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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】蝶番構成部品および表示装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20240605BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240605BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240605BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
F16C11/04 F
G09F9/30 308Z
G09F9/00 351
H04M1/02 C
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022539890
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2020029175
(87)【国際公開番号】W WO2022024285
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】富樫 泰之
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-198416(JP,A)
【文献】特開2017-203524(JP,A)
【文献】米国特許第09348450(US,B1)
【文献】特開2018-035904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/04
G09F 9/30
G09F 9/00
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に沿って延びる板状部と、
前記長さ方向における前記板状部の両端のそれぞれに設けられた一対の回転軸または一対の軸受部と、
前記板状部の幅方向において前記板状部から突出する少なくとも1つの凸部と、を含み、
前記板状部は、前記幅方向において、前記少なくとも1つの凸部のそれぞれの反対側の位置に形成された少なくとも1つの凹部を含む、蝶番構成部品。
【請求項2】
長さ方向に沿って延びる板状部と、
前記長さ方向における前記板状部の両端のそれぞれに設けられた一対の回転軸または一対の軸受部と、
前記板状部の幅方向において前記板状部から突出する少なくとも1つの凸部と、を含み、
前記少なくとも1つの凸部のそれぞれは、前記幅方向の外側へ向かうにつれて前記板状部の厚さが低減するテーパ面を有している、蝶番構成部品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの凸部は、前記幅方向に沿った第1の向きに突出する第1凸部と、前記第1の向きとは逆向きに突出する第2凸部と、を含む、請求項1または2に記載の蝶番構成部品。
【請求項4】
前記第1凸部と前記第2凸部とは、前記長さ方向において、所定の距離をおいて配置された、請求項3に記載の蝶番構成部品。
【請求項5】
前記板状部は、前記板状部の厚さ方向において突出する突起を含む、請求項1~4のいずれかに記載の蝶番構成部品。
【請求項6】
前記板状部は、前記板状部の両端において、それぞれ、前記板状部の厚さ方向において同じ側に突出する2つの突出部を含み、
前記一対の回転軸または前記一対の軸受部は、前記2つの突出部のそれぞれに設けられた、請求項1~5のいずれかに記載の蝶番構成部品。
【請求項7】
可撓性を有する表示パネルと、
前記表示パネルを保持する折り畳み可能な保持体と、を備え、
前記保持体は、
前記表示パネルを支持する第1主面を有する平板状の第1支持体と、
前記表示パネルを支持する平板状の第2支持体と、
前記表示パネルを支持する少なくとも1つの接続部と、を備え、
前記接続部は、
前記表示パネルを支持する長尺平板状の第3支持体と、
前記第1支持体と前記第3支持体の前記第1主面の反対面側である第2主面に配置され、前記第1支持体と前記第3支持体とを連結する長尺状の第1ヒンジ部材と、
前記第2支持体と前記第3支持体の前記第1主面の反対面側に配置され、前記第2支持体と前記第3支持体とを連結する長尺状の第2ヒンジ部材と、
前記第1ヒンジ部材と前記第1支持体の端部とを、前記第1ヒンジ部材と前記第1支持体とが相対回転自在に連結する第1支軸と、
前記第1ヒンジ部材と前記第3支持体とを、前記第1ヒンジ部材と前記第3支持体とが相対回転自在に連結する第2支軸と、
前記第2ヒンジ部材と前記第3支持体とを、前記第2ヒンジ部材と前記第3支持体とが相対回転自在に連結する第3支軸と、
前記第2ヒンジ部材と前記第2支持体の端部とを、前記第2ヒンジ部材と前記第2支持体とが相対回転自在に連結する第4支軸と、を備え、
前記表示パネルが180度開いた状態になるように前記保持体を開いた状態で、前記第1支持体、前記第2支持体および前記第3支持体の前記第1主面が、同一平面状に並び、
前記第3支持体の前記第1支持体と対向する第1辺には、前記第1辺から突出する凸部と前記第1辺が切り欠かれた凹部とを有し、
前記第1支持体の前記第3支持体と対向する辺には、前記第3支持体の前記第1辺の前記凸部と前記凹部に対応する凹部と凸部とを有し、
前記第3支持体の前記第2支持体と対向する第2辺には、前記第2辺から突出する凸部と前記第2辺が切り欠かれた凹部とを有し、
前記第2支持体の前記第3支持体と対向する辺には、前記第3支持体の前記第2辺の前記凸部と前記凹部に対応する凹部と凸部とを有する、表示装置。
【請求項8】
前記第3支持体の前記第1辺の前記凸部と前記第2辺の前記凸部とは、前記第1辺と前記第2辺の中心線を挟んで互いに対向しない位置にある、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1辺の前記凹部と、前記第2辺の前記凹部とは、前記第1辺と前記第2辺との中心線を挟んで互いに対向しない位置にある、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1辺の前記凸部と前記第2辺の前記凹部とは、前記第1辺と前記第2辺との中心線を挟んで互いに対向する位置にある、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルを180度開いた状態で、前記第1支軸、前記第2支軸、前記第3支軸および前記第4支軸は前記表示パネルと同じ高さである、請求項7~10のいずれかに記載の表示装置。
【請求項12】
前記接続部は、複数の前記第3支持体と、複数の前記第3支持体のうち隣接する2つの前記第3支持体を連結する少なくとも1つの第3ヒンジ部材と、前記第3支持体と前記第3ヒンジ部材とを相対回転自在に連結する複数の他の支軸と、を有する、請求項7~11のいずれかに記載の表示装置。
【請求項13】
複数の前記第3支持体は、前記第1支持体側の辺および前記第2支持体側の辺のそれぞれに前記凸部と前記凹部とを有し、前記凸部同士は前記第1支持体側の辺と前記第2支持体側の辺との中心線を挟んで互いに対向しない位置にあり、かつ、前記凹部同士は前記第1支持体側の辺と前記第2支持体側の辺との中心線を挟んで互いに対向しない位置にある、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記隣接する2つの前記第3支持体において、一方の前記第3支持体と他方の前記第3支持体とが対向する辺の前記凸部と前記凹部とが対応する、請求項12または13に記載の表示装置。
【請求項15】
複数の前記第3支持体のそれぞれの前記第1支持体側の辺の前記凸部と前記第2支持体側の辺の前記凹部とは、前記第1支持体側の辺と前記第2支持体側の辺との中心線を挟んで互いに対向する位置にある、請求項12~14のいずれかに記載の表示装置。
【請求項16】
複数の前記第3支持体のそれぞれの前記第1支持体側の辺の前記凸部と前記第2支持体側の辺の前記凹部とは、前記第1支持体側の辺と前記第2支持体側の辺との中心線を挟んで互いに対向しない位置にある、請求項12~14のいずれかに記載の表示装置。
