(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】複合式細胞イメージング・生化学検出チップ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20240605BHJP
G01N 27/48 20060101ALI20240605BHJP
G01N 27/416 20060101ALI20240605BHJP
C12M 1/12 20060101ALN20240605BHJP
C12Q 1/02 20060101ALN20240605BHJP
【FI】
C12M1/34 D
C12M1/34 B
G01N27/48 311
G01N27/416 386Z
C12M1/12
C12Q1/02
(21)【出願番号】P 2021200610
(22)【出願日】2021-12-10
【審査請求日】2021-12-10
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504007741
【氏名又は名称】國立中央大學
【住所又は居所原語表記】NO.300, Jhongda Road, Jhongli District, Taoyuan City, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黄 貞翰
(72)【発明者】
【氏名】戴 君珊
(72)【発明者】
【氏名】林 庭伊
【審査官】上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-042671(JP,A)
【文献】特表2004-530894(JP,A)
【文献】特表平09-509498(JP,A)
【文献】特表2005-532151(JP,A)
【文献】特開2009-150902(JP,A)
【文献】特表2005-506083(JP,A)
【文献】特開2009-287934(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101629945(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0181560(US,A1)
【文献】国際公開第2018/013726(WO,A1)
【文献】Lab on a Chip,2020年,Vol.20,pp.823-833,Published on 02 January 2020
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00-1/42
C12Q
G01N
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合式細胞イメージング・生化学検出チップであって、順に積層されて、かつ相互にシールされる積層板組を含み、
前記積層板組は、
上積層板組を貫通する
2つの貫通穴を有し、前記
2つの貫通穴はサンプルを注入し、及
び空気を排出し又はサンプルを排出することに用いられ、前記サンプルは細胞を含み、前記上積層板組が1枚又は複数枚の板からなる上積層板組と、
中間積層板組を貫通する
2つの貫通構造を有し、前記
2つの貫通構造はそれぞれ、イメージングチャンバー及び生化学検出領域を作り出すことに用いられ、
前記上積層板組の前記
2つの貫通穴は
それぞれ前記2つの貫通構造に上下に対応して位置し、かつ前記イメージングチャンバーと前記生化学検出領域とにそれぞれ連通し、前記中間積層板組が1枚又は複数枚の板からなる中間積層板組と、
板、及び少なくとも1組のろ過構造と電極検知構造を含み、前記ろ過構造と前記電極検知構造とは、下積層板組の前記板に置かれ、かつ前記生化学検出領域に
上下に対応して位置し、前記ろ過構造がろ過領域を含み、前記ろ過領域は、フェンス或はスクリーン形式
で前記サンプルにおける浮遊粒子をろ過するろ過アレイからなり、前記電極検知構造が電極領域と電極端を含み、前記電極端は電流を入力し及び電気化学とインピーダンス計測分析を行うための計器又は設備に接続される下積層板組と、を含むことを特徴とする複合式細胞イメージング・生化学検出チップ。
【請求項2】
前記上積層板組の前記板、前記中間積層板組の前記板、前記下積層板組の前記板を構成する材料は、光透過性ガラス、プラスチック、アクリルの組から1つが選択され、かつ前記上積層板組の前記板、前記中間積層板組の前記板、及び、前記下積層板組の前記板の厚さが50~300マイクロメートル(Micrometer)である、ことを特徴とする請求項1に記載の複合式細胞イメージング・生化学検出チップ。
【請求項3】
前記イメージングチャンバーと前記生化学検出領域との間には1つ又は複数の連結通路が設けられ、かつ前記連結通路において、ろ過構造が設置され、前記連結通路の前記ろ過構造はろ過領域を含み、前記連結通路の前記ろ過構造の前記ろ過領域は
、フェンス或はスクリーン形式
で前記サンプルにおける浮遊粒子をろ過するろ過アレイからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の複合式細胞イメージング・生化学検出チップ。
【請求項4】
前記イメージングチャンバーと前記生化学検出領域とはそれぞれ独立する、ことを特徴とする請求項1に記載の複合式細胞イメージング・生化学検出チップ。
