(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240605BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20240605BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/302 105A
H05H1/46 M
(21)【出願番号】P 2022100772
(22)【出願日】2022-06-23
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0081501
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,スン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユン サン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ミン ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヨン ウン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ドン ヨン
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0218915(US,A1)
【文献】特開平08-250488(JP,A)
【文献】国際公開第2019/217180(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、
前記処理空間にガスを導入するガス供給ユニットと、
前記処理空間に導入されたガスをプラズマで励起するエネルギーを提供するプラズマソースと、
前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、
前記支持ユニットより上部に配置されるヒーティングソースと、及び
制御機と、
を含み、
前記ヒーティングソースは、
前記基板に対してヒーティングエネルギーをパルス形態で印加し、
前記ヒーティングエネルギーは、前記基板に対して10mJ/cm
2
以上のエネルギーを印加するものであり、
前記プラズマソースは、
光またはマイクロ波透過性第1プレートと前記第1プレートに積層された透明導電膜を含む上部電極と、
前記基板より下に提供される下部電極と、
前記上部電極及び前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加する高周波電源を含み、
前記ヒーティングソースは、前記上部電極の上部に提供され、
前記制御機は、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第1工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第1工程ガスをプラズマで励起して前記基板を処理する第1段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間にファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第2段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第2工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記ヒーティングソースを制御して前記ヒーティングエネルギーをパルスで印加して前記基板を処理する第3段階と、及び
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に前記ファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第4段階と、を行い、
前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復するように制御する
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記パルスのパルス幅はピコ秒(ps)乃至ミリ秒(ms)であることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ヒーティングソースは10ミリ秒内の時間の間に前記パルスを数回乃至九百万回印加することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ヒーティングエネルギーは基板を400℃以上に加熱するものであることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ヒーティングエネルギーは前記基板に対して10mJ/cm
2乃至100mJ/cm
2のエネルギーを印加するものであることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ヒーティングソースはフラッシュランプ、レーザー光学系またはマイクロウェーブ発生器であることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記支持ユニットは、
冷却流体が流れる流路が形成された板を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、
前記処理空間にガスを導入するガス供給ユニットと、
前記処理空間に導入されたガスをプラズマで励起するエネルギーを提供するプラズマソースと、
前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、
前記支持ユニットより上部に配置されるヒーティングソースと、及び
制御機と、
を含み、
前記プラズマソースは、
光またはマイクロ波透過性第1プレートと前記第1プレートに積層された透明導電膜を含む上部電極と、
前記基板より下に提供される下部電極と、
前記上部電極及び前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加する高周波電源を含み、
前記ヒーティングソースは、前記上部電極の上部に提供され、前記基板に対してヒーティングエネルギーをパルス形態で印加し、
前記制御機は、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第1工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第1工程ガスをプラズマで励起して前記基板を処理する第1段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間にファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第2段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第2工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記ヒーティングソースを制御して前記ヒーティングエネルギーをパルスで印加して前記基板を処理する第3段階と、及び
