【0011】
なお、特に図示しないが、座席10から見て片側のコンソール11(図1においては左側のコンソール11)の更に奥には、座席10に対して乗り降りするための乗降口が設けられている。このため、座席10に着くためにはコンソール11の前を通過しなければならないようになっており、このコンソール11の前が座席10への乗降通路となっている。この片側のコンソール11には、操縦時における乗降を妨げるためのゲートレバー42が設けられており、作業中は乗降通路を遮断するとともに、乗降時にはゲートレバー42を跳ね上げることで乗降通路を開放できるようになっている。
【0012】
本実施形態に係るコンソール11は、座席10への乗降を容易としたり、座席10に座ったときの操縦レバー12の高さを調節したりするために、コンソール11の傾きを変化させるチルト構造を備えている。例えば、図2に示すようにコンソール11の傾きを変えて、操縦レバー12の位置を高くすることができる。
【0013】
このコンソール11は、図3に示すように、第1フレーム20と、第2フレーム25と、操作部材30と、を備えている。これらの機構は、図1に示すように、フレームカバー41で覆われており、操作可能な一部を除いて外部に露出しないようになっている。
【0014】
第1フレーム20は、座席10の側部に固定されるフレームである。この第1フレーム20は、床面に臨むように配置される。本実施形態に係る第1フレーム20は、金属板で形成された側板部20aを備える。この側板部20aには、水平方向(左右方向)に突出するピン23が固定されている。このピン23は、第1フレーム20の前端部寄りに配置されており、後述する溝34に摺動可能に挿入されている。
【0015】
第2フレーム25は、第1フレーム20の上部に取り付けられ、第1フレーム20に対して上下に揺動可能に配置されるフレームである。本実施形態に係る第2フレーム25は、金属板で形成された側板部25aを備える。この第2フレーム25の側板部25aの下端部は、第1フレーム20の側板部20aの上端部と重なり合うように配置されている。そして、これらの側板部20a、25aが後部において重なり合う位置に、両者を揺動可能に接続するための揺動軸21が設けられている。なお、本実施形態においては、この揺動軸21の周囲にダンパー22が配置されており、第1フレーム20および第2フレーム25の揺動に対して制動力が働くようになっている。このため、第2フレーム25が揺動可能な状態(後述する解除状態)となった場合でも、第2フレーム25が急激に揺動せず、緩やかに揺動するように構成されている。
【0016】
操作部材30は、コンソール11の傾きを変えるときに操縦者に操作されるレバーであり、第2フレーム25に対して前後に傾動可能に取り付けられている。本実施形態に係る操作部材30は、第2フレーム25の前端付近に設けられた傾動軸26を介して、第2フレーム25に傾動可能に接続されている。この傾動軸26は、第1フレーム20のピン23と同様に水平な軸であり、ピン23よりも前方に配置されている。
この操作部材30は、図4に示すように、操作部材30を傾動操作させるためのグリップ部31と、溝34が形成されたガイド部32と、を備える。
【0017】
グリップ部31は、操作部材30の上端付近に設けられており、図1等に示すように、操縦者が操作できるようにフレームカバー41の外部に露出している。本実施形態に係るグリップ部31は、先端が前方に突出した逆L字形で形成されており、この逆L字形のグリップ部31を操縦者が掴んで操作部材30を傾動操作できるようになっている。
【0018】
ガイド部32は、グリップ部31の下方に配置されたプレート状の部位である。このガイド部32の上端付近には、上記した傾動軸26を挿入するための軸穴33が貫通形成されており、この軸穴33よりも下方には、上記したピン23を摺動可能に収容する溝34が貫通形成されている。
【0019】
溝34は、図4に示すように、上下方向に延びる異形の長孔であり、ピン23を係止可能な複数の係合部35を備えている。係合部35は、ピン23を引っ掛けられるように、溝34の一部を前方に膨出させて形成されている。溝34を摺動したピン23がこの係合部35に入り込んで係止されることで、ピン23を係合部35に固定できるようになっている。
【0020】
なお、本実施形態に係る係合部35は、先端方向に行く従って次第に先細りとなるように形成されている。このため、係合部35の入口を大きくしてピン23を係合部35に誘導しやすくするとともに、ピン23が係合部35に入り込んだときにはガタつきが生じないように形成されている。