【請求項17】
複数の前記第3支持体のそれぞれの前記第1支持体側の辺および前記第2支持体側の辺のそれぞれには複数の前記凸部と複数の前記凹部とがある、請求項12~16のいずれかに記載の表示装置。
【請求項18】
前記表示パネルを180度開いた状態で、前記複数の他の支軸が前記表示パネルと同じ高さである、請求項12~17のいずれかに記載の表示装置。
【請求項19】
前記表示パネルを折り曲げて畳んだ状態で、前記第3支持体の前記凸部が、前記第1ヒンジ部材または前記第2ヒンジ部材に当接し、前記第3支持体と前記第1ヒンジ部材または前記第2ヒンジ部材との相対的な動きを抑制する、請求項7~18のいずれかに記載の表示装置。
【請求項20】
前記第3支持体の前記凸部において、前記第1ヒンジ部材または前記第2ヒンジ部材との当接面はテーパ形状である、請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
さらに、前記第3支持体の前記第2主面に突起が設けられ、
前記表示パネルを180度開いた状態で、前記第2主面の前記突起が前記第1ヒンジ部材または前記第2ヒンジ部材に当接し、前記第3支持体と前記第1ヒンジ部材または前記第2ヒンジ部材との相対的な動きを抑制する、請求項7~20のいずれかに記載の表示装置。
【請求項22】
さらに、前記第3支持体の前記第2主面と前記第1ヒンジ部材または前記第2ヒンジ部材との間に板ばねを備え、
前記板ばねは、前記第3支持体の前記第1辺と前記第2辺との前記凸部と前記凹部とをさけて、前記接続部を貫通し、前記第1支持体と前記第2支持体とにスライド可能に連結される、請求項7~21のいずれかに記載の表示装置。
【請求項23】
前記表示パネルは前記第1支持体および前記第2支持体に固定され、前記第3支持体に対して移動可能である、請求項7~22のいずれかに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蝶番構成部品および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、可撓性を有する表示パネルと回動可能な蝶番を有する筐体とを用いて、折りたたみ可能としたフレキシブル表示装置が開発されている。特許文献1に開示されているフレキシブル表示装置の一例は、フレキシブルディスプレイと、フレキシブルディスプレイを支持する2つのディスプレイ支持部と、2つのディスプレイ支持部を回動可能に軸止するヒンジ部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/163272号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレキシブル表示装置に用いられる表示パネルは、通常、フレキシブルな2枚の樹脂板によって、表示素子および配線を挟んだ構造である。したがって、表示パネルを屈曲させるときは、電子回路および配線の損傷や性能の劣化を避けるために、折曲部の曲率半径をある程度以上大きくする必要がある。
【0005】
しかしながら、フレキシブル表示装置を折り曲げるための蝶番構成部品の構造によっては、表示パネルが想定以上に小さい曲率半径で折り曲げられたり、表示パネルの折れ曲がる方向が途中で変わったりする。その結果、表示パネルの折曲部に過度な負荷がかかってしまう。したがって、表示パネルが損傷するおそれがある。
【0006】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものである。本開示の一態様は、表示パネルの折曲部にかかる負荷が低減された蝶番構成部品および表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の蝶番構成部品は、長さ方向に沿って延びる板状部と、前記長さ方向における前記板状部の両端のそれぞれに設けられた一対の回転軸または一対の軸受部と、前記板状部の幅方向において前記板状部から突出する少なくとも1つの凸部と、を有する。
【0008】
本開示の表示装置は、可撓性を有する表示パネルと、前記表示パネルを保持する折り畳み可能な保持体と、を備え、前記保持体は、前記表示パネルを支持する第1主面を有する平板状の第1支持体と、前記表示パネルを支持する平板状の第2支持体と、前記表示パネルを支持する少なくとも1つの接続部と、を備え、前記接続部は、前記表示パネルを支持する長尺平板状の第3支持体と、前記第1支持体と前記第3支持体の前記第1主面の反対面側である第2主面に配置され、前記第1支持体と前記第3支持体とを連結する長尺状の第1ヒンジ部材と、前記第2支持体と前記第3支持体の前記第1主面の反対面側に配置され、前記第2支持体と前記第3支持体とを連結する長尺状の第2ヒンジ部材と、前記第1ヒンジ部材と前記第1支持体の端部とを、前記第1ヒンジ部材と前記第1支持体とが相対回転自在に連結する第1支軸と、前記第1ヒンジ部材と前記第3支持体とを、前記第1ヒンジ部材と前記第3支持体とが相対回転自在に連結する第2支軸と、前記第2ヒンジ部材と前記第3支持体とを、前記第2ヒンジ部材と前記第3支持体とが相対回転自在に連結する第3支軸と、前記第2ヒンジ部材と前記第2支持体の端部とを、前記第2ヒンジ部材と前記第2支持体とが相対回転自在に連結する第4支軸と、を備え、前記表示パネルが180度開いた状態になるように前記保持体を開いた状態で、前記第1支持体、前記第2支持体および前記第3支持体の前記第1主面が、同一平面状に並び、前記第3支持体の前記第1支持体と対向する第1辺には、前記第1辺から突出する凸部と前記第1辺が切り欠かれた凹部とを有し、前記第1支持体の前記第3支持体と対向する辺には、前記第3支持体の前記第1辺の前記凸部と前記凹部に対応する凹と凸部とを有し、前記第3支持体の前記第2支持体と対向する第2辺には、前記第2辺から突出する凸部と前記第2辺が切り欠かれた凹部とを有し、前記第2支持体の前記第3支持体と対向する辺には、前記第3支持体の前記第2辺の前記凸部と前記凹部に対応する凹と凸部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1の蝶番構成部品の斜視図である。
図2図1に示された蝶番構成部品をX方向に沿って見たときの蝶番構成部品の側面図である。
図3図1に示された蝶番構成部品をY方向に沿って見たときの蝶番構成部品の側面図である。
図4】実施形態1の蝶番構成部品の変形例を示す部分平面図である。
図5図4に示された変形例の蝶番構成部品をY方向に沿って見たときの蝶番構成部品の側面図である。
図6図1のVI-VI線断面図である。
図7図1のVII-VII線断面図である。
図8図1のVIII-VIII線断面図である。
図9】実施形態2の表示装置の第1支持体と第2支持体とを開き、表示パネルを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図10】実施形態2の表示装置の表示パネルが装着され、第1支持体と第2支持体とを閉じた状態を示す斜視図である。
図11図9に示された表示装置の折曲部の部分分解斜視図である。
図12図9に示された表示装置の折曲部を表示パネル側から見たときの表示装置の部分平面図である。
図13図9に示された表示装置の折曲部を表示パネル側の位置とは反対側の位置から見たときの表示装置の部分平面図である。
図14】実施形態2の表示装置の第1支持体と第2支持体とを開いた状態を示す平面図である。
図15】実施形態2の表示装置の第1支持体と第2支持体とを閉じた状態を示す平面図である。
図16図14に示された表示装置の折曲部をY方向に沿って見たときの表示装置の部分側面図である。
図17図15に示された表示装置の折曲部をY方向に沿って見たときの表示装置の部分側面図である。
図18図14のXVIII-XVIII線断面図である。
図19図15のXIX-XIX線断面図である。
図20図14のXX-XX線断面図である。
図21図15のXXI-XXI線断面図である。
図22図14のXXII-XXII線断面図である。
図23図15のXXIII-XXIII線断面図である。
図24】実施形態3の表示装置の第1支持体と第2支持体とを開いた状態を示す斜視図である。