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に前記ファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第4段階と、を行い、
前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復するように制御し、
前記支持ユニットは、
冷却流体が流れる流路が形成された板を含み、
前記制御機は、
前記第3段階で、前記板の前記流路に前記冷却流体が流れるように制御することを特徴とす
る基板処理装置。
【請求項9】
処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、
前記処理空間にガスを導入するガス供給ユニットと、
前記処理空間に導入されたガスをプラズマで励起するエネルギーを提供するプラズマソースと、
前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、及び
前記支持ユニットより上部に配置されるヒーティングソースと、
を含み、
前記ヒーティングソースは、
前記基板に対してヒーティングエネルギーをパルス形態で印加し、
前記ヒーティングエネルギーは、前記基板に対して10mJ/cm
2
以上のエネルギーを印加するものであり、
前記プラズマソースは、
光またはマイクロ波透過性第1プレートと前記第1プレートに積層された透明導電膜を含む上部電極と、
前記基板より下に提供される下部電極と、
前記上部電極及び前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加する高周波電源を含み、
前記ヒーティングソースは、前記上部電極の上部に提供される、
基板処理装置を使用した基板処理方法であって、
処理空間に第1工程ガスを導入し、導入された前記第1工程ガスをプラズマで励起して基板を処理する第1段階と、
前記処理空間にファジーガスを導入し、前記処理空間を排気する第2段階と、
前記処理空間に第2工程ガスを導入し、導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、ヒーティングエネルギーをパルスで印加する第3段階と、及び
前記処理空間に前記ファジーガスを導入し、前記処理空間を排気する第4段階と、を含み、
前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復することを特徴とする基板処理方法。
【請求項10】
前記パルスのパルス幅はピコ秒(ps)乃至ミリ秒(ms)であることを特徴とする請求項
9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記ヒーティングエネルギーは10ミリ秒内の時間の間に前記パルスを数回乃至九百万回印加することを特徴とする請求項
9に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記ヒーティングエネルギーは基板を400℃以上に加熱するものであることを特徴とする請求項
9に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記ヒーティングエネルギーは前記基板に対して10mJ/cm
2乃至100mJ/cm
2のエネルギーを印加するものであることを特徴とする請求項
9に記載の基板処理方法。
【請求項14】
処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、
前記処理空間にガスを導入するガス供給ユニットと、
前記処理空間に導入されたガスをプラズマで励起するエネルギーを提供するプラズマソースと、
前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、及び
前記支持ユニットより上部に配置されるヒーティングソースと、
を含み、
前記ヒーティングソースは、
前記基板に対してヒーティングエネルギーをパルス形態で印加し、
前記プラズマソースは、
光またはマイクロ波透過性第1プレートと前記第1プレートに積層された透明導電膜を含む上部電極と、
前記基板より下に提供される下部電極と、
前記上部電極及び前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加する高周波電源を含み、
前記ヒーティングソースは、前記上部電極の上部に提供される、
基板処理装置を使用した基板処理方法であって、
処理空間に第1工程ガスを導入し、導入された前記第1工程ガスをプラズマで励起して基板を処理する第1段階と、
前記処理空間にファジーガスを導入し、前記処理空間を排気する第2段階と、
前記基板の底面を冷却し、前記処理空間に第2工程ガスを導入し、導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、ヒーティングエネルギーをパルスで印加する第3段階と、及び
前記処理空間に前記ファジーガスを導入し、前記処理空間を排気する第4段階と、を含み、
前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復する
ことを特徴とす
る基板処理
方法。
【請求項15】
処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、
前記処理空間にガスを導入するガス供給ユニットと、
前記処理空間に導入されたガスをプラズマで励起するエネルギーを提供するプラズマソースと、
前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、
前記支持ユニットより上部に配置されるヒーティングソースと、及び
制御機と、
を含み、
前記ヒーティングソースは、
前記基板に対してヒーティングエネルギーをパルス形態で印加し、
前記プラズマソースは、
光またはマイクロ波透過性第1プレートと前記第1プレートに積層された透明導電膜を含む上部電極と、
前記基板より下に提供される下部電極と、
前記上部電極及び前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加する高周波電源を含み、
前記ヒーティングソースは、前記上部電極の上部に提供され、
前記支持ユニットは、
前記基板を支持するチャックと、
前記基板を冷却する冷却板を含み、
前記ヒーティングソースは、
前記基板を表面で200μm以下の深さで加熱し、
前記冷却板は前記基板の底面を冷却
し、
