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特許7498628リアスポイラーとリアスポイラーの動作を調整するための可動デフレクターパネルを備える車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】リアスポイラーとリアスポイラーの動作を調整するための可動デフレクターパネルを備える車
(51)【国際特許分類】
   B62D 35/00 20060101AFI20240605BHJP
   B62D 37/02 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
B62D35/00 C
B62D37/02 C
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020151674
(22)【出願日】2020-09-09
(65)【公開番号】P2021041919
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102019000016157
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ ビアンカラナ
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァトーレ セッダ
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2015-0004587(KR,U)
【文献】特開2015-182591(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3269913(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3498577(EP,A1)
【文献】実開昭60-076572(JP,U)
【文献】実開平03-082616(JP,U)
【文献】実開昭62-197425(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102012000373(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0256157(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 35/00
B62D 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭乗室と、
前記搭乗室を取り囲むとともに、ルーフ(3)と、リアバンパーが設けられるテール(4)と、前記ルーフ(3)を前記テール(4)に接続する接合部(5)とを有する車体(2)と、
前記テール(4)の領域で前記接合部(5)の端部に配置されるリアスポイラー(6)と
を備える車(1)であって、
前記車(1)はデフレクターパネル(10)を備え、
このデフレクターパネル(10)は、前記接合部(5)上に配置され、走行中に前記接合部(5)を軽くかすめる空気流が直接に当たるとともに、前記デフレクターパネル(10)が前記接合部(5)上に載置される休止位置と、前記デフレクターパネル(10)が上昇して前記接合部(5)から離間する作用位置との間で移動するように、可動態様で取り付けられることを特徴とする車(1)。
【請求項2】
前記デフレクターパネル(10)は、該デフレクターパネル(10)の前縁の領域に配置される横方向回転軸(11)を中心として回転するように前記車体(2)にヒンジ結合される、
請求項1に記載の車(1)。
【請求項3】
前記デフレクターパネル(10)が前記リアスポイラー(6)の近くで終端する、
請求項1又は2に記載の車(1)。
【請求項4】
前記デフレクターパネル(10)は、それが前記作用位置にあるときに、前記リアスポイラー(6)上に空気力学的に影を落とすために、前記リアスポイラー(6)の上方の空気流を偏向させるように形成される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の車(1)。
【請求項5】
前記デフレクターパネル(10)は、それが前記休止位置にあるときに前記リアスポイラー(6)上に空気力学的に影を落とさないようにするべく前記リアスポイラー(6)の上方の空気流を偏向させないように形成される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の車(1)。
【請求項6】
前記デフレクターパネル(10)の下面は、前記接合部(5)の上面の形状をネガ状態で再現するように形成される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の車(1)。
【請求項7】
前記デフレクターパネル(10)を前記休止位置から前記作用位置へ及びその逆へ移動させるために前記デフレクターパネル(10)に作用する機械的アクチュエータ(12)を備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載の車(1)。
【請求項8】
前記アクチュエータ(12)は、前記デフレクターパネル(10)を前記休止位置と前記作用位置との間の一連の中間位置に配置して保持するように設計される、
請求項7に記載の車(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この特許出願は、2019年9月12日に出願されたイタリア特許出願第102019000016157号による優先権を主張し、その開示内容全体は参照により本願に組み入れられる。
