(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240605BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240605BHJP
H01L 23/48 20060101ALI20240605BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20240605BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2023020125
(22)【出願日】2023-02-13
(62)【分割の表示】P 2020525353の分割
【原出願日】2019-05-14
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】P 2018110934
(32)【優先日】2018-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】林口 匡司
(72)【発明者】
【氏名】神田 沢水
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-5512(JP,A)
【文献】特開2007-234694(JP,A)
【文献】特開2014-187149(JP,A)
【文献】国際公開第2017/209191(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/48
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向において互いに反対側を向く主面および裏面を有する絶縁基板と、
前記厚さ方向に対して直交する第1方向において互いに離れており、かつ各々が前記主面の上に配置された第1導電部および第2導電部と、
前記第1導電部に電気的に接続されており、かつ前記第2導電部に導通する第1スイッチング素子と、
前記第2導電部に電気的に接続された第2スイッチング素子と、
第1端子部を有するとともに、前記第1導電部に電気的に接続された第1入力端子と、
第2端子部を有するとともに、前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2入力端子と、
前記第1端子部および前記第2端子部の各々の一部を覆う封止樹脂と、を備え、
前記厚さ方向に視て、前記第2端子部は、前記第1端子部に重なっており、
前記厚さ方向に視て、前記第1端子部および前記第2端子部の各々は、前記第1方向に延び、かつ前記厚さ方向および前記第1方向の各々に対して直交する第2方向において互いに離れた一対の第1縁と、前記第2方向に延び、かつ前記一対の第1縁の間に位置する第2縁と、を有し、
前記第2縁は、前記第1方向において前記一対の第1縁を基準として前記第1導電部とは反対側に位置しており、
前記封止樹脂は、前記第1端子部および前記第2端子部の各々の前記一対の第1縁と、前記第1端子部および前記第2端子部の各々の前記第2縁の両端と、を覆っている、半導体モジュール。
【請求項2】
前記厚さ方向において前記第1端子部と前記第2端子部との間に挟まれた部分を含む絶縁部材をさらに備える、請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
前記絶縁部材は、前記第1端子部と前記第2端子部との間に挟まれた介在部と、前記第1端子部と前記第2端子部の各々から露出する延出部と、を有し、
前記延出部は、前記第1方向において前記第2縁を基準として前記一対の第1縁が位置する側とは反対側に前記介在部から延びている、請求項2に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
前記厚さ方向に視て、前記延出部は、前記第2方向に延びる端縁を有し、
前記端縁の長さは、前記第1端子部および前記第2端子部の各々の前記第2縁の長さよりも長い、請求項3に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記封止樹脂は、前記第1方向において前記第2縁を基準として前記一対の第1縁が位置する側とは反対側を向く第1側面を有し、
前記端縁は、前記第2縁よりも前記第1側面の近くに位置する、請求項4に記載の半導体モジュール。
【請求項6】
前記絶縁部材は、絶縁紙で構成されている、請求項2ないし5のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項7】
前記絶縁部材、前記第1導電部および前記第2導電部の各々の前記厚さ方向の寸法は、前記封止樹脂の前記厚さ方向の寸法の50%未満である、請求項2ないし6のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項8】
前記絶縁部材の一部は、前記封止樹脂に覆われている、請求項2ないし7のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項9】
前記第2導電部に電気的に接続された出力端子をさらに備え、
前記出力端子は、前記第1方向において前記第1端子部および前記第2端子部の各々が露出する側とは反対側にて前記封止樹脂から露出している、請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項10】
前記封止樹脂には、前記第1方向に凹む凹部が形成されており、
前記凹部は、前記第1方向において前記第2導電部を基準として前記第1導電部とは反対側に位置しており、
前記出力端子の一部は、前記凹部に収容されている、請求項9に記載の半導体モジュール。
【請求項11】
制御端子をさらに備え、
前記封止樹脂は、各々が前記厚さ方向に対して直交する方向を向く複数の側面を有し、
前記第1端子部、前記第2端子部、前記出力端子および前記制御端子の各々は、前記複数の側面のいずれかから露出しており、
前記複数の側面において、前記制御端子が露出する側面は、前記第1端子部および前記第2端子部が露出する側面と、前記出力端子が露出する側面と、は異なる、請求項9または10に記載の半導体モジュール。
【請求項12】
前記第2導電部は、前記厚さ方向において前記主面と同じ側を向く表面を有し、
前記第2スイッチング素子は、前記表面の上に配置されている、請求項1ないし11のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項13】
前記裏面は、前記封止樹脂から露出している、請求項1ないし12のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項14】
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の各々は、炭化ケイ素を含む半導体材料を用いて構成されたMOSFETと、IGBTと、のいずれかである、請求項1ないし13のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項15】
前記第1スイッチング素子は、前記第1導電部に対向する第1対向面を有し、
前記第1スイッチング素子は、前記第1対向面を介して前記第1導電部に導通している、請求項1ないし14のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項16】
前記第2スイッチング素子は、前記第2導電部に対向する第2対向面を有し、
前記第2スイッチング素子は、前記第2対向面を介して前記第2導電部に導通している、請求項1ないし15のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項17】
前記第2入力端子は、前記第2端子部につながる連結部と、前記第1方向において前記連結部を基準として前記第2端子部とは反対側に位置しており、かつ各々が前記連結部から前記第1方向に延びる複数の接続部と、を有し、
前記複数の接続部は、前記第2方向に沿って配列されており、
前記複数の接続部のいずれかは、前記第2スイッチング素子に電気的に接続されている、請求項1ないし16のいずれかに記載の半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のスイッチング素子を備える半導体装置を構成要素に含む半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOSFETなどの複数のスイッチング素子が搭載された半導体装置が広く知られている。当該半導体装置は、複数のスイッチング素子によって直流電力を交流電力に変換する役割を果たす。当該半導体装置は、直流電力が入力される一対の入力端子を備える。
【0003】
特許文献1には、当該半導体装置と、当該半導体装置の一対の入力端子に接続された棒状導体組体とを備える半導体モジュールの一例が開示されている。棒状導体組体を直流電源に接続させることにより、直流電力が棒状導体組体を介して当該半導体装置に供給される。棒状導体組体においては、正極をなす棒状導体と、負極をなす棒状導体とを絶縁シート材を介して近接配置させた一組の導体棒が、当該半導体装置の短辺方向に2つ並んでいる。これにより、棒状導体組体においては、ラミネート配線がなされている。
【0004】
当該半導体装置の作動の際、複数のスイッチング素子がONからOFFになると当該半導体装置にはインダクタンスが発生する。しかし、棒状導体組体にはラミネート配線がなされているため、一組の導体棒において発生する磁界によりインダクタンスが低減される。インダクタンスが低減されると、スイッチング時のdi/dtに起因したサージ電圧やノイズの発生が低減されるため、当該半導体装置の電力損失が抑制される。
【0005】