前記制御機は、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第1工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第1工程ガスをプラズマで励起して前記基板を処理する第1段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間にファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第2段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第2工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記ヒーティングソースを制御して前記ヒーティングエネルギーをパルスで印加して前記基板を処理する第3段階と、及び
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に前記ファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第4段階と、を行い、
前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復するように制御する
ことを特徴とす
る基板処理装置。
【請求項16】
処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間で基板を支持し、冷却流体が流れる流路が形成された板を含む支持ユニットと、
前記処理空間にガスを導入するガス供給ユニットと、
前記処理空間に導入されたガスをプラズマで励起するエネルギーを提供するプラズマソースと、
前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、
前記支持ユニットより上部に配置され、フラッシュランプ、レーザー光学系またはマイクロウェーブ発生器のうちで何れか一つに提供されるヒーティングソースと、及び
制御
機と
を含み、
前記プラズマソースは、
光またはマイクロ波透過性第1プレートと前記第1プレートに積層された透明導電膜を含む上部電極と、
前記基板より下に提供される下部電極と、及び
前記上部電極及び前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加する高周波電源を含み、
前記ヒーティングソースは、
前記上部電極の上部に提供され、
前記基板に対して10mJ/cm
2乃至100mJ/cm
2のエネルギーを印加するヒーティングエネルギーをパルス形態で印加するが、1ミリ秒内の時間の間に前記パルスを数回乃至九百回印加するように構成され、
前記制御機は、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第1工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第1工程ガスをプラズマで励起して前記基板を処理する第1段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間にファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第2段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第2工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記ヒーティングソースを制御して前記ヒーティングエネルギーをパルスで印加して前記基板を処理する第3段階と、及び
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に前記ファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第4段階と、を行い、
前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復するように制御する
ことを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する装置及び基板を処理する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
等方性原子層蝕刻(Isotropic atomic layer etching)はすべての方向に統制された量の物質を除去する方法であり、表面の膜質を変形(modification)する吸着反応と、熱を利用して変形された膜質を除去する脱着反応をする。基板の種類と吸着反応または脱着反応に使用される前駆体(precursor)らの種類によって吸着反応と脱着反応に要求される反応温度は相異である。一般に、吸着反応は低い温度(例えば、常温乃至200℃)で反応性が高くて、脱着反応は非常に高温(例えば、400℃以上)で反応性が高い。
【0003】
しかし、従来に提供される静電チャック内のヒーターを利用して基板を加熱する場合、吸着反応の最適温度と脱着反応の最適温度にそれぞれ基板を分離露出させ難いという限界によって、吸着反応及び脱着反応が二つとも可能な固定された温度で基板を処理する。結果的に、吸着反応及び脱着反応が二つとも可能であるが、反応性が低い固定された温度で長期間工程が進行されながらUPHを低下させる。また、反応性向上のために静電チャックの温度を500℃以上に過度に加熱すれば、基板が高温に長期間に露出されながら精巧に製作しておいた半導体構造物内の分子間拡散によるデバイス機能喪失、パターン潰れる、基板破裂などのダメージを発生させる。
【0004】
一方、吸着反応または脱着反応に要求される最適温度で早く転換が可能になるように、基板上部に熱源を装着してハードウェアの限界を乗り越えた方式も存在する。しかし、従来熱源装置らの特性上基板に加えられるエネルギー量と露出時間に対する制御が容易でなくて基板深く加熱される。これによって、脱着反応に要求される高温露出以後、吸着反応に必要な温度まで冷却させる遅延時間が発生し、速い冷却のための費用も所要されることによって、前記に敍述した従来技術対比UPHを効果的に短縮することができない。そして、これも深く伝達される高い温度によって多様な素材らで構成された超小型半導体デバイスを損傷させる。
【0005】
したがって、基板の温度を自由に変化させることができない制約によって制限された工程ウィンドウで等方性原子層蝕刻処理を進行するしかない実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国特許公開第10-2019-0104067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題らを解決することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0008】
本発明は、基板を効率的に処理することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0009】
