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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】空冷式冷凍機
(51)【国際特許分類】
   F25B 39/04 20060101AFI20240605BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240605BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20240605BHJP
   F24F 1/42 20110101ALI20240605BHJP
【FI】
F25B39/04 N
F25B1/00 381G
F25B1/00 381H
F25B27/00 H
F24F1/42
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020130372
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022026757
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金 承龍
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-083639(JP,A)
【文献】特開2005-147635(JP,A)
【文献】特開2010-276269(JP,A)
【文献】特開平11-063730(JP,A)
【文献】特開2009-264614(JP,A)
【文献】登録実用新案第3039887(JP,U)
【文献】国際公開第2019/198174(WO,A1)
【文献】特開2007-198617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00-49/04
F24F 1/00-1/02
F24F 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が流れる冷媒管を備える凝縮器と、
前記凝縮器の上部に設置され、水を貯留可能であり、底部に穴を有する水受け部と、
前記凝縮器の下部に設置され、前記水受け部から落下した前記水を溜める貯水部と、
前記水受け部に接続され、前記水受け部に前記水を供給する少なくとも1つの第1の配管と少なくとも1つの第2の配管と、
雨水を溜める貯水槽と、
前記第1の配管に備えられた第1の弁と、
前記第2の配管に備えられた第2の弁と、
前記第1の弁と前記第2の弁を制御する温度スイッチと、
を備え、
前記水受け部には、前記第1の配管により、前記貯水槽が溜めた前記雨水が前記水として供給されるとともに、前記第2の配管により、前記凝縮器以外の装置で生成された凝縮水が前記水として供給され、
前記凝縮器以外の装置は、前記凝縮器を備える空冷式冷凍機が設置されている建物の内部または外部にある熱交換機であ
前記温度スイッチは、外気の温度が上昇して予め定めた温度に達すると、前記第1の弁を開いて、前記第1の配管から前記雨水を前記水として前記水受け部に供給するとともに、前記第2の弁を開いて、前記第2の配管から前記凝縮水を前記水として前記水受け部に供給することで、前記雨水と前記凝縮水の両方を前記水受け部に供給する、
ことを特徴とする空冷式冷凍機。
【請求項2】
前記貯水部には、前記冷媒管の一部が配置されている、
請求項1に記載の空冷式冷凍機。
【請求項3】
前記貯水部は、前記貯水部に溜まった前記水を攪拌するスクリュを備える、
請求項2に記載の空冷式冷凍機。
【請求項4】
前記貯水部に備えられた弁と、
前記貯水部に備えられた前記弁を制御する温度スイッチと、
を備え、
前記貯水部に備えられた前記弁を制御する前記温度スイッチは、前記貯水部に溜まった前記水の温度が予め定めた温度に達すると、前記貯水部に備えられた前記弁を開き、前記貯水部から前記水を排出する、
請求項2に記載の空冷式冷凍機。
【請求項5】
前記スクリュには、太陽光発電による電力が供給される、
請求項3に記載の空冷式冷凍機。
【請求項6】
前記第1の弁と前記第2の弁と前記温度スイッチには、太陽光発電による電力が供給される、
請求項に記載の空冷式冷凍機。
【請求項7】
前記貯水部に備えられた前記弁とこの前記弁を制御する前記温度スイッチには、太陽光発電による電力が供給される、
請求項に記載の空冷式冷凍機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空冷式冷凍機に関し、より詳細には、凝縮器を備える空冷式冷凍機に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内に設置されて空調に使用される空冷式冷凍機(例えば、エアコン)は、空気の熱を回収し、建物の外に設置された冷凍機の凝縮器から放熱している。冷凍機は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を備え、冷凍サイクルと冷媒(例えば、冷媒ガス)を利用することで、空気を冷却する。