【0021】
本実施形態に係る溝34は、複数の係合部35を備えており、これらの複数の係合部35の間をピン23が移動できるようになっている。複数の係合部35は、上下に複数段で形成されており、どの係合部35にピン23が係合するかによって操作部材30(および操作部材30に結合された第2フレーム25)の高さが変わるようになっている。
【0022】
溝34内のピン23の位置を変更する場合には、操作部材30を傾動操作する。操作部材30を傾動操作することで、ピン23が複数の係合部35のうちのいずれかに係止されたロック状態と、ピン23が係合部35から外れた解除状態と、を切り替え可能である。ロック状態においては、溝34内でピン23がロックされているため、第2フレーム25を第1フレーム20に対して揺動させることができない。しかしながら、解除状態においては、ピン23を溝34に沿って摺動させることができる。このようにピン23を溝34に沿って摺動させることことで、第2フレーム25を第1フレーム20に対して揺動させることができ、第2フレーム25の傾きを変化させることができる。
【0023】
なお、本実施形態に係る操作部材30は、傾動軸26を中心に傾動可能であるが、バネなどの付勢部材40によって常時付勢されている。具体的には、自然状態においては、グリップ部31が前方に付勢されるとともに、ガイド部32の下部(溝34が形成された部分)が後方に付勢されている。
【0024】
このため、操作されていない自然状態においては、ピン23を係合部35に係合させる方向に操作部材30が付勢されており、すなわち、ロック状態を維持する方向に操作部材30が付勢されている。このような自然状態からグリップ部31を保持して手前(後方)に引き操作することで、操作部材30が付勢部材40に抗して傾動し、ロック状態から解除状態へ移行させることができる。そして、グリップ部31の引き操作を解除することで、操作部材30が付勢部材40に付勢されて傾動し、解除状態からロック状態へ自動的に移行できるようになっている。
【0025】
例えば、グリップ部31を手前に引き操作することで、図3に示すようなロック状態から図5に示すような解除状態へと切り替えることができる。このような操作により、ピン23が係合部35から外れるので、ピン23が溝34に沿って摺動できる状態となる。この状態で、第2フレーム25を上げ下げすることで、第2フレーム25の傾きを変化させることができる。第2フレーム25を任意の高さに設定したら、グリップ部31を離して操作部材30を傾動前の位置に戻す。これにより、図6に示すように、ピン23が係合部35に入り込んでロック状態となるので、その高さで第2フレーム25が固定される。
【0026】
このように、本実施形態に係るチルト構造においては、複数の係合部35のうちのどの係合部35にピン23を係合させるかによって、傾動軸26とピン23との距離が変化して第2フレーム25の傾きが変化するようになっている。
【0027】
なお、本実施形態に係る溝34は、図4に示すように、上記した係合部35に対向する面に案内部36を備えている。この案内部36は、溝34の内面を係合部35の方向に突出させたものであり、係合部35にピン23を誘導しやすくするために設けられている。この案内部36は、図4に示すように、上下に傾斜面を形成した略くの字形の突出部である。この案内部36は、解除状態で第2フレーム25を上げ下げしたときにピン23が当たるように、溝34の内側に突出している。ピン23が溝34の傾斜面に当たることで、ピン23は係合部35の方向に誘導されるため、ピン23を容易に係合部35に入り込ませることができる。また、操縦者は、ピン23が案内部36に当たる感触を元に係合部35の大体の位置を把握することができるため、グリップ部31を離すタイミング(ロック状態に移行するタイミング)を計ることができる。
【0028】
また、本実施形態に係る溝34は、図4に示すように、係合部35を一定間隔で複数配置した第1の区画37と、第1の区画37の下方に前記一定間隔よりも大きな間隔を空けて1つの係合部35を配置した第2の区画38と、からなる。このように構成することで、第1の区画37によってコンソール11(操縦レバー12)の高さを調節することができ、また、第2の区画38によってコンソール11を跳ね上げることができる。
【0029】
