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  • 特許-長靴洗浄装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】長靴洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 23/02 20060101AFI20240605BHJP
   A47L 23/18 20060101ALI20240605BHJP
   B08B 1/12 20240101ALI20240605BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
A47L23/02 A
A47L23/18
B08B1/12
B08B3/02 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022007632
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2023106729
(43)【公開日】2023-08-02
【審査請求日】2022-11-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)岐阜県発明協会高山市会が第60回全飛発明くふう展・未来の科学の夢絵画展で「大野将太郎」応募の作品「長ぐつあらいき」が岐阜県知事賞を受けた旨を令和3年9月17日に公表した。 この公表に基づいて、高山市市民時報がその受賞に関する記事を令和3年9月20日号に掲載した。 また、岐阜新聞がその受賞に関する記事を令和3年9月25日号に掲載した。 更に、中日新聞がその受賞に関する記事を令和3年9月25日号に掲載した。 (2)岐阜県発明協会が2021年岐阜県発明くふう展を岐阜市正木中のショッピングセンター「マーサ21」で令和3年10月22日~25日に開催し、「大野将太郎」応募の作品「長ぐつあらいき」を展示した。その作品は「児童・生徒の作品の部」の中部経済産業局長賞を受けた。 岐阜新聞がその受賞に関する記事を令和3年10月23日号に掲載した。 岐阜市のケーブルテレビのチャンネルCCNが2021年岐阜県発明くふう展・表彰式の模様を令和3年10月27日に放送した。
(73)【特許権者】
【識別番号】522029084
【氏名又は名称】大野 将太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100081628
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 桂
(72)【発明者】
【氏名】大野 将太郎
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-201785(JP,A)
【文献】特開2002-010966(JP,A)
【文献】特開2005-218692(JP,A)
【文献】中国実用新案第201414778(CN,Y)
【文献】韓国登録実用新案第0443217(KR,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0170132(US,A1)
【文献】特開2021-023343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 23/02
A47L 23/18
B08B 1/32
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長靴の着用者がその長靴を洗浄する装置において、
左右にそれぞれ縦棒を設け、左右の縦棒の上端に上側の横棒を掛け渡して固定し、上側の横棒の左端部を左側の縦棒から左側に突き出して左手用の握り部にし、上側の横棒の右端部を右側の縦棒から右側に突き出しで右手用の握り部にしており、長靴の着用者が、左右の縦棒に向かって立ち、左右の手で左右の握り部を握る立ち姿勢になる構成にし、
左右の縦棒は、その前に立った着用者の長靴の前側になる位置に、ブラシ、及び、靴底の凹部に先端が入る掻き出し棒と、靴底の凸面に先端が当たる擦り棒を取り付け
掻き出し棒は、靴底の凹部に詰まっている泥や砂を掻き出す際、先端側が少し撓む程度の曲げ剛性にし、
擦り棒は、靴底の凸面を擦る際、先端側がほとんど撓わない程度の曲げ剛性にしており、