図25】実施形態3の表示装置の第1支持体と第2支持体とを閉じた状態を示す斜視図である。
図26図24のXXVI-XXVI線断面図である。
図27図25のXXVII-XXVII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態の蝶番構成部品および表示装置について図面を参照しながら説明する。各図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付す。各実施形態における同一または同等の構成については、必要がなければ、その説明を繰り返さない。
【0011】
<実施形態1>
図1は、本開示の実施形態1の蝶番構成部品2を示す斜視図である。図2は、図1に示された蝶番構成部品2をX方向に沿って見たときの蝶番構成部品2の側面図である。図3は、図1に示された蝶番構成部品2をY方向に沿って見たときの蝶番構成部品2の側面図である。図2および図3では、X方向およびY方向のそれぞれに直交した蝶番構成部品2の上下方向をZ方向としている。本明細書において、上記したX方向、Y方向およびZ方向は、それぞれ、直交座標系の3軸に沿った方向である。
【0012】
蝶番構成部品2は、板状部3、一対の回転軸4、および少なくとも1つの凸部6を含む。図1に示されるように、板状部3は、長さ方向であるY方向に沿って延びている。一対の回転軸4は、長さ方向における板状部3の両端のそれぞれに設けられている。少なくとも1つの凸部6は、それぞれ、板状部3の幅方向であるX方向において板状部3から突出している。少なくとも1つの凸部6の数は、本実施の形態では、4つであるが、これに限定されない。
【0013】
板状部3は、Y方向に沿って直線状に延びる蝶番構成部品2の主たる構造である。板状部3の長さ方向とは、図1におけるY方向である。板状部3の幅方向とは、図1におけるX方向である。板状部3は、例えば、幅方向に凹凸を有する長方形状の板であり、金属または硬質なプラスチックなどによって形成される。
【0014】
図1および図2に示されるように、本実施の形態においては、1つの板状部3が4つの凸部6および4つの凹部7を有する構成を例示する。
【0015】
4つの凸部6は、2つの第1凸部6Aおよび2つの第2凸部6Bを有する。図1に示されるように、2つの第1凸部6Aは、それぞれ、X方向に沿った2つの向きのうち、第1の向きに突出する。2つの第2凸部6Bは、それぞれ、X方向において、第1の向きとは逆向きである第2の向きに突出する。図1に示されるように、2つの第1凸部6Aと2つの第2凸部6Bとは、Y方向において、所定の距離をおいて配置されている。
【0016】
図1に示されるように、板状部3は、X方向において4つの凸部6のそれぞれに対向する位置に4つの凹部7が形成されている。4つの凹部7は、2つの凹部7Aと2つの凹部7Bとを有する。2つの凹部7Bは、それぞれ、2つの第1凸部6AにX方向において対向する位置で、第1の向きに凹んでいる。2つの凹部7Aは、それぞれ、2つの第2凸部6BにX方向において対向する位置で第2の向きに凹んでいる。
【0017】
図2に示されるように、板状部3がY方向の両端近傍において、それぞれ、板状部3の厚さ方向であるZ方向に沿って、上向きに突出する2つの突出部12を含む。また、板状部3がY方向の両端近傍において、Z方向に沿って下向きに突出する突起11を有している。
【0018】
図3に示されるように、2つの突出部12には、それぞれ、前述の一対の回転軸4が設けられている。一対の回転軸4は、例えば、突出部12の側面に設けられた円柱状の部分である。一対の回転軸4は、X方向において所定の間隔を空けて2箇所に設けられている。例えば、図1および図3に示されるように、X方向に沿って、2組の一対の回転軸4が並んでいる。一方の一対の回転軸4と他方の一対の回転軸4とは、同一の2つの仮想回転中心軸に沿って延びるように設けられている。2組の一対の回転軸4は、二軸ヒンジを構成している。
【0019】
なお、2つの突出部12の変形例として、図4および図5に示されるように、板状部3の端部に一対の回転軸4の代わりに一対の軸受部5が設けられているものが考えられる。
【0020】
図4は、一対の軸受部5を備えた蝶番構成部品2の一端部近傍を示す平面図であり、図5は、図4をY方向から見た側面図である。一対の軸受部5は、例えば、板状部3に空けられた丸穴または丸溝である。
【0021】
図4および図5の2つの突出部12の変形例では、一対の軸受部5が丸穴の場合を例示している。このように板状部3の端部に一対の回転軸4の代わりに一対の軸受部5を設ける2つの突出部12の変形例においては、表示装置1は、その軸受部5に嵌合する回転軸を有しているものとする。
【0022】
図6は、図1のVI-VI線断面図である。図7図1のVII-VII線断面図である。図8は、図1のVIII-VIII線断面図である。図6図8に示されるように、4つの凸部6のそれぞれは、後述されるヒンジ部材19に対向する対向面8aと、X方向において外側へ向かうにつれて板状部3の厚さが低減するテーパ面8と、を有している。板状部3の断面にはハッチングを付している。
【0023】
例えば、図6図8に示されるように、第1凸部6Aは、第1の向きに突出しており、その先端に向かうにつれて、対向面8aに対して厚みが薄くなるように傾斜したテーパ面8を有している。
【0024】
第2凸部6Bは、第2の向きに突出しており、その先端に向かうにつれて、対向面8aに対して厚みが薄くなるように傾斜したテーパ面8を有している。
【0025】
板状部3は、Z方向において下向きに突出する突起11を含む。より具体的には、板状部3が、Z方向において、板状部3の主表面から外側の向きに突出する突起11を有している。突起11は、本実施の形態においては、平板状の円柱であるものとする。
【0026】
<実施形態2>
図9図23を用いて、本開示の実施形態2の表示装置1を説明する。なお、本実施形態の表示装置1は、実施形態1と同様の蝶番構成部品2を備えている。本実施形態の蝶番構成部品2において、実施形態1の蝶番構成部品2と同様である点については、特に必要がなければ、その説明を繰り返さない。
【0027】
図9および図10は、本開示の実施形態2の表示装置1を示す斜視図である。図9は、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とを開いた状態であって、表示パネル13を取り外した状態を示す分解斜視図である。図10は、表示装置1を閉じた状態を示す図である。
【0028】
図9では、第1支持体14と接続部16と第2支持体15とが並ぶ方向をX方向とし、X方向と直交する方向をY方向としている。X方向およびY方向に直交した第1支持体14および第2支持体15のそれぞれの主表面に垂直な方向をZ方向としている。上記したX方向、Y方向およびZ方向は、それぞれ、直交座標系の3軸に沿った方向である。
【0029】
表示装置1は、表示パネル13と、第1支持体14および第2支持体15と、それらを連結する接続部16とを有する。接続部16には、実施形態1の複数の蝶番構成部品2が含まれる。接続部16は、蝶番構成部品2である第3支持体17と第3支持体18と、ヒンジ部材19である第1ヒンジ部材1902と第2ヒンジ部材1903と第3ヒンジ部材1901とを含む。以下、実施形態1と共通の事項については適宜説明を省略する。
【0030】
表示パネル13は、図示しないが、表示素子および配線を2枚の樹脂板で挟んで、1枚の板状部材とした構造である。表示パネル13は、可撓性を有しているため、任意の位置で折り曲げることができる。表示パネル13は、たとえば、OLED:有機発光ダイオード,QLED:量子ドット発光ダイオード、液晶を用いた表示パネル13である。さらに、表示パネル13はタッチパネルを備えていてもよい。
【0031】
保持体40は、第1支持体14、第2支持体15、および第3支持体17,18を含む。保持体40は、表示パネル13を保持する。また、保持体40は、接続部16が折れ曲がり部として機能することにより、第1支持体14と第2支持体15とが向かい合うように折り畳まれ得る。本実施例により、表示パネル(タッチパネル)と第3支持体17,18との間に隙間が生じにくい。これは、折り曲げ途中、例えば90度や135度で開いた状態で止めた場合であっても、隙間が生じにくいためタッチ操作が可能である。(隙間ができるとタッチ操作で表示パネルが押されてしまい正確なタッチ操作ができない)。
