(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】二元機能吸湿冷感布地
(51)【国際特許分類】
D04B 21/14 20060101AFI20240605BHJP
D04B 21/16 20060101ALI20240605BHJP
D04B 21/18 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
D04B21/14 Z
D04B21/16
D04B21/18
(21)【出願番号】P 2020562081
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(86)【国際出願番号】 US2019015239
(87)【国際公開番号】W WO2019147997
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-25
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520278398
【氏名又は名称】ムプサ,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド チャド ローレンス
【審査官】印出 亮太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/210589(WO,A2)
【文献】特許第6833160(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/00 - 13/12
A41D 20/00
D04B 1/00 - 1/28
D04B 21/00 - 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地の第一の面に設けられた第一の糸、第二の糸および蒸発性糸を含む少なくとも3つの別個の糸によって形成された吸収層と、布地の第一の面とは反対の第二の面に設けられた第一の糸、第二の糸、蒸発性糸およびエラストマー糸を含む4つの別個の糸によって形成された冷却層とを含む表裏のある吸湿冷感布地であって、
第一の糸および第二の糸は、表裏のある吸湿冷感布地の製作中に、離れているが隣接するニッティングバーに配置され、
第一の糸および第二の糸は一緒に、肌の表面から水分を吸収するために、パイル高さが0.2ミリメートルより大きい吸収層にループを形成し、
第一の糸および第二の糸は50デニール/72フィラメントポリエステル糸であり、
蒸発性糸は、
異形断面を有し、かつ、鉱物が埋め込まれた蒸発性のナイロンまたはポリエステルのフィラメント糸であり、
冷却層は、吸収された水分を冷却層に暴露して蒸発させるために、吸収層から吸収された水分を運ぶように構成されている、表裏のある吸湿冷感布地。
【請求項2】
表裏のある吸湿冷感布地は経編みスペーサー構造を使用して製作される、請求項1に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
【請求項3】
表裏のある吸湿冷感布地が100~600g/m
2の重量を有する、請求項1に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
【請求項4】
エラストマー糸がスパンデックスである、請求項1に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
【請求項5】
吸収層はパイル高さが2~3mmである、請求項1に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
【請求項6】
吸収層はパイル高さが0.5~10mmである、請求項1に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年1月25日に出願された米国仮特許出願第62/621,851号および2018年8月21日に出願された米国仮特許出願第62/720,483号の優先権を主張し、それらの内容はその全体が参照によってここに組込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、ループのある吸収面でその重量の4倍までの汗を吸収することができる表裏のある二元機能布地を提供する編物に関する。その布地は、濡れて活性化している間、ループのない(平らな)吸収面で増大した伝導冷却をも提供することができる。より具体的には、本発明は、肌から汗を効率的に吸収する能力を提供する多層経編みスペーサー布地構造に関するが、その布地は、第一には濡れたときに、しかし第二には乾燥状態において、より長い持続時間、現在の肌の温度より低い温度に肌を冷却するのに使用することができる。この特許出願に記載されているのは、布地を製造するために共同で一緒に働く4つの糸で構成された一体的に形成された経編みスペーサー構造である。
【背景技術】
【0003】
従来の濡れると活性化する冷却布地は、吸湿性を有する吸収性の糸を使用した織物およびダブルニット構造を使用している。肌の隣りに位置する第一の層は持続的な冷却効果を提供する。しかし、そのような生地は、一般に、迅速に乾燥し、および/または使用者の肌の温度まで暖まり、冷却効果を無効にする。さらに、これらの生地は、通常のテリー織りタオルより薄い傾向があり、汗を吸収するように設計されたループパイルで構成されていないので、汗を吸収する能力が限られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、現在の冷却布地の欠陥を緩和する、より進歩した糸および製作技術を使用した二元機能吸湿冷感布地のニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般に、繊維布地に関し、より具体的には、布地の一方の面で汗を吸収する能力を提供すると同時に、第一には濡れたときに、しかし第二には乾燥状態において、より長い持続時間、現在の肌の温度より低い温度に肌を冷却することができる冷却面をも有する二元機能吸湿冷感経編みスペーサー布地構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、布地の異なる層を示す二元機能吸湿冷感布地の描写的な断面図を示す。
