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特許7498809路側機、ならびに、その路側機の方法、コンピュータ記憶媒体、および、乗物ネットワーキングシステム
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  • 特許-路側機、ならびに、その路側機の方法、コンピュータ記憶媒体、および、乗物ネットワーキングシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】路側機、ならびに、その路側機の方法、コンピュータ記憶媒体、および、乗物ネットワーキングシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240605BHJP
   E02D 29/14 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
G08G1/00 J
E02D29/14 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022581424
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2021066458
(87)【国際公開番号】W WO2022002618
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】202010602678.2
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ユエジエ
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-034312(JP,A)
【文献】特開2013-025396(JP,A)
【文献】特開2015-191572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
E02D 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側機であって、
前記路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するための検出する手段と、
ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに前記1つまたは複数のマンホール蓋の前記状態を送信するための送信する手段と、
を含むことを特徴とする、路側機において、
前記検出する手段は、前記路側機の前記近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を定期的に検出することであって、前記1つまたは複数のマンホール蓋の前記状態は、前記マンホール蓋が損害を与えられるかどうかを指示する、定期的に検出することを行うように構成され、
前記送信する手段は、前記マンホール蓋が損害を与えられ、しきい値計数器が所定の範囲を満たすときにのみ、前記1つまたは複数のマンホール蓋の前記状態を送信するように構成される、
路側機
【請求項2】
前記検出する手段は、
コンピュータビジョンまたは外部入力によって、前記路側機の前記近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するための検知ユニットと、
前記1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を取得するための取得ユニットと、
前記1つまたは複数のマンホール蓋の前記画像情報によって、前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するための処理ユニットと、
を含む、請求項1に記載の路側機。
【請求項3】
前記外部入力は、ユーザにより入力されるマンホール蓋位置情報であり、前記検知ユニットは、前記マンホール蓋位置情報によって、前記路側機の前記近傍における1つまたは複数のマンホール蓋を決定する、請求項2に記載の路側機。
【請求項4】
前記処理ユニットは、前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するために、あらかじめ訓練された分類モデルを使用するように構成される、請求項2に記載の路側機。
【請求項5】
前記送信する手段は、前記リモートサーバに前記1つまたは複数のマンホール蓋の前記状態を送信するために第1のメッセージを使用することであって、前記第1のメッセージは、前記路側機を指示するための特性コードを含む、使用することを行うように構成される、請求項1に記載の路側機。
【請求項6】
前記路側機は、
受信する手段と、
前記しきい値計数器と
をさらに含み、
前記しきい値計数器は、前記送信する手段が前記1つまたは複数のマンホール蓋の前記状態を成功裏に送信した後に計数を始めるように構成され、前記受信する手段がマンホール蓋修理情報を受信した後にリセットされる、
請求項に記載の路側機。
【請求項7】
前記送信する手段は、前記受信する手段が問い合わせ命令を受信した後に、前記リモートサーバに前記1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を送信するようにさらに構成される、請求項に記載の路側機。
【請求項8】
路側機により実行される方法であって、
前記路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するステップと、
ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに前記1つまたは複数のマンホール蓋の前記状態を送信するステップと、
を含むことを特徴とする、方法において、
前記路側機の前記近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するステップは、前記路側機の前記近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を定期的に検出するステップであって、前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態は、前記マンホール蓋が損害を与えられるかどうかを指示する、定期的に検出するステップを含み、