しかし、当該半導体装置の短辺方向において、一対の入力端子は互いに離間している。このため、一対の入力端子においてラミネート配線が解除されたものとなっている。したがって、棒状導体組体により低減されたインダクタンスが、一対の入力端子において再度増加することが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は上記事情に鑑み、装置における寄生インダクタンスの低減を図ることが可能な半導体モジュールを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によって提供される半導体モジュールは、厚さ方向において互いに反対側を向く主面および裏面を有する絶縁基板と、前記厚さ方向に対して直交する第1方向において互いに離れており、かつ各々が前記主面の上に配置された第1導電部および第2導電部と、前記第1導電部に電気的に接続されており、かつ前記第2導電部に導通する第1スイッチング素子と、前記第2導電部に電気的に接続された第2スイッチング素子と、第1端子部を有するとともに、前記第1導電部に電気的に接続された第1入力端子と、第2端子部を有するとともに、前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2入力端子と、前記第1端子部および前記第2端子部の各々の一部を覆う封止樹脂とを備える。前記厚さ方向に視て、前記第2端子部は、前記第1端子部に重なっている。前記厚さ方向に視て、前記第1端子部および前記第2端子部の各々は、前記第1方向に延び、かつ前記厚さ方向および前記第1方向の各々に対して直交する第2方向において互いに離れた一対の第1縁と、前記第2方向に延び、かつ前記一対の第1縁の間に位置する第2縁と、を有する。前記第2縁は、前記第1方向において前記一対の第1縁を基準として前記第1導電部とは反対側に位置する。前記封止樹脂は、前記第1端子部および前記第2端子部の各々の前記一対の第1縁と、前記第1端子部および前記第2端子部の各々の前記第2縁の両端とを覆っている。
【0009】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態にかかる半導体モジュールの斜視図である。
【
図2】
図1に示す半導体モジュールの構成要素に含まれる半導体装置の平面図である。
【
図3】
図2に示す半導体装置の平面図であり、封止樹脂を透過している。
【
図4】
図3に対応する平面図であり、第2入力端子を透過している。
【
図13】
図1に示す半導体モジュールの平面図である。
【
図17】本開示の第1実施形態の第1変形例にかかる半導体モジュールの断面図である。
【
図18】本開示の第1実施形態の第2変形例にかかる半導体モジュールの断面図である。
【
図19】本開示の第2実施形態にかかる半導体モジュールの平面図である。
【
図20】
図19の部分拡大図であり、モールド樹脂を透過している。
【
図21】
図19に示す半導体モジュールの部分底面拡大図であり、モールド樹脂を透過している。
【
図23】
図20のXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
【
図25】本開示の第2実施形態の第1変形例にかかる半導体モジュールの断面図である。
【
図26】本開示の第2実施形態の第2変形例にかかる半導体モジュールの断面図である。
【
図27】本開示の第3実施形態にかかる半導体モジュールの構成要素に含まれる半導体装置の平面図である。
【
図31】本開示の第3実施形態にかかる半導体モジュールの平面図である。
【
図32】
図31のXXXII-XXXII線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示を実施するための形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1~
図16に基づき、本開示の第1実施形態にかかる半導体モジュールA10について説明する。
図1に示すように、半導体モジュールA10は、半導体装置B10およびバスバーC10を、その構成要素に含む。バスバーC10は、半導体装置B10に導通する状態で接合された電力供給部材である。なお、
図3は、理解の便宜上、封止樹脂50を透過している。
図3においては、IX-IX線およびX-X線をそれぞれ一点鎖線で示している。
図4は、理解の便宜上、封止樹脂50および第2入力端子22を透過している。
図13においては、XV-XV線を一点鎖線で示している。
【0013】
<半導体装置B10>
半導体モジュールA10の構成要素に含まれる半導体装置B10について説明する。
図2~
図12に示す半導体装置B10は、MOSFETなどの複数のスイッチング素子を搭載した電力変換装置(パワーモジュール)である。半導体装置B10は、モータの駆動源、様々な電気製品のインバータ装置、およびDC/DCコンバータなどに用いられる。半導体装置B10は、絶縁基板10、導電部材11、第1入力端子21、第2入力端子22、出力端子23、一対のゲート端子24、一対の検出端子25、複数のダミー端子26、複数のスイッチング素子30、および封止樹脂50を備える。複数のスイッチング素子30は、複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30Bを含む。これらに加え、半導体装置B10は、一対の絶縁層12、一対のゲート層13および一対の検出層14をさらに備える。
【0014】
半導体装置B10およびバスバーC10を含めた半導体モジュールA10の説明においては、便宜上、絶縁基板10の厚さ方向を「厚さ方向z」と呼ぶ。厚さ方向zに対して直交する方向を「第1方向x」と呼ぶ。厚さ方向zおよび第1方向xの双方に対して直交する方向を「第2方向y」と呼ぶ。半導体装置B10は、厚さ方向zに沿って視て、すなわち平面視において矩形状である。第1方向xは、半導体装置B10の長手方向に対応する。第2方向yは、半導体装置B10の短手方向に対応する。また、半導体モジュールA10の説明においては、便宜上、第1方向xのうち第1入力端子21および第2入力端子22が位置する側を「第1方向xの一方側」と呼ぶ。第1方向xのうち出力端子23が位置する側を「第1方向xの他方側」と呼ぶ。なお、「厚さ方向z」、「第1方向x」、「第2方向y」、「第1方向xの一方側」および「第1方向xの他方側」は、後述する半導体モジュールA20および半導体モジュールA30の説明においても適用する。
【0015】
絶縁基板10は、
図3、
図9および
図10に示すように、導電部材11が配置されている。絶縁基板10は、導電部材11および複数のスイッチング素子30の支持部材をなす。絶縁基板10は、熱伝導性に優れたセラミックスを含む材料からなる。当該セラミックスとして、たとえば窒化アルミニウム(AlN)が挙げられる。
【0016】
図3、
図9および
図10に示すように、半導体装置B10が示す例においては、絶縁基板10は、第1基板10Aおよび第2基板10Bを含む。第1基板10Aおよび第2基板10Bは、第1方向xにおいて互いに離間している。第1基板10Aは、第1方向xの一方側に位置する。第2基板10Bは、第1方向xの他方側に位置する。厚さ方向zに沿って視て、第1基板10Aおよび第2基板10Bは、第2方向yを長辺とする矩形状である。第1基板10Aおよび第2基板10Bの各々は、厚さ方向zにおいて互いに反対側を向く主面101および裏面102を有する。主面101は、厚さ方向zのうち導電部材11が配置される側を向く。主面101は、導電部材11および複数のスイッチング素子30とともに封止樹脂50に覆われている。
図5に示すように、裏面102は、封止樹脂50から露出している。なお、絶縁基板10の構成は、本構成に限定されず、1枚からなる単一構成でもよい。
【0017】
導電部材11は、
図3、
図9および
図10に示すように、絶縁基板10の主面101に配置されている。導電部材11は、第1入力端子21、第2入力端子22および出力端子23とともに、複数のスイッチング素子30と、バスバーC10などの電力供給部材との導電経路を構成している。導電部材11は、金属板である。当該金属板は、銅(Cu)または銅合金からなる。導電部材11は、たとえば銀(Ag)ペーストのような接合材(図示略)により主面101に接合されている。導電部材11の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。
【0018】
図3、
図9および
図10に示すように、半導体装置B10が示す例においては、導電部材11は、第1導電部11Aおよび第2導電部11Bを含む。厚さ方向zに沿って視て、第1導電部11Aおよび第2導電部11Bは、第2方向yを長辺とする矩形状である。なお、導電部材11の構成は、本構成に限定されず、半導体装置B10に要求される性能に応じて設定された複数のスイッチング素子30の個数および配置に基づき、自在に設定可能である。
【0019】
図3および
図9に示すように、第1導電部11Aは、第1基板10Aの主面101に接合されている。第1導電部11Aの表面には、複数の第1スイッチング素子30Aが第1導電部11Aに導通する状態で接合されている。
図3および
図10に示すように、第2導電部11Bは、第2基板10Bの主面101に接合されている。第2導電部11Bの表面には、複数の第2スイッチング素子30Bが第2導電部11Bに導通する状態で接合されている。
【0020】
一対の絶縁層12は、
図4、
図9および
図10に示すように、その一方が第1導電部11Aの表面に接合され、その他方が第2導電部11Bの表面に接合されている。一対の絶縁層12は、第2方向yに延びる帯状である。第1導電部11Aの表面に接合された絶縁層12は、複数の第1スイッチング素子30Aに対して第1方向xの他方側に位置する。第2導電部11Bの表面に接合された絶縁層12は、複数の第2スイッチング素子30Bに対して第1方向xの一方側に位置する。一対の絶縁層12は、たとえばガラスエポキシ樹脂を含む材料からなる。
【0021】
一対のゲート層13は、
図4、
図9および
図10に示すように、その一方が第1導電部11Aの表面に接合された絶縁層12に配置され、その他方が第2導電部11Bの表面に接合された絶縁層12に配置されている。一対のゲート層13は、第2方向yに延びる帯状である。一対のゲート層13は、導電性を有する。一対のゲート層13は、たとえば銅を含む材料からなる。
【0022】
一対の検出層14は、
図4、
図9および
図10に示すように、その一方が第1導電部11Aの表面に接合された絶縁層12に配置され、その他方が第2導電部11Bの表面に接合された絶縁層12に配置されている。一対の検出層14は、第1方向xにおいて一対のゲート層13の隣に位置する。一対の検出層14は、第2方向yに延びる帯状である。一対の検出層14は、導電性を有する。一対の検出層14は、たとえば銅を含む材料からなる。
【0023】