すなわち、コンソール11の高さを微調整して、操縦者の体格に合った位置に操縦レバー12を配置したい場合には、第1の区画37に設けられた複数の係合部35(係合部35A~E)を使用して、コンソール11の高さを決定すればよい。
【0030】
また、コンソール11を跳ね上げて座席10への乗降を容易としたい場合には、図7に示すように、第2の区画38に設けられたの係合部35Fを使用することで、大きくコンソール11を跳ね上げることができる。このとき、ゲートレバー42も同時に跳ね上げられるようにしてもよい。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、操作部材30を操作することでロック状態と解除状態とを直接切り替えることができ、この切り替え操作によりコンソール11(第2フレーム25およびフレームカバー41)の傾きを変えることができる。よって、簡単な操作でコンソール11の傾きを変えることができる。また、構成もシンプルにすることができる。
【0032】
また、傾動軸26を挟んで、上方にグリップ部31が配置され、下方に溝34が配置されているため、グリップ部31を大きく操作しなくても(グリップ部31を少し動かすだけで)、ロック状態と解除状態とを切り替えることができる。
【0033】
また、操作部材30は、コンソール11の前面に配置されており、グリップ部31を手前に引き操作することで、ピン23が係合部35から外れて解除状態となる。このような構成によれば、第2フレーム25を保持して高さを変えるときに、グリップ部31を引き操作すれば自然と第2フレーム25を保持した姿勢となるため、第2フレーム25の上げ下げを片手で容易に行うことができる。
(変形例)
【0034】
上記した実施形態においては、第1フレーム20が座席10の側部に固定されるようにしたが、これに限らず、第1フレーム20を上方に跳ね上げられるように構成してもよい。これにより、座席10への乗降を更に容易とすることができる。具体的には、上記した実施形態においては、第2の区画38に設けられたの係合部35Fを使用することで、第2フレーム25のみを跳ね上げるようにしたが(図7参照)、これに代えて、第2フレーム25を支持している第1フレーム20を上方に跳ね上げるようにしてもよい。
【0035】
図8~14は、第1フレーム20を上方に跳ね上げられるように構成した変形例を説明する図である。これらの図を参照しつつ、本実施形態の変形例について説明する。
【0036】
なお、本変形例に係る操作部材30は、上記した実施形態とは異なる形状であり、また、上記した実施形態とは異なる位置に設けられている。しかしながら、この操作部材30は、第2の区画38(係合部35F)を備えていないという違いはあるものの、上記した実施形態に係る操作部材30と比較して機能や作用において相違するものではない。よって、本変形例に係る操作部材30の構成及び作用については説明を省略する。
【0037】
本変形例に係るコンソール11は、図8および図9に示すように、第1フレーム20を上下に揺動可能に支持する第3フレーム45と、第1フレーム20の跳ね上げを抑制するための跳ね上げストッパー46と、跳ね上げストッパー46を操作するための跳ね上げ操作部材47と、第2フレーム25に旋回可能に取り付けられたゲートレバー42と、を備える。
【0038】
第3フレーム45は、第1フレーム20の下方において、座席10の側部に固定されている。この第3フレーム45の後端部付近には、図8および図9に示すように、第1フレーム20を揺動可能に支持する跳ね上げ揺動軸45aが設けられている。また、この跳ね上げ揺動軸45aの周囲には、跳ね上げダンパー45bが配置されている。この跳ね上げダンパー45bは、第1フレーム20を上方へ跳ね上げるように付勢するとともに、第1フレーム20が勢いよく揺動しないように制動力を働かせるためのものである。後述する跳ね上げストッパー46による抑制が解除されると、この跳ね上げダンパー45bの付勢力によって、第1フレーム20が緩やかに上方に揺動し、所定の位置まで跳ね上げられるように構成されている。具体的には、第1フレーム20は、図13(a)に示す下方位置から、図13(b)に示す上方位置まで跳ね上げることが可能となっている。
【0039】
跳ね上げストッパー46は、上記した跳ね上げダンパー45bの付勢力に抗して、第1フレーム20を下方位置にて固定するためのものである。具体的には、この跳ね上げストッパー46に対し、第1フレーム20に固定されたピン23が係合することで、第1フレーム20が下方位置にて固定される。
【0040】