前記ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに前記1つまたは複数のマンホール蓋の前記状態を送信するステップは、前記マンホール蓋が損害を与えられ、しきい値計数器が所定の範囲を満たすときにのみ、前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するステップを含む、
方法
【請求項9】
前記路側機の前記近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するステップは、
コンピュータビジョンまたは外部入力によって、前記路側機の前記近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するステップと、
前記1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を取得するステップと、
前記1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するステップと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記コンピュータビジョンまたは外部入力によって、前記路側機の前記近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するステップは、
受信されるマンホール蓋位置情報によって、前記路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋を決定するステップと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するステップは、
前記1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を、あらかじめ訓練された分類モデルへと入力し、以て、前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するステップと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するステップは、
前記リモートサーバに前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するために第1のメッセージを使用するステップであって、前記第1のメッセージは、前記路側機を指示するための特性コードを含む
請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記しきい値計数器は、前記1つまたは複数のマンホール蓋の状態が成功裏に送信された後に計数を始めるように構成され、マンホール蓋修理情報が受信された後にリセットされる、請求項に記載の方法。
【請求項14】
問い合わせ命令が受信された後に、前記リモートサーバに前記1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を送信するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
走らされるときに、請求項8~14のいずれか一項に記載の方法を実行する、命令を含むことを特徴とする、コンピュータ記憶媒体。
【請求項16】
請求項1~のいずれか一項に記載の路側機のうちの1つまたは複数を含む、乗物ネットワーキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、路側機またはロードサイドユニット(roadside unit)(路側機、RSU)解決法に、特に、路側機、ならびに、その路側機により実行される方法、コンピュータ記憶媒体、および、乗物ネットワーキングシステムに関係する。
【背景技術】
【0002】
[0002]都市基盤施設は、一般的には、下水道、地下ガス管路、水管路、電力管路、通信管路、および国防管路などの多数の地下管路を有する。これらの管路は、ある決まった距離の間隔において地表面につながる出口を有することを必要とする。管路から地表面までのこのセクションは、マンホールと呼ばれる。マンホールの開口部は、一般的には、地表面と同一平面であり、こうして、蓋を要する。マンホールを覆うための蓋は、マンホール蓋と呼ばれる。マンホール蓋は、一般的には、鉄筋コンクリート、金属、または強化プラスチックなどの材料から作製され、普通は円形または正方形である。
【0003】
[0003]マンホール蓋は、市街においてあらゆるところで目にされる。現在は、定期的に履行される検査として、目視での巡回が、マンホール蓋の状態を点検するために、主に行われている。しかしながら、マンホール蓋の膨大な数に起因して、検査としての、目視での巡回を履行する方法は、非常に時間がかかり、非常に低い効率を有する。こうして、マンホール蓋が、沈下、損傷、および、所在不明になることなどの問題に逢着することは、依然としてかなりありふれたことであり、これらのことは、歩行者および乗物、その他にとっての安全性リスクをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]こうして、マンホール蓋の状態を検出するための改善された、および効率的な解決法が所望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本発明の1つの態様によれば、路側機であって、その路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するための検出する手段と、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するための送信する手段とを含む、路側機が提供される。
【0006】
[0006]上記の解決法に対する追加または代替法として、上記で説明された路側機において、検出する手段は、コンピュータビジョンまたは外部入力によって、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するための検知ユニットと、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を取得するための取得ユニットと、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するための処理ユニットとを含む。
【0007】