立ち姿勢の長靴の着用者が、片方の長靴をブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せて押し付けながら前後左右に動かす構成にしたことを特徴とする長靴洗浄装置。
【請求項2】
掻き出し棒と擦り棒は、取り付け板の上に突き出して取り付け、取り付け板を先上りの緩傾斜にし、立ち姿勢の長靴の着用者が、片足を斜め前に上げ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せて押し付けながら前後左右に動かす構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の長靴洗浄装置。
【請求項3】
ブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せた長靴の左側と右側、上側になる位置にそれぞれブラシを取り付けており、立ち姿勢の長靴の着用者が、ブラシに囲まれた長靴を動かして左側のブラシ、右側のブラシ又は上側のブラシにそれぞれ擦り付ける構成にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の長靴洗浄装置。
【請求項4】
ブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せた長靴の左側、下側、右側と上側の各位置を通過する給水路を設け、給水路の、長靴の左側、下側、右側と上側になる位置に、それぞれ、長靴に向けて水を噴出する噴出口を設けており、左右上下の噴出口に囲まれた長靴に左右上下の噴出口からそれぞれ水の噴流をぶつける構成にしたことを特徴とする請求項1、2又はに記載の長靴洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長靴の着用者がその長靴を洗浄する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長靴は、人の足を汚れから護るため、いろんな分野で使用されている。そして、長靴の外面は、汚れると洗浄する。例えば、牧畜業者は、牧畜区域に踏み入る直前に、着用中の長靴を洗浄する。長靴に付着している病原体やその他の汚れを牧畜区域に持ち込まないためである。
着用者は、着用中の長靴を手で洗浄するときは、腰を曲げて屈んだ姿勢になる。腰が痛くなることがある。また、靴底の汚れを落とし難い。洗浄に多くの手間がかかる。
特許文献1に開示の長靴洗浄装置は、電動式の回転ブラシを備えている。電源を要する。複雑な構造になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-41664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[課 題]
長靴洗浄装置は、長靴の着用者がその長靴を楽な姿勢で洗浄可能にし、靴底の汚れを落とし易くする。
【0005】
[構 想]
1)長靴は、靴底に凹凸があって、凹部に泥や砂が嵌まり込む。その泥や砂が落とし難い。
そこで、長靴洗浄装置は、下部に、靴底の凹部に先端が入る掻き出し棒と、靴底の凸面に先端が当たる擦り棒、及び、ブラシを設ける。長靴の着用者は、立った姿勢、楽な姿勢で、片方の長靴を、掻き出し棒、擦り棒とブラシの上に載せて押し付けながら前後左右に動かす。靴底の凹部に詰まっている泥や砂を掻き出し棒で掻き出す。靴底の凸面を擦り棒で擦る。また、靴底にブラシを擦り付ける。長靴は、凹凸のある靴底に付着していた汚れを掻き出し棒、擦り棒とブラシで落とす。
【0006】
2)長靴洗浄装置は、掻き出し棒、擦り棒とブラシの上に載せた長靴の左側と右側、上側になる位置にそれぞれブラシを設ける。長靴の着用者は、立った姿勢で、左側と右側、上側のブラシに囲まれた長靴を動かして左側のブラシ、右側のブラシ又は上側のブラシにそれぞれ擦り付ける。長靴は、外面に付着していた汚れを左側と右側、上側のブラシで擦り取る。
【0007】
3)長靴洗浄装置は、掻き出し棒、擦り棒と下側のブラシの上に載せた長靴の左側と右側、上側と下側になる位置にそれぞれ水の噴出口を設ける。左右上下の噴出口に囲まれた長靴に左右上下の噴出口からそれぞれ水の噴流をぶつける。長靴は、外面を水洗いする。外面に付着していた汚れを水で洗い落とす。
【0008】
4)長靴洗浄装置は、噴出口から噴出する水に、長靴への付着が予想される病原体用の消毒液を混入する。左右上下の噴出口に囲まれた長靴に消毒液入りの水をぶつける。長靴は、外面を消毒液で消毒する。外面に付着している病原体を無毒にする。