【請求項5】
前記電極領域には標的分子と結合される捕捉用分子が修飾されている、ことを特徴とする請求項1に記載の複合式細胞イメージング・生化学検出チップ。
【請求項6】
前記捕捉用分子は、抗体、抗原、核酸、又はタンパク質である、ことを特徴とする請求項5に記載の複合式細胞イメージング・生化学検出チップ。
【請求項7】
前記イメージングチャンバーは、さらに、顕微画像受信機と画像分析設備を含む画像監視装置に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の複合式細胞イメージング・生化学検出チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞情報の視覚化画像と生化学検査の機能を整合した複合式バイオチップである。特に、本発明は細胞液体チャンバーと電気化学検知領域を含むマイクロ流路生物検出チップに関する。
【背景技術】
【0002】
特定細胞の生化学特性分析及びその細胞画像は、一般的に、生物医学に関する検出に応用され、かつ細胞と分子標的の定性及び定量研究、及び関連医療効果評価などの機能を提供できる。
【0003】
マイクロ流路チップは、細胞、遺伝物質、タンパク質などの粒子を検出することに用いられ、化学分析、生物医学、環境モニタリングなどの分野に応用された。検出時、マイクロ流路内のサンプル粒子は、中心位置に安定的に集束される必要があり、それにより検出の精度を向上する。集束方式は、主に流体力学的集束、音響集束などの方法を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の生物検出チップは、通常、画像分析と生化学検査の双方を同時に併せ持つ統合機能を有しない。
【0005】
本発明は、画像分析と生化学検出の機能を統合するように、画像分析と生化学検出との統合機能を有する複合式生物検出チップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、複合式細胞イメージング・生化学検出チップを提供し、主に、順に積層されて、かつ相互にシールされる積層板組を含む。積層板組は、積層板を貫通する1つ又は複数の貫通穴を有し、それぞれ、サンプルを注入し、及び空気を排出し又はサンプルを排出することに用いられ、1枚又は複数枚からなる上積層板組と、少なくとも2つの貫通構造を有し、それぞれ、イメージングチャンバー及び生化学検出領域を作り出すことに用いられ、積層板が1枚又は複数枚からなる中間積層板組と、生化学検出領域に対応して設けられる少なくとも1組のろ過構造及び電極検知構造を含み、ろ過構造が浮遊粒子を分離させ、電極検知構造が電極領域と電極端を含み、計器や設備に接続され、電気化学とインピーダンスの計測分析を行う下積層板組とを有する。
【0007】
本発明に係る複合式チップは、サンプルにおける細胞形態及びその含まれる特定遺伝物質、タンパク質などの粒子を同時に検出することができ、検出方式が主にインピーダンス検出、蛍光検出、光散乱、顕微イメージングなどの方法を含む。
【0008】
本発明の好ましい実施例では、前記層板組の板は、光透過性(透明であることが好ましい)ガラス、プラスチック、アクリルなどの材料から作成されてもよく、各層板組の板の厚さが50~300マイクロメートル(Micrometer)であることが好ましい。
【0009】
本発明の好ましい実施例では、前記イメージングチャンバーは、顕微画像受信機と画像分析設備を含む画像監視装置に接続できる。
【0010】
本発明の好ましい実施例では、前記電極検知構造は、少なくとも1対の微電極を含み、微電極に異なる振幅及び周波数の電気信号を印加することにより、電気化学測定、例えば、サイクリックボルタンメトリー(cyclic voltammetry、CV)及びクロノアンペロメトリー(Chronoamperometry)などを行う。
【0011】
本発明の好ましい実施例では、前記電極領域に捕捉用分子、例えば、抗体、抗原、核酸、タンパク質などの生化学分子が修飾され、それによりサンプルにおける標的分子が当該捕捉用分子と結合する。チップに捕捉される標的分子、標的分子の電気化学特性により電気化学計測を行うことができ、或いは、対応する検出分子、例えば、抗体、抗原、核酸、タンパク質などの生化学分子をさらに注入し、再び結合し、かつ電極により該検出分子を電気化学計測で分析する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る画像分析と生化学検出の統合機能を有する複合式生物検出チップは、画像分析と生化学検出の機能を統合する。特に、機能性マイクロ流路の設計を採用することにより、複合式細胞分子イメージング・生化学検出チップを提供し、排気できる細胞液体チャンバーと電気化学検知領域用電極を含み、該チャンバーは、サンプルされる液態検体を貯蔵し、かつ画像を撮影することに用いられ、当該電気化学検知領域に含まれる電極部分は、生化学・電気化学信号を検知することに用いられ、従って、チップの複合機能性マイクロ流路を利用して、画像と生化学に関する同期検出を行う。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1に係る複合式細胞イメージング・生化学検出チップの構成図である。