本発明は、吸着反応のための温度と脱着反応のための温度をすべて満足させながらも工程時間を短縮させることができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0010】
本発明は、工程ウィンドウを増大させることができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0011】
本発明は、高温で加熱するがウェハーとデバイスが受けるダメージから自由な基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0012】
本発明の目的はこれに制限されないし、言及されなかったまた他の目的らは下の記載から当業者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、基板を処理する装置を提供する。一実施例において、基板処理装置は、処理空間を提供するチャンバと、前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、前記処理空間にガスを導入するガス供給ユニットと、前記処理空間に導入されたガスをプラズマで励起するエネルギーを提供するプラズマソースと、前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、及び前記支持ユニットより上部に配置されるヒーティングソースを含み、前記ヒーティングソースは、前記基板に対してヒーティングエネルギーをパルス形態で印加する。
【0014】
一実施例において、前記パルスのパルス幅はピコ秒(ps)乃至ミリ秒(ms)であることがある。
【0015】
一実施例において、前記ヒーティングソースは10ミリ秒内の時間の間に前記パルスを数回乃至数百万回印加することができる。
【0016】
一実施例において、前記ヒーティングエネルギーは基板を400℃以上に加熱するものであることができる。
【0017】
一実施例において、前記ヒーティングエネルギーは前記基板に対して10mJ/cm2以上のエネルギーを印加するものであることができる。
【0018】
一実施例において、前記ヒーティングエネルギーは前記基板に対して10mJ/cm2乃至100mJ/cm2のエネルギーを印加するものであることができる。
【0019】
一実施例において、前記ヒーティングソースはフラッシュランプ、レーザー光学系またはマイクロウェーブ発生器であることができる。
【0020】
一実施例において、前記支持ユニットは、冷却流体が流れる流路が形成された板を含むことができる。
【0021】
一実施例において、前記プラズマソースは、光またはマイクロ波透過性第1プレートと前記第1プレートに積層された透明導電膜を含む上部電極と、前記基板より下に提供される下部電極と、及び前記上部電極及び前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加する高周波電源を含み、前記ヒーティングソースは前記上部電極の上部に提供されることができる。
【0022】
一実施例において、制御機をさらに含み、前記制御機は、前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第1工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第1工程ガスをプラズマで励起して前記基板を処理する第1段階と、前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間にファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第2段階と、前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第2工程ガスを導入し、前記プラズマソースを制御して導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記ヒーティングソースを制御して前記ヒーティングエネルギーをパルスで印加して前記基板を処理する第3段階と、及び前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に前記ファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第4段階を行うが、前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復するように制御することができる。
【0023】
一実施例において、前記支持ユニットは、冷却流体が流れる流路が形成された板を含み、前記制御機は、前記第3段階で、前記板の前記流路に前記冷却流体が流れるように制御することができる。
【0024】
本発明は、基板を処理する方法を提供する。一実施例において、基板処理方法は、処理空間に第1工程ガスを導入し、導入された第1工程ガスをプラズマで励起して基板を処理する第1段階と、前記処理空間にファジーガスを導入し、前記処理空間を排気する第2段階と、前記処理空間に第2工程ガスを導入し、導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記ヒーティングエネルギーをパルスで印加する第3段階と、及び前記処理空間に前記ファジーガスを印加し、前記処理空間を排気する第4段階と、を含み、前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復する。
【0025】
一実施例において、前記パルスのパルス幅はピコ秒(ps)乃至ミリ秒(ms)であることがある。
【0026】
一実施例において、前記ヒーティングソースは10ミリ秒内の時間の間に前記パルスを数回乃至数百万回印加することができる。
【0027】
一実施例において、前記ヒーティングエネルギーは基板を400℃以上に加熱することことがある。
【0028】
一実施例において、前記ヒーティングエネルギーは前記基板に対して10mJ/cm2以上のエネルギーを印加するものであることができる。
【0029】
一実施例において、前記ヒーティングエネルギーは前記基板に対して10mJ/cm2乃至100mJ/cm2のエネルギーを印加するものであることができる。
【0030】
一実施例において、前記ヒーティングエネルギー閃光、レーザーまたはマイクロウェーブであることができる。
【0031】
一実施例において、前記第3段階で、前記基板の底面を冷却することができる。
【0032】