【0002】
本発明は、リアスポイラーを備える車に関する。
【背景技術】
【0003】
現代の高性能車は、抗力係数(「CX」としても知られている)を減らすとともに車輪に作用する垂直力を高めるために、空気力学に細心の注意を払っている。
【0004】
後輪に作用する垂直力を高めるために、車体の後部には、一般に、車の動きによって上向きに引き起こされる空気流を偏向させることによってダウンフォース(すなわち、下向きの揚力)を生成するリアスポイラー(すなわち、「フローデフレクター」)がある。リアスポイラーは、3ボックス車では車体の第3ボックスに取り付けられ、又は2ボックス車ではリアウィンドウに取り付けられる。
【0005】
一部のスポーツカーにおいて、リアスポイラーは、リアスポイラーと同じ機能を有するが車体とは別個であって適切な支持体によって車体に接続されるリアスタビライザーに置き換えられる。
【0006】
リアスポイラーの寸法が大きくなるにつれてリアスポイラーにより生成されるダウンフォースが増大するが、リアスポイラーの寸法が増大すると、リアスポイラーにより生成される抗力も増大する。
【0007】
つまり、リアスポイラーが大きければきいほど、ダウンフォースも大きくなる(プラスの効果)が、抗力も大きくなる(マイナスの効果)。更に、リアスポイラーの寸法の増大は、重量及びサイズの必然的な増大を意味し、これは多くの場合に審美的な問題にもつながり、実際に、リアスポイラーは、それが車体の外側の要素であるため、特にそれが大型の場合、非常に目立つことになり得る。
【0008】
リアスポイラーの設計が良いか否かは、一般に、その空気力学的効率に基づいて、すなわち、リアスポイラーによって生成されるダウンフォースとリアスポイラーによって生成される対応する抗力との間の比率に基づいて評価され、この比率が大きければ大きいほど、空気力学的効率、つまり、リアスポイラーの設計の質が高くなる。
【0009】
更に、一方では、リアホイールに作用する垂直力を増大させることにより、リアスポイラーの動作は、主なニーズがグリップである運転状態(例えば、ブレーキをかけている間、加速中、及び、カーブに沿って運転している間)における性能の向上を可能にするが、他方では、リアスポイラーの動作は、主なニーズが滑らかさである運転状態(例えば、直線道路に沿って運転している間、非常に高速に到達する必要がある場合や燃料消費量を最適化する必要がある場合)における性能を悪化させる。
【0010】
必要なときにのみ大きな垂直力(したがって、避けられないほど大きな抗力)を得るために、その迎え角を増大させる及び/又は所定の条件下でのみそのハウジングから出てくるモータ駆動の可動リアスポイラーが提案された。しかしながら、モータ駆動の可動リアスポイラーの設置は、スペースの問題だけでなく、機械的な問題も引き起こす。特に、リアスポイラーの可動部材の位置決めは、この解決策の適用を特に複雑にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、リアスポイラーを備える車であって、リアスポイラーの動作を簡単且つ効果的な態様で調整できる車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲に係るリアスポイラーを備える車が提供される。
【0013】
添付の特許請求の範囲は、本発明の好ましい実施形態を記載し、本明細書の一体部分を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るリアスポイラーを備える車の背面斜視図である。
図2図1の車の後部の平面図である。
図3図2の細部の拡大図である。
図4図1の車の後部の側面図である。
図5図1の車の背面図である。
図6図5の細部の拡大図である。
図7】デフレクターパネルが上昇位置にある、図1の車の後部の側面図である。
図8】デフレクターパネルが上昇位置にある、図1の車の背面図である。
図9】上昇位置にあるデフレクターパネルの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、本発明の非限定的な実施形態を示す添付図面を参照して、本発明について説明する。
図1において、番号1は、全体として、内燃機関及び/又は1つ以上の電気モータを備える車を示す。
【0016】
車1は、電気モータによって駆動されるか駆動輪にされる2つの前輪(本明細書中では図示せず)と、内燃機関及び/又は1つ以上の電気モータから動作を受けるときに常に駆動輪である2つの後輪とを備える。
【0017】
更に、車1は、運転者及び想定し得る搭乗者を収容するように設計される2人乗りの搭乗室と、搭乗室を取り囲む車体2とを備える。
【0018】
車体2は、とりわけ、フロントバンパーが設けられる前部(ここでは図示せず)と、前部から始まって搭乗室へ向けて延びるフロントフード(ここでは図示せず)と、上部で搭乗室を覆うルーフ3と、リアバンパーが設けられるテール4と、ルーフ3をテール4に接続して次第に下方に傾斜する接合部5(それが透明ではないため、「ブラインドリアウィンドウ」とも呼ばれる)とを備える。
【0019】
側方において、車体2は、それぞれのドアが設けられる2つの車体側面を有する。
【0020】
車1は、テール4の領域で接合部5の端部に配置されるリアスポイラー6(すなわち、「フローデフレクター」)を備え、リアスポイラー6の機能は、車1の動きによって引き起こされる空気流が上方に偏向されるときに生み出される下向きの揚力(すなわち、ダウンフォース)によって後輪に作用する垂直力を増大させる機能である。