【
図2】複合式細胞イメージング・生化学検出チップ100の外観の平面視写真である。細胞又は顆粒の画像を撮像し、及び電気化学検出を行うための空溝を有し、それぞれイメージングチャンバー1051及び生化学検出領域1061である。
【
図3】本発明に係る複合式細胞イメージング・生化学検出チップにおけるろ過の構造図である。ろ過構造は、1つ又は複数のろ過領域を含み、例えば、柱状(a)や、フェンス(b)、スクリーン(c)形式のマイクロアレイから構成される。
【
図4】本発明に係る複合式細胞イメージング・生化学検出チップにおける電極検知構造において改質し修飾し、及び検知する構造図である。
図4(a)に示すように、まず、電極検知構造に捕捉用分子(例えば、抗体)が修飾される。
図4(b)に示すように、標的分子(例えば、抗原)が当該捕捉用分子と結合する。
図4(c)に示すように、可検出物を有する分子(例えば、二次抗体)が捕捉された標的分子と結合する。
図4(d)に示すように、当該検出分子の電気化学特性により、検知構造における電極領域において当該検出分子の電気化学計測分析を行う。
【
図5】血球細胞(A)と神経細胞(B)のイメージング結果である。サンプルを本発明のチップに注入し、細胞がチップのイメージングチャンバーに分散させ、さらに、このチップを顕微鏡システムにおいて現像する。
【
図6】本発明に係るチップが電気化学測定を行った結果である。ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(Potassium hexacyanoferrate(III))溶液をチップに注入し、電気化学検知機器を使用してチップの電極に接続し、電気化学におけるサイクリックボルタンメトリー(cyclic voltammetry、CV)による測定を行う。
【
図7】本発明に係るチップが電気化学測定を行った結果である。濃度が異なるプロテインキナーゼ(Akt1)をチップに導入し、電気化学検知機器を使用してチップの電極に接続され、電気化学におけるクロノアンペロメトリー(Chronoamperometry)による測定を行う。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施例を例示して本発明を説明し、本発明の範囲を限定しない。特に指摘しない限り、実施例に使用される技術的手段は、当業者が周知の常套手段であり、使用される原料は、市販される商品である。
【0015】
実施例1、複合式細胞イメージング・生化学検出チップ
図1に示すように、本実施例に係る複合式細胞イメージング・生化学検出チップ100は、複数枚の積層板からなる。上積層板組101は、積層板を貫通する少なくとも2つの貫通構造を有し、本実施例において、2つの直径が3~10ミリメートル(Millimetre)である貫通穴104であることが好ましく、それぞれ、サンプルを注入し、及び空気を排出し又はサンプルを排出することに用いられ、上積層板組は、1枚又は複数枚からなる。中間積層板組102は、2つの貫通構造105、106を有し、それぞれ、上積層板組101、下積層板組103と結び合わせる時に空溝状のイメージングチャンバー1051及び生化学検出領域1061を作り出すことに用いられ、イメージングチャンバー1051は、注入される液態検体又は栄養溶液を収容でき、細胞画像撮像及び分析することに用いられ、中間積層板組102は、一枚又は複数枚からなる。下積層板組103の生化学検出領域1061に対応する位置の表面には、1つ又は複数のろ過構造108及び電極検知構造107が設けられ、該ろ過構造108は、浮遊粒子を分離させることに用いられる。該電極検知構造107は、電極領域と電極端を含み、電極領域の構成が分岐状や、点状、パターンなどの電気化学構成であってもよく、かつ該電極端が計器や、設備に接続され、電気化学とインピーダンスの計測分析を行うことができる。
【0016】
図2は、複合式細胞イメージング・生化学検出チップ100の外観の平面視写真である。上積層板組101は、透明材料から構成し、チップ100が2つの貫通構造105、106から構成される空溝、それぞれ、イメージングチャンバー1051及び生化学検出領域1061を透視して見える。生化学検出領域1061において、下積層板組103に置かれる電極検知構造107が見えられる。電極検知構造107は、電極領域1071と電極端1072を有し、計器や設備に接続され、かつ電気化学とインピーダンスの計測分析を行うことができる。
【0017】
図3は、ろ過構造108の模式図であり、
図3に示すように、該ろ過構造108が1つ又は複数の溝状や、柱状(a)、フェンス(b)、スクリーン(c)形式のマイクロアレイ109から構成するろ過領域を含み、主に浮遊粒子(高分子顆粒、細胞などを含む)をろ過し、それによりサンプルにおける小分子が該ろ過構造を通過でき、電極検知構造107に進入して生化学計測を行う。
【0018】