【0009】
[具体化]
1)長靴洗浄装置は、左右にそれぞれ縦棒を設ける。左右の縦棒は、上端に上側の横棒を掛け渡して固定する。上側の横棒は、左端部を左側の縦棒から左側に突き出して左手用の握り部にする。右端部を右側の縦棒から右側に突き出しで右手用の握り部にする。長靴の着用者が、左右の縦棒に向かって立ち、左右の手で左右の握り部を握る立ち姿勢になる構成にする。
【0010】
左右の縦棒は、その前に立った着用者の長靴の前側になる低い位置に、ブラシ、及び、靴底の凹部に先端が入る掻き出し棒と、靴底の凸面に先端が当たる擦り棒を取り付ける。立ち姿勢の長靴の着用者が片方の長靴をブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せて押し付けながら前後左右に動かす構成にする。
【0011】
長靴の着用者は、片足を上げて、片方の長靴をブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上で移動させると、片足立ちになってふらつき易くなるが、左右の手で左右の握り部を握っていると、左右の縦棒が杖の役割をしてふらつき難くなる。片足立ち姿勢を維持し易い。
【0012】
2)長靴洗浄装置は、ブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せた長靴の左側と右側、上側になる位置にそれぞれブラシを取り付ける。立ち姿勢の長靴の着用者が、左側と右側、上側のブラシに囲まれた長靴を動かして左側のブラシ、右側のブラシ又は上側のブラシにそれぞれ擦り付ける構成にする。
【0013】
3)長靴洗浄装置は、下側のブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せた長靴の左側、下側、右側と上側の各位置を通過する給水路を設ける。給水路は、長靴の左側、下側、右側と上側になる位置に、それぞれ、長靴に向けて水を噴出する噴出口を設ける。左右上下の噴出口に囲まれた長靴に左右上下の噴出口からそれぞれ水の噴流をぶつける構成にする。
【0014】
4)給水路は、噴出口の上流位置に消毒液供給路を接続する。給水路の流水に消毒液を混入し、消毒液入りの水を噴出口から長靴にぶつける構成にする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
1.長靴の着用者がその長靴を洗浄する装置において、
左右にそれぞれ縦棒を設け、左右の縦棒の上端に上側の横棒を掛け渡して固定し、上側の横棒の左端部を左側の縦棒から左側に突き出して左手用の握り部にし、上側の横棒の右端部を右側の縦棒から右側に突き出しで右手用の握り部にしており、長靴の着用者が、左右の縦棒に向かって立ち、左右の手で左右の握り部を握る立ち姿勢になる構成にし、
左右の縦棒は、その前に立った着用者の長靴の前側になる位置に、ブラシ、及び、靴底の凹部に先端が入る掻き出し棒と、靴底の凸面に先端が当たる擦り棒を取り付け
掻き出し棒は、靴底の凹部に詰まっている泥や砂を掻き出す際、先端側が少し撓む程度の曲げ剛性にし、
擦り棒は、靴底の凸面を擦る際、先端側がほとんど撓わない程度の曲げ剛性にしており、
立ち姿勢の長靴の着用者が、片方の長靴をブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せて押し付けながら前後左右に動かす構成にしたことを特徴とする長靴洗浄装置。
2.上記1の長靴洗浄装置において、
掻き出し棒と擦り棒は、取り付け板の上に突き出して取り付け、取り付け板を先上りの緩傾斜にし、立ち姿勢の長靴の着用者が、片足を斜め前に上げ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せて押し付けながら前後左右に動かす構成にしたことを特徴とする。
3.上記1又は2の長靴洗浄装置において、
ブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せた長靴の左側と右側、上側になる位置にそれぞれブラシを取り付けており、立ち姿勢の長靴の着用者が、ブラシに囲まれた長靴を動かして左側のブラシ、右側のブラシ又は上側のブラシにそれぞれ擦り付ける構成にしたことを特徴とする。
4.上記1、2又は3の長靴洗浄装置において、
