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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】卵容器移送システム及び卵容器収容体
(51)【国際特許分類】
   B65B 23/02 20060101AFI20240605BHJP
【FI】
B65B23/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020080257
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021172416
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】友末 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】明石 直樹
(72)【発明者】
【氏名】立原 明文
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-177325(JP,A)
【文献】米国特許第04995785(US,A)
【文献】特開平08-108851(JP,A)
【文献】登録実用新案第3180536(JP,U)
【文献】特開昭56-007834(JP,A)
【文献】実開昭49-137964(JP,U)
【文献】特開2019-202816(JP,A)
【文献】登録実用新案第3209255(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵容器を仮置きする仮置き台に前記卵容器を移送する卵容器移送部と、
前記卵容器が仮置きされた前記仮置き台を、高さ方向に制限があり且つ正面に開口部を有する卵容器収容体の中まで移送する仮置き台移送部と、
前記卵容器を前記仮置き台から前記卵容器収容体に積降ろす積降ろし手段と、を備え、
前記仮置き台は、水平方向において少なくとも2台以上並設可能であり、
前記仮置き台の前面、側面及び後面のうち少なくとも1つの面が開放されている、卵容器移送システム。
【請求項2】
前記仮置き台移送部は、前記仮置き台を搬送する仮置き台搬送部と、前記卵容器が仮置きされた前記仮置き台を前記卵容器収容体の中まで押し込む仮置き台押込み部と、を備え、
前記積降ろし手段は、前記卵容器収容体の中まで押し込まれた前記卵容器を前記開口部側から押える卵容器押え部と、前記卵容器収容体の中まで押し込まれた前記仮置き台を前記卵容器収容体から引き抜く仮置き台引抜部と、を備える、請求項1に記載の卵容器移送システム。
【請求項3】
前記仮置き台移送部は、前記仮置き台、前記仮置き台押込み部、前記卵容器押え部及び前記仮置き台引抜部を昇降する昇降部を備える、請求項2に記載の卵容器移送システム。
【請求項4】
前記仮置き台移送部は、前記仮置き台を前記仮置き台搬送部まで戻す返戻部を備える、請求項2又は3に記載の卵容器移送システム。
【請求項5】
前記仮置き台移送部は、少なくとも6自由度を有するロボットアームを備え、
前記ロボットアームは、前記仮置き台と連結する第1連結部をアーム先端に備え、
前記仮置き台は、前記第1連結部と連結する第2連結部を備え、
前記積降ろし手段は、前記卵容器収容体の中まで押し込まれた前記卵容器を前記開口部側から押える卵容器押え部を備える、請求項1に記載の卵容器移送システム。
【請求項6】
前記仮置き台移送部は、前記卵容器押え部を昇降する昇降部を備える、請求項5に記載の卵容器移送システム。
【請求項7】
前記仮置き台移送部は、少なくとも二つ以上の前記仮置き台を載置する仮置き台載置台を備え、
前記卵容器移送部は、前記仮置き台載置台に載置された前記仮置き台に前記卵容器を移送する、請求項5又は6に記載の卵容器移送システム。
【請求項8】
前記卵容器を前記卵容器移送部まで搬送する卵容器搬送部と、
前記卵容器収容体を搬送する収容体搬送部と、を備える、請求項1~7の何れか1項に記載の卵容器移送システム。
【請求項9】
高さ方向に制限があり、且つ、正面に開口部を備える卵容器収容体であって、
卵容器を収容する少なくとも一つ以上の卵容器載置台と、
前記卵容器収容体が歪むことを防止する歪み防止棒と、を備え、
前記歪み防止棒は、前記卵容器収容体の上部に配置され、
前記卵容器載置台は、収容された前記卵容器がずれることを防止する凸部を備え、
前記凸部は、内部に弾性部を備え、前記卵容器載置台の下側に引っ込むことが可能な構成である、卵容器収容体。
【請求項10】
前記卵容器収容体が請求項9に記載の卵容器収容体である、請求項1~8の何れか1項に記載の卵容器移送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、卵容器移送システム及び卵容器収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、卵容器移送システムとして、卵容器を吸着する吸着部を有する卵容器移送部を備える卵容器移送システムが知られている(例えば、特許文献1)。しかし、斯かる卵容器移送システムは、ラックなどの高さ方向に制限がある卵容器収容体に卵容器を運ぶには制約が大きいとの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-177325公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、高さ方向に制限がある卵容器収容体にも卵容器を運ぶことができる卵容器移送システム及び卵容器収容体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
卵容器移送システムは、卵容器を仮置きする仮置き台に前記卵容器を移送する卵容器移送部と、前記卵容器が仮置きされた前記仮置き台を、高さ方向に制限があり且つ正面に開口部を有する卵容器収容体の中まで移送する仮置き台移送部と、前記卵容器を前記仮置き台から前記卵容器収容体に積降ろす積降ろし手段と、を備える。
