(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】アセチレン流体貯蔵用の改良型溶媒
(51)【国際特許分類】
C10L 3/04 20060101AFI20240605BHJP
【FI】
C10L3/04
(21)【出願番号】P 2022544186
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 US2021018537
(87)【国際公開番号】W WO2021168085
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-07-20
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】392032409
【氏名又は名称】プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、シュエメイ
(72)【発明者】
【氏名】ケイン、ウィリアム、エス.
(72)【発明者】
【氏名】シンハ、アシュウィニ、ケイ.
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-331266(JP,A)
【文献】特開2006-117825(JP,A)
【文献】特開平11-106769(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0233350(US,A1)
【文献】特開2010-070554(JP,A)
【文献】Industrial & Engineering Chemistry,米国,1955年,Vol. 47, No.4,850-853
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセチレン流体供給パッケージであって、
圧力容器と
前記圧力容器内の多孔質フィラーと、
前記多孔質フィラー内の改良型溶媒であって、前記溶媒が、前記改良型溶媒に吸収されたアセチレンを可溶化する、改良型溶媒と、を含み、
前記改良型溶媒が、
(i
)6トル以下の20度での蒸気圧、
(ii
)5MPa
0.5を超えるハンセン溶解度係数(dH)、
(iii)ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチルピロリドン(NMP)と比較してより高度の非毒性、並びに
(iv)O、N又はF原子を含む化学構造であって、前記O、N又はF原子のうちの少なくとも1つが水素原子に結合しておらず、更にリン、ホウ素、カルシウム、及びニッケルがないことを特徴とする、化学構造という属性の全てを含
み、
前記改良型溶媒が、メシチルオキシド、又はペントキソンである、
上記アセチレン流体供給パッケージ。
【請求項2】
周囲条件で、最大300psigの圧力で安定化状態のアセチレンを更に収容する、請求項
1に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
【請求項3】
前記改良型溶媒が、H360危険有害性情報コードがないことを特徴とする、請求項
1に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
【請求項4】
前記改良型溶媒がメシチルオキシドであり、前記メシチルオキシドは、前記圧力容器の体積1リットル当た
り0.54kg以下の量で前記圧力容器に投入されている、請求項
1に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
【請求項5】
前記改良型溶媒がメシチルオキシドであり、前記メシチルオキシドは、前記圧力容器の体積1リットル当た
り0.51kg以下の量で前記圧力容器に投入されている、請求項
1に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
【請求項6】
前記改良型溶媒は、前記圧力容器の体積1リットル当た
り0.49kg以下の量で前記圧力容器に装填されているメシチルオキシドである、請求項
1に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
【請求項7】
前記改良型溶媒はペントキソンであり、前記ペントキソンは、前記圧力容器の体積1リットル当た
り0.55kg以下の量で前記圧力容器に装填されている、請求項
1に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
【請求項8】
前記改良型溶媒はペントキソンであり、前記ペントキソンは、前記圧力容器の体積1リットル当た
り0.53kg以下の量で前記圧力容器に装填されている、請求項
1に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
【請求項9】
前記改良型溶媒はペントキソンであり、前記ペントキソンは、前記圧力容器の体積1リットル当た
り0.50kg以下の量で前記圧力容器に装填されている、請求項