【
図2】
図2A~2Dは、二元機能吸湿冷感布地の構造で使用されてもよいフィラメントの断面図を示す。
【
図3】
図3A~3Eは、二元機能吸湿冷感布地の第一の面の例示的なステッチ表記を示す。
【
図4】
図4A~4Eは、二元機能吸湿冷感布地の第二の(反対の)面の例示的なステッチ表記を示す。
【
図5】
図5は、結合した第一の面と第二の面の結合したステッチ表記を示す。
【
図8】
図8は、ブラシ掛けされエンボス加工された冷却布地の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
経編みスペーサー構造
図1に示すように、二元機能吸湿冷感布地100の第一の面102は、肌表面104から水分または汗を吸収するための複数のループを含む。二元機能布地100の第二の面106は冷却面であり、特に第一の面102に比べて、好ましくは平らである。好ましくは、第一の面102の立ち上がったループは0.2ミリメートルより大きいパイル高さを有する。ループを使用するパターンまたは他の設計に適合するために、第一の面102の立ち上がったループは、いくつかのセクションで省略されてもよい。パイル高さはまた第一の面102の表面にわたって変化してもよい。
【0008】
好ましくは、第2の面106は立ち上がったパイルを含まない。ループパイル高さは、二元機能布地100に望まれる吸収力、持続時間および伝導冷却の量に応じて、他の長さに変更することができる。ここで用いるときは、パイルは布地表面の上に伸びる複数のループ(または他の起立した糸)によって形成された布地効果である。パイル高さは、布地表面の上の複数のループの高さである。
【0009】
第一の面102の反対側にある第二の面106は、消費者に冷感を与えるために蒸発科学の熱を利用して、追加の蒸発冷却性能を与えるように設計された糸を含む。
【0010】
二元機能布地100の実施形態は、スポーツ選手のような使用者の肌104の隣りに着用されることが意図されている。二元機能布地100は、シャツまたは半ズボンのような衣服全体を形成してもよいし、または、使用者の肩/脇の下の近くのような追加の冷却が必要とされる衣服の中に戦略的に統合されてもよい。二元機能布地100は、また、ヘッドバンド、タオル、帽子などのようなスタンドアロンの冷却製品を形成するために利用されてもよい。
【0011】
二元機能布地100の蒸発冷却効果は、二元機能布地100が濡らされ、絞られ、そして空気中でスナップまたはくるくる回されたときに、活性化される。ここに記載された二元機能布地100の冷却効果は、蒸発冷却(蒸発熱)の原理を利用する。この原理は、水が液体から蒸気に変わるためには、熱エネルギーが加えられなければならないことを詳述する。一旦蒸発が起これば、液体の水からのこの熱は、蒸発のために奪われ、その結果、二元機能布地100にはより冷たい液体が残る。
【0012】
一旦二元機能布地100が濡らされ、そして好ましくは過剰の水を除去するために絞られるならば、空気中でスナップするまたはくるくる回すことは、それが水が蓄積されている第一の面102から、環境への水の蒸発がより多く起こる非ループの第二の面106への水分の移動を容易にし促進するのを助けるので、推奨されるプロセスである。空気中でスナップするまたはくるくる回すことは、また、空気および増大した空気流に二元機能布地100のより多くの表面積をさらすことによって、蒸着速度を増加させ、素材温度をより急速に低下させる。より具体的には、二元機能布地100は、蒸発プロセスを容易にし促進する道具として働く。この特許に記載された製造方法は、他の布地を超える追加の冷却の利点を提供することが判明した。
【0013】
一旦外側の蒸発層(例えば第二の面106)の中の残りの水の温度が蒸発によって下がれば、熱交換が、対流によって水の中で、伝導によって水と二元機能布地100との間で、および伝導によって二元機能布地100の中で、起こる。したがって、二元機能布地100の温度は下がる。蒸発プロセスは、蓄積された水が使い果たされるまで、ループ面から非ループ面へ水を逃がすことによって、さらに続く。素材の温度が下がるにつれて、蒸着速度は低下する。二元機能布地100の温度は、環境から素材の中への熱吸収の速度と蒸発による熱放出の速度との間で平衡が達成さtれる点まで、徐々に下がる。
【0014】
一旦濡らされた二元機能布地100が第二の面106で使用者の肌の上に配置されれば、二元機能布地100からの冷却エネルギーは、第二の面106から肌表面104へ伝導によって伝達される。冷却エネルギー伝達が起こった後、二元機能布地100の温度は肌表面104の温度と平衡するように上がる。一旦これが起これば、濡らされた二元機能布地100は、スナップするまたはくるくる回す方法によって、容易に再活性化され、再び温度を下げることができる。前に述べたように、この特許に記載された二元機能布地100を作る方法は、以前の発明を超える追加の冷却利点を提供することが分かっている。
【0015】
一旦濡らされた二元機能布地100が配置されれば、第一の面102は肌表面104からの汗または水分を拭き取るために用いることができる。布地が完全に飽和するまで、使用者はこのように二元機能布地100を使用することができる。その後、二元機能布地100は、再活性化するために、絞ったり、スナップしたりすることができる。使用者の汗は二元機能布地100を活性化するためにさえ使用することができる。
【0016】
二元機能布地100の独特の冷却効果を生み出すために、好ましくは、経編みスペーサー構造が、同一の材料の中に異なる糸を含む二元機能層を有する布地を作るために利用される。第二の面106(冷却面)は、主にポリエステルまたはナイロンの糸を含むとともに、ひんやりした感触を提供しながら水分を運び蒸発させる働きをする冷却鉱物(または粒子)が埋め込まれたオプションの修正断面糸を含む。反対面の第一の面102(吸収面)は、主にポリエステル糸およびナイロン糸のいずれかを含むとともに、布地が水分を吸収し、運びかつ保持する能力を高めるのを可能にする特別の吸収糸を含む。