第1入力端子21および第2入力端子22は、
図2~
図6に示すように、第1方向xの一方側に位置する。第1入力端子21および第2入力端子22には、バスバーC10を介して直流電圧が印加される。第1入力端子21は、正極(P端子)である。第2入力端子22は、負極(N端子)である。
図10に示すように、第2入力端子22は、厚さ方向zにおいて第1入力端子21および導電部材11の双方に対して離間して配置されている。第1入力端子21および第2入力端子22は、金属板である。当該金属板は、銅または銅合金からなる。
【0024】
第1入力端子21は、
図4に示すように、第1パッド部211および第1端子部212を有する。第1入力端子21において、第1パッド部211および第1端子部212との境界は、第2方向yおよび厚さ方向zに沿った面であって、かつ第1方向xの一方側に位置する封止樹脂50の第1側面531(詳細は後述)を含む面である。第1パッド部211は、その全てが封止樹脂50に覆われている。第1パッド部211の第1方向xの他方側は、櫛歯状となっている。この櫛歯状の部分が、第1導電部11A導通する状態でその表面に接合されている。当該接合は、はんだ接合、または超音波接合などにより行われる。これにより、第1入力端子21は、第1導電部11Aに導通している。
【0025】
図4および
図5に示すように、第1端子部212は、封止樹脂50から第1方向xの一方側に延びている。厚さ方向zに沿って視て、第1端子部212は矩形状である。第1端子部212の第2方向yにおける両側は、封止樹脂50に覆われている。それ以外の第1端子部212の部分は、封止樹脂50から露出している。これにより、第1入力端子21は、封止樹脂50に支持されている。また、第1基板10Aは、第1導電部11Aを介して第1入力端子21に支持されている。
【0026】
第2入力端子22は、
図3に示すように、第2パッド部221および第2端子部222を有する。第2入力端子22において、第2パッド部221と第2端子部222との境界は、第1入力端子21における第1パッド部211と第1端子部212との境界に一致している。第2パッド部221は、連結部221Aおよび複数の延出部221Bを有する。連結部221Aは、第2方向yに延びる帯状である。連結部221Aは、第2端子部222につながっている。複数の延出部221Bは、連結部221Aから第1方向xの他方側に向けて延びる帯状である。複数の延出部221Bは、第2方向yにおいて互いに離間している。
図10に示すように、複数の延出部221Bは、第2方向yに沿って視て屈曲している。複数の延出部221Bの表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。
【0027】
図2および
図3に示すように、第2端子部222は、封止樹脂50から第1方向xの一方側に延びている。厚さ方向zに沿って視て、第2端子部222は矩形状である。第2端子部222の第2方向yにおける両側は、封止樹脂50に覆われている。それ以外の第2端子部222の部分は、封止樹脂50から露出している。
図3および
図4に示すように、厚さ方向zに沿って視て、第2端子部222は、第1入力端子21の第1端子部212に重なっている。
図10に示すように、第2端子部222は、第1端子部212に対して厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側に離間している。なお、半導体装置B10が示す例においては、第2端子部222の形状は、第1端子部212の形状と同一である。
【0028】
絶縁部材29は、
図6および
図10に示すように、厚さ方向zにおいて第1入力端子21の第1端子部212と、第2入力端子22の第2端子部222との間に挟まれている。絶縁部材29は平板である。絶縁部材29は、たとえば絶縁紙からなる。厚さ方向zに沿って視て、第1入力端子21の全部が絶縁部材29に重なっている。第2入力端子22においては、厚さ方向zに沿って視て、第2パッド部221の一部と、第2端子部222の全部とが絶縁部材29に接している。厚さ方向zに沿って視て絶縁部材29に重なるこれらの部分は、絶縁部材29に接している。絶縁部材29により、第1入力端子21および第2入力端子22が互いに絶縁されている。絶縁部材29の一部(第1方向xの他方側、および第2方向yの両側)は、封止樹脂50に覆われている。
【0029】
絶縁部材29は、
図3、
図4および
図10に示すように、介在部291および延出部292を有する。介在部291は、厚さ方向zにおいて第1入力端子21の第1端子部212と、第2入力端子22の第2端子部222との間に位置する。介在部291は、その全部が第1端子部212と第2端子部222との間に挟まれている。延出部292は、介在部291から第1端子部212および第2端子部222よりもさらに第1方向xの一方側に向けて延びている。このため、延出部292は、第1端子部212および第2端子部222よりも第1方向xの一方側に位置する。延出部292の第2方向yにおける両側は、封止樹脂50に覆われている。
【0030】
出力端子23は、
図2~
図7(
図6を除く)に示すように、第1方向xの他方側に位置する。出力端子23から、複数のスイッチング素子30により電力変換された交流電力(電圧)が出力される。出力端子23は、金属板である。当該金属板は、銅または銅合金からなる。出力端子23は、パッド部231および端子部232を有する。パッド部231と端子部232との境界は、第2方向yおよび厚さ方向zに沿った面であって、かつ第1方向xの他方側に位置する封止樹脂50の第1側面531(詳細は後述)を含む面である。パッド部231は、その全てが封止樹脂50に覆われている。パッド部231の第1方向xの一方側は、櫛歯状となっている。この櫛歯状の部分が、第2導電部11Bに導通する状態でその表面に接合されている。当該接合は、はんだ接合、または超音波接合などにより行われる。これにより、出力端子23は、第2導電部11Bに導通している。
図2~
図5に示すように、端子部232は、封止樹脂50から第1方向xの他方側に延びている。厚さ方向zに沿って視て、端子部232は矩形状である。端子部232の第2方向yにおける両側は、封止樹脂50に覆われている。それ以外の端子部232の部分は、封止樹脂50から露出している。これにより、出力端子23は、封止樹脂50に支持されている。また、第2基板10Bは、第2導電部11Bを介して出力端子23に支持されている。
【0031】
複数のスイッチング素子30(複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30B)は、
図3、
図9および
図10に示すように、導電部材11を構成する第1導電部11Aおよび第2導電部11Bに導通する状態で接合されている。厚さ方向zに沿って視て、複数のスイッチング素子30は、第2方向yに沿って視て千鳥配置されている。複数のスイッチング素子30において、複数の第1スイッチング素子30Aは、半導体装置B10の上アーム回路を構成している。また、複数の第2スイッチング素子30Bは、半導体装置B10の下アーム回路を構成している。複数のスイッチング素子30は、厚さ方向zに沿って視て矩形状(半導体装置B10では正方形状)である。半導体装置B10が示す例においては、複数のスイッチング素子30は、4つの第1スイッチング素子30Aと、4つの第2スイッチング素子30Bとから構成される。なお、複数のスイッチング素子30の個数は、本構成に限定されず、半導体装置B10に要求される性能に応じて自在に設定可能である。
【0032】
複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30Bは、炭化ケイ素(SiC)を主とする半導体材料を用いて構成されたMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。なお、複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30Bは、MOSFETに限らずMISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field-Effect Transistor)を含む電界効果トランジスタや、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のようなバイポーラトランジスタでもよい。半導体装置B10の説明においては、第1スイッチング素子30Aおよび第2スイッチング素子30Bは、これら全てがnチャネル型、かつ縦型構造のMOSFETである場合を、その一例としている。
【0033】
図11および
図12に示すように、複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30Bの各々は、第1面301、第2面302、第1電極31、第2電極32、ゲート電極33および絶縁膜34を有する。第1面301および第2面302は、厚さ方向zにおいて互いに反対側を向く。このうち第1面301は、絶縁基板10の主面101が向く側を向く。
【0034】
図11および
図12に示すように、第1電極31は、第1面301に設けられている。第1電極31には、ソース電流が流れる。半導体装置B10が示す例においては、第1電極31は、4つの領域に分割されている。
【0035】
図11に示すように、第1スイッチング素子30Aの第1電極31においては、分割された4つの領域に複数の第1ワイヤ401が個別に接続されている。複数の第1ワイヤ401は、たとえばアルミニウムからなる。複数の第1スイッチング素子30Aの第1電極31に接続された複数の第1ワイヤ401は、第2導電部11Bの表面に接続されている。これにより、複数の第1スイッチング素子30Aの第1電極31は、第2導電部11Bに導通している。複数の第1ワイヤ401は、第1方向xに延びている。
【0036】
図11に示すように、第2スイッチング素子30Bの第1電極31においては、分割された4つの領域に複数の第2ワイヤ402が個別に接続されている。複数の第2ワイヤ402は、たとえばアルミニウムからなる。複数の第2スイッチング素子30Bの第1電極31に接続された複数の第2ワイヤ402は、第2入力端子22の複数の延出部221B(第2パッド部221)の表面に接続されている。これにより、複数の第2スイッチング素子30Bの第1電極31は、第2入力端子22に導通している。したがって、第2入力端子22は、複数のスイッチング素子30の一部を構成する複数の第2スイッチング素子30Bに導通している。複数の第2ワイヤ402は、第1方向xに延びている。