本実施形態に係る跳ね上げストッパー46は、図8および図10に示すように、ストッパー揺動軸46fによって下端付近が揺動可能に支持されており、これにより第3フレーム45に対して前後に揺動可能となっている。この跳ね上げストッパー46は、ストッパー用バネ46gによって、常時後方(ピン23に係合する方向)へと付勢されている。
【0041】
この跳ね上げストッパー46は、上方へと延びるアーム部46cを備えており、このアーム部46cの先端が逆J字状に折り曲げられた形状となっている。また、このアーム部46cの下方には、ピン23を係脱可能な係止部46aが設けられている。この係止部46aは、前方に凹んだ形状となっており、その内部にピン23を入り込ませて係合させることができる。
【0042】
また、この係止部46aの下方には、ピン23の下方への移動を妨げる下規制部46bが設けられている。下規制部46bは、係止部46aの下端縁から連続するように後方へせり出して形成されている。この下規制部46bは、アーム部46cの内側(後方側)の稜線よりも後方へせり出して形成されることで、この下規制部46bよりも下方にピン23が移動できないように規制している。
【0043】
また、アーム部46cの上端(逆J字状に折り曲げられた部分)には、上規制部46dと先端フック46eとが設けられている。上規制部46dは、第2フレーム25が所定の範囲を超えて跳ね上げられないように規制するための部位であり、アーム部46cの上端から後方に延設されている。また、先端フック46eは、コンソール11が跳ね上げられた状態でゲートレバー42が前方に突出できないように規制するための部位であり、上規制部46dの後端から下方に延設されている。
【0044】
このような構成により、ピン23が係止部46aに係合しているときには、図11(a)および図12(a)に示すように、第1フレーム20は跳ね上げダンパー45bの付勢力に抗して下方位置にて固定されている。この状態では、跳ね上げストッパー46がピン23と係合する方向へ付勢されているため、跳ね上げストッパー46が前方へ揺動しない限りは、第1フレーム20は下方位置に留まっている。
【0045】
この状態から、後述する跳ね上げ操作部材47が操作されて跳ね上げストッパー46が前方へ揺動すると、図13(a)および図14(a)に示すように、ピン23が係止部46aから外れる。ピン23が係止部46aから外れると、跳ね上げダンパー45bの付勢力によって、第1フレーム20が緩やかに上方に移動する。このとき、第1フレーム20に固定されたピン23も一体的に上方に移動する。なお、跳ね上げストッパー46は、ピン23の方向へ付勢されているため、アーム部46cの内側がピン23に押し付けられる。言い換えると、ピン23がアーム部46cの内側の稜線を伝いながら上方へと移動する。第1フレーム20は、図13(b)および図14(b)に示すように、ストッパー押動部48d(後述)が上規制部46dに当接する位置まで上方に移動することができる。ストッパー押動部48dが上規制部46dに当接すると、第1フレーム20および第2フレーム25はそれ以上移動できないので、跳ね上げられた上方位置において固定される。
【0046】
この状態から第1フレーム20を再び下方位置に下げたいときには、第2フレーム25の上から第1フレーム20を押し下げればよい。ピン23が下規制部46bに当接する位置まで第1フレーム20を押し下げると、図11(a)および図12(a)に示すように、ストッパー用バネ46gの付勢力により、ピン23と係止部46aとが係合する。このため、第1フレーム20を押し下げる力が無くなっても、第1フレーム20を下方位置において固定することができる。
【0047】
なお、図12および図14に示すように、第1フレーム20が第3フレーム45に対して上下に回動しても、ピン23と係合部35との係合はそのまま維持されるようになっている。言い換えると、コンソール11の傾き(第1フレーム20に対する第2フレーム25の傾き)を維持したままで、第1フレーム20を第3フレーム45に対して回動可能となっている。このような構成によれば、跳ね上げ動作の前後でコンソール11の傾きが変わらないので、操縦者が乗降した場合でもチルト位置を維持することができる。
【0048】