1に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
【請求項10】
少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージと、前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージと流体連通するアセチレン利用プロセスツールと、を備えるシステムであって、前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージが、
圧力容器と
前記圧力容器内の多孔質フィラーと、
前記多孔質フィラー内の改良型溶媒であって、前記溶媒が、前記改良型溶媒内に吸収されたアセチレンを可溶化する、改良型溶媒と、を含み、
前記改良型溶媒が、
(i
)6トル以下の20度での蒸気圧、
(ii
)5MPa
0.5を超えるハンセン溶解度係数(dH)、
(iii)ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチルピロリドン(NMP)と比較してより高度の非毒性、並びに
(iv)O、N又はF原子を含む化学構造であって、前記O、N又はF原子のうちの少なくとも1つが水素原子に結合しておらず、更にリン、ホウ素、カルシウム、及びニッケルがないことを特徴とする、化学構造という属性の全てを含み、
前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージは、分配条件下で前記アセチレン流体を排出できるように構成され、
更に、前記アセチレン利用プロセスツールは、前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージから前記アセチレン流体を受け取るように構成さ
れ、
前記改良型溶媒が、メシチルオキシド、又はペントキソンである、
上記システム。
【請求項11】
前記プロセスツールが、化学蒸着ツールを備える、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージが、ガスボックスに収容されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項13】
前記より高度の非毒性が、H360危険有害性情報コードがないことを特徴とする、請求項
10に記載のシステム。
【請求項14】
前記蒸気圧が、9トル以下である、請求項
10に記載のシステム。
【請求項15】
前記改良型溶媒がメシチルオキシドであり、前記メシチルオキシドは、前記圧力容器の体積1リットル当た
り0.54kg以下の量で前記圧力容器に投入されている、請求項
10に記載の
システム。
【請求項16】
前記改良型溶媒がペントキソンであり、前記ペントキソンは、前記圧力容器の体積1リットル当た
り0.55kg以下の量で前記圧力容器に投入されている、請求項
10に記載の
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アセチレン流体を可溶化した改良型溶媒の新規組成物に関する。特に、改良型溶媒は、アセチレン流体の貯蔵、分配、及び取り扱いに対して非毒性を示し、更に、アセチレンの適切な可溶化能力を維持しながら、アセチレン流体の配送中の溶媒のキャリーオーバーを最小化する低蒸気圧を特徴とする。
【背景技術】
【0002】
アセチレンは、例として溶接及び化学合成など、様々な用途で業界において広く使用されている。アセチレンがエレクトロニクス産業で炭素及び炭素含有膜を堆積するための原料としてますます使用されていることは、特に重要である。用途には、非晶質炭素ハードマスク膜の堆積が含まれる。
【0003】
しかし、その熱的不安定性のために、アセチレンの貯蔵は数多くの困難を引き起こしている。アセチレンは、空気又は酸素がない場合であっても、高圧及び高温の貯蔵条件下で爆発的に炭素と水素に分解することがある。
【0004】
熱的不安定性に対処するために、アセチレンボンベは独自に構築されている。各ボンベは、多孔質フィラー(例えば、シリカ)を、典型的には多孔質フィラー媒体全体に分散されたアセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、又はN-メチルピロリドン(NMP)を含んでいる溶媒と共に含む。従来、これらの溶媒を、それらのアセチレンを可溶化する能力の結果として選択してきた。多孔質フィラー媒体は、概して、約90体積%の多孔性を有する多孔質の塊である。多孔質フィラー媒体の機能は、アセチレンの分解を抑制するのに役立つ細孔内の小さな単位に、アセチレンを分離することである。溶媒の機能は、比較的低圧で大量のアセチレンを吸収することで、低圧ボンベでの高いボンベ充填量を可能にすることである。溶媒は、多孔質フィラー媒体の空隙及び多孔質フィラー媒体の周りに分散される。
【0005】