【0017】
二元機能布地100は、また、好ましくは、二元機能布地100に改善されたドレープおよびストレッチ特性を提供するスパンデックスのようなエラストマー糸をも含む。エラストマー糸は、また、二元機能布地100の中のより吸収性かつ蒸発性の糸に水分が迅速に消散するのを可能にするために疎水性をも提供する。二元機能布地100の意図された最終用途は、スポーツ、スポーツイベント、レジャーイベントまたは家のまわりの「日曜大工」の仕事への参加のような活動からの汗の吸収および冷却の両方を提供する。二元機能布地100は暑さの中でも人が涼しくありたいと思ういかなる場合にも使用することができる。
【0018】
二元機能冷感吸湿布地は、すべて同一の材料で吸収および冷却の2つの目的を有することができるという点で独特である。したがって、二元機能布地100は、市場の現在の選択肢を超える増大した量の吸収性および冷却力で吸収および伝導冷却の2つの目的を提供するために、アクセサリーおよび/またはアパレル産業で使用することができる。
【0019】
図2A~2Dは、二元機能布地100の製作において利用することができる糸フィラメントの断面図を示す。スパンデックスのような伸縮性の合成(エラストマー)糸の単一のフィラメントの断面を、
図2Dに示す。後述するように、エラストマー糸は、一般に、製作中にバー4で利用され、二元機能布地100にドレープおよびストレッチ特性を提供する。
【0020】
他のバー(例えば1~3)は様々な他の糸を利用してもよい。
図2Aおよび2Cは、伝導冷却およびひんやりした感触をも提供しながら、肌表面104からの水分を運び蒸発させるために、鉱物または粒子(例えばひすいまたは雲母)が埋め込まれていてもよい独特の断面を有するナイロンまたはポリエステル(蒸発性)糸を示す。そのような断面を有する適切な蒸発性糸の例としては、マイパン(Mipan)アクア-x(aqua-x)およびアスキン(askin)が挙げられ、それらは両方とも大韓民国のヒョースン社(Hyosung Corporation)によって生産され、それらはまた両方ともUV保護を提供する。
【0021】
図2Bは、特別の星状断面(星状断面は、二元機能布地100が編まれた後に適用される処理の結果として形成される。)を有する複合二成分ポリエステルおよびナイロン(吸収性)糸の断面を示す。そのような糸は大抵の冷却布地に使用されている従来の吸収性糸より吸収性が高い。第一の面102に利用される糸は、好ましくは、AATCC法197を使用して2分後に試験したときに、密度が同等の綿の少なくとも2倍の吸上率および吸上距離を有するヒョースン・マイパンXFである。
【0022】
編み物製作の詳細
二元機能布地100は、好ましくは、経編みスペーサーマシンを使用して製作される。さらに、二元機能布地100の重量範囲は、好ましくは、100~600g/m2である。二元機能布地100の記載された実施形態は、好ましくは、以下の繊維含有率を有する。
選択肢1 - ポリ/スパンデックスブレンド - ポリエステル62%、冷却ポリエステル28%、スパンデックス10%(各繊維について±10%変更してもよい。)
選択肢2 - ポリ/ナイロン/スパンデックスブレンド - ポリエステル60%、冷却ナイロン30%、スパンデックス10%(各繊維について±10%変更してもよい。)
選択肢3 - 冷却ポリエステル91%、スパンデックス9%
選択肢4 - ポリエステル91%+スパンデックス9%
【0023】
二元機能布地100のこれらの様々な選択肢を生産するステッチ表記の例を、以下に記載する。各々のバーの表記は様々な代替品を生産するために変更することができる。
図3A~3Dは、それぞれ、選択肢1による第一の面102(ループ面)のバー1~4のステッチ表記を示す。同様に、
図4A~4Dは、それぞれ、選択肢1による第二の面106のバー1~4のステッチ表記を示す。
図3Eは、選択肢1による第一の面102の組み合わせたステッチ表記を示し、
図4Eは、第二の面106の組み合わせたステッチ表記を示す。最後に、
図5は、二元機能布地100全体の選択肢1の組み合わせたステッチ表記を示す。記載された選択肢では、フロントバーとバックバーは、糸の同一の端を共有する。
【0024】
選択肢1 - 経編みスペーサー - ポリ/スパンデックスブレンド - ポリエステル90%、スパンデックス10%(冷却ポリエステル30%)
選択肢1の第一の面102
図3A - バー1:2-2/0-0(50D/72Fポリエステル)-吸収性糸
図3B - バー2:2-2/0-0(50D/72Fポリエステル)-吸収性糸
図3C - バー3:1-0/2-3(50D/72F冷却ポリエステル)-アスキンのような冷却糸
図3D - バー4:0-0/2-2(70Dスパンデックス)-エラストマー糸
選択肢1の第二の面106
図4A - バー1:1-0/1-2(50D/72Fポリエステル)-吸収性糸
図4B - バー2:1-0/1-2(50D/72Fポリエステル)-吸収性糸
図4C - バー3:2-1/1-2(50D/72F冷却ポリエステル)-アスキンのような冷却糸
図4D - バー4:1-2/1-0(70Dスパンデックス)-エラストマー糸
【0025】
選択肢1のバー1は、好ましくは、50デニール/72フィラメント延伸加工ポリエステル糸を使用する。選択肢1のバー2は、好ましくは、50デニール/72フィラメント延伸加工ポリエステル糸を使用する。選択肢1のバー3は、好ましくは、50デニール/72フィラメント延伸加工フルダル冷却ポリエステル糸を使用する。選択肢1のバー4は、好ましくは、70デニールのスパンデックス糸(または均等なエラストマー糸)を使用する。
【0026】
好ましくは、選択肢1に従って生産される二元機能布地は、第二の面106で50~56コース/インチのコースカウントおよび33~39ウェール/インチのウェールカウントを有する。
【0027】
