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特許7498674搬送機構、切断装置及び切断品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】搬送機構、切断装置及び切断品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23Q 41/02 20060101AFI20240605BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240605BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
B23Q41/02 A
H01L21/68 A
B23Q7/04 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021005428
(22)【出願日】2021-01-18
(65)【公開番号】P2022110183
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】深井 元樹
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-160732(JP,A)
【文献】特開2016-162954(JP,A)
【文献】特開2009-231731(JP,A)
【文献】特開平09-307291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 41/02
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のグループの吸着ノズル及び第2のグループの吸着ノズルにより構成される複数の吸着ノズルが配置された搬送機構であって、
前記第1のグループの吸着ノズルを昇降させる第1のモータと、
前記第2のグループの吸着ノズルを昇降させる第2のモータと、
前記複数の吸着ノズルを、前記複数の吸着ノズルの昇降方向に対して交わる平面内で回転させる第3のモータと、
前記複数の吸着ノズルのうち任意の吸着ノズルを、前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動に関わらず所定の上昇位置に維持することが可能な昇降位置維持機構と、
前記第3のモータの動力を前記複数の吸着ノズルに伝達する第3の動力伝達機構と、
を具備し、
前記第3の動力伝達機構は、
前記複数の吸着ノズルに対応する複数の回転ギヤと、
前記第3のモータが駆動した場合に回転する回転ピニオンと、
前記複数の回転ギヤに噛み合うように配置され、前記回転ピニオンの回転に伴って移動する棒状の回転ラックと、
を有し、
前記複数の回転ギヤは前記回転ラックが移動した場合に回転し、
前記複数の回転ギヤが回転した場合、前記複数の回転ギヤに対応する前記複数の吸着ノズルが回転し、
前記第1のモータ及び前記第2のモータは、それぞれ単一のモータであり、
前記複数の吸着ノズルは一列に並んで配置されると共に、前記第1のグループの吸着ノズル及び前記第2のグループの吸着ノズルのうち少なくともいずれか一方のグループの吸着ノズルの間に、他方のグループの吸着ノズルが配置される、
搬送機構。
【請求項2】
前記複数の吸着ノズルをそれぞれ昇降可能となるように保持すると共に、前記複数の吸着ノズルの昇降方向に対して交わる平面内で回転可能となるように保持するノズル保持機構と、
前記第1のモータの動力を前記第1のグループの吸着ノズルに伝達する第1の動力伝達機構と、
前記第2のモータの動力を前記第2のグループの吸着ノズルに伝達する第2の動力伝達機構と、
をさらに具備する、
請求項1に記載の搬送機構。
【請求項3】
前記昇降位置維持機構は、
前記複数の吸着ノズルのそれぞれに対応して設けられ、前記第1の動力伝達機構及び前記第2の動力伝達機構からの動力を、それぞれ前記第1のグループの吸着ノズル及び前記第2のグループの吸着ノズルへと伝達する複数の伝達部材と、
前記複数の伝達部材のそれぞれに対応して設けられ、前記第1の動力伝達機構及び前記第2の動力伝達機構から前記伝達部材への動力の伝達を遮断することが可能なアクチュエータと、
を具備する、
請求項2に記載の搬送機構。
【請求項4】
前記アクチュエータは、エアシリンダにより構成される、
請求項3に記載の搬送機構。
【請求項5】
隣り合う2つの吸着ノズルのうち、一方の吸着ノズルの上昇中に、他方の吸着ノズルを下降させるように、前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記昇降位置維持機構の動作が制御される、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の搬送機構。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の搬送機構を具備する切断装置。
【請求項7】
請求項6に記載の切断装置を用いて切断品を製造する切断品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送機構、切断装置及び切断品の製造方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体パッケージを吸着して搬送する機構(伝達部)を具備する半導体パッケージ加工システムの技術が開示されている。具体的には、特許文献1に記載の半導体パッケージ加工システムは、半導体パッケージを吸着する複数のノズルと、各ノズルに対応して設けられ、ノズルを垂直に移動させるモータ(第1駆動手段)と、2つのノズルに対して1つずつ設けられ、ノズルを回転させるモータ(第2駆動手段)と、を具備している。
【0003】
このように構成された半導体パッケージ加工システムでは、第1駆動手段によってノズルを個別に昇降させると共に、第2駆動手段によってノズルを回転させることができる。これらのノズルの動作を組み合わせて、半導体パッケージを円滑に吸着し、搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-207326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ノズルを動作(昇降及び回転)させるために、ノズルの1.5倍の個数のモータが必要(例えば特許文献1に記載された例では、8個のノズルに対して12個のモータが必要)となり、構成の簡素化が困難である点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、構成の簡素化を図ることが可能な搬送機構、切断装置及び切断品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、この課題を解決するため、本発明に係る搬送機構は、第1のグループの吸着ノズル及び第2のグループの吸着ノズルにより構成される複数の吸着ノズルが配置された搬送機構であって、前記第1のグループの吸着ノズルを昇降させる第1のモータと、前記第2のグループの吸着ノズルを昇降させる第2のモータと、前記複数の吸着ノズルを、前記複数の吸着ノズルの昇降方向に対して交わる平面内で回転させる第3のモータと、前記複数の吸着ノズルのうち任意の吸着ノズルを、前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動に関わらず所定の上昇位置に維持することが可能な昇降位置維持機構と、前記第3のモータの動力を前記複数の吸着ノズルに伝達する第3の動力伝達機構と、を具備し、前記第3の動力伝達機構は、前記複数の吸着ノズルに対応する複数の回転ギヤと、前記第3のモータが駆動した場合に回転する回転ピニオンと、前記複数の回転ギヤに噛み合うように配置され、前記回転ピニオンの回転に伴って移動する棒状の回転ラックと、を有し、前記複数の回転ギヤは前記回転ラックが移動した場合に回転し、前記複数の回転ギヤが回転した場合、前記複数の回転ギヤに対応する前記複数の吸着ノズルが回転し、前記第1のモータ及び前記第2のモータは、それぞれ単一のモータであり、前記複数の吸着ノズルは一列に並んで配置されると共に、前記第1のグループの吸着ノズル及び前記第2のグループの吸着ノズルのうち少なくともいずれか一方のグループの吸着ノズルの間に、他方のグループの吸着ノズルが配置されるものである。