そのようなボンベシステムの改良された熱安定性にもかかわらず、本出願人は、既存のアセチレンボンベ流体供給パッケージに対する特定の変更が、ここで説明するように、改良された貯蔵、取り扱い及び配送能力をもたらすことを発見した。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、改良型溶媒と改良型溶媒内に溶解されたアセチレンとの組み合わせの溶液を含む組成物であって、当該改良型溶媒が、(i)約6トル以下の20℃での蒸気圧、(ii)約5MPa0.5を超えるハンセン溶解度係数(dH)、(iii)ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチルピロリドン(NMP)と比較してより高度の非毒性、並びに(iv)O、N又はF原子のうちの少なくとも1つを含む化学構造であって、当該O、N又はF原子のうちの少なくとも1つが水素原子に結合しておらず、更に当該化学構造が、リン、ホウ素、カルシウム、及びニッケルがないことを特徴とする、化学構造という属性の全てを特徴とする、組成物。
【0007】
第二態様では、アセチレン流体供給パッケージであって、圧力容器と、圧力容器内の多孔質フィラーと、多孔質フィラー内の改良型溶媒であって、当該溶媒が、改良型溶媒内に吸収されたアセチレンを可溶化する、改良型溶媒と、を含み、当該改良型溶媒が、(i)約6トル以下の20度での蒸気圧、(ii)約5MPa0.5を超えるハンセン溶解度係数(dH)、(iii)ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチルピロリドン(NMP)と比較してより高度の非毒性、並びに(iv)O、N又はF原子を含む化学構造であって、当該O、N又はF原子のうちの少なくとも1つが水素原子に結合しておらず、更に当該化学構造が、リン、ホウ素、カルシウム、及びニッケルがないことを特徴とする、化学構造という属性の全てを含む、アセチレン流体供給パッケージ。
【0008】
第三態様では、少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージと、少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージと流体連通するアセチレン利用プロセスツールと、を備えるシステムであって、当該少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージが、圧力容器と、圧力容器内の多孔質フィラーと、多孔質フィラー内の改良型溶媒であって、当該溶媒が、改良型溶媒内に吸収されたアセチレンを可溶化する、改良型溶媒と、を含み、当該改良型溶媒が、(i)約6トル以下の20度での蒸気圧、(ii)約5MPa0.5を超えるハンセン溶解度係数(dH)、(iii)ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチルピロリドン(NMP)と比較してより高度の非毒性、並びに(iv)O、N又はF原子を含む化学構造であって、当該O、N又はF原子のうちの少なくとも1つが水素原子に結合しておらず、更に当該化学構造が、リン、ホウ素、カルシウム、及びニッケルがないことを特徴とする、化学構造という属性の全てを含み、少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージが、分配条件下でアセチレン流体を排出できるように構成され、更に、当該アセチレン利用プロセスツールは、少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージからアセチレン流体を受け取るように構成されている、システム。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】改良型溶媒内に少なくとも部分的に可溶化されたアセチレン流体と組み合わせた改良型溶媒を有するアセチレン流体供給パッケージの代表的な概略図である。
【0010】
【
図2】溶媒トラップ装置を有する
図1の代表的な概略図である。
【0011】
【
図3】溶媒トラップ装置が別の位置に配置されているという
図2の変形である。
【0012】
【
図4】下流のプロセスツールでアセチレン流体供給パッケージを使用する代表的な方法を示すプロセス図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に開示された組成物、流体供給パッケージ及びシステムは、本明細書に例示的に説明された特定の構成要素及び構造のいずれかを備える、それらからなる、又は本質的にそれらからなることができる。本開示は更に、限定的に定義された組成物、流体供給パッケージ、及びシステムを企図するものであり、例えば、本開示の動作実施形態を定義する場合、特に説明された部品、構成要素、及び構造のうちの1つ以上を特に省略できる。
【0014】
本明細書及び全体を通して使用される場合、用語「流体」は、ガス、蒸気、液体、及び前述のものの混合物を含むことを意図する。本明細書及び全体を通して説明された「アセチレン流体」は、実質的に全てのアセチレンが、容器内での貯蔵中に気相で加圧下貯蔵されることを意味するが、アセチレン流体が容器から取り出される場合、少量の溶媒のキャリーオーバーを取り込むことがある。用語「溶媒」又は「溶媒流体」は、比較的低い蒸気圧の対応する蒸気相と実質的に平衡になる液相中の溶媒を実質的に指すことを意図する。
