(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20240605BHJP
【FI】
D06F39/02 A
(21)【出願番号】P 2020104559
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-04-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】椎橋 貞人
(72)【発明者】
【氏名】西村 博司
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-159788(JP,A)
【文献】実開昭60-113795(JP,U)
【文献】特開2004-078048(JP,A)
【文献】実開昭63-162331(JP,U)
【文献】特開2019-107309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンクを備える衣類処理装置であって、
前記タンクは、
当該タンクの本体部分を構成するタンク本体部と、
前記タンク本体部を自立させる脚部と、
を備え、
前記脚部は、
平面状の脚部本体部を有し、前記タンク本体部の一側面に沿うように設けられた構成であって、前記タンク本体部に対し
前記一側面に沿って上下方向にスライド可能に設けられているとともに、前記タンク本体部側に収容された収容位置と、前記タンク本体部を自立させる自立位置との間でスライド可能に設けられており、
前記脚部が前記自立位置にスライドした状態において、前記脚部の下端面は、前記タンク本体部の下端面と同じ高さ位置となる衣類処理装置。
【請求項2】
前記脚部は、前記タンク本体部の側面と面一となるように設けられている請求項
1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記タンクは、前記タンク本体部の底面と前記脚部とによって自立可能である請求項
1または2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
衣類を収容する衣類処理槽をさらに備え、
前記脚部は、前記タンク本体部のうち前記衣類処理槽側に設けられている請求項
3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記脚部は、前記タンク本体部の長手方向の両端部に対応する角部を有し、
前記タンク本体部は、前記角部をスライド可能に支持するレール部を有する請求項1から
4の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記タンク本体部は、前記レール部を有する面に、前記脚部を前記収容位置および前記自立位置においてロックするロック部を有する請求項
5に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記タンク本体部は、その側面に、前記脚部を前記収容位置および前記自立位置においてロックするロック部を有する請求項
5に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記タンク本体部は、ユーザの手が掛けられる手掛け部を有し、
前記手掛け部は、当該手掛け部内に存在する液体を流出させる流出孔を有し、
前記流出孔は、前記手掛け部のうち前記レール部の上方部分を避けた位置に設けられている請求項
5から
7の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記自立位置にスライドした前記脚部は、外部から所定以上の荷重が加わることにより前記収容位置にスライド可能である請求項1から
8の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記タンクが収容されるタンク収容部をさらに備え、
前記タンク収容部は、前記自立位置にスライドした前記脚部を前記収容位置に押圧する押圧部を備える請求項
9に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衣類に所定の処理を施す衣類処理装置の一例である洗濯機においては、ユーザの利便性向上の要望に応えるため、例えば洗剤や柔軟剤などの衣類処理剤を自動投入用のタンク内に予め複数回分貯留しておき、運転中に必要量をタンクから自動的に水槽内へ投入する自動投入部を備えた構成が開発されている。また、この種の洗濯機においては、例えばタンク内への衣類処理剤の補給時において、洗濯機から取り外されたタンクを安定状態で自立させることが求められる。そのため、洗濯機から取り外されたタンクを安定状態で自立させるための構成が考えられている。例えば特許文献1には、タンクを安定状態で自立させる補助脚を備えた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来構成では、補助脚は、タンク下部の傾斜部の外側において回動可能に支持された構成となっている。そのため、補助脚をタンク側に収容した収容状態においても、補助脚および当該補助脚を支持する支持部がタンクの外側に位置した構成となっており、従って、これら補助脚や支持部を収めるためのスペースをタンク収容部側に設ける必要がある。よって、タンク収容部の大型化を招き、ひいては、洗濯機全体としての大型化を招いてしまう。
【0005】