【0008】
また本発明に係る切断装置は、前記搬送機構を具備するものである。
【0009】
また本発明に係る切断品の製造方法は、前記切断装置を用いて切断品を製造するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、構成の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る切断装置の全体的な構成を示した平面模式図。
図2】切断品の製造方法を示したフローチャート。
図3】本発明の一実施形態に係る搬送機構の全体的な構成を示した前方斜視図。
図4】同じく、後方斜視図。
図5】同じく、一部分解平面図。
図6】同じく、正面図。
図7】同じく、側面図。
図8図6のA-A断面図。
図9図6のB-B断面図。
図10】吸着ノズルの基本動作を示したフローチャート。
図11】吸着ノズルの基本動作を示した模式図。
図12】複数の吸着ノズルの動作を示した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<切断装置1の全体構成>
まず、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係る切断装置1の構成、及び切断装置1を用いた切断品の製造方法について説明する。本実施形態においては、例えば、切断装置1による切断対象物として、半導体チップ等の電子素子が接続された基板を樹脂封止したパッケージ基板Pを用いる場合の、切断装置1の構成について説明する。
【0013】
パッケージ基板Pとしては、例えば、BGA(Ball grid array)パッケージ基板、LGA(Land Grid Array)パッケージ基板、CSP(Chip size package)パッケージ基板、LED(Light emitting diode)パッケージ基板等が使用される。また、切断対象物としては、パッケージ基板Pだけでなく、半導体チップ等の電子素子が接続されたリードフレームを樹脂封止した封止済みリードフレームが使用されることもある。
【0014】
なお、以下では、パッケージ基板Pの両面のうち、樹脂封止される側の面であるパッケージ側の面をモールド面、モールド面と反対側の基板側の面をボール/リード面と、それぞれ称する。
【0015】
切断装置1は、構成要素として、切断モジュールA及び検査モジュールBを具備する。各構成要素は、他の構成要素に対して着脱可能かつ交換可能である。以下、切断モジュールA及び検査モジュールBの構成、切断モジュールA及び検査モジュールBによる作業工程について順に説明する。
【0016】
<切断モジュールA>
切断モジュールAは、主にパッケージ基板Pの切断を行う構成要素である。切断モジュールAは、主として基板供給機構2、位置決め機構3、切断テーブル4、スピンドル部5、第1クリーナ6、移送機構7、第2クリーナ8及び制御部9を具備する。
【0017】
切断モジュールAにおいて、まず供給工程S2が行われる。供給工程S2は、基板供給機構2を用いて、パッケージ基板Pを供給する工程である。基板供給機構2は、複数のパッケージ基板Pが収容されたマガジンMから、パッケージ基板Pを1つずつ押し出して後述する位置決め機構3へと供給する。パッケージ基板Pは、ボール/リード面を上に向けて配置されている。
【0018】
次に、切断モジュールAにおいて、位置決め工程S4が行われる。位置決め工程S4は、位置決め機構3を用いて、基板供給機構2から供給されたパッケージ基板Pの位置決めを行う工程である。位置決め機構3は、基板供給機構2から押し出されたパッケージ基板Pをレール部3aに配置し、位置決めを行う。その後、位置決め機構3は、位置決めされたパッケージ基板Pを、後述する切断テーブル4へと搬送する。
【0019】
次に、切断モジュールAにおいて、切断工程S6が行われる。切断工程S6は、切断テーブル4及びスピンドル部5を用いて、パッケージ基板Pを切断し、切断品である電子部品パッケージSを得る工程である。
【0020】
切断テーブル4は、切断されるパッケージ基板Pを保持するものである。本実施形態では、2個の切断テーブル4を有するツインカットテーブル構成の切断装置1を例示している。切断テーブル4には、位置決め機構3によって搬送されたパッケージ基板Pを下方から吸着して保持する保持部材4aが設けられる。また、切断テーブル4には、保持部材4aを図のθ方向に回転させることが可能な回転機構4bと、保持部材4aを図のY方向に移動させることが可能な移動機構4cと、が設けられる。
【0021】
切断機構であるスピンドル部5は、パッケージ基板Pを切断して複数の電子部品パッケージS(図3参照)に個片化するものである。本実施形態では、2個のスピンドル部5を有するツインスピンドル構成の切断装置1を例示している。スピンドル部5は、図のX方向及びZ方向に移動することができる。スピンドル部5には、パッケージ基板Pを切断するための回転刃5aが装着される。
【0022】
スピンドル部5には、高速回転する回転刃5aに向かって切削水を噴射する切削水用ノズル、冷却水を噴射する冷却水用ノズル、切断屑などを洗浄する洗浄水を噴射する洗浄水用ノズル(いずれも図示なし)等が設けられる。
【0023】
切断テーブル4がパッケージ基板Pを吸着した後、第1位置確認カメラ4dによって、パッケージ基板Pの位置が確認される。その後、切断テーブル4は、図のY方向に沿ってスピンドル部5に近づくように移動する。切断テーブル4がスピンドル部5の下方に移動した後、切断テーブル4とスピンドル部5とを相対的に移動させることによって、パッケージ基板Pが切断される。スピンドル部5によってパッケージ基板Pが切断される度に、第2位置確認カメラ5bによって、パッケージ基板Pの位置等が確認される。
【0024】
ここで、第1位置確認カメラ4dによる確認は、例えば、パッケージ基板Pに設けられた切断位置を示すマークの位置を確認することができる。第2位置確認カメラ5bによる確認は、例えば、パッケージ基板Pの切断された位置、切断された幅等を確認することができる。なお、上記確認カメラによる確認は、第1位置確認カメラ4dを使用せずに、第2位置確認カメラ5bのみで確認を行ってもよい。
【0025】
次に、切断モジュールAにおいて、第1洗浄工程S8及び第1乾燥工程S10が行われる。第1洗浄工程S8は、第1クリーナ6を用いて、パッケージ基板Pを切断することによって個片化された複数の電子部品パッケージSを洗浄する工程である。また第1乾燥工程S10は、第1クリーナ6を用いて、洗浄された電子部品パッケージSを乾燥させる工程である。
【0026】
切断テーブル4は、パッケージ基板Pの切断が完了した後、個片化された複数の電子部品パッケージSを吸着したまま図のY方向に沿ってスピンドル部5から離れるように移動する。この際、第1クリーナ6は、適宜の洗浄液を用いて電子部品パッケージSの上面(ボール/リード面)の洗浄(第1洗浄工程S8)を行う。また第1クリーナ6は、電子部品パッケージSの上面に気体(空気)を噴射して、電子部品パッケージSの上面の乾燥(第1乾燥工程S10)を行う。