【0015】
「容器」若しくは「ボンベ」、又は「パッケージ」若しくは「配送パッケージ」若しくは「流体供給パッケージ」のいずれかは、本明細書及び互換的に使用することができ、貯蔵、充填、配送、又は輸送可能な容器を意味する。
【0016】
蒸気圧に関して本明細書及び全体を通して使用される場合、「約」は、±3トルを意味する。
【0017】
本発明は、既存のアセチレン流体供給パッケージの欠点を認識するものである。例えば、本出願人は、溶媒として使用される場合、アセトンは許容できないほど高い蒸気圧を有し、したがってアセトン蒸気が貯蔵容器から取り出され、分配されたアセチレンと共に不必要に輸送されることがあることを観察した。アセトン溶媒は、エレクトロニクス産業における非晶質炭素ハードマスク膜を含む、炭素及び炭素含有膜の堆積などのいくつかの用途で、アセチレン中の混入物質になっている。したがって、最終的に、アセトンは膜の堆積速度を低下させ、プロセスの均一性と一貫性とに影響を与えることがある。
【0018】
アセチレンに由来して得られた炭素含有膜で溶媒不純物が許容できない用途での混入を低減するために、アセトンと比較して蒸気圧が低い代替溶媒がアセチレンの貯蔵及び配送に利用されている。例えば、DMF及びN-メチルピロリドン(NMP)は、アセチレン流体供給パッケージの一部として、溶媒として利用されている。しかし、DMF及びNMPの両方とも毒性を示す。特に、DMF及びNMPは生殖毒性(即ち、催奇形性)のリスクをもたらす。このような健康上のリスクがあるため、DMF及びNMPの商用利用はいくつかの国で制限されている。生殖毒性のリスクをもたらす材料は、化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)の下でH360危険有害性情報コードを有するものとして分類される。本明細書で使用される場合、毒性は、H360危険有害性情報コードを有するものとして分類される材料を指すことを理解されたい。
【0019】
したがって、アセチレンの貯蔵及び配送システムにおける従来の溶媒の使用に関するそのような欠点を考慮し、本出願人は、アセチレンの貯蔵及び配送のための従来の溶媒のより安全な代替物である改良型溶媒を特定した。本発明には、特定の属性の組み合わせが必要である。改良型溶媒の属性は、(i)約6トル以下の20℃での蒸気圧(ii)ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチルピロリドン(NMP)と比較してより高度の非毒性、(iii)O、N又はF原子のうちの少なくとも1つを含む化学構造であって、当該O、N又はF原子のうちの少なくとも1つが水素原子に結合しておらず、更に当該化学構造が、リン、ホウ素、カルシウム、及びニッケルがないことを特徴とする、化学構造、並びに(iv)約5MPa0.5を超えるハンセン溶解度係数(dH)を、有することを特徴とする。前述の属性を持つことによる改良型溶媒は、従来の溶媒と比較してアセチレン可溶化性能の低下を示さないアセチレン貯蔵及び配送システムの一部として使用することができる。
【0020】
一方、DMF及びNMPなどの従来の溶媒は、概して、化学品の分類及び表示に関する世界調和システムの下でH360として分類される(表1を参照)。言い換えれば、それらは生殖毒性と催奇形性とのリスクをもたらす。本発明の溶媒は、生殖毒性のリスクをもたらさず、したがって、GHSによって分類されるH360危険有害性情報コードがないことを特徴とする。本発明の溶媒は、概して、H360分類がない結果として、より良性である。
【0021】
より高度の非毒性に加えて、本発明の溶媒は、十分な溶解度及びアセチレンとの相互作用を維持する。本出願人は、アセチレン流体内での溶媒の効果的な溶解度を提供するために必要な属性の組み合わせを特定した。溶媒分子とアセチレン分子とは、アセチレン分子の少なくとも一部分が熱力学的に安定した状態で溶媒と共に存在できるように、互いに引き付け合う。一方、溶媒分子とアセチレン分子とが互いに反発する場合、溶媒へのアセチレンの溶解度は不十分であると予想される(つまり、アセチレン中の溶解度は、DMF、アセトン、NMPの従来使用されている溶媒の溶解度よりも低くなる)。アセチレンは、炭素原子間に三重結合を有する、C2H2の化学構造を有する。各炭素原子は水素原子に共有結合し、水素原子は、溶媒の分子と相互作用するために利用可能な中心を表す。この水素原子は、好ましくは、溶媒分子の負の部位と水素結合することで、十分な溶解性を可能にする。このような負極性部位は、N、O、又はF原子によって提供される電気陰性部位を有する極性溶媒を選択することによって、利用可能にすることができる。溶媒へのアセチレンの溶解度は、アセチレン分子と水素結合する溶媒の効力と共に増加する。本出願人は、水素結合の効力が、分子間の水素結合からのエネルギーとして当技術分野で定義される、δhとして指定されるハンセン溶解度相互作用パラメータによって確実に評価できることを発見した。このパラメータは、溶媒が分子内又は分子間いずれかの水素結合を形成できる強さを示す。δhの値が高いほど、溶媒のそれと水素結合を形成する効力が高くなる。本発明に関して、特定の溶媒のより高いδhは、溶媒分子内のアセチレン流体のより大きな溶解度を示す。好ましい実施形態では、δhは約5MPa0.5を超える。
