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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】パネルユニット
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20240605BHJP
   E04C 2/26 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
E04B1/94 W
E04B1/94 V
E04C2/26 U
E04C2/26 W
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020077746
(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公開番号】P2021173060
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茶木 康友
(72)【発明者】
【氏名】藤原 誠司
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-022063(JP,A)
【文献】特開2018-087424(JP,A)
【文献】特開2018-080529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/94
E04C 2/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1耐火パネルと第2耐火パネルとを備えるパネルユニットであって、
前記第1耐火パネル及び前記第2耐火パネルは、各々、二枚の金属外皮の間に芯材を有し、
前記第1耐火パネルの端面は、前記第2耐火パネルの端面と対向して配置され、
前記第1耐火パネルは、前記第1耐火パネルの前記端面に前記第1耐火パネルの前記二枚の金属外皮を連結する連結部材と、前記第1耐火パネルの前記端面に凹んだ凹部と、を有し、
前記第2耐火パネルは、前記第2耐火パネルの前記端面に前記第2耐火パネルの前記二枚の金属外皮を連結する連結部材と、前記第2耐火パネルの前記端面に凹んだ凹部と、を有し、
前記第1耐火パネルの前記連結部材と前記第2耐火パネルの前記凹部とは対向する位置にあり、前記第2耐火パネルの前記連結部材と前記第1耐火パネルの前記凹部とは対向する位置にある、
パネルユニット。
【請求項2】
前記凹部は、前記芯材に形成されている、
請求項1に記載のパネルユニット。
【請求項3】
前記芯材は、前記第2耐火パネルの前記端面に沿って延びる耐火材を含み、
前記凹部は、前記耐火材に形成されている、
請求項2に記載のパネルユニット。
【請求項4】
前記第1耐火パネルと前記第2耐火パネルとは、接続部材により接続されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載のパネルユニット。
【請求項5】
前記第1耐火パネルの前記端面は、上端面であり、
前記第2耐火パネルの前記端面は、下端面である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のパネルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パネルユニットに関する。より詳細には、第1耐火パネルと第2耐火パネルとを備えるパネルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上下方向に隣接する耐火パネル同士を連結したパネルユニットが開示されている。各耐火パネルは、二枚の金属外皮の間に芯材を有するサンドイッチパネルで形成されている。また各耐火パネルは連結板を有している。連結板は二枚の金属外皮を連結するものであり、耐火パネルが火災等で高温に曝されて変形しても、二枚の金属外皮の連結が連結板によって維持しやすくなる。したがって、パネルユニットは、金属外皮の脱落が抑制される、という効果を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-87424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたパネルユニットでは、上側の耐火パネルと、下側の耐火パネルとが、あいじゃくり加工により接続されているため、上側の耐火パネルの下面及び下側の耐火パネルの上面には連結板が設けられていなかった。そこで、耐火性能の向上のために、連結板の個数を増やして、二枚の金属外皮の連結性能を高めることが望まれていた。
【0005】
