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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】パッド入り封筒
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/03 20060101AFI20240605BHJP
【FI】
B65D81/03
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023505391
(86)(22)【出願日】2021-07-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 US2021042688
(87)【国際公開番号】W WO2022026281
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】63/056,822
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513206315
【氏名又は名称】ランパク コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ジェイ グリッツァ
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05544473(US,A)
【文献】特開2020-083334(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0107017(US,A1)
【文献】特開2012-020771(JP,A)
【文献】国際公開第2010/101232(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/03
B65D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前シートおよび後シート(14,16)によって形成された袋体(12)であって、各前記シートが、下縁(14a,16a)、上縁(14b,16b)、および対向する側縁(14c,16c)を備え、前記シートが、それぞれの前記下縁(14a,16a)に沿って、かつそれぞれの前記対向する側縁(14c,16c)に沿って、内部空間(22)を画定するように連結され、前記下縁(14a,16a)から前記上縁(14b,16b)に向かう方向が下から上への方向(20)であり、前記シートの前記上縁(14b,16b)が、前記内部空間(22)への開口(24)を形成するために連結されていない袋体(12)と、
前記内部空間(22)内に配置されたライナ(18)であって、下縁(18a)、上縁(18b)および対向する側縁(18c)を含む少なくとも1つの拡張可能シート(19)を備え、該拡張可能シート(19)の前記下縁(18a)が、各前記下縁(14a,16a)近傍の前記前シートおよび前記後シート(14,16)の少なくとも1つに固定され、前記拡張可能シート(19)の前記上縁(18b)および前記対向する側縁(18c)が、前記拡張可能シート(19)が前記袋体(12)に対して前記下から上への方向(20)に自由に拡張するように、前記前シートおよび前記後シート(14,16)に固定されていないライナ(18)と、を備え、
前記拡張可能シート(19)の前記上縁(18b)を前記袋体(12)に対して前記下から上への方向(20)に引っ張ると、前記拡張可能シート(19)が拡張して前記ライナ(18)の厚さを増大させるパッド入り封筒(10)。
【請求項2】
前記拡張可能シート(19)が、複数のスリット(28)によって形成された複数の列(30)を有する拡張可能なスリットシート材(26)を含み、各前記複数の列(30)が、前記下から上への方向(20)を横切って延び、前記列(30)を形成する前記複数のスリット(28)が、前記下から上への方向(20)を横切って延びている請求項1に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項3】
前記拡張可能シート(19)は、該拡張可能シート(19)が平面内に平らに横たわる比較的平坦な非拡張状態と、前記スリット(18)が開口(29)を形成するように開かれ、前記スリット(28)間の前記スリットシート材(26)の部分が前記平面から外れて回転した拡張状態とを有する請求項2記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項4】
前記内部空間(22)に配置された分離シートをさらに備え、該分離シートが、上縁、下縁、および対向する側縁を備え、該分離シートの前記下縁および前記対向する側縁の少なくとも1つが、これら各縁近傍の前記前シートおよび前記後シート(14,16)の少なくとも1つに固定されている請求項1または請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項5】