上に詳述した選択肢1の構造に加えて、二元機能布地100の代替の実施形態の様々なステッチ構造を以下に記述する。
【0028】
選択肢2 - 経編みスペーサー - ポリ/ナイロン/スパンデックスブレンド - ポリエステル60%、ナイロン30%、スパンデックス10%(冷却ナイロン30%)
選択肢2の第一の面102
バー1:2-2/0-0(50D/72Fポリエステル)-吸収性糸
バー2:2-2/0-0(50D/72Fポリエステル)-吸収性糸
バー3:1-0/2-3(50D冷却ナイロン)-アクア-xのような冷却糸
バー4:0-0/2-2(70Dスパンデックス)-エラストマー糸
選択肢2の第二の面106
バー1:1-0/1-2(50D/72Fポリエステル)-吸収性糸
バー2:1-0/1-2(50D/72Fポリエステル)-吸収性糸
バー3:2-1/1-2(50D冷却ナイロン)-アクア-xのような冷却糸
バー4:1-2/1-0(70Dスパンデックス)-吸収性糸
【0029】
選択肢2のバー1は、好ましくは、50デニール/72フィラメント延伸加工ポリエステル糸を使用する。選択肢2のバー2は、好ましくは、50デニール/72フィラメント延伸加工ポリエステル糸を使用する。選択肢2のバー3は、好ましくは、50デニール/72フィラメント延伸加工フルダル冷却ナイロン糸を使用する。選択肢2のバー4は、好ましくは、70デニールのスパンデックス糸(または均等なエラストマー糸)を使用する。
【0030】
選択肢3 - 経編みスペーサー - ポリエステル90%+スパンデックス10%(冷却ポリエステル90%)
選択肢3の第一の面102
バー1:2-2/0-0(50D/72F冷却ポリエステル)-アスキンのような冷却糸
バー2:2-2/0-0(50D/72F冷却ポリエステル)-アスキンのような冷却糸
バー3:1-0/2-3(50D/72F冷却ポリエステル)-アスキンのような冷却糸
バー4:0-0/2-2(70Dスパンデックス)-エラストマー糸
選択肢3の第二の面106
バー1:1-0/1-2(50D/72F冷却ポリエステル)-アスキンのような冷却糸
バー2:1-0/1-2(50D/72F冷却ポリエステル)-アスキンのような冷却糸
バー3:2-1/1-2(50D/72F冷却ポリエステル)-アスキンのような冷却糸
バー4:1-2/1-0(70Dスパンデックス)-エラストマーの糸
【0031】
選択肢3のバー1~3は、好ましくは、50デニール/72フィラメント延伸加工フルダル冷却ポリエステル糸を使用する。選択肢3のバー4は、好ましくは、70デニールのスパンデックス(または均等なエラストマー糸)を使用する。
【0032】
選択肢4 - 経編みスペーサー - ポリエステル/ナイロン90%+スパンデックス10%
選択肢4の第一の面102
バー1:2-2/0-0(吸収性および/または冷却糸)
バー2:2-2/0-0(吸収性および/または冷却糸)
バー3:1-0/2-3(吸収性および/または冷却糸)
バー4:0-0/2-2(エラストマー糸)
選択肢4の第二の面106
バー1:1-0/1-2(吸収性および/または冷却糸)
バー2:1-0/1-2(吸収性および/または冷却糸)
バー3:2-1/1-2(吸収性および/または冷却糸)
バー4:1-2/1-0(エラストマー糸)
【0033】
上記の選択肢1~4から分かるように、一般に二元機能布地100を生産するための4バー経編みスペーサー構造は、バー1および2に吸収性糸、バー3に冷却糸およびバー4にエラストマー糸を含む。これは、肌表面104から水分を吸収する第一の面102に吸収性糸がループを形成することを保証する。さらに、バー3の冷却糸は、吸収性糸からの水分の吸上および蒸発に役立つ。最後に、バー4で使用されるエラストマー糸(例えばスパンデックス)は、二元機能布地100がドレープ性およびストレッチ性を有することを保証する。
【0034】
追加の性能糸
いくつかの実施形態では、他の性能糸を二元機能布地100に使用することができる。具体的には、選択肢1~4のバー1~4にリストされた糸のために、追加の性能特性を有する他の蒸発性糸が、冷却効果を強化するのために、蒸発性糸(例えば50D/72F冷却ポリエステル)に加えられ、ブレンドされ、撚り合わせられることができる。これらの糸は、限定するものではないが、次のものであり得る。
【0035】
・ 鉱物含有 - 雲母、ひすい、ココナッツシェル、火山灰、グラフェンなどを含む鉱物を埋め込んだ糸を、ひんやりした感触および高められた蒸発性能を提供するために、加えることができる。鉱物糸は、追加の蒸発力を提供する露出した粒子を有するため、より大きな表面積を有する。このタイプの糸の例は37.5ポリエステルおよび37.5ナイロンであろう。
【0036】
・ 吸収性糸 - 二成分合成糸、代替の修正断面合成糸、セルロース系および非セルロース系混紡糸のような高吸収性糸を使用することができる。これは、フィラメントと紡績糸の両方、およびそれらの糸の組み合わせを含むことができる。
【0037】
・ 相変化 - 「アウトラスト」ポリエステルおよび「アウトラスト」ナイロン、セルロース系および非セルロース系混合繊維のような相変化糸を、追加の冷却力および冷却感触を提供するために、本発明に加えることができる。
【0038】
追加の性能糸のデニール/フィラメント範囲:
○ バー1~3 - 吸収性または冷却ポリエステルまたはナイロン糸
・ デニール範囲 - 10デニール~200デニール
・ フィラメント範囲 - 10フィラメント~400フィラメント
○ バー4 - エラストマー糸(スパンデックスまたは他のエラストマー糸)
・ デニール範囲 - 10デニール~340デニール
【0039】
吸収性糸の詳細(バー1および2)
以下は、二元機能布地100の製造に使用することができる様々な吸収性糸の説明を提供する。これらの吸収性糸は肌表面104からの水分を吸収する二元機能布地100の第一の面102にループを作るために使用される。吸収性糸は、また、既に記述したように、濡れたときに二元機能布地100の中に水分を保持するのを助け、それが冷却に役に立つ。
【0040】