そこで、本実施形態は、タンクを自立させるための脚部をタンク側にコンパクトに収容できるようにした衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る衣類処理装置は、衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンクを備える衣類処理装置であって、前記タンクは、当該タンクの本体部分を構成するタンク本体部と、前記タンク本体部を自立させる脚部と、を備え、前記脚部は、平面状の脚部本体部を有し、前記タンク本体部の一側面に沿うように設けられた構成であって、前記タンク本体部に対し前記一側面に沿って上下方向にスライド可能に設けられているとともに、前記タンク本体部側に収容された収容位置と、前記タンク本体部を自立させる自立位置との間でスライド可能に設けられており、前記脚部が前記自立位置にスライドした状態において、前記脚部の下端面は、前記タンク本体部の下端面と同じ高さ位置となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る洗濯機の構成例を概略的に示す縦断側面図
【
図2】第1実施形態に係る給水部の構成例を概略的に示す図
【
図3】第1実施形態に係るタンク収容部およびその周辺部分の構成例を概略的に例示するものであって、タンク収容部内に柔軟剤タンクが取り付けられた状態例を示す縦断正面図
【
図4】第1実施形態に係るタンク収容部およびその周辺部分の構成例を概略的に例示するものであって、タンク収容部内から柔軟剤タンクが取り外された状態例を示す縦断正面図
【
図5】第1実施形態に係る柔軟剤タンクの構成例を概略的に例示するものであって、脚部が収容位置にスライドした状態例を示す斜視図
【
図6】第1実施形態に係る柔軟剤タンクの構成例を概略的に例示するものであって、脚部が自立位置にスライドした状態例を示す斜視図
【
図7】第1実施形態に係る脚部の構成例を概略的に示す斜視図
【
図8】第1実施形態に係る柔軟剤タンクのタンク本体部の構成例を前側から概略的に示す斜視図
【
図9】第1実施形態に係る柔軟剤タンクのタンク本体部の構成例を後側から概略的に示す斜視図
【
図10】第1実施形態に係る柔軟剤タンクのロック部の構成例を概略的に例示するものであって、脚部が収容位置にスライドした状態例を示す縦断側面図
【
図11】第1実施形態に係る柔軟剤タンクのロック部の構成例を概略的に例示するものであって、脚部が自立位置にスライドした状態例を示す縦断側面図
【
図12】第1実施形態に係る柔軟剤タンクの構成例を概略的に例示するものであって、脚部が自立位置にスライドした状態例を示す正面図
【
図13】第2実施形態に係る柔軟剤タンクの構成例を概略的に例示するものであって、脚部が収容位置にスライドした状態例を示す側面図
【
図14】第2実施形態に係る柔軟剤タンクの構成例を概略的に例示するものであって、脚部が自立位置にスライドした状態例を示す側面図
【
図15】第2実施形態に係る柔軟剤タンクの構成例を概略的に例示する分解斜視図
【
図16】第3実施形態に係る柔軟剤タンクの構成例を概略的に例示するものであって、脚部が収容位置にスライドした状態例を示す側面図
【
図17】第3実施形態に係る柔軟剤タンクの構成例を概略的に例示するものであって、脚部が自立位置にスライドした状態例を示す側面図
【
図18】第3実施形態に係る柔軟剤タンクのロック部の構成例を概略的に例示するものであって、脚部が収容位置にスライドした状態例を示す縦断背面図
【
図19】第3実施形態に係る柔軟剤タンクのロック部の構成例を概略的に例示するものであって、脚部が自立位置にスライドした状態例を示す縦断背面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、衣類処理装置に係る複数の実施形態について図面を参照ながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1に例示する洗濯機1は、衣類に所定の処理、この場合、少なくとも、洗い処理、すすぎ処理、脱水処理を施すことが可能な衣類処理装置の一例である。また、洗濯機1は、回転槽の回転中心軸が水平方向あるいは水平方向に対して傾斜する方向に延びる、いわゆるドラム式の洗濯機である。
【0010】
洗濯機1は、その外郭を構成する矩形箱状の外箱2の内部に、衣類を洗浄するための洗浄槽3を備えている。洗浄槽3は、衣類処理槽の一例であり、有底円筒状の水槽の内部に、同じく有底円筒状のドラムを回転可能に備えた構成である。ドラムの周壁には多数の小孔が設けられており、また、ドラムの内周面には、衣類をかき上げるためのバッフルが設けられている。洗浄槽3の前面開口部は、外箱2の前面に設けられたドア5によって開閉可能となっている。ユーザは、ドア5を開くことにより、洗浄槽3の前面開口部を通して当該洗浄槽3内に衣類を出し入れすることができる。
【0011】
また、洗濯機1は、洗浄槽3内に水を供給するための給水部4、および、洗浄槽3内の水を機外に排水するための排水部6を備えている。給水部4は、例えば水道などの図示しない水源から洗浄槽3に延びる給水経路の途中に、後述する給水弁ユニット10などを備えた構成となっている。また、排水部6は、洗浄槽3の底部から機外に延びる排水経路の途中に排水弁7などを備えた構成となっている。排水弁7が閉じられた状態で給水部4により洗浄槽3内に水が供給されることにより、洗浄槽3内に所定量の水が溜められる。また、排水弁7が開かれることにより、洗浄槽3内の水が排水経路を介して機外に排出される。
【0012】