ブラシ、掻き出し棒と擦り棒の上に載せた長靴の左側、下側、右側と上側の各位置を通過する給水路を設け、給水路の、長靴の左側、下側、右側と上側になる位置に、それぞれ、長靴に向けて水を噴出する噴出口を設けており、左右上下の噴出口に囲まれた長靴に左右上下の噴出口からそれぞれ水の噴流をぶつける構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
長靴洗浄装置は、長靴の着用者がその長靴を立ち姿勢、楽な姿勢で洗浄することができる。靴底の汚れを落とし易い。また、複雑な構造にならない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態の第1例における長靴洗浄装置の中間省略正面図。
図2】同長靴洗浄装置の中間省略右側面図。
図3】同実施形態の第2例における長靴洗浄装置の中間省略正面図。
図4】同長靴洗浄装置の中間省略右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1例(図1図2参照)]
本例の長靴洗浄装置は、図1図2に示すように、左右にそれぞれ縦棒1、2を設けている。縦棒1、2は、左右に並列し、同寸にしている。左右の縦棒1、2は、上端に上側の横棒3を掛け渡して固定している。上側の横棒3は、左端部を左側の縦棒1から左側に突き出して左手用の握り部4にし、右端部を右側の縦棒2から右側に突き出しで右手用の握り部5にしている。長靴の着用者が、左右の縦棒1、2に向かって立ち、左右の手hで左右の握り部4、5を握る立ち姿勢になる構成にしている。
【0019】
左右の縦棒1、2は、立ち姿勢になった着用者の長靴の前側になる位置に、下側の横棒6と下側の細長いブラシ7をそれぞれ掛け渡して固定している。下側のブラシ7を下側の横棒6の上側に配置している。下側のブラシ7は、細長い形態にしている。実施例では丸棒形状のねじりブラシにしている。植込みブラシやチャンネルブラシのような他のブラシも使用可能である。
【0020】
また、左右の縦棒1、2は、下側の横棒6の固定位置に、平面形状が門形ないしコの字形状の取り付け枠11の両端を固定している。取り付け枠11は、長靴の着用者の立ち位置と反対側の後側に突き出し、突き出し端の先端を固定端の根元より高くしている。先上りの緩傾斜にしている。取り付け枠11の上には、方形状の取り付け板12を固定して先上りの緩傾斜にしている。取り付け板12は、掻き出し棒13と擦り棒14をそれぞれ下から上に貫通して取り付けている。掻き出し棒13と擦り棒14は、それぞれ、複数本にして配列している。擦り棒14は、上側への突き出し量を、先端が長靴の靴底の凸面に当たる長さにしている。掻き出し棒13は、上側への突き出し量を、先端が靴底の凹部に入る長さにしている。擦り棒14の突き出し量より長くしている。長靴の着用者が、左右の縦棒1、2に向かって立ち、左右の手hで左右の握り部4、5を握った立ち姿勢で、片方の長靴bを下側のブラシ7、掻き出し棒13と擦り棒14の上に載せて押し付けながら前後左右に動かす構成にしている。
【0021】
掻き出し棒13は、長靴の靴底の凹部に詰まっている泥や砂を掻き出す際、先端側が少し撓む程度の曲げ剛性にしている。材質は、硬質合成樹脂にしている。実施例では硬質シリコーン樹脂にしている。擦り棒14は、靴底の凸面を擦る際、先端側がほとんど撓わない程度の曲げ剛性にしている。材質は、金属にしている。実施例では鋼にしている。
【0022】
また、掻き出し棒13と擦り棒14は、それぞれ、ボルト形状にし、取り付け板12に貫通したねじ孔に螺合して貫通している。ねじ機構で着脱可能にしている。破損時に交換する構成にしている。
【0023】
左右の縦棒1、2は、それぞれ、下側の横棒6の固定位置から下側の部分を左右の前側の脚部15にしている。取り付け枠11は、先端の左右の下側にそれぞれ左右の後側の脚部16を取り付けている。前後左右の4本の脚部15、16で左右の縦棒1、2が自立する構成にしている。
【0024】
また、本例の長靴洗浄装置は、図1図2に示すように、下側のブラシ7、掻き出し棒13と擦り棒1の上に載せた長靴bの左側と右側、上側になる位置にそれぞれ細長いブラシ17、18、19を取り付けている。左側のブラシ17と右側のブラシ18は、それぞれ、左右の縦棒1、2の内側に沿わせ、上下の端を縦棒1、2に固定している。上側のブラシ19は、左右の縦棒1、2に掛け渡して左右の端を固定している。長靴の着用者が立ち姿勢で、左右と上側のブラシ17、18、19に囲まれた長靴bを動かして左側のブラシ17、右側のブラシ18又は上側のブラシ19にそれぞれ擦り付ける構成にしている。左右と上側のブラシ17、18、19は、それぞれ、下側のブラシ7と同様な細長い形態にしている。実施例では丸棒形状のねじりブラシにしている。植込みブラシやチャンネルブラシのような他のブラシも使用可能である。