【0032】
第1支持体14および第2支持体15のそれぞれが、表示パネル13と互いに対向している。第1支持体14および第2支持体15は、表示パネル13が取り付けられる一対の板状部を構成する部材である。図9に示されるように、X方向における表示パネル13の両端付近が、第1支持体14および第2支持体15に固定されている。図9において見えている、第1支持体14の表面および第2支持体15の表面がそれぞれの第1主面である。それらの第1主面の反対面側の表面が、第1支持体14および第2支持体15のそれぞれの第2主面である。すなわち、第1支持体14および第2支持体15において、表示パネル13に面する側の表面が第1主面である。以下、他の構成についても、表示パネル13に面する側の表面および表示パネル13に面する側の表面の裏側の表面が、それぞれ、第1主面および第2主面と定義される。
【0033】
接続部16は、第1支持体14と第2支持体15との間に設けられ、第1支持体14と第2支持体15とを後述する回転軸で回動可能に連結している。図9では、接続部16が、例えば、表示パネル13を支持する長尺平板状の2つの第3支持体17および1つの第3支持体18を有している。言い換えると、接続部16は、実施の形態1において説明した3つの蝶番構成部品2を含んでいる。ただし、本開示の接続部16は、3つの蝶番構成部品2を含むものに限定されず、少なくとも1つの第3支持体としての蝶番構成部品を含んでいればよい。
【0034】
図9および図10に示されるように、平面に沿った状態にしたり、接続部16を湾曲した状態にしたりすることによって、表示装置1において、第1支持体14と第2支持体15とが、閉じられたり開かれたりする。表示パネル13と接続部16とは互いに固定されていない。すなわち、表示パネル13は、第1支持体14および第2支持体15に固定され、第3支持体17および第3支持体18に対しては移動可能である。
【0035】
そのため、接続部16の近傍において、表示パネル13は、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とが閉じたり開いたりする際に、接続部16の折り曲げ方向に強制的に追随させられることがない。その結果、第1支持体14と第2支持体15とが開閉する動作によって、表示パネル13が過度に大きな曲げ負荷を受けることを抑制することができる。
【0036】
図9に示されるように、接続部16は、回転軸に平行な方向(本明細書では、Y軸に沿った仮想線の延びる方向を意味する)に沿って延びる第3支持体17と、回転軸に平行な方向に沿って延び、第3支持体17に隣接する第3支持体18と、を含む。さらに、接続部16は、接続部16の曲げ線(本明細書では、Y軸に沿った仮想線を意味する)に沿って延びるもう一つ第3支持体17を有し、2つの第3支持体17と、曲げ線に沿って延び、2つの第3支持体17に挟まれて第3支持体17に隣接する第3支持体18と、を含む。
【0037】
図9から分かるように、表示パネル13が180開いた状態となるように保持体40を開いた状態では、第1支持体14、第2支持体15、2つの第3支持体17および第3支持体18の第1主面が、同一平面状に並んでいる。
【0038】
接続部16は、第3支持体17および第3支持体18のそれぞれに回動可能に連結された複数のヒンジ部材19を含む。図9および図10に示すように、ヒンジ部材19は長尺状である。第3支持体17および第3支持体18は、実施形態1の蝶番構成部品2にそれぞれ対応している。図9では、2つの第3支持体17と、1つの第3支持体18とを、2つのヒンジ部材19で連結した構成を例示している。ヒンジ部材19の詳細については、図11を用いて後述する。
【0039】
また、図9に示されるように、2つの第3支持体17には、それぞれ、第1支持体14および第2支持体15が、ヒンジ部材19によって回動可能に連結されている。以下、必要に応じて、第3支持体17と第3支持体18とを連結するヒンジ部材19を第3ヒンジ部材1901とも呼び、第3支持体17と第1支持体14とを連結するヒンジ部材19を第1ヒンジ部材1902とも呼び、第3支持体17と第2支持体15とを連結するヒンジ部材19を第2ヒンジ部材1903とも呼ぶ。
【0040】
図11は、図9に示された表示装置1の接続部16における分解斜視図である。図11には、例えば、ヒンジ部材19が、第1連結部材191、第2連結部材192、接続部材193および締結部材194を含む構成が示されている。
【0041】
第1連結部材191および第2連結部材192は、一方向に、具体的には、Y方向に沿って延びる板状の部材である。第1連結部材191は、一端部にZ方向に突出した突出部195を有する。第2連結部材192は、一端部にZ方向に主表面から突出した突出部196を有する。突出部195および突出部196には一対の軸受部197がX方向に沿って設けられている。
【0042】
図11に示されるように、第3支持体17、18と第1支持体14および第2支持体15とを、ヒンジ部材19で回動可能に連結する。本実施形態においては、第1支持体14の一対の回転軸4(第1支軸141)と第1支持体14に隣接する第3支持体17の一対の回転軸4(第2支軸25)とを第1ヒンジ部材1902が連結している。また、第2支持体15に隣接する第3支持体17の一対の回転軸4(第3支軸27)と第2支持体15の一対の回転軸4(第4支軸151)とを第2ヒンジ部材1903が連結している。
【0043】
図11に示されるように、X方向に沿って設けられた一対の軸受部197に対して、第3支持体17に設けられた一対の回転軸4(他の支軸41)および第3支持体18に設けられた一対の回転軸4(他の支軸41)がそれぞれ挿入される。このようにして、ヒンジ部材19が、第3支持体17と第3支持体18とを回動可能に連結する。
【0044】
ここでヒンジ部材19は、第1連結部材191および第2連結部材192が、接続部材193および締結部材194によって、Y方向で接続されて一体のヒンジ部材19となる。
【0045】
次に軸受部の形状の変形例について説明する。図示はしないが、第3支持体17が一対の第1の軸受部を有し、第3支持体18が一対の第2の軸受部を有している変形例の場合を検討する。この場合には、図11において突出部195および突出部196の一対の軸受部197が設けられている位置には、それぞれ、一対の軸受部197の代わりに、一対の回転軸が設けられる。その一対の回転軸が、それぞれ、図4および図5に示される一対の軸受部5に挿入される。
【0046】
さらに、軸受部の形状の別の変形例について説明する。また、図示はしないが、第3支持体17が一対の第1の軸受部を有し、第3支持体18が一対の第2の軸受部を有し、かつ、突出部195および突出部196に一対の軸受部197が設けられてもよい。この場合、別部材の回転軸が、一対の第1の軸受部および一対の第2の軸受部と一対の軸受部197との双方に挿入される。これによっても、軸受部と回転軸との嵌合によって第1支持体14と第2支持体15とを回動可能に連結することができる。
【0047】
図12は、図9に示された表示装置1の接続部16を表示パネル13の側(第3支持体17,18の第1主面側)から見た平面図である。図13は、表示装置1の接続部16を表示パネル13の側とは反対側から見たときの表示装置1の平面図である。ヒンジ部材19は、接続部16の曲げ線に沿って、Y方向に延びている。
【0048】
図12に示されるように、第3支持体17と第3支持体18との間には、第3支持体17と第3支持体18とを互いに回動可能とするための隙間20が設けられている。また、第1支持体14と第3支持体17との間、および、第2支持体15と第3支持体17との間にも、それらを互いに回動可能とするための隙間20が設けられている。
【0049】