第一のタイプの吸収性糸はマイクロデニールである。具体的には、マイクロデニールはフィラメント1本あたり1デニール(dpf)未満の糸である。マイクロデニールの例は、デニール(50)をフィラメント(72)で割った値が1未満である50デニール/72フィラメントである。さらに、1.2dpf以下のフィラメントあたりデニール比を含むマルチフィラメント糸もまた本発明において使用することが可能であろう。マイクロデニールは二元機能布地100の製作中にバー1~3のいずれかに使用されてもよい。
【0041】
複合糸(高吸収性二成分ポリエステル/ナイロン)糸もまた、好ましくは、本発明に追加の吸収性特徴を付与するために、バー1~3において使用することができる。複合糸は、染色中に、バインダーを溶解し、糸を分割し、パイ状の断面を作ることを可能にするプロセスを受ける。この断面は典型的な合成繊維より大きな水分保持を可能にする。
【0042】
帝人によって生産されたナノフロント合成糸技術もまた、好ましくは、二元機能布地100に追加の吸収性特徴を付与するために、バー1~3において使用することができる。この技術を使用すると、人の髪の毛の厚さの1/7,500である700ナノメートルの繊維直径を有することが可能である。現在、この糸はポリエステル系である。
【0043】
イーストマン(Eastman)によって生産されたAvra糸技術は、追加の水分管理および吸収性能を提供することができ、バー1~3において使用することができる繊維である。
【0044】
好ましくは、二元機能布地100において使用される吸収性糸(バー1~3)はすべて、以下の特性を有する。第一に、吸収性糸は、第一の面102から第二の面106に水分を移動させて蒸発を促進するそれらの能力によって、吸上および水分管理特性を提供する。
【0045】
また、これらの糸は「ひんやりした感触」を提供することができる。ひんやりした感触はQ-max試験によって試験される。好ましくは、二元機能布地100は、第二の面106に0.130W/cm2より大きいQ-maxを有し、それはポリエステル系製品のひんやりした感触要求のための通常の業界基準に基づくひんやりした感触効果を示す。好ましくは、濡れているときの第二の面106のQ-Max(選択肢1 - 0.442W/cm2)は、乾燥しているときの第二の面106のQ-Max(選択肢1 - 0.163W/cm2)の少なくとも2倍である。また、濡れているときの第二の面106のQ-Max(選択肢1 - 0.442W/cm2)は、濡れているときの第一の面102のQ-Max(選択肢1 - 0.157W/cm2)の少なくとも2倍である。
【0046】
上記の吸収性糸は、また、水分の迅速な吸収を提供し、AATCC 79に従って試験したときに、水分が3秒未満で布地の中へしみこむのを可能にする。
【0047】
冷却糸の詳細(バー1~3)
冷却糸は水分を毛細管現象で吸い上げる合成糸である。アスキンおよびマイパン・アクア-Xのような冷却蒸発性糸は、二元機能布地100に迅速な吸収、速い乾燥および毛細管吸上作用を提供するのを可能にする修正断面を有する。これらの冷却繊維は、二元機能布地100が第二の面106に0.130以上のQ-maxを有することを可能にする雲母、二酸化チタンまたはひすいのような埋め込まれた鉱物または粒子を有する。さらに、修正断面冷却蒸発性糸は不透明度およびUV保護を付加する。したがって、これらの糸の使用は一般的なポリエステルより多くの蒸発冷却力を可能にする。
【0048】
エラストマー糸の詳細(バー4)
既に記載したように、バー4は好ましくは二元機能布地100の実施形態においてエラストマー糸を利用する。エラストマー糸は機能的なストレッチおよび回復特性を提供する。具体的に、エラストマーは過度の伸びを防ぐために布地において使用される。具体的に、ASTM D2594で試験した時に60秒後にエラストマーが10%以下の伸びを維持するのを助けるように、二元機能布地100は好ましくは10%以下のスパンデックス糸を含む。
【0049】
二元機能布地100の追加の利点
使用中、二元機能布地100は、濡れて活性化されたときに、平均中核体温(98.6F)より30度低い温度に下げることができる。さらに、二元機能布地100は、現在のマイクロファイバー冷却タオルと比較したときにW/m2で測定した伝導性冷却力が60%以上増加し、PVAおよび綿のタオルよりも伝導性冷却力が50%以上増加する。
【0050】
二元機能布地100は、外部の湿度/温度に応じて、11.0時間を超える冷却持続時間を有する。これは管理された実験室環境における独立した研究によって支持されている。その報告書は、二元機能布地100が11.1時間まで50%以上濡れた状態にとどまっていたことを検証し、そのことはそれが従来のマイクロファイバー冷却布地より長い間タオルの内部に水を保持することができること、そしてそれによって従来のマイクロファイバー冷却布地より長い間蒸発冷却を生じることを意味する。
【0051】
二元機能布地100のウェットピックアップパーセンテージ(Wet-Pick-Up Percentage)は、また、その重量の4倍を超え、それは市場における従来のマイクロファイバー冷却布地選択肢より著しく高い。二元機能布地100は、また、肌に対して配置されたときに、第一の面102からの吸収能力を有し、その反対面(第二の面106)にひんやりした感触を有する。
【0052】
追加の試験は、二元機能布地100の1つの実施形態のウェットピックアップパーセンテージ(WPU%)がその布地の重量の489%または4.9倍であることを実証した。さらに、その布地の代替の実施形態での試験は、布地の重量の532%すなわち5.3倍のWPU%を有する。これは、従来のマイクロファイバー冷却タオルが歴史上到達した最大値である157%のWPU%すなわち布地の重量の1.57倍を超える増加である。
【0053】