図2に例示するように、給水部4は、図示しない水源から洗浄槽3に延びる給水経路の途中に、給水弁ユニット10、自動投入部11、注水ケース12などを備えた構成となっている。給水弁ユニット10の入口は、例えば水道などの図示しない水源に接続されている。また、給水弁ユニット10は、少なくとも2つの給水弁10a,10bを有している。給水弁10aは、手動用給水弁の一例であり、手動用供給経路13aを介して注水ケース12に接続されている。給水弁10bは、自動用給水弁の一例であり、自動用供給経路13bを介して注水ケース12に接続されている。以下、給水弁10aを手動用給水弁10aと称し、給水弁10bを自動用給水弁10bと称する。注水ケース12の出口は、給水ホース14を介して洗浄槽3に接続されている。
【0013】
自動投入部11は、洗剤タンク15および柔軟剤タンク16を備えている。洗剤タンク15および柔軟剤タンク16は、給水部4に対し着脱可能に備えられている。具体的には、洗剤タンク15および柔軟剤タンク16は、給水部4を構成するタンク収容部20の内部に着脱可能に備えられている。
【0014】
洗剤タンク15内には、運転複数回分の衣類処理剤、この場合、洗浄槽3内に収容されている衣類を洗浄するための洗剤を貯留可能となっている。一方、柔軟剤タンク16内には、運転複数回分の衣類処理剤、この場合、洗浄槽3内に収容されている衣類に柔軟処理を施すための柔軟剤を貯留可能となっている。
【0015】
洗剤タンク15は、洗剤用計量ポンプ17を介して自動用供給経路13bに接続されている。洗剤用計量ポンプ17は、例えば、モータやソレノイドなどのアクチュエータによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成となっている。洗剤用計量ポンプ17は、洗剤タンク15内から所定量、この場合、1回の運転に使用する量の洗剤を吸引し、その吸引した洗剤を自動用供給経路13b内に送出する。そして、自動用供給経路13b内に送出された洗剤は、給水弁ユニット10の自動用給水弁10bから供給される水とともに注水ケース12内に導入される。そして、注水ケース12内に導入された洗剤は、同じく注水ケース12内に導入された水とともに給水ホース14を介して洗浄槽3内に供給される。これにより、洗剤タンク15内から洗浄槽3内に洗剤が自動的に投入される。なお、洗剤用計量ポンプ17は、液体を吸引するものに限られず、例えば、液体を押し出すものであってもよい。
【0016】
柔軟剤タンク16は、柔軟剤用計量ポンプ18を介して自動用供給経路13bに接続されている。柔軟剤用計量ポンプ18は、例えば、モータやソレノイドなどのアクチュエータによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成となっている。柔軟剤用計量ポンプ18は、柔軟剤タンク16内から所定量、この場合、1回の運転に使用する量の柔軟剤を吸引し、その吸引した柔軟剤を自動用供給経路13b内に送出する。そして、自動用供給経路13b内に送出された柔軟剤は、給水弁ユニット10の自動用給水弁10bから供給される水とともに注水ケース12内に導入される。そして、注水ケース12内に導入された柔軟剤は、同じく注水ケース12内に導入された水とともに給水ホース14を介して洗浄槽3内に供給される。これにより、柔軟剤タンク16内から洗浄槽3内に柔軟剤が自動的に投入される。なお、柔軟剤用計量ポンプ18は、液体を吸引するものに限られず、例えば、液体を押し出すものであってもよい。
【0017】
また、注水ケース12内には、手動投入用ケース12aが出し入れ可能に収容されている。手動投入用ケース12a内には、ユーザの手動によって洗剤が投入される図示しない手動洗剤投入部、および、ユーザの手動によって柔軟剤が投入される図示しない手動柔軟剤投入部が設けられている。手動洗剤投入部に投入されている洗剤、あるいは、手動柔軟剤投入部に投入されている柔軟剤は、給水弁ユニット10から手動用供給経路13aを介して注水ケース12内に注水される水とともに給水ホース14を介して洗浄槽3内に供給される。
【0018】
以上のように構成される給水部4において、手動用供給経路13aは、ユーザが手動で投入する洗剤や柔軟剤などの衣類処理剤を洗浄槽3内に供給するための供給経路を構成している。また、自動用供給経路13bは、自動投入部11が自動で投入する洗剤や柔軟剤などの衣類処理剤を洗浄槽3内に供給するための供給経路を構成している。
【0019】
図3および
図4に例示するように、タンク収容部20は、ほぼ矩形箱状に構成されており、この場合、給水部4を構成する注水ケース12の上部に設けられている。タンク収容部20の上部には、ほぼ矩形状に開口する開口部21が設けられている。また、タンク収容部20の底部は、注水ケース12の内部に連通されている。
【0020】
上述した洗剤タンク15および柔軟剤タンク16は、タンク収容部20内に開口部21を介して着脱可能に装着される。この場合、洗剤タンク15は、タンク収容部20内のうち洗浄槽3とは反対側に装着される。一方、柔軟剤タンク16は、タンク収容部20内のうち洗浄槽3側に装着される。ここで、タンク収容部20の底部のうち洗浄槽3側の部分には、上方に膨出する膨出部22が設けられている。このような膨出部22がタンク収容部20の底部に設けられていることによって、当該タンク収容部20を洗浄槽3側に極力近接させた状態で配置することができる。詳しくは後述するように、この膨出部22は、押圧部の一例として機能する。
【0021】
そして、柔軟剤タンク16の底部は、その一部が膨出部22の形状に沿うように窪んだ形状となっている。即ち、柔軟剤タンク16の底部には、上方に窪む凹部16aが設けられている。凹部16aは、柔軟剤タンク16の底部のうち洗浄槽3側に設けられている。また、タンク本体部101の底部のうち凹部16aとは反対側の部分、つまり、洗浄槽3とは反対側の部分は、その下面が平坦な平坦部16bとなっている。