【0027】
次に、切断モジュールAにおいて、移送工程S12、洗浄工程である第2洗浄工程S14、及び吸引乾燥工程である第2乾燥工程S16が行われる。移送工程S12は、移送機構7を用いて電子部品パッケージSを検査モジュールBの検査テーブル11へと移送する工程である。また第2洗浄工程S14は、第2クリーナ8を用いて、電子部品パッケージSを洗浄する工程である。また第2乾燥工程S16は、第2クリーナ8を用いて、洗浄された電子部品パッケージSを乾燥させる工程である。
【0028】
移送機構7は、切断テーブル4に保持された電子部品パッケージSを上方から吸着し、検査モジュールBへと移送する(移送工程S12)。また、移送機構7が電子部品パッケージSを検査モジュールBへと移送する経路の途中で、第2クリーナ8によって電子部品パッケージSの下面(モールド面)の洗浄(第2洗浄工程S14)及び乾燥(第2乾燥工程S16)が行われる。
【0029】
具体的には、第2クリーナ8は、洗浄機構8a及び吸引乾燥機構8bを具備している。洗浄機構8aは、回転可能なブラシ(図示なし)を具備する。洗浄機構8aは、電子部品パッケージSの下面(モールド面)に、洗浄液を含ませたブラシを回転させながら当てることで、電子部品パッケージSの洗浄(第2洗浄工程S14)を行う。また、吸引乾燥機構8bは、電子部品パッケージSの下面(モールド面)に付着した洗浄液を吸引することで、電子部品パッケージSの乾燥(第2乾燥工程S16)を行う。
【0030】
上述のような切断モジュールAの各部(基板供給機構2、位置決め機構3、切断テーブル4、スピンドル部5、第1クリーナ6、移送機構7及び第2クリーナ8等)の動作は、制御部9によって制御される。また制御部9を用いて、切断モジュールAの各部の動作を任意に変更(調整)することができる。
【0031】
<検査モジュールB>
検査モジュールBは、主に電子部品パッケージSの検査を行う構成要素である。検査モジュールBは、主として検査テーブル11、第1光学検査カメラ12、第2光学検査カメラ13、配置機構14、搬送機構15及び制御部16を具備する。
【0032】
検査モジュールBにおいて、まず検査工程S18が行われる。検査工程S18は、検査テーブル11、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13を用いて、電子部品パッケージSを光学的に検査する工程である。
【0033】
検査テーブル11は、電子部品パッケージSを光学的に検査するために保持するものである。検査テーブル11は、図のX方向に沿って移動可能である。また検査テーブル11は、上下反転することができる。検査テーブル11には、電子部品パッケージSを吸着して保持する保持部材11aが設けられる。
【0034】
第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13は、電子部品パッケージSの表面(ボール/リード面及びモールド面)を光学的に検査するものである。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13は、検査テーブル11の近傍に、上に向けて配置される。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13には、検査の際に光を照射可能な照明装置(図示なし)がそれぞれ設けられる。
【0035】
第1光学検査カメラ12は、移送機構7によって検査テーブル11へと移送される電子部品パッケージSのモールド面を検査する。その後、移送機構7は、検査テーブル11の保持部材11aに電子部品パッケージSを載置する。保持部材11aが電子部品パッケージSを吸着して保持した後、検査テーブル11は上下反転する。検査テーブル11は第2光学検査カメラ13の上方へと移動し、電子部品パッケージSのボール/リード面が第2光学検査カメラ13によって検査される。
【0036】
例えば、第1光学検査カメラ12は、電子部品パッケージSの欠けや電子部品パッケージSにマーキングされた文字等を検査することができる。また、例えば、第2光学検査カメラ13は、電子部品パッケージSのサイズや形状、ボール/リードの位置等を検査することができる。
【0037】
配置機構14は、検査が完了した電子部品パッケージSを配置するためのものである。配置機構14は、図のY方向に沿って移動可能である。検査テーブル11は、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13による検査が完了した電子部品パッケージSを配置機構14に配置する。
【0038】
次に、検査モジュールBにおいて、収容工程S20が行われる。収容工程S20は、搬送機構15を用いて、配置機構14に配置された電子部品パッケージSをトレイに搬送(移送)して収容する工程である。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13による検査結果に基づいて、良品と不良品とに区別された電子部品パッケージSは、搬送機構15によってトレイに収納される。この際、搬送機構15は、電子部品パッケージSのうち、良品を良品用トレイ15aに、不良品を不良品トレイ15bに、それぞれ収納する。トレイが電子部品パッケージSで満たされると、別の空のトレイが適宜供給される。
【0039】
上述のような検査モジュールBの各部(検査テーブル11、第1光学検査カメラ12、第2光学検査カメラ13、配置機構14及び搬送機構15等)の動作は、制御部16によって制御される。また制御部16を用いて、検査モジュールBの各部の動作を任意に変更(調整)することができる。
【0040】
以上のように、本実施形態に係る切断装置1は、パッケージ基板Pを切断して、複数の電子部品パッケージSに個片化することができる。
【0041】
<搬送機構15>
次に、前述の収容工程S20で用いられる搬送機構15の構成について説明する。なお以下では、図中に示した矢印U、矢印D、矢印L、矢印R、矢印F及び矢印Bで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、左方向、右方向、前方向及び後方向と定義して説明を行う。左右方向は図1に示したX方向に沿う方向であり、前後方向は図1に示したY方向に沿う方向であり、上下方向は図1に示したZ方向に沿う方向である。
【0042】
図3及び図4に示す搬送機構15は、電子部品パッケージSを吸着して搬送するものである。搬送機構15は、主として吸着ノズル110、第1昇降モータ120、第1昇降動力伝達機構130、第2昇降モータ140、第2昇降動力伝達機構150、ノズル保持機構160、昇降位置維持機構170、回転モータ180及び回転動力伝達機構190を具備する。
【0043】
<吸着ノズル110>
図3から図6に示す吸着ノズル110は、電子部品パッケージSを吸着するためのものである。吸着ノズル110は、長手方向を上下に向けた略円筒状に形成される。吸着ノズル110は、左右方向に一列に並んで複数配置される。本実施形態では、吸着ノズル110を12個配置した例を示している。吸着ノズル110は、後述するように、上下に昇降可能、かつ、回転可能となるように支持されている。
【0044】
吸着ノズル110の上端には、真空ポンプ等の吸引装置(不図示)が接続される。吸着ノズル110の下端には、ゴム等の弾性素材により形成された吸着パッド(不図示)が設けられる。電子部品パッケージSを吸着する際には、弾性を有する吸着パッドを電子部品パッケージSに接触させることで、電子部品パッケージSを傷付けるのを防止すると共に、電子部品パッケージSを吸着し易くすることができる。