[0007]上記の解決法に対する追加または代替法として、上記で説明された路側機において、外部入力は、ユーザにより入力されるマンホール蓋位置情報であり、検知ユニットは、マンホール蓋位置情報によって、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋を決定する。
【0008】
[0008]上記の解決法に対する追加または代替法として、上記で説明された路側機において、処理ユニットは、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するために、あらかじめ訓練された分類モデルを使用するように構成される。
【0009】
[0009]上記の解決法に対する追加または代替法として、上記で説明された路側機において、送信する手段は、リモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するために第1のメッセージを使用することであって、第1のメッセージは、路側機を指示するための特性コードを含む、使用することを行うように構成される。
【0010】
[0010]上記の解決法に対する追加または代替法として、上記で説明された路側機において、検出する手段は、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を定期的に検出することであって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態は、マンホール蓋が損害を与えられるかどうかを指示する、定期的に検出することを行うように構成される。
【0011】
[0011]上記の解決法に対する追加または代替法として、上記で説明された路側機において、送信する手段は、マンホール蓋が損害を与えられ、しきい値計数器が所定の範囲を満たすときにのみ、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するように構成される。
【0012】
[0012]上記の解決法に対する追加または代替法として、路側機は、受信する手段と、しきい値計数器とをさらに含み、しきい値計数器は、送信する手段が1つまたは複数のマンホール蓋の状態を成功裏に送信した後に計数を始めるように構成され、受信する手段がマンホール蓋修理情報を受信した後にリセットされる。
【0013】
[0013]上記の解決法に対する追加または代替法として、上記で説明された路側機において、送信する手段は、受信する手段が問い合わせ命令を受信した後に、リモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を送信するようにさらに構成される。
【0014】
[0014]本発明の別の態様によれば、路側機により実行される方法が提供され、方法は、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するステップと、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するステップとを含む。
【0015】
[0015]上記の解決法に対する追加または代替法として、方法において、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するステップは、コンピュータビジョンまたは外部入力によって、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するステップと、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を取得するステップと、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するステップとを含む。
【0016】
[0016]上記の解決法に対する追加または代替法として、方法において、コンピュータビジョンまたは外部入力によって、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するステップは、受信されるマンホール蓋位置情報によって、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋を決定するステップを含む。
【0017】
[0017]上記の解決法に対する追加または代替法として、方法において、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するステップは、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を、あらかじめ訓練された分類モデルへと入力し、以て、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するステップを含む。
【0018】
[0018]上記の解決法に対する追加または代替法として、方法において、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するステップは、リモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するために第1のメッセージを使用するステップであって、第1のメッセージは、路側機を指示するための特性コードを含む、使用するステップを含む。
【0019】
[0019]上記の解決法に対する追加または代替法として、方法において、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するステップは、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を定期的に検出するステップであって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態は、マンホール蓋が損害を与えられるかどうかを指示する、定期的に検出するステップを含む。
【0020】
[0020]上記の解決法に対する追加または代替法として、方法において、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するステップは、マンホール蓋が損害を与えられ、しきい値計数器が所定の範囲を満たすときにのみ、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するステップを含む。
【0021】