【0022】
次に、上述した洗剤タンク15および柔軟剤タンク16のうち特に柔軟剤タンク16の構成例について、さらに詳細に説明する。
図5および
図6に例示するように、柔軟剤タンク16は、当該柔軟剤タンク16の本体部分を構成するタンク本体部101と、このタンク本体部101、ひいては、柔軟剤タンク16全体を例えば床面などの平面上に自立させるための脚部102と、を備えている。詳しくは後述するように、脚部102は、タンク本体部101に対し所定方向、この場合、上下方向に沿ってスライド可能に設けられている。
【0023】
タンク本体部101は、全体として長尺な矩形容器状をなしている。タンク本体部101の上部には、ほぼ矩形状に開口する開口部が設けられており、この開口部には蓋部材103が着脱可能に取り付けられている。蓋部材103の前部には、衣類処理剤、この場合、柔軟剤をタンク本体部101内に補給するための補給口が設けられており、この補給口は、補給口蓋104によって開閉可能となっている。
【0024】
脚部102は、タンク本体部101の側面、この場合、タンク本体部101を構成する複数の側面のうち長手方向に延びる一側面、換言すれば、タンク本体部101の短手方向の一端面を構成する面に設けられている。この場合、脚部102は、タンク本体部101の短手方向の両面のうち、柔軟剤タンク16がタンク収容部20内に取り付けられた状態において洗浄槽3側となる面に設けられている。また、脚部102は、タンク本体部101の側面、この場合、タンク本体部101を構成する複数の側面のうち長手方向に延びる一側面、換言すれば、タンク本体部101の短手方向の一端面を構成する面と面一となるように設けられている。
【0025】
図7に例示するように、脚部102は、当該脚部102の本体部を構成する脚部本体部102Aを有している。脚部本体部102Aは、タンク本体部101の長手方向に沿う平面状に構成されている。脚部本体部102Aの下端部は、タンク本体部101側に向かって水平に折り曲げられている。
【0026】
また、脚部102は、脚部本体部102Aの長手方向の両端部、換言すれば、タンク本体部101の長手方向の両端部に位置させて2つの角部102Bを有している。この場合、2つの角部102Bは、脚部本体部102Aに一体的に設けられている。2つの角部102Bは、タンク本体部101の長手方向の両端部に対応するようにして設けられている。
【0027】
一方、
図8および
図9に例示するように、タンク本体部101の長手方向の両端面には、角部102Bに対応するようにして2つのレール部101Bが設けられている。レール部101Bは、タンク本体部101の長手方向の両端面において上下方向に直線状に延びており、脚部102の角部102Bを上下方向にスライド可能に支持する。これにより、脚部102は、その全体がタンク本体部101に対し上下方向にスライド可能に設けられている。また、脚部102は、タンク本体部101側、この場合、上側に収容された収容位置と、タンク本体部101を自立させる自立位置との間でスライド可能に設けられている。
図5には、脚部102が収容位置にスライドした状態を例示している。また、
図6には、脚部102が自立位置にスライドした状態を例示している。
【0028】
図10および
図11に例示するように、脚部102の角部102Bには、弾性変形部102Cが設けられている。弾性変形部102Cは、角部102Bと一体的に、且つ、弾性変形可能な板ばね状に形成されている。一方、タンク本体部101は、その長手方向の両側面、換言すれば、レール部101Bを有する面にロック部101Cを有している。この場合、ロック部101Cは、レール部101Bの途中部分に設けられている。ロック部101Cは、複数、この場合、2つのロック用突起101D,101Eを有している。これらロック用突起101D,101Eは、レール部101Bの途中部分において上部側と下部側に分かれて設けられている。
【0029】
図11に例示するように脚部102が自立位置にスライドした状態では、弾性変形部102Cは、ロック用突起101Eの下側に係止する。これにより、脚部102は、自立位置においてロックされる。そして、脚部102が自立位置から収容位置にスライドする場合には、次のように動作する。
【0030】
即ち、脚部102が自立位置から収容位置にスライドする過程において、当該脚部102の弾性変形部102Cは、ロック用突起101Eを下側から上側に乗り越えるようにして弾性変形する。そして、さらに脚部102が収容位置側にスライドすると、弾性変形部102Cは、ロック用突起101Eを上側に乗り越えて元の形状に復帰する。これにより、脚部102は、自立位置にてロックされたロック状態が解除され、収容位置側にスライド可能な状態となる。そして、さらに脚部102が収容位置側にスライドすると、弾性変形部102Cは、ロック用突起101Dを下側から上側に乗り越えるようにして弾性変形する。そして、さらに脚部102が収容位置側にスライドすると、弾性変形部102Cは、ロック用突起101Dを上側に乗り越えて元の形状に復帰する。これにより、
図10に例示するように弾性変形部102Cがロック用突起101Dの上側に係止した状態が形成され、脚部102は、収容位置においてロックされる。
【0031】
このように、脚部102が収容位置にスライドした状態では、弾性変形部102Cは、ロック用突起101Dの上側に係止する。これにより、脚部102は、収容位置においてロックされる。そして、脚部102が収容位置から自立位置にスライドする場合には、次のように動作する。
【0032】