本発明の他の観点による基板処理装置は。処理空間を提供するチャンバと、前記処理空間で基板を支持し、冷却流体が流れる流路が形成された板を含む支持ユニットと、前記処理空間にガスを導入するガス供給ユニットと、前記処理空間に導入されたガスをプラズマで励起するエネルギーを提供するプラズマソースと、前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、前記支持ユニットより上部に配置され、フラッシュランプ、レーザー光学系またはマイクロウェーブ発生器のうちで何れか一つに提供されるヒーティングソースを含み、前記プラズマソースは、光またはマイクロ波透過性第1プレートと前記第1プレートに積層された透明導電膜を含む上部電極と、前記基板より下に提供される下部電極と、及び前記上部電極及び前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加する高周波電源を含み、前記ヒーティングソースは、前記上部電極の上部に提供され、前記基板に対して10mJ/cm2乃至100mJ/cm2のエネルギーを印加するヒーティングエネルギーをパルス形態で印加するが、10ミリ秒内の時間の間に前記パルスを数回乃至数百万回印加する。
【発明の効果】
【0033】
本発明の多様な実施例によれば、数ミリ秒(ms)以内に脱着反応に必要な温度の達成と脱着反応を得ることができる。
【0034】
本発明の多様な実施例によれば、脱着反応のために高温で加熱するが基板表面は高温に非常に短い時間だけ露出されて高温露出による半導体デバイス機能喪失、基板破裂現象を防止することができる。
【0035】
本発明の多様な実施例によれば、吸着工程を400℃以上で行うことができる。
【0036】
本発明の多様な実施例によれば、工程ウィンドウが拡大されることによって多様な種類の前駆体導入が可能である。
【0037】
本発明の多様な実施例によれば、基板が効率的に処理されることができる。
【0038】
本発明の効果が上述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の第1実施例による基板処理装置1000を示したものである。
【
図2】上部電極310の断面の一部分を拡大して示したものである。
【
図3】吸着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
【
図4】吸着工程後ファジー工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
【
図5】脱着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
【
図6】脱着工程後ファジー工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
【
図7】本発明の第2実施例による基板処理装置2000を示したものである。
【
図8】吸着工程、吸着後ファジー工程、脱着工程及び脱着後ファジー工程を行う時基板の反応を説明したものである。
【
図9】本発明の一実施例による基板処理方法の流れ図であり、脱着工程で印加されるヒーティングエネルギーのパワーと、基板表面の温度変化を示したものである。
【
図10】パルスエネルギーを印加した時、基板(W)の深さ別に加熱された程度を示した温度プロファイルである。
【
図11】単位パルスのパルス幅を異にして基板に照射した場合、基板の深さ別温度分布を示したグラフである。
【
図12】ヒーティングソースによる秒当たり加熱速度(heat up rate)と冷却速度(cool down rate)の比較グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施例に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明はいろいろ相異な形態で具現されることができるし、ここで説明する実施例で限定されない。また、本発明の望ましい実施例を詳細に説明するにおいて、関連される公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇ることがあると判断される場合にはその詳細な説明を略する。また、類似機能及び作用をする部分に対しては図面全体にかけて等しい符号を使用する。
【0041】
ある構成要素を‘包含'するということは、特別に反対される記載がない限り他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。具体的に,“含む”または“有する”などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、一つまたはその以上の他の特徴らや数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
【0042】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0043】
用語“及び/または”は、該当列挙された項目のうちで何れか一つ及び一つ以上のすべての組合を含む。また、本明細書で“連結される”という意味は、A部材とB部材が直接連結される場合だけではなく、A部材とB部材との間にC部材介されてA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0044】
本発明の実施例はさまざまな形態で変形することができるし、本発明の範囲が以下の実施例らに限定されることで解釈されてはいけない。本実施例は当業界で平均的な知識を有した者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張された。
【0045】
図1は、本発明の第1実施例による基板処理装置1000を示したものである。
図1を参照して説明する。
【0046】
基板処理装置1000は工程チャンバ110、支持ユニット200、ガス供給ユニット400、プラズマソース300、そして、ヒーティングソース500を含むことができる。基板処理装置1000はプラズマを利用して基板(W)を処理する。
【0047】
工程チャンバ110は内部に工程遂行のための内部空間101を有する。工程チャンバ110の底面には排気ホール103が形成される。排気ホール103はポンプ720が装着された排気ラインと連結される。工程過程で発生した反応副産物及び内部空間101にとどまるガスは、ポンプ720が印加する排気圧によって排気ホール103を通じて排気される。また、排気過程によって工程チャンバ110の内部空間101は希望する圧力で減圧される。ポンプ720は真空ポンプであることができる。
【0048】
工程チャンバ110の側壁には開口(図示せず)が形成される。開口(図示せず)は工程チャンバ110内部に基板(W)が出入りする通路で機能する。開口(図示せず)はドアアセンブリー(図示せず)によって開閉される。
【0049】
支持ユニット200は内部空間101のうちで下領域に位置される。支持ユニット200は静電チャック(ESC)を含むことができる。静電チャック(ESC)は静電気力で基板(W)をクランピングする。これと異なり、支持ユニット200は機械的クランピングなどのような多様な方式で基板(W)を支持することができる。
【0050】
支持ユニット200は誘電板220ベイス板230を含む。誘電板220ベイス板230は静電チャック210を成す。
【0051】
誘電板220は静電チャック210の上部に位置する。誘電板220は円盤形状の誘電体(dielectric substance)で提供される。誘電板220の上面には基板(W)が置かれる。一例において、誘電板220の上面は基板(W)より小さな半径を有することができる。それで、誘電板220は内部に第1電極223を内蔵する。