[0021]上記の解決法に対する追加または代替法として、方法において、しきい値計数器は、1つまたは複数のマンホール蓋の状態が成功裏に送信された後に計数を始めるように構成され、マンホール蓋修理情報が受信された後にリセットされる。
【0022】
[0022]上記の解決法に対する追加または代替法として、方法は、問い合わせ命令が受信された後に、リモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を送信するステップをさらに含み得る。
【0023】
[0023]本発明の別の態様によれば、コンピュータ記憶媒体が提供され、媒体は、走らされるときに、上記で説明されたような路側機により実行される方法を実行する、命令を含む。
【0024】
[0024]本発明の別の態様によれば、上記で説明されたような路側機のうちの1つまたは複数を含む、乗物ネットワーキングシステムが提供される。
[0025]既存の路側機(RSU)とは違い、本発明のRSUは、検出する手段および送信する手段を統合し、検出する手段は、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するように構成され、送信する手段は、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するように構成される。こうして、本発明の1つまたは複数の実施形態における路側機(RSU)解決法によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態の自動検出、および、後続の処理のための関連性のある職務部局への迅速な報告が可能になる。
【0025】
[0026]図面と連関する、後に続く詳細な説明によって、本発明の、上記で述べられた、および他の、目的および利点が、より完全および明確になることになり、同一または同様の主要な要素は、同一の標識によって指示される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】[0027]本発明の実施形態による乗物ネットワーキングシステムの実現形態シナリオの線図を示す図である。
図2】本発明の実施形態による路側機により実行される方法のフローチャートを示す図である。
図3】本発明の実施形態による路側機の構造的概略的線図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0028]本発明の様々な例示的な実施形態による路側機(RSU)解決法が、図面を参照して、下記で詳細に説明される。
[0029]図1は、本発明の実施形態による乗物ネットワーキングシステム1000の実現形態シナリオの線図を示す。図1において示されるように、乗物ネットワーキングシステム1000は、1つまたは複数の路側機110を含み得る。
【0028】
[0030]さらには「ロードサイドユニット」、「路側機デバイス」、またはRSU(路側機)と呼ばれる路側機は、一般的には、路側において設置される。一般的に、RSUは、DSRC(専用狭域通信)などの技術を用い、オンボードユニット(OBU、オンボードユニット)と通信し、以て、車両アイデンティティ認識(vehicle identity recognition)、および、地点の電子的推論などの機能を成し遂げる。
【0029】
[0031]オンボードユニット(OBU)と通信すること以外に、1つまたは複数の実施形態において、図1におけるRSU110は、さらには、RSU110の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出し、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバ、例えば、図1におけるクラウドサーバ120に1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信する。
【0030】
[0032]1つまたは複数の実施形態において、RSUは、検出する手段と、送信する手段とを含み得る。図3は、本発明の実施形態によるRSU3000の構造的概略的線図を示す。図3において、RSU3000は、検出する手段310と、送信する手段320とを含む。検出する手段310は、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するように構成され、送信する手段320は、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するように構成される。
【0031】
[0033]本発明の文脈において、マンホール蓋は、マンホールを覆うための蓋であり、一般的には、鉄筋コンクリート、金属、または強化プラスチックなどの材料から作製され、普通は円形または正方形である。用語「マンホール蓋状態」は、マンホール蓋それ自体に関する情報に制限されるよりむしろ、マンホール蓋の使用に関係付けられる任意の状態情報を包含することを意図される。例えば、マンホール蓋損傷または非存在は、「マンホール蓋状態」として分類される。別の例として、マンホール蓋それ自体は無傷であるが、周囲の道路表面における多数の亀裂に起因して沈下のリスクがあるならば、このことは、さらには、「マンホール蓋状態」として分類される。
【0032】
[0034]用語「リモートサーバ」は、本発明の1つまたは複数の実施形態において、RSUとのリモート通信を履行するサーバを指す。1つの実施形態において、リモートサーバは、記憶または転送を遂行するために、ワイヤレスチャネルによってRSUから1つまたは複数のマンホール蓋の状態を受信するクラウドサーバである。
【0033】
[0035]図3において示されないが、1つまたは複数の実施形態において、検出する手段310は、検知ユニットと、取得ユニットと、処理ユニットとを含む。検知ユニットは、コンピュータビジョンまたは外部入力によって、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するように構成され、取得ユニットは、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を取得するように構成され、処理ユニットは、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するように構成される。
【0034】