【0045】
複数の吸着ノズル110は、上下に昇降するための動力源(後述する第1昇降モータ120及び第2昇降モータ140)の違いに基づいて、2つのグループに分けられている。具体的には、複数の吸着ノズル110は、第1昇降モータ120によって上下に昇降される吸着ノズル110と、第2昇降モータ140によって上下に昇降される吸着ノズル110の、2つのグループに分けられる。
【0046】
以下では、説明の便宜上、第1昇降モータ120によって上下に昇降される吸着ノズル110を第1のグループ、第2昇降モータ140によって上下に昇降される吸着ノズル110を第2のグループと称する。また、2つのグループの吸着ノズル110を区別するために、第1のグループの吸着ノズル110を吸着ノズル110A、第2のグループの吸着ノズル110を吸着ノズル110Bと、それぞれ称する場合もある。
【0047】
本実施形態では、第1のグループの吸着ノズル110Aが、左から数えて奇数番目に配置されている。また第2のグループの吸着ノズル110Bが、左から数えて偶数番目に配置されている。すなわち、第1のグループの吸着ノズル110Aと第2のグループの吸着ノズル110Bが交互に配置されている。このように本実施形態では、少なくとも一方のグループの吸着ノズル110が、他方のグループの吸着ノズル110の間に配置される位置関係となっている。
【0048】
<第1昇降モータ120>
図3から図5に示す第1昇降モータ120は、第1のグループの吸着ノズル110Aを上下に昇降させるための動力源である。また、第1昇降モータ120は、本発明に係る第1のモータの実施の一形態である。第1昇降モータ120は、例えば、細かい回転の制御が可能なサーボモータにより構成される。第1昇降モータ120は、出力軸が右方を向くように配置される。第1昇降モータ120は、適宜の支持部材(不図示)に固定される。
【0049】
<第1昇降動力伝達機構130>
図4及び図5に示す第1昇降動力伝達機構130は、第1昇降モータ120の動力を第1のグループの吸着ノズル110Aに伝達するものである。また、第1昇降動力伝達機構130は、本発明に係る第1の動力伝達機構の実施の一形態である。第1昇降動力伝達機構130は、主として昇降ピニオン131、昇降ラック132、昇降ブロック133及び昇降ガイド134を具備する。
【0050】
昇降ピニオン131は、第1昇降モータ120の出力軸に固定されるギヤである。
【0051】
昇降ラック132は、昇降ピニオン131の回転に伴って上下に移動する棒状のギヤである。昇降ラック132は、長手方向を上下に向けて配置される。昇降ラック132は、昇降ピニオン131に対して前方から噛み合うように配置される。
【0052】
昇降ブロック133は、昇降ラック132と共に上下に移動することにより、第1昇降モータ120の動力を吸着ノズル110Aに伝達する部材である。昇降ブロック133は、長手方向を左右に向けた棒状に形成される。昇降ブロック133は、昇降ラック132の前側面に固定される。昇降ブロック133には、複数の突出部133aが形成される。
【0053】
突出部133aは、昇降ブロック133の前側面から前方に突出するように形成された部分である。突出部133aは、左右方向に並んで複数形成される。隣接する突出部133a同士の間隔は、奇数番目に配置された吸着ノズル110(第1のグループの吸着ノズル110A)の左右の間隔と同一となるように形成される。これによって突出部133aは、第1のグループの吸着ノズル110Aと対応する位置に形成される。
【0054】
昇降ガイド134は、昇降ブロック133を上下方向に移動するように案内する部材である。昇降ガイド134は、昇降ブロック133の左右両端部にそれぞれ設けられる。
【0055】
このように構成された第1昇降動力伝達機構130において、第1昇降モータ120の動力によって昇降ブロック133を上下に昇降させることができる。具体的には、第1昇降モータ120が駆動すると、昇降ピニオン131が回転する。昇降ピニオン131の回転に伴って昇降ラック132が上下に昇降する。昇降ラック132には昇降ブロック133が設けられているため、昇降ブロック133が昇降ガイド134に案内されながら上下に昇降することになる。この昇降ブロック133の昇降によって、後述するように第1のグループの吸着ノズル110Aを上下に昇降させることができる。
【0056】
<第2昇降モータ140>
図3から図5に示す第2昇降モータ140は、第2のグループの吸着ノズル110Bを上下に昇降させるための動力源である。また、第2昇降モータ140は、本発明に係る第2のモータの実施の一形態である。第2昇降モータ140は、例えば、細かい回転の制御が可能なサーボモータにより構成される。第2昇降モータ140は、出力軸が左方を向くように配置される。第2昇降モータ140は、第1昇降モータ120の右方に配置される。第2昇降モータ140は、適宜の支持部材(不図示)に固定される。
【0057】
<第2昇降動力伝達機構150>
図4及び図5に示す第2昇降動力伝達機構150は、第2昇降モータ140の動力を第2のグループの吸着ノズル110Bに伝達するものである。また、第2昇降動力伝達機構150は、本発明に係る第2の動力伝達機構の実施の一形態である。第2昇降動力伝達機構150は、概ね第1昇降動力伝達機構130と同様の構成を有している。具体的には、第2昇降動力伝達機構150は、主として昇降ピニオン151、昇降ラック152、昇降ブロック153及び昇降ガイド154を具備する。
【0058】
昇降ピニオン151は、第2昇降モータ140の出力軸に固定される。昇降ラック152は、昇降ピニオン151に対して前方から噛み合うように配置される。
【0059】
昇降ブロック153は、昇降ラック152と共に上下に移動することにより、第2昇降モータ140の動力を吸着ノズル110Bに伝達する部材である。昇降ブロック153は、昇降ラック152の前側面に固定される。昇降ブロック153は、第1昇降動力伝達機構130の昇降ブロック133の下方に配置される。昇降ブロック153には、複数の突出部153aが形成される。
【0060】
突出部153aは、昇降ブロック153の前側面から前方に突出するように形成された部分である。突出部153aは、左右方向に並んで複数形成される。隣接する突出部153a同士の間隔は、偶数番目に配置された吸着ノズル110(第2のグループの吸着ノズル110B)の左右の間隔と同一となるように形成される。これによって突出部153aは、第2のグループの吸着ノズル110Bと対応する位置に形成される。
【0061】
昇降ガイド154は、昇降ブロック153を上下方向に移動するように案内する部材である。昇降ガイド154は、昇降ブロック153の左右両端部にそれぞれ設けられる。
【0062】
このように構成された第2昇降動力伝達機構150において、第2昇降モータ140の動力によって昇降ブロック153を上下に昇降させることができる。この昇降ブロック153の昇降によって、後述するように第2のグループの吸着ノズル110Bを上下に昇降させることができる。
【0063】
<ノズル保持機構160>
図3図6から図8に示すノズル保持機構160は、吸着ノズル110を昇降可能かつ回転可能となるように保持するものである。ノズル保持機構160は、主としてベース部161、ベアリング162、回転支持部163及びスプラインナット164を具備する。
【0064】
ベース部161は、吸着ノズル110を保持するための部材である。ベース部161は、長手方向を左右に向けた略直方体状に形成される。ベース部161は、適宜の支持部材(不図示)に固定される。ベース部161には、貫通孔161aが形成される。
【0065】