ユーザが前記拡張可能シート(19)の前記上縁(18b)を前記袋体(12)に対して前記下から上への方向(20)に引っ張って拡張を生じさせ易くするために、前記少なくとも1つの拡張可能シート(19)の前記上縁(18b)から延び、前記開口(24)から外側に延びるプルタブ(46)をさらに備える請求項1または請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項6】
前記プルタブ(46)が、プルタブ取外可能剥離ライナ(50)によって覆われたプルタブ接着層(48)を備える請求項5に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項7】
前記前シートおよび前記後シート(14,16)が紙から作られている請求項1または請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項8】
前記拡張可能シート(19)が紙から作られている請求項1または請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項9】
前記分離シートが紙から作られている請求項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項10】
前記袋体(12)の前記後シート(16)が、前記前シート(14)よりも、前記下から上への方向(20)の長さが大きく、それによって、前記前シートおよび前記後シート(14,16)の前記下縁(14a,16a)が揃えられたときに、前記後シート(16)の前記上縁(16b)が、前記前シート(14)の前記上縁(14b)を前記下から上への方向(20)に越えて延び、袋体フラップ(34)を形成する請求項1または請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項11】
前記後シート(16)が、前記開口(24)を閉じるために前記袋体フラップ(34)を前記前シート(14)の上縁(14b)の上に折ることを容易にするために、前記前シート(14)の前記上縁(14b)近傍に折り線(36)を備える請求項10に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項12】
前記袋体フラップ(34)が、前記後シート(16)の内面における該後シート(16)の前記上縁(16b)近傍に袋体フラップ接着層(38)を備え、前記後シート(16)の前記内面が、前記袋体(12)の前記内部空間(22)に面する請求項10または請求項11に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項13】
前記袋体フラップ接着層(38)が、袋体フラップ取外可能剥離ライナ(40)によって覆われている請求項12に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項14】
前記前シート(14)が、該前シート(14)の外面に、該前シート(14)の前記上縁(14b)近傍に前シート接着層(42)を備え、前記前シート(14)の前記外面が前記袋体(12)の外部に面する請求項1または請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項15】
前記前シート接着層(42)が、前シート取外可能剥離ライナ(44)によって覆われている請求項14に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項16】
前記袋体(12)が、該袋体(12)の前記開口(24)を閉じるために、前記前シートおよび前記後シート(14,16)のそれぞれの前記上縁(14b,16b)近傍に機械的ファスナを備える請求項1または請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項17】
前記袋体(12)が、該袋体(12)の前記開口(24)を閉じるために、前記前シートおよび前記後シート(14,16)のそれぞれの前記上縁(14b,16b)近傍にガムシールを備える請求項1または請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項18】
前記袋体(12)は、前記前シート(14)が後シート(16)に、それらの各前記下縁(14a,16a)および各前記対向する側縁(14c,16c)に沿って連結される少なくとも1つのマチを備える請求項1または請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)。
【請求項19】
前記パッド入り封筒(10)を提供するステップと、
物品を前記袋体(12)の前記内部空間(22)に挿入するステップと、
前記拡張可能シート(19)の前記上縁(18b)を引っ張って、前記拡張可能シート(19)を拡張させ、前記ライナ(18)の厚さを増大させるステップと、
前記引っ張るステップの後に、前記拡張可能シート(19)の上縁(18b)を前記袋体(12)に固定するステップと、
前記袋体(12)の前記開口(24)を閉じるステップと、を含む請求項1または請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)を用いた出荷のために物品を梱包する方法。
【請求項20】