即ち、脚部102が収容位置から自立位置にスライドする過程において、当該脚部102の弾性変形部102Cは、ロック用突起101Dを上側から下側に乗り越えるようにして弾性変形する。そして、さらに脚部102が自立位置側にスライドすると、弾性変形部102Cは、ロック用突起101Dを下側に乗り越えて元の形状に復帰する。これにより、脚部102は、収容位置にてロックされたロック状態が解除され、自立位置側にスライド可能な状態となる。そして、さらに脚部102が自立位置側にスライドすると、弾性変形部102Cは、ロック用突起101Eを上側から下側に乗り越えるようにして弾性変形する。そして、さらに脚部102が自立位置側にスライドすると、弾性変形部102Cは、ロック用突起101Eを下側に乗り越えて元の形状に復帰する。これにより、
図11に例示するように弾性変形部102Cがロック用突起101Eの下側に係止した状態が形成され、脚部102は、自立位置においてロックされる。
【0033】
また、脚部102が自立位置にスライドした状態において、当該脚部102の下端面は、柔軟剤タンク16の底部の一部を構成する平坦部16bの下端面とほぼ同じ高さ位置、あるいは、完全に同じ高さ位置となる。これにより、タンク本体部101、ひいては、柔軟剤タンク16は、タンク本体部101の底面のうち平坦部16bの下端面と、自立位置にスライドした脚部102の下端面とによって自立可能となっている。
【0034】
また、自立位置にスライドした脚部102は、外部から所定以上の荷重が加わることにより収容位置にスライド可能となっている。即ち、自立位置にスライドした脚部102の下端面に対し下方から上方に向かって所定以上の荷重が加えられると、その荷重に応じて脚部102が収容位置側にスライドしようとする。そして、このように脚部102が収容位置側にスライドしようとすることに伴い、弾性変形部102Cがロック用突起101Eによって押圧されて弾性変形して、自立位置におけるロック状態が解除されるようになっている。つまり、弾性変形部102Cの弾性力は、脚部102の下端面に対し下方から上方に向かって所定以上の荷重が加えられることに応じて弾性変形する程度の大きさに設定されている。
【0035】
ここで、上述した通り、タンク収容部20内には膨出部22が設けられている。そして、ユーザが、このタンク収容部20内に対し、脚部102が自立位置にてロックされた状態の柔軟剤タンク16を上方から下方に向かって押し込めると、脚部102の下端部が膨出部22に当接して当該膨出部22によって上側に押し上げられる。つまり、膨出部22は、自立位置にスライドした脚部102を自立位置から収容位置に向かって押圧する。このとき、柔軟剤タンク16を押し込めようとユーザが加える力が上述の所定以上の荷重を超える大きさであれば、自立位置にスライドした脚部102を収容位置にスライドさせることができる。即ち、ユーザは、タンク収容部20内に柔軟剤タンク16を押し込めることで、膨出部22による押圧作用を利用して、自立位置にスライドした脚部102を収容位置に自動的にスライドさせることができる。
【0036】
なお、自立位置にスライドした脚部102を収容位置にスライド可能にするための荷重の大きさは、例えば、弾性変形部102Cの弾性力や、ロック用突起101Eの突出量や形状などを適宜変更することにより調整することができる。また、弾性変形部102Cの弾性力は、例えば、当該弾性変形部102Cの大きさ、厚さ、形状などを適宜変更することにより調整することができる。
【0037】
また、
図12にも例示するように、柔軟剤タンク16は、例えば当該柔軟剤タンク16の着脱の際にユーザの手が掛けられる手掛け部110を備えている。この場合、手掛け部110は、タンク本体部101の前面の上部に位置して設けられている。また、手掛け部110は、タンク本体部101の前面の上部から前方に向かって突出している。また、手掛け部110は、その上面が開放した矩形枠状をなしている。また、手掛け部110の底面は閉塞されており、その底面の一部に流出孔111を有している。流出孔111は、手掛け部110内に存在する衣類処理剤を当該手掛け部110の外部に流出させるための孔である。例えば、補給口を介して柔軟剤タンク16内に柔軟剤が補給される場合においては、ユーザの手ぶれなどによって柔軟剤の一部が手掛け部110内に入ってしまう事態が発生し得る。このように、仮に手掛け部110内に柔軟剤が入ってしまったとしても、その柔軟剤は、流出孔111から手掛け部110の外部に流出させることができる。
【0038】
この場合、流出孔111は、手掛け部110の底面のうちレール部101Bの上方部分、この場合、直上部分を避けた位置に設けられている。また、流出孔111は、手掛け部110の底面のうちレール部101Bとは反対側、つまり、洗浄槽3とは反対側に位置して設けられている。そのため、流出孔111から流出した液体は、レール部101B部分には流れにくくなっている。
【0039】
以上に例示した洗濯機1によれば、柔軟剤タンク16において、脚部102は、タンク本体部101に対しスライド可能に設けられている。この構成によれば、補助脚を回動可能に備える従来構成のタンクとは異なり、柔軟剤タンク16を自立させるための脚部102をタンク本体部101側にコンパクトに収容できる。
【0040】
また、洗濯機1によれば、脚部102は、タンク本体部101の側面に設けられている。この構成によれば、タンク本体部101の内容積に極力影響を与えることなく脚部102を備えることができる。よって、脚部102をタンク本体部101側にコンパクトに収容できる構成を、柔軟剤タンク16の内容量を殆ど、あるいは、全く減少させることなく実現することができる。
【0041】