[0036]1つの実施形態において、検知ユニットは、カメラ手段の手段により、RSUの周辺環境の元の点群情報を受信する。検知ユニットは、次いで、ノイズおよび/または異常値を除去するために、元の点群データに前処理を受けさせる。最終的には、検知ユニットは、RSUの近傍において存在する1つまたは複数のマンホール蓋を抽出するために、前処理された点群データをセグメンテーションする。
【0035】
[0037]別の実施形態において、検知ユニットは、外側から(例えば、ユーザから)入力情報(例えば、マンホール蓋GPS位置情報)を受信する。位置情報に基づいて、検知ユニットは、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の場所を自動的に突き止め得る。
【0036】
[0038]1つまたは複数のマンホール蓋が路側機(RSU)の近傍において存在するということが決定されるならば、取得ユニットが、マンホール蓋画像情報(例えば、マンホール蓋を内包する1つまたは複数の写真)を取得するために使用され得る。
【0037】
[0039]1つの実施形態において、処理ユニットは、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するために、あらかじめ訓練された分類モデルを使用するように構成され得る。具体的には、多数のマンホール蓋ピクチャ(正常状態におけるマンホール蓋のピクチャ、および、異常状態におけるマンホール蓋(例えば、損傷された、所在不明の、および、沈下したマンホール蓋)のピクチャを含む)が、前もって収集され、分類モデルを訓練するためのサンプルとして使用され得る。あらかじめ訓練された分類モデルを使用して、処理ユニットは、マンホール蓋ピクチャを基にして、1つまたは複数のマンホール蓋の状態(例えば、正常または異常)を分類し得る。本明細書の文脈において、普通でない、または異常なマンホール蓋状態は、マンホール蓋の使用状況状態が異常であるということを意味し、このことは、マンホール蓋損傷、マンホール蓋非存在、およびマンホール蓋沈下、その他を含むということが明らかにされなければならない。
【0038】
[0040]1つまたは複数の実施形態において、送信する手段320は、リモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するために第1のメッセージを使用することであって、第1のメッセージは、RSUを指示するための特性コードを含む、使用することを行うように構成される。1つの実施形態において、RSUの特性コードは、RSUを一意的に識別する識別コードであり得る。特性コード(例えば、一意的な識別コード)を内包する送信によって、リモートサーバが、RSUの位置を突き止め、以て、マンホール蓋のおおよその方角を決定することが可能になる。上記で説明された解決法に対する代替法または追加として、第1のメッセージが1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するために使用されるのと同時に、マンホール蓋位置情報(例えば、外部入力されるGPS位置情報)が、さらには、リモートサーバに送信され得る。マンホール蓋状態および位置情報に加えて、1つの実施形態において、送信する手段320は、さらには、リモートサーバにマンホール蓋写真を自動的に送信するために、1つまたは複数のメッセージを使用する。
【0039】
[0041]1つの実施形態において、検出する手段310は、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を定期的に検出することであって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態は、マンホール蓋が損害を与えられる(すなわち、マンホール蓋状態が異常である、例えば、マンホール蓋損傷、マンホール蓋非存在、およびマンホール蓋沈下、その他)かどうかを指示する、定期的に検出することを行うように構成される。送信する手段320は、マンホール蓋が損害を与えられ、しきい値計数器が所定の範囲を満たすときにのみ、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するように構成される。例えば、しきい値計数器の初期値は0であり、しきい値計数器は、送信する手段320がマンホール蓋状態を成功裏に送信した後にのみ計数を始め、例えば、計数器は、毎秒/毎時間/毎日1を加算する。しきい値計数器は、リセットメッセージを受信する後にのみ初期値にリセットされる。上記の実施形態において、送信する手段320は、マンホール蓋が損害を与えられ、しきい値計数器が、0である、または、特定の値より大きい(所定の時間が超過されたことに対応する、例えば10日)ときにのみ、マンホール蓋状態を送信するように構成される。このようにして、同一の内容を伴う情報、または、無用の情報の繰り返される送信が回避され得るものであり、こうして、そのことによって、後続の手続きにおける処理が単純になる。
【0040】
[0042]1つの実施形態において、RSU3000は、マンホール蓋修理情報を受信するための受信する手段をさらに含む。修理情報が受信されてしまうと、しきい値計数器はリセットされ得る。別の実施形態において、受信する手段は、さらには、クラウドサーバまたは別のネットワークエンティティから問い合わせ命令を受信するように構成され得る。問い合わせ命令に基づいて、送信する手段320は、リモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を送信するように構成され得る。このことは、とりわけ、職務部局が、異常なマンホール蓋状態の報告を受信する後に、マンホール蓋画像の手段により再び人手での検討を遂行するシナリオに適したものである。
【0041】
[0043]地下管路の使用法、ならびに、保守部署および電話番号などの情報が、一般的には、マンホール蓋上に印されることになる。1つの実施形態において、マンホール蓋状態を検出すること以外に、検出する手段310は、さらには、マンホール蓋の写真に基づいて、マンホール蓋に対する保守部署を識別し得る。このようにして、可能な限り速やかに安全性リスクをなくすために、リモートサーバによって関連性のある職務部局に迅速に通知することが可能である。
【0042】