図12に示されるように、2つの第3支持体17のうち、第1支持体14に隣接する第3支持体17(図12の下側の第3支持体17)において、第1支持体14と対向する第1辺51は、第1辺51から突出する第1凸部6Aと第1辺51が切り欠かれた凹部7Aとを有する。第1支持体14において、隣接する第3支持体17側の辺は、隣接する第3支持体17の第1辺の第1凸部6Aに対応する凹部7Bと、隣接する第3支持体17の第1辺51の凹部7Aに対応する凸部142とを有している。また、2つの第3支持体17のうち、第2支持体15に隣接する第3支持体17(図12の上側の第3支持体17)において、第2支持体15と対向する第2辺52は、第2辺52から突出する第2凸部6Bと第2辺52が切り欠かれた凹部7Bとを有する。第2支持体15において、隣接する第3支持体17と対向する辺は、隣接する第3支持体17の第2辺52の第2凸部6Bに対応する凹部7Aと、隣接する第3支持体17の第2辺52の凹部7Bに対応する凸部152とを有している。
【0050】
図11および図12から分かるように、2つの第3支持体17および1つの第3支持体18のそれぞれにおいて、第1支持体14側の辺には2つの第1凸部6Aが設けられている。また、2つの第3支持体17および1つの第3支持体18のそれぞれにおいて、第2支持体15側の辺には2つの第2凸部6Bが設けられている。図12から分かるように、2つの第3支持体17および1つの第3支持体18のそれぞれにおいて、2つの第1凸部6Aは、第1支持体14側の辺と第2支持体15側の辺との中心線50を挟んで互いに対向しない位置に設けられている。2つの第2凸部6B同士も中心線50を挟んで互いに対向しない位置に設けられている。それによって、X方向に沿った直線上で2つの第1凸部6A同士が中心線50に沿って互いにずれた位置に配置され、かつ、2つの第2凸部6B同士が中心線50に沿って互いにずれた位置に配置されているため、後述するように表示装置1を閉じて各凸部がストッパーとして機能したときに、各支持体に掛かる負荷がY方向において分散され、局所的に大きな負荷が掛かることを抑制できる。
【0051】
図13から分かるように、表示パネル13の反対側から見たときに、ヒンジ部材19は、X方向において、第3支持体17と第3支持体18とに跨って重畳し、第3支持体17と第3支持体18との間の隙間20を覆う。
【0052】
また、同様に、ヒンジ部材19は、第3支持体17と第1支持体14との間の隙間20および第3支持体17と第2支持体15との間の隙間20のそれぞれを覆う。したがって、図13から分かるように、隙間20はヒンジ部材19に覆われて見えなくなっている。それによって、接続部16において、表示パネル13の裏側が露出することを防止できる。
【0053】
図13に示されるように、第3支持体17および第3支持体18がそれぞれ突起11を備え、第1支持体14が突起1411を備え、第2支持体15が突起1511を備える。ヒンジ部材19は複数の切り欠き19aを有しており、複数の切り欠き19aは、3つの突起11、1つの突起1411および1つの突起1511にそれぞれ嵌合する。
【0054】
図14および図15は、本開示の実施形態2の表示装置1を示す平面図である。図14は、表示装置1を開いた状態を示す図であって、表示パネル13の図示が省略された図である。図15は、表示装置1を閉じた状態を示す図である。
【0055】
言い換えると、図14は、図9に示された表示装置1をZ方向から見たときの表示装置1の平面図であり、図15は、図10に示された表示装置1をZ方向から見たときの表示装置1の平面図である。
【0056】
図14に示されるように、蝶番構成部品2に対応する第3支持体17は、前述の図1に示される凸部6を構成する第1凸部6Aおよび第2凸部6Bを有する。第3支持体17は、2つの第1凸部6Aおよび2つの第2凸部6Bを、第3支持体17の両端付近にそれぞれ含む(図1参照)。また、蝶番構成部品2に対応する第3支持体18は、2つの第1凸部6Aおよび2つの第2凸部6Bを含む(図1参照)。
【0057】
2つの第1凸部6Aおよび2つの第2凸部6Bは、いずれも、平面視において、幅方向、すなわち、X方向に突出した形状であるが、その平面形状はこれに限定されない。
【0058】
図14に示されるように、2つの第3支持体17および1つの第3支持体18では、X方向において、凸部6(6A,6B)が突出している(図1参照)。第3支持体17では、X方向において、凸部6(6A,6B)と対向する位置に、凹部7(7A,7B)が形成されている(図1参照)。より詳しく言うと、2つの第3支持体17および1つの第3支持体18のそれぞれの第1支持体14側の辺および第2支持体15側の辺のそれぞれには複数の凸部6(6A,6B)と複数の凹部7(7A,7B)とが設けられている。
【0059】
言い換えると、2つの第3支持体17および1つの第3支持体18のそれぞれにおいて、第1支持体14側の辺には第1凸部6Aが設けられ、2つの第3支持体17および1つの第3支持体18のそれぞれにおいて、第2支持体15側の辺には凹部7Aが設けられている。図12および図14から分かるように、2つの第3支持体17および1つの第3支持体18のそれぞれにおいて、第1凸部6Aと凹部7Aとは、第1支持体側の辺と第2支持体側の辺との中心線50を挟んで互いに対向する位置に設けられている。また、2つの第3支持体17および1つの第3支持体18のそれぞれにおいて、第1支持体14側の辺には凹部7Bが設けられ、第2支持体15側の辺には第2凸部6Bが設けられている。図12および図14から分かるように、複数の第3支持体17および第3支持体18のそれぞれにおいて、第2凸部6Bと凹部7Bとは、第1支持体側の辺と第2支持体側の辺との中心線50を挟んで互いに対向する位置にある。上述したように凸部と凹部が互いに対向する位置にあることで、第1支持体14、第2支持体15および第3支持体17を隣接させたときに、凹部内に凸部が収まって互いに干渉しない。よって、各支持体の間の隙間20を小さくすることができる。
【0060】
なお、本実施形態の変形として、複数の第3支持体17および第3支持体18のそれぞれにおいて、凹部7Aと凹部7Bとは、第1支持体側の辺と第2支持体側の辺との中心線50を挟んで互いに対向しない位置、すなわち、中心線50に沿って互いにずれた位置に設けられていてもよい。これによれば、複数の凹部がX方向に沿った直線上で一列に並べられることに起因して第3支持体17および第3支持体18のX方向における幅が局所的に小さくなる部分がなくなる。そのため、第3支持体17および第3支持体18の強度を向上させることができる。
【0061】
また、第3支持体17に隣接する第3支持体18では、X方向において、凸部6(6A,6B)が突出している(図1参照)。第3支持体18では、X方向において、凸部6(6A,6B)と対向する位置に、凹部7(7A,7B)が形成されている(図1参照)。
【0062】
凸部6(6A,6B)の一部は、隣接する第3支持体18の凹部7に嵌合し、凸部6(6A,6B)の一部は、隣接する第3支持体17の凹部7(7A,7B)に嵌合する。言い換えると、隣接する2つの第3支持体17および1つの第3支持体18において、一方の第3支持体17と他方の第3支持体18とが対向する辺の凸部6(6A,6B)と凹部7(7A,7B)とが嵌合している。
【0063】
図14に示される構造によれば、第3支持体17と第3支持体18との間の隙間20をできるかぎり小さくしつつ、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とを同一仮想平面に沿って延びる状態まで開くことができる。これは、対向面8aがストッパー部として機能するからであるが、この点については、後に詳細に述べる。
【0064】
図14に示されるように、第1支持体14および第2支持体15においても、第3支持体17の凸部6(6A,6B)と対向する位置に凹部7が設けられ、第3支持体17の凹部7と対向する位置に凸部がそれぞれ設けられている。図15から分かるように、第1支持体14と第2支持体15とが閉じられたときには、第3ヒンジ部材1901と第2ヒンジ部材1903とが離れる。
【0065】
なお、図示はしないが、接続部に1つの第3支持体のみが含まれていてもよい。この場合、1つの第3支持体に第1支持体および第2支持体が隣接する。第3支持体において、第1支持体に対向する側の辺が第1辺となり、第2支持体に対向する側の辺が第2辺となる。第3支持体の第1辺に設けられた第1凸部と、第3支持体の第2辺に設けられた第2凸部とは、第1辺と第2辺との中心線を挟んで互いに対向しない位置、すなわち、中心線に沿ってずれた位置に設けられている。