本開示は、二枚の金属外皮を備えた耐火パネルを使用し、二枚の金属外皮の連結性能を高めることができるパネルユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るパネルユニットは、第1耐火パネルと第2耐火パネルとを備える。前記第1耐火パネル及び前記第2耐火パネルは、各々、二枚の金属外皮の間に芯材を有する。前記第1耐火パネルの端面は、前記第2耐火パネルの端面と対向して配置される。前記第1耐火パネルは、前記第1耐火パネルの前記端面に前記第1耐火パネルの前記二枚の金属外皮を連結する連結部材を有する。前記第2耐火パネルは、前記第2耐火パネルの前記端面に凹んだ凹部を有する。前記連結部材と前記凹部とは対向する位置にある。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、二枚の金属外皮を備えた耐火パネルを使用したパネルユニットにおいて、第1耐火パネルと第2耐火パネルとの対向する端面に、連結部材を設けることができ、二枚の金属外皮の連結性能を高めることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1Aは、本実施例に係るパネルユニットの一実施形態を示す分解斜視図である。図1Bは、同上の耐火材を示す斜視図である。
図2図2Aは、同上の一実施形態を示す断面図である。図2Bは、同上の一実施形態を示す側面図である。
図3図3は、同上の一実施形態を示す斜視図である。
図4図4Aは、同上の一実施形態を示す下面図である。図4Bは、同上の一実施形態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
(1)概要
図1に示すように、本実施形態に係るパネルユニット1は、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22とを備えている。第1耐火パネル21及び第2耐火パネル22は、各々、二枚の金属外皮3の間に芯材4を有している。第1耐火パネル21は端面211に二枚の金属外皮3を連結する連結部材5を有している。第2耐火パネル22は端面222に凹んだ凹部6を有している。第1耐火パネル21が有する連結部材5と、第2耐火パネル22が有する凹部6とは、対向する位置にある。
【0010】
本実施形態では、第1耐火パネル21の端面211と、第2耐火パネル22の端面222とを、突付けて配置した場合に、端面211に設けた連結部材5を端面222に凹んだ凹部6に収容させることができる。したがって、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22との間に、連結部材5に起因する隙間が生じにくくなる。よって、火炎、煙、熱気が第1耐火パネル21と第2耐火パネル22との間の隙間を通過しにくくなり、パネルユニット1の耐火性を向上させることができる。また本実施形態では、連結部材5が端面222と対向して配置される端面211に設けられており、この連結部材5により二枚の金属外皮3が連結されている。したがって、従来では、連結部材5が設けられていなかった端面211においても二枚の金属外皮3を連結部材5で連結することができ、二枚の金属外皮3の連結性能を高めることができる。
【0011】
なお、本実施形態に係るパネルユニット1は、ビル等の大型建物の外壁となるカーテンウォールに用いられることが好ましく、特にこのカーテンウォールが備えるスパンドレル部に用いられることが好ましい。
【0012】
(2)詳細
(第1耐火パネル21及び第2耐火パネル22)
図1Aに示すように、本実施形態に係るパネルユニット1は、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22とを備える。第1耐火パネル21と第2耐火パネル22とは同一形状の耐火パネル2を使用することができる。耐火パネル2は正面視で四角形に形成されている。ここで、正面視とは、厚み方向D3から耐火パネル2を見た場合を言う。なお、パネルユニット1が建物に設置された状態で、一方向D1は建物の上下方向として規定され、交差方向D2は建物の左右方向として規定される。この場合、上下方向D1は、左右方向D2と直交してもよい。また、耐火パネル2の厚み方向D3は、上下方向D1及び左右方向D2と直交していてもよい。なお、上下方向D1、左右方向D2、及び厚み方向D3を、それぞれ第1方向、第2方向、及び第3方向としてもよい。
【0013】
耐火パネル2はサンドイッチパネルであって、二枚の金属外皮3の間に芯材4を有する。すなわち、第1耐火パネル21及び第2耐火パネル22は、各々、二枚の金属外皮3の間に芯材4を有する。
【0014】