【0006】
斯かる構成によれば、卵容器移送部で卵容器を仮置き台に移送(仮置き)し、仮置き台移送部で卵容器を仮置きした仮置き台を卵容器収容体の中まで移送し、積降ろし手段で卵容器を仮置き台から卵容器収容体に積降ろすことにより、高さ方向に制限のある卵容器収容体に卵容器を移送することができる。
【0007】
また、卵容器移送システムにおいては、前記仮置き台移送部は、前記仮置き台を搬送する仮置き台搬送部と、前記卵容器が仮置きされた前記仮置き台を前記卵容器収容体の中まで押し込む仮置き台押込み部と、を備え、前記積降ろし手段は、前記卵容器収容体の中まで押し込まれた前記卵容器を前記開口部側から押える卵容器押え部と、前記卵容器収容体の中まで押し込まれた前記仮置き台を前記卵容器収容体から引き抜く仮置き台引抜部と、を備える、という構成であってもよい。
【0008】
斯かる構成によれば、仮置き台搬送部で搬送された仮置き台を、仮置き台押込み部で卵容器収容体の中まで押し込み、卵容器押え部で卵容器を押えた状態で、仮置き台引抜部で卵容器収容体から仮置き台を引き抜くことにより、卵容器を卵容器収容体に積降ろすことができる。これにより、高さ方向に制限のある卵容器収容体に卵容器を移送することができる。
【0009】
また、卵容器移送システムにおいては、前記仮置き台移送部は、少なくとも6自由度を有するロボットアームを備え、前記ロボットアームは、前記仮置き台と連結する第1連結部をアーム先端に備え、前記仮置き台は、前記第1連結部と連結する第2連結部を備え、前記積降ろし手段は、前記卵容器収容体の中まで移送された前記卵容器を前記開口部側から押える卵容器押え部を備える、という構成であってもよい。
【0010】
斯かる構成によれば、ロボットアームで卵容器が仮置きされた仮置き台を卵容器収容体の中まで押し込み、卵容器押え部で卵容器を押えた状態で、ロボットアームで卵容器収容体から仮置き台を引き抜くことにより、高さ方向に制限のある卵容器収容体に卵容器を移送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1に係る卵容器移送システムの上面図である。
図2図2は、同実施形態に係る卵容器移送システムの正面図である。
図3図3は、同実施形態に係る卵容器移送システムの左側面図である。
図4図4は、図3の卵容器載置台の凸部の拡大図である。
図5図5は、同実施形態に係る卵容器収容体の斜視図である。
図6図6は、同実施形態に係る仮置き台及び仮置き台保持部の正面図である。
図7図7は、同実施形態に係る仮置き台及び仮置き台保持部の左側面図である。
図8図8は、実施形態2に係る卵容器移送システムの上面図である。
図9図9は、同実施形態に係る卵容器移送システムの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、卵容器移送システムにおける一実施形態について、図1図7を参照しながら説明する。なお、各図(図8を含む)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る卵容器移送システム1の上面図であり、後述する積降ろし手段12及び第2仮置き台搬送部15を省略した図である。図2は、同実施形態に係る卵容器移送システム1の正面図であり、後述する卵容器収容体6及び収容体搬送部8を省略した図である。そして、図3は同実施形態に係る卵容器移送システムの左側面図である。
【0014】
図1図3に示すように、本実施形態に係る卵容器移送システム1は、卵容器2を供給搬送する卵容器搬送部3と、卵容器2を仮置きする仮置き台4に卵容器2を移送する卵容器移送部5と、卵容器2が仮置きされた仮置き台4を卵容器収容体6の中まで移送する仮置き台移送部7と、卵容器収容体6を搬送する収容体搬送部8と、備える。
【0015】
卵容器2は、卵が詰まった一般的な容器である。卵容器2は、蓋部分が平坦な形状でもあってもよく、卵の形状に沿った凹凸形状であってもよい。また、卵容器2は、卵が4、6、10、12個入りの何れであってもよい。さらに、卵容器2は、卵がSSサイズ~LLサイズの何れのサイズに対応する容器であってもよい。
【0016】
卵容器収容体6は、高さ方向(上方向)に制限があり、正面に開口部61を備える。そして、卵容器収容体6は、卵容器2を収容する卵容器載置台62を上下方向に複数備える。本実施形態に係る卵容器収容体6は、その下から順に所定間隔を設けて第1卵容器載置台62a、第2卵容器載置台62b、第3卵容器載置台62c、第4卵容器載置台62dが設けられるが、これに限定するものではない。
【0017】
また、卵容器収容体6は、底面フレーム63と、側面視でL字状に底面フレーム63と固定される背面フレーム64と、折り畳み可能なように、背面フレーム64とヒンジ(不図示)で連結される対向する一対の側面フレーム65,65(図5参照)と、を備える。底面フレーム63は、その4角にそれぞれ自由回転する車輪63aが設けられている。
【0018】
側面フレーム65には、その下から順に所定間隔を設けて第1側板65a、第2側板65b、第3側板65c、第4側板65dが前後方向に設けられる。第1側板65a、第2側板65b、第3側板65c、第4側板65dは、そのそれぞれの底辺から卵容器収容体6の内部に向かって直角(略直角)に延設される第1載置レール650a、第2載置レール650b、第3載置レール650c、第4載置レール650dが設けられる。
【0019】
対向する一対の載置レール650a~650dの背面側の端部に、各卵容器載置台62の一方端が軸支されて回転可能に連結されており、各卵容器載置台62はその中央部のヒンジ620(例えば、第4卵容器載置台62dの第4ヒンジ620d)で中折れ可能に構成されている。
【0020】