【0052】
第1電極223は第1電源(図示せず)と電気的に連結される。第1電源(図示せず)は直流電源を含む。第1電極223と第1電源(図示せず)の間にはスイッチ(図示せず)が設置される。第1電極223はスイッチ(図示せず)のオン/オフ(ON/OFF)によって第1電源(図示せず)と電気的に連結されるか、または断絶されることがある。スイッチ(図示せず)がオン(ON)になれば、第1電極223には直流電流が印加される。第1電極223に印加された電流によって第1電極223と基板(W)との間には静電気力が作用し、静電気によって基板(W)は誘電板220に吸着される。
【0053】
ベイス板230は誘電板220の下部に位置する。ベイス板230は熱伝逹及び電気伝達性が高い素材を含むことができる。一例で、ベイス板230は金属板を含むことができる。一例で、ベイス板230は全体が金属素材で提供されることができる。一例で、ベイス板230はアルミニウム材質で提供されることができる。ベイス板230の上面は中心領域が縁領域より高く位置されるように段差になることがある。ベイス板230の上面中心領域は誘電板220の底面に相応する面積を有して、誘電板220の底面が位置されることができる。ベイス板230の縁領域にはフォーカスリング250が位置されることができる。
【0054】
ベイス板230は内部に第1循環流路231、第2循環流路232そして、第2供給流路233が形成される。
【0055】
第1循環流路231は熱伝逹媒体が循環する通路で提供される。第1循環流路231はベイス板230内部に螺旋形状で形成されることができる。または、第1循環流路231はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。それぞれの第1循環流路231らはお互いに連通されることができる。第1循環流路231らは同一な高さで形成される。
【0056】
第2供給流路233は第1循環流路231から上部に延長され、ベイス板230の上面に提供される。第2供給流路233は第1供給流路221に対応する個数で提供され、第1循環流路231と第1供給流路221を連結する。第1循環流路231は熱伝逹媒体供給ライン231bを通じて熱伝逹媒体記憶部231aと連結される。熱伝逹媒体記憶部231aには熱伝逹媒体が記憶される。熱伝逹媒体は不活性ガスを含む。一例によれば、熱伝逹媒体はヘリウム(He)ガスを含む。ヘリウムガスは供給ライン231bを通じて第1循環流路231に供給され、第2供給流路233と第1供給流路221を順次に経って基板(W)底面に供給される。ヘリウムガスはプラズマで基板(W)に伝達された熱が静電チャック210に伝達される媒介体役割をする。
【0057】
第2循環流路232は冷却流体が循環する通路で提供される。第2循環流路232はベイス板230内部に螺旋形状で形成されることができる。または、第2循環流路232はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。それぞれの第2循環流路232らはお互いに連通されることができる。第2循環流路232は第1循環流路231より大きい断面積を有することができる。第2循環流路232らは同一な高さに形成される。第2循環流路232は第1循環流路231の下部に位置されることができる。
【0058】
第2循環流路232は冷却流体供給ライン232cを通じて冷却流体貯蔵部232aと連結される。冷却流体貯蔵部232aには冷却流体が貯蔵される。冷却流体貯蔵部232a内には冷却機232bが提供されることができる。冷却機232bは冷却流体を所定温度で冷却させる。これと異なり、冷却機232bは冷却流体供給ライン232c上に設置されることができる。冷却流体供給ライン232cを通じて第2循環流路232に供給された冷却流体は第2循環流路232に沿って循環してベイス板230を冷却する。ベイス板230は冷却されながら誘電板220と基板(W)を共に冷却させて基板(W)を希望する温度で維持させる。
【0059】
ベイス板230は第1電源271と第2電源272と電気的に連結されることができる。第1電源271は第2電源272と比べて相対的に低周波の電力を印加する電源で提供されることができる。第2電源272は第1電源271と比べて相対的に高周波の電力を印加する電源で提供されることができる。ベイス板230は下部電極として機能することができる。
【0060】
ベイス板260の下部には絶縁体240が提供されることができる。
【0061】
ガス供給ユニット400は内部空間101に工程に必要なガスを供給する。ガス供給ユニット400は第1ガス供給源410と連結される第1ガス供給ライン411、第2ガス供給源420と連結される第2ガス供給ライン421、第3ガス供給源430と連結される第3ガス供給ライン431を含む。第1ガスと第2ガスは基板を処理するための反応ガスであり、第3ガスはファジーのためのファジーガスであることができる。第1ガス供給ライン411にはその通路を開閉するか、または、その通路を流れる流体の流量を調節する第1バルブ412が設置されることができる。第2ガス供給ライン421にはその通路を開閉するか、または、その通路を流れる流体の流量を調節する第2バルブ422が設置されることができる。第3ガス供給ライン431にはその通路を開閉するか、または、その通路を流れる流体の流量を調節する第3バルブ432が設置されることができる。
【0062】
プラズマソース300は放電空間にとどまる工程ガスからプラズマを発生させる。放電空間は工程チャンバ110内で支持ユニット200の上部領域に該当することができる。プラズマソース300は容量結合型プラズマ(capacitive coupled plasma)ソースを有することができる。プラズマソース300は上部電極310、下部電極で機能するベイス板230、そして、高周波電源320を含むことができる。上部電極310とベイス板230はお互いに上下方向に対向されるように提供されることができる。
【0063】
図2は、上部電極310の断面の一部分を拡大して示したものである。
図2をさらに参照して上部電極310を説明する。上部電極310は後述するヒーティングソース500で印加される光またはマイクロウェーブが基板(W)で損失なく(または、損失が最小化された状態で)伝達されるように構成される。
【0064】