図2Bに示すように、二枚の金属外皮3は第1金属外皮31及び第2金属外皮32を有している。第1金属外皮31及び第2金属外皮32は、金属板をロール成形などで加工することによって形成される。金属板としては、亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板、塗装鋼板などが用いられる。第1金属外皮31及び第2金属外皮32の板厚は、例えば、0.3~1.5mmである。
【0015】
第1金属外皮31は、パネルユニット1が建物に設置された状態で、芯材4よりも屋外側にある。第2金属外皮32は、芯材4よりも屋内側にある。そして、第1金属外皮31と第2金属外皮32との間に芯材4がある。すなわち、芯材4は、耐火パネル2の端面(上端面、下端面及び側端面)を除いて第1金属外皮31と第2金属外皮32とに覆われている。
【0016】
図2Aに示すように、芯材4は、断熱材42と耐火材41の組み合わせで構成される。断熱材42は、ロックウール、グラスウールなどの繊維状無機材をバインダーなどで固めて形成したブロック体を、複数並べて、全体形状が板状となるように配置したものである。耐火材41は、断熱材42に比べて耐火性の高い部材であり、例えば、石膏ボード、珪酸カルシウムボードなどである。耐火材41と断熱材42とは材質が異なり、耐火材41は断熱材42よりも密度が高くて硬いが、耐火材41は断熱材42よりも燃えにくく、耐火性能が高い。
【0017】
耐火材41は、芯材4の屋内側の部分を構成する耐火材本体41aと、芯材4の上端部にある第1耐火材41bと、芯材4の下端部にある第2耐火材41cとを備える。断熱材42は、芯材4の屋外側の部分を構成する。厚み方向D3において、耐火材本体41aと断熱材42とが並んでいる。耐火材本体41aは芯材4の厚みのおよそ三分の一であり、断熱材42は芯材4の厚みのおよそ三分の二である。芯材4は、左右方向D2に亘って材質が一定である。すなわち、芯材4は、左右方向D2に亘って、断熱材42と、耐火材本体41aと、第1耐火材41bと、第2耐火材41cとを有する。つまり、芯材4は、第2耐火パネル22の端面222に沿って延びる耐火材41を含む。
【0018】
正面視で四角形の耐火パネル2は、上端面である端面222、下端面である端面211及び側端面23を有している。したがって、第2耐火パネル22の端面222は上端面である。第1耐火パネル21の端面211は、下端面である。端面222、端面211及び側端面23は、各々、略平坦面である。ここでいう「略平坦面」とは、平坦な面と、多少の凹凸を有している平坦な面とを含む。
【0019】
本実施形態では、耐火パネル2の端面(下端面)211は、図4Bに示すように、後述の第1下片部31b及び第2下片部32bの各々と、芯材4の第2耐火材41cとの間に、段差を有している。この段差は、第1下片部31b及び第2下片部32bの各々の厚み(D1方向の寸法)とほぼ同じである。また同様に、耐火パネル2の端面(上端面)222は、図4Aに示すように、後述の第1上片部31c及び第2上片部32cの各々と、芯材4の第1耐火材41bとの間に、段差を有している。この段差は、第1上片部31c及び第2上片部32cの各々の厚み(D1方向の寸法)とほぼ同じである。また同様に、耐火パネル2の側端面23は、後述の第1側片部31d及び第2側片部32dの各々と、芯材4の側端面との間に、段差を有している。この段差は、第1側片部31d及び第2側片部32dの各々の厚み(D2方向の寸法)とほぼ同じである。
【0020】
図1Aに示すように、耐火パネル2の第1金属外皮31は、芯材4の屋外側の面に取り付けられる第1本体部31aと、第1本体部31aの下端から屋内側に延びる第1下片部31bとを備える。耐火パネル2の第2金属外皮32は、芯材4の屋内側の面に取り付けられる第2本体部32aと、第2本体部32aの下端から屋外側に延びる第2下片部32bとを備える。そして、第1下片部31bと第2下片部32bとは連結部材5により連結される。第1金属外皮31と第2金属外皮32とを連結するにあたっては、第1下片部31b及び第2下片部32bの各々と連結部材5とが重なる位置で固定具52が上下方向D1で第2耐火材41cに向かって打ち込まれる。
【0021】
また第1金属外皮31は、第1本体部31aの上端から屋内側に延びる第1上片部31cを更に備える。第2金属外皮32は、第2本体部32aの上端から屋外側に延びる第2上片部32cを更に備える。そして、第1上片部31c及び第2上片部32cは連結部材5により連結される。第1金属外皮31と第2金属外皮32とを連結するにあたっては、第1上片部31c及び第2上片部32cの各々と連結部材5とが重なる位置で固定具52が上下方向D1で第1耐火材41bに向かって打ち込まれる。
【0022】