ループ吸収面(第一の面102)の二元機能布地100の糸と、冷却面(第二の面106)において使用される蒸発性糸との組み合わせにより、ワット/m2で測定された伝導性冷却力がポリビニルアルコール(PVA)および100%綿織物タオルの両方よりも高くなる。具体的には、2つの別個の試験報告書は、それぞれ、ここに記載された二元機能布地100が23,483ワット/m2(選択肢4の415g/m2の実施形態)および22,709ワット/m2(選択肢1の395g/m2の実施形態)を生じさせるが、PVAおよび綿のタオルがそれぞれわずか15,011および14,967ワット/m2しか生じさせないことを示した。したがって、これは、「発汗ホットプレートを用いた衣服材料の耐熱性および耐蒸発性の標準試験法」と題する修正ASTM F1868法を使用してバールテスト・ラボラトリーズ(Vartest Laboratories)で試験することによって測定したときに、本発明の二元機能布地100が、PVAおよび綿のタオルの両方より約56%~51%高いワット数の冷却エネルギーを生じさせることを示す。
【0054】
二元機能布地100は、また、微生物の増殖を抑制し、それによって悪臭を放たずにそれを再使用可能にするために加えられる抗菌性化学物質または特別の糸で処理することができる。冷却能力を付与するために二元機能布地100に化学薬品を加える必要はない。さらに、記載された実施形態のいずれかに従って作られた二元機能布地100は、柔らかく乾燥し、再使用可能で、機械で洗濯できる。
【0055】
仕上げ方法
通常の布地仕上げ方法に加えて、本発明の実施形態は、二元機能吸湿冷感布地100の製作の前または後に、二元機能吸湿冷感布地100が濡らされて活性化したときに、追加の冷却力、持続時間、温度および他の冷却性能特性を与える追加の仕上げ方法を適用することを含む。以下は、二元機能吸湿冷感布地100での使用に適した追加の仕上げ方法の例を提供する。以下の方法の組み合わせもまた使用してもよい。
【0056】
・ ブラシ掛け - ピンブラッシング、それほど突出していないセラミックペーパーブラッシングのような方法を使用したブラシ掛けは、冷却布地にパイル高さを提供する。このパイル高さは、審美的により柔らかい手ざわりと追加の吸収能力を提供する。さらに、水蒸発のための追加された表面積は、蒸発の速度を速めるのを助ける。ピン型ブラッシング機の概略図を
図6に示す。図示されるように、二元機能吸湿冷感布地100の1つの面(面106)は、二元機能吸湿冷感布地100が供給される方向と反対の方向に回転するピンブラッシャー602の上に供給される。二元機能吸湿冷感布地100がピン604の上を通過するとき、ピンは、第二の面106の表面にゆっくりブラシをかけ、裏面は無傷のままににしておく。いくつかの実施形態では、二元機能布地100の両面にブラシをかけることができる。
【0057】
・ エンボス加工 - エンボス加工は、布地表面に繊維の再配向を生み出す。この仕上げ方法は糸の表面を平らにすることによって表面積を増やすために使用される。この増えた表面積は、より高い蒸着速度を可能にし、それによって追加の冷却特性およびより高いレベルの蒸発を生み出す。エンボス加工マシンおよびプロセスの概略図を
図7に示す。ここで、二元機能吸湿冷感布地100は、加熱ローラー702と加熱されていないローラー704の間に供給される。加熱ローラー702の表面は、一般に、最終的なエンボス加工された布地(第二の面106)に現われるべきパターンを含む。他の実施形態では、二元機能吸湿冷感布地100の両面がエンボス加工されることになっている場合、布地は逆にされてもよい。
【0058】
・ ブラシ掛け+エンボス加工 - ブラシ掛けとエンボス加工の組み合わせの使用は、冷却布地に追加の冷却特性を付与することができる。ブラシ掛けおよびエンボス加工の遂行の利点は両方とも上に記載されている。ブラシ掛けとエンボス加工の両方がされたテクスチャード加工された二元機能布地100のサンプルを、
図8に示す。
【0059】
化学薬品の更新
二元機能吸湿冷感布地100を活性化するために、湿気に追加の冷却力、持続時間およびより低い温度を付与するために、化学薬品もまた使用することができる。以下は、追加の仕上げ方法の概要である。これらの方法の組み合わせも二元機能布地100で使用することができる。
【0060】
・ 冷却印刷 - 従来および非従来の印刷技術を使用して印刷された化学物質は、冷却する布地100表面に、疎水性、親水性、相変化、鉱物(粒子)などの化学的性質を加えるために使用することができる。活性化するために濡らされたときに、これらの化学物質は追加の冷却力、持続時間およびより低い温度を付与する。
【0061】
・ 冷却ゲル - 二元機能布地100の上に印刷またはコーティングされた専売組成の冷却ゲルは、二元機能布地100に追加の冷却特性を付与することができる。
【0062】
・ 冷却仕上げ剤 - キシリトール、エリトリトールおよびその他の冷却仕上げ剤のような冷却化学物質は、活性化するために濡らされたときに、そして第二には乾燥状態で、二元機能布地100に追加の冷却特性を付与するために、二元機能吸収および二元機能布地100に加えることができる。
【0063】
布地製作および糸位置
丸編みスペーサー -
図1に示したのと同様の層状化効果は、丸編みスペーサーを使用しても達成することができる。丸編みスペーサーマシンは、材料に追加の厚みを提供するためにモノフィラメント糸のような追加の糸を挿入する追加の能力を有する。モノフィラメント糸のような糸によって生み出されたこの追加の厚みは、複合糸で断続的に置き換えるか組み合わせることができ、使用される外側の糸は、高蒸発性糸または前に記載された任意の糸であることができる。
【0064】
・ 横編み -
図1に示されたのと同様の層状化効果は、横編み機を使用しても達成することができる。横編み機は非常に融通性があり、複雑なステッチ設計、形作られた編み出しおよび精密な幅調節を可能にする。工業用の横編み機の最大の2つの製造業者は、ドイツのストール(Stoll)と日本の島精機(Shima Seiki)である。
【0065】
本発明は様々な実施例に関して記述された。しかしながら、以下の特許請求の範囲によって記載される発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されるべきである。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]第一の糸および第二の糸を含む2つの別個の糸によって形成された吸収面と、第一の糸、第二の糸、蒸発冷却糸およびエラストマー糸を含む4つの別個の糸によって形成された冷却面とを含む表裏のある吸湿冷感布地であって、