【0022】
本発明に必要な別の属性は、溶媒の分子構造が溶媒分子内のH原子と結合しない少なくとも1つのO、N、又はF原子を含むように、溶媒分子内のO-H、F-H、又はN-H結合の回避、低減、又は最小化である。本出願人は、溶媒分子内のO-H、F-H、又はN-H結合の過剰な存在により、溶媒分子がそれ自体と自己水素結合する傾向を有するため、アセチレン分子と水素結合が発生する電気陰性部位の利用可能性を場合によりに制限することにより、分子間の水素結合を生成することを発見した。例として、限定することを意図するものではないが、溶媒分子に2つの酸素原子が含まれる場合、2つの酸素原子のうちの少なくとも一方を分子内の水素原子に結合することで、溶媒分子内の自己水素結合の傾向を低減することはできない。
【0023】
(i)十分に高いδhと、(ii)H原子と内部で結合しない少なくとも1つのO、N、又はF原子を含む溶媒の分子構造と、の組み合わせは、溶媒分子がアセチレン分子とより効果的に相互作用し、それを可溶化する能力を促進する。言い換えれば、溶媒分子内の分子内H結合を回避又は最小化する溶媒構造と組み合わせた約5MPa0.5を超えるδhの組み合わせにより、溶媒とアセチレン分子との間の水素結合を促進することができる。
【0024】
アセチレン流体により溶媒の非毒性及び効果的な溶解度を提供することは重要であるが、本発明は更に、溶媒分子が比較的低い蒸気圧を示すことで、アセチレンの分配中にそのキャリーオーバーを低減することを求めるものである。これに関して、本発明の溶媒は、約6トル以下の20℃での蒸気圧を有する。より低い蒸気圧の溶媒分子を利用することで、下流の用途に分配されるアセチレンの混入物を最小化する。本発明の溶媒の比較的低い蒸気圧は、アセチレンの分配中に溶媒の最小のキャリーオーバーを可能にし、ひいては高純度のアセチレンの配送を可能にする。一方、アセトンなどの従来の溶媒の蒸気圧は230トルであり、大量のアセトンが容器からアセチレンと共に取り出される傾向があるため、大量の混入物質をもたらすリスクがもたらされる(表1)。
【0025】
本発明の溶媒の全ての必要な属性を説明してきて、表1は、本発明の原理による溶媒の代表的な非限定的な例を示す。溶媒は、従来技術の溶媒と比較される。それから分かるように、メシチルオキシド、ジヒドロレボグルコセノン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、無水酢酸、シクロヘキサノン、及びペントキソンは、取り扱いがより安全であり、容器内のアセチレン流体に対して十分な溶解度を示すことが予想される溶媒である。本発明の溶媒は全て、H360分類がなく、約6トル以下の比較的低い蒸気圧を示し、δhとして指定された、約5MPa
0.5を超えるハンセン溶解度相互作用パラメータと、溶媒の分子構造が溶媒分子内のH原子と結合しない少なくとも1つのO、N、又はF原子を含むように、溶媒分子内のO-H、F-H、又はN-H結合を排除、低減、又は最小化する分子構造とを有し、更に、溶媒の化学構造にはP、B、Ca、及びNi原子が含まれないこと、を特徴とする。これらの属性の組み合わせは、アセチレンの貯蔵及び配送に使用されている従来の溶媒に対して大幅な改善及び脱却を表す。表1に、アセチレンの貯蔵に使用されている従来の溶媒の代表として、DMF、アセトン、及びNMPを先行技術という標題の下に示す。それから分かるように、従来の溶媒は、H360毒性及び/又は許容できないほど高い蒸気圧など、1つ以上の欠点を有する。ハンセン溶解度係数(dH)値は、HSPiPソフトウェアとして市販されているソフトウェアを使用し、公式サイトhttps://www.hansen-solubility.com/contact.php.で生成された。
【表1】
【0026】
アセチルピロリドンを含むがそれに限定されない、表1にない他の溶媒が、本発明によって企図されることを理解されたい。
【0027】
図1、
図2、及び
図3は、本発明の溶媒が内に投入されている代表的なアセチレン貯蔵及び配送システムの例を示している。
図1は、容器1内に事前に投入された多孔質媒体2(例えば、シリカ)で占められた内部容積を有する、貯蔵容器1を示している。本発明の溶媒2aのうちの1つ以上は、多孔質媒体2内に及び多孔質媒体2の周りに分散又は投入されている。C2H2は、C2H2(2b)を溶媒に可溶化することで、所望の圧力まで貯蔵される。典型的な充填圧力は、周囲条件で200~300psigの範囲である。圧力調整装置(4)がボンベの出口に取り付けられ、操作を容易にするために流量制御装置に接続する前、出口圧力を所望の圧力(約15~30psig)まで下げる。遮断弁3は、容器1の上部に沿って示されている。アセチレン流体2bは、改良型溶媒2aに少なくとも部分的に可溶化される。
【0028】