図8及び図9に示す貫通孔161aは、ベース部161を上下に貫通するように形成される孔である。貫通孔161aは、複数の吸着ノズル110(第1及び第2のグループの吸着ノズル110)に対応する位置に複数形成される。
【0066】
ベアリング162は、後述する回転支持部163を回転可能となるように支持するものである。ベアリング162は、上下一対設けられる。ベアリング162は、貫通孔161aに嵌め合わされることにより、ベース部161に固定される。
【0067】
回転支持部163は、後述するスプラインナット164を支持するものである。回転支持部163は、長手方向を上下に向けた中空の筒状に形成される。回転支持部163の下部は、ベアリング162によって回転可能となるように支持される。回転支持部163の上部には、後述する回転ギヤ194が形成される。
【0068】
スプラインナット164は、吸着ノズル110を昇降可能となるように保持するものである。スプラインナット164は、上下一対設けられる。スプラインナット164は、回転支持部163の中空部に嵌め合わされることにより、回転支持部163に固定される。これによってスプラインナット164は、回転支持部163と一体的に回転することができる。スプラインナット164には、吸着ノズル110が挿入される。スプラインナット164は、吸着ノズル110とスプライン嵌合される。これによってスプラインナット164は、吸着ノズル110と一体的に回転することができる。また吸着ノズル110は、スプラインナット164に対して上下に昇降するように移動することができる。
【0069】
<昇降位置維持機構170>
図3図8及び図9に示す昇降位置維持機構170は、吸着ノズル110を一定の高さまで上昇した位置(以下、この位置を「上昇位置」と称する)に維持するためのものである。昇降位置維持機構170は、主としてブラケット171、ベアリング172、エアシリンダ173、第1ストッパブロック174及び第2ストッパブロック175を具備する。
【0070】
ブラケット171は、吸着ノズル110と後述するエアシリンダ173とを連結すると共に、第1昇降動力伝達機構130及び第2昇降動力伝達機構150からの動力を吸着ノズル110へと伝達するものである。また、ブラケット171は、本発明に係る伝達部材の実施の一形態である。ブラケット171は、略矩形板状に形成される。ブラケット171の前部及び後部には、ブラケット171を上下に貫通する貫通孔がそれぞれ形成される。
【0071】
ベアリング172は、吸着ノズル110を回転可能となるように支持するものである。ベアリング172は、ブラケット171の前部に形成された貫通孔に嵌め合わされることにより、ブラケット171に固定される。ベアリング172には、吸着ノズル110の上部が挿入された状態で固定される。これによって、吸着ノズル110は、ブラケット171に対して回転可能かつ昇降不能(ブラケット171に対して上下に移動不能)となるように取り付けられる。
【0072】
ここで、ブラケット171及びベアリング172は、複数の吸着ノズル110それぞれに対して設けられる。図3及び図9等に示すように、第2のグループの吸着ノズル110Bに対応するブラケット171は、第1のグループの吸着ノズル110Aに対応するブラケット171よりもやや低い位置に設けられる。
【0073】
図8に示すように、第1のグループの吸着ノズル110Aに対応するブラケット171は、第1昇降動力伝達機構130の昇降ブロック133(突出部133a)の上にそれぞれ載せられた状態で配置される。ブラケット171は自重によって下方へ移動しようとするが、昇降ブロック133によって下方から支持されることで、ブラケット171の下方への移動が規制された状態となる。
【0074】
同様に、図9に示すように、第2のグループの吸着ノズル110Bに対応するブラケット171は、第2昇降動力伝達機構150の昇降ブロック153(突出部153a)の上にそれぞれ載せられた状態で配置される。
【0075】
エアシリンダ173は、第1昇降動力伝達機構130及び第2昇降動力伝達機構150からブラケット171への動力の伝達を遮断して、吸着ノズル110を上昇位置に維持するためのものである。また、エアシリンダ173は、本発明に係るアクチュエータの実施の一形態である。エアシリンダ173は、シングルソレノイドの単動式シリンダにより構成される。エアシリンダ173は、伸縮可能なロッド173aを下方に向けた状態で配置される。エアシリンダ173は、ブラケット171の後部に形成された貫通孔に挿入された状態で固定される。エアシリンダ173が作動(ON)されると、ロッド173aが伸長された状態となる。またエアシリンダ173の作動が停止(OFF)されると、ロッド173aが収縮された状態となる。
【0076】
図8及び図9に示す第1ストッパブロック174は、第1のグループの吸着ノズル110Aの下降を規制するためのものである。第1ストッパブロック174は、第1のグループの吸着ノズル110Aに対応して設けられたエアシリンダ173の下方に配置される。第1ストッパブロック174は、適宜の支持部材(不図示)に固定される。
【0077】
図9に示す第2ストッパブロック175は、第2のグループの吸着ノズル110Bの下降を規制するためのものである。第2ストッパブロック175、第2のグループの吸着ノズル110Bに対応して設けられたエアシリンダ173の下方に配置される。第2ストッパブロック175は、第1ストッパブロック174よりもやや低い位置に設けられる。第2ストッパブロック175は、適宜の支持部材(不図示)に固定される。
【0078】
<回転モータ180>
図3から図5に示す回転モータ180は、吸着ノズル110を回転させるための動力源である。また、回転モータ180は、本発明に係る第3のモータの実施の一形態である。回転モータ180は、例えば、細かい回転の制御が可能なサーボモータにより構成される。回転モータ180は、複数の吸着ノズル110の左方に配置される。回転モータ180は、出力軸が下方を向くように配置される。回転モータ180は、適宜の支持部材(不図示)に固定される。
【0079】
<回転動力伝達機構190>
図3及び図4に示す回転動力伝達機構190は、回転モータ180の動力を吸着ノズル110に伝達するものである。また、回転動力伝達機構190は、本発明に係る第3の動力伝達機構の実施の一形態である。回転動力伝達機構190は、主として回転ピニオン191、回転ラック192、回転ラックガイド193及び回転ギヤ194を具備する。
【0080】
回転ピニオン191は、回転モータ180の出力軸に固定されるギヤである。
【0081】
図5及び図6に示す回転ラック192は、回転ピニオン191の回転に伴って左右に移動する棒状のギヤである。回転ラック192は、長手方向を左右に向けて配置される。回転ラック192は、回転モータ180及び複数の吸着ノズル110に亘るように配置される。回転ラック192は、回転ピニオン191に対して後方から噛み合うように配置される。
【0082】
図5から図7に示す回転ラックガイド193は、回転ラック192を左右方向に移動するように案内する部材である。回転ラックガイド193は、回転ラック192の左右両端部にそれぞれ設けられる。回転ラックガイド193は、ベース部161によって支持される。
【0083】
図6から図8に示す回転ギヤ194は、回転ラック192の左右への移動に伴って回転するギヤである。回転ギヤ194は、各吸着ノズル110に設けられた回転支持部163の上部に一体的に形成される。回転ギヤ194は、回転ラック192に対して前方から噛み合うように配置される。なお、回転ギヤ194は、回転支持部163と別体(別部品)で形成することも可能である。
【0084】