また第1金属外皮31は第1側片部31dを更に備え、第2金属外皮32は第2側片部32dを更に備える。第1側片部31dは、第1本体部31aの側端から屋内側に延びる部分である。第2側片部32dは、第2本体部32aの側端から屋外側に延びる部分である。そして、第1側片部31d及び第2側片部32dは連結部材5により連結される。第1金属外皮31と第2金属外皮32とを連結するにあたっては、第1側片部31d及び第2側片部32dの各々と連結部材5とが重なる位置で固定具51が左右方向D2で芯材4に向かって打ち込まれる。
【0023】
耐火パネル2は、連結部材5を備える。連結部材5は、耐火パネル2に複数設けられている。連結部材5は、図2Bに示すように、各耐火パネル2の側端面23において、第1金属外皮31と第2金属外皮32とを連結する板状の部材である。すなわち、第1耐火パネル21は、第1耐火パネル21の端面211に第1耐火パネル21の二枚の金属外皮3を連結する連結部材5を有する。このような連結部材5と第1金属外皮31及び第2金属外皮32の各々と重なる位置で固定具51が左右方向D2で芯材4に向かって打ち込まれている。また連結部材5は、各耐火パネル2の端面(上端面)222及び端面(下端面)211において、第1金属外皮31と第2金属外皮32とを連結する板状の部材である。このような連結部材5と第1金属外皮31及び第2金属外皮32の各々と重なる位置で固定具52が上下方向D1で芯材4に向かって打ち込まれている。
【0024】
図4A及び図4Bに示すように、耐火パネル2は、段差緩和部25を更に備える。段差緩和部25は、上下方向D1における耐火パネル2の両端に設けられている。具体的には、耐火パネル2の上端面(端面222)では、耐火パネル2の側端部から左右方向D2に沿って、段差緩和部25と連結部材5とがこの順で交互に並んで複数ずつ設けられ、耐火パネル2の下端面(端面211)では、耐火パネル2の側端部から左右方向D2に沿って、連結部材5と段差緩和部25とがこの順で交互に並んで複数ずつ設けられている。
【0025】
段差緩和部25は、第1金属外皮31の第1上片部31cを屋外側に切り欠くと共に、第2金属外皮32の第2上片部32cを屋内側に切り欠くようにして形成されている。耐火パネル2の上端面にある段差緩和部25は、上下方向D1において、耐火パネル2の下端面にある連結部材5と重なる位置に設けられている。また、耐火パネル2の下端面にある段差緩和部25は、上下方向D1において、耐火パネル2の上端面にある連結部材5と重なる位置に設けられている。また、上下方向D1で見た耐火パネル2の平面視において、段差緩和部25は、連結部材5よりも大きい。また、段差緩和部25は、上下方向D1に深さを有する。段差緩和部25の深さは、第1及び第2金属外皮21、22の厚みと同じである。なお、段差緩和部25の深さと、後述の凹部6の深さの合計は、連結部材5の厚さと、固定具51の頭部の厚さの合計よりも大きいことが好ましい。
【0026】
芯材4の上端部にある第1耐火材41bは、耐火パネル2の上端部に配置され、左右方向D2に沿って延びるように形成されている。図1Bに示すように、第1耐火材41bは凹部6を有している。すなわち、凹部6は、芯材4に形成されている。また凹部6は、耐火材41に形成されている。凹部6は第1耐火材41bの上面(上下方向D1に沿った上向きの面)に開口している。また凹部6は第1耐火材41bの厚み方向D3で並ぶ両面(屋外側を向く面と屋内側に向く面)に開口している。凹部6は第1耐火材41bに複数形成されている。複数の凹部6は、左右方向D2に沿って所定の間隔を介して形成されている。第1耐火材41bの凹部6は、耐火パネル2の上端面(端面222)に形成された段差緩和部25に対応する位置にある。すなわち、第1耐火材41bの凹部6と耐火パネル2の上端面の段差緩和部25とは対向している。また第1耐火材41bの凹部6と耐火パネル2の上端面の段差緩和部25とは繋がっている。すなわち、耐火パネル2の上方から上端面の段差緩和部25を通って第1耐火材41bの凹部6にまで到達できる。したがって、第2耐火パネル22は、第2耐火パネル22の端面222に凹んだ凹部6を有する。
【0027】
図1Aに示すように、芯材4の下端部にある第2耐火材41cは、耐火パネル2の下端部に配置され、左右方向D2に沿って延びるように形成されている。第2耐火材41cは凹部6を有している。すなわち、凹部6は、芯材4に形成されている。また凹部6は、耐火材41に形成されている。凹部6は第2耐火材41cの下面(上下方向D1に沿った下向きの面)に開口している。また凹部6は第2耐火材41cの厚み方向D3で並ぶ両面(屋外側を向く面と屋内側に向く面)に開口している。凹部6は第2耐火材41cに複数形成されている。複数の凹部6は、左右方向D2に沿って所定の間隔を介して形成されている。第2耐火材41cの凹部6は、耐火パネル2の下端面(端面211)に形成された段差緩和部25に対応する位置にある。すなわち、第2耐火材41cの凹部6と耐火パネル2の下端面の段差緩和部25とは対向している。また第2耐火材41cの凹部6と耐火パネル2の下端面の段差緩和部25とは繋がっている。すなわち、耐火パネル2の下方から下端面の段差緩和部25を通って第2耐火材41cの凹部6にまで到達できる。