図2は、溶媒トラップ5と組み合わせて多孔質媒体2内及びその周りに分散された本発明の溶媒2aのうちの1つ以上に可溶化されたアセチレン流体2bの少なくとも一部分を有する、
図1の容器1を示している。多孔質フィラー材料(2)が充填されたボンベ又は貯蔵容器(1)に、所望の溶媒(2a)が投入されている。溶媒は、多孔質フィラー材料内及びその周りの空隙に分散されている。C2H2は、C2H2(2b)を溶媒に可溶化することで、所望の圧力まで貯蔵される。典型的な充填圧力は、周囲条件で200~300psigの範囲である。溶媒トラップ5は、ボンベの出口及び圧力調整装置4の上流に取り付けられた吸着剤(5)を収容しているキャニスタである。キャニスタには、容器1の内部容積から取り出された結果としてキャニスタを通過し得る本発明の溶媒を捕捉することができる、活性炭、ゼオライト、又は金属有機骨格などの任意の適切な所望の吸着媒体を投入することができることを理解されたい。このように、キャリーオーバーの溶媒の除去を達成することができ、これにより電子装置製造用の炭素膜の堆積などの重要な用途に望まれる配送アセチレンの純度を改良する。
【0029】
図3は、圧力調整装置の下流に取り付けられる吸着剤(5)を収容するキャニスタを有する別の実施形態を示している。
【0030】
図1、
図2、及び
図3は、改良型溶媒2a、多孔質媒体2、及びアセチレン2bを有する貯蔵及び配送パッケージの非限定的な例を表すことを理解されたい。本発明の範囲から逸脱することなく、貯蔵及び配送パッケージに対する他の構成が企図される。例えば、本開示のアセチレン流体供給パッケージは、貯蔵及び輸送条件の際にアセチレン流体2bを収容し、分配条件の際に流体供給パッケージ1からアセチレン流体2bを排出するのに適した任意の構成であり得る。単一の溶媒2aを利用することができ、又は2つ以上の溶媒2aの混合物を利用することができ、得られた混合物は、前述のように本発明によって求められる属性のそれぞれを特徴とすることを理解されたい。分配条件は、分配をもたらすために流体分配アセンブリを作動させることによって、例えば、パッケージの流体分配アセンブリの弁頭内の弁を開くことによって提供され得る。
【0031】
本発明では、本明細書に記載の組成物に関して様々な使用領域を企図する。例えば、いくつかの方法は、化学蒸着、プラズマ強化化学蒸着、ビームラインイオン注入、及びプラズマ浸漬イオン注入を含むが、それらに限定されない。
図4に、本発明のアセチレン配送パッケージの使用の一例を示している。
図4は、電子装置製造用途のための炭素膜を堆積するプロセスにおける、特定のプロセス用機器に動作可能に接続されたアセチレン配送パッケージの使用を示している。1つ以上のアセチレン配送パッケージがガスキャビネット内に構成されている。アセチレンは、
図1、
図2、又は
図3のアセチレン配送パッケージのいずれかから取り出され、次に、アセチレンは、0.1slpm~10slpmの範囲であり得るアセチレンの流量を得るように構成され得る流量制御装置によって処理チャンバに分配される。処理チャンバは、好ましくは、0.1~10トルの範囲の圧力で維持される。高純度炭素膜の堆積を支援するために、ターゲット基板は100°C~800°Cの範囲の高温まで加熱される。処理チャンバは、炭素堆積プロセスを支援するために、プラズマ線源を有することができる。アセチレン配送パッケージを、他の流量、温度、及び圧力で操作できることを理解されたい。
【0032】
更に、
図1に示すような複数のアセチレン配送パッケージを、ガスキャビネットに装填できることを理解されたい。各アセチレン配送パッケージの出口は、専用の流量制御装置に接続され、各装置は処理チャンバの入口に走る。アセチレンは、各配送パッケージ内に最大約300psigの圧力で貯蔵され得る。遮断弁を開位置に作動させると、アセチレンの制御された流れがその専用の容器から排出される。
【0033】
更に、複数のアセチレン配送パッケージを一緒にまとめてパッケージの束を形成し、次に、組み合わされた流れ線を、それぞれが専用の流量制御装置に接続された異なる流れ線に分割できることを理解されたい。
【0034】
堆積された時点での炭素膜は、後続のエッチングプロセスステップ中の下層膜の保護層、又は電子の輸送のための伝導性炭素膜を含むがそれらに限定されない、様々な用途に使用され得る。用途の多くは、不純物又は不要な混入物の影響を受けやすく、したがって、混入物は、光学特性、電気特性、又は他の後続プロセスでの堅牢性など、膜の特性に悪影響を与えることがある。このようなシナリオでは、反応性元素を含む溶媒中で安定化されたアセチレンの供給は、堆積条件下で不揮発性の反応生成物を形成することがあり、これは望まれない。比較的低い蒸気圧の溶媒であっても、様々な微量で処理チャンバに輸送され、膜の特性に悪影響を与えることがある。そのため、ホウ素、カルシウム、ニッケル、リンのような、金属又は無機不純物を含むアセチレン用の溶媒は、この用途には望ましくない。これに関して、本発明の属性のうちの1つは、化学構造が、ホウ素、カルシウム、ニッケル、及びリンがないことを特徴とすることである。
【0035】