【0025】
更に、本例の長靴洗浄装置は、図1図2に示すように、下側のブラシ7、掻き出し棒13と擦り棒1の上に載せた長靴bの左側、下側、右側と上側の各位置を通過する給水路21を設けている。給水路21は、長靴bの左側、下側、右側と上側になる位置に、それぞれ、長靴bに向けて水を噴出する噴出口22を設けている。左右上下の噴出口22に囲まれた長靴bに左右上下の噴出口22からそれぞれ水の噴流をぶつける構成にしている。
【0026】
左右の縦棒1、2は、上側のブラシ19の直上位置に、中間の横棒23を掛け渡して左右の端を固定している。中間の横棒23、上下の横棒3、6と左右の縦棒1、2は、それぞれ、中空棒にしている。中空棒は、管材にしている。実施例では円管にしている。材質は、金属や硬質合成樹脂にしている。各横棒23、3、6と各縦棒1、2は、それぞれ、中空の内部を通路にしている。上側の横棒3は、内部の通路の一端を栓24で閉鎖し、他端をホース接続端25にして水道ホースwの先端に接続可能にしている。水道ホースwは、図示しないが、基端を水道に接続している。左右の縦棒1、2は、それぞれ、内部の通路の上端を上側の横棒3内部の通路に連通し、下端を栓26で閉鎖している。中間の横棒23と下側の横棒6は、それぞれ、内部の通路の左右端を左右の縦棒1、2内部の通路に連通している。上中下の横棒3、23、6と左右の縦棒1、2は、内部の通路で給水路21を構成している。
【0027】
中間の横棒23は、噴出口22を下向きに開口し、下向きの噴出口22を複数個にして左右に配列している。下側の横棒6は、噴出口22を上向きに開口し、上向きの噴出口22を複数個にして左右に配列している。左側の縦棒1は、中間の横棒23と下側の横棒6との間で、噴出口22を右向きに開口し、右向きの噴出口22を複数個にして配列している。右側の縦棒2は、中間の横棒23と下側の横棒6との間で、噴出口22を左向きに開口し、左向きの噴出口22を複数個にして上下に配列している。各噴出口22は、それぞれ、給水路21に連通している。
【0028】
また、給水路21は、噴出口22の上流位置に消毒液供給路31を接続している。給水路21の流水に消毒液を混入し、消毒液入りの水を噴出口22から長靴bにぶつける構成にしている。
【0029】
片側の縦棒2は、上側の横棒3に近い位置に消毒液のボトル形容器32を取り付けている。この消毒液容器32は、消毒液流出管33を上側の横棒3に連結している。即ち、消毒液流出管33内部の消毒液供給路31を上側の横棒3内部の給水路21に接続している。また、消毒液容器32は、消毒液押出機構を備え、上部の押出レバー34を握り部5に近い位置に配置している。握り部5を握った手hの指で押出レバー34を操作可能にしている。長靴bを水洗中の着用者が押出レバー34を操作して消毒液を給水路21の水流に混入し、噴出口22から噴出する消毒液入りの水を長靴bにぶつける構成にしている。
【0030】
本例の長靴洗浄装置を使用する場合、ホース接続端25に水道ホースwを接続する。水道を開く。長靴の着用者は、左右の縦棒1、2に向かって立ち、左右の手hで左右の握り部4、5を握る。この立ち姿勢で、片足を斜め前に上げて、片方の長靴bを下側のブラシ7、掻き出し棒13と擦り棒14の上に載せる。そして、長靴bの靴底を下側のブラシ7、掻き出し棒13と擦り棒14に押し付けながら、片方の長靴bを前後左右に動かす。靴底の凹部に詰まっている泥や砂を掻き出し棒13で掻き出す。靴底の凸面を擦り棒14で擦る。靴底にブラシ7を擦り付ける。長靴bは、靴底に付着していた汚れを掻き出し棒13、擦り棒14とブラシ7で落とす。
【0031】
また、立ち姿勢の長靴の着用者は、長靴bを動かして左側のブラシ17、右側のブラシ18又は上側のブラシ19にそれぞれ擦り付ける。それらのブラシ17、18、19で、長靴bの外面に付着していた汚れを擦り取る。
【0032】
更に、長靴bには、左右上下の噴出口22からそれぞれ水の噴流をぶつける。長靴bは、外面を水洗いする。外面に付着していた汚れを水で洗い落とす。
【0033】