【0028】
図4A及び図4Bに示すように、凹部6は、段差緩和部25に対応する位置に形成されているため、耐火パネル2の上端面(端面222)では、耐火パネル2の側端部から左右方向D2に沿って、凹部6と連結部材5とがこの順で交互に並んで複数ずつ設けられている。同様に、耐火パネル2の下端面(端面211)では、耐火パネル2の側端部から左右方向D2に沿って、連結部材5と凹部6とがこの順で交互に並んで複数ずつ設けられている。
【0029】
(パネルユニット)
本実施形態に係るパネルユニット1は、図1A及び図3に示すように、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22とを備えている。第1耐火パネル21及び第2耐火パネル22としては、上記耐火パネル2が使用される。すなわち、パネルユニット1は、複数の耐火パネル2を備えている。
【0030】
図1に示すように、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22とは、上下方向D1に沿って並べて配置されている。第1耐火パネル21は、第2耐火パネル22の上に配置されている。逆に言うと、第2耐火パネル22は、第1耐火パネル21の下に配置されている。この場合、第1耐火パネル21の端面211は、第2耐火パネル22の端面222と対向して配置される。すなわち、パネルユニット1において、第1耐火パネル21の下端面である端面211と、第2耐火パネル22の上端面である端面222とは対向している。
【0031】
本実施形態のパネルユニット1において、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22とは接続部材7により接続されている。この場合、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22との接続強度が接続部材7により向上する。接続部材7は、第1耐火パネル21の第2金属外皮32の表面と、第2耐火パネル22の第2金属外皮32の表面とにわたって配置され、ビス等の固定具により、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22との各々に固定される。
【0032】
図4A及び図4Bに示すように、本実施形態のパネルユニット1において、連結部材5と凹部6とは対向する位置にある。すなわち、第1耐火パネル21の下端面(端面211)に設けた連結部材5は、第2耐火パネル22の上端面(端面222)に凹むように設けた凹部6と対向するように配置される。連結部材5と凹部6とは、一対一で対応している。そして、第1耐火パネル21の下端面(端面211)に設けた連結部材5は、第2耐火パネル22の上端面(端面222)に設けた段差緩和部25に嵌まり込む。また第1耐火パネル21の下端面(端面211)に設けた連結部材5は、凹部6の上方又は凹部6内に位置するため、第2耐火パネル22の芯材4(第1耐火材41b)には接触しにくい。したがって、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22とを接続した際に、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22との間の隙間を小さくできる。このため、パネルユニット1の耐火性能を向上させることができる。本実施形態では、上下方向D1において隣り合う耐火パネル2(第1耐火パネル21と第2耐火パネル22)の上端面と下端面とが接していることが好ましい。
【0033】
このように第1耐火パネル21と第2耐火パネル22との間に、大きな隙間が生じにくくなって、耐火性が向上する。例えば、上側の耐火パネルの下面と、下側の耐火パネルの上面との間に、大きな隙間があると、火炎、煙、熱気が隙間を通過しやすくなり、パネルユニットの耐火性が低くなる場合がある。上側の耐火パネルの下面及び下側の耐火パネルの上面に連結部材を設けると、連結部材が上側の耐火パネルの下面及び下側の耐火パネルの上面の間に存在することになり、これにより、上記隙間が生じることになる。したがって、特許文献1に記載されたパネルユニットでは、上側の耐火パネルの下面と、下側の耐火パネルの上面との間に、大きな隙間が生じにくいが、一方で、二枚の金属外皮の連結強度も向上させたいという要望もあった。
【0034】