【0066】
また、接続部に含まれる第3支持体が1つの場合、第3支持体の第1辺に設けられた凹部と、第3支持体の第2辺に設けられた凹部とは、第1辺と第2辺との中心線を挟んで互いに対向しない位置、すなわち、中心線に沿ってずれた位置に設けられている。
【0067】
また、接続部に含まれる第3支持体が1つの場合、第3支持体の第1辺に設けられた第1凸部と第3支持体の第2辺に設けられた凹部とは、第1辺と第2辺との中心線を挟んで互いに対向する位置にある。第3支持体の第2辺に設けられた第2凸部と第3支持体の第1辺に設けられた凹部とは、第1辺と第2辺との中心線を挟んで互いに対向する位置にある。
【0068】
図16は、図14に示された表示装置1の接続部16をY方向に沿って見たときの表示装置1の側面図である。図17は、図15に示された表示装置1の接続部16をY方向に沿って見たときの表示装置1の側面図である。図16および図17では、表示パネル13を透過させて点線で示している。
【0069】
図16から分かるように、表示パネル13を180度開いた状態では、Y方向に沿って見た場合に、第1支軸141、第2支軸25、第3支軸27および第4支軸151は表示パネル13と同じ高さである。
【0070】
図16から分かるように、表示パネル13を180度開いた状態では、Y方向に沿って見た場合に、複数の他の支軸41が表示パネル13と同じ高さである。
【0071】
図16および図17から分かるように、表示パネル13は、Y方向に沿って見た場合、上述の図2に示される一対の回転軸4を構成する第2支軸25、第3支軸27、他の支軸41ならびに第1支軸141および第4支軸151のY方向における延長線上の空間を横切るように設けられている。
【0072】
その構成によって、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とを閉じた際に、表示パネル13が、面内方向に引っ張られたり圧縮されたりすることを抑制できる。その結果、表示パネル13にかかる負荷を低減できる。
【0073】
図16および図17から分かるように、第1支軸141が、第1ヒンジ部材1902と第1支持体14の端部とを、第1ヒンジ部材1902と第1支持体14とが相対回転自在に連結している。第2支軸25が、第1ヒンジ部材1902と第3支持体17とを、第1ヒンジ部材1902と第3支持体17とが相対回転自在に連結している。また、第3支軸27が、第2ヒンジ部材1903と第3支持体17とを、第2ヒンジ部材1903と第3支持体17とが相対回転自在に連結している。第4支軸151が、第2ヒンジ部材1903と第2支持体15の端部とを、第2ヒンジ部材1903と第2支持体15とが相対回転自在に連結している。
【0074】
接続部が複数の第3支持体と、複数の第3支持体のうち隣接する2つの第3支持体を連結する少なくとも1つの第3ヒンジ部材と、第3支持体と第3ヒンジ部材とを相対回転自在に連結する複数の他の支軸と、を有する。例えば、図16および図17に示される構成では、接続部16が2つの第3支持体17と、それらに挟まれた第3支持体18とを有しており、2つの第3ヒンジ部材1901が、2つの第3支持体17と第3支持体18とを複数の他の支軸41によってそれぞれ相対回転自在に連結している。
【0075】
なお、第2支軸25および第3支軸27に代えて、一対の第1の軸受部および一対の第2の軸受部が設けられてもよい。その場合には、表示パネル13が、一対の第1の軸受部および一対の第2の軸受部のY方向における延長線上の空間を横切るように設けられてもよい。
【0076】
図18は、図14のXVIII-XVIII線断面図である。図19は、図15のXIX-XIX線断面図である。図18および図19において、第2支軸25、第3支軸27、第1支軸141および第4支軸151のY方向における延長線上の位置を点線の輪郭で示している。
【0077】
図18に示されるように、複数のヒンジ部材19、例えば、4つのヒンジ部材19が、4つの隙間20を覆うように、第1支持体14、2つの第3支持体17、第3支持体18および第2支持体15のいずれか2つとZ方向において対向している。
【0078】
具体的には、4つのヒンジ部材19の内側面が、それぞれ、第3支持体17の対向面8a(図18において左側)、第3支持体18の対向面8a、第3支持体17の対向面8a(図18において右側)に対向している。
【0079】
2つの第1凸部6Aおよび2つの第2凸部6Bは、別な観点で見れば、それぞれ、4つの第1ストッパー部21として機能する。第1ストッパー部21の詳しい動作については後述する。
【0080】
また、第1凸部6Aおよび第2凸部6Bには、その第2主面に対向面8aおよびテーパ面8(図6図8および図18図20参照)がそれぞれ形成されている。2つの第1凸部6Aの対向面8aおよびテーパ面8と、2つの第2凸部6Bの対向面8aおよびテーパ面8とは、別な観点でみれば、それぞれ、4つの第2ストッパー部22として機能する。第2ストッパー部22の詳しい動作については後述する。第1凸部6Aおよび第2凸部6Bは、X方向に突出する部分の大きさを任意に設定することができる。
【0081】
図18および図20に示されるように、第1支持体14および第2支持体15においても、第3支持体17の第1ストッパー部21としての凸部6(6A,6B)と対向する位置に凹部7が設けられ、第3支持体17の凹部7と対向する位置に第1扉ストッパー部142としての凸部および第2扉ストッパー部152としての凸部がそれぞれ設けられている。第1扉ストッパー部142としての凸部および第2扉ストッパー部152としての凸部には、第1ストッパー部21および第2ストッパー部22と同様に、第2主面に対向面8aおよびテーパ面8がそれぞれ形成されている。
【0082】
図18に示されるように、第1支持体14と第2支持体15とが180度に開かれた場合、第1支持体14、2つの第3支持体17、第3支持体18および第2支持体15が、X方向に沿って直線状に並ぶ。このとき、後述されるように、突起11がヒンジ部材19の切り欠き19aの内面に当接している(図23参照)。また、このとき、4つのヒンジ部材19の内側面が、それぞれ、第3支持体17の対向面8a(図18において左側)、第3支持体18の対向面8a、第3支持体17の対向面8a(図18において右側)に当接した状態である。それにより、第1支持体14、2つの第3支持体17、第3支持体18および第2支持体15の間の各部の相対的な回転が抑制されている。それによって、図18に示されるように、各部材がX方向に沿って直線状に並ぶ状態が維持される。
【0083】
すなわち、第3支持体17および第3支持体18の第2主面に突起11が設けられている。表示パネル13が開かれた状態で、第2主面の突起11が第1ヒンジ部材1902または第2ヒンジ部材1903の側端面に当接する。それにより、第3支持体17および第1ヒンジ部材1902と、第2ヒンジ部材1903および第3支持体18との相対的な動きをそれぞれ抑制する。
【0084】
図19は、接続部16を曲げて表示装置1を閉じた状態である。図19に示されるように、表示パネル13を折り曲げた状態において、第3支持体17の凸部6(6A,6B)が、第1ヒンジ部材1902または第2ヒンジ部材1903と当接する。それにより、第3支持体17(図19において上側の第3支持体17)および第3支持体18と2つの第3ヒンジ部材1901との相対的な位置関係の変化が停止する。
【0085】
また、図19に示されるように、第3支持体17の凸部6(6A,6B)の第1ヒンジ部材1902または第2ヒンジ部材1903との当接面の一部がテーパ形状であってもよい。言い換えると、図19に示されるように、第3支持体17(図19において上側の第3支持体17)の第1ストッパー部21のテーパ面8および第3支持体18の第2ストッパー部22のテーパ面8が、それぞれ、2つの第3ヒンジ部材1901の内側面に当接する。それにより、第3支持体17(図19において上側の第3支持体17)および第3支持体18と2つの第3ヒンジ部材1901との相対的な位置関係の変化が、テーパ面8と第1ヒンジ部材1902または第2ヒンジ部材1903の内側面とが当接した状態で停止する。
