(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】可撓性HTS電流リード、その製造方法及び再形成方法
(51)【国際特許分類】
H01B 12/06 20060101AFI20240605BHJP
【FI】
H01B12/06
(21)【出願番号】P 2021512946
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(86)【国際出願番号】 GB2019052433
(87)【国際公開番号】W WO2020049279
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-08-24
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512317995
【氏名又は名称】トカマク エナジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ノグテレン、 バス
(72)【発明者】
【氏名】ブリトルズ、 グレッグ
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-503794(JP,A)
【文献】特開2013-073831(JP,A)
【文献】特開2018-137292(JP,A)
【文献】特表2010-518582(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0240286(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0173149(US,A1)
【文献】特開2013-254563(JP,A)
【文献】特開2008-60074(JP,A)
【文献】特開2001-76924(JP,A)
【文献】特開2015-211009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 12/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温超伝導(HTS)電流リードであって、
複数のHTSテープを含むHTSケーブルと、
前記HTSケーブルの周りの編組スリーブと、
前記HTSケーブル及び前記編組スリーブに含浸させた安定化材であって、290Kよりも高く、前記HTSテープの熱劣化温度よりも低い融点を有する安定化材と
を含むHTS電流リード。
【請求項2】
前記安定化材はワックスである、請求項1に記載のHTS電流リード。
【請求項3】
前記編組スリーブは金属を含み、前記HTSケーブルに電気的に接続されている、請求項1又は2に記載のHTS電流リード。
【請求項4】
前記金属は銅又は真鍮である、請求項3に記載のHTS電流リード。
【請求項5】
前記HTSケーブルの各端部にそれぞれの端子台を含み、各端子台は、前記HTSテープに電気的に接続され、外部コンポーネントに電気的に接続するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のHTS電流リード。
【請求項6】
各端子台は前記HTSケーブルにはんだ付けされている、請求項5に記載のHTS電流リード。
【請求項7】
各端子台は前記編組スリーブに取り付けられている、請求項5又は6に記載のHTS電流リード。
【請求項8】
各端子台は前記編組スリーブにはんだ付けされている、請求項6に記載のHTS電流リード。
【請求項9】
各端子台は前記HTSケーブルの一部の周りに延びる突出部を含み、前記編組スリーブは前記突出部の周りに延びる、請求項7又は8に記載のHTS電流リード。
【請求項10】
前記安定化材を取り囲む漏出防止シースを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のHTS電流リード。
【請求項11】
前記漏出防止シースは取り外し可能である、請求項10に記載のHTS電流リード。
【請求項12】
前記漏出防止シースは、漏出防止材料から形成された内側シースと、77K未満に冷却した後も構造的完全性を維持する材料から形成された外側シースとを含む、請求項10に記載のHTS電流リード。
【請求項13】
HTS電流リードを製造する方法であって、
複数のHTSテープを含むHTSケーブルを提供することと、
前記
HTSケーブルの周りに編組スリーブを配置することと、
前記編組スリーブの周りに漏出防止シースを配置することと、
290Kよりも高く、前記HTSテープの熱劣化温度よりも低い融点を有する安定化材を前記漏出防止シースに充填することと、
前記漏出防止シースを密封することと
を含む方法。
【請求項14】
前記漏出防止シースに前記安定化材を充填するステップは、
前記安定化材のペレットを前記漏出防止シースに挿入することと、
前記ペレットを溶かすことと
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記
HTSケーブルを少なくとも一端で
第1の端子台に取り付けることを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記編組スリーブを前記