跳ね上げ操作部材47は、コンソール11を跳ね上げたり、ゲートレバー42を操作したりするときに操縦者に操作されるレバーである。この跳ね上げ操作部材47は、第2フレーム25に対して前後に傾動可能に取り付けられている。本実施形態に係る跳ね上げ操作部材47は、第2フレーム25に設けられた回動軸47dを介して、第2フレーム25に傾動可能に取り付けられている。また、跳ね上げ操作部材47は、図12等に示すように、操縦レバー12の後方に配置されている。このように跳ね上げ操作部材47を操縦レバー12の後方に配置することで、跳ね上げ操作やゲートレバー42の操作時に誤って操縦レバー12に接触しにくい構成となっている。なお、本実施形態においては、操作部材30も操縦レバー12の後方に配置されており、操作部材30と跳ね上げ操作部材47とが横並びに配置されている。
【0049】
この跳ね上げ操作部材47は、図8~10に示すような略L字形の部材であり、略L字形の屈折部付近を回動軸47dによって支持されている。この跳ね上げ操作部材47は、上端部に把持部47aを備えている。また、この跳ね上げ操作部材47は、回動軸47dの位置から前方へ突出した前方突出部47bを備えている。
【0050】
把持部47aは、跳ね上げ操作部材47を傾動操作させるときに操縦者が掴むための部位である。この把持部47aは、操作部材30のグリップ部31と同様に、操縦者が操作できるようにフレームカバー41の外部に露出している。
【0051】
前方突出部47bは、後述する第1リンク部材48を接続するために設けられた部位である。この前方突出部47bの先端には、第1リンク部材48を回転自在に接続するための第1リンク接続部47cが設けられている。
【0052】
この第1リンク接続部47cには、図10~14に示すような第1リンク部材48が回転自在に接続されている。この第1リンク部材48は、リンク揺動軸48eを介して、第2フレーム25に回転自在に取り付けられている。また、この第1リンク部材48は、リンク揺動軸48eよりも前方に突出する第1腕部48aと、リンク揺動軸48eよりも後方に突出する第2腕部48cと、を備える。
【0053】
第1腕部48aの先端には、後述する第2リンク部材49を回転自在に接続するための第2リンク接続部48bが設けられている。また、この第1腕部48aには、リンク揺動軸48eと第2リンク接続部48bとの間において、上記した第1リンク接続部47cが接続されている。
【0054】
第2腕部48cの先端には、跳ね上げストッパー46のアーム部46cに臨むようにストッパー押動部48dが設けられている。このストッパー押動部48dは、跳ね上げ操作部材47の操作に連動して跳ね上げストッパー46を前方に押動するためのものである。
【0055】
また、上記した第1リンク部材48の第2リンク接続部48bには、図10~14に示すような第2リンク部材49が回転自在に接続されている。この第2リンク部材49には、後述するゲートレバー42と係合させるための円弧状ガイド49aが設けられている。円弧状ガイド49aは、円弧状の溝または孔である。この円弧状ガイド49aの内部には、後述するゲートレバー42のガイドピン42bがスライド可能に挿入されている。
【0056】
ゲートレバー42は、操縦中に座席10への乗降を妨げるためのものであり、ゲートレバー揺動軸42cを介して、第2フレーム25に旋回可能に取り付けられている。このゲートレバー42は、図11(a)に示すように、座席10への乗降通路を遮断する遮断位置と、図11(b)に示すように、座席10への通路から退避した退避位置と、を取り得るようになっている。遮断位置においては、ゲートレバー42の遮断部42aがゲートレバー揺動軸42cよりも前方に突出し、操縦者の座席10への乗降を妨げるようになっている。退避位置においては、ゲートレバー42の遮断部42aが下方に向いており、乗降通路が開放されるようになっている。
【0057】
このゲートレバー42は、ゲートレバー用バネ42d(図8および図9参照)によって、常時後方へ付勢されている。本変形例に係るゲートレバー用バネ42dは、遮断位置と退避位置との間の位置において最も伸長するように設定された引っ張りバネである。このゲートレバー用バネ42dによって、ゲートレバー42が退避位置または遮断位置を維持するよう付勢力が働いている。また、ゲートレバー42を遮断位置から退避位置へ、または退避位置から遮断位置へ移動するときには、ゲートレバー用バネ42dの付勢力に抗して(ゲートレバー用バネ42dが最も伸長する位置を乗り越えて)操作しなければならないようになっている。
【0058】