【0086】
例えば、第1支持体14と第2支持体15とを閉じるときに、第1ストッパー部21が、第3支持体17と第3ヒンジ部材1901との間の相対的な位置関係の変化を制限する。また、第2ストッパー部22が、第3支持体18と第3ヒンジ部材1901との間の相対的な位置関係の変化を制限する。
【0087】
第3支持体17(図19において下側の第3支持体17)の第1ストッパー部21のテーパ面8が、第1ヒンジ部材1902の内側面に当接する。それにより、第3支持体17(図19において下側の第3支持体17)と第1ヒンジ部材1902との間の相対的な位置関係の変化が停止する。また、第2支持体15の第2扉ストッパー部152のテーパ面8が、第2ヒンジ部材1903の内側面に当接する。それにより、第2支持体15および第3支持体17(図19において上側の第3支持体17)と第2ヒンジ部材1903との間の相対的な位置関係の変化が停止する。
【0088】
これによって、接続部16の近傍の表示パネル13が鋭角に折り曲げられることを抑制できる。また、テーパ面8の傾斜角度によって、接続部16の折り曲げ半径を調整して、表示パネル13にかかる負荷を低減することができる。
【0089】
テーパ面8の傾斜角度は、接続部16に含まれる蝶番構成部品2の数および寸法、ならびに、表示パネル13の寸法、厚み、および柔軟性などに応じて調整される。なお、折り曲げられた表示パネル13にかかる負荷が許容される程度であれば、テーパ面8を設けなくともよい。
【0090】
より具体的に説明すると、図18および図19に示されるように、例えば、第3支持体17または第3支持体18は、第1支持体14と第2支持体15とが開かれた状態で第3支持体17または第3支持体18のヒンジ部材19(第3ヒンジ部材1901、第1ヒンジ部材1902、第2ヒンジ部材1903)に対向する対向面8aを含んでいる。すなわち、対向面8aは第3支持体17または第3支持体18の第2主面に含まれる。
【0091】
また、前述のように、板状部3(第3支持体17または第3支持体18)は、対向面8aに対して傾斜したテーパ面8を含んでいる。言い換えると、板状部3の第2主面には、対向面8aおよびテーパ面8が含まれている。テーパ面8は、第1支持体14と第2支持体15とが閉じられたときに、ヒンジ部材19(第3ヒンジ部材1901、第1ヒンジ部材1902、第2ヒンジ部材1903)の内側面である第1主面に当接する。
【0092】
図20は、図14のXX-XX線断面図である。図21は、図15のXXI-XXI線断面図である。図20および図21は、第1ストッパー部21および第2ストッパー部22のそれぞれのテーパ面8が突出する向きが、図18および図19と逆向きである状態を示している。図20および図21においても、第2支軸25、第3支軸27、第1支軸141および第4支軸151のY方向における延長線上の位置を点線の輪郭で示している。
【0093】
図20に示されるように、複数のヒンジ部材19、例えば、4つのヒンジ部材19が、4つの隙間20を覆うように、第1支持体14、2つの第3支持体17、第3支持体18および第2支持体15のいずれか2つとZ方向において対向している。
【0094】
具体的には、4つのヒンジ部材19の内側面が、それぞれ、第3支持体17の対向面8a(図20において左側)、第3支持体18の対向面8a、第3支持体17の対向面8a(図20において右側)に対向している。
【0095】
図20に示されるように、第1支持体14と第2支持体15とが開かれた場合、第1支持体14、2つの第3支持体17、第3支持体18および第2支持体15が、X方向に沿って直線状に並ぶ。すなわち、表示パネル13を180度開いた状態となる。このとき、後述されるように、突起11がヒンジ部材19の切り欠き19aの内面に当接している(図23参照)。また、このとき、4つのヒンジ部材19の内側面が、それぞれ、第3支持体17の対向面8a(図20において左側)、第3支持体18の対向面8a、第3支持体17の対向面8a(図20において右側)に当接した状態である。それにより、第1支持体14、2つの第3支持体17、第3支持体18および第2支持体15の間の各部の相対的な回転が抑制されている。それによって、図20に示されるように、各部材がX方向に沿って直線状に並んだ状態が維持される。
【0096】
図21は、接続部16を曲げて表示装置1を閉じた状態である。図21に示されるように、第3支持体17(図21において下側の第3支持体17)の第1ストッパー部21および第3支持体18の第2ストッパー部22のテーパ面8が、それぞれ、2つの第3ヒンジ部材1901の内接面に当接する。それにより、第3支持体17(図21において下側の第3支持体17)と第3ヒンジ部材1901との間および第3支持体18と第3ヒンジ部材1901との間における、相対的な位置関係の変化が停止する。
【0097】
また、第3支持体17(図21において上側の第3支持体17)の第1ストッパー部21のテーパ面8が、第2ヒンジ部材1903の内側面である第2主面に当接する。それにより、第3支持体17(図21において上側の第3支持体17)と第2ヒンジ部材1903との間の相対的な位置関係の変化が停止する。さらに、第1支持体14の第1扉ストッパー部142のテーパ面8が、第1ヒンジ部材1902の内側面である第2主面に当接する。それにより、第1支持体14と第1ヒンジ部材1902との間および第3支持体17(図21において下側の第3支持体17)と第1ヒンジ部材1902との間における相対的な位置関係の変化が停止する。
【0098】
これによって、接続部16の近くで、表示パネル13が鋭角に折り曲げられることを抑制できる。また、テーパ面8の傾斜角度によって、接続部16の折り曲げ半径を調整して、表示パネル13にかかる負荷を低減することができる。
【0099】
第3支持体17の第1ストッパー部21および第3支持体18の第2ストッパー部22は、それぞれ、前述のように、第1凸部6Aおよび第2凸部6Bである。また、図14に示されるように、複数の第1凸部6Aと複数の第2凸部6Bとが、蝶番構成部品2において、Y方向に所定の距離を空けて配置されている。したがって、図19および図21に示されるように、複数のストッパー部が互いに折曲線が延びる方向に沿って距離を置いて設けられていることによって、表示装置1を閉じたときに個々のストッパー部にかかる負荷が分散される。したがって、接続部16の耐久性を向上させることができる。
【0100】
図22は、図14のXXII-XXII線断面図である。図23は、図15のXXIII-XXIII線断面図である。図22に示されるように、第3支持体17は、厚さ方向であるZ方向において、ヒンジ部材19同士の間に挿入されるように延びた第3ストッパー部23を有する。
【0101】
第3支持体18は、厚さ方向であるZ方向において、ヒンジ部材19同士の間に挿入されるように延びた第4ストッパー部24を有する。第3ストッパー部23および第4ストッパー部24は、いずれも、蝶番構成部品2の突起11である。以下、必要に応じて、第3ストッパー部23である、第3支持体17の突起11は第1突起11とも呼ばれ、第4ストッパー部24である、第3支持体18の突起11は第2突起11とも呼ばれる。また、第1支持体14の突起1411および第2支持体15の突起1511は、それぞれ、板状部3の突起11と同様の形状を有する。
【0102】
第1突起11は、第3支持体17の表示パネル13に対向する表面の裏側の表面から外側に突出している。第2突起11は、第3支持体18の表示パネル13に対向する表面の裏側の表面から外側に突出している。図22に示されるように、表示装置1を開いた状態において、第3ストッパー部23としての2つの第1突起11および第4ストッパー部24としての第2突起11はヒンジ部材19とX方向において当接する。言い換えると、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とを開いた際に、接続部16が仮想平面に沿った状態になった時点で、第3ストッパー部23としての第1突起11および第4ストッパー部24としての第2突起11が、ヒンジ部材19の切り欠き19aにそれぞれ嵌合する。それによって、第3支持体17および第3支持体18ならびにヒンジ部材19は、図22に示される状態で維持される。なお、第1突起11に嵌合する切り欠き19aは第1切り欠き19aとも呼ばれ、第2突起11に嵌合する切り欠き19aは第2切り欠き19aとも呼ばれる。