【0037】
図12に示すように、第2電極32は、第2面302の全体にわたって設けられている。第2電極32には、ドレイン電流が流れる。第1スイッチング素子30Aの第2電極32は、導電性を有する導電接合層39により第1導電部11Aに導通する状態でその表面に接合されている。導電接合層39は、たとえば錫(Sn)を主成分とする鉛フリーはんだである。第2スイッチング素子30Bの第2電極32は、導電接合層39により第2導電部11Bに導通する状態でその表面に接合されている。
【0038】
図11に示すように、ゲート電極33は、第1面301に設けられている。ゲート電極33には、複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30Bの各々が駆動するためのゲート電圧が印加される。ゲート電極33の大きさは、第1電極31の大きさよりも小とされている。ゲート電極33には、複数のゲートワイヤ403のいずれかが接続されている。複数のゲートワイヤ403は、たとえばアルミニウムからなる。複数の第1スイッチング素子30Aのゲート電極33に接続された複数のゲートワイヤ403は、第1導電部11Aに接合された絶縁層12に配置されたゲート層13に接続されている。複数の第2スイッチング素子30Bのゲート電極33に接続された複数のゲートワイヤ403は、第2導電部11Bに接合された絶縁層12に配置されたゲート層13に接続されている。
【0039】
図11に示すように、複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30Bの各々の第1電極31には、複数の検出ワイヤ404のいずれかが接続されている。当該検出ワイヤ404は、第1電極31において分割された4つの領域のいずれかに接続されている。複数の検出ワイヤ404は、たとえばアルミニウムからなる。複数の第1スイッチング素子30Aの第1電極31に接続された複数の検出ワイヤ404は、第1導電部11Aに接合された絶縁層12に配置された検出層14に接続されている。複数の第2スイッチング素子30Bの第1電極31に接続された複数の検出ワイヤ404は、第2導電部11Bに接合された絶縁層12に配置された検出層14に接続されている。
【0040】
図11および
図12に示すように、絶縁膜34は、第1面301に設けられている。絶縁膜34は、厚さ方向zに沿って視て第1電極31を囲んでいる。絶縁膜34は、たとえば二酸化ケイ素(SiO
2)層、窒化ケイ素(Si
3N
4)層、ポリベンゾオキサゾール(PBO)層が第1面301からこの順番で積層されたものである。なお、絶縁膜34においては、当該ポリベンゾオキサゾール層に代えてポリイミド層でもよい。
【0041】
一対のゲート端子24、一対の検出端子25、および複数のダミー端子26は、
図3に示すように、第2方向yにおいて絶縁基板10の隣に位置する。これらの端子は、第1方向xに沿って配列されている。半導体装置B10においては、一対のゲート端子24、一対の検出端子25、および複数のダミー端子26は、いずれも同一のリードフレームから構成される。
【0042】
一対のゲート端子24は、
図3に示すように、その一方が第2方向yにおいて第1基板10Aの隣に位置し、その他方が第2方向yにおいて第2基板10Bの隣に位置する。一対のゲート端子24の各々には、複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30Bのいずれかが駆動するためのゲート電圧が印加される。一対のゲート端子24の各々は、パッド部241および端子部242を有する。パッド部241は、封止樹脂50に覆われている。これにより、一対のゲート端子24は、封止樹脂50に支持されている。なお、パッド部241の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。端子部242は、パッド部241につながり、かつ封止樹脂50から露出している(
図8参照)。第1方向xに沿って視て、端子部242はL字状をなしている。
【0043】
一対の検出端子25は、
図3に示すように、第1方向xにおいて一対のゲート端子24の隣に位置する。一対の検出端子25の各々から、複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30Bのどちらかに該当する複数の第1電極31に印加される電圧(ソース電流に対応した電圧)が検出される。一対の検出端子25の各々は、パッド部251および端子部252を有する。パッド部251は、封止樹脂50に覆われている。これにより、一対の検出端子25は、封止樹脂50に支持されている。なお、パッド部251の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。端子部252は、パッド部251につながり、かつ封止樹脂50から露出している(
図8参照)。第1方向xに沿って視て、端子部252はL字状をなしている。
【0044】
複数のダミー端子26は、
図3に示すように、第1方向xにおいて一対の検出端子25に対して一対のゲート端子24とは反対側に位置する。半導体装置B10が示す例においては、ダミー端子26の数は6つである。このうち3つのダミー端子26は、第1方向xの一方側に位置する。残り3つのダミー端子26は、第1方向xの他方側に位置する。なお、複数のダミー端子26の数は、本構成に限定されない。さらに、半導体装置B10において、複数のダミー端子26を備えない構成としてもよい。複数のダミー端子26の各々は、パッド部261および端子部262を有する。パッド部261は、封止樹脂50に覆われている。これにより、複数のダミー端子26は、封止樹脂50に支持されている。なお、パッド部261の表面には、たとえば銀めっきを施してもよい。端子部262は、パッド部261につながり、かつ封止樹脂50から露出している(
図8参照)。
図6および
図7に示すように、第1方向xに沿って視て、端子部262はL字状をなしている。なお、一対のゲート端子24の端子部242、および一対の検出端子25の端子部252の各々の形状は、端子部262の形状と同一である。
【0045】
半導体装置B10は、
図3および
図11に示すように、一対の第1接続ワイヤ41、および一対の第2接続ワイヤ42を備える。一対の第1接続ワイヤ41、および一対の第2接続ワイヤ42は、たとえばアルミニウムからなる。
【0046】
一対の第1接続ワイヤ41は、
図3および
図11に示すように、一対のゲート層13と一対のゲート端子24との個別に接続されている。一対のゲート端子24においては、一対の第1接続ワイヤ41は、一対のパッド部241の表面に接続されている。これにより、第2方向yにおいて第1基板10Aの隣に位置するゲート端子24は、複数の第1スイッチング素子30Aのゲート電極33に導通している。第2方向yにおいて第2基板10Bの隣に位置するゲート端子24は、複数の第2スイッチング素子30Bのゲート電極33に導通している。
【0047】
一対の第2接続ワイヤ42は、
図3および
図11に示すように、一対の検出層14と一対の検出端子25とに個別に接続されている。一対の検出端子25においては、一対の第2接続ワイヤ42は、一対のパッド部251の表面に接続されている。これにより、第2方向yにおいて第1基板10Aの隣に位置する検出端子25は、複数の第1スイッチング素子30Aの第1電極31に導通している。第2方向yにおいて第2基板10Bの隣に位置する検出端子25は、複数の第2スイッチング素子30Bの第1電極31に導通している。
【0048】
封止樹脂50は、
図9および
図10に示すように、絶縁基板10(ただし、一対の裏面102を除く。)、導電部材11、複数のスイッチング素子30(複数の第1スイッチング素子30Aおよび複数の第2スイッチング素子30B)を覆っている。封止樹脂50は、複数の第1ワイヤ401、複数の第2ワイヤ402、複数のゲートワイヤ403、複数の検出ワイヤ404、一対の第1接続ワイヤ41、および一対の第2接続ワイヤ42をさらに覆っている。封止樹脂50は、たとえばエポキシ樹脂を含む材料からなる。
図2および
図5~
図8に示すように、封止樹脂50は、頂面51、底面52、一対の第1側面531、一対の第2側面532、複数の第3側面533、複数の第4側面534および複数の取付け孔54を有する。
【0049】
図9および
図10に示すように、頂面51は、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側を向く。底面52は、厚さ方向zの絶縁基板10の裏面102が向く側を向く。
図5に示すように、一対の裏面102は、底面52から露出している。底面52は、一対の裏面102を囲む枠状である。
【0050】
図2および
図5~
図7に示すように、一対の第1側面531は、頂面51および底面52の双方につながり、かつ第1方向xを向く。第1方向xの一方側に位置する第1側面531からは、第1入力端子21の第1端子部212、および第2入力端子22の第2端子部222が、第1方向xの一方側に向けて延びている。第2方向yの他方側に位置する第1側面531からは、出力端子23の端子部232が、第1方向xの他方側に向けて延びている。
【0051】
図2および
図5~
図8に示すように、一対の第2側面532は、頂面51および底面52の双方につながり、かつ第2方向yを向く。一対の第2側面532のいずれか一方からは、一対のゲート端子24の端子部242、一対の検出端子25の端子部252、および複数のダミー端子26の端子部262が露出している。
【0052】
図2および
図5~
図7に示すように、複数の第3側面533は、頂面51および底面52の双方につながり、かつ第2方向yを向く。複数の第3側面533は、第1方向xの一方側に位置する一対の第3側面533と、第1方向xの他方側に位置する一対の第3側面533とを含む。第1方向xの一方側および他方側の各々において、一つの第3側面533は、第2方向yにおいて対向している。また、第1方向xの一方側および他方側の各々において、一対の第3側面533は、第1側面531の第2方向yにおける両側につながっている。