第一の糸および第二の糸は、表裏のある吸湿冷感布地の製作中に、離れているが隣接するニッティングバーに配置され、
第一の糸および第二の糸は一緒に、肌の表面から水分を吸収するためにパイル高さが0.2ミリメートルより大きい吸収面にループを形成し、
冷却面は、吸収された水分を冷却面に暴露して蒸発させるために、吸収面から吸収された水分を運ぶように構成されている、表裏のある吸湿冷感布地。
[2]表裏のある吸湿冷感布地は冷却面の上の肌の表面を最大20°F冷却し、表裏のある吸湿冷感布地が濡れているときは中核体温を最大40°F冷却する、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[3]表裏のある吸湿冷感布地は、濡れているときは、4時間を超える時間の間、肌の表面を冷却する、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[4]表裏のある吸湿冷感布地は経編みスペーサー構造を使用して製作される、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[5]表裏のある吸湿冷感布地は経編みスペーサーマシンを使用して製作される、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[6]第一の糸が、マイクロデニール、マイクロファイバー、複合二成分ポリ/ナイロン、冷却ポリエステルアスキン(askin)または冷却ナイロンアクア-x(aqua-x)である、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[7]第二の糸が、マイクロデニール、マイクロファイバー、複合二成分ポリ/ナイロン、冷却ポリエステルアスキンまたは冷却ナイロンアクア-xである、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[8]蒸発冷却糸がアスキンまたはアクア-xである、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[9]表裏のある吸湿冷感布地が100~600g/m
2
の重量を有する、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[10]エラストマー糸がスパンデックスである、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[11]複数のループを有する吸収面と非ループ冷却面とを含む経編みスペーサー構造を使用して製造された表裏のある吸湿冷感布地であって、
吸収面の第一のバーが第一の糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
吸収面の第二のバーが第二の糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第三のバーが第三の糸を使用して第一のコースで1-0/2-3ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第四のバーが第四の糸を使用して第一のコースで0-0/2-2ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第一のバーが吸収面の第一のバーからの第一の糸を同時に使用して第一のコースで1-0/1-2ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第二のバーが吸収面の第二のバーからの第二の糸を同時に使用して、第一のコースで1-0/1-2ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第三のバーが吸収面の第三のバーからの第三の糸を同時に使用して第一のコースで2-1/1-2ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第四のバーが吸収面の第四のバーからの第四の糸を同時に使用して第一のコースで1-2/1-0ステッチ表記を使用し、
第一の糸がマイクロデニールポリエステル糸であり、
第二の糸がマイクロデニールポリエステル糸であり、
第三の糸が冷却ポリエステル糸であり、そして
第四の糸がエラストマー糸である、表裏のある吸湿冷感布地。
[12]第一の糸が50デニール/72フィラメントの延伸加工糸である、[11]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[13]第二の糸が50デニール/72フィラメントの延伸加工糸である、[12]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[14]第四の糸がスパンデックスである、[13]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[15]ループ吸収面と非ループ冷却面とを含む経編みスペーサー構造を使用して製造された表裏のある吸湿冷感布地であって、
ループ吸収面の第一のバーがマイクロファイバーポリエステル糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第一のバーがマイクロファイバーポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第二のバーがマイクロファイバーポリエステル糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第二のバーがマイクロファイバーポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第三のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/2-3ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第三のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで2-1/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第四のバーがエラストマーの糸を使用して第一のコースで0-0/2-2ステッチ表記を使用し、そして