図3では、第1卵容器載置台62aが第1載置レール650aに開放され、卵容器2が所定数積まれる直前の状態である。また、第2卵容器載置台62b及び第3卵容器載置台62cは、第2載置レール650b及び第3載置レール650cに開放されており、第4卵容器載置台62dは、中折れ状態であり、折畳状態位置P1に置かれている。本実施形態に係る卵容器収容体6は、収容体搬送部8上において全ての卵容器載置台62が開放状態となっている。
【0021】
各卵容器載置台62は、移送された卵容器2が前後方向にずれることを防止する複数の凸部621を備える。しかし、斯かる構成に限定せず、例えば、卵容器載置台62は、凸部621を有さない平板であってもよい。
【0022】
凸部621は、左右方向に延びる凸形状であり、各卵容器載置台62の前部及び後部に配置される。図4は、図3の凸部621の拡大図である。図4に示すように、凸部621は、内部に複数の弾性部621a(例えば、ばね)を備える。そして、弾性部621aは、上下方向に伸縮できるように配置される。斯かる構成によれば、仮置き台4を卵容器収容体6の中(卵容器載置台62)に押し込む際、仮置き台4と接触した凸部621は、下方向に引っ込む。これにより、仮置き台4を卵容器収容体6の中(卵容器載置台62)まで移送することができ、且つ、凸部621で卵容器2がずれることを防止することができる。
【0023】
図5は、本実施形態に係る卵容器収容体6の斜視図であり、卵容器載置台62を省略した図である。図5に示すように、卵容器収容体6は、上部に卵容器収容体6が歪むことを防止する歪み防止棒66を備える。図5(a)は、歪み防止棒66で卵容器収容体6の側面フレーム65,65の上部を固定した状態を示す図であり、図5(b)は、歪み防止棒66による固定を解除した状態を示す図である。
【0024】
歪み防止棒66は、卵容器収容体6の一方の側面フレーム65の上部に回動可能に取り付けられ、他方の側面フレーム65の上部に脱着可能である。歪み防止棒66は、例えば、着脱側の先端がコの字状(フック状)で、側面フレーム65の上部(又は側面フレーム65に固定された掛止受け部)に引掛ける構成でもよい。斯かる構成によれば、卵容器収容体6の上部の強度を確保することができる。これにより、例えば、トラック等で卵容器2を収容した卵容器収容体6を運ぶ際、卵容器収容体6(例えば、側面フレーム65)の上側をラッシングベルトで固定したときに生じる卵容器収容体6(例えば、側面フレーム65)の歪みを防止することができる。その結果、例えば、卵容器収容体6(例えば、側面フレーム65)の歪みによる卵容器載置台62の折りたたみ、展開の操作性の悪化を防止することができる。また、例えば、卵容器収容体6(例えば、側面フレーム65)の歪みによる仮置き台4と側面フレーム65との衝突を防止することができる。
【0025】
図1及び図2に示すように、卵容器搬送部3は、ベルトコンベアであり、上流で卵サイズが分別された卵容器2(例えば、Lサイズ)を卵容器2の短手方向を搬送方向(左方向)として搬送する。そして、卵容器2は、卵容器搬送部3の下流に位置する吸引待機位置X1まで搬送する。なお、例えば、卵容器搬送部3により、異なる卵サイズ(例えば、LサイズとMサイズ)の卵容器2が搬送されてもよい。
【0026】
仮置き台4は、卵容器収容体6(複数の卵容器載置台62を有する場合は各卵容器載置台62)の開口部61の各寸法(高さ、幅)よりも小さい。これにより、仮置き台4を開口部61から卵容器収容体6の中に入れることができる。
【0027】
また、仮置き台4は、卵容器2が仮置きされる四角形状の仮置き面41と、仮置き面41の両端から上方向に突出する一対の突出面42,42と、を備える。本実施形態における突出面42,42は、仮置きされる卵容器2の短手方向(左右方向)側に配置される。これにより、仮置きにより積み上げられた卵容器2が崩れることを防止することができる。
【0028】
卵容器移送部5は、6自由度を有する第1ロボットアーム51と、第1ロボットアーム51の先端に配置され、複数の卵容器2を吸着する吸着部52と、を備える。吸着部52が吸引待機位置X1で待機している複数の卵容器2を同時に吸着し、第1ロボットアーム51が動作することにより、複数の卵容器2は、仮置き台移送部7上で且つ卵容器移送部5の可動範囲内(例えば、前方)に位置する卵容器仮置き位置X2で待機している仮置き台4(仮置き面41)に仮置きされる。
【0029】
本実施形態においては、仮置きにより、仮置き台4(仮置き面41)上に複数の卵容器2が複数段積み上げられる。しかし、これに限定せず、例えば、仮置きにより、複数の卵容器2が積み上げられずに平面に配列されてもよい。
【0030】
仮置き台移送部7は、仮置き台4を保持する仮置き台保持部9と、仮置き台4を左側に位置する押込み待機位置X3まで搬送する第1仮置き台搬送部10と、押込み待機位置X3で仮置き台4を卵容器収容体6の中まで押し込む仮置き台押込み部11と、卵容器2を仮置き台4から卵容器収容体6に積降ろす積降ろし手段12と、押込み待機位置X3を上下方向に移動する第1昇降部13と、第1昇降部13から第1仮置き台搬送部10まで仮置き台4を戻す返戻部14と、を備える。
【0031】
図6は、本実施形態に係る仮置き台4及び仮置き台保持部9の正面図である。そして、図7は、本実施形態に係る仮置き台4及び仮置き台保持部9の左側面図である。図6及び図7に示すように、仮置き台保持部9は、保持部本体91と、仮置き台4の前後方向の移動をガイドする押込みガイド部92と、前後方向で仮置き台4を弾性保持する弾性保持部93と、仮置き台保持部9(仮置き台4)の搬送を補助するキャスター部94と、仮置き台保持部9(仮置き台4)を固定するための固定ピン95と、仮置き台保持部9同士の衝突を緩和する緩衝部96と、を備える。
【0032】
保持部本体91は、底面に配置された四角形状の本体底面911と、本体底面911の両端から上方向に突出する一対の本体側面912,912と、を備える。緩衝部96は、弾性部材(例えば、ゴム)であり、左側に位置する本体側面912の左方と右側に位置する本体側面912の右方とに配置される。