また、立ち姿勢で長靴bを水洗中の着用者は、消毒液容器の押出レバー34を操作して消毒液を給水路21の水流に混入する。消毒液入りの水の噴流を長靴bにぶつける。長靴bは、外面を消毒液で消毒する。外面に付着している病原体を無毒にする。
【0034】
片方の長靴の洗浄が済めば、他方の長靴を同様に洗浄する。
【0035】
[第2例(図3図4参照)]
本例の長靴洗浄装置は、給水路21を構成するのに、第1例における硬質管の縦棒1、2と横棒3、6、23に替えて、軟質管のホースを使用している。
【0036】
左右の縦棒1、2は、図3図4に示すように、前側に下側のホース41と上側のホース42をそれぞれ縛り付けて取り付けている。下側のホース41は、下側のブラシ7、掻き出し棒13と擦り棒14の上に載せた長靴bの左側、下側、右側と上側の各位置を通過する形状に曲げ、両端を中間の横棒23の上側に配置して三方接手43の下側の二つの口にそれぞれ接続している。そして、下側のホース41は、長靴bの左側、下側、右側と上側になる位置に、それぞれ、長靴bに向けて水を噴出する噴出口22を設けている。上側のホース42は、下端を三方接手43の上側の一つの口に接続し、上端を縦棒1の外側に突き出してホース接続端25にしている。ホース接続端25は、水道に接続した水道ホースwの先端に接続可能にしている。即ち、下側のホース41と上側のホース42の内部で給水路21を構成している。
【0037】
更に、上側のホース42には、消毒液容器32の消毒液流出管33を接続している。即ち、消毒液流出管33内部の消毒液供給路31を上側のホース42内部の給水路21、噴出口22の上流位置に接続している。
【0038】
また、本例の長靴洗浄装置は、長靴bを掻き出し棒13と擦り棒14の上に載せて押し付けることによる取り付け枠11の撓み、取り付け枠11先端の下降量を低減するため、第1例における取り付け枠11先端下の左右の後側の脚部16に替えて、図4に示すように、左右の後下りの傾斜棒46を使用している。
【0039】
左右の後下りの傾斜棒46は、それぞれ、左右の縦棒1、2の、取り付け枠11先端より高い位置と取り付け枠11先端の左右位置に掛け渡して上下の端を固定している。傾斜棒46、縦棒1、2と横棒3、6、23は、中空又は中実の硬質棒にしている。材質は、金属や硬質合成樹脂にしている。
【0040】
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
【0041】
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されない。次のような変形が例示される。
1.上記の実施形態の第1例において、第2例におけるのと同様に、左右の後下りの傾斜棒46を設ける。取り付け枠11先端の下降量を低減する効果を増やす。
2.上記の実施形態の第2例において、第1例におけるのと同様に、後側の脚部16を設ける。後側の脚部16は、1本又は複数本にして長靴洗浄装置が自立する構成にする。
3.上記の実施形態の第1例、第2例において、掻き出し棒13と擦り棒14を左右の縦棒1、2に取り付けるに当たり、取り付け枠11を介在しているが、介在させない。掻き出し棒13と擦り棒14を取り付けた取り付け板12は、直接、左右の縦棒1、2に固定する。
4.上記の実施形態の第1例、第2例において、掻き出し棒13と擦り棒14を着脱可能にするのに、ねじ棒をねじ孔に螺合するねじ機構を利用しているが、棒を孔に抜出可能に嵌め込む嵌合機構を利用する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、牧畜業、農業、水産業、林業、工業などの広い産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1、2 左右の縦棒
1 左側の縦棒
2 右側の縦棒
3 上側の横棒
4 左手用の握り部
5 右手用の握り部
6 下側の横棒
7 下側のブラシ
11 取り付け枠
12 取り付け板
13 掻き出し棒
14 擦り棒
15 左右の前側の脚部
16 左右の後側の脚部
17 左側のブラシ
18 右側のブラシ
19 上側のブラシ
21 給水路
22 噴出口
23 中間の横棒
24 栓
25 ホース接続端
26 栓
31 消毒液供給路
32 消毒液容器
33 消毒液流出管
34 押出レバー
41 下側のホース
42 上側のホース
43 三方接手
46 左右の傾斜棒
h 長靴の着用者の左右の手
b 長靴
w 水道ホース
図1
図2
図3
図4