高純度膜を製造する本発明の能力は、高純度アセチレンが要求される上記のいくつかの用途での混入物質として働くアセトンなどの従来の溶媒よりも有利である。アセトンは、電子装置の製造中に利用される炭素膜の特性に悪影響を与えることのある混入物質として働く。
【0036】
このように、本発明は、高純度アセチレン製品を貯蔵及び配送容器から取り出すことを可能にする方法でアセチレン可溶化能力を維持しながら、H360危険有害性情報コードがないことを特徴とするより高度の非毒性を示す新規溶媒を提供する。
【0037】
改良型溶媒2aのそれぞれは、アセチレン2bに対して異なる可溶化能力を有し、これは、ボンベ1内の溶媒2aの比体積膨張に変換される。ボンベ1への各溶媒2aの充填量は、溶媒ごとに決定される必要があり、ガス状アセチレン2bがそれに溶解した結果としての特定の溶媒2aの体積膨張を考慮に入れ、そのため、ボンベ1には、ボンベが油圧で満杯にならないことを確保するように、ボンベの自由体積の少なくとも約10%の十分な自由空間が維持される。更に、改良型溶媒2aのそれぞれの充填量は、ボンベ1を過圧することなく、十分なアセチレンがそれに溶解することを可能にする必要がある。したがって、重要な、本発明のボンベ1への改良型溶媒2aのそれぞれの充填量パラメータは、本出願人によって実験的に決定されたように、固有の値である。例えば、ボンベ1に投入できるメシチルオキシドの量は、ボンベの体積1リットル当たり約0.54kg以下のメシチルオキシド、好ましくは、ボンベの体積1リットル当たり約0.51kg以下のメシチルオキシド、より好ましくは、ボンベの体積1リットル当たり約0.49kg以下のメシチルオキシドである。別の例では、ボンベ1に装填できるペントキソンの量は、ボンベの体積1リットル当たり約0.55kg以下のペントキソン、好ましくは、ボンベの体積1リットル当たり約0.53kg以下のペントキソン、より好ましくは、ボンベの体積1リットル当たり約0.50kg以下のペントキソンである。
【0038】
本発明の特定の実施形態と見なされるものを示し、説明してきたが、当然ながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態又は詳細の様々な修正及び変更を容易に行うことができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書において示され、説明される正確な形態及び詳細に限定されず、本明細書において開示され、以下に特許請求される本発明の全範囲に満たないいかなるものにも限定されないことを意図する。
なお、下記[1]から[22]は、いずれも本発明の一形態又は一態様である。
[1]
改良型溶媒と前記改良型溶媒内に溶解されたアセチレンとの組み合わせの溶液を含む組成物であって、前記改良型溶媒が、
(i)約6トル以下の20℃での蒸気圧、
(ii)約5MPa
0.5
を超えるハンセン溶解度係数(dH)、
(iii)ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチルピロリドン(NMP)と比較してより高度の非毒性、並びに
(iv)O、N又はF原子のうちの少なくとも1つを含む化学構造であって、前記O、N又はF原子のうちの少なくとも1つが水素原子に結合しておらず、更にリン、ホウ素、カルシウム、及びニッケルがないことを特徴とする、化学構造という属性の全てを特徴とする、組成物。
[2]
前記改良型溶媒が、追加の溶媒と混合されている、[1]に記載の組成物。
[3]
多孔質フィラーを更に含む、[1]に記載の組成物。
[4]
前記改良型溶媒が、メシチルオキシド、ジヒドロレボグルセノン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、無水酢酸、アセチルピロリドン、シクロヘキサノン及びペントキソンからなる群から選択される、[1]に記載の組成物。
[5]
前記より高度の非毒性が、H360危険有害性情報コードがないことを特徴とする、[3]に記載の組成物。
[6]
アセチレン流体供給パッケージであって、
圧力容器と
前記圧力容器内の多孔質フィラーと、
前記多孔質フィラー内の改良型溶媒であって、前記溶媒が、前記改良型溶媒に吸収されたアセチレンを可溶化する、改良型溶媒と、を含み、
前記改良型溶媒が、
(i)約6トル以下の20度での蒸気圧、
(ii)約5MPa
0.5
を超えるハンセン溶解度係数(dH)、
(iii)ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチルピロリドン(NMP)と比較してより高度の非毒性、並びに
(iv)O、N又はF原子を含む化学構造であって、前記O、N又はF原子のうちの少なくとも1つが水素原子に結合しておらず、更にリン、ホウ素、カルシウム、及びニッケルがないことを特徴とする、化学構造という属性の全てを含む、アセチレン流体供給パッケージ。
[7]
前記改良型溶媒が、メシチルオキシド、ジヒドロレボグルセノン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、無水酢酸、シクロヘキサノン、アセチルピロリドン、及びペントキソンからなる群から選択される、[6]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[8]