【0033】
押込みガイド部92は、一対のガイドレールであり、本体側面912,912の内側と突出面42,42の外側とにそれぞれ固定される。これにより、仮置き台4を前後方向に滑らかに移動させることができる。
【0034】
弾性保持部93は、複数の引っ張りばね(例えば、ゴムチューブであってもよい)であり、本体側面912,912の後側内面と突出面42,42の前側外面とに引っ張りばねの両端がそれぞれ固定される。これにより、仮置き台4を前後方向で弾性保持することができる。本実施形態に係る弾性保持部93は、左右にそれぞれ2つずつ配置されるが、これに限定するものではない。
【0035】
キャスター部94は、車輪全周に凹状の溝部941を有する複数のキャスターであり、本体底面911に回動可能に固定される。本実施形態に係るキャスター部94は、本体底面911の前側及び後側にそれぞれ一列で4つずつ配置されるが、これに限定するものではない。固定ピン95は、本体底面911の中央下側に固定される。
【0036】
図1及び図2に示すように、第1仮置き台搬送部10は、仮置き台保持部9(仮置き台4)を搬送するためのレール部101と、仮置き台保持部9(仮置き台4)を搬送方向(左方向)に搬送させる搬送駆動部102と、卵容器仮置き位置X2で仮置き台4を停止させる第1停止部103と、押込み待機位置X3で仮置き台4を停止させる第2停止部104と、後述する仮置き台待機位置X6で仮置き台を停止させる第3停止部105と、を備える。しかし、斯かる構成に限らず、例えば、第1仮置き台搬送部10は、ベルトコンベアであってもよい。
【0037】
レール部101は、左右方向に延びる一対の凸形状のレールである。キャスター部94の溝部941(図7参照)にレール部101の上部を嵌めることにより、キャスター部94の回転方向を制限することができる。
【0038】
搬送駆動部102は、エアシリンダー(例えば、電動アクチュエータであってもよい)であり、後述する第2昇降部16の下側に配置される。エアシリンダーを伸ばして仮置き台保持部9(仮置き台4)を押すことにより、仮置き台保持部9(仮置き台4)を左方向に搬送することができる。しかし、斯かる構成に限らず、例えば、搬送駆動部102は、キャスター部94を直接駆動させるモータであってもよい。
【0039】
図6及び図7に示すように、第1停止部103、第2停止部104及び第3停止部105は、固定ピン95を把持する同一の把持機構100であり、レール部101の内側にそれぞれ配置される。把持機構100は、固定ピン95を挟む一対のピン把持部10a,10aと、ピン把持部10a,10aを前後方向に駆動する第1把持駆動部10bと、を備える。
【0040】
ピン把持部10a,10aは、それぞれ向かい合う側の端部中央に固定ピン95を嵌めるピン把持凹部(不図示)を備える。そして、固定ピン95を把持する場合、第1把持駆動部10bは、ピン把持部10a,10aをそれぞれ近づく方向に駆動する。そして、固定ピン95を解放する場合、第1把持駆動部10bは、ピン把持部10a,10aをそれぞれ離れる方向に駆動する。
【0041】
把持機構100で固定ピン95を把持することにより、仮置き台保持部9(仮置き台4)を後述する各位置X2~X6で停止させ、且つ、固定することができる。また、把持機構100が固定ピン95の把持を解除すると、ピン把持部10a,10a同士の間に隙間が生じる。仮置き台保持部9が把持機構100を通過する際、固定ピン95は、ピン把持部10a,10a同士の隙間を通過する。
【0042】
図1及び図3に示すように、仮置き台押込み部11は、エアシリンダー(例えば、電動アクチュエータであってもよい)であり、押込み待機位置X3に位置する仮置き台4の後方に配置される。そして、エアシリンダーが伸びることによって、仮置き台4を押込みガイド部92に沿って前方向に押すことができ、仮置き台4を卵容器収容体6の中に押し込むことができる。
【0043】
図2及び図3に示すように、積降ろし手段12は、卵容器収容体6の中まで押し込まれた卵容器2を押える卵容器押え部121と、卵容器収容体6の中まで押し込まれた仮置き台4を卵容器収容体6から引き抜く仮置き台引抜部122と、を備える。斯かる構成によれば、卵容器押え部121で卵容器2を押えた状態で、仮置き台4を仮置き台引抜部122で卵容器収容体6から仮置き台4を引き抜くことにより、卵容器2を卵容器収容体6に積降ろすことができる。これにより、高さ方向(上方向)に制限のある卵容器収容体6に卵容器2を移送することができる。
【0044】
卵容器押え部121は、卵容器2を押える卵容器押え板121aと、卵容器押え板121aを動作させる押え板動作部121bと、を備える。そして、卵容器押え部121は、仮置き台4が仮置き台押込み部11によって卵容器収容体6の中に押し込まれる際、開口部61の後方側で且つ仮置き台4及び卵容器2と衝突しない位置に配置される。
【0045】
卵容器押え板121aは、仮置き台4の幅(左右方向の寸法)よりも小さい幅の板であり、押え板動作部121bは、エアシリンダー(例えば、電動アクチュエータであってもよい)である。仮置き台4が卵容器収容体6の中に押し込まれた後、押え板動作部121bを動作させ、卵容器押え板121aを仮置き台4に仮置きされた卵容器2の後方で且つ仮置き面41の上方に移動させる。そして、仮置き台4を仮置き台引抜部122で引き抜く際、卵容器押え板121aが卵容器2の後面と当接し、卵容器2が仮置き台4と共に移動することを抑制する。これにより、卵容器2を卵容器収容体6に積降ろすことができる。
【0046】
なお、例えば、卵容器押え部121は、仮置き台引抜部122の引き抜き方向と反対方向(前方向)に卵容器押え板121aを駆動させる駆動部をさらに備える、という構成であってよい。斯かる構成によれば、駆動部で卵容器押え板121aを前方向に動作させ、卵容器2を押し出すことにより、卵容器2を卵容器収容体6に積降ろすことができる。