[0044]図1に戻ると、1つまたは複数の実施形態において、マンホール蓋状態を検出する過程において、RSU110は、RSUユニット110から独立しているコンピューティングデバイス130と通信し得る。例えば、RSU110は、検知ユニットと、取得ユニットと、通信ユニットとを含み得るものであり、検知ユニットは、コンピュータビジョンまたは外部入力によって、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するように構成され、取得ユニットは、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を取得するように構成され、通信ユニットは、有線またはワイヤレス様式においてコンピューティングデバイス130と通信し、コンピューティングデバイス130に1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を送信するように構成される。コンピューティングデバイス130は、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するように構成される。こうして、先の実施形態とは違い、RSU110は、RSU110がそれ自体により決定をなすことの必要性なしに、第三者(すなわち、コンピューティングデバイス130)によってマンホール蓋状態を決定し得るものであり、このことは、RSU110の実現形態の困難さおよび複雑さを大幅に低減する。
【0043】
[0045]リモートサーバへのマンホール蓋状態情報の送信によって、関連性のある職務部局が、点検するために現場を訪れることの必要性なしに、道路上の様々な箇所において場所を定められるマンホール蓋の状態を迅速に確定することが可能になる。さらにまた、乗物ネットワーキング基盤施設の構築が着実に継続するので、路側機の配備が、より密になることになり、カバレッジが、さらには増大することになる。路側機(RSU)を改善することにより、本出願は、マンホール蓋状態検出のための解決法を統合し、こうして、その解決法によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態の自動検出、および、後続の処理のための関連性のある職務部局への迅速な報告が可能になる。
【0044】
[0046]図2は、本発明の実施形態による路側機により実行される方法2000のフローチャートを示す。方法2000は、
ステップS210において、路側機の近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するステップと、
ステップS220において、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するステップと
を含み得る。
【0045】
[0047]本発明の文脈において、路側機は、さらには「ロードサイドユニット」、「路側機デバイス」、またはRSU(路側機)と呼ばれ、一般的には、路側において設置される。乗物ネットワーキングシステムにおいて、RSUは、DSRC(専用狭域通信)などの技術を用い、オンボードユニット(OBU、オンボードユニット)と通信し、以て、車両アイデンティティ認識、および、地点の電子的推論などの機能を成し遂げる。
【0046】
[0048]本実施形態において、オンボードユニット(OBU)と通信すること以外に、RSUは、さらには、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出し、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信する。このようにして、関連性のある職務部局は、点検するために現場を訪れることの必要性なしに、道路上の様々な箇所において場所を定められるマンホール蓋の状態を迅速に確定し得る。
【0047】
1つの実施形態において、ステップS210は、コンピュータビジョンまたは外部入力によって、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するステップと、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を取得するステップと、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するステップとを含み得る。例えば、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋は、受信されるマンホール蓋位置情報(例えば、マンホール蓋GPS位置情報)によって決定され得る。
【0048】
[0049]1つの実施形態において、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するステップは、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を、あらかじめ訓練された分類モデルへと入力し、以て、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定するステップを含む。具体的には、多数のマンホール蓋ピクチャ(正常状態におけるマンホール蓋のピクチャ、および、異常状態におけるマンホール蓋(例えば、損傷された、所在不明の、および、沈下したマンホール蓋)のピクチャを含む)が、前もって収集され、分類モデルを訓練するためのサンプルとして使用され得る。あらかじめ訓練された分類モデルを使用して、マンホール蓋ピクチャを基にして、1つまたは複数のマンホール蓋の状態(例えば、正常または異常)を分類することが可能である。本明細書の文脈において、普通でない、または異常なマンホール蓋状態は、マンホール蓋の使用状況状態が異常であるということを意味し、このことは、マンホール蓋損傷、マンホール蓋非存在、およびマンホール蓋沈下、その他を含むということが明らかにされなければならない。
【0049】
[0050]1つの実施形態において、ステップS220は、リモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するために第1のメッセージを使用するステップであって、第1のメッセージは、RSUを指示するための特性コードを含む、使用するステップを含む。1つの実施形態において、RSUの特性コードは、RSUを一意的に識別する識別コードであり得る。特性コード(例えば、一意的な識別コード)を内包する送信によって、リモートサーバが、RSUの位置を突き止め、以て、マンホール蓋のおおよその方角を決定することが可能になる。上記で説明された解決法に対する代替法または追加として、第1のメッセージが1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するために使用されるのと同時に、マンホール蓋位置情報(例えば、外部入力されるGPS位置情報)が、さらには、リモートサーバに送信され得る。マンホール蓋状態および位置情報に加えて、1つの実施形態において、RSUは、さらには、リモートサーバにマンホール蓋写真を自動的に送信するために、1つまたは複数のメッセージを使用し得る。