周囲条件で、最大300psigの圧力で安定化状態のアセチレンを更に収容する、[6]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[9]
前記改良型溶媒が、H360危険有害性情報コードがないことを特徴とする、[6]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[10]
前記改良型溶媒がメシチルオキシドであり、前記メシチルオキシドは、前記圧力容器の体積1リットル当たり約0.54kg以下の量で前記圧力容器に投入されている、[6]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[11]
前記改良型溶媒がメシチルオキシドであり、前記メシチルオキシドは、前記圧力容器の体積1リットル当たり約0.51kg以下の量で前記圧力容器に投入されている、[6]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[12]
前記改良型溶媒は、前記圧力容器の体積1リットル当たり約0.49kg以下の量で前記圧力容器に装填されているメシチルオキシドである、[6]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[13]
前記改良型溶媒はペントキソンであり、前記ペントキソンは、前記圧力容器の体積1リットル当たり約0.55kg以下の量で前記圧力容器に装填されている、[6]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[14]
前記改良型溶媒はペントキソンであり、前記ペントキソンは、前記圧力容器の体積1リットル当たり約0.53kg以下の量で前記圧力容器に装填されている、[6]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[15]
前記改良型溶媒はペントキソンであり、前記ペントキソンは、前記圧力容器の体積1リットル当たり約0.50kg以下の量で前記圧力容器に装填されている、[6]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[16]
少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージと、前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージと流体連通するアセチレン利用プロセスツールと、を備えるシステムであって、前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージが、
圧力容器と
前記圧力容器内の多孔質フィラーと、
前記多孔質フィラー内の改良型溶媒であって、前記溶媒が、前記改良型溶媒内に吸収されたアセチレンを可溶化する、改良型溶媒と、を含み、
前記改良型溶媒が、
(i)約6トル以下の20度での蒸気圧、
(ii)約5MPa
0.5
を超えるハンセン溶解度係数(dH)、
(iii)ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチルピロリドン(NMP)と比較してより高度の非毒性、並びに
(iv)O、N又はF原子を含む化学構造であって、前記O、N又はF原子のうちの少なくとも1つが水素原子に結合しておらず、更にリン、ホウ素、カルシウム、及びニッケルがないことを特徴とする、化学構造という属性の全てを含み、
前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージは、分配条件下で前記アセチレン流体を排出できるように構成され、
更に、前記アセチレン利用プロセスツールは、前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージから前記アセチレン流体を受け取るように構成されている、システム。
[17]
前記プロセスツールが、化学蒸着ツールを備える、[16]に記載のシステム。
[18]
前記少なくとも1つのアセチレン流体供給パッケージが、ガスボックスに収容されている、[16]に記載のシステム。
[19]
前記より高度の非毒性が、H360危険有害性情報コードがないことを特徴とする、[16]に記載のシステム。
[20]
前記蒸気圧が、9トル以下である、[16]に記載のシステム。
[21]
前記改良型溶媒がメシチルオキシドであり、前記メシチルオキシドは、前記圧力容器の体積1リットル当たり約0.54kg以下の量で前記圧力容器に投入されている、[16]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。
[22]
前記改良型溶媒がペントキソンであり、前記ペントキソンは、前記圧力容器の体積1リットル当たり約0.55kg以下の量で前記圧力容器に投入されている、[16]に記載のアセチレン流体供給パッケージ。