また、洗濯機1によれば、脚部102は、タンク本体部101を構成する複数の側面のうち長手方向に延びる面に設けられている。この構成によれば、タンク本体部101の長手方向の寸法に応じた長い脚部102を設けることができ、脚部102による柔軟剤タンク16の自立を安定化させることができる。
【0042】
また、洗濯機1によれば、脚部102は、タンク本体部101の側面と面一となるように設けられている。この構成によれば、脚部102がタンク本体部101の側面から段状に突出することを回避することができ、また、脚部102を設けながらも面一な側面を形成できるから、柔軟剤タンク16の外観が損なわれることを回避できる。また、タンク本体部101の外側に脚部102を設けながらも、柔軟剤タンク16全体としての大型化を抑制することができる。なお、タンク本体部101については、例えば、強度を確保したり、反りを抑制したりするために、段差形状を設ける場合がある。そのため、このような段差形状を利用して脚部102を設けることによって、脚部102がタンク本体部101の側面と面一となった構成を一層実現しやすくできる。
【0043】
また、洗濯機1によれば、柔軟剤タンク16は、タンク本体部101の底面の一部を構成する平坦部16bの下端面と自立位置にスライドした脚部102の下端面とによって自立可能に構成されている。この構成によれば、タンク本体部101のうち平坦部16b以外の部分を窪ませたとしても、柔軟剤タンク16を自立させることができる。そのため、柔軟剤タンク16の底部に凹部16aを無理なく設けることができ、柔軟剤タンク16、ひいては、タンク収容部20を、凹部16aを設けた分、洗浄槽3側に近接させることができ、コンパクト化を図ることができる。
【0044】
また、洗濯機1によれば、脚部102は、タンク本体部101のうち洗浄槽3側に設けられている。この構成によれば、柔軟剤タンク16の底部のうち洗浄槽3側に設けられた凹部16a部分を脚部102によって支持することができ、凹部16aを設けながらも、柔軟剤タンク16を安定して自立させることができる。
【0045】
また、洗濯機1によれば、脚部102は、タンク本体部101の長手方向の両端部に対応する角部102Bを有し、一方、タンク本体部101は、角部102Bをスライド可能に支持するレール部101Bを有している。即ち、脚部102は、その長手方向の両端部がタンク本体部101に対しスライド可能に支持されている。この構成によれば、脚部102の長手方向の寸法を大きくしたとしても、その長手方向の両端部において当該脚部102をスライド可能に安定的に支持することができる。また、脚部102の長手方向の寸法を大きくすることができるから、脚部102による柔軟剤タンク16の自立を一層安定化させることができる。
【0046】
また、洗濯機1によれば、タンク本体部101は、レール部101Bを有する面に、脚部102を収容位置および自立位置においてロックするロック部101Cを有する。この構成によれば、脚部102を支持するレール部101Bの近傍において当該脚部102をロックすることができ、より安定したロック状態を形成することができる。特に本実施形態では、ロック部101Cは、レール部101B内に設けられているから、一層安定したロック状態を形成することができる。
【0047】
また、洗濯機1によれば、手掛け部110内に存在する衣類処理剤を流出させる流出孔111は、手掛け部110のうちレール部101Bの上方部分を避けた位置に設けられている。この構成によれば、仮に流出孔111から衣類処理剤が流出したとしても、その衣類処理剤がレール部101B部分には流れにくく、従って、レール部101B部分が衣類処理剤によって汚れてしまったり、レール部101B部分に衣類処理剤が固着したりすることを回避することができる。よって、手掛け部110内に衣類処理剤が残留してしまうことを回避しながらも、脚部102をスライド可能な状態を良好に維持することができる。
【0048】
また、洗濯機1によれば、自立位置にスライドした脚部102は、外部から所定以上の荷重が加わることにより収容位置にスライド可能に構成されている。この構成によれば、自立位置にスライドした脚部102を、所定以上の荷重を外部から加えることで容易に収容位置にスライドさせることができ、使い勝手の良い構成を実現することができる。
【0049】
また、洗濯機1によれば、タンク収容部20は、自立位置にスライドした脚部102を収容位置に押圧する膨出部22を備えている。この構成によれば、タンク収容部20内に柔軟剤タンク16を押し込むことに伴い、自立位置にスライドした脚部102を膨出部22によって押圧して収容位置にスライドさせることができる。よって、ユーザは、脚部102を自立位置にスライドさせた状態のままで柔軟剤タンク16をタンク収容部20内に押し込むことで、自動的に脚部102を収容位置に収容させて柔軟剤タンク16をタンク収容部20内に取り付けることができる。
【0050】
(第2実施形態)
図13および
図14に例示するように、タンク本体部101は、その側面、この場合、タンク本体部101の長手方向に延びる一側面であって、且つ、タンク本体部101の短手方向の一端面にロック部200を備えている。
図15に例示するように、ロック部200は、タンク本体部101側に設けられているロック用凹部201と、脚部102側に設けられているロック用ピース202と、を備えている。
【0051】