このように構成された回転動力伝達機構190において、回転モータ180の動力によって吸着ノズル110を回転させることができる。具体的には、回転モータ180が駆動すると、回転ピニオン191が回転する。回転ピニオン191の回転に伴って回転ラック192が左右に移動する。回転ラック192には回転ギヤ194が噛み合わされているため、回転ラック192の移動に伴って回転ギヤ194が回転することになる。この回転ギヤ194の回転に伴って、回転ギヤ194が設けられた回転支持部163及びスプラインナット164が回転する。スプラインナット164には吸着ノズル110がスプライン嵌合されているため、スプラインナット164の回転に伴って、吸着ノズル110をその軸線を中心として(吸着ノズル110の昇降方向に対して交わる平面内で)回転させることができる。
【0085】
なお、上述のように構成された搬送機構15は、図示しない移動機構によって、X方向(左右方向)に任意に移動させることができる。
【0086】
<吸着ノズル110の基本動作>
搬送機構15は、3つのモータ(第1昇降モータ120、第2昇降モータ140及び回転モータ180)及び各エアシリンダ173を適宜駆動させることにより、任意の吸着ノズル110を昇降及び回転させることができる。これによって、任意の吸着ノズル110で電子部品パッケージSを吸着したり、吸着した電子部品パッケージSを所望の場所に載置したりすることができる。以下では、第1のグループの吸着ノズル110Aを例に挙げて、電子部品パッケージSを吸着する際の各部の基本的な動作を説明する。なお以下では、説明の便宜上、搬送機構15の構成を模式的に示した図(図11等)を用いて説明を行う。
【0087】
吸着ノズル110Aを昇降させない場合、その吸着ノズル110Aに対応して設けられたエアシリンダ173が作動され、ロッド173aが伸長された状態になる(図10のステップS101、図11(a))。
【0088】
ロッド173aが伸長した状態では、エアシリンダ173が下降しようとすると、所定の位置でロッド173aの下端が第1ストッパブロック174の上面に突き当たる。このため、第1昇降モータ120の動作に関わらず、エアシリンダ173は所定の位置よりも下に下降することはない。これによって、吸着ノズル110Aが所定の上昇位置に維持され、この位置よりも下に下降することはない(図10のステップS102、図11(b))。
【0089】
一方、吸着ノズル110Aを昇降させる場合、その吸着ノズル110Aに対応して設けられたエアシリンダ173の作動が停止され、ロッド173aが収縮された状態になる(図10のステップS103、図11(c))。
【0090】
ロッド173aが収縮した状態では、ロッド173aが第1ストッパブロック174に接触することがない。この状態で、第1昇降モータ120が駆動して昇降ブロック133が下降すると、昇降ブロック133に載せられたブラケット171も自重によって下降する。これによって、吸着ノズル110Aは昇降ブロック133に追従するように下降する(図10のステップS104、図11(d))。
【0091】
吸着ノズル110Aが所定の位置まで下降したら、第1昇降モータ120が停止される。この状態で、吸着ノズル110Aに接続された吸引装置の動作が制御される。例えば、電子部品パッケージSを吸着する場合、吸引装置が作動され、吸着ノズル110Aの下端に電子部品パッケージSが吸着される。また吸着ノズル110Aに吸着された電子部品パッケージSを所定の場所に載置する場合、吸引装置の作動が停止され、吸着ノズル110Aによる電子部品パッケージSの吸着が解除される(図10のステップS105)。
【0092】
なお、吸着ノズル110Aを下降させる場合(図11(d)参照)に、電子部品パッケージSの厚みが想定よりも厚い場合などには、吸着ノズル110Aが所定の位置まで下降する前に電子部品パッケージSに突き当たるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、吸着ノズル110を支持しているブラケット171は昇降ブロック133に載せられている状態であるため、もし吸着ノズル110が電子部品パッケージSに突き当たったとしても、ブラケット171を昇降ブロック133から離れるように上方に逃がすことができる。これによって、昇降ブロック133が下降する動力によって電子部品パッケージSに過剰な負荷が加わり、電子部品パッケージSを傷つけるのを防止することができる。
【0093】
吸着ノズル110Aによる電子部品パッケージSの吸着等が完了したら、第1昇降モータ120が駆動されて昇降ブロック133が上昇する。昇降ブロック133が上昇すると、昇降ブロック133に載せられたブラケット171も上昇する。これによって、吸着ノズル110Aは昇降ブロック133に追従するように上昇する(図10のステップS106)。
【0094】
吸着ノズル110Aが所定の位置まで上昇したら、第1昇降モータ120が停止される(図10のステップS107)。その後、下降させる必要のない吸着ノズル110Aのエアシリンダ173が作動され、吸着ノズル110Aが所定の上昇位置に維持されることになる(図10のステップS101及びステップS102、図11(b))。
【0095】
このように、下降させたい吸着ノズル110Aのエアシリンダ173の作動を停止(ロッド173aを収縮)させた状態で第1昇降モータ120を駆動させることで、この吸着ノズル110Aのみを昇降させることができる。これによって、第1のグループの吸着ノズル110Aのうち、所望の吸着ノズル110Aのみを昇降させることができる。
【0096】
なお、上述の例では第1のグループの吸着ノズル110Aを昇降させる場合を例に挙げて動作説明を行ったが、第2のグループの吸着ノズル110Bを昇降させる場合の動作についても概ね同様である。また、第1のグループの吸着ノズル110Aを昇降させるための機構(第1昇降モータ120、第1昇降動力伝達機構130等)と、第2のグループの吸着ノズル110Bを昇降させるための機構(第2昇降モータ140、第2昇降動力伝達機構150等)は互いに独立しているため、第1のグループの吸着ノズル110Aと第2のグループの吸着ノズル110Bは、それぞれ任意のタイミングで昇降させることが可能である。
【0097】
<電子部品パッケージSを搬送する際の動作>
本実施形態の搬送機構15では、複数の吸着ノズル110を端から(本実施形態では、左から)交互に昇降させて電子部品パッケージSの搬送を行うことを想定している。以下では、搬送機構15による電子部品パッケージSの搬送の様子について具体的に説明する。
【0098】
なおこの説明では便宜上、12個の吸着ノズル110のうち、左から4つ目までの吸着ノズル110の昇降に着目して説明を行う。図12には、左右に並ぶように配置された搬送対象となる複数の電子部品パッケージS、4つの吸着ノズル110に対応するエアシリンダ173の作動状態(ON/OFF)、第1昇降モータ120及び第2昇降モータ140の作動状態、並びに4つの吸着ノズル110の昇降の様子をそれぞれ示している。
【0099】
まず図12(a)に示すように、図示しない移動機構によって搬送機構15が電子部品パッケージSの上方に移動される。本実施形態に係る切断装置1(図1参照)では、搬送機構15がX方向に適宜移動され、電子部品パッケージSが配置された配置機構14の上方に移動される。
【0100】
次に図12(a)に示すように、第1昇降モータ120及び第2昇降モータ140が停止された状態で、左から2つの吸着ノズル110に対応するエアシリンダ173の作動が停止され、その他のエアシリンダ173が作動される。
【0101】