非ループ冷却面の第四のバーがエラストマー糸を使用して第一のコースで1-2/1-0ステッチ表記を使用する、表裏のある吸湿冷感布地。
[16]ループ吸収面と非ループ冷却面とを含む経編みスペーサー構造を使用して製造された表裏のある吸湿冷感布地であって、
ループ吸収面の第一のバーがマイクロファイバーポリエステル糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第一のバーがマイクロファイバーポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第二のバーがマイクロファイバーポリエステル糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第二のバーがマイクロファイバーポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第三のバーが蒸発冷却ナイロン糸を使用して第一のコースで1-0/2-3ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第三のバーが蒸発冷却ナイロン糸を使用して第一のコースで2-1/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第四のバーがエラストマー糸を使用して第一のコースで0-0/2-2ステッチ表記を使用し、そして
非ループ冷却面の第四のバーがエラストマー糸を使用して第一のコースで1-2/1-0ステッチ表記を使用する、表裏のある吸湿冷感布地。
[17]ループ吸収面と非ループ冷却面とを含む経編みスペーサー構造を使用して製造された表裏のある吸湿冷感布地であって、
ループ吸収面の第一のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第一のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第二のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第二のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第三のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/2-3ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第三のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで2-1/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第四のバーがスパンデックス糸を使用して第一のコースで0-0/2-2ステッチ表記を使用し、そして
非ループ冷却面の第四のバーがスパンデックス糸を使用して第一のコースで1-2/1-0ステッチ表記を使用する、表裏のある吸湿冷感布地。
[18]ループ吸収面と非ループ冷却面とを含む経編みスペーサー構造を使用して製造された表裏のある吸湿冷感布地であって、
ループ吸収面の第一のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第一のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/2-3ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第二のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで2-2/0-0ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第二のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/2-3ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第三のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで1-0/2-3ステッチ表記を使用し、
非ループ冷却面の第三のバーが蒸発冷却ポリエステル糸を使用して第一のコースで2-1/1-2ステッチ表記を使用し、
ループ吸収面の第四のバーがスパンデックス糸を使用して第一のコースで0-0/2-2ステッチ表記を使用し、そして
非ループ冷却面の第四のバーがスパンデックス糸を使用して第一のコースで1-2/1-0ステッチ表記を使用する、表裏のある吸湿冷感布地。
[19]ループはパイル高さが2~3mmである、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[20]ループはパイル高さが0.5~10mmである、[1]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。
[21]複数のループを有する吸収面および吸収面と反対側の冷却面を含む表裏のある吸湿冷感布地であって、
複数のループのパイル高さが表裏のある吸湿冷感布地の伝導冷却の持続時間に比例し、
湿潤時の冷却面のQ-Maxが乾燥時の冷却面のQ-Maxの少なくとも2倍である、表裏のある吸湿冷感布地。
[22]湿潤時の冷却面のQ-Maxが湿潤時の吸収面のQ-Maxの少なくとも2倍である、[21]に記載の表裏のある吸湿冷感布地。