【0053】
図2および
図5~
図8に示すように、複数の第4側面534は、頂面51および底面52の双方につながり、かつ第1方向xを向く。複数の第4側面534は、第1方向xにおいて一対の第1側面531よりも半導体装置B10の外側に位置する。複数の第4側面534は、第1方向xの一方側に位置する一対の第4側面534と、第1方向xの他方側に位置する一対の第4側面534とを含む。第1方向xの一方側および他方側の各々において、一対の第4側面534の第2方向yにおける両側は、一対の第2側面532と一対の第3側面533とにつながっている。
【0054】
図9に示すように、複数の取付け孔54は、厚さ方向zにおいて頂面51から底面52に至って封止樹脂50を貫通している。複数の取付け孔54は、半導体装置B10をヒートシンク(図示略)に取り付ける際に利用される。
図2および
図5に示すように、厚さ方向zに沿って視て、複数の取付け孔54の孔縁は円形状である。複数の取付け孔54は、厚さ方向zに沿って視て封止樹脂50の四隅に位置する。
【0055】
<バスバーC10>
半導体モジュールA10の構成要素に含まれるバスバーC10について説明する。バスバーC10は、第1供給端子61、第2供給端子62、絶縁体69およびモールド樹脂80を備える。
【0056】
第1供給端子61および第2供給端子62は、
図13~
図15に示すように、第1方向xに延びる帯状である。第2供給端子62は、第1供給端子61に対して厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側に離間して配置されている。厚さ方向zに沿って視て、第2供給端子62は、第1供給端子61に重なっている。バスバーC10が示す例においては、第1供給端子61および第2供給端子62の形状は、ともに同一である。第1供給端子61および第2供給端子62は、金属板である。当該金属板は、銅または銅合金からなる。
【0057】
絶縁体69は、
図14に示すように、厚さ方向zにおいて第1供給端子61と第2供給端子62との間に挟まれている。
図16に示すように、第1供給端子61および第2供給端子62の第1方向xの他方側に位置する各々の先端よりも、絶縁体69は、第1方向xの一方側に位置する。絶縁体69は、たとえばガラスエポキシ樹脂を含む材料からなる。第1供給端子61は、厚さ方向zの絶縁基板10の裏面102が向く側において絶縁体69に接している。第2供給端子62は、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側において絶縁体69に接している。これにより、第1供給端子61および第2供給端子62は、厚さ方向zに沿って視て互いに重なり、かつ絶縁体69により互いに電気絶縁されたラミネート配線をなしている。
【0058】
図16に示すように、絶縁体69は、一対の離間部691、および基部692を有する。一対の離間部691は、絶縁体69の第1方向xの一方側に位置している。一対の離間部691は、厚さ方向zにおいて互いに離間している。これにより、厚さ方向zにおいて一対の離間部691の間には、隙間が設けられている。基部692は、絶縁体69のうち、一対の離間部691を除く部分である。基部692の厚さは、一対の離間部691の各々の厚さよりも大である。基部692は、第1方向xの他方側において一対の離間部691の双方につながっている。
【0059】
モールド樹脂80は、
図13および
図14に示すように、第1供給端子61、第2供給端子62および絶縁体69の各々の一部ずつを覆っている。モールド樹脂80の材料は、エポキシ樹脂など、電気絶縁性を有する合成樹脂である。モールド樹脂80の第1方向xの両側から、第1供給端子61、第2供給端子62および絶縁体69の各々の一部ずつが突出している。なお、バスバーC10は、モールド樹脂80を備えない構成でもよい。
【0060】
<半導体モジュールA10>
半導体モジュールA10について説明する。
【0061】
半導体モジュールA10においては、
図16に示すように、第1供給端子61が第1入力端子21の第1端子部212に導通する状態で接合され、かつ第2供給端子62が第2入力端子22の第2端子部222に導通する状態で接合されている。
図15および
図16に示すように、第1供給端子61の第1方向xの他方側は、第1端子部212に重ね合わされている。第2供給端子62の第1方向xの他方側は、第2端子部222に重ね合わされている。この場合において、絶縁部材29の延出部292は、厚さ方向zにおいて絶縁体69の一対の離間部691の間に設けられた隙間に挿入されている。第1供給端子61および第2供給端子62の各々は、レーザ溶接により第1端子部212および第2端子部222の各々に導通する状態で接合されている。
【0062】
半導体モジュールA10においては、第1供給端子61が正極であり、第2供給端子62が負極である。
図17および
図18に示すように、第1供給端子61および第2供給端子62の第1方向xの一方側を直流電源DCに接続させることにより、バスバーC10を介して半導体装置B10に直流電力が供給される。
【0063】
〔第1実施形態の第1変形例〕
図17に基づき、本開示の第1実施形態の第1変形例にかかる半導体モジュールA11について説明する。半導体モジュールA11は、半導体モジュールA10に対して、コンデンサCをさらに備える。
【0064】
図17に示すように、第1供給端子61および第2供給端子62の第1方向xの一方側は、半導体装置B10に直流電力を供給するための直流電源DCに接続されている。コンデンサCは、直流電源DCに接続された第1供給端子61および第2供給端子62に対して並列接続されている。コンデンサCは、セラミックコンデンサやフィルムコンデンサなどである。コンデンサCの静電容量は、半導体装置B10の周波数特性に応じて設定される。
【0065】
〔第1実施形態の第2変形例〕
図18に基づき、本開示の第1実施形態の第2変形例にかかる半導体モジュールA12について説明する。半導体モジュールA12は、半導体モジュールA11に対して、抵抗器Rをさらに備える。
【0066】
図18に示すように、第1供給端子61および第2供給端子62の第1方向xの一方側は、半導体装置B10に直流電力を供給するための直流電源DCに接続されている。コンデンサCは、直流電源DCに接続された第1供給端子61および第2供給端子62に対して並列接続されている。抵抗器Rは、コンデンサCに対して直列接続されている。第1供給端子61および第2供給端子62と、コンデンサCとの導電経路において、抵抗器Rは、第1供給端子61とコンデンサCとの間に接続されている。これにより、半導体モジュールA12においては、スナバ回路(Snubber circuit)が構成されている。
【0067】
次に、半導体モジュールA10の作用効果について説明する。
【0068】
半導体モジュールA10は、第1端子部212を有する第1入力端子21、および第2端子部222を有する第2入力端子22を備える半導体装置B10と、第1供給端子61および第2供給端子62を備えるバスバーC10とを、その構成要素に含む。第2端子部222は、厚さ方向zにおいて第1端子部212に対して離間し、かつ厚さ方向zに沿って視て第1端子部212に重なっている。第2供給端子62は、厚さ方向zにおいて第1供給端子61に対して離間し、かつ厚さ方向zに沿って視て第1供給端子61に重なっている。第1供給端子61が第1端子部212に導通する状態で接合され、第2供給端子62が第2端子部222に導通する状態で接合されている。これにより、半導体モジュールA10において、第1端子部212および第1供給端子61と、第2端子部222および第2供給端子62とによって、連続したラミネート配線がなされている。よって、半導体装置B10には、当該ラミネート配線を介して直流電力が供給されるため、半導体装置B10に発生したインダクタンスを当該ラミネート配線によって、より安定した状態で低減することができる。したがって、半導体モジュールA10によれば、半導体装置B10のインダクタンスをより安定した状態で低減させることが可能となる。
【0069】
半導体装置B10は、厚さ方向zにおいて第1端子部212と第2端子部222との間に挟まれた絶縁部材29をさらに備える。これにより、第1端子部212と第2端子部222とを、容易にラミネート配線とすることができる。
【0070】
バスバーC10は、厚さ方向zにおいて第1供給端子61と第2供給端子62との間に挟まれた絶縁体69をさらに備える。これにより、第1供給端子61と第2供給端子62とを、容易にラミネート配線とすることができる。また、第1供給端子61および第2供給端子62の第1方向xの他方側に位置する各々の先端よりも、絶縁体69は、第1方向xの一方側に位置する。これにより、第1供給端子61および第2供給端子62の第1方向xの他方側において、第1供給端子61と第2供給端子62との間に隙間が形成される。第1端子部212および第2端子部222の第1方向xの一方側を当該隙間に挿入させることにより、第1端子部212および第2端子部222は、厚さ方向zにおいて第1供給端子61と第2供給端子62とにより挟まれた構成をとることができる。換言すると、半導体モジュールA10において、第1端子部212に第1供給端子61が重ね合わせられ、かつ第2端子部222に第2供給端子62が重ね合わされた構成をとることができる。
【0071】
第1供給端子61および第2供給端子62の各々は、レーザ溶接により第1端子部212および第2端子部222の各々に導通する状態で接合されている。レーザ溶接を採用することにより、第1端子部212に第1供給端子61が重ね合わせられ、かつ第2端子部222に第2供給端子62が重ね合わされた場合であっても、第1供給端子61および第2供給端子62の各々を、導通が確保された状態で容易に接合させることができる。
【0072】
絶縁部材29は、介在部291から第1端子部212および第2端子部222よりもさらに第1方向xの一方側に向けて延びる延出部292を有する。絶縁体69は、厚さ方向zにおいて互いに離間する一対の離間部691を有する。