【0047】
本実施形態における仮置き台引抜部122は、弾性保持部93である。図2図3図6及び図7に示すように弾性保持部93は、複数の引っ張りばね(例えば、ゴムチューブであってもよい)であり、本体側面912,912の後側内面と突出面42,42の前側外面とに引っ張りばねの両端がそれぞれ固定される。斯かる構成によれば、仮置き台4が仮置き台押込み部11によって卵容器収容体6に押し込まれた際、弾性保持部93に復元力が生じる。そして、仮置き台押込み部11を後側に戻すと、弾性保持部93の復元力によって、仮置き台4が、仮置き台保持部9へ原点復帰する。これにより、仮置き台引抜部122は、卵容器収容体6から仮置き台4を引き抜くことができる。
【0048】
しかし、斯かる構成に限定せず、例えば、仮置き台引抜部122は、仮置き台押込み部11の仮置き台4と接触する部分に把持部を備える、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、仮置き台4を押し込んだ後、把持部で仮置き台4を把持した状態で、仮置き台押込み部11を縮めることにより、仮置き台4を引き抜くことができる。
【0049】
また、例えば、仮置き台引抜部122(仮置き台押込み部11)は、仮置き台4に固定されるラックと、仮置き台4と仮置き台保持部9との間に配置されるピニオンと、仮置き台保持部9に固定され、ピニオンを回転駆動させるモータと、を備える、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、ピニオンとラックとを歯合させた状態で、モータでピニオンを回転させることにより、ラックを前後方向に移動させることができる。これにより、仮置き台4を押込みガイド部92に沿って前後方向に移動(押込み、引抜き)させることができる。その結果、仮置き台引抜部122と仮置き台押込み部11とを共通化することができる。
【0050】
図1図3に示すように、第1昇降部13は、仮置き台保持部9(仮置き台4)を載置する第1昇降台131と、第1昇降台131を昇降させる第1昇降駆動部132と、第1昇降台131及び第1昇降駆動部132を支持する第1フレーム部133と、第1昇降台131の昇降をガイドする第1昇降ガイド部(不図示)と、を備える。第1フレーム部133は、押込み待機位置X3の左方から上方向に延びるフレームである。そして、第1昇降ガイド部は、第1昇降台131と第1フレーム部133とに固定される。
【0051】
第1昇降台131上には、レール部101の一部及び第2停止部104が配置される。これにより、第1昇降台131上で仮置き台保持部9(仮置き台4)を固定することができる。また、第1昇降台131には、仮置き台押込み部11及び卵容器押え部121が固定される。
【0052】
第1昇降駆動部132は、第1昇降台131を昇降させる第1昇降モータ132aと、複数の滑車132bと、複数の滑車132bに巻き掛けられた無端ベルト132cと、を備える。そして、第1昇降台131は、無端ベルト132cの一部に固定される。これにより、第1昇降モータ132aが回動することにより、滑車132bに巻き掛けられた無端ベルト132cが回転し、第1昇降台131が第1昇降ガイド部に沿って昇降する。
【0053】
斯かる構成によれば、第1昇降部13により、仮置き台4、仮置き台保持部9(弾性保持部93、即ち、仮置き台引抜部122)、仮置き台押込み部11及び卵容器押え部121を昇降させることができる。これにより、押込み待機位置X3を上下方向に移動させることができ、上下方向に複数の棚を有する卵容器収容体6の各棚にも卵容器2を移送することができる。
【0054】
しかし、斯かる構成に限定せず、例えば、第1昇降部13は、仮置き台4、仮置き台押込み部11及び卵容器押え部121をそれぞれ独立して昇降させる複数の第1昇降駆動部132を備える、という構成であってもよい。
【0055】
返戻部14は、仮置き台保持部9(仮置き台4)を右方向(第1仮置き台搬送部10の搬送方向と逆方向)に搬送する第2仮置き台搬送部15と、仮置き台保持部9(仮置き台4)を第1仮置き台搬送部10まで降ろす第2昇降部16と、を備える。斯かる構成によれば、卵容器収容体6に卵容器2を積降ろし後、返戻部14で仮置き台4を第1仮置き台搬送部10まで戻すことができる。これにより、仮置き台移送部7で仮置き台4を循環させることができる。また、仮置き台移送部7に複数の仮置き台4を配置し、卵容器2の移送(搬送、昇降)及び積降ろしを異なる仮置き台4で同時に処理することにより、卵容器収容体6に卵容器2を移送する処理速度を向上させることができる。
【0056】
しかし、斯かる構成に限定せず、例えば、返戻部14は、仮置き台保持部9(仮置き台4)を押込み待機位置X3から右方向に押し出す押出部を備える、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、第1昇降部13で仮置き台保持部9(仮置き台4)を第1仮置き台搬送部10まで降ろし、押出部で右方向に仮置き台保持部9(仮置き台4)を押し出すことにより、仮置き台保持部9(仮置き台4)を卵容器仮置き位置X2に戻すことができる。
【0057】
第2仮置き台搬送部15は、仮置き台保持部9を把持する仮置き台把持部151と、仮置き台把持部151を左右方向に移動する第2把持駆動部152と、仮置き台把持部151及び第2把持駆動部152を支持する第2フレーム部153と、仮置き台把持部151の移動をガイドする把持ガイド部(不図示)と、を備える。第2フレーム部153は、第1フレーム部133の上部から右方向に延びるフレームであり、把持ガイド部は、仮置き台把持部151と第2フレーム部153とに固定される。
【0058】