次に図12(b)に示すように、吸着ノズル110Aが下降するように、第1昇降モータ120が作動される。これによって、第1のグループの吸着ノズル110Aのうち、エアシリンダ173の作動が停止された吸着ノズル110A(左端の吸着ノズル110)だけが下降する。
【0102】
次に図12(c)に示すように、左端の吸着ノズル110が電子部品パッケージSに接触するタイミングで第1昇降モータ120の作動が停止される。この状態で吸引装置が作動され、左端の吸着ノズル110によって左端の電子部品パッケージSが吸着される。
【0103】
次に図12(d)に示すように、吸着ノズル110Aが上昇するように、第1昇降モータ120が作動される。また、左端の吸着ノズル110の上昇中に、吸着ノズル110Bが下降するように、第2昇降モータ140が作動される。これによって、第2のグループの吸着ノズル110Bのうち、エアシリンダ173の作動が停止された吸着ノズル110B(左から2番目の吸着ノズル110)が下降する。
【0104】
次に図12(e)に示すように、左端の吸着ノズル110が所定の位置まで上昇したら、第1昇降モータ120の作動が停止される。その後、左端の吸着ノズル110に対応するエアシリンダ173が作動されると共に、左から3番目の吸着ノズル110に対応するエアシリンダ173の作動が停止される。
【0105】
さらに、左から2番目の吸着ノズル110が電子部品パッケージSに接触するタイミングで第2昇降モータ140の作動が停止される。この状態で吸引装置が作動され、左から2番目の吸着ノズル110によって左から2番目の電子部品パッケージSが吸着される。
【0106】
次に図12(f)に示すように、吸着ノズル110Bが上昇するように、第2昇降モータ140が作動される。また、左から2番目の吸着ノズル110の上昇中に、吸着ノズル110Aが下降するように、第1昇降モータ120が作動される。これによって、第1のグループの吸着ノズル110Aのうち、エアシリンダ173の作動が停止された吸着ノズル110A(左から3番目の吸着ノズル110)が下降する。
【0107】
以降、上述のような動作を順次行い、各吸着ノズル110で必要な数だけ電子部品パッケージSを吸着する。電子部品パッケージSの吸着が完了した後、図示しない移動機構によって搬送機構15が電子部品パッケージSの移送先となる位置まで移動される。本実施形態に係る切断装置1(図1参照)では、搬送機構15がX方向に適宜移動され、電子部品パッケージSを収納するトレイ(良品用トレイ15a又は不良品トレイ15b)の上方に移動される。
【0108】
吸着ノズル110で吸着した電子部品パッケージSをトレイに収納する際には、図12に示した例と同様に、吸着ノズル110を交互に昇降させて、吸着ノズル110を下降させた状態で電子部品パッケージSの吸着を解除することで、電子部品パッケージSをトレイに収納することができる。
【0109】
また、電子部品パッケージSをトレイに収納する際に、回転モータ180を適宜作動させることによって、電子部品パッケージSの向き(吸着ノズル110の昇降方向に対して交わる平面内における回転位置)の調整を行うことができる。具体的には、搬送機構15が配置機構14からトレイへと移動する際に、下方からカメラ等の検出機構で電子部品パッケージSの向きを検出し、必要な向きの調整量(回転補正量)を算出する。そして、電子部品パッケージSがトレイに収納される前に(電子部品パッケージSが吸着ノズル110に吸着されている状態で)、回転モータ180を適宜作動させ、電子部品パッケージSを回転させて向きを調整する。これによって、電子部品パッケージSをトレイに精密に収納することができる。
【0110】
なお図12には、電子部品パッケージSが吸着ノズル110と同じ間隔(ピッチ)で並べられた例を示しているが、本実施形態に係る搬送機構15は、吸着ノズル110と異なる間隔で並べられた電子部品パッケージSを吸着して搬送することもできる。具体的には、電子部品パッケージSを1つ吸着する度に、次に吸着する吸着ノズル110と電子部品パッケージSの位置を合わせるように搬送機構15自体を左右に移動させることで、様々な間隔で配置された電子部品パッケージSの搬送を行うことができる。
【0111】
以上の如く、本実施形態に係る搬送機構15は、
第1のグループの吸着ノズル110A及び第2のグループの吸着ノズル110Bにより構成される複数の吸着ノズル110が配置された搬送機構15であって、
前記第1のグループの吸着ノズル110Aを昇降させる第1昇降モータ120(第1のモータ)と、
前記第2のグループの吸着ノズル110Bを昇降させる第2昇降モータ140(第2のモータ)と、
前記複数の吸着ノズル110を、前記複数の吸着ノズル110の昇降方向に対して交わる平面内で回転させる回転モータ180(第3のモータ)と、
前記複数の吸着ノズル110のうち任意の吸着ノズル110を、前記第1昇降モータ120及び前記第2昇降モータ140の駆動に関わらず所定の上昇位置に維持することが可能な昇降位置維持機構170と、
を具備するものである。
【0112】
このように構成することにより、構成の簡素化を図ることができる。すなわち、3つのモータによって、複数の吸着ノズル110を個別に昇降させる動作と、回転させる動作を実現することができる。このように、吸着ノズル110の個数にかかわらず、3つのモータによって吸着ノズル110を動作させることができるため、構成の簡素化を図ることができ、ひいてはコストの削減やメンテナンスの簡素化等を図ることができる。
【0113】
また、前記複数の吸着ノズル110は一列に並んで配置されると共に、第1のグループの吸着ノズル110A及び第2のグループの吸着ノズル110Bのうち少なくともいずれか一方のグループの吸着ノズル110の間に、他方のグループの吸着ノズル110が配置されるものである。
【0114】
このように構成することにより、隣接する異なるグループの吸着ノズル110の動作(昇降)のタイミングを任意にずらすことで、電子部品パッケージSの搬送を効率良く行うことができる。例えば本実施形態のように、第1のグループの吸着ノズル110Aの上昇中に、隣接する第2のグループの吸着ノズル110Bの下降を行うことで、複数の電子部品パッケージSの吸着等を効率良く行うことができる。
【0115】
また、搬送機構15は、
前記複数の吸着ノズル110をそれぞれ昇降可能となるように保持すると共に、前記複数の吸着ノズル110の昇降方向に対して交わる平面内で回転可能となるように保持するノズル保持機構160と、
前記第1昇降モータ120の動力を前記第1のグループの吸着ノズル110Aに伝達する第1昇降動力伝達機構130(第1の動力伝達機構)と、
前記第2昇降モータ140の動力を前記第2のグループの吸着ノズル110Bに伝達する第2昇降動力伝達機構150(第2の動力伝達機構)と、
前記回転モータ180の動力を前記複数の吸着ノズル110に伝達する回転動力伝達機構190(第3の動力伝達機構)と、
をさらに具備するものである。
【0116】
このように構成することにより、3つのモータによって複数の吸着ノズル110の昇降及び回転を行う機構を比較的簡素な構成とすることができる。
【0117】
前記昇降位置維持機構170は、
前記複数の吸着ノズル110のそれぞれに対応して設けられ、前記第1昇降動力伝達機構130及び前記第2昇降動力伝達機構150からの動力を、それぞれ前記第1のグループの吸着ノズル110A及び前記第2のグループの吸着ノズル110Bへと伝達する複数のブラケット171(伝達部材)と、
前記複数のブラケット171のそれぞれに対応して設けられ、前記第1昇降動力伝達機構130及び前記第2昇降動力伝達機構150から前記ブラケット171への動力の伝達を遮断することが可能なエアシリンダ173(アクチュエータ)と、