図16に示すように、延出部292は、厚さ方向zにおいて一対の離間部691の間に設けられた隙間に挿入されている。これにより、第1端子部212および第2端子部222の第1方向xの一方側を、第1供給端子61と第2供給端子62との間に設けられた隙間に挿入させる際、半導体装置B10およびバスバーC10の双方において、第1方向xに対する傾斜が抑制される。よって、第1端子部212と第1供給端子61との接触状態と、第2端子部222と第2供給端子62との接触状態が、より安定したものとなる。
【0073】
半導体モジュールA11(
図17参照)においては、第1供給端子61および第2供給端子62に対して並列接続されたコンデンサCをさらに備える。半導体装置B10の複数のスイッチング素子30の駆動により、第1入力端子21および第2入力端子22には、インダクタンスの発生要因となる逆起電力が生じる。コンデンサCは、当該逆起電力を電荷として蓄える機能を果たす。これにより、半導体装置B10のインダクタンスをより効果的に低減することができる。なお、コンデンサCに蓄えられた電荷は、半導体装置B10に供給される直流電力の一部に活用される。
【0074】
半導体モジュールA12(
図18参照)においては、第1供給端子61および第2供給端子62に対して並列接続されたコンデンサCと、コンデンサCに対して直列接続された抵抗器Rとをさらに備える。抵抗器Rは、第1入力端子21および第2入力端子22に生じた逆起電力の電圧を降下させることができる。これにより、コンデンサCの過剰充電を防止することができる。
【0075】
半導体装置B10は、絶縁基板10の裏面102が露出されるように複数のスイッチング素子30を覆う封止樹脂50を備える。これにより、裏面102をヒートシンクに接合させることが可能となるため、半導体装置B10の放熱性を向上させることができる。また、第1端子部212、第2端子部222および絶縁部材29の各々の一部ずつが、封止樹脂50に覆われている。これにより、第1入力端子21、第2入力端子22および絶縁部材29を、封止樹脂50に支持させることができる。
【0076】
〔第2実施形態〕
図19~
図24に基づき、本開示の第2実施形態にかかる半導体モジュールA20について説明する。これらの図において、先述した半導体モジュールA10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。半導体モジュールA20は、半導体装置B10およびバスバーC20を備える。これらのうち、バスバーC20の構成が、先述した半導体モジュールA10に対して異なる。なお、半導体装置B10の構成は、先述した半導体モジュールA10に対して同一であるため、ここでの説明は省略する。なお、
図20および
図21は、理解の便宜上、モールド樹脂80を透過している。
【0077】
<バスバーC20>
半導体モジュールA20の構成要素に含まれるバスバーC20について説明する。バスバーC20は、第1供給端子61、第2供給端子62、絶縁体69、絶縁基材70、第1導電層71、第2導電層72およびモールド樹脂80を備える。
【0078】
第1供給端子61は、
図21、
図22および
図24に示すように、第1接続部611および第1起立部612を有する。第1接続部611は、第1方向xに延びる帯状である。第1接続部611は、厚さ方向zの絶縁基板10の裏面102が向く側において絶縁体69に接している。第1起立部612は、第1接続部611の第1方向xの一方側における先端から、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側に向けて延びている。バスバーC20が示す例においては、第1起立部612は、第2方向yにおいて相互に離間した3つの領域を有する。よって、第1起立部612は、櫛歯状をなしている。なお、当該領域の数は、本構成に限定されない。
【0079】
第2供給端子62は、
図20、
図22および
図23に示すように、第2接続部621および第2起立部622を有する。第2接続部621は、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側において絶縁体69に接している。第2接続部621は、厚さ方向zに沿って視て第1接続部611に重なっている。第2起立部622は、第2接続部621の第1方向xの一方側における先端から、厚さ方向zの主面101が向く側に向けて延びている。バスバーC20が示す例においては、第2起立部622は、第2方向yにおいて相互に離間した3つの領域を有する。よって、第2起立部622は、櫛歯状をなしている。なお、当該領域の数は、本構成に限定されない。第2起立部622は、第1起立部612よりも第1方向xの他方側に位置し、かつ第1方向xに沿って視て第1起立部612に重なっている。第1方向xにおいて、第2起立部622と第2接続部621との間には、モールド樹脂80が介在している。
【0080】
絶縁体69は、
図22および
図23に示すように、厚さ方向zにおいて第1供給端子61の第1接続部611と、第2供給端子62の第2接続部621との間に挟まれている。第1接続部611および第2接続部621の第1方向xの他方側に位置する各々の先端よりも、絶縁体69は、第1方向xの一方側に位置する。絶縁体69は、バスバーC10の絶縁体69と同様に、一対の離間部691、および基部692を有する。
【0081】
以上より、厚さ方向zに沿って視て、第2供給端子62の少なくとも一部が第1供給端子61に重なっている。第2供給端子62は、第1供給端子61に対して厚さ方向zの主面101が向く側に離間している。また、第1供給端子61および第2供給端子62は、厚さ方向zおよび第1方向xの双方に沿って視て互いに重なる部分を有し、かつ絶縁体69およびモールド樹脂80により互いに電気絶縁されたラミネート配線をなしている。
【0082】
絶縁基材70は、
図19および
図22に示すように、第1方向xに延びる帯状である。絶縁基材70は、第2供給端子62の第2接続部621に対して厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側に配置されている。絶縁基材70は、ガラスエポキシ樹脂、またはアルミナなどのセラミックスを含む材料からなる。
【0083】
第1導電層71は、
図22に示すように、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側において絶縁基材70に配置されている。
図20に示すように、第1導電層71の第1方向xの他方側における先端は、絶縁基材70の第1方向xの他方側における先端よりも第1方向xの一方側に位置する。第1導電層71は、金属板である。当該金属板は、銅または銅合金からなる。
【0084】
第2導電層72は、
図22に示すように、厚さ方向zの絶縁基板10の裏面102が向く側において絶縁基材70に配置されている。第2導電層72には、厚さ方向zに貫通する開口部721が設けられている。
図21に示すように、厚さ方向zに沿って視て、開口部721は矩形状である。以上より、第1導電層71および第2導電層72は、厚さ方向zに沿って視て互いに重なる部分を有し、かつ絶縁基材70により互いに電気絶縁されたラミネート配線をなしている。
【0085】
図20~
図24(
図23を除く)に示すように、絶縁基材70および第1導電層71の双方には、厚さ方向zに貫通する複数の第1貫通孔731が設けられている。複数の第1貫通孔731の数は、第1供給端子61の第1起立部612の領域の数に対応している。複数の第1貫通孔731は、第2方向yに沿って配列されている。
図21に示すように、複数の第1貫通孔731は、第2導電層72の開口部721の中に位置する。第1起立部612は、複数の第1貫通孔731に挿入されている。
図24に示すように、第1起立部612は、導電接合層79により第1導電層71に導通する状態で接合されている。導電接合層79は、たとえば錫を主成分とする鉛フリーはんだである。これにより、第1供給端子61は、第1導電層71に導通している。
【0086】
図20、
図22および
図23に示すように、絶縁基材70および第2導電層72の双方には、厚さ方向zに貫通する複数の第2貫通孔732が設けられている。複数の第2貫通孔732の数は、第2供給端子62の第2起立部622の領域の数に対応している。複数の第2貫通孔732は、複数の第1貫通孔731よりも第1方向xの他方側に位置する。複数の第2貫通孔732は、第2方向yに沿って配列されている。第2起立部622は、複数の第2貫通孔732に挿入されている。
図23に示すように、第2起立部622は、導電接合層79により第2導電層72に導通する状態で接合されている。これにより、第2供給端子62は、第2導電層72に導通している。
【0087】
モールド樹脂80は、
図19および
図22に示すように、第1供給端子61、第2供給端子62、絶縁体69、絶縁基材70、第1導電層71および第2導電層72の各々の一部ずつを覆っている。モールド樹脂80の第1方向xの一方側から、絶縁基材70、第1導電層71および第2導電層72の各々の一部ずつが突出している。モールド樹脂80の第1方向xの他方側から、第1供給端子61の第1接続部611、第2供給端子62の第2接続部621、および絶縁体69の各々の一部ずつが突出している。
【0088】
<半導体モジュールA20>
半導体モジュールA20について説明する。
【0089】
半導体モジュールA20においては、
図22に示すように、第1供給端子61の第1接続部611が第1入力端子21の第1端子部212に導通する状態で接合され、かつ第2供給端子62の第2接続部621が第2入力端子22の第2端子部222に導通する状態で接合されている。第1接続部611の第1方向xの他方側は、第1端子部212に重ね合わされている。第2接続部621の第1方向xの他方側は、第2端子部222に重ね合わされている。この場合において、絶縁部材29の延出部292は、厚さ方向zにおいて絶縁体69の一対の離間部691の間に設けられた隙間に挿入されている。第1接続部611および第2接続部621の各々は、レーザ溶接により第1端子部212および第2端子部222の各々に導通する状態で接合されている。
【0090】
半導体モジュールA20においては、第1供給端子61および第1導電層71が正極であり、第2供給端子62および第2導電層72が負極である。
図25および
図26に示すように、第1導電層71および第2導電層72の第1方向xの一方側を直流電源DCに接続させることにより、バスバーC20を介して半導体装置B10に直流電力が供給される。
【0091】