【0003】
冷凍サイクルには、圧縮過程、凝縮過程、膨張過程、及び蒸発過程という4つの過程が含まれる。これらの過程は、それぞれ圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器で実行される。圧縮過程で圧縮された高温・高圧の冷媒ガスは、凝縮器で外部の空気と熱交換をし、凝縮して常温・高圧の冷媒液に相変化する。この冷媒液は、膨張過程で低温・低圧の液体になり、蒸発器で周囲の空気から熱を奪って蒸発し、周囲の空気の温度を下げる。蒸発した冷媒は、圧縮機で圧縮されて高温・高圧の冷媒ガスになる。
【0004】
従来の冷凍機の例は、特許文献1に記載されている。特許文献1には、空冷式の凝縮器に用いる補助冷却装置の例が記載されており、この補助冷却装置は、凝縮器の排熱部の温度が高いときに、凝縮器の冷却用の吸い込み空気を給水されたクーリングマットに通過させることで冷却させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-198617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、地球温暖化などの影響により、外気の温度が、凝縮器で冷媒ガスを熱交換させるための設計温度を超える頻度が多くなっており、凝縮器の放熱能力が低下することが課題となっている。凝縮器の放熱能力が低下すると、冷凍機は、冷却性能が低下し、トリップ状態となって動作が停止する可能性もある。このため、空冷式冷凍機には、凝縮器の放熱能力をさらに向上させることが望まれている。
【0007】
本発明は、凝縮器の放熱能力を向上させることができる空冷式冷凍機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による空冷式冷凍機は、冷媒が流れる冷媒管を備える凝縮器と、前記凝縮器の上部に設置され、水を貯留可能であり、底部に穴を有する水受け部と、前記凝縮器の下部に設置され、前記水受け部から落下した前記水を溜める貯水部と、前記水受け部に接続され、前記水受け部に前記水を供給する1つ以上の配管と、雨水を溜める貯水槽とを備える。前記水受け部には、前記配管の少なくとも1つにより、前記貯水槽が溜めた前記雨水が前記水として供給される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、凝縮器の放熱能力を向上させることができる空冷式冷凍機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例による空冷式冷凍機の凝縮器の構成を示す模式図。
図2】凝縮器の下部に設置された貯水部を示す模式図。
図3】自然エネルギーによる電源と、この電源から電力が供給される凝縮器の構成要素を示す図。
図4】本発明の実施例による空冷式冷凍機の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明による空冷式冷凍機は、凝縮器で冷媒ガスが熱交換(放熱)をするときに、空気だけではなく、水を使用して冷媒ガスから熱を奪うことで、凝縮器の放熱能力を向上させ、冷凍機の冷却性能の低下やトリップの発生を抑制することができる。凝縮器での冷媒ガスの熱交換に使用する水には、捨てられる水(例えば、雨水や、他の熱交換機から得られた凝縮水)を用いることができる。凝縮器での冷媒ガスの熱交換に水を用いると、放熱効率(冷却効率)が向上して省エネ効果を得ることができ、冷凍機のランニングコストを低減することができる。
【0012】
本発明による空冷式冷凍機は、任意の空調設備に用いることができ、例えば、原子力発電所の内部に設置されて空調に使用される空冷式冷凍機(エアコン)に用いることができる。
【0013】
以下、本発明の実施例による空冷式冷凍機について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0014】
図4は、本発明の実施例1による空冷式冷凍機51の構成を示す模式図である。図4には、空冷式冷凍機51の冷凍サイクルを行う要素、すなわち凝縮器1、膨張弁21、蒸発器31、及び圧縮機41を示している。本実施例による空冷式冷凍機51は、冷媒として冷媒ガスを用いる。
【0015】
凝縮器1は、凝縮過程を実施する。すなわち、凝縮器1は、圧縮機41で圧縮されて生成した高温・高圧の冷媒ガスを放熱させて冷却し、常温・高圧の冷媒液に凝縮させる。
【0016】
膨張弁21は、膨張過程を実施する。すなわち、膨張弁21は、凝縮器1で凝縮して生成した常温・高圧の冷媒液を減圧し、低温・低圧の冷媒液に変化させる。
【0017】
蒸発器31は、蒸発過程を実施する。すなわち、蒸発器31は、膨張弁21で低温・低圧に変化した冷媒液を蒸発させ、低温・低圧の冷媒ガスに変化させる。冷媒液は、周囲の空気から熱を奪って蒸発し、周囲の空気の温度を下げる。
【0018】
圧縮機41は、圧縮過程を実施する。すなわち、圧縮機41は、蒸発器31で蒸発して生成した低温・低圧の冷媒ガスを圧縮し、高温・高圧の冷媒ガスに変化させる。