を具備するものである。
【0118】
このように構成することにより、エアシリンダ173の動作を制御することで、任意の吸着ノズル110を所定の上昇位置に維持することができる。
【0119】
また、前記アクチュエータは、エアシリンダ173により構成されるものである。
【0120】
このように構成することにより昇降位置維持機構170を比較的簡素な構成とすることができる。
【0121】
また、搬送機構15は、隣り合う2つの吸着ノズル110のうち、一方の吸着ノズル110の上昇中に、他方の吸着ノズル110を下降させるように、前記第1昇降モータ120、前記第2昇降モータ140及び前記昇降位置維持機構170の動作が制御されるものである。
【0122】
このように構成することにより、吸着ノズル110を用いた搬送を効率良く行うことができる。
【0123】
また、本実施形態に係る切断装置1は、前記搬送機構15を具備するものである。
【0124】
このように構成することにより、構成の簡素化を図ることができる。
【0125】
また、本実施形態に係る切断品の製造方法は、前記切断装置1を用いて切断品を製造するものである。
【0126】
このように構成することにより、簡素な構成の切断装置1(搬送機構15)を用いることができ、ひいてはコストの削減やメンテナンスの簡素化等を図ることができる。
【0127】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。
【0128】
例えば、上記実施形態で例示した切断装置1の構成は一例であり、具体的な構成は適宜変更することが可能である。
【0129】
例えば、上記実施形態では、切断モジュールA及び検査モジュールBのそれぞれが制御部(制御部9及び制御部16)を備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、それぞれの制御部を1つの制御部にまとめることや、3つ以上の制御部に分割することも可能である。また、本実施形態の切断装置1は、2個の切断テーブル4を有するツインカットテーブル構成であるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、切断テーブル4を1つだけ有するものであってもよい。また、本実施形態の切断装置1は、2個のスピンドル部5を有するツインスピンドル構成であるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、スピンドル部5を1つだけ有するものであってもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、12個の吸着ノズル110を具備する搬送機構15を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、吸着ノズル110の個数は任意に変更することが可能である。また本実施形態の搬送機構15では、吸着ノズル110の個数にかかわらず、3つのモータ(第1昇降モータ120、第2昇降モータ140及び回転モータ180)によって、吸着ノズル110を動作(昇降及び回転)させることができる。
【0131】
また、上記実施形態では、第1のグループの吸着ノズル110Aと第2のグループの吸着ノズル110Bが1つずつ交互に配置されている例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、2つのグループの吸着ノズル110は任意に配置することが可能である。例えば、2つのグループの吸着ノズル110を2つずつ交互に配置することや、ランダムに配置することも可能である。但し、本実施形態のように1列に並んだ吸着ノズル110を順番に昇降させる場合、第1昇降モータ120及び第2昇降モータ140やエアシリンダ173の作動によって吸着ノズル110に発生する振動や衝撃を抑制する観点から、動力源の異なる第1のグループの吸着ノズル110Aと第2のグループの吸着ノズル110Bとを1つずつ交互に配置することが望ましい。
【0132】
また、上記実施形態では、吸着ノズル110を所定の上昇位置に維持するためのアクチュエータとしてエアシリンダ173を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、任意のアクチュエータを用いることが可能である。例えば、アクチュエータとして、ソレノイドアクチュエータ、油圧シリンダ、一般的なインダクションモータ等を用いることも可能である。
【0133】
また、上記実施形態では、第1昇降モータ120、第2昇降モータ140及び回転モータ180としてサーボモータを例示したが、本発明はこれに限るものではなく、任意のモータを用いることが可能である。例えば、第1昇降モータ120等として、ステッピングモータ等を用いることも可能である。但し、電子部品パッケージSを吸着するために吸着ノズル110を精密に昇降させる観点からは、第1昇降モータ120等としてサーボモータを用いることが望ましい。
【0134】
また、上記実施形態では、第1昇降モータ120、第2昇降モータ140及び回転モータ180の動力をギヤ(ラック・ピニオン)によって伝達する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、任意の機構を用いて動力を伝達することが可能である。例えば、モータの出力軸に設けられたプーリと、このプーリに巻かれたベルトを用いて動力を伝達することも可能である。
【0135】
また、上記実施形態では、吸着ノズル110(ブラケット171)が自重によって昇降ブロック133に追従するように下降する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、吸着ノズル110を下方に付勢する付勢部材(スプリング等)を設けることも可能である。これによって、吸着ノズル110を昇降ブロック133により追従させ易くすることができる。
【0136】
また、上記実施形態で説明した搬送機構15の動作は一例であり、任意に変更することができる。例えば、上記実施形態では、複数の吸着ノズル110を左から順番に1つずつ昇降させる例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、昇降させる順番は任意に変更することができる。また、上記実施形態では、隣り合う吸着ノズル110の一方の上昇中に、他方を下降させる例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、一方の上昇が完全に完了した後に他方を下降させることも可能である。
【0137】
また、上記実施形態では、3つのモータを用いて吸着ノズル110を昇降及び回転させる例を示したが、モータの個数はこれに限るものではない。例えば上記実施形態では、複数の吸着ノズル110を2つのグループに分けて、この2つのグループをそれぞれ個別のモータ(2つのモータ)で昇降させる例を示したが、複数の吸着ノズル110を3つ以上のグループに分けて、各グループをそれぞれ個別のモータ(3つ以上のモータ)で昇降させるように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0138】
1 切断装置
15 搬送機構
110 吸着ノズル
120 第1昇降モータ
130 第1昇降動力伝達機構
140 第2昇降モータ
150 第2昇降動力伝達機構
160 ノズル保持機構
170 昇降位置維持機構
171 ブラケット
173 エアシリンダ
180 回転モータ
190 回転動力伝達機構
S 電子部品パッケージ
図1
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