〔第2実施形態の第1変形例〕
図25に基づき、本開示の第2実施形態の第1変形例にかかる半導体モジュールA21について説明する。半導体モジュールA21は、半導体モジュールA20に対して、コンデンサCをさらに備える。
【0092】
図25に示すように、第1導電層71および第2導電層72の第1方向xの一方側は、半導体装置B10に直流電力を供給するための直流電源DCに接続されている。コンデンサCは、直流電源DCに接続された第1導電層71および第2導電層72に対して並列接続されている。
【0093】
〔第2実施形態の第2変形例〕
図26に基づき、本開示の第2実施形態の第2変形例にかかる半導体モジュールA22について説明する。半導体モジュールA22は、半導体モジュールA21に対して、抵抗器Rをさらに備える。
【0094】
図26に示すように、第1導電層71および第2導電層72の第1方向xの一方側は、半導体装置B10に直流電力を供給するための直流電源DCに接続されている。コンデンサCは、直流電源DCに接続された第1導電層71および第2導電層72に対して並列接続されている。抵抗器Rは、コンデンサCに対して直列接続されている。第1導電層71および第2導電層72と、コンデンサCとの導電経路において、抵抗器Rは、第1導電層71とコンデンサCとの間に接続されている。これにより、半導体モジュールA22においては、スナバ回路が構成されている。
【0095】
次に、半導体モジュールA20の作用効果について説明する。
【0096】
半導体モジュールA20は、半導体装置B10と、第1接続部611を有する第1供給端子61、および第2接続部621を有する第2供給端子62を備えるバスバーC20とを、その構成要素に含む。第2供給端子62は、厚さ方向zにおいて第1供給端子61に対して離間し、かつ厚さ方向zに沿って視て第1供給端子61に少なくともその一部(第2接続部621)が重なっている。第1接続部611が第1端子部212に導通する状態で接合され、第2接続部621が第2端子部222に導通する状態で接合されている。したがって、半導体モジュールA20によっても、半導体装置B10のインダクタンスをより安定した状態で低減させることが可能となる。
【0097】
バスバーC20は、絶縁基材70、第1導電層71および第2導電層72をさらに備える。第1導電層71は、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側において絶縁基材70に配置されている。第2導電層72は、厚さ方向zの絶縁基板10の裏面102が向く側において絶縁基材70に配置されている。第1供給端子61は、第1導電層71に導通している。第2供給端子62は、第2導電層72に導通している。これにより、半導体モジュールA20において、第1導電層71が正極となり、第2導電層72が負極となる。したがって、半導体装置B10の裏面102をヒートシンクに接合させた際、第1導電層71および第2導電層72に接続される直流電源DC(
図25および
図26参照)の接地をヒートシンクに設定することが、より容易となる。
【0098】
第1供給端子61は、第1接続部611の第1方向xの一方側における先端から、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側に向けて延びる第1起立部612を有する。第1起立部612は、第1導電層71に導通する状態で接合されている。第2供給端子62は、第1起立部612の第1方向xの一方側における先端から、厚さ方向zの主面101が向く側に向けて延びる第2起立部622を有する。第2起立部622は、第2導電層72に導通する状態で接合されている。第2起立部622は、第1方向xに沿って視て第1起立部612に重なっている。これにより、バスバーC20において、第1供給端子61および第1導電層71と、第2供給端子62および第2導電層72とによって、連続したラミネート配線をなすことができる。
【0099】
絶縁基材70および第1導電層71には、厚さ方向zに貫通する第1貫通孔731が設けられている。第1起立部612を第1貫通孔731に挿入させることにより、第1起立部612を第1導電層71に導通する状態で接合させることができる。絶縁基材70および第2導電層72には、厚さ方向zに貫通する第2貫通孔732が設けられている。第2起立部622を第2貫通孔732に挿入させることにより、第2起立部622を第2導電層72に導通する状態で接合させることができる。また、第2貫通孔732は、第1貫通孔731よりも第1方向xの他方側に位置する。これにより、第1起立部612および第2起立部622が、互いに干渉することを回避できる。
【0100】
〔第3実施形態〕
図27~
図33に基づき、本開示の第3実施形態にかかる半導体モジュールA30について説明する。これらの図において、先述した半導体モジュールA10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。半導体モジュールA30は、半導体装置B20およびバスバーC30を備える。
【0101】
<半導体装置B20>
半導体モジュールA30の構成要素に含まれる半導体装置B20について説明する。半導体装置B20においては、第1入力端子21および第2入力端子22の構成が、先述した半導体モジュールA10を構成する半導体装置B10に対して異なる。
【0102】
図27、
図29および
図30に示すように、第1入力端子21の第1端子部212は、第1基部212Aおよび第1フランジ部212Bを有する。第1基部212Aは、第1方向xに延びている。第1基部212Aの第2方向yの両側は、封止樹脂50に覆われている。第1フランジ部212Bは、第1基部212Aの第1方向xの一方側における先端から、厚さ方向zの絶縁基板10の裏面102が向く側に向けて延びている。第1フランジ部212Bには、第1方向xに貫通する第1孔212Cが設けられている。
【0103】
図28~
図30に示すように、第2入力端子22の第2端子部222は、第2基部222Aおよび第2フランジ部222Bを有する。第2基部222Aは、第1方向xに延びている。第2基部222Aの第2方向yの両側は、封止樹脂50に覆われている。第2フランジ部222Bは、第2基部222Aの第1方向xの一方側における先端から、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側に向けて延びている。第2フランジ部222Bには、第1方向xに貫通する第2孔222Cが設けられている。
【0104】
図30に示すように、絶縁部材29の介在部291は、厚さ方向zにおいて第1端子部212の第1基部212Aと、第2端子部222の第2基部222Aとの間に位置する。第2入力端子22は、第1入力端子21に対して厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側に離間している。
【0105】
<バスバーC30>
半導体モジュールA30の構成要素に含まれるバスバーC30について説明する。バスバーC30においては、第1供給端子61、第2供給端子62および絶縁体69の構成が、先述した半導体モジュールA10を構成するバスバーC10に対して異なる。
【0106】
図32に示すように、第1供給端子61は、第3基部613および第3フランジ部614を有する。第3基部613は、第1方向xに延びている。第3基部613は、厚さ方向zの絶縁基板10の裏面102が向く側において絶縁体69に接している。第3フランジ部614は、第3基部613の第1方向xの他方側における先端から、厚さ方向zの裏面102が向く側に向けて延びている。
図33に示すように、第3フランジ部614には、第1方向xに貫通する第3孔615が設けられている。第3孔615の位置および大きさは、第1端子部212の第1フランジ部212Bに設けられた第1孔212Cのこれらに対応している。
【0107】
図31および
図32に示すように、第2供給端子62は、第4基部623および第4フランジ部624を有する。第4基部623は、第1方向xに延びている。第4基部623は、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側において絶縁体69に接している。第4フランジ部624は、第4基部623の第1方向xの他方側における先端から、厚さ方向zの主面101が向く側に向けて延びている。
図33に示すように、第4フランジ部624には、第1方向xに貫通する第4孔625が設けられている。第4孔625の位置および大きさは、第2端子部222の第2フランジ部222Bに設けられた第2孔222Cのこれらに対応している。
【0108】
図32に示すように、第2供給端子62は、第1供給端子61に対して厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側に離間している。第1供給端子61の第3基部613、および第2供給端子62の第4基部623は、厚さ方向zに沿って視て互いに重なり、かつ絶縁体69により互いに電気絶縁されたラミネート配線をなしている。なお、バスバーC30は、モールド樹脂80を備えない構成でもよい。
【0109】
<半導体モジュールA30>
半導体モジュールA30について説明する。
【0110】
半導体モジュールA30においては、
図32に示すように、第1供給端子61の第3フランジ部614が、第1端子部212(第1入力端子21)の第1フランジ部212Bに導通する状態で接合されている。第3フランジ部614が第1フランジ部212Bに突き合わされている。
図31および
図32に示すように、第2供給端子62の第4フランジ部624が、第2端子部222(第2入力端子22)の第2フランジ部222Bに導通する状態で接合されている。第4フランジ部624が第2フランジ部222Bに突き合わされている。この場合において、
図33に示すように、絶縁部材29の延出部292は、厚さ方向zにおいて第1供給端子61の第3基部613と、第2供給端子62の第4基部623との間に設けられた隙間に挿入されている。
【0111】