仮置き台把持部151は、仮置き台保持部9を左右両側から把持する一対の把持爪151a,151aと、把持爪151aを回動する把持爪駆動部151bと、を備える。把持爪駆動部151bを回動させ、把持爪151aを本体側面912が有する把持孔912a(図3参照)に引っ掛けることにより、第1昇降部13の上側に位置する仮置き台把持位置X4で仮置き台保持部9を把持することができる。
【0059】
第2把持駆動部152は、エアシリンダー(例えば、電動アクチュエータであってもよい)であり、エアシリンダーを伸縮させることにより、エアシリンダーの伸縮部に固定された仮置き台把持部151を左右方向に把持ガイド部に沿って移動させることができる。
【0060】
図1及び図2に示すように、第2昇降部16は、仮置き台保持部9(仮置き台4)を載置する第2昇降台161と、第2昇降台161を昇降させる第2昇降駆動部162と、第2昇降台161及び第2昇降駆動部162を支持する第3フレーム部163と、第2昇降台161の昇降をガイドする第2昇降ガイド部(不図示)と、を備える。第3フレーム部163は、第2フレーム部153の右側から下方に延びるフレームであり、第2昇降ガイド部は、第2昇降台161と第3フレーム部163とに固定される。
【0061】
第2昇降台161上には、レール部101の一部及び第3停止部105が配置される。これにより、第2昇降台161上で仮置き台保持部9(仮置き台4)を固定することができる。第2昇降駆動部162は、エアシリンダー(例えば、電動アクチュエータであってもよい)であり、エアシリンダーを伸縮することにより、エアシリンダーの伸縮部に固定された第2昇降台161を第2昇降ガイド部に沿って昇降させることができる。
【0062】
第2仮置き台搬送部15で仮置き台保持部9(仮置き台4)を右方向に搬送し、第2昇降部16の上部に位置する仮置き台把持解除位置X5で第2昇降台161上のレール部101に仮置き台保持部9(仮置き台4)を載置する。そして、第2昇降台161を下端(仮置き台待機位置X6)まで降ろすことにより、第2昇降台161上のレール部101が第1仮置き台搬送部のレール部101に接続される。これにより、返戻部14で仮置き台保持部9(仮置き台4)を第1仮置き台搬送部10に戻すことができる。
【0063】
そして、仮置き台待機位置X6で搬送駆動部102により仮置き台保持部9を左方向に駆動し、第1停止部103で仮置き台保持部9を把持することにより、仮置き台保持部9(仮置き台4)を卵容器仮置き位置X2に戻すことができる。
【0064】
仮置き台移送部7は、仮置き台4が1台以上配置される。本実施形態に係る仮置き台移送部7は、仮置き台4が3台配置される。ここで、仮置き台4をそれぞれ仮置き台4a、4b、4cとし、仮置き台4aが卵容器仮置き位置X2、仮置き台4bが仮置き台待機位置X6、仮置き台4cが他の位置X3~X5に位置している状況とする。
【0065】
卵容器移送部5で仮置き台4aに卵容器2が仮置きされた後、搬送駆動部102により仮置き台4b(仮置き台保持部9)が左方向に押し出される。仮置き台4bは、卵容器仮置き位置X2に移動し、仮置き台4aは、仮置き台4b(仮置き台保持部9)に押し出され、押込み待機位置X3まで移動する。そして、仮置き台4aに仮置きされた卵容器2が卵容器収容体6に積降ろされ、第1昇降部13及び第2仮置き台搬送部15により仮置き台4aが仮置き台把持解除位置X5まで搬送される。仮置き台4aが移送中に仮置き台4cは、仮置き台待機位置X6まで移送される。このようにして、仮置き台4は、仮置き台移送部7を循環する。
【0066】
収容体搬送部8は、空の卵容器収容体6を押込み待機位置X3の前方まで搬送し、卵容器収容体6に卵容器2が収容されるまで停止する。そして、卵容器2が収容された卵容器収容体6を押込み待機位置X3の前方から移動させる。収容体搬送部8は、例えば、ベルトコンベア、チェーンコンベア又はローラコンベアの何れであってもよい。また、収容体搬送部8は、例えば、エアシリンダーなどで卵容器収容体6を押し出して移動させてもよい。
【0067】
以上より、卵容器移送システム1は、卵容器2を仮置きする仮置き台4に卵容器2を移送する卵容器移送部5と、卵容器2が仮置きされた仮置き台4を、高さ方向(上方向)に制限があり且つ正面に開口部61を有する卵容器収容体6の中まで移送する仮置き台移送部7と、卵容器2を仮置き台4から卵容器収容体6に積降ろす積降ろし手段12と、を備える。
【0068】
斯かる構成によれば、卵容器移送部5で卵容器2を仮置き台4に仮置きし、仮置き台移送部7で卵容器2を仮置きした仮置き台4を卵容器収容体6の中まで移送し、積降ろし手段12で卵容器2を仮置き台4から卵容器収容体6に積降ろすことにより、高さ方向(上方向)に制限のある卵容器収容体6に卵容器2を移送することができる。
【0069】
また、卵容器移送システム1においては、仮置き台移送部7は、仮置き台4を搬送する仮置き台搬送部(第1仮置き台搬送部10)と、卵容器2が仮置きされた仮置き台4を卵容器収容体6の中まで押し込む仮置き台押込み部11と、を備え、積降ろし手段12は、卵容器収容体6の中まで押し込まれた卵容器2を開口部61側から押える卵容器押え部121と、卵容器収容体6の中まで押し込まれた仮置き台4を卵容器収容体6から引き抜く仮置き台引抜部122と、を備える、という構成である。
【0070】
斯かる構成によれば、仮置き台搬送部(第1仮置き台搬送部10)で搬送された仮置き台4を、仮置き台押込み部11で卵容器収容体6の中まで押し込み、卵容器押え部121で卵容器2を押えた状態で、仮置き台引抜部122で卵容器収容体6から仮置き台4を引き抜くことにより、卵容器2を卵容器収容体6に積降ろすことができる。これにより、高さ方向に制限のある卵容器収容体6に卵容器2を移送することができる。
【0071】
また、卵容器移送システム1においては、仮置き台移送部7は、仮置き台4、仮置き台押込み部11、卵容器押え部121及び仮置き台引抜部122を昇降する昇降部(第1昇降部13)を備える、という構成である。