第1の端子台に取り付けることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記編組スリーブ及び前記
HTSケーブルを前記
第1の端子台に取り付けることは、前記
第1の端子
台と、前記
HTSケーブルの一部と、前記
編組スリーブの一部とを一緒にはんだ槽に浸すことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の端子台と第2の端子台が一度取り付けられると互いに対して相対的に角度をなすように、前記第2の端子台を前記HTSケーブルに取り付ける前に前記HTSケーブルを曲げることを含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記漏出防止シースが熱収縮材料から形成されており、前記安定化材を溶融して前記
漏出防止シースを収縮させるために、前記漏出防止シースに安定化材を充填するステップに続いて、前記漏出防止シースを加熱することを含む、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
HTS電流リードを再形成する方法であって、
前記HTS電流リードは、
複数のHTSテープを含むHTSケーブルと、
前記HTSケーブルの周りの編組スリーブと、
前記HTSケーブル及び前記編組スリーブに含浸させた安定化材であって、前記HTSテープの臨界温度よりも高く、前記HTSテープの熱劣化温度よりも低い融点を有する安定化材と、
前記安定化材を封入する漏出防止シースと
を含み、
前記方法は、
前記HTS電流リードを、前記安定化材の融点よりも高く、前記HTSテープの劣化温度よりも低い温度に加熱することと、
前記HTS電流リードを所望の形状に曲げることと、
前記HTS電流リードを前記所望の形状に保ちながら前記HTS電流リードが冷却できるようにすることと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導デバイスに関する。特に、本発明は、高温超伝導体を含む電流リードに関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導材料は一般に、「高温超伝導体」(HTS)と「低温超伝導体」(LTS)とに分けられる。NbやNbTiなどのLTS材料は、その超伝導性をBCS理論で説明できる金属又は金属合金である。すべての低温超伝導体は、約30Kよりも低い臨界温度(それを超えるとゼロ磁場でも材料が超伝導にならない温度)を有する。HTS材料の挙動はBCS理論では説明されておらず、このような材料は約30Kよりも高い臨界温度を有する場合がある(ただし、HTS材料を定義するのは、臨界温度ではなく、超伝導動作及び組成の物理的な違いであることに注意すべきである)。最も一般的に使用されるHTSは「銅酸化物超伝導体」、BSCCO又はReBCO(ここで、Reは希土類元素、通常はY又はGdである)などの銅酸化物(酸化銅基を含む化合物)をベースとするセラミックである。他のHTS材料は、鉄プニクチド(例えば、FeAs及びFeSe)及び二ホウ酸マグネシウム(MgB2)を含む。
【0003】
ReBCOは一般に、
図1に示す構造を有するテープとして製造される。このようなテープ100は、一般に約100ミクロンの厚さであり、基板101(典型的には約50ミクロンの厚さの電解研磨したハステロイ)を含み、基板101の上に、IBAD、マグネトロンスパッタリング、又は他の好適な技術によって、約0.2ミクロンの厚さのバッファスタック102として知られる一連のバッファ層が堆積される。エピタキシャルReBCO-HTS層103(MOCVD又は他の好適な技術によって堆積される)がバッファスタックにオーバーレイ15し、典型的には1ミクロンの厚さである。1~2ミクロンの銀層104がスパッタリング又は他の好適な技術によってHTS層上に堆積され、銅安定化層105が電気めっき又は他の好適な技術によってテープ上に堆積され、これは多くの場合テープを完全に封入する。
【0004】
基板101は、製造ラインを通して供給されかつ後続の層の成長を可能にすることができる機械的なバックボーンを提供する。バッファスタック102は、その上にHTS層を成長させるための二軸配向結晶テンプレートを提供するために必要とされ、その超伝導特性を損なう基板からHTSへの元素の化学拡散を防止する。銀層104は、ReBCOから安定化層への低抵抗界面を提供するために必要とされ、安定化層105は、ReBCOのいずれかの部分が超伝導を停止する(「常伝導」状態になる)場合に代替的な電流経路を提供する。
【0005】
磁石などの超伝導システムの設計における共通の課題は、極低温環境への熱負荷を最小限に抑えながら極低温で高電流を得ることである。通常、大電流は室温で(すなわち極低温環境の外で)生成され、電流リードによってクライオスタットに輸送される。電流リードは典型的には、銅(約300Kの温度の場合)、真鍮(300Kから77Kの温度の場合)、及び高温超伝導体(HTS)(77Kよりも低い温度の場合)の混合物である。電流リードは、単一の温度でシステムの領域内で電流を輸送するためにも使用され得る。
【0006】