第1プレート311には透明導電膜312(Transparent Conductive Oxide:TCO)が積層されて提供される。透明導電膜312は基板(W)を加熱するための光またはマイクロ波が透過可能な厚さで提供される。一例において、透明導電膜312はITO(indium tin oxide)であることがある。また、透明導電膜312はAZO、FTO、ATO、SnO2、ZnO、IrO2、RuO2、グラフェン、メタルナノワイヤー(metal nanowire)、CNTのうちで何れか一つであるか、またはその以上の混合物質、または、多重重畳によって行われることができる。透明導電膜312は第1厚さ以下で提供される。第1厚さは決定された材質に対して光またはマイクロ波が透過可能な厚さである。第1厚さは透明導電膜312で決定される材質によって相異である。本説明で透過可能であるということは透過性に大きい影響を及ぼさないということである。一例で、透明導電膜312がITOに提供されれば、第1厚さは1μmであることがある。透明導電膜312とベイス板230は組合されて何れか一つ以上に印加されるRF電圧による電界を発生させる。一例によれば、透明導電膜312は接地され、ベイス板230には第1電源271及び/または第2電源272によって高周波電力が印加されることができる。選択的に透明導電膜312に高周波電源320による電力が印加され、ベイス板230が接地されることができる。また、選択的に透明導電膜312及びベイス板230すべてに高周波電力を印加することができる。
【0065】
第1プレート311は基板(W)を加熱するための光またはマイクロ波が透過可能な素材で提供される。併せて、第1プレート311は耐食性を有する素材で提供される。第1プレート311の一例でクオーツが提供されることができる。
【0066】
透明導電膜312の上層には第2プレート313がさらに積層されて提供されることができる。第2プレート313は基板(W)を加熱するための光またはマイクロ波が透過可能な素材で提供される。第2プレート313の一例でクオーツが提供されることができる。
【0067】
ヒーティングソース500は支持ユニット200上の基板(W)の基板を加熱する。ヒーティングソース500はフラッシュランプ、レーザー光学系またはマイクロ波発生源であることができる。フラッシュランプはヒーティングエネルギーに閃光を提供する。レーザー光学系はヒーティングエネルギーにレーザーを提供する。マイクロ波発生源はヒーティングエネルギーにマイクロ波を提供する。ヒーティングソース500の一例で、マイクロ波発生源が提供される場合ヒーティングソース500はチャンバ100内にマイクロウェーブを印加する導波管を含むことができる。ヒーティングソース500は1乃至5GHz周波数のマイクロウェーブを印加することができる。本発明の一実施例によれば、マイクロウェーブによって基板の表面が選択的に加熱されるので、昇温速度及び冷却速度が速くて、短い時間以内に基板の表面を目標温度で加熱することができて工程時間を短縮することができる。
【0068】
基板処理装置1000の各構成は制御機600によって制御されることができる。制御機600は基板処理装置1000の全体動作を制御することができる。制御機(図示せず)はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含むことができる。CPUはこれらの記憶領域に記憶された各種レシピによって、エッチング処理などの所望の処理を実行する。
【0069】
レシピにはプロセス条件に対する装置の制御情報が入力されている。一方、これらプログラムや処理条件を示すレシピは、非一時的コンピューター判読可能媒体に記憶されても良い。非一時的コンピューター判読可能媒体とは、レジスター、キャッシュ、メモリーなどのように短い瞬間の間データを保存する媒体ではなく半永久的にデータを保存し、コンピューターによって判読(reading)が可能な媒体を意味する。具体的には、前述した多様なアプリケーションまたはプログラムらはCD、DVD、ハードディスク、ブルーレイディスク、USB、メモリーカード、ROMなどのような非一時的判読可能媒体に記憶されて提供されることができる。
【0070】
図3乃至
図6は、順次に基板(W)をエッチング処理する段階を説明する。
図3は吸着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
図4は吸着工程後ファジー工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
図5は脱着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
図6は脱着工程後ファジー工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
図8は吸着工程、吸着後ファジー工程、脱着工程及び脱着後ファジー工程を行う時基板の反応を説明したものである。
図8と共に
図3乃至
図6を順次に参照して本発明の一実施例による基板処理装置を利用したALE(Atomic layer etching)を説明する。
【0071】
図3及び
図8を参照する。
図3は吸着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。吸着工程のために、反応空間に第1ガスを供給しながら第1ガスをプラズマで励起させる。第1ガスから励起されたプラズマは基板(W)の表面に吸着されて基板(W)の表面をモディフィケーション(modification)する。吸着工程は基板(W)が第1温度である状態で行われる。第1温度は第1ガスから励起されたプラズマは、基板(W)の表面に吸着が極大化される温度である。一例で、第1温度は20℃内外の温度であることができる。基板(W)表面の吸着が極大化される温度で基板(W)を処理することによって、吸着反応に所要される時間が短縮されることができる。一例で、吸着反応は1秒以内で行うことができる。
【0072】
図4及び
図8を参照する。吸着工程が完了されれば、内部空間101に第3ガスを供給する。第3ガスは窒素であることができる。併せて、内部空間101の雰囲気が排気されるようにする。内部空間101はファジーされながら残留する工程ガス及び工程副産物らが排気ホール103を通じて排気される。ファジー工程は略5秒内外で行うことができるが、これに限定されるものではなくて、残留する工程ガス及び工程副産物らが適切に排気されるまで行うことで十分である。
【0073】
図5及び
図8を参照する。
図5は脱着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。脱着工程のために、反応空間に第2ガスを供給しながら第2ガスをプラズマで励起させる。第2ガスから励起されたプラズマはモディフィケーション(modification)された基板(W)の表面を除去する。基板(W)の表面はヒーティングソース500が放出するヒーティングエネルギーによって加熱される。ヒーティングエネルギーは基板(W)に対して10mJ/cm
2乃至100mJ/cm
2のエネルギーを印加する。基板(W)底面の熱は支持ユニット200の第2循環流路232に流れる冷却流体によって冷却することができる。ヒーティングエネルギーはパルスエネルギーに印加される。脱着工程では基板(W)の表面が第2温度になるようにする。第2温度は第2ガスから励起されたプラズマによって行われる脱着が極大化される温度である。一例で、第2温度は以上の温度であることができる。基板(W)表面の吸着が極大化される温度で基板(W)を処理することによって、吸着反応に所要される時間が短縮されることができる。一例で、脱着反応は10ms以内で行うことができる。ヒーティングソース500は10ms内の時間の間パルスエネルギーを数回乃至数百万回印加する。ヒーティングソース500が放出するパルスエネルギーによって基板(W)の表面が400℃以上に加熱されて瞬間的に冷却することについては後述する