対面して配置された前記前シートおよび前記後シート(14,16)を提供するステップであって、各前記シートが、それらのそれぞれの前記下縁(14a,16a)、それらのそれぞれの前記上縁(14b、16b)およびそれらの前記対向する側縁(14c、16c)を備えるステップと、
前記前シートおよび前記後シート(14,16)を、それぞれの前記下縁(14a、16a)に沿って、かつ、それぞれの前記対向する側縁(14c、16c)に沿って連結して内部空間(22)を画定するステップであって、前記シートの前記上縁(14b,16b)が、前記内部空間(22)への開口(24)を形成するために、連結されないままに維持されるステップと、
前記ライナ(18)を前記内部空間(22)に配置するステップであって、前記ライナ(18)が、前記少なくとも1つの拡張可能シート(19)の前記下縁(18a)、前記上縁(18b)、および前記対向する側縁(18c)を有する少なくとも1つの拡張可能シート(19)を備えるステップと、
前記拡張可能シート(19)の前記下縁(18a)を、前記前シートおよび前記後シート(14,16)の前記下縁(14a.14b)近傍の前記袋体(12)に固定するステップであって、前記拡張可能シート(19)の前記上縁(18b)および前記対向する側縁(18c)が、前記袋体(12)の前記前シートおよび前記後シート(14,16)に対して自由に移動可能であるステップと、を含み、
前記拡張可能シート(19)の前記上縁(18b)を前記袋体(12)に対して前記下から上への方向(20)に引っ張ることにより、前記拡張可能シート(19)を拡張させ、かつ、前記ライナ(18)の厚さを増大させる請求項1または請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のパッド入り封筒(10)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して郵便包装の分野に関し、より詳細には、物品を郵送するためのパッド入り包装封筒に関する。
【背景技術】
【0002】
パッド入り封筒などのパッド入り郵便包装は、物品、特に壊れやすい物品を発送するためにしばしば使用される。パッド入り封筒は、典型的には、封筒の内側を内装するプラスチック製の気泡材料を用いて作られるが、発泡材、再生繊維の綿毛、および紙ベースのクッション材などの代替品が使用されることもある。従来のパッド入り封筒は、使用可能な状態に、製造されかつユーザに提供されるという制限を受ける。具体的には、使用可能な状態において、これらのパッド入り封筒は、通常、製造施設から使用地点までの出荷中に、ユーザ(発送人)から受取人までと同じ大きさのスペースを占有する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、コンパクトな状態で、製造され、エンドユーザまで輸送され、かつ、保管され、その後、使用されるときに、クッション性が増大させられた、より大きな嵩の状態に拡張されるパッド入り封筒を説明する。したがって、ここで説明するパッド入り封筒は、製造施設から使用地点までのパッド入り封筒の製造および出荷をより効率的かつ安価に行うことを可能にする。
【0004】
例示的なパッド入り封筒は、それぞれの下縁において、かつ、それぞれの対向する側縁に沿って連結されている一方、それぞれの上縁においては連結されないままである前シートおよび後シートによって形成された袋体を含む。パッド入り封筒は、拡張していない状態の少なくとも1つの拡張可能シートからなるライナであって、それぞれの下縁近傍において前シートおよび後シートの少なくとも1つに固定され、かつ、拡張可能シートが袋体に対して下から上への方向に自由に移動できるように、側縁および上縁において連結されていないライナを備える。ユーザは、減容された状態または拡張していない状態でパッド入り封筒を受け取ると、パッド入り封筒の袋体内に物品を配置し、拡張可能シートを下から上への方向に引っ張り、それによって拡張可能シートを拡張させることができる。拡張可能シートが拡張することにより、ライナの厚さが増大し、それによって、クッション性が向上した、より大きな嵩の状態に、パッド入り封筒を移行させることができる。パッド入り封筒が封緘されると、拡張可能シートは、発送人から受取人への出荷中に、クッション性が増大させられた、より大きな嵩の状態を維持し、搬送中の物品を保護する。
【0005】
例示的なパッド入り封筒は、前シートおよび後シートによって形成された袋体を備える。各シートは、下縁、上縁および対向する側縁を含む。シートは、それぞれの下縁に沿って、かつ、それぞれの対向する側縁のそれぞれに沿って連結され、内部空間を画定する。下縁から上縁への方向は、下から上への方向である。シートの上縁は、内部空間への開口を形成するために、連結されていない。パッド入り封筒は、さらに、内部空間内に配置されたライナを含む。ライナは、下縁、上縁および対向する側縁を有する少なくとも1つの拡張可能シートを含む。拡張可能シートの下縁は、それぞれの下縁に隣接する前シートおよび後シートの少なくとも一方に固定され、拡張可能シートの上縁および対向する側縁は、拡張可能シートが袋体に対して下から上への方向に自由に拡張できるように前シートおよび後シートに対して固定されていない。拡張可能シートの上縁を袋体に対して下から上への方向に引っ張ることにより、拡張可能シートが拡張させられ、ライナの厚さが増大させられる。