クライオスタットに電力を伝送するスイッチモード電源を有するなど、他の解決策を使用することができるが、これらは一般に、電源と超伝導システムとの間のHTS電流リードを含む。
【0007】
HTS電流リードは、剛性であっても可撓性であってもよい。剛性リードは、クライオスタットが冷却されるときの熱収縮により機械的な問題を引き起こす可能性がある。HTSテープは小さすぎる半径で曲げると亀裂が発生し、動作中の曲げによる歪みがあると臨界電流が減少するため、可撓性リードは注意深く取り扱う必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、HTS電流リードが提供される。HTS電流リードは、複数のHTSテープを含むHTSケーブルと、HTSケーブルの周りの編組スリーブと、HTSケーブルと編組スリーブに含浸させた安定化材とを含む。安定化材は、HTSテープの臨界温度よりも高く、HTSテープの熱劣化温度よりも低い融点を有する。
【0009】
第2の態様によれば、HTS電流リードを製造する方法が提供される。複数のHTSテープを含むHTSケーブルが提供される。ケーブルの周りに編組スリーブが配置される。編組スリーブの周りには漏出防止シースが配置される。漏出防止シースは、安定化材で充填され、安定化材は、HTSテープの臨界温度よりも高く、HTSテープの熱劣化温度よりも低い融点を有する。漏出防止シースは充填されている。
【0010】
第3の態様によれば、第1の態様によるHTS電流リードを再形成し、さらに安定化材の周りに漏出防止シースを含む方法が提供される。HTS電流リードは、安定化材の融点よりも高く、HTSテープの劣化温度よりも低い温度に加熱される。HTS電流リードは、所望の形状に曲げられる。HTS電流リードは、HTS電流リードを所望の形状に保ちながら冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】HTS電流リードの例示的な構造の概略図である。
【
図3】端子を含むHTS電流リードの例示的な構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
HTS電流リードの構成を
図2に示す。HTS電流リードは、編組スリーブ202内に保持されている複数のHTSテープ201を含む。テープ201及び編組スリーブ202は、シース204によって所定の位置に保持されているワックス203に包まれている。
【0013】
HTSテープは、積層される(すなわち、すべて平行である)か又は他の向きでケーブル内に配置される(例えば、ねじれた積層体又は編組ケーブル)。
【0014】
編組スリーブは、電流リードをより大きくするように作用し、これは、ケーブルのみを曲げるのに比べて、テープに損傷を与える曲げ半径で電流リードを曲げることがはるかに困難であることを意味する。編組スリーブは、HTSテープのための電気的な「安定化装置」としても、すなわち、HTSテープを通る電流が臨界電流を超えた場合の代替的な電流経路としても機能するように金属を含むことができる。編組スリーブに好適な金属は真鍮又は銅を含み、金属のフィラメントはPbSnはんだなどの別の金属で被覆することができる。
【0015】
編組スリーブは、特定の曲率半径未満での曲げを完全に防止するように構成することができる。
【0016】
ワックスは、システムの取り扱い中及び超伝導システムの動作中に、電流リードを構造的に安定に保つように作用する。電流リードを加熱してワックスを溶融させ、電流リードを所望の形状に曲げ、次いで冷却してその形状を維持することができる。好適なワックスは、電流リード線の意図された動作温度(例えば、77K、又はHTSテープの臨界温度)よりも高いか又は室温(290K、室温での安定性を確保するため)よりも高いが、HTSの劣化温度(すなわち、HTSへの永久的な損傷が生じる温度、通常約200°C)よりも低い融点を有する。編組スリーブ、シース、又はHTS電流リード内のいずれかのはんだの融点がHTS劣化温度よりも低い場合、ワックスの融点もこれより低いことができ、又は、低い融点のコンポーネントがワックスと同じ温度に達するのを防ぐ(例えば、はんだ付け部分を避ける)ような方法で熱を加えることができる。
【0017】
本明細書では例としてワックスを使用するが、室温よりも高く、HTS劣化温度よりも低い融点を有する他の物質も、HTS電流リードを含浸させるための安定化材としての使用に適している。
【0018】
極低温冷却中のワックスの特性も考慮され得る。一部のワックスは、極低温まで冷却して室温まで温め直すと粉末に分解するため、冷却と加温のサイクルが予想される用途には適していない(ただし、恒久的に極低温に保たれるデバイスには適している)。どのワックスが極低温で良好に機能するかは、ルーチンの実験によって決定することができる。
【0019】
室温及び極低温におけるワックスの剛性も、システムの設計制約によっては考慮事項である。剛性の高いワックスほど、動作中の(例えば、ローレンツ力に対する)構造的保護は良好であるが、熱収縮による機械的な問題に悩まされる可能性がある。可撓性の高いワックスは、ローレンツ力からの保護が少なくなるが、熱収縮を補償するためにより簡単に曲がることができる。
【0020】