なお、このゲートレバー42は、ゲートレバー揺動軸42cと平行なガイドピン42bを備えている。このガイドピン42bは、すでに説明したように、第2リンク部材49の円弧状ガイド49aに挿入されている。このため、第2リンク部材49が前方に移動すると、円弧状ガイド49aに挿入されたガイドピン42bも前方に移動し、これによりゲートレバー42が前方に旋回するようになっている。一方、第2リンク部材49が後方に移動すると、円弧状ガイド49aに挿入されたガイドピン42bも後方に移動し、これによりゲートレバー42が後方(下方)に旋回するようになっている。
本変形例に係るゲートレバー42は、跳ね上げ操作部材47によって操作することができる。
【0059】
すなわち、図11(a)に示す遮断位置にゲートレバー42があるときには、跳ね上げ操作部材47は、最も前方の第1ポジションに位置している。この状態から跳ね上げ操作部材47を後方に引き操作すると、図11(b)に示すように、跳ね上げ操作部材47が第2ポジションまで移動する。跳ね上げ操作部材47が第2ポジションに移動すると、第1リンク接続部47cが引き上げられて、第1リンク部材48がリンク揺動軸48eを中心に回動し、第2リンク接続部48bが後方に移動する。これに伴い、第2リンク部材49が後方に移動するので、ガイドピン42bが後方に引き付けられて、ゲートレバー42が退避位置に移動する。
【0060】
反対に、図11(b)に示す退避位置にゲートレバー42があるときには、跳ね上げ操作部材47は、第2ポジションに位置している。この状態から跳ね上げ操作部材47を前方に押し操作すると、図11(a)に示すように、跳ね上げ操作部材47が第1ポジションまで移動する。跳ね上げ操作部材47が第1ポジションに移動すると、第1リンク接続部47cが押し下げられて、第1リンク部材48がリンク揺動軸48eを中心に回動し、第2リンク接続部48bが前方に移動する。これに伴い、第2リンク部材49が前方に移動するので、ガイドピン42bが前方に押されて、ゲートレバー42が遮断位置に移動する。
【0061】
なお、本変形例においては、この跳ね上げ操作部材47によって、第1フレーム20の跳ね上げ操作も可能であり、ゲートレバー42の退避操作に連続して跳ね上げ操作を行えるようになっている。
【0062】
すなわち、本変形例においては、跳ね上げ操作部材47を、図11(a)に示す第1ポジションから、図11(b)に示す第2ポジションを経由して、更に図13(a)に示す第3ポジションまで操作したときに、跳ね上げストッパー46の係止部46aとピン23との係合が解除され、第1フレーム20が跳ね上がるように構成されている。
【0063】
具体的には、図11(b)に示す第2ポジションから更に跳ね上げ操作部材47を引き操作すると、図13(a)に示すように、跳ね上げ操作部材47が第3ポジションまで移動する。跳ね上げ操作部材47が第3ポジションに移動すると、第1リンク接続部47cが引き上げられて、第1リンク部材48がリンク揺動軸48eを中心に回動する。このとき、ストッパー押動部48dが前方に移動して跳ね上げストッパー46を前方に押し出す。これにより、跳ね上げストッパー46がストッパー用バネ46gの付勢力に抗して前方へ揺動し、係止部46aとピン23との係合が解除される。係止部46aとピン23との係合が解除されると、跳ね上げダンパー45bの付勢力により、図13(b)に示す上方位置まで第1フレーム20が跳ね上げられる。
【0064】
なお、跳ね上げ操作部材47が第2ポジションから第3ポジションまで操作されたときには、円弧状ガイド49aの内部をガイドピン42bがスライドすることで、第2リンク部材49を動かす力がゲートレバー42に伝達されず、ゲートレバー42が移動しないようになっている。
【0065】
このような構成により、跳ね上げ操作部材47を第1ポジションから第2ポジションまで操作すると、ゲートレバー42が退避位置に移動し、更に跳ね上げ操作部材47を第2ポジションから第3ポジションまで操作すると、ゲートレバー42はそのままで、跳ね上げ動作が実行されるようになっている。このように、跳ね上げ操作部材47を一方向に操作することで、ゲートレバー42の退避操作と第1フレーム20の跳ね上げ操作とを連続して行えるようになっている。
【0066】