【0021】
車1は、走行中に接合部5を軽くかすめる空気流を遮り、したがってリアスポイラー6よりも上流側の空気流に渦を発生させるために、接合部5から突出する複数の突出空力要素7を備える。突出空力要素7は、接合部5を軽くかすめる空気流の移動領域内で集中した渦巻運動をもたらすことにより空力要素7の下流側の空気流の速度領域に下向きの垂直成分を生成する空力渦生成器である。
【0022】
実際のところ、接合部5を流れる空気は、突出空力要素7の存在に起因して、より下向きに入射させられ、空気流のこのより下向きの力がリアスポイラー6によって利用されて、リアスポイラーの力(すなわち、ダウンフォース)の生成可能性が高められる。
【0023】
言い換えると、突出空力要素7の存在のおかげにより、抗力の適度な増大に伴ってリアスポイラー6により生成されるダウンフォースを大幅に増大させることができ、結果として、空力要素7の存在により、リアスポイラー6の空気力学的効率を著しく増大させることができる。
【0024】
添付の図面に示される実施形態では、2列を成して配置される6つの空力要素7が設けられ、それぞれの列に3つの空力要素7を伴い、また、本明細書中に示されない他の実施形態によれば、空力要素7の数、配置、及び/又は、形状が異なり得る。
【0025】
図4によれば、各空力要素7は、垂直に方向付けられ、したがって、(下方に傾斜される)接合部5と鋭角を成す。
【0026】
図2及び図3によれば、各空力要素7は、平面図で湾曲状に延在するとともに、平面図において「カンマ」、すなわち「口ひげ」の形状を有する。
【0027】
図3によれば、各空力要素7は、前部8(すなわち、空気流にぶつかる空力要素7の最初の部分)と、後部9(すなわち、空気流により軽くかすめられる空力要素7の最後の部分)とを有し、言い換えると、各空力要素7は前部8から後部9へと延びる。
【0028】
各空力要素7は、前部8から後部9に向けて次第に増大する角度を、長手方向DLに対して成す。特に、各空力要素7は、前部8が非常に小さなアプローチアングルαを長手方向DLに対して成すとともに、後部9がアプローチアングルαよりもかなり大きいデパーチャーアングルβを長手方向DLに対して成す。アプローチアングルαは好ましくは0°~15°の範囲であり、デパーチャーアングルβは好ましくは30°~75°の範囲である。結果として、各空力要素7において、前部8及び後部9が互いに対して鈍角を成す。
【0029】
図6によれば、各空力要素7は、前部8から後部9に向かって次第に減少する垂直高さを有し、すなわち、前部8は接合部5から大きく突出し、一方、後部9は、空力要素7の垂直高さを連続的に且つ漸進的に減少させて、接合部5から小さく突出する。添付の図面に示される実施形態において、各空力要素7の後部9は、基本的にゼロに等しい垂直高さを有し、すなわち、各空力要素7は、後部9の端でゼロ値に達するまで前部8から後部9に向かって次第に減少する垂直高さを有する。好ましい実施形態によれば、各空力要素7において、前部8の領域における垂直高さは、後部9の領域における垂直高さの少なくとも3倍である。
【0030】
図2によれば、空力要素7が対を成して配置され、それぞれの対は、互いに横方向で位置合わせされて、互いに横方向に離間するとともに、互いに対して鏡のように向き合う態様で方向付けられる(すなわち、右側の空力要素7が右の方を向き、左側の空力要素7が左の方を向く)2つの空力要素7から成る。添付の図面に示される実施形態では、3対の空力要素7が設けられ、それにより、各列に3つの空力要素7を伴う2つの列が形成される。
【0031】
図2によれば、空力要素7が2つの列を成して配設され、これらの列は、互いに平行であり、長手方向に延在するとともに、ゼロ以外の互いからの横方向距離を有し、それにより、完全に滑らかな中央チャネルが2つの列間に存在する。同じ(右又は左)列の空力要素7は全て、同じ向きを有するとともに、他方の(左又は右)列の空力要素7に対して鏡状である。更に、(右又は左)列の各空力要素7は、それが対を形成する他方の(左又は右)列の空力要素7と位置合わせされて隣り合うように配置される。
【0032】
想定し得る実施形態によれば、それぞれの空力要素7ごとに、接合部5は空力要素7の領域で終端する対応する窪みを有する。すなわち、接合部5は、空力要素7の上流側で下方に凹まされて、空力要素7の領域で終端する窪み(凹部)を形成する。
【0033】
図1によれば、デフレクターパネル10が設けられ、このデフレクターパネル10は、接合部5上に配置され、走行中に接合部5を軽くかすめる空気流が直接に当たる(デフレクターが上部で接合部5を覆うため)とともに、デフレクターパネル10が接合部5上に載置される休止位置(図1図6に示される)と、デフレクターパネル10が上昇されて接合部5から離間した作用位置(図7図9に示される)との間で移動するように、可動態様で取り付けられる。
【0034】
図9によれば、デフレクターパネル10は、それが作用位置にあるときに、リアスポイラー6上に空気力学的に影を落とすために、リアスポイラー6の上方の空気流を偏向させるように形成される。すなわち、デフレクターパネル10が作用位置にあるとき、車1の動きによって生成される空気流は、デフレクターパネル10によって上方に押し上げられ、それにより、全体的にリアスポイラー6の上方で流れ、そのため、リアスポイラー6に空気流が当たらない(したがって、リアスポイラー6は、ダウンフォースの減少をもたらすとともに、適度な抗力ももたらす)。