【0072】
斯かる構成によれば、昇降部(第1昇降部13)により、仮置き台4、仮置き台押込み部11、卵容器押え部121及び仮置き台引抜部122を昇降させることができる。これにより、押込み待機位置X3を上下方向に移動させることができ、上下方向に複数の卵容器載置台62を有する卵容器収容体6の各卵容器載置台62にも卵容器2を移送することができる。
【0073】
また、卵容器移送システム1においては、仮置き台移送部7は、仮置き台4を仮置き台搬送部(第1仮置き台搬送部10)まで戻す返戻部14を備える、という構成である。
【0074】
斯かる構成によれば、卵容器2を卵容器収容体6に積降ろし後、返戻部14で仮置き台4を仮置き台搬送部(第1仮置き台搬送部10)まで戻すことができる。これにより、仮置き台4を仮置き台移送部7内で循環させることができる。
【0075】
また、卵容器移送システム1においては、卵容器2を卵容器移送部5まで搬送する卵容器搬送部3と、卵容器収容体6を搬送する収容体搬送部8と、を備える、という構成である。
【0076】
卵容器収容体6においては、高さ方向(上方向)に制限があり、且つ、正面(後側)に開口部61を備える卵容器収容体6であって、卵容器2を収容する少なくとも一つ以上の卵容器載置台62と、卵容器収容体6が歪むことを防止する歪み防止棒66と、を備え、歪み防止棒66は、卵容器収容体6の上部に配置される、という構成である。
【0077】
斯かる構成によれば、卵容器収容体6の上部の強度を確保することができる。これにより、例えば、トラック等で卵容器2を収容した卵容器収容体6を運ぶ際、卵容器収容体6(例えば、側面フレーム65)の上側をラッシングベルトで固定したときに生じる卵容器収容体6(例えば、側面フレーム65)の歪みを防止することができる。その結果、例えば、卵容器収容体6(例えば、側面フレーム65)の歪みによる仮置き台4と側面フレーム65との衝突を防止することができる。
【0078】
また、卵容器収容体6においては、卵容器載置台62は、収容された卵容器2がずれることを防止する凸部621を備え、凸部621は、内部に弾性部621aを備える、という構成である。
【0079】
斯かる構成によれば、仮置き台4を卵容器収容体6の中(卵容器載置台62)に押し込む際、仮置き台4と接触した凸部621は、下方向に引っ込む。これにより、仮置き台4を卵容器収容体6の中(卵容器載置台62)まで移送することができ、且つ、凸部621で卵容器2がずれることを防止することができる。
【0080】
なお、卵容器移送システム1は、上記した実施形態1の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、卵容器移送システム1は、本出願の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0081】
(実施形態2)
図8は、実施形態2に係る卵容器移送システム1を示す上面図である。そして、図9は、同実施形態に係る卵容器移送システム1を示す左側面図である。同実施形態に係る卵容器移送システム1については、実施形態1に係る卵容器移送システム1と異なる部分について説明する。
【0082】
図8及び図9に示すように、仮置き台移送部7は、卵容器移送部5の左方向に少なくとも6自由度を有する第2ロボットアーム71と、仮置き台4を載置する仮置き台載置台72と、卵容器2を仮置き台4から卵容器収容体6に積降ろす積降ろし手段12と、積降ろし手段12を上下方向に移動する第1昇降部13と、を備える。斯かる構成によれば、仮置き台4を循環させる搬送装置を必要としないので、卵容器移送システム1を小型化することができる。
【0083】
第2ロボットアーム71は、仮置き台4と左右方向で連結する第1連結部71aをアーム先端に備える。そして、仮置き台4は、第1連結部71aと左右方向で連結する第2連結部43と、第2連結部43を固定する固定面44と、をさらに備える。固定面44は、仮置き面41の端部から上方向に突出し、突出面42,42の左端と交わる面である。そして、固定面44は、例えば、突出面42よりも高さが低い。
【0084】
第1連結部71aは、例えば、パレットグリッパのマスタシリンダ(株式会社コスメック製:モデルWVA)である。第2連結部43は、例えば、パレットグリッパのツールアダプタ(株式会社コスメック製:モデルWVA)である。斯かる構成により、第1連結部71aと第2連結部43とを連結することができる。しかし、斯かる構成に限定せず、例えば、第1連結部71aは、第2連結部43を把持する把持部を備え、第2連結部43は、第1連結部71aに把持される取手部を備える、という構成であってもよい。
【0085】
仮置き台載置台72は、少なくとも1台以上の仮置き台4を載置することができる台である。本実施形態に係る仮置き台載置台72は、例えば、卵容器移送部5の前方及び後方(第1ロボットアーム51及び第2ロボットアーム71の可動範囲内)に配置される。斯かる構成によれば、仮置き台4を仮置き台載置台72に2台配置でき、卵容器仮置き位置X2が2箇所となる。これにより、卵容器2が仮置きされた仮置き台4を第2ロボットアーム71で移送中に、別の卵容器仮置き位置X2の仮置き台4に卵容器移送部5で卵容器2を仮置きすることができる。その結果、卵容器2を卵容器収容体6に移送する処理速度が向上する。
【0086】
積降ろし手段12は、卵容器収容体6の中まで押し込まれた卵容器2を押える卵容器押え部121を備える。斯かる構成によれば、第2ロボットアーム71で卵容器2が仮置きされた仮置き台4を卵容器収容体6の中まで移送し、卵容器押え部121で卵容器2を押えた状態で、第2ロボットアーム71で卵容器収容体6から仮置き台4を引き抜くことにより、卵容器2を卵容器収容体6に積降ろすことができる。これにより、高さ方向に制限のある卵容器収容体6に卵容器2を移送することができる。
【0087】