本実施形態では、連結部材5が凹部6に収容されやすくなり、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22との間に隙間が生じにくくなる。また連結部材5が芯材4に接触しにくくなり、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22との間に隙間が生じにくくなり、また芯材4が破損しにくくなる。また芯材4が耐火材41を含んでいても、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22との間に隙間が生じにくくなる。
【0035】
(3)変形例
実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0036】
実施形態では、パネルユニット1は2つの耐火パネル2を備えていたが、これに限られず、パネルユニット1は3つ以上の耐火パネル2を備えていてもよい。
【0037】
実施形態では、パネルユニット1は2つの耐火パネル2を上下方向に並べて接続していたが、これに限られず、パネルユニット1は2つ以上の耐火パネル2を左右方向に並べて接続してもよい。この場合、第1耐火パネル21の側端面と第2耐火パネル22の側端面とが突付けて配置される。
【0038】
実施形態では、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22とが、同じ形状の耐火パネル2で構成されているが、これに限られない。例えば、第1耐火パネル21と第2耐火パネル22とは、形状、大きさが異なっていてもよいし、柄や模様などの表面化粧が異なっていてもよい。例えば、正面視で、三角形のパネルと、台形のパネルと、四角形のパネルとを組み合わせて、パネルユニットを形成してもよい。
【0039】
連結部材5の平面形状としては、例えば、円形、楕円形、並びに四角形及び六角形等の多角形が挙げられる。また、実施形態では、耐火パネル2の上端面及び下端面に使用する連結部材5と、耐火パネル2の側端面に使用する連結部材5との平面形状を異ならせたが、同じであってもよい。
【0040】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係るパネルユニット(1)は、第1耐火パネル(21)と第2耐火パネル(22)とを備える。第1耐火パネル(21)及び第2耐火パネル(22)は、各々、二枚の金属外皮(3)の間に芯材(4)を有する。第1耐火パネル(21)の端面(211)は、第2耐火パネル(22)の端面(222)と対向して配置される。第1耐火パネル(21)は、第1耐火パネル(21)の端面(211)に第1耐火パネル(21)の二枚の金属外皮(3)を連結する連結部材(5)を有する。第2耐火パネル(22)は、第2耐火パネル(22)の端面(222)に凹んだ凹部(6)を有する。連結部材(5)と凹部(6)とは対向する位置にある。
【0041】
第1の態様によれば、連結部材(5)が、端面(222)と対向して配置される端面(211)に設けられており、この連結部材(5)により二枚の金属外皮(3)が連結されており、二枚の金属外皮(3)の連結性能を高めることができる、という利点がある。
【0042】
第2の態様は、第1の態様のパネルユニット(1)を含む。凹部(6)は、芯材(4)に形成されている。
【0043】
第2の態様によれば、連結部材(5)が芯材(4)に接触しにくくなり、第1耐火パネル(21)と第2耐火パネル(22)との間に隙間が生じにくくなり、また芯材(4)が破損しにくくなる、という利点がある。
【0044】
第3の態様は、第2の態様のパネルユニット(1)を含む。芯材(4)は、第2耐火パネル(22)の端面(222)に沿って延びる耐火材(41)を含む。凹部(6)は、耐火材(41)に形成されている。
【0045】
第3の態様によれば、芯材(4)が耐火材(41)を含んでいても、第1耐火パネル(21)と第2耐火パネル(22)との間に隙間が生じにくくなる、という利点がある。
【0046】
第4の態様は、第1~3のいずれか1つの態様のパネルユニット(1)を含む。第1耐火パネル(21)と第2耐火パネル(22)とは、接続部材(7)により接続されている。
【0047】
第4の態様によれば、第1耐火パネル(21)と第2耐火パネル(22)との接続強度が接続部材(7)により向上する、という利点がある。
【0048】
第5の態様は、第1~4のいずれか1つの態様のパネルユニット(1)を含む。第1耐火パネル(21)の端面(211)は、下端面である。第2耐火パネル(22)の端面(222)は、上端面である。
【0049】
第5の態様によれば、第1耐火パネル(21)と第2耐火パネル(22)とを上下方向に接続することができる、という利点がある。
【符号の説明】
【0050】
1 パネルユニット
21 第1耐火パネル
22 第2耐火パネル
211 端面
222 端面
3 金属外皮
4 芯材
41 耐火材
5 連結部材
6 凹部
7 接続部材
図1
図2
図3
図4