【0019】
図1は、本実施例による空冷式冷凍機51の凝縮器1の構成を示す模式図である。凝縮器1は、冷媒ガスの冷却に、空気と水(特に、捨てられる水)を用いる。
【0020】
凝縮器1は、冷媒管2と、フィン3と、ファン11を備える。冷媒管2は、内部を冷媒が流れる管である。フィン3は、冷媒管2に複数が設置されており、冷媒管2の内部を流れる冷媒ガスを効率的に冷却する効果を有する。ファン11は、凝縮器1の側面の任意の位置に設けられ、冷媒管2とフィン3に送風して冷媒管2の内部を流れる冷媒ガスを冷却する。
【0021】
冷媒管2には、圧縮機41から高温・高圧の冷媒ガスが流入する。凝縮器1は、この冷媒ガスを冷却し、常温・高圧の冷媒液に凝縮させる。冷媒管2は、この冷媒液を膨張弁21に流出させる。
【0022】
凝縮器1は、さらに、水受け部4と、貯水部5と、貯水槽12と、第1の配管13と、第2の配管14を備える。
【0023】
水受け部4は、凝縮器1の上部に設置され、冷媒ガスの熱交換に使用する水を貯留可能な容器であり、底部に複数の穴4aを有する。水受け部4には、第1の配管13と第2の配管14が接続されている。水受け部4は、第1の配管13と第2の配管14により供給された水を溜め、溜まった水を底部の穴4aから重力の作用によって冷媒管2とフィン3へ落下させる。水受け部4の底部の穴4aは、水受け部4に溜まった水を水滴としてまたは霧状で落下させることができるような大きさを備える。冷媒管2の内部を流れる冷媒ガスは、ファン11による送風に加えて、水受け部4から落下した水によっても冷却される。
【0024】
貯水部5は、凝縮器1の下部に設置され、水受け部4から落下した水を溜める容器である。貯水部5には、冷媒管2の一部が配置されており、冷媒液を膨張弁21に流出させる部分である凝縮器出口15が設けられている。また、貯水部5には、弁6(例えば、ソレノイドバルブ)が設置されている。弁6が開くと、貯水部5に溜まった水が貯水部5から排出される。
【0025】
貯水槽12は、雨水を溜める容器である。貯水槽12は、例えば建物の屋上に設置される。
【0026】
第1の配管13は、貯水槽12と水受け部4を接続し、貯水槽12が溜めた雨水を水受け部4に供給する。第1の配管13には、弁10(例えば、ソレノイドバルブ)が設置されている。
【0027】
第2の配管14は、凝縮器1以外の装置と水受け部4を接続し、凝縮器1以外の装置で生成された凝縮水を水受け部4に供給する。凝縮器1以外の装置とは、例えば、空冷式冷凍機51が設置されている建物(例えば、原子力発電所の建屋)の内部にある熱交換機(例えば、空冷式冷凍機51が設置されている部屋と異なる部屋に設置されている冷凍機の凝縮器)や、空冷式冷凍機51が設置されている建物の外部にある熱交換機である。第2の配管14には、弁8(例えば、ソレノイドバルブ)が設置されている。
【0028】
凝縮器1は、少なくとも1つの貯水槽12を備えることができる。水受け部4には、第1の配管13により、貯水槽12が溜めた雨水が供給され、第2の配管14により、凝縮器1以外の装置で生成された凝縮水が供給される。凝縮器1は、少なくとも1つの第1の配管13と、少なくとも1つの第2の配管14を備えることができる。凝縮器1は、第1の配管13と第2の配管14のうち、一方だけを備えてもよい。また、第1の配管13と第2の配管14は、それぞれ雨水と凝縮水以外の水、例えば水道水を水受け部4に供給してもよい。
【0029】
凝縮器1は、弁10と弁8を制御する温度スイッチ9と、弁6を制御する温度スイッチ7を備える。温度スイッチ9は、外気の温度が上昇して予め定めた設定温度に達すると作動し、弁10と弁8を開く。温度スイッチ7は、貯水部5に溜まった水の温度が上昇して予め定めた設定温度に達すると作動し、弁6を開く。
【0030】
従来の空冷式冷凍機は、冷媒管2を流れる冷媒ガスを、ファン11による送風によって空気のみで冷却して凝縮させる。
【0031】
本実施例による空冷式冷凍機51の凝縮器1は、冷媒管2を流れる冷媒ガスを、従来と同様に空気で冷却し、さらに水受け部4から落下した水を用いて冷却して、凝縮させる。水受け部4には、雨水と凝縮水がそれぞれ第1の配管13と第2の配管14により供給される。
【0032】
温度スイッチ9は、外気の温度が上昇して予め定めた設定温度に達すると、弁10と弁8を開く。この設定温度は、凝縮器1の放熱能力などに応じて任意に定めることができる。弁10が開くと、貯水槽12に溜められた雨水が第1の配管13から水受け部4に供給される。弁8が開くと、凝縮水が第2の配管14から水受け部4に供給される。水受け部4に供給された水は、水受け部4の底部の穴4aから重力の作用によって落下し、冷媒管2とフィン3に到達する。
【0033】
外気の温度が高くなると凝縮器1の放熱能力が低下することがある。これを防止するために、外気の温度が高くなると、温度スイッチ9が弁10と弁8を開き、水を用いて冷媒ガスを冷却する。水受け部4から落下して冷媒管2とフィン3に到達した水は、顕熱で冷媒管2を流れる冷媒ガスを冷却する。また、冷媒管2とフィン3の表面には、水受け部4から落下した水が水滴となって付く。この水滴は、ファン11の送風により気化し、気化熱で冷媒管2を流れる冷媒ガスを冷却する。