【0035】
図4によれば、デフレクターパネル10は、それが休止位置にあるときに、リアスポイラー6上に空気力学的に影を落とさないようにするべくリアスポイラー6の上方の空気流を偏向させないように形成される。すなわち、デフレクターパネル10が休止位置にあるとき、車1の動きによって生成される空気流はリアスポイラー6に完全に当たる(したがって、リアスポイラー6は、大きなダウンフォースを生み出すとともに、大きな抗力ももたらす)。
【0036】
添付の図面に示される好ましい実施形態によれば、デフレクターパネル10は、デフレクターパネル10の前縁の領域に配置される横方向回転軸11(図2に示される)を中心として回転するように車体2にヒンジ結合される。
【0037】
デフレクターパネル10に作用してデフレクターパネルを休止位置から作用位置へ及びその逆へ移動させる機械的アクチュエータ12(一般に図9に概略的に示される電気モータ)が存在する。
【0038】
好ましくは、必須ではないが、機械的アクチュエータ12は、デフレクターパネル10を休止位置と作用位置との間の一連の中間位置で停止及び保持するように設計される。
【0039】
車1の動きによってもたらされる必要性に基づいてデフレクターパネル10の位置を調整する制御ユニットが設けられ、より大きなダウンフォース(つまり、後輪に作用するより大きな垂直力)が必要とされる際、制御ユニットは、デフレクターパネル10を休止位置に向けて移動させ、一方、より大きな抗力(すなわち、より大きな滑らかさ)が必要とされる際、制御ユニットは、デフレクターパネル10を作用位置に向けて移動させる。
【0040】
添付の図面に示される想定し得る実施形態によれば、デフレクターパネル10は、車1の動きによって生み出される空気流を効果的にリアスポイラー6の上方に偏向できるように、最終的にリアスポイラー6に近接するようになる(リアスポイラー6に近い)。
【0041】
添付の図面に示される想定し得る実施形態によれば、デフレクターパネル10の下面は、デフレクターパネル10の下方に位置する接合部5の上面の形状をネガ状態で再現するように形成される。
【0042】
添付の図面に示す実施形態によれば、デフレクターパネル10は、下側にある接合部5に固定される空力要素7の領域にも延在し、それぞれの空力要素7ごとに、空力要素7を内側に収容する対応する貫通スリット13(図3及び図6においてより良く見える)を有する。
【0043】
すなわち、デフレクターパネル10は、それぞれが対応する空力要素7の形状及び寸法を(一定のクリアランスを伴って)再現するとともに、対応する空力要素7によって(一定のクリアランスを伴って)交差される6つの貫通スリット13を有する。結果として、空力要素7は、常に静止している(空力要素が接合部5に拘束されているため)とともに、デフレクターパネル10と共に移動しない(貫通スリット13の存在のおかげにより空力要素7と接触しない)。この実施形態は、リアスポイラー6上に空気力学的に影を落とすことに加えて、(図7によれば)デフレクターパネル10が(全体的又は部分的に)空力要素7上にも空気力学的に影を落とすため、デフレクターパネル10が作用位置にあるときの抗力の更なる低減を可能にする。
【0044】
本明細書中に示されない異なる実施形態によれば、デフレクターパネル10は、空力要素7の領域にも延在し、空力要素7を支持し、すなわち、空力要素7は、デフレクターパネル10に固定されて、デフレクターパネル10と共に移動する。
【0045】
本明細書中に示されない更なる実施形態によれば、デフレクターパネル10は、空力要素7の領域に延在せず、したがって、空力要素7間の中央チャネルにのみ延在する。
【0046】
添付の図面に示される好ましい実施形態では、空力要素7及び可動デフレクターパネル10の両方が存在する。本明細書中に示されない更なる実施形態によれば、可動デフレクターパネル10だけが設けられる(すなわち、空力要素7がない)。本明細書中に示されない更なる実施形態によれば、空力要素7だけが設けられる(すなわち、可動デフレクターパネル10がない)。
【0047】
この理由で本発明の保護の範囲を超えることなく、本明細書中に記載される実施形態を互いに組み合わせることができる。
【0048】
上記の車1は多くの利点を有する。
【0049】
第一に、上記の車1に空力要素7が存在するおかげにより、リアスポイラー6は、高い空気力学的効率、つまり、リアスポイラー6によって生み出されるダウンフォースとリアスポイラー6によって生み出される対応する抗力との間の高い比率を有する。
【0050】
更に、上記の車1に可動デフレクターパネル10が存在するおかげにより、後輪の領域で大きなダウンフォースを生み出す必要がない場合にリアスポイラー6によって生み出される抗力を低減するべくリアスポイラー6上に空気力学的に影を落とすことができる(完全に固定される、すなわち、完全に可動部品がない)。
【0051】
最後に、上記の車1は、空力要素7が接合部5に簡単に適用され得る付属物であるため、また、デフレクターパネル10が非常に小さなストロークを有することからモータによって容易に駆動され得るため、製造するのが簡単で経済的である。
【符号の説明】
【0052】
1 車
2 車体
3 ルーフ
4 テール
5 接合部
6 リアスポイラー
7 空力要素
8 前部
9 後部
10 デフレクターパネル
11 回転軸
12 機械的アクチュエータ
13 貫通スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9