卵容器押え部121は、仮置き台4が第2ロボットアーム71によって卵容器収容体6の中に押し込まれる際、開口部61(図1及び図5参照)の後方側で且つ仮置き台4及び卵容器2と衝突しない位置に配置される。
【0088】
仮置き台4が第2ロボットアーム71によって卵容器収容体6の中に押し込まれた後、押え板動作部121bを動作させることにより、卵容器押え板121aを仮置き台4に仮置きされた卵容器2の後方で且つ仮置き面41の上方に移動させる。その際、卵容器押え板121aは、固定面44と衝突しないように移動される。そして、仮置き台4を第2ロボットアーム71で引き抜く際、卵容器押え板121aが卵容器2の後面と当接し、卵容器2が仮置き台4と共に移動することを抑制する。これにより、卵容器2を卵容器収容体6に積降ろすことができる。
【0089】
第1昇降台131には、卵容器押え部121が固定される。斯かる構成によれば、第1昇降部13で卵容器押え部121を昇降させることができ、上下方向に複数の卵容器載置台62を有する卵容器収容体6の各卵容器載置台62にも卵容器2を移送することができる。
【0090】
ここで、他の実施形態に係る仮置き台4をそれぞれ仮置き台4d、4eとする。卵容器移送部5で卵容器2を仮置き台4dに仮置きした後、第2ロボットアーム71で仮置き台4dを卵容器収容体6の中まで移送する。そして、卵容器押え部(不図示)で卵容器2を卵容器収容体6に積降ろし、第2ロボットアーム71で仮置き台4dを仮置き台載置台72に戻す。仮置き台4dを移送中に、卵容器移送部5で卵容器2を仮置き台4eに仮置する。このようにして、卵容器移送部5及び第2ロボットアーム71が停止している時間を少なくすることにより、卵容器2が卵容器収容体6に移送される処理速度が向上する。
【0091】
以上より、卵容器移送システム1においては、仮置き台移送部7は、少なくとも6自由度を有する第2ロボットアーム71を備え、第2ロボットアーム71は、仮置き台4と連結する第1連結部71aをアーム先端に備え、仮置き台4は、第1連結部71aと連結する第2連結部43を備え、積降ろし手段12は、卵容器収容体6の中まで移送された卵容器2を開口部61側から押える卵容器押え部121を備える、という構成であってもよい。
【0092】
斯かる構成によれば、第2ロボットアーム71で卵容器2が仮置きされた仮置き台4を卵容器収容体6の中まで移送し、卵容器押え部121で卵容器2を押えた状態で、第2ロボットアーム71で卵容器収容体6から仮置き台4を引き抜くことにより、卵容器2を卵容器収容体6に積降ろすことができる。これにより、高さ方向に制限のある卵容器収容体6に卵容器2を移送することができる。
【0093】
また、卵容器移送システム1においては、仮置き台移送部7は、卵容器押え部121を昇降する昇降部(第1昇降部13)を備える、という構成であってもよい。
【0094】
斯かる構成によれば、昇降部(第1昇降部13)で卵容器押え部121を昇降させることができ、上下方向に複数の卵容器載置台62を有する卵容器収容体6の各卵容器載置台62にも卵容器2を移送することができる。
【0095】
また、卵容器移送システム1においては、仮置き台移送部7は、少なくとも2台以上の仮置き台4を載置する仮置き台載置台72を備え、卵容器移送部5は、仮置き台載置台72に載置された仮置き台4に卵容器2を移送する、という構成であってもよい。
【0096】
斯かる構成によれば、卵容器2が仮置きされた仮置き台4を第2ロボットアーム71で移送中に、別の仮置き台4に卵容器移送部5で卵容器2を仮置きすることができる。これにより、卵容器2を卵容器収容体6に移送する処理速度が向上する。
【符号の説明】
【0097】
1:卵容器移送システム、2:卵容器、3:卵容器搬送部、4:仮置き台、41:仮置き面、42:突出面、43:第2連結部、44:固定面、5:卵容器移送部、51:第1ロボットアーム、52:吸着部、6:卵容器収容体、61:開口部、62:卵容器載置台、62a:第1卵容器載置台、62b:第2卵容器載置台、63c:第3卵容器載置台、62d:第4卵容器載置台、620:ヒンジ、620d:第4ヒンジ621:凸部、621a:弾性部、63:底面フレーム、63a:車輪、64:背面フレーム、65:側面フレーム、65a:第1側板、650a:第1載置レール、65b:第2側板、650b:第2載置レール、65c:第3側板、650c:第3載置レール、65d:第4側板、650d:第4載置レール、66:歪み防止棒、7:仮置き台移送部、71:第2ロボットアーム、71a:第1連結部、72:仮置き台載置台、8:収容体搬送部、9:仮置き台保持部、91:保持部本体、911:本体底面、912:本体側面、912a:把持孔、92:押込みガイド部、93:弾性保持部、94:キャスター部、941:溝部、95:固定ピン、96:緩衝部、10:第1仮置き台搬送部、100:把持機構、10a:ピン把持部、10b:第1把持駆動部、101:レール部、102:搬送駆動部、103:第1停止部、104:第2停止部、105:第3停止部、11:仮置き台押込み部、12:積降ろし手段、121:卵容器押え部、121a:卵容器押え板、121b:押え板動作部、122:仮置き台引抜部、13:第1昇降部、131:第1昇降台、132:第1昇降駆動部、132a:第1昇降モータ、132b:滑車、132c:無端ベルト、133:第1フレーム部、14:返戻部、15:第2仮置き台搬送部、151:仮置き台把持部、151a:把持爪、151b:把持爪駆動部、152:第2把持駆動部、153:第2フレーム部、16:第2昇降部、161:第2昇降台、162:第2昇降駆動部、163:第3フレーム部、X1:吸引待機位置、X2:卵容器仮置き位置、X3:押込み待機位置、X4:仮置き台把持位置、X5:仮置き台把持解除位置、X6:仮置き台待機位置、P1:折畳状態位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9