上記の条件を満たすワックスの1つが蜜ろう(融解温度60°C、極低温サイクルを通じて安定)である。本明細書で「ワックス」が使用される場合、これはまた、所望の特性を達成するための様々なワックス又は他の材料の混合物であり得る。
【0021】
シース204は、ケーブルを再形成するためにワックスが加熱されると、熱収縮材料が収縮してワックスが構造内のあらゆる空隙を充填することを促進するような熱収縮材料であり得る。HTS電流リードが所定の位置に形成され、ワックスが固化すると、シース204は、必要に応じて除去され又は更なる電気絶縁のために着けたままにされ得る。
【0022】
それ以外の点では漏出防止シースを提供するのに適している多くの材料は、極低温で脆くなる。したがって、シース204は、室温及びワックスを溶融するのに必要な温度で漏れがない第1の「室温」シースと、極低温で構造的完全性を維持する、「室温」シースを取り囲む第2の「極低温」シースとを含むことができる。
【0023】
図3は、
図2によるHTS電流リードと端子台との間の接続の概略図である。端子台は、HTS電流リードを電気的、熱的及び構造的に他の構成要素に接続するために使用することができる。
【0024】
HTS電流リード200は、前と同じ構成要素、すなわち、HTSテープ201と、編組スリーブ202と、ワックス203と、シース204とを有する。HTSテープ201は、編組スリーブ202を越えて端子台300内に延びている。追加の銅テープをHTSテープの間に配置して、HTSテープが端子台内でさらに間隔を空けて配置され、過電流(端子台は抵抗加熱を受ける可能性が高く、抵抗加熱によりテープの臨界電流が低下し、クエンチのリスクが高まるが、過剰な銅はこれを軽減するのに役立つ)の場合に追加の銅が提供されるようにすることができる。
【0025】
端子台は、HTSテープが間に締め付けられている上側部分301と下側部分302から形成され得る。代替的に、端子台は、HTSテープを受け入れるための凹部又は貫通孔を有する単一のユニットとして形成され得る。他の好適な構造も使用され得る。端子台の凹部又は貫通孔(又は締め付けられている例では2つの部分の間のスペース)は、HTSテープを0.1mm以内に収めて、HTSテープを端子台に容易にはんだ付け可能にすることができる。
【0026】
編組スリーブ202は、端子台の側面の突出部303を取り囲み、シース204もこの突出部の周りに延びている。編組スリーブ202、HTSテープ201、及び端子台300は、はんだ付けによって、例えば、端子台全体及び突出部をはんだに浸すこと(シース204及びワックス203を高温のはんだから離しておくこと)によって接続することができる。はんだは、HTSの劣化温度よりも低い融点を有するように選択される必要がある。端子台とシース204との間を接合するようにシーリング材を塗布することができる。
【0027】
端子台を含むHTS電流リードは、以下のステップによって製造することができる。
1.HTSテープを長さに切断し、(例えば、積み重ねることによって)ケーブルに組み立てる。
2.第1の端子台をケーブルの一端に配置する。
3.編組スリーブを所望の長さに切断し、ケーブル上で第1の端子台まで、突出部の周りにスライドさせる。
4.第1の端子台をはんだに浸して、HTSケーブル及び編組スリーブを互いに及び第1の端子台に固定する。
5.シースを編組スリーブ上でスライドさせ、第1の端子台に隣接する端部で密封する。
6.シースにワックスを充填し、第1の端子台から最も遠い端部で、その端部が第2の端子台を取り付ける場所からある程度離れて保持されるようにシースを一時的に固定する。
7.第2の端子台をケーブルの自由端の上に配置し、編組スリーブを第2の端子台の突出部の上にスライドさせる。
8.第2の端子台をはんだに浸して、HTSケーブル及び編組スリーブを互いに及び第2の端子台に固定する。
9.シースを第2の端子台までスライドさせ、その端部で密封する。
10.組立体を加熱してワックスを溶かす(熱収縮材料をシースに使用する場合は、熱収縮材料を収縮させる)。
【0028】
これらのステップは、
図3を参照して説明した端子台以外の端子に対して適切に変更することができる。一般に、HTS電流リードを形成するには、以下のステップが必要である。
1.複数のテープを含むHTSケーブルを提供する。
2.ケーブルの周りに編組スリーブを配置する。
3.編組スリーブの周りにシースを配置する。
4.シースにワックスを(溶融ワックス又はペレットの形で)充填する。
5.シースを密封する。
6.ペレットを使用した場合はワックスを溶融する。
【0029】
これらのステップは、HTSケーブルを使用する端子に接続するために必要に応じて並べ替え又はサブステップに分割し得る。
【0030】
積層されたテープを含むHTSケーブルを使用する場合(及び潜在的には他のケーブル設計の場合)、端子台の相対的な向きは、ほぼケーブルを作成するときの端子台の向きに制限される(例えば、端子台が平行である場合、HTS電流リードが曲げられても、端子台はほぼ平行のままである)。これは、端子台の相対的な向きを大幅に変更するには、スタックの一方の側のHTSテープを、スタックの他方の側のHTSテープに対して伸びる必要があるためである。これは、端子台が所望の相対的な向きになるように、第2の端子台を取り付ける前に積層されたHTSケーブルを予め曲げることによって軽減することができる。