図33に示すように、第1端子部212の第1フランジ部212Bに設けられた第1孔212Cと、第1供給端子61の第3フランジ部614に設けられた第3孔615とに、締結部材90が挿入されている。締結部材90は、たとえばボルト・ナットである。これにより、第1フランジ部212Bと第3フランジ部614とが導通する状態で接合されている。また、第2端子部222の第2フランジ部222Bに設けられた第2孔222Cと、第2供給端子62の第4フランジ部624に設けられた第4孔625とに、締結部材90が挿入されている。これにより、第2フランジ部222Bと第4フランジ部624とが導通する状態で接合されている。
【0112】
半導体モジュールA30においては、第1供給端子61が正極であり、第2供給端子62が負極である。このため、半導体モジュールA10の場合と同じく、第1供給端子61および第2供給端子62の第1方向xの一方側を直流電源DC(
図17および
図18参照)に接続させることにより、バスバーC30を介して半導体装置B20に直流電力が供給される。
【0113】
図17に示す半導体モジュールA11と同じく、半導体モジュールA30は、第1供給端子61および第2供給端子62に対して並列接続されたコンデンサCをさらに備える構成とすることができる。また、
図18に示す半導体モジュールA12と同じく、半導体モジュールA30は、コンデンサCと、コンデンサCに対して直列接続された抵抗器Rとをさらに備える構成とすることができる。
【0114】
次に、半導体モジュールA30の作用効果について説明する。
【0115】
半導体モジュールA30は、第1端子部212を有する第1入力端子21、および第2端子部222を有する第2入力端子22を備える半導体装置B20と、第1供給端子61および第2供給端子62を備えるバスバーC30とを、その構成要素に含む。第2端子部222は、厚さ方向zにおいて第1端子部212に対して離間し、かつ厚さ方向zに沿って視て第1端子部212に重なっている。第2供給端子62は、厚さ方向zにおいて第1供給端子61に対して離間し、かつ厚さ方向zに沿って視て第1供給端子61に重なっている。第1供給端子61が第1端子部212に導通する状態で接合され、第2供給端子62が第2端子部222に導通する状態で接合されている。したがって、半導体モジュールA30によっても、半導体装置B20のインダクタンスをより安定した状態で低減させることが可能となる。
【0116】
第1端子部212は、第1基部212Aの第1方向xの一方側における先端から、厚さ方向zの絶縁基板10の裏面102が向く側に向けて延びる第1フランジ部212Bを有する。第2端子部222は、第2基部222Aの第1方向xの一方側における先端から、厚さ方向zの絶縁基板10の主面101が向く側に向けて延びる第2フランジ部222Bを有する。第1供給端子61は、第3基部613の第1方向xの他方側における先端から、厚さ方向zの裏面102が向く側に向けて延びる第3フランジ部614を有する。第2供給端子62は、第4基部623の第1方向xの他方側における先端から、厚さ方向zの主面101が向く側に向けて延びる第4フランジ部624を有する。第3フランジ部614は、第1フランジ部212Bに突き合わされている。これらは、締結部材90により互いに接合されている。これにより、第1供給端子61を第1端子部212に導通する状態で接合させることができる。第4フランジ部624は、第2フランジ部222Bに突き合わされている。これらは、締結部材90により互いに接合されている。これにより、第2供給端子62を第2端子部222に導通する状態で接合させることができる。
【0117】
本開示は、先述した実施形態に限定されるものではない。本開示の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0118】
本開示における種々の実施形態は、以下の付記として規定しうる。
【0119】
付記1.厚さ方向において互いに反対側を向く主面および裏面を有する絶縁基板と、前記主面に配置された導電部材と、前記導電部材に導通する状態で接合された複数のスイッチング素子と、第1端子部を有し、かつ前記導電部材に導通する状態で接合された第1入力端子と、前記厚さ方向に沿って視て前記第1端子部に重なる第2端子部を有し、かつ前記厚さ方向において前記第1入力端子および前記導電部材の双方に対して離間して配置されるとともに、前記複数のスイッチング素子に導通する第2入力端子と、を備える半導体装置と、
第1供給端子と、前記厚さ方向において前記第1供給端子に対して離間して配置され、かつ前記厚さ方向に沿って視て前記第1供給端子に少なくとも一部が重なる第2供給端子と、を備えるバスバーと、を構成要素に含み、
前記第1供給端子が前記第1端子部に導通する状態で接合されており、
前記第2供給端子が前記第2端子部に導通する状態で接合されている、半導体モジュール。
【0120】
付記2.前記半導体装置は、前記厚さ方向において前記第1端子部と前記第2端子部との間に挟まれた絶縁部材をさらに備える、付記1に記載の半導体モジュール。
【0121】
付記3.前記厚さ方向に沿って視て、前記第1端子部および前記第2端子部は、前記厚さ方向に対して直交する第1方向の一方側に向けて延び、
前記絶縁部材は、前記厚さ方向において前記第1端子部と前記第2端子部との間に位置する介在部と、前記介在部から前記第1端子部および前記第2端子部よりもさらに前記第1方向の前記一方側に向けて延びる延出部と、を有する、付記2に記載の半導体モジュール。
【0122】
付記4.前記バスバーは、前記厚さ方向において前記第1供給端子と前記第2供給端子との間に挟まれた絶縁体をさらに備え、
前記第1供給端子および前記第2供給端子の前記第1方向の他方側に位置する各々の先端よりも、前記絶縁体は、前記第1方向の前記一方側に位置する、付記3に記載の半導体モジュール。
【0123】
付記5.前記絶縁体は、前記厚さ方向において互いに離間する一対の離間部を有し、
前記延出部は、前記厚さ方向において一対の前記離間部の間に設けられた隙間に挿入されている、付記4に記載の半導体モジュール。
【0124】
付記6.前記第2端子部は、前記第1端子部に対して前記厚さ方向の前記主面が向く側に離間し、
前記第2供給端子は、前記第1供給端子に対して前記厚さ方向の前記主面が向く側に離間している、付記5に記載の半導体モジュール。
【0125】
付記7.前記第1供給端子の前記第1方向の前記他方側が前記第1端子部に重ね合わされており、
前記第2供給端子の前記第1方向の前記他方側が前記第2端子部に重ね合わされている、付記6に記載の半導体モジュール。
【0126】
付記8.前記第1供給端子および前記第2供給端子の各々は、レーザ溶接により前記第1端子部および前記第2端子部の各々に導通する状態で接合されている、付記7に記載の半導体モジュール。
【0127】
付記9.前記バスバーは、絶縁基材と、前記厚さ方向の前記主面が向く側において前記絶縁基材に配置された第1導電層と、前記厚さ方向の前記裏面が向く側において前記絶縁基材に配置された第2導電層と、をさらに備え、
前記第1供給端子は、前記第1導電層に導通し、
前記第2供給端子は、前記第2導電層に導通している、付記6に記載の半導体モジュール。
【0128】
付記10.前記第1供給端子は、前記第1端子部および前記絶縁体の双方に接する第1接続部と、前記第1接続部の前記第1方向の前記一方側における先端から、前記厚さ方向の前記主面が向く側に向けて延びる第1起立部と、を有し、
前記絶縁基材および前記第1導電層の双方には、前記厚さ方向に貫通する第1貫通孔が設けられ、
前記第1起立部は、前記第1貫通孔に挿入され、かつ前記第1導電層に導通する状態で接合されている、付記9に記載の半導体モジュール。
【0129】
付記11.前記第2供給端子は、前記第2端子部および前記絶縁体の双方に接し、かつ前記厚さ方向に沿って視て前記第1接続部に重なる第2接続部と、前記第2接続部の前記第1方向の前記一方側における先端から、前記厚さ方向の前記主面が向く側に向けて延び、かつ前記第1方向に沿って視て前記第1起立部に重なる第2起立部と、を有し、
前記絶縁基材および前記第2導電層の双方には、前記第1貫通孔よりも前記第1方向の前記他方側に位置し、かつ前記厚さ方向に貫通する第2貫通孔が設けられ、
前記第2起立部は、前記第2貫通孔に挿入され、かつ前記第2導電層に導通する状態で接合されている、付記10に記載の半導体モジュール。
【0130】
付記12.前記延出部は、前記厚さ方向において前記第1供給端子と前記第2供給端子との間に設けられた隙間に挿入されている、付記4に記載の半導体モジュール。
【0131】
付記13.前記第2端子部は、前記第1端子部に対して前記厚さ方向の前記主面が向く側に離間し、
前記第2供給端子は、前記第1供給端子に対して前記厚さ方向の前記主面が向く側に離間し、
前記第1端子部は、前記第1方向に延びる第1基部と、前記第1基部の前記第1方向の前記一方側における先端から、前記厚さ方向の前記裏面が向く側に向けて延びる第1フランジ部と、を有し、
前記第2端子部は、前記第1方向に延びる第2基部と、前記第2基部の前記第1方向の前記一方側における先端から、前記厚さ方向の前記主面が向く側に向けて延びる第2フランジ部と、を有し、
前記第1供給端子は、前記第1方向に延びる第3基部と、前記第3基部の前記第1方向の前記他方側における先端から、前記厚さ方向の前記裏面が向く側に向けて延びる第3フランジ部と、を有し、
前記第2供給端子は、前記第1方向に延びる第4基部と、前記第4基部の前記第1方向の前記他方側における先端から、前記厚さ方向の前記主面が向く側に向けて延びる第4フランジ部と、を有し、
前記第3フランジ部が前記第1フランジ部に突き合わされており、
前記第4フランジ部が前記第2フランジ部に突き合わされている、付記12に記載の半導体モジュール。
【0132】
付記14.前記第1フランジ部および前記第3フランジ部と、前記第2フランジ部および前記第4フランジ部とは、締結部材により各々が導通する状態で接合されている、付記13に記載の半導体モジュール。
【0133】
付記15.前記第1供給端子および前記第2供給端子に対して並列接続されたコンデンサをさらに備える、付記2ないし14のいずれかに記載の半導体モジュール。
【0134】
付記16.前記コンデンサに対して直列接続された抵抗器をさらに備える、付記15に記載の半導体モジュール。
【0135】
付記17.前記半導体装置は、前記裏面が露出されるように前記複数のスイッチング素子を覆う封止樹脂をさらに備え、
前記第1端子部、前記第2端子部および前記絶縁部材の各々の一部ずつが、前記封止樹脂に覆われている、付記2ないし16のいずれかに記載の半導体モジュール。