【0006】
パッド入り封筒の1つ以上の実施形態は、拡張可能シートが拡張可能なスリットシート材を含むなどの特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。拡張可能なスリットシート材は、複数のスリットによって形成された複数の列を有する。複数の列の各々は、下から上への方向を横切って延びている。
【0007】
拡張可能シートは、拡張可能シートが平面内に平らに横たわる比較的平坦な非拡張状態と、スリットが開かれて開口が形成され、スリット間のスリットシート材の各部が平面の外側に回転させられた拡張状態とを有していてもよい。
【0008】
パッド入り封筒は、内部空間内に配置された分離シートを備えていてもよい。分離シートは、下縁と、上縁と、対向する側縁とを含む。分離シートの下縁および対向する側縁の少なくとも一方は、それぞれの縁近傍において前シートおよび後シートの少なくとも一方に固定される。
【0009】
パッド入り封筒は、拡張を引き起こすために、ユーザが拡張可能シートの上縁を袋体に対して下から上への方向に引っ張ることを容易にするために、少なくとも1つの拡張可能シートの上縁から延び、開口から外側に延びるプルタブを備えていてもよい。
【0010】
プルタブは、プルタブ取外可能剥離ライナによって覆われたプルタブ接着層を備えていてもよい。
前シート、後シート、拡張可能シートまたは分離シートの何れかが紙から作られていてもよい。
【0011】
袋体の後シートは、前シートと後シートの下縁が揃えられたときに、後シートの上縁が前シートの上縁を越えて下から上への方向に延びて、袋体フラップを形成するように、前シートよりも下から上への方向に大きな長さを有していてもよい。
【0012】
後シートは、開口を閉じるために前シートの上縁の上に袋体フラップを折り畳むことを容易にするために、前シートの上縁に隣接する折り線を備えていてもよい。
【0013】
袋体フラップは、後シートの内面に後シートの上縁に隣接する袋体フラップ接着層を備えていてもよい。後シートの内面は、袋体の内部空間に面している。
袋体フラップ接着層は、袋体フラップ取外可能剥離ライナによって覆われていてもよい。
【0014】
前シートは、前シートの外面上の前シートの上縁に隣接する前シート接着層を備えていてもよい。前シートの外面は、袋体の外部に面している。
前シート接着層は、前シート取外可能剥離ライナによって覆われていてもよい。
【0015】
袋体は、袋体の開口を閉じるために、前シートおよび後シートのそれぞれの上縁近傍に機械的ファスナを備えていてもよい。
袋体は、袋体の開口を閉じるために、前シートおよび後シートのそれぞれの上縁近傍にガムシールを備えていてもよい。
袋体は、前シートが後シートにそれぞれの下縁およびそれぞれの対向する側縁に沿って連結される少なくとも1つのマチを含んでもよい。
【0016】
出荷のために物品を梱包する例示的な方法は、パッド入り封筒を提供するステップを含む。この方法は、さらに、物品を袋体の内部空間に挿入するステップと、拡張可能シートの上縁を引っ張って、拡張可能シートを拡張させ、ライナの厚さを増大させるステップとを含む。次に、この方法は、引っ張るステップの後に、拡張可能シートの上縁を袋体に固定するステップを含む。次いで、この方法は、袋体の開口を閉じるステップを含む。
【0017】
パッド入り封筒を製造する例示的な方法は、対面して配置された前シートおよび後シートを提供するステップを含む。各シートは、それらのそれぞれの下縁、それらのそれぞれの上縁、およびそれらの対向する側縁を含む。この方法はまた、前シートおよび後シートをそれぞれの下縁に沿って、かつそれぞれの対向する側縁のそれぞれに沿って連結して内部空間を画定するステップを含む。シートの上縁は、内部空間への開口を形成するために、連結されないままである。次に、この方法は、ライナを内部空間に配置するステップを含む。ライナは、少なくとも1つの拡張可能シートの下縁、上縁、および対向する側縁を含む少なくとも1つの拡張可能シートを備える。次に、この方法は、前シートおよび後シートの下縁近傍において、拡張可能シートの下縁を袋体に固定するステップを含む。拡張可能シートの上縁および対向する側縁は、袋体の前シートおよび後シートに対して自由に動くことができる。拡張可能シートの上縁を袋体に対して下から上方向に引っ張ると、拡張可能シートが拡張し、ライナの厚さが増大させられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】嵩を低減した状態の例示的なパッド入り封筒を示す斜視図である。
図2図1の例示的なパッド入り封筒のより大きな嵩の状態を示す斜視図である。
図3図1の例示的なパッド入り封筒の部分的に組み立てられておらず展開した形態を示す斜視図である。
図4図1の例示的なパッド入り封筒の部分的に組み立てられておらず部分的に展開した形態を示す斜視図である。
図5図1の例示的なパッド入り封筒の部分的に組み立てられておらず閉じられた形態を示す斜視図である。
図6A図1のパッド入り封筒において拡張可能シートとして使用される拡張していない状態の例示的なスリットシート材を示す模式的な図である。
図6B】拡張した状態の図6Aのスリットシート材を示す模式的な図である。
図7】例示的なパッド入り封筒の斜視図である。
図8A】例示的なパッド入り封筒の模式図である。
図8B】例示的なパッド入り封筒の模式図である。
図9A】ユーザが物品を内部に梱包する際に取り得るステップを説明する図1の例示的なパッド入り封筒の時系列の斜視図である。
図9B】ユーザが物品を内部に梱包する際に取り得るステップを説明する図1の例示的なパッド入り封筒の時系列の斜視図である。
図9C】ユーザが物品を内部に梱包する際に取り得るステップを説明する図1の例示的なパッド入り封筒の時系列の斜視図である。
図9D】ユーザが物品を内部に梱包する際に取り得るステップを説明する図1の例示的なパッド入り封筒の時系列の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に図面に目を向けると、例示的なパッド入り封筒10は、図1に描かれているように、嵩が低減されたコンパクトな状態で、製造され、エンドユーザまで輸送され、かつ、保管されるように構成されている。パッド入り封筒10は、使用時に、図2に描かれているように、クッション性が増大させられた、より大きな嵩の状態に拡張されるように構成されている。例えば、ユーザは、減容されたコンパクトな状態でパッド入り封筒10を受け取ることができる。ユーザが出荷のためにその中に物品を包装するとき、ユーザは、物品をパッド入り封筒10に挿入し、そこに包装された物品を出荷する前に、パッド入り封筒10をクッション性が増大させられた、より大きな嵩の状態に拡張することができる。
【0020】
図3図5をさらに参照すると、パッド入り封筒10は、少なくとも前シート14、後シート16およびライナ18によって形成される袋体12を備える。図3は、前シート14、後シート16およびライナ18の、互いに対する配置をより詳細に示す目的で、部分的に組み立てられておらず展開された形態で袋体12を描いている。同じ目的で、図4は、部分的に組み立てられておらず部分的に展開された形態で袋体12を描いており、図5は、部分的に組み立てられておらず閉じられた形態で袋体12を描いている。
【0021】
前シート14、後シート16およびライナ18の各々は、それぞれ下縁14a,16a,18aと、それぞれ上縁14b,16b,18bと、それぞれ対向する側縁14c,16c,18cとを備えている。なお、本明細書において、袋体12に対する下縁14a,16a,18aから上縁14b,16b,18bに向かう方向を下から上への方向20といい、前シート14の面から後シート16の面に向かう方向を厚さ方向21という。
【0022】
図1および図2に描かれているように、前シート14の下縁14aおよび対向する側縁14cは、後シート16の下縁16aおよび対向する側縁16cにそれぞれ貼り付けられて、組み立てられた袋体12の内部空間22を形成している。下縁14a,16aおよび対向する側縁14c,16cは、例えば、接着剤、機械的ファスナ、または折り線によって互いに貼り合わされてもよい。袋体12は、袋体12を補強するために、前シート14がそれらのそれぞれの下縁14a,16aおよびそれらのそれぞれの対向する側縁14c,16cに沿って後シート16に貼り付けられる少なくとも1つのマチを備えていてもよい。前シート14の上縁14bと後シート16の上縁16bとは、そこに包装されるべき物品を挿入するために、袋体12の内部空間22への開口24を形成するために互いに連結されないままである。
【0023】
ライナ18は、内部空間22に配置され、内部空間22において前シート14および後シート16の全体または一部を覆っていてもよい。ライナ18は、拡張していない状態の少なくとも1つの拡張可能シート19を備える。描かれた実施形態において、ライナ18は、それぞれが拡張していない状態の2つの拡張可能シート19を備える。ライナ18の下縁18aは、前シート14および後シート16の少なくとも一方に、それぞれの下縁14a,16a近傍に固定される。ライナ18の下縁18aは、例えば、接着剤、機械的ファスナ、または折り線によって、前シート14または後シート16に固定されてもよい。ライナ18の上縁18bおよび対向する側縁18cは、ライナ18が袋体12に対して下から上への方向20に自由に展開できるように、前シート14および後シート16に連結されていない。以下により詳細に説明するように、ライナ18の少なくとも1つの拡張可能シート19の上縁18bを袋体12に対して下から上への方向10に引っ張ることにより、少なくとも1つの拡張可能シート19が拡張させられ、ライナ18の厚さが厚さ方向21に増大する。
【0024】
前シート14および後シート16は、紙などの封筒材から作られている。封筒材は、パッド入り封筒10が使用される特定の用途や環境に応じて、任意の種類および等級の紙であってもよく、例えば、クラフト紙であってもよい。封筒材は、様々な坪量のいずれかを有してもよく、ゼロから100%のリサイクル材料によって作られていてもよい。いくつかの実施形態において、封筒材は、積層されていてもよく、または別の紙、プラスチックシート、金属箔、またはそれらの他の任意の組み合わせなどの他の任意の好適な材料を含んでいてもよい。コールドチェーン用途のための耐湿性および耐熱性などの所望の特性を付加または改善するために、封筒材にワックスまたは他のコーティングおよび化学処理を加えてもよい。
【0025】
図3図5に描かれた実施形態において、袋体12は、ライナ18を封筒材のシート(前シート14および後シート16)の上に重ね、ライナ18および封筒材を折り目32において折ることによって形成され、折り目32はそれによって前シート14、後シート16およびライナ18のそれぞれの下縁14a,16a,18aを形成している。ライナ18の下縁18aは、その後、前シート14および後シート16の少なくとも一方に、それぞれの下縁14a,16a近傍に固定される。さらに、その後、前シート14および後シート16のそれぞれの対向する側縁14c,16cが、内部空間22を形成するために互いに貼り付けられる。
【0026】
しかし、別の実施形態において、前シート14および後シート16を独立した封筒材のシートとして提供し、そのそれぞれの下縁14a,16aおよびそれぞれの対向する側縁14c,16cを互いに貼り合わせて、袋体12の内部空間22を形成してもよい。この実施形態において、ライナ18は別個に挿入され、その下縁18aを前シート14および後シート16の少なくとも一方にそれぞれの下縁14a,16a近傍に固定してもよい。
【0027】
あるいは、ライナ18の下縁18aが、前シート14の下縁14aと後シート16の下縁16aとの間に固定されていてもよい。具体的には、パッド入り封筒10の製造方法は、対面して配置された前シート14および後シート16を提供するステップを含む。前シート14および後シート16の各々は、前シート14および後シート16の他方のそれぞれの縁に隣接して配置されたそれぞれの下縁14a,16a、上縁14b,16b、および対向する側縁14c,16cを備える。次に、この方法は、前シート14および後シート16を、それぞれの下縁14a,16aに沿って、かつ、それぞれの対向する側縁14c,16cに沿って連結して内部空間22を画定するステップを含んでいてもよい。上縁14b,16bは、内部空間22への開口24を形成するために、連結されないままである。次に、本方法は、ライナ18を内部空間22に配置するステップを含む。ライナ18は、その下縁18a、上縁18bおよび対向する側縁18cを含む少なくとも1つの拡張可能シート19を備える。次に、この方法は、拡張可能シートの下縁18aを、前シート14および後シート16の下縁14a,16a近傍にそれぞれ袋体12に固定するステップを含んでいる。拡張可能シート19の上縁18bおよび対向する側縁18cは、袋体12の前シート14および後シート16に対して相対的に自由に移動できる。したがって、拡張可能シート19の上縁18bを袋体12に対して下から上への方向20に引っ張るステップにより、拡張可能シート19が拡張させられてライナの厚さが厚さ方向21に増大させられる。
【0028】
次に、図6Aおよび図6Bに目を向けると、ライナ18の少なくとも1枚の拡張可能シート19は、スリットシート材26から作られている。具体的には、図6Aは、少なくとも1枚の拡張可能シート19のスリットシート材26を拡張していない状態で示し、図6Bは、スリットシート材26を拡張した状態で示している。スリットシート材26は、長さ方向に(すなわち、スリットシート材26の長さLに沿って)間隔をあけて、横方向に(すなわち、スリットシート材26の幅Wに沿って)延びる複数のスリット28の列30に配列された複数のスリット28を有している。袋体12の内部空間22に配置されたとき、スリットシート材26の長さLは、袋体12の下から上への方向20に延び、複数の列30およびスリット28は、袋体12の下から上への方向20を横切って延びる。
【0029】
スリットシート材26は、スリット28の多くの代替的な配置のいずれか、または異なるシート厚(すなわち、図6に示す視点における紙面に垂直な寸法)を有してもよい。スリット28の異なる配置は、互いに相対する列30の異なる配置、異なるサイズのスリット28、スリット28間の異なる間隔、異なるスリット形状または隣接するスリット28に対する角度配置などのスリット配置のいずれか1つ以上を含んでいてもよい。スリット28は、スリットシート材26の幅Wに亘って断続的に切断等のミシン目を入れる等して弱めることにより形成されてもよい。
【0030】
スリット28の列30は、概して互いに平行であり、概して周期的に、典型的には等しく、長手方向に互いに間隔を空けて配置されている。スリット28は、列30にわたって断続的に、しかし周期的に分散しており、各列30のスリット28は、概して、すぐ隣の列30のスリット28との関係で千鳥に配置されている。スリット28の各列30にわたって、各スリット28の間に配置された非スリット領域の組み合わせ長さよりも、組み合わせたスリット領域の長さが大きくてもよく、スリットシート材26の最適な拡張量を提供することができる。
【0031】
拡張可能シート19は、拡張可能シート19がスリットシート材26の平面内に平らに横たわる、比較的平坦な拡張していない状態を有する。スリットシート材26は、スリット18が開いて開口29を形成し、スリット28間のスリットシート材26の各部が平面の外に回転させられる拡張状態まで1次元または複数次元に拡張可能に構成されている。例えば、スリットシート材26に対して、幅方向に延びるスリット28を横切る長さ方向(すなわち、袋体12に対してる下から上への方向20)に引っ張る力を加えると、スリットシート材26の長さが長さ方向に増加し、幅方向には減少し、長さ方向および幅方向の両方を横切る方向に厚さが増加し、スリットシート材26の嵩が増大する。具体的には、図6Bを参照して、ライナ18(スリットシート材26)の上縁18bを引っ張ることにより、スリットシート材26のうち長手方向Lにおけるスリット28の両側の領域が互いに引き離されて、スリット28が開いてスリットシート材26に開口29を形成させることができる。スリット28が開くと、スリットシート材26のスリット28の間の部分が、スリットシート材26のそれまでの真っ直ぐな平面から外れて回転する。これにより、スリットシート材26の回転した領域がスリットシート材26のそれまでの直線的な平面を超えて拡張または突出するので、スリットシート材26の厚さも増加する。したがって、このように引き伸ばされると、拡張した状態におけるスリットシート材26の厚さは、拡張していない状態のスリットシート材26の厚さよりも一桁、またはそれ以上大きくなる可能性がある。
【0032】
スリットシート材26に長手方向に引っ張り力が加わってスリットシート材26が拡張状態になると、スリットシート材26は非弾性的に変形する。この変形により、スリットシート材26は拡張した状態を維持し、スリットシート材26が以前の拡張していない状態に戻る傾向が減少する。言い換えれば、適用される引き伸ばす力は、スリットシート材26をその弾性限界を越えて拡張させるのに十分である。いくつかの実施形態において、変形が完全に永久的でない場合があり、その結果、スリットシート材26は、反動で部分的に平坦な状態に戻る傾向を有する場合がある。
【0033】
スリットシート材26は、クラフト紙などの紙を含んでいてもよく、典型的には、一重のクラフト紙を含む。好適なクラフト紙は、例えば、20ポンドまたは40ポンドなど、様々な坪量を有していてもよい。紙自体は、ゼロから100%のリサイクル材料から作られてもよい。いくつかの実施形態において、スリットシート材26は、積層されてもよいし、別の紙、プラスチックシート、金属箔、またはそれらの任意の他の組合せなど、任意の他の好適な材料を含んでいてもよい。エンボス、ミシン目、または他の特徴をスリットシート材26に追加して、所定の変形点を規定し、スリットシート材26を拡張するのに必要な労力を軽減し、拡張状態を維持するのに必要な労力を軽減することができる。コールドチェーン用途のための耐湿性および耐熱性などの所望の特性を付加または改善するために、ワックスまたは他のコーティングおよび化学処理をライナに付加してもよい。
【0034】
図7を参照すると、パッド入り封筒10は、ライナ18の上縁18bから、具体的には少なくとも1つの拡張可能シート19の上縁18bから延び、袋体12の開口24から外側に延びるプルタブ46を備えていてもよい。プルタブ46は、拡張を引き起こすために、ユーザが拡張可能シート19の上縁18bを袋体12に対して下から上への方向20に引っ張ることを容易にするように構成されている。プルタブ46は、拡張させた後に少なくとも1つの拡張可能シート19を前シート14および後シート16の少なくとも一方に固定し、拡張可能シート19が反動で拡張していない状態に戻ることを防止するためのプルタブ接着層48を備えていてもよい。プルタブ接着層48は、プルタブ取外可能剥離ライナ48が剥がされる前に、プルタブ46が何かに接着してしまうことを防止するために、プルタブ取外可能剥離ライナ50によって覆われていてもよい。
【0035】
パッド入り封筒10は、さらに、内部空間22に配置された少なくとも1つの分離シートを備えていてもよい。少なくとも1つの分離シートも、上縁、下縁、および対向する側縁を備えている。分離シートの下縁および対向する側縁の少なくとも一方は、それぞれの縁近傍の前シートおよび後シートの少なくとも一方に固定されてもよい。例えば、分離シートの下縁および対向する側縁は、接着剤または機械的ファスナによって前シートおよび後シートに固定されてもよい。あるいは、分離シートは、内部空間22内において固定されていなくてもよい。
【0036】
分離シートは、軽量のティッシュペーパーなどの紙から作られていてもよい。好適な紙は、例えば、20ポンドまたは40ポンドなど、様々な坪量を有していてもよい。紙自体は、ゼロから100%のリサイクル材料から作られていてもよい。いくつかの実施形態において、分離シートは積層されてもよく、または別の紙、プラスチックシート、金属箔、またはそれらの任意の他の組合せなどの任意の他の好適な材料を含んでいてもよい。
【0037】
ここで、図8Aおよび図8Bに目を向けると、袋体12の後シート16は、前シート14および後シート16の下縁14a,16aが互いに揃えられて貼り付けられると、後シート16の上縁16bが下から上への方向20に前シート14の上縁14bを超えて延び、袋体フラップ34を形成するように、下から上への方向20に前シート14よりも大きな長さを有していてもよい。袋体フラップ34は、袋体12の開口24を閉じるように折り返されてもよく、パッド入り封筒10を出荷用に密封するために、前シート14に固定されてもよい。後シート16は、物品が挿入された後に開口24を閉じるために、前シート14の上縁14bの上に袋体フラップ34を折り返すことを容易にするために、袋体フラップ34上の、前シート14の上縁14bに隣接する折り線36を備えていてもよい。
【0038】
図8Aに具体的に描かれた実施形態において、袋体フラップ34は、出荷のためにパッド入り封筒10を密封するために、後シート16の内面(袋体12の内部空間22に面した前シート14の内面)上に後シート16の上縁16bに隣接して袋体フラップ接着層38を備えていてもよい。袋体フラップ34を前シート14の上縁14bに折り重ねると、袋体フラップ34が前シート14の外面に接着し、それによって開口24が閉じられ、パッド入り封筒10を密封することができる。袋体フラップ接着層38は、袋体フラップ取外可能剥離ライナ40が剥がされる前に、袋体フラップ34が何かに接着するのを防ぐために、袋体フラップ取外可能剥離ライナ40によって覆われていてもよく、その結果、袋体フラップ34は、前シート14上に折り重ねられて接着される。
【0039】
図8Bに具体的に描かれた実施形態において、前シート14は、出荷のためにパッド入り封筒10を密封するために、前シート14の外面(袋体12の外部に面する前シート14の外面)上に前シート14の上縁14bに隣接して前シート接着層42を備えている。したがって、袋体フラップ34を前シート14の上縁14bに折り重ねると、前シート14の外面が袋体フラップ34に接着して、それによって開口24が閉じられ、パッド入り封筒10を密封することができる。前シート接着層42は、前シート取外可能剥離ライナ44が剥がされる前に、前シート14の外面が何かに接着するのを防ぐために、前シート取外可能剥離ライナ44によって覆われていてもよい。
【0040】
袋体フラップ接着層38および前シート接着層42に加えて、またはその代わりに、袋体12は、袋体の開口を閉じるために、前シート14および後シート16のそれぞれの上縁14b,16b近傍に、例えば、袋体フラップ34に機械的ファスナを備えていてもよい。袋体12はまた、または代替的に、袋体12の開口を閉じるための、前シート14および後シート16のそれぞれの上縁14b,16b近傍の、例えば、袋体フラップ34上に、ガムシールを備えていてもよい。
【0041】
次に、図9A図9Dに目を向けると、パッド入り封筒10を使用した出荷のための物品の梱包方法が、連続的なステップで描かれている。具体的には、図9Aに描かれているように、この方法は、上述したパッド入り封筒10を提供するステップと、袋体12の内部空間22に物品を挿入するステップとを含んでいる。図9Bに描かれているように、この方法は、ライナ18の上縁18b、特に、少なくとも1つの拡張可能シート19を引っ張って、少なくとも1つの拡張可能シート19を拡張させ、ライナ18の厚さを厚さ方向21で増大させるステップをさらに含んでいる。引っ張るステップは、上述したプルタブ46の存在によって促進され得る。図9Cに描かれているように、この方法は、次に、引っ張るステップの後に、ライナ18の上縁18bを袋体12に固定するステップを含んでいる。固定するステップは、プルタブ接着層48の使用により達成されてもよい。したがって、この方法は、ライナ18の上縁18bを袋体12に固定する前に、プルタブ取外可能剥離ライナ50を剥がすステップを追加で含んでいてもよい。最後に、図9Dに描かれているように、この方法は、例えば、上述の袋体フラップ34の使用によって袋体12の開口24を閉じるステップを含んでいてもよい。
【0042】
要約すると、上述したパッド入り封筒10は、それぞれが下縁14a,16a、上縁14b,16b、および対向する側縁14c,16cを含む前シートおよび後シート14,16によって形成された袋体12を備えている。シート14,16は、それらの下縁14a,16aおよび対向する側縁14c,16cの各々に沿って連結され、内部空間22を画定している。シートの上縁14b,16bは、内部空間22への開口24を形成するために、連結されていない。また、パッド入り封筒10は、内部空間22に配置されたライナ18を備え、下縁18a、上縁18b、および対向する側縁18cを有する拡張可能シート19を備えている。拡張可能シート19の下縁18aは、前後シート14,16の下縁14a,16a近傍に固定され、拡張可能シート19の上縁18bおよび側縁18cは、前後シート14,16に対して固定されていない。拡張可能シート19の上縁18bを袋体12に対して引っ張ると、拡張可能シート19が拡張させられてライナ18の厚さが増大する。
【0043】
1つの実施形態が示され、説明されているが、本明細書および付属図面を読み、理解すれば、同等の代替および修正が他の当業者に生じるであろう。特に、上述した完全体(構成要素、組立体、装置、組成物など)が果たす様々な機能に関して、そのような完全体を説明するために用いられる用語(「手段」への言及を含む)は、特に指示しない限り、図示した例示的実施形態においてその機能を果たす開示済みの構造と構造的に同等ではないとしても、説明した完全体の規定の機能を果たす任意の完全体(すなわち、機能的に同等である)に対応することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D