ロック用凹部201は、タンク本体部101の側面において矩形状に窪む凹部である。この場合、ロック用凹部201は、タンク本体部101の長手方向の中央部に位置して設けられている。また、ロック用凹部201の内部には、上下方向に延びる壁部201aが設けられている。そして、この壁部201aには、複数、この場合、2つのロック用孔部201b,201cが設けられている。これらロック用孔部201b,201cは、壁部201aの途中部分において上部側と下部側に分かれて設けられている。
【0052】
ロック用ピース202は、脚部102の脚部本体部102Aにおいて当該脚部102の長手方向に沿って往復移動可能に備えられている。この場合、ロック用ピース202は、タンク本体部101側のロック用凹部201に対応して、脚部102の長手方向の中央部に位置して設けられている。また、ロック用ピース202は、例えばコイルばねなどの付勢部材203によって脚部102の長手方向における一方向、この場合、壁部201a側に向かって付勢されている。また、ロック用ピース202の一端部、この場合、壁部201a側の端部には、当該壁部201a側に突出するピン202aが設けられている。また、ロック用ピース202には、脚部102の脚部本体部102Aの表面側に設けられる操作子204が連結される。ユーザは、この操作子204を操作することによって、ロック用ピース202を脚部102の長手方向に沿って移動させることができる。
【0053】
脚部102が自立位置にスライドした状態では、壁部201a側に付勢されるロック用ピース202のピン202aは、ロック用孔部201cに差し込まれる。これにより、脚部102は、自立位置においてロックされる。そして、脚部102が自立位置から収容位置にスライドする場合には、次のように動作する。即ち、ユーザは、操作子204を介して、ロック用ピース202を付勢部材203の付勢力に抗して壁部201aとは反対側に移動させる。これにより、ロック用ピース202のピン202aがロック用孔部201cから抜き出され、脚部102は、自立位置にてロックされたロック状態が解除され、収容位置側にスライド可能な状態となる。そして、ユーザは、自立位置におけるロック状態が解除された脚部102を収容位置にスライドさせる。すると、ロック用ピース202が付勢部材203の付勢力によって壁部201a側に付勢され、ロック用ピース202のピン202aがロック用孔部201bに差し込まれる。これにより、脚部102は、収容位置においてロックされる。
【0054】
このように、脚部102が収容位置にスライドした状態では、壁部201a側に付勢されるロック用ピース202のピン202aは、ロック用孔部201bに差し込まれる。これにより、脚部102は、収容位置においてロックされる。そして、脚部102が収容位置から自立位置にスライドする場合には、次のように動作する。即ち、ユーザは、操作子204を介して、ロック用ピース202を付勢部材203の付勢力に抗して壁部201aとは反対側に移動させる。これにより、ロック用ピース202のピン202aがロック用孔部201bから抜き出され、脚部102は、収容位置にてロックされたロック状態が解除され、自立位置側にスライド可能な状態となる。そして、ユーザは、収容位置におけるロック状態が解除された脚部102を自立位置にスライドさせる。すると、ロック用ピース202が付勢部材203の付勢力によって壁部201a側に付勢され、ロック用ピース202のピン202aがロック用孔部201cに差し込まれる。これにより、脚部102は、自立位置においてロックされる。
【0055】
第2実施形態に係る洗濯機1によれば、タンク本体部101は、その側面、この場合、長手方向に延びる側面に、脚部102を収容位置および自立位置においてロックするロック部200を有する。即ち、長尺なタンク本体部101において、その長手方向に延びる側面には比較的スペース上の余裕があり、従って、脚部102をロックするためのロック部200を無理なく設けることができる。また、ロック部200を設けるためのスペースを十分に確保できるから、ロック部200の設計の自由度を格段に高めることができる。
【0056】
(第3実施形態)
図16および
図17に例示するように、タンク本体部101は、その側面、この場合、タンク本体部101の長手方向に延びる一側面であって、且つ、タンク本体部101の短手方向の一端面に複数、この場合、2つのレール部301を備えている。レール部301は、タンク本体部101の側面において上下方向に直線状に延びている。一方、脚部102は、タンク本体部101側のレール部301に対応して複数、この場合、2つの弾性変形部302を備えている。
【0057】
弾性変形部302は、脚部102の脚部本体部102Aと一体的に、且つ、弾性変形可能な板ばね状に形成されている。一方、
図18および
図19に例示するように、タンク本体部101は、レール部301を有する面にロック部303を有している。この場合、ロック部303は、レール部301の途中部分に設けられている。ロック部303は、複数、この場合、2つのロック用突起304a,304bを有している。これらロック用突起304a,304bは、レール部301の途中部分において上部側と下部側に分かれて設けられている。
【0058】
図19に例示するように脚部102が自立位置にスライドした状態では、弾性変形部302は、ロック用突起304bの下側に係止する。これにより、脚部102は、自立位置においてロックされる。そして、脚部102が自立位置から収容位置にスライドする場合には、次のように動作する。
【0059】