【0103】
すなわち、第3ストッパー部23は、第1支持体14と第2支持体15とが開かれるときに、第3支持体17とヒンジ部材19との相対的な位置関係の変化を制限する。第4ストッパー部24は、第1支持体14と第2支持体15とが開かれるときに、第3支持体18とヒンジ部材19との相対的な位置関係の変化を制限する。それによって、接続部16の近傍の表示パネル13が表示装置1の閉じる方向と逆方向に折り曲げられることを抑制できる。
【0104】
図22に示されるように、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とを開いた際に、第1支持体14と第2支持体15とが仮想平面に沿った状態になる。このとき、第1支持体14の突起1411および第2支持体15の突起1511が、ヒンジ部材19にX方向で当接する。言い換えると、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とを開いた際に、接続部16が仮想平面に沿った状態になった時点で第1支持体14の突起1411および第2支持体15の突起1511が、ヒンジ部材19の切り欠き19aにそれぞれ嵌合する。それによって、図22に示されるように、第1支持体14および第2支持体15ならびにヒンジ部材19は仮想平面に沿った状態で維持される。
【0105】
すなわち、第1支持体14の突起1411は、第1支持体14と第2支持体15とが開かれるときに、第1支持体14とヒンジ部材19(1902)との相対的な位置関係の変化を制限する。第2支持体15の突起1511は、第1支持体14と第2支持体15とが開かれるときに、第2支持体15とヒンジ部材19(1903)との相対的な位置関係の変化を制限する。それによって、接続部16の近くで表示パネル13が鋭角に折り曲げられることが抑制される。
【0106】
図23は、接続部16を曲げて表示装置1を閉じた状態である。図23に示されるように、第1支持体14と第2支持体15とが閉じられるときには、第1突起11、第2突起11、突起1411および突起1511は、ヒンジ部材19から離間している。言い換えると、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とを閉じた際に、接続部16が屈曲した状態になった時点で、第1突起11、第2突起11、突起1411および突起1511と、ヒンジ部材19の複数の切り欠き9aとの嵌合が解除される。
【0107】
<実施形態3>
図24図27を用いて、実施形態3の表示装置1を説明する。なお、下記において実施形態2の表示装置1と同様である点については、特に必要がなければ、その説明を繰り返さない。
【0108】
図24および図25は、本開示の実施形態3の表示装置1を示す斜視図である。図24は、表示装置1を開いた状態を示し、図25は、表示装置1を閉じた状態を示す。図26は、図24のXXVI-XXVI線断面図である。図27は、図25のXXVII-XXVII線断面図である。
【0109】
以下、本実施形態の蝶番構成部品2および表示装置1は、実施形態1の蝶番構成部品2および実施形態2の表示装置1と比較して以下の点が異なる。
【0110】
図24および図26に示されるように、表示装置1が、第1支持体14および第2支持体15のそれぞれに対向するように設けられた板ばね29を備える。板ばね29は、平面視において接続部16が延びる方向を横切るように設けられている。板ばね29のX方向における両端部の近傍の部分が、表示パネル13の反対側において、第1支持体14および第2支持体15に対向している。図26に示されるように、板ばね29は、ヒンジ部材19の第1主面側である内側面と第3支持体17および第3支持体18の第2主面とに沿って、第3支持体17の近傍の位置からヒンジ部材19の近傍の位置を経て第3支持体18の近傍の位置まで至るように延びている。
【0111】
図24に示されるように、第3支持体17および第3支持体18の第2主面と、第1ヒンジ部材1902の内側面または第2ヒンジ部材1903の内側面との間に板ばね29が備えられている。板ばね29は、第3支持体17の第1辺および第3支持体18の第2辺にある、凸部および凹部をさけて、接続部16を貫通し、第1支持体14および第2支持体15に対してスライド可能に連結されている。板ばね29が、凸部および凹部をさけることで、それらのストッパーとしての機能を妨げない。
【0112】
図24に示されるように、第1支持体14は、第1開口32を有する第1ポケット部31を含み、第2支持体15は、第1開口32に対向する第2開口34を有する第2ポケット部33を含む。板ばね29は、第1ポケット部31および第2ポケット部33のそれぞれに挿入されている。板ばね29は第1ポケット部31および第2ポケット部33のいずれの位置にも固定されておらず、第1ポケット部31および第2ポケット部33の中でスライドすることができる。
【0113】
図25および図27は、実施形態3の表示装置1において、第1支持体14と第2支持体15とを閉じた状態を示す。板ばね29は、接続部16の折り曲げに起因する曲げモーメントがかけられたときに、その曲げモーメント、すなわち、第1支持体14と第2支持体15とが閉じられる力に抵抗する。このとき、板ばね29の復元力によって、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とを開く力が発生する。
【0114】
図示しないが、接続部16の反対側において、第1支持体14および第2支持体15の先端に互いを係止できるフックが設けられていてもよい。これによれば、フックが表示装置1を閉じた状態を保つように機能する。
【0115】
また、フックが外されたときには、板ばね29の復元力によって、外力なしに、表示装置1が自動で開く。さらに、板ばね29によって、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とが開いたときの角度を180度に保持することができる。
【0116】
図26および図27から分かるように、第1ポケット部31および第2ポケット部33内において、板ばね29のX方向における両端部がX方向に沿って自由にスライドできる。それによって、接続部16を折り曲げた際に、板ばね29が接続部16の折れ曲がった形状に沿った形状に曲げられる。
【0117】
その結果、表示装置1の第1支持体14と第2支持体15とを閉じる際に、板ばね29の反発力が大きくなり過ぎることに起因して、第1支持体14と第2支持体15とを閉じることが困難になったり、接続部16を破損させたりすることを抑制できる。
【符号の説明】
【0118】
1 表示装置
2 蝶番構成部品
3 板状部
4 回転軸
5 軸受部
6 凸部
6A 第1凸部
6B 第2凸部
7 凹部
8 テーパ面
8a 対向面
11 突起(第1突起、第2突起)
12 突出部
13 表示パネル
14 第1支持体
15 第2支持体
16 接続部
17、18 第3支持体
1901 第3ヒンジ部材
1902 第1ヒンジ部材
1903 第2ヒンジ部材
141 第1支軸
25 第2支軸
27 第3支軸
151 第4支軸
29 板ばね
40 保持体
41 他の支軸
50 中心線
51 第1辺
52 第2辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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図15
図16
図17
図18
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図20
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図22
図23
図24
図25
図26
図27