なお、図13(b)に示すように第1フレーム20が上方位置に跳ね上げられた状態においては、跳ね上げ操作部材47を前方に操作できないように構成されている。すなわち、図13(b)に示すように、第1フレーム20が上方位置に跳ね上げられた状態においては、ストッパー押動部48dが、跳ね上げストッパー46の上規制部46dおよび先端フック46eに係合している。この状態では、ストッパー押動部48dが先端フック46eを押す方向(図13(b)における時計回りの方向)には、第1リンク部材48が回転できないため、跳ね上げ操作部材47を前方に操作することはできない。このように、跳ね上げ操作部材47が跳ね上げストッパー46によって操作不能にロックされているため、第1フレーム20が跳ね上げられた状態においては、跳ね上げ操作部材47を前方に操作してゲートレバー42を遮断位置に移動することはできないように構成されている。
【0067】
以上説明したように、本変形例は、第1フレーム20を上下に揺動可能に支持する第3フレーム45と、第1フレーム20を上方へ跳ね上げるように付勢する跳ね上げダンパー45bと、第3フレーム45に取り付けられてピン23に係合可能な跳ね上げストッパー46と、跳ね上げストッパー46を操作するための跳ね上げ操作部材47と、を備える。そして、跳ね上げストッパー46は、ピン23を係脱可能な係止部46aを備え、ピン23が係止部46aに係合しているときには、第1フレーム20は跳ね上げダンパー45bの付勢力に抗して下方位置にて固定され、跳ね上げ操作部材47が操作されてピン23が係止部46aから外れたときには、第1フレーム20は跳ね上げダンパー45bの付勢力によって上方位置まで跳ね上げられるように構成されている。このような構成によれば、チルト構造を構成するピン23を使用して、コンソール11の跳ね上げ構造を実現することができる。
【0068】
また、本変形例は、第1フレーム20に対する第2フレーム25の傾きを保持したままで、第1フレーム20を第3フレーム45に対して回動可能である。このような構成によれば、操縦者が乗降する前後においてチルト位置が維持されるので、操縦者が乗降する度にチルト位置を設定しなおす必要がなく、便利である。
【0069】
また、本変形例は、操縦者の座席10への乗降を妨げるために旋回可能に設けられたゲートレバー42を備え、ゲートレバー42は、跳ね上げ操作部材47を所定の第1ポジションに操作したときに、座席10への通路を遮断する遮断位置に移動し、跳ね上げ操作部材47を所定の第2ポジションに操作したときに、座席10への通路から退避した退避位置に移動するように構成されている。このような構成によれば、跳ね上げ操作部材47によって、コンソール11の跳ね上げ操作だけではなく、ゲートレバー42の操作も行うことができるので、コンソール11をシンプルに構成することができる。
【0070】
また、本変形例は、跳ね上げ操作部材47を、第1ポジションから第2ポジションを経由して所定の第3ポジションに操作したときに、係止部46aとピン23との係合が解除されるように構成されている。このような構成によれば、跳ね上げ操作部材47を一方向に操作するだけで、ゲートレバー42の退避とコンソール11の跳ね上げ動作とを連続して実行することができる。
【0071】
また、本変形例は、第1フレーム20が跳ね上げられた状態においてゲートレバー42が遮断位置に移動できないように、跳ね上げ操作部材47が跳ね上げストッパー46によって操作不能にロックされている。このような構成によれば、第1フレーム20が跳ね上げられた状態において、誤ってゲートレバー42を遮断位置に移動させてしまうことを防止できるので、安全性を高めることができる。
【符号の説明】
【0072】
10 座席
11 コンソール
12 操縦レバー
20 第1フレーム
20a 側板部
21 揺動軸
22 ダンパー
23 ピン
25 第2フレーム
25a 側板部
26 傾動軸
30 操作部材
31 グリップ部
32 ガイド部
33 軸穴
34 溝
35、35A~F 係合部
36 案内部
37 第1の区画
38 第2の区画
40 付勢部材
41 フレームカバー
42 ゲートレバー
42a 遮断部
42b ガイドピン
42c ゲートレバー揺動軸
42d ゲートレバー用バネ
45 第3フレーム
45a 跳ね上げ揺動軸
45b 跳ね上げダンパー
46 跳ね上げストッパー
46a 係止部
46b 下規制部
46c アーム部
46d 上規制部
46e 先端フック
46f ストッパー揺動軸
46g ストッパー用バネ
47 跳ね上げ操作部材
47a 把持部
47b 前方突出部
47c 第1リンク接続部
47d 回動軸
48 第1リンク部材
48a 第1腕部
48b 第2リンク接続部
48c 第2腕部
48d ストッパー押動部
48e リンク揺動軸
49 第2リンク部材
49a 円弧状ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14