【0034】
このように、本実施例による空冷式冷凍機51の凝縮器1は、冷媒管2を流れる冷媒ガスを、空気で冷却するだけでなく、水(例えば、雨水や凝縮水などの捨てられる水)を用いて冷却することで、冷媒ガスの冷却効率を向上し、凝縮器1の放熱能力を向上させることができるとともに、省エネ効果を得ることができる。
【0035】
水受け部4から落下した水は、冷媒管2とフィン3の表面に付着したり気化したりしなければ、貯水部5に溜まる。貯水部5に溜まった水は、貯水部5の内部に位置する冷媒管2を流れる冷媒液(冷媒ガスが凝縮して生成された冷媒液)と熱交換をする。貯水部5では、特に凝縮器出口15の付近において、冷媒管2を流れる冷媒液が、貯水部5に溜まった水により過冷却される。この過冷却により、冷媒液がさらに冷却され、凝縮器1の放熱能力がより向上して、さらなる省エネ効果を得ることができる。
【0036】
図2は、凝縮器1の下部に設置された貯水部5を示す模式図である。貯水部5は、内部にスクリュ16を備える。スクリュ16は、モータ17により駆動され、貯水部5に溜まった水を攪拌し、貯水部5の中で強制的に水の流れ18を作る。
【0037】
貯水部5の中の水に流れ18がないと、貯水部5での熱交換率が低く、冷媒管2を流れる冷媒液の過冷却の効果が低い。そこで、貯水部5の内部にスクリュ16を設置し、スクリュ16によって貯水部5の中の水に強制対流(水の流れ18)を生じさせ、熱交換率を上げる。この強制対流により、冷媒管2を流れる冷媒液の冷却効果が向上し、冷媒液のさらなる過冷却効果を得ることができ、凝縮器1の放熱能力をより向上させることができる。省エネ効果も、さらに向上する。
【0038】
温度スイッチ7は、貯水部5に溜まった水の温度が上昇して予め定めた設定温度に達すると、弁6を開く。この設定温度は、冷媒管2を流れる冷媒液の想定温度と貯水部5の容量などに応じて任意に定めることができる。弁6が開くと、貯水部5の内部の水は、貯水部5から排出される。
【0039】
貯水部5の内部の水は、冷媒管2を流れる冷媒液との熱交換により温度が上昇し、熱交換率が低下する。このため、貯水部5に溜まった水の温度が高くなったらこの水を交換して、熱交換率の低下を防ぐ必要がある。貯水部5に溜まった水の温度が高くなり、温度スイッチ7が弁6を開くと、貯水部5に溜まった水が排出される。排水後に弁6が閉じて、水受け部4から落下した水が新たに貯水部5に溜まることで、貯水部5に溜まった水を交換することができる。弁6が開いて貯水部5の内部の水を交換することにより、凝縮器1の放熱能力をさらに向上させることができ、さらなる省エネ効果を得ることができる。
【0040】
なお、弁6は、貯水部5の上部に設置されていると、貯水部5に溜まった水のうち温度が高い水を、より効果的に排出できる。
【0041】
凝縮器1の構成要素には、電源として、太陽光や風力などの自然エネルギーを用いて発電した電力を用いることができる。
【0042】
図3は、自然エネルギーによる電源と、この電源から電力が供給される凝縮器1の構成要素を示す図である。図3には、一例として、太陽光発電で得られた電力を凝縮器1の構成要素に供給する構成を示している。太陽光発電による電力が供給される凝縮器1の構成要素の例は、弁6、8、10と、温度スイッチ7、9と、スクリュ16を駆動するモータ17である。
【0043】
太陽光で発電を行うソーラーパネル61は、チャージコントローラー62に接続されている。チャージコントローラー62は、蓄電池63と、弁6、8、10と、温度スイッチ7、9と、モータ17に接続されている。チャージコントローラー62は、蓄電池63への充電と蓄電池63の放電を制御する。弁6、8、10と温度スイッチ7、9とモータ17は、チャージコントローラー62の制御により、ソーラーパネル61と蓄電池63から電力が供給される。
【0044】
本実施例による空冷式冷凍機51では、凝縮器1の構成要素の電源に、自然エネルギーを用いて発電した電力を使うことができるので、省エネ効果を得ることができる。また、凝縮器1の放熱能力が低下するのは、日射量が多く外気の温度が上昇する日中であることが多いので、太陽光発電で得られた電力を用いると、冷媒ガスを冷却し、凝縮器1の放熱能力を向上させる効果を十分に得ることができる。
【0045】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…凝縮器、2…冷媒管、3…フィン、4…水受け部、4a…穴、5…貯水部、6…弁、7…温度スイッチ、8…弁、9…温度スイッチ、10…弁、11…ファン、12…貯水槽、13…第1の配管、14…第2の配管、15…凝縮器出口、16…スクリュ、17…モータ、18…水の流れ、21…膨張弁、31…蒸発器、41…圧縮機、51…空冷式冷凍機、61…ソーラーパネル、62…チャージコントローラー、63…蓄電池。
図1
図2
図3
図4