図9乃至
図12を参照してより詳細に説明する。
【0074】
図6及び
図8を参照する。脱着工程が完了されれば、内部空間101に第3ガスを供給する。第3ガスは窒素であることができる。併せて、内部空間101の雰囲気が排気されるようにする。内部空間101はファジーされながら残留する工程ガス及び工程副産物らが排気ホール103を通じて排気される。ファジー工程は略5秒内外で行うことができるが、これに限定されるものではなくて、残留する工程ガス及び工程副産物らが適切に排気されるまで行うことで十分である。
【0075】
前記吸着-ファジー-脱着-ファジー工程は、所望のエッチング条件が達成されるまで、複数回反復される。
【0076】
図7は、本発明の第2実施例による基板処理装置を示したものである。
図7を参照して第2実施例の説明するにおいて、第1実施例の基板処理装置と同一な構成は第1実施例の説明で代わりをする。
【0077】
実施例において、プラズマソースはシリンダー型アンテナ810と高周波電源820を含むことができる。シリンダー型アンテナ810は高周波電源820と電気的に接続される。高周波電源820からの電流がシリンダー型アンテナ810に流れれば、放電空間に電子系が形成される。シリンダー型アンテナ810から印加された電子系は放電空間に印加された工程ガスをプラズマで励起する。チャンバ110の天井にはウィンドウ700が提供される。ウィンドウ700は光またはマイクロ波が透過可能な素材で提供される。また、ウィンドウ700は耐食性がある素材で提供される。一例で、ウィンドウ700はクオーツ素材で提供されることができる。ウィンドウ700の上部にヒーティングソース500が提供される。
【0078】
図9は、本発明の一実施例による基板処理方法の流れ図であり、脱着工程で印加されるヒーティングエネルギーのパワーと、基板表面の温度変化を示したものである。本発明の実施例によれば、吸着工程に所要される時間t1は1秒以内である。脱着工程に所要される時間t3は10ms以内である。
【0079】
基板(W)の表面はヒーティングソース500によって加熱される。ヒーティングソース500はヒーティングエネルギーをパルスで印加する。一例で、3回パルスエネルギーを印加することを図示する。しかし、これは説明のために図示したものであり、印加されるエネルギーの大きさ、エネルギーの種類によって異に設定されることができる。パルス幅はピコ秒(ps)乃至ミリ秒(ms)水準で設定されることができる。
【0080】
基板(W)の底面は支持ユニット200によってクーリングされる。基板(W)の底面がクーリングされながら基板(W)が脱着される表面だけ加熱されることで、高温の工程によって基板(W)が破裂される現像液が防止されることができる。
【0081】
図10は、パルスエネルギーを印加した時、基板(W)の深さ別加熱された程度を示した温度プロファイルである。308nm波長のレーザーと200nsのパルス持続時間(pulse duration)で遂行された結果である。パルスエネルギーを印加すれば、基板の表面が短い時間内に急激に(rapid)加熱されることがある。
【0082】
図11は、単位パルスのパルス幅を異にして基板に照射した場合、基板の深さ別温度分布を示したグラフである。
図11を参照すれば、ピコ秒(psec)を印加した場合及びナノ秒(nsec)を印加した場合に100μm内の深さで加熱され、100μmより深い領域は加熱されないことを確認することができる。本発明の実施例によれば、ピコ秒(psec)またはナノ秒(nsec)のパルス幅を有するパルス型のヒーティングエネルギーを印加して基板(W)を加熱し、基板(W)の上部から100μmより浅い深さで加熱されるようにする。実施例において、マイクロ秒(micro-sec)またはミリ秒(msec)のパルス幅を有するヒーティングエネルギーを印加する場合に200μmから100℃隣近まで加熱されるが、基板支持ユニットの冷却システムを活用して基板深さ別温度を制御するようにする。
【0083】
図12は、ヒーティングソースによる秒当たり加熱速度(heat up rate)と冷却速度(cool down rate)の比較グラフである。閃光(Flash)とμsレーザーとnsレーザーとpsレーザーが秒当たり加熱能力がすぐれて冷却(cool down)に所要される時間が短い。図面に表現されなかったが、マイクロウェーブ波長は半導体チップの金属配線層厚さ及び間隔よりずっと長いためマイクロウェーブが金属物質に浸透する深さは数μm未満である。一例示によれば、マイクロウェーブ熱処理によって基板またはダイの表面を発熱させ、表面温度を目標温度で急速に昇温させることができて、クールダウンさせることができる。本発明の実施例によれば、閃光(Flash)、レーザーまたはマイクロ波がヒーティングエネルギーで適用される。
【0084】
本発明の実施例らによれば、脱着工程の温度をピコ秒(ps)乃至ミリ秒(ms)水準でコントロール可能である。また、ピコ秒(ps)乃至数ミリ秒(ms)水準まで脱着工程時間を短縮させた高速t-ALE工程が可能である。
【0085】
本発明の実施例らによれば、迅速な温度上昇が具現されることができる。また、ウェハー(W)は支持ユニット200によって支持されながら冷却流体などによって底面が冷却されることがあるので、高温を利用する工程にもかかわらずウェハー(W)が割れることが防止されることができる。
【0086】
本発明の実施例らによれば、早い時間に高い温度で温度コントロールが可能で前駆物質(precursor)の選択幅が広くなる。すなわち、さらに高い反応温度が要求される前駆物質(precursor)を使用することができる。また、沸点が比較的高い副産物(byproduct)の除去も容易である。
【0087】
本発明の実施例らは等方性(isotropic)ALEだけでなく、異方性(anisotropic)ALEにも適用されることができる。
【0088】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の技術的思想を具現するための望ましいか、または多様な実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、著わした開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むものとして解釈されなければならない。このような変形実施らは本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはいけないであろう。
【符号の説明】
【0089】
110 工程チャンバ
200 支持ユニット
300 プラズマソース
400 ガス供給ユニット
500 ヒーティングソース
1000 基板処理装置