本発明の複合式チップでは、それぞれ、貫通構造105、106から構成されるイメージングチャンバー1051及び生化学検出領域1061は、お互いに連通し、或いはお互いに独立することができる。お互いに連通するように設計されると、イメージングチャンバー1051と生化学検出領域1061との間に1つ又は複数の連結通路が設けられ、そのうち、ろ過構造108と同じ又は類似するろ過構造を設置する事ができ、当該ろ過構造は、以上のように、1つ又は複数の柱状や、溝状、フェンス形式のマイクロアレイからなるろ過領域を有する。イメージングチャンバーに進入した細胞又は粒子の画像は、各種の画像撮像設備又は顕微鏡画像システムにより画像を撮像されることができる。さらに、撮像される画像を、受信機を介して画像分析設備に伝送後に保存する上分析することができる。
【0019】
電極検知構造107は、各種の生化学電気操作又は分析を行い、誘電泳動制御、インピーダンス分析、電気化学計測などを含む。電極検知構造107も修飾して生化学専一性検知を支援し、例えば、電極検知構造107に捕捉用分子、例えば、抗体、抗原、核酸、タンパク質などの生化学分子が修飾され、検出対象物が経過した後に、標的分子が捕捉用分子と結合し、直接的に標的分子の電気化学特性により電気化学計測を行うことができる。或いは、別の対応する検出分子、例えば、可検出物を有する抗体、抗原、核酸、タンパク質などの生化学分子を注入し、電極検知構造107に捕捉された標的分子と結合し、かつ該検出分子の電気化学特性により、電極領域1071において検出分子の電気化学計測分析を行う。
【0020】
実施例2、複合式細胞イメージング・生化学検出チップの使用方法
患者からの液態検体又は細胞培養物などの検出対象サンプル、チップ100の上積層板組101に形成される貫通穴104を注入し、液体サンプルがマイクロ流路を介して、それぞれ、中間積層板組102の貫通構造105、106から構成されるイメージングチャンバー1051及び生化学検出領域1061に進入する。
【0021】
図4は、電極検知構造107において抗体修飾を行い、及び標的分子検知を行う実例を示す模式図であり、該実例は、検出対象サンプルにおける抗原を標的分子とする。
図4(a)に示すように、電極検知構造107に特定の抗原を捕捉するための捕捉用分子(例えば、当該標的抗原に対抗する抗体)が予めに修飾されている。検出対象であるサンプル液体がろ過した後、ろ過液に含まれる標的抗原分子が電極検知構造107における捕捉用分子と結合する(
図4(b))。その後に、対応する検出分子(例えば、可検出物を有する二次抗体)をさらに注入し、捕捉された標的分子と結合し(
図4(c))、かつ当該検出分子の電気化学特性により、電極検知構造107における電極領域1071において検出分子の電気化学計測分析を行う(
図4(d))。
【0022】
貫通構造105から構成するイメージングチャンバー1051に進入した液体サンプルは、そのうちの細胞画像が各種の画像撮像設備、又は顕微鏡画像システムにより画像を撮像でき、顕微画像分析・判定システムにより、特定細胞の形態及び病変状況を分析することもできる。
図5は、血球細胞(A)と神経細胞(B)の顕微撮影画像であり、それぞれ、血液と細胞栄養溶液をチップに注入し、細胞をチップのチャンバーに分散させ、さらに、このチップを顕微鏡システムに置いて画像撮像された結果である。
【0023】
生化学検出領域1061に進入した液体サンプルは、下積層板組103に置かれるろ過構造108のマイクロアレイ領域を通過する時、柱状や、溝状、フェンス、スクリーン形式のろ過アレイ109を介して、液体サンプルにおける浮遊粒子(高分子顆粒や、細胞、そのフラグメントなどを含む)がろ過アレイ109の外部に止められ、サンプルにおける小分子がろ過構造108を通過させ、当該電極検知構造107に進入して電気化学測定を行う。
【0024】
図6は、液態検体がろ過構造108のろ過液を通過し、生化学検出領域1061において電気化学計測を行った結果であり、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(Potassium hexacyanoferrate(III))溶液をチップに導入し、電気化学検知機器を使用してチップの電極端1072に接続し、電気化学におけるサイクリックボルタンメトリー(cyclic voltammetry、 CV)による測定を行う。
図7は、液態検体がろ過構造108のろ過液を通過し、生化学検出領域1061において電気化学の測定を行った結果であり、濃度が異なるプロテインキナーゼ(Akt1)をチップに導入し、電気化学検知機器を使用してチップの電極端1072に接続され、電気化学測定法におけるクロノアンペロメトリー(Chronoamperometry)による測定を行う。
【0025】
以上、好ましい実施例を例示したが、本発明は、発明の内容に記載された各種の実施例及び他の実施例に含まれる。上記の各実施例は、本発明を説明するためのもののみであり、本発明を限定しない。本発明に掲示された主旨を逸脱しない前提で行った同等変更又は修飾は、いずれも以下の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0026】
100 複合式細胞イメージング・生化学検出チップ
101 上積層板組
102 中間積層板組
103 下積層板組
104 貫通穴
105 イメージングチャンバーを作り出す貫通構造
1051 イメージングチャンバー
106 生化学検出領域を作り出す貫通構造
1061 生化学検出領域
107 電極検知構造
1071 電極領域
1072 電極端
108 ろ過構造
109 ろ過マイクロアレイ