【0050】
[0051]1つの実施形態において、ステップS210は、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を定期的に検出するステップであって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態は、マンホール蓋が損害を与えられる(すなわち、マンホール蓋状態が異常である、例えば、マンホール蓋損傷、マンホール蓋非存在、およびマンホール蓋沈下、その他)かどうかを指示する、定期的に検出するステップを含む。1つの実施形態において、ステップS220は、マンホール蓋が損害を与えられ、しきい値計数器が所定の範囲を満たすときにのみ、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するステップを含む。例えば、しきい値計数器の初期値は0であり、しきい値計数器は、送信する手段320がマンホール蓋状態を成功裏に送信した後にのみ計数を始め、例えば、計数器は、毎秒/毎時間/毎日1を加算する。しきい値計数器は、リセットメッセージを受信する後にのみ初期値にリセットされる。上記の実施形態において、ステップS220は、マンホール蓋が損害を与えられ、しきい値計数器が、0である、または、特定の値より大きい(所定の時間が超過されたことに対応する、例えば10日)ときにのみ、マンホール蓋状態を送信するステップを含む。このようにして、同一の内容を伴う情報、または、無用の情報の繰り返される送信が回避され得るものであり、こうして、そのことによって、後続の手続きにおける処理が単純になる。
【0051】
[0052]1つの実施形態において、方法2000は、マンホール蓋修理情報を受信するステップをさらに含み得る。修理情報が受信されてしまうと、しきい値計数器はリセットされ得る。別の実施形態において、方法2000は、クラウドサーバまたは別のネットワークエンティティから問い合わせ命令を受信するステップをさらに含み得る。問い合わせ命令に基づいて、RSUは、リモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を送信する。このことは、とりわけ、職務部局が、異常なマンホール蓋状態の報告を受信する後に、マンホール蓋画像の手段により再び人手での検討を遂行するシナリオに適したものである。
【0052】
[0053]地下管路の使用法、ならびに、保守部署および電話番号などの情報が、一般的には、マンホール蓋上に印されることになる。1つの実施形態において、方法2000は、マンホール蓋の写真に基づいて、マンホール蓋に対する保守部署を識別するステップをさらに含む。このようにして、可能な限り速やかに安全性リスクをなくすために、リモートサーバによって関連性のある職務部局に迅速に通知することが可能である。
【0053】
[0054]RSUは、RSUがそれ自体により決定をなすことの必要性なしに、第三者(例えば、図1におけるコンピューティングデバイス130)によってマンホール蓋状態を決定し得る。1つの実施形態において、図2のステップS210において、RSUは、RSUユニットから独立している第三者デバイス(例えば、コンピューティングデバイス)と通信する。具体的には、RSUにより実行される方法2000は、コンピュータビジョンまたは外部入力によって、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の存在を決定するステップと、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報を取得するステップと、有線またはワイヤレス様式において第三者デバイスと通信するステップとを含む。第三者デバイスは、次いで、1つまたは複数のマンホール蓋の画像情報によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態を決定する。こうして、RSUそれ自体は、マンホール蓋状態を決定するための能力を有することを必要とせず、代わりに、第三者により支援され得るものであり、このことは、RSUの実現形態の困難さおよび複雑さを大幅に低減する。
【0054】
[0055]当業者は、本発明の1つまたは複数の実施形態において提供されるようなRSUにより実行される方法が、コンピュータプログラムの手段により現実化され得るということを、たやすく理解することになる。例えば、コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ記憶媒体(例えば、USBスティック)がコンピュータに接続されるとき、本発明の実施形態においてRSUにより実行される方法は、コンピュータプログラムを走らせることにより実行され得る。
【0055】
[0056]要約すると、本発明のRSUは、検出する手段および送信する手段を統合し、検出する手段は、RSUの近傍における1つまたは複数のマンホール蓋の状態を検出するように構成され、送信する手段は、ワイヤレスチャネルによってリモートサーバに1つまたは複数のマンホール蓋の状態を送信するように構成される。こうして、本発明の1つまたは複数の実施形態における路側機(RSU)解決法によって、1つまたは複数のマンホール蓋の状態の自動検出、および、後続の処理のための関連性のある職務部局への迅速な報告が可能になる。
【0056】
[0057]上記の例は、本発明のRSU解決法を主に明らかにする。本発明の実施形態のうちの一部のみが説明されたが、当業者は、本発明が、本発明の実体および範囲から外れることなく、多くの他の形式において実現され得るということを理解するはずである。こうして、提示される例および実施形態は、概略的および非制限的であると考えられ、本発明は、付属させられる特許請求の範囲において定義されるような、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な補正および置換を包摂し得る。
図1
図2
図3