即ち、脚部102が自立位置から収容位置にスライドする過程において、当該脚部102の弾性変形部302は、ロック用突起304bを下側から上側に乗り越えるようにして弾性変形する。そして、さらに脚部102が収容位置側にスライドすると、弾性変形部302は、ロック用突起304bを上側に乗り越えて元の形状に復帰する。これにより、脚部102は、自立位置にてロックされたロック状態が解除され、収容位置側にスライド可能な状態となる。そして、さらに脚部102が収容位置側にスライドすると、弾性変形部302は、ロック用突起304aを下側から上側に乗り越えるようにして弾性変形する。そして、さらに脚部102が収容位置側にスライドすると、弾性変形部302は、ロック用突起304aを上側に乗り越えて元の形状に復帰する。これにより、
図18に例示するように弾性変形部302がロック用突起304aの上側に係止した状態が形成され、脚部102は、収容位置においてロックされる。
【0060】
このように、脚部102が収容位置にスライドした状態では、弾性変形部302は、ロック用突起304aの上側に係止する。これにより、脚部102は、収容位置においてロックされる。そして、脚部102が収容位置から自立位置にスライドする場合には、次のように動作する。
【0061】
即ち、脚部102が収容位置から自立位置にスライドする過程において、当該脚部102の弾性変形部302は、ロック用突起304aを上側から下側に乗り越えるようにして弾性変形する。そして、さらに脚部102が自立位置側にスライドすると、弾性変形部302は、ロック用突起304aを下側に乗り越えて元の形状に復帰する。これにより、脚部102は、収容位置にてロックされたロック状態が解除され、自立位置側にスライド可能な状態となる。そして、さらに脚部102が自立位置側にスライドすると、弾性変形部302は、ロック用突起304bを上側から下側に乗り越えるようにして弾性変形する。そして、さらに脚部102が自立位置側にスライドすると、弾性変形部302は、ロック用突起304bを下側に乗り越えて元の形状に復帰する。これにより、
図19に例示するように弾性変形部302がロック用突起304bの下側に係止した状態が形成され、脚部102は、自立位置においてロックされる。
【0062】
第3実施形態に係る洗濯機1によれば、タンク本体部101は、その側面、この場合、長手方向に延びる側面に、脚部102を収容位置および自立位置においてロックするロック部303を有する。即ち、長尺なタンク本体部101において、その長手方向に延びる側面には比較的スペース上の余裕があり、従って、脚部102をロックするためのロック部303を無理なく設けることができる。また、ロック部303を設けるためのスペースを十分に確保できるから、ロック部303の設計の自由度を格段に高めることができる。
【0063】
(その他の実施形態)
なお、本実施形態は、上述した複数の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や拡張を行うことができる。例えば、洗濯機1は、上述した複数の実施形態を適宜組み合わせた構成としてもよい。また、複数の実施形態において例示した柔軟剤タンク16に係る構成例は、例えば洗剤タンク15などの他のタンクにも適用可能である。
【0064】
また、脚部102は、脚部本体部102Aおよび角部102Bを一体的に備えた構成に限られず、適宜変更した構成とすることができる。例えば、脚部102は、分離独立した複数の角部102Bからなる構成としてもよい。また、脚部102は、複数の角部102Bを棒状の部材によって連結した構成としてもよい。その他、脚部102は、タンク本体部101に対しスライド可能に備えられるものであって、タンクを自立させることが可能な構成であれば、種々の構成を適用することができる。
【0065】
また、脚部102は、タンク本体部101の側面においてスライド可能な構成に限られず、例えば、タンク本体部101に設けられた孔部に対し出没可能にスライドする構成としてもよい。
【0066】
また、タンクは、洗剤を貯留する洗剤タンク15や柔軟剤を貯留する柔軟剤タンク16に限られるものではなく、例えば、消臭剤を貯留する消臭剤タンク、除菌剤を貯留する除菌剤タンク、漂白剤を貯留する漂白剤タンクなど、衣類に何らかの処理を施す種々の処理剤を貯留するタンクであれば種々の種類のタンクを適宜採用することができる。また、給水部4に備えられる複数のタンクは、同じ種類の処理剤を貯留するタンクであってもよいし、異なる種類の処理剤を貯留するタンクであってもよい。また、洗濯機1は、給水部4に1つのタンクを備える構成としてもよし、3つ以上の複数のタンクを備える構成としてもよい。また、洗剤用計量ポンプ17および柔軟剤用計量ポンプ18は、液体を吸引するものに限られず、例えば、液体を押し出すものであってもよい。
【0067】
また、本実施形態は、回転槽の回転中心軸が鉛直方向に延びる、いわゆる縦軸型の洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有する洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有しない洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、例えば、衣類の消臭、脱臭、除菌、漂白など、衣類に対して何らかの処理を施す装置であれば、種々の衣類処理装置に適用することができる。
【0068】
以上、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
図面中、1は洗濯機(衣類処理装置)、3は洗浄槽(衣類処理槽)、11は自動投入部、16は柔軟剤タンク(タンク)、20はタンク収容部、22は膨出部(押圧部)、101はタンク本体部、101Bはレール部、101Cはロック部、102は脚部、102Bは角部、110は手掛け部、111は流出孔